JP4218076B2 - 滅菌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、径の細い管内や滅菌バック内の物の滅菌も容易且つ確実に行い得るようにした滅菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の滅菌装置としては、プロパンガスを混入した有毒な酸化エチレンガスやホルマリンガスを用いたものなどが知られている。しかし、斯かる滅菌装置を用いた場合には、滅菌に要する時間が長いうえ、滅菌後に残留ガスを除去するための洗浄装置が必要となるものもあり、又洗浄装置を用いても残留ガスの完全な除去が困難で、従って残留物質が下水へ放出されて二次公害のもととなる、等の問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために特開平9−271512号公報に示すごときオゾンガスを用いた滅菌装置が提案されている。
【0004】
而して、特開平9−271512号公報に示す滅菌装置においては、滅菌対象物を収納した圧力容器内を減圧し、オゾン発生装置と前記圧力容器内とを循環するようにしたオゾンガスを前記圧力容器内に噴出させて滅菌対象物の滅菌を行い、滅菌終了後圧力容器からオゾンガスを除去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
滅菌対象物には、径の細い管状の物や滅菌バックがあるが、特開平9−271512号公報に示す滅菌装置ではオゾンガスを循環させているだけであるため、細長い管状の物の内部や滅菌バック内は、オゾン濃度があがりにくく、十分に滅菌を行うことが困難であるという問題がある。
【0006】
なお、滅菌バックとは、従来公知のバックで、オゾンガスは通過しても細菌は通過しない材質で形成されており、バック内に収納した滅菌対象物の滅菌を行い得るようにしたものである。
【0007】
本発明は、前述の実情に鑑み、細長い管状の物の内部や滅菌バック内にも、十分にオゾンガスを導入し、滅菌を確実に行い得るようにすることを目的としてなしたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本装置発明は、滅菌処理庫と、該滅菌処理庫へオゾンガスを送給するオゾナイザと、前記滅菌処理庫内のオゾンガスを排気する真空ポンプと、前記滅菌処理庫内から真空ポンプにより排気された排ガス中のオゾンガスを分解するオゾン分解装置とを備えると共に、前記滅菌処理庫内には、一端が開口し且つ他端に開閉可能な第1のフラップを有し、しかも外周部に開閉可能な第2のフラップを有する筒体を備え前記筒体内の前記開口側に正逆転可能なファンを備え前記筒体内の第1のフラップ側にオゾンガスを分解させる分解手段を備えたオゾン分解ユニットを設置し、ファンの一方向への回転時には第2のフラップが開いて形成された開口から筒体内へ導入されたオゾンガスを前記分解手段を通すことなく送給して前記筒体の一端に形成された開口から滅菌処理庫内に送出すことにより滅菌処理庫内のオゾンガスを撹拌し、ファンの他方向への回転時には前記筒体の一端に形成された開口から導入されたオゾンガスを分解手段により分解して第1のフラップが開いて形成された開口から滅菌処理庫内へ送出すよう構成したものである。
【0013】
従って、本装置発明では、真空ポンプにより滅菌処理庫内を減圧した後、オゾナイザからオゾンガスを滅菌処理庫へ送給する工程を交互に行うことができるため、滅菌対象物が細長い管状の物や滅菌バックであっても容易且つ確実に滅菌を行うことができる。又、本装置発明では、滅菌時にはオゾンの撹拌を十分に行って滅菌を良好に行うことができ、更にオゾンガスを排出する際には、オゾン分解装置へ送給する前に予めオゾンの分解を行うことができるため、オゾン分解装置の負担を軽減することができる。
【0014】
本装置発明は、真空ポンプの駆動により生じた熱によりオゾン分解装置へ送給されるまえの排ガスを加熱するよう加熱装置を設けたものである。
【0015】
従って、本装置発明では、排ガス中の相対湿度を下げることができ、オゾン分解装置でのオゾン分解効率が向上する。
【0016】
本装置発明は、滅菌処理庫内にバブラを設置すると共に、オゾナイザで発生したオゾンガスを前記バブラに送給する管路の頂部がバブラ内の水面よりも上方となるよう、前記管路を逆U字状に形成したものである。
【0017】
従って、本装置発明では、バブラの水がオゾナイザ側へ逆流せず、且つ、加湿が可能なため滅菌が良好に行われ、しかも、ダストやNOx等の不純物が除去され、滅菌処理庫内がクリーンに保持される。
【0018】
本装置発明は、滅菌処理庫に、該滅菌処理庫から抜出されたオゾンガスを循環させて再び滅菌処理庫へ戻すようにした管路を接続し、該管路にオゾン濃度計及び循環ポンプを接続し、前記管路のオゾンガスを滅菌処理庫へ戻す側の端部に細長い管状の滅菌対象物の内部へオゾンガスを通し得るよう、前記細長い管状の滅菌対象物を接続する手段を設けたものである。
【0019】
従って本装置発明は、細長い管状の物の内部をもより一層確実に滅菌することができ、且つオゾン濃度の変化の状態から滅菌が良好に行われているか否かを判定できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1〜図4は本発明の実施の形態の一例で、図中、1は酸素発生器、2は酸素発生器1で発生した酸素からオゾンガス4を製造するオゾナイザ、3はオゾナイザ2からのオゾンガス4を滅菌処理庫5へ送給する管路であり、管路3には、オゾンガス4の流れ方向上流側から下流側へ向けて順次電磁弁6、逆止弁7が設けられている。
【0024】
管路3の先端側は上方から滅菌処理庫5側へ挿入されており、滅菌処理庫5内で下方へ延在してその下端は、滅菌処理庫5内に配置した水8の入ったタンクであるバブラ9内に挿入されている。
【0025】
バブラ9を設けるのは、管路3から送給されたオゾンガス4に水分を同伴させて滅菌処理庫5内の湿度をあげ、殺菌効果を高めると共にオゾナイザ2から発生してオゾンガス4に同伴されたダストやNOx等の不純物を除去し、滅菌処理庫5内をクリーンに保持するためである。
【0026】
バブラ9のタンクには、水8が入っていることをチェックするレベルセンサや残水を排水するためのドレンを設ける。レベルセンサは滅菌処理庫5内が十分に加湿されたか否かを確認するのに用いるようにしても良く、又湿度センサを設けて滅菌処理庫5内の湿度をセンシングするようにしても良い。
【0027】
管路3の上端をバブラ9の水8の上面位置より高くして逆U字状としているのは、バブラ9内の水がオゾナイザ2へ逆流しないようにするためである。バブラ9にはオゾンガス4と水8の接触効率が良くなるよう、セラミックスやガラス製のフィルタを設けても良い。
【0028】
滅菌処理庫5の管路3挿入側と対向する壁面には、滅菌処理庫5の外部に敷設された管路10が接続され、管路10には、滅菌処理庫5から排出された排ガス11の流れ方向上流側から下流側へ向けて、電磁弁12及び後述の真空ポンプ13の廃熱を利用して排ガス11を加熱しオゾン分解の効率を高めるようにした加熱装置14並にオゾン分解装置15が接続されている。
【0029】
オゾン分解装置15には、オゾンを分解して得られた酸素を排出するための管路16が接続され、管路16には滅菌処理庫5からオゾンガス4を吸引して滅菌処理庫5内を真空にするための真空ポンプ13が接続されている。
【0030】
滅菌処理庫5の天井部から壁部にかけては、滅菌処理庫5から送出されたオゾンガス4を送給して再び滅菌処理庫5内へ戻し得るようにした管路17が滅菌処理庫5の外部に敷設されるよう接続され、管路17にはオゾンガス4の流れ方向上流側から下流側へ向けて順次、例えば紫外線吸収式のオゾン濃度計18及び循環ポンプ19が接続されている。
【0031】
滅菌処理庫5天井部の管路17接続部とは反対側の位置には、滅菌処理庫5の外部に位置するよう管路20が接続され、管路20の中途部には電磁弁21が、又管路20の上端には、滅菌フィルタやHEPAフィルタ等のフィルタ22が接続されている。フィルタ22には、滅菌終了後に減圧された滅菌処理庫5内を大気圧に戻すために外部から空気を導入する際に菌の進入を防止し、滅菌処理庫5内にある滅菌処理物の再汚染を防止するためのものである。
【0032】
滅菌処理庫5内には、オゾン分解効率を高めるためのオゾン分解ユニット23が設置されている。
【0033】
オゾン分解ユニット23は、一端に開口24を有すると共に他端に開閉可能な第1のフラップ25が設けられた筒体26を備えており、筒体26内には、触媒27及び触媒27と対向するよう開口24側に設置された駆動可能なファン28が収納されている。又筒体26外周部の触媒27とファン28との間の位置には、開閉可能な第2のフラップ29が設けられている。
【0034】
而して、滅菌処理庫5内にオゾン分解ユニット23を設けてオゾン分解効率を高めるようにしたのは次のような理由による。すなわち、真空ポンプ13により吸引されて大気中へ排出される排ガス11中のオゾン濃度は規制基準(作業環境の許容濃度)である0.1ppm以下にしなければならない。
【0035】
一方、オゾン分解装置15のみでオゾンを分解しようとすると、オゾン分解装置15を1回通過させるだけで排ガス11中のオゾン濃度を規制基準である0.1ppmにしなければならないため、管路10からオゾン分解装置15へ送給される排ガス11の単位時間当りの流量を大きくすることができない。
【0036】
そこで、滅菌処理庫5内にオゾン分解ユニット23を設け、図3に示すように滅菌処理庫5内のオゾンガス4を何回もオゾン分解ユニット23に通して循環させ、オゾン分解装置15へ送給される前に予め滅菌処理庫5内でできるだけオゾンを分解させ、オゾン分解装置15へ多量の排ガス11を送給できるようにするのである。
【0037】
なお、図1中、30は滅菌するために滅菌処理庫5内に収納されて管路17の滅菌処理庫5戻り側の端部に図示してないノズルを介して接続された細長い管状の滅菌対象物である。
【0038】
次に、本発明の作用について説明する。
【0039】
滅菌対象物30の滅菌を行う際には、滅菌対象物30を滅菌処理庫5内に収納し、電磁弁6,21を閉止し、電磁弁12を開き、真空ポンプ13の運転を開始する。このため、滅菌処理庫5内の空気等のガスは、排ガス11として管路10、オゾン分解装置15、管路16を通って大気中へ排気され、滅菌処理庫5内は減圧される。この際、オゾン分解装置15は停止し、オゾン分解ユニット23のファン28は停止し、フラップ25,29は図4に示すごとく閉止している。
【0040】
滅菌処理庫5内が所定の圧力まで減圧されたら電磁弁21は閉止状態を保持したまま、電磁弁12を閉止して真空ポンプ13を停止し、電磁弁6を開いて酸素発生器1及びオゾナイザ2を起動する。このため、酸素発生器1で大気中の空気から分離された酸素はオゾナイザ2へ送給されてオゾナイザ2でオゾンにされ、得られたオゾンガス4は管路3を通って滅菌処理庫5内のバブラ9へ導入され、バブラ9で水8を同伴して加湿された状態でバブラ9から滅菌処理庫5内へ噴出され、滅菌が開始される。
【0041】
而して、滅菌処理庫5内のオゾン濃度が所定の濃度になったら、電磁弁6は閉止され、酸素発生器1及びオゾナイザ2は停止され、循環ポンプ19が駆動され、オゾン分解ユニット23のファン28が駆動される。この際、滅菌処理庫5におけるオゾンガス4の流れにより、図2に示すようにフラップ29が開く。
【0042】
滅菌処理庫5内のオゾンガス4は、管路17からオゾン濃度計18を経て、循環ポンプ19に吸込まれ、循環ポンプ19から吐出されて管路17を通り滅菌処理庫5内へ戻る。
【0043】
オゾン濃度計18で直接、滅菌処理庫5内のオゾンの濃度を監視できるため、反応によりオゾン濃度が下降していく様子から滅菌が確実に行えたかどうか明確に把握することができる。
【0044】
又、滅菌対象物30が細長い管状の物の場合には、滅菌対象物30を管路17の滅菌処理庫5に対する戻り側にノズルを介して接続しておくことにより、管路17を通って戻って来た滅菌処理庫5内の濃度と同じ濃度のオゾンガス4を滅菌対象物30の管内に通すことができ、従って従来は滅菌しにくかった細長い管状の滅菌対象物30を容易且つ確実に滅菌できる。
【0045】
更に、オゾン分解ユニット23では、ファン28が駆動されてフラップ29が開いた状態であるため、滅菌処理庫5内のオゾンガス4は、筒体26のフラップ29の部分の開口から筒体26の開口24へ流れることにより撹拌され、従って滅菌処理庫5内のオゾン濃度は全体的に均一化され、良好な滅菌を行うことができる。
【0046】
一定時間経過後或いはオゾン濃度計18で検出されたオゾン濃度が所定の値まで下降したら、オゾン分解ユニット23のファン28を逆転させる。そうすると、オゾンガス4は図3に示すごとく、開口24から筒体26へ導入されるようになるため、オゾンガス4の流れによりフラップ29は閉止し、フラップ25は開く。又循環ポンプ19は停止させる。
【0047】
従って、滅菌処理庫5内のオゾンガス4は開口24から筒体26内へ導入され、触媒27を通り分解され、フラップ25の開口から滅菌処理庫5内へ戻される。このように、オゾン分解ユニット23を使用することにより、滅菌処理庫5内のオゾン濃度は或る程度下降する。
【0048】
又、電磁弁21は閉止したままで電磁弁12を開くと共にオゾン分解装置15及び真空ポンプ13を駆動すると、滅菌処理庫5内のオゾンを含むガスは排ガス11として管路10へ排出され、真空ポンプ13の廃熱を利用した加熱装置14で加熱されたうえオゾン分解装置15へ送給され、オゾン分解装置15で分解されて酸素になり、管路16から真空ポンプ13へ導入され、真空ポンプ13で加圧されたうえ管路16を送給されて大気中へ排出される。
【0049】
オゾン分解装置15に触媒を使用する場合、オゾンを含んだ排ガス11の湿度が高いと、オゾンの分解効率が低下し、1回オゾン分解装置15を通過しただけではオゾンの分解が不十分になる虞れがある。そこで、真空ポンプ13の駆動により発生した廃熱を加熱装置14で用いて、オゾン分解装置15へ与えられる前の排ガス11を加熱し、排ガス11中の相対湿度を下げている。このため、オゾン分解装置15でのオゾン分解効率の低下が防止され、高い分解効率を得ることができる。
【0050】
真空ポンプ13の駆動により滅菌処理庫5内が所定の圧力まで減圧されたら、ファン28を停止し、オゾン分解ユニット23のフラップ25を図4の状態に戻し電磁弁21は閉止したままで電磁弁12を閉止して真空ポンプ13を停止し、電磁弁6を開いて再び酸素発生器1及びオゾナイザ2を起動する。このため、上述した場合と同様、酸素発生器1で発生した酸素はオゾナイザ2へ送給されてオゾンにされ、管路3を通って滅菌処理庫5内のバブラ9へ導入され、バブラ9で水8により加湿されて滅菌処理庫5内へ噴出され、再び滅菌が開始される。
【0051】
而して、滅菌処理庫5内のオゾン濃度が所定の濃度になったら、電磁弁6は閉止され、酸素発生器1及びオゾナイザ2は停止され、循環ポンプ19が駆動され、オゾン分解ユニット23のファン28が駆動される。この際、滅菌処理庫5内におけるオゾンガス4の流れにより、図2に示すようにフラップ29が開く。
【0052】
滅菌処理庫5内のオゾンガス4は、管路17を循環してオゾン濃度計18で濃度を検出され、滅菌処理庫5内へ戻るため、前述と同様滅菌処理庫5内のオゾン濃度を直接監視でき、滅菌が確実に行えたか否か明確に把握することができる。
【0053】
又、この場合にも、管路17を通って戻って来たオゾンガス4は、滅菌対象物30の管内を通り、滅菌対象物30は、細長い管状の物であっても容易且つ確実に滅菌される。
【0054】
更に、この場合にも、滅菌処理庫5内のオゾンガス4はフラップ29の開口から開口24へ流れることにより撹拌され、従って滅菌処理庫5内のオゾン濃度は全体的に均一化され、良好な滅菌が行われる。
【0055】
一定時間経過後或いはオゾン濃度計18で検出されたオゾン濃度が所定の値まで下降したら、再びオゾン分解ユニット23のファン28を逆転させる。このため、オゾンガス4の流れによりフラップ29が閉止し、フラップ25が開く。又循環ポンプ19は停止させる。
【0056】
従って、滅菌処理庫5内のオゾンガス4は開口24から筒体26内の触媒27を通って分解され、フラップ25の開口から滅菌処理庫5内へ戻されるため、滅菌処理庫5内のオゾン濃度は或る程度下降する。
【0057】
又、電磁弁21を閉止した状態で電磁弁12を開き、オゾン分解装置15及び真空ポンプ13を駆動すると、滅菌処理庫5内のオゾンを含むガスは排ガス11として管路10へ排出され、オゾンの分解が十分に行われるよう加熱装置14で加熱されてオゾン分解装置15へ送給され、オゾン分解装置15で酸素に分解され、真空ポンプ13により大気中へ排気される。
【0058】
滅菌処理庫5内が所定の圧力まで減圧されたら、再び上述した手順により滅菌処理庫5内にオゾンガス4を送給して滅菌を行う。
【0059】
上述のように滅菌処理庫5に対する減圧及びオゾンガス4の送給を交互に複数回繰り返すことにより、滅菌を行う対象物が細長い管状の物であっても滅菌バック内に収納された物であっても十分にオゾンガス4を行き渡らせることができ、容易且つ確実に滅菌を行うことができる。
【0060】
滅菌処理が終了して滅菌処理庫5から滅菌された物を取出す場合には、滅菌処理庫5からオゾンガス4を排気して減圧した状態で電磁弁12を閉止し、電磁弁6は閉止したまま電磁弁21を開く。このため大気はフィルタ22から管路20を通って滅菌処理庫5内に導入される。これにより滅菌処理庫5は大気圧となり滅菌が終了した物を取出すことができる。フィルタ22は菌を通さないので、空気を導入する際に滅菌処理物が再汚染されることはない。
【0061】
図5は本発明の実施の形態の他の例で、本実施の形態においては、酸素発生器1及びオゾナイザ2の1組に対して滅菌処理庫5及びその付帯設備を夫々2組ずつ設けている。
【0062】
このようにすることにより、前述の実施の形態例と同様の作用効果を奏することができるうえ、滅菌処理庫5の減圧とオゾンガス4の送給とを繰り返す操作を行う場合、一方の滅菌処理庫5の減圧を行っている際に、他方の滅菌処理庫5へオゾンガス4を供給することができ、酸素発生器1やオゾナイザ2を効率良く稼働させることができる。
【0063】
本発明の実施の形態例においては次のようにすることもできる。
【0064】
すなわち、滅菌処理庫5内をオゾンガス4送給時にも大気圧により低い圧力に保つことにより、滅菌処理庫5から外部へのオゾンガス4のリークを防止することができる。
【0065】
滅菌処理庫5内に紫外線灯を設け、滅菌効率をあげるようにできる(促進酸化)。紫外線の強度は光量計等により監視する。この場合、滅菌処理庫5を形成するケーシング内面を鏡面仕上げして紫外線を反射させることにより、滅菌対象物30の裏側にまで紫外線が届くようにするとより一層良い。
【0066】
滅菌処理庫5を減圧した後、過酸化水素を噴霧して滅菌効果をあげるようにもできる(促進酸化)。
【0067】
滅菌処理庫5にオゾンセンサを設けてオゾンリークを監視するようにすると装置としての信頼性がより一層向上する。
【0068】
オゾンガス4を製造するために酸素発生器1を用いているが、酸素発生器1を用いず、空気を原料にしてオゾナイザ2でオゾンガス4を製造するようにもできる。オゾンガス4を滅菌処理庫5へ導入する際には、滅菌処理庫5は常時庫内が減圧されているので、空気をオゾナイザ2へ送給する装置がなくても、空気はオゾナイザで吸込まれてオゾンガス4となり、着圧により自動的に滅菌処理庫5内へ導入される。この際、オゾンガス4の流量を安定化させるため、マスフローコントローラ等の機器を設置しても良い。
【0069】
滅菌処理庫5内は金鋼等で段を仕切り、滅菌対象物30の下にもオゾンガス4が入りやすくするとより一層効果的である。
【0070】
滅菌処理庫5の外側から例えば自己調整形のリボンヒータ等により底面を加温することにより庫内温度を上昇させ、滅菌効果を高めることができる。
【0071】
各制御のタイミングは圧力計による圧力監視で行う。この時圧力変化が所定値以上であれば、インタロックをかける(滅菌処理庫5内の減圧を始めて一定時間経過後既定値以上であれば、リークしている可能性がある、等の判断をすることが可能となる)。
【0072】
なお、本発明は前述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の滅菌装置によれば、請求項1〜4の何れにおいても、滅菌対象物である細長い管状の物の内部や滅菌バック内にも十分にオゾンガスを導入することができるため、細長い管状の物の内部や滅菌バック内に収納した物の滅菌を十分に行うことができる。
【0074】
又、請求項1の装置発明では、滅菌時にはオゾンの撹拌を十分に行って滅菌を良好に行うことができ、又オゾンガスを排出する際には、オゾン分解装置へ送給する前に予めオゾンの分解を行うことができるため、オゾン分解装置の負担を軽減することができる。
【0075】
請求項2の装置発明では、排ガス中の相対湿度を下げることができるため、オゾン分解装置でのオゾン分解効率の低下が防止される。
【0076】
請求項3の装置発明によれば、バブラの水がオゾナイザ側へ逆流せず、且つ加湿が可能なため滅菌が良好に行われ、しかもダストやNOx等の不純物が除去されるため、滅菌処理庫内をクリーンに保持できる。
【0077】
又請求項4の装置発明によれば、細長い管状の物の内部をもより一層確実に滅菌することができると共に、滅菌が良好に行われているか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の滅菌装置の実施の形態の一例を示す概略配置図である。
【図2】 図1に示すオゾン分解ユニットを滅菌処理庫内のオゾンガスの撹拌に使用する状態を示す断面図である。
【図3】 図1に示すオゾン分解ユニットを滅菌処理庫内のオゾン分解に使用する状態を示す断面図である。
【図4】 図1に示すオゾン分解ユニットを停止させた状態を示す断面図である。
【図5】 本発明の滅菌装置の実施の形態の他の例を示す概略配置図である。
Claims (4)
- 滅菌処理庫と、該滅菌処理庫へオゾンガスを送給するオゾナイザと、前記滅菌処理庫内のオゾンガスを排気する真空ポンプと、前記滅菌処理庫内から真空ポンプにより排気された排ガス中のオゾンガスを分解するオゾン分解装置とを備えると共に、前記滅菌処理庫内には、一端が開口し且つ他端に開閉可能な第1のフラップを有し、しかも外周部に開閉可能な第2のフラップを有する筒体を備え前記筒体内の前記開口側に正逆転可能なファンを備え前記筒体内の第1のフラップ側にオゾンガスを分解させる分解手段を備えたオゾン分解ユニットを設置し、ファンの一方向への回転時には第2のフラップが開いて形成された開口から筒体内へ導入されたオゾンガスを前記分解手段を通すことなく送給して前記筒体の一端に形成された開口から滅菌処理庫内に送出すことにより滅菌処理庫内のオゾンガスを撹拌し、ファンの他方向への回転時には前記筒体の一端に形成された開口から導入されたオゾンガスを分解手段により分解して第1のフラップが開いて形成された開口から滅菌処理庫内へ送出すよう構成したことを特徴とする滅菌装置。
- 真空ポンプの駆動により生じた熱によりオゾン分解装置へ送給されるまえの排ガスを加熱するよう加熱装置を設けた請求項1に記載の滅菌装置。
- 滅菌処理庫内にバブラを設置すると共に、オゾナイザで発生したオゾンガスを前記バブラに送給する管路の頂部がバブラ内の水面よりも上方となるよう、前記管路を逆U字状に形成した請求項1又は2に記載の滅菌装置。
- 滅菌処理庫に、該滅菌処理庫から抜出されたオゾンガスを循環させて再び滅菌処理庫へ戻すようにした管路を接続し、該管路にオゾン濃度計及び循環ポンプを接続し、前記管路のオゾンガスを滅菌処理庫へ戻す側の端部に細長い管状の滅菌対象物の内部へオゾンガスを通し得るよう、前記細長い管状の滅菌対象物を接続する手段を設けた請求項1、2又は3に記載の滅菌装置。
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