JP4217787B2 - 信号処理方法及び信号処理装置 - Google Patents
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Description
本発明は、雑音を低減できる信号処理方法及び信号処理装置に関する。
信号処理の分野では、雑音を低減することは、常に望まれてきたことであるが、近年、使用する電源電圧が低くなってきたこともあって、さらに雑音に強い回路が要求されている。雑音に強い回路として、平衡型構成あるいは差動型構成といわれる回路が知られている。例えば、アナログ・デジタル混載の集積回路では、デジタル回路からの雑音は、アナログ回路に対して同相成分として混入する場合が多いので、平衡型構成の回路を使用して、雑音を低減することが行なわれる。平衡型回路は、図18に示すような構成で、入力Vinは、第1の信号処理回路51をとおり、H(s)Vinを出力する。一方、入力Vinを反転させて−Vinをつくり、この−Vinを第1の信号処理回路51と同一の信号処理を行なう第2の信号処理回路52を通して、その後さらに反転してH(s)Vinを出力する。これを加算器53により加算すると、2H(s)Vinとなり、入力信号VinをH(s)で処理した信号が得られる。出力をH(s)Vinとするには、入力電圧をそれぞれ1/2としておけばよい。一方、信号処理回路51、52に加わるノイズNについては、第1の信号処理回路51の出力がN、第2の信号処理回路52の出力が−Nとなり、加算器53による加算で打ち消しあう(例えば、非特許文献1参照)。
このようにして、平衡型構成で信号を2分割処理することにより、雑音成分を除去できるが、同相成分でなければ除去できない。この制限のために、平衡型構成にしても雑音低減効果が低いという問題があった。また、偶数次歪みは除去できるが、通信システムで問題となる3次歪みのような奇数次歪みは除去することができないという問題もあった。
M.banu and Y.Tsividis "Fully Integrated Active RC Filters in MOS Technology" IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol.SC-18, NO.6, Dec.1983
本発明は、上記問題に鑑み、雑音低減効果が高く、また歪み除去効果が高い信号処理方法および信号処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の信号処理方法は、信号を第1の重みで重み付けして、3以上の分割信号を得るステップと、該分割信号に対して同一の信号処理を行なうステップと、該信号処理された各分割信号を第2の重みで重み付けするステップと、該第2の重みで重み付けられた分割信号を加算するステップとを有する。
また、本発明の信号処理装置は、信号を第1の重みで重み付けして3以上の分割信号を得る第1重み付け手段と、該分割信号に対して同一の信号処理を行なう信号処理手段と、該信号処理された各分割信号を第2の重みで重み付けする第2重み付け手段と、該第2の重みで重み付けられた分割信号を加算する加算手段とを備える。
前記信号は、複素信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みの複素共役とすることができ、前記第1の重みは、1、−1、j、−jのうちから選択することができる。
また、前記信号は、実信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みと同一とすることができ、前記第1の重みは、1と−1から選択することもできる。
さらに、前記第1の重みは、雑音低減効果を最大とする組み合わせを選択することもできる。
前記信号は、実信号とし、前記第2の重みは、前記第1の重みの関数として与えられるようにもでき、また、前記第2の重みは、該第2の重みを未知数とし、前記第1の重みから計算される値を係数とする連立方程式の解として与えられるようにもできる。この場合、前記第2の重みは、歪み成分を減少させるように第1の重みから算出されるようにもできる。
本発明は、入力信号に対する重み付けを選択して、3以上の分割信号に分割して処理するようにしたので、雑音低減効果を高め、また歪み除去効果を高めることができる。
発明の実施の形態を説明する前に、図1を参照して、本発明による原理的構成を説明する。図1に、本発明による信号処理装置10を示す。信号処理装置10は、n(n≧3)個の第1信号処理回路1〜第n信号処理回路nを備え、それぞれ同一の信号処理H(s)を行なう。信号処理装置10への入力信号Vinはそれぞれ重み係数k1〜knをかけてn分割し、第1〜第n信号処理回路1〜nに入力する。第1〜第n信号処理回路1〜nの出力は、それぞれ重み係数l1〜lnをかけて出力する。これらのn個の出力を加算して、本発明による信号処理装置の出力Voutとする。
本発明は、以下に詳しく説明するように、n(n≧3)個の重み係数を目的に応じて選択することにより、雑音を低減させる回路あるいは信号歪みを低減させる回路を構成することができる。
本発明の一態様である雑音除去の原理は、いわば従来の平衡型構成の雑音除去原理を3次元以上の多次元に拡張したものである。従来の平衡型構成は、雑音を2次元の直交するベクトルに分解して処理したものと考えることができる。一方、本発明は、図1に示したn個の信号処理回路を使用し、重み係数k1〜kn,l1〜lnを使用する。したがって、本発明は、雑音を3次元以上のn次元ベクトルに分解して処理するものといえる。本発明では、一般には、出力側のベクトルlは、入力側のベクトルkの成分の複素共役をとる。すなわち、重み係数l1〜l2は、入力側の重み係数k1〜knの複素共役をとる。実数のみの入力信号の場合はもちろん、出力側のベクトルlは、ベクトルkと等しく設定すればよい。
従来の平衡型回路の動作は、入力をVinとし、平衡型回路の信号処理をH(s)で表すと、次の式で表される。
すなわち、平衡型回路では、入力信号Vinにベクトル[1 −1]Tをかけて2分割し、それぞれ信号処理を行ない、次いでベクトル[1 −1]をかけて合成(加算)して、出力信号2H(s)Vinを得る。ところが、たとえば、アナログ・デジタル混載回路における同相成分とみなせるデジタル回路からの雑音Vnoiseの場合は、Vnoiseにベクトル[1 1]Tをかけることになり、
となり、除去されるというものである。両式の意味するところは、式(3)の2次元ベクトル[1 −1]Tと式(4)の2次元ベクトル[1 1]Tとが、直交していることを利用しており、ベクトル[1 −1]Tと平行な成分のみを出力し、これに直交するベクトル[1 1]Tに平行な成分は除去されるというものである。
このように従来の平衡型は、2分割であり、2次元のベクトルを考えているのに対し、本発明は、n(≧3)分割であり、n(≧3)次元のベクトルを考えるものである。本発明の雑音除去構成によれば、あるn次元ベクトルに平行な成分のみが出力され、これに直交する成分は除去されるので、適切なn(≧3)次元のベクトルを選択すれば、除去される直交成分は増加し、したがって雑音低減効果は大きくなる。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態を説明し、さらに従来のものとの作用効果の相違を説明する。すなわち、集積回路上の配線に乗る雑音の低減効果を、本発明の第1の実施形態である信号処理回路と従来の平衡型回路との比較で説明する。
図2は、集積回路の基板20を抵抗網で表現したものである。横10個、縦9個、高さ2個の抵抗で回路基板20をモデル化する。図のN点に雑音源を仮定し、すなわちN点に雑音源としての電源を接続し、G点で接地する。
図2の回路基板20上に、H(s)=1すなわち単に信号を通すだけのアルミ配線30が配置されているモデルを、図3に示す。信号経路は、経路31〜34の4経路であり、複素信号を考慮して、信号線は8本である。図4は、図3の側面図を示す。アルミ配線30は、基板20から浮いているので、寄生容量をキャパシタC1(基板端部のみ)とC2とで表す。
雑音源Nからの雑音は、図3の経路31から経路32、33、34を通って接地点Gへ減衰して伝わると想定される。これを確認したのが、図5のグラフである。横軸は周波数、縦軸は、雑音の大きさで、対数目盛りをとってある。上から順に並ぶ8本の直線が、図3の雑音源に近いほうから並ぶ配線経路31〜34の8本の配線に対応している。雑音が、経路31から経路34へ減衰して伝わることが明確に示されている。
図6は、本発明の第1の実施形態の回路構成図の概略を示す。通信系のシステムを考慮して、入力信号は複素信号として、複素信号を4分割する。図面上部から4個の第1〜第4の信号処理回路11〜14が配置される。信号処理回路11〜14はすべて同一の信号処理H(s)を行なう回路であり、信号処理回路11の入力の重みは1であり、出力の重みは1である。信号処理回路12の入力の重みはjであり、出力の重みは−jである。信号処理回路13の入力の重みは−1であり、出力の重みは−1である。信号処理回路14の入力の重みは−jであり、出力の重みはjである。出力の重みは、入力の重みと複素共役の関係になっている。各信号処理回路1〜4の重み付けられた出力は、加算器15により加算されて信号出力Voutが得られる。
図7は、図6の実際の回路構成を示すものである。複素入力を得るための原入力をVin0とし、それにcosωtとsinωtとをそれぞれかけて実部(I信号)と虚部(Q信号)とを生成する。第1の信号処理回路11は、入力重みが1であるから、I信号とQ信号とをそのまま入力する。第2の信号処理回路12の入力重みはjである。すなわち、複素信号Vin0(cosωt+jsinωt)にjをかけると、
−Vin0sinωt+jVin0cosωt
となる。したがって、第2の信号処理回路12では、Q信号Vin0sinωtに−1をかけて、実部とし、I信号Vin0cosωtを虚部とする信号を入力信号とする。以下、同様に、図に示したような関係で第3、第4の入力信号を生成する。各信号処理部で同一の信号処理を受けた後、出力重みにより重み付けられて加算される。すなわち、第1信号処理回路11では出力重みが1であるから、実部の信号を、第2の信号処理回路12では、出力重み−jであるから、虚部の信号に−1をかけたものを、第3の信号処理回路12では、出力重み−1であるから、実部の信号に−1をかけたものを、第4の信号処理回路12では、出力重みjであるから、虚部の信号を出力して、加算する。その結果出力の実部の信号Voutとなる。虚部の信号は実部の信号と位相が異なるだけで、不要となる場合が多く、ここでも省略している。
−Vin0sinωt+jVin0cosωt
となる。したがって、第2の信号処理回路12では、Q信号Vin0sinωtに−1をかけて、実部とし、I信号Vin0cosωtを虚部とする信号を入力信号とする。以下、同様に、図に示したような関係で第3、第4の入力信号を生成する。各信号処理部で同一の信号処理を受けた後、出力重みにより重み付けられて加算される。すなわち、第1信号処理回路11では出力重みが1であるから、実部の信号を、第2の信号処理回路12では、出力重み−jであるから、虚部の信号に−1をかけたものを、第3の信号処理回路12では、出力重み−1であるから、実部の信号に−1をかけたものを、第4の信号処理回路12では、出力重みjであるから、虚部の信号を出力して、加算する。その結果出力の実部の信号Voutとなる。虚部の信号は実部の信号と位相が異なるだけで、不要となる場合が多く、ここでも省略している。
図8は、信号処理回路11〜14の動作を一般的に説明する図である。H(s)の入力は複素信号I+jQであり、H(s)=HR(s)+jHI(s)であるので、H(s)の出力は、
H(s)(I+jQ)=(HR(s)I−HI(s)Q)
+j(HR(s)Q+HI(s)I)
となる。したがって、図8の出力SとTは、
S=HR(s)I−HI(s)Q
T=HR(s)Q+HI(s)I
となる。本実施形態では、前述のように、HI(s)=0,HR(s)=1としている。
H(s)(I+jQ)=(HR(s)I−HI(s)Q)
+j(HR(s)Q+HI(s)I)
となる。したがって、図8の出力SとTは、
S=HR(s)I−HI(s)Q
T=HR(s)Q+HI(s)I
となる。本実施形態では、前述のように、HI(s)=0,HR(s)=1としている。
図9(a)は、従来の平衡型構成の回路を、4分割回路として構成したものである。
4個の第1〜第4の信号処理回路は、すべて同一の信号処理H(s)を行なう回路であり、図面上部から、入力の重み付けは、1、1、−1、−1であり、出力の重み付けは、入力の重み付けと同じ、1、1、−1、−1である。図9(b)に、図9(a)の4分割回路と等価な2分割回路を示す。図9(b)の2分割回路では、図9(a)の4分割回路と係数をあわせるために、入力と出力の重みを2と−2にしている。このような平衡型回路の動作は、図18の従来のものと同じであるので説明を省略する。
4個の第1〜第4の信号処理回路は、すべて同一の信号処理H(s)を行なう回路であり、図面上部から、入力の重み付けは、1、1、−1、−1であり、出力の重み付けは、入力の重み付けと同じ、1、1、−1、−1である。図9(b)に、図9(a)の4分割回路と等価な2分割回路を示す。図9(b)の2分割回路では、図9(a)の4分割回路と係数をあわせるために、入力と出力の重みを2と−2にしている。このような平衡型回路の動作は、図18の従来のものと同じであるので説明を省略する。
図10に、それぞれについてシミュレーションを行なった結果を示す。横軸は、周波数で、1MHz〜100GHzの範囲であり、縦軸は、出力雑音を実効値(rms)で表したもので、10nV〜1mVの範囲をとってある。図の破線は、従来の平衡型構成での雑音を表し、実線が、本発明の第1実施形態である複素4分割信号を用いたものの雑音を示す。図から明らかなように、3dB程度雑音が低下している。以上のように、本実施形態は、複素信号に対して重み付け[1 j −1 j]の4分割信号を採用しているので、雑音低減効果が著しく、特にアナログ回路とデジタル回路とを混載した集積回路に好適である。
図11に、本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、複素信号を対象にするのではなく、実信号を対象に構成する場合である。この場合は、複素信号を想定した場合よりもさらによい結果がでている。図11の回路構成自体は、図6と同じで、実信号を入力とし、入力重みを[1 −1 −1 1]、したがって出力重みを[1 −1 −1 1]としたものである。
本実施形態の動作は、次の式で表される。
すなわち、入力信号Vinに[1 −1 −1 1]Tをかけて4分割し、それぞれ信号処理を行ない、次いで[1 −1 −1 1]をかけて加えて、出力信号4H(s)Vinを得る。この場合、例えば次のような雑音が除去される。
このように、4次元ベクトル[1 −1 −1 1]Tに直交する成分はすべて除去される。したがって、従来では除去されなかった雑音成分も除去されることになる。分割数を増加すればするほど、より特性の優れた回路ないしシステムが構築可能となることは理解されるであろう。
先に説明した集積回路の信号配線に乗る雑音について、本実施形態の作用とその効果を説明する。図2のモデルで規定した雑音が、減衰しながら各回路(複素信号としないので、4本の配線)に加わると仮定する。このとき各回路からの雑音出力の和は、雑音源に最も近い配線の雑音を1とし、次の配線に対して減衰係数A(0<A<1)で減衰してゆくとすると、
1−A−A2+A3=(1−A)(1−A2)
と表せる。
1−A−A2+A3=(1−A)(1−A2)
と表せる。
一方、従来の平衡型構成では、図9(a)に示した重み付けであるので、
1+A−A2−A3=(1+A)(1−A2)
となる。1−A<1+Aであるから、明らかに、雑音は、4分割した本実施形態のもののほうが小さくなる。
1+A−A2−A3=(1+A)(1−A2)
となる。1−A<1+Aであるから、明らかに、雑音は、4分割した本実施形態のもののほうが小さくなる。
図12に、本モデルを仮定し、減衰係数A=0.9とした場合、4分割の重み付けによって、雑音レベルがどの程度になるかを計算した結果を示す。
図12の表から明らかなように、重みを[1 −1 −1 1]とする場合と、成分の符号を逆にした[−1 1 1 −1]の場合が最も雑音低減効果が大きい。したがって、4分割の場合は、この2種類の重みを選択するとよい。また、8分割の場合の最適重みは、4分割の場合からある程度推測可能であって、4分割で最も効果があった重み付けを組み合わせた[1 −1 −1 1 −1 1 1 −1]と[−1 1 1 −1 1 −1 −1 1]とが、最も雑音低減効果が大きく、雑音レベルは、0.006534となる。
図13に、入力信号を16分割した場合の重み付けと雑音レベルとの対応表を示す。16分割の場合、表から分かるように、重み付けの最適組み合わせは、[1 −1 −1 1 −1 1 1 1 1 −1 −1 1 −1 −1 −1 −1]と[−1 1 1 −1 1 −1 −1 −1 −1 1 1 −1 1 1 1 1]とであり、雑音レベルは0.000032となる。16分割の場合の最適組み合わせは、4分割や8分割の場合からは予測できないものである。また、分割数を増やせば、雑音レベルが低下することも分かる。
図14に、図11に示した入力重みを[1 − 1 −1 1]、出力重みを[1 − 1 −1 1]として4分割信号とする信号処理回路11〜14の一例を示す。図14の信号処理部21〜24は、各信号処理回路11〜14及び入力の重み付けを含んでいる。したがって、各信号処理部21〜24の出力V1〜V4を重み付けして加算すれば、ノイズを低減した出力が得られる。図14の信号処理部21〜24それ自体は、公知の2次ローパスフィルタであり、不完全積分回路25と、完全積分回路26と、反転増幅回路27とを負帰還ループに入れて構成する。これにより、H(s)として、
H(s)=b0/(s2+a1s+a0)
という関数を実現している。
H(s)=b0/(s2+a1s+a0)
という関数を実現している。
本発明の原理的構成として図1に示した回路では、各信号処理回路1〜nは、独立して動作するものとした。図14の回路も同様に、各処理部21〜24は他と独立して動作する。しかしながら、各信号処理回路を相互に関連あるいは干渉するように構成して、回路構成を簡素化することもできる。
図15に示す回路は、図14の信号処理部21と22、信号処理部23と24を組み合わせて回路構成を簡略化する一例である。図15の信号処理部21’〜24’は、図14の信号処理部21〜24の反転増幅器27を取り去ってなるもので、処理部21’の出力は、V2を与え、処理部22’の出力は、V1を与える。また、処理部23’の出力は、V4を与え、処理部24’の出力は、V3を与える。これは、V1とV2、V3とV4は、互いに反転した信号であるので、V1を得るための反転増幅回路27の入力は、V2に等しいことを利用するものである。例えば、処理部21の点pでは、処理部22の出力V2に等しい信号が現れるので、これをV2とする。このように回路相互の関係を利用して信号処理回路を簡単に構成できる。
図15に示す回路は、図14の信号処理部21と22、信号処理部23と24を組み合わせて回路構成を簡略化する一例である。図15の信号処理部21’〜24’は、図14の信号処理部21〜24の反転増幅器27を取り去ってなるもので、処理部21’の出力は、V2を与え、処理部22’の出力は、V1を与える。また、処理部23’の出力は、V4を与え、処理部24’の出力は、V3を与える。これは、V1とV2、V3とV4は、互いに反転した信号であるので、V1を得るための反転増幅回路27の入力は、V2に等しいことを利用するものである。例えば、処理部21の点pでは、処理部22の出力V2に等しい信号が現れるので、これをV2とする。このように回路相互の関係を利用して信号処理回路を簡単に構成できる。
図16に示す回路は、図15の信号処理部21’〜24’全体に関係付けて組み合わせたもので、例えば、信号処理部21’の出力は、V2となり、信号処理部22’の出力は、V4となり、信号処理部23’の出力は、V1となり、信号処理部24’の出力は、V3となる。図16の回路も、図15の回路と同様、信号処理回路を簡単にすることができる。
ところで、本発明によると、信号処理回路による高調波の偶数次歪みのみならず奇数次歪みをも低減することができる。以下、従来の平衡型回路との比較で本発明の第3の実施形態を説明する。
従来の2分割信号を利用する平衡型回路では、以下のように偶数次歪みを除去することができる。例えば、増幅度α(零でない定数)の増幅回路に入力信号vinが入力する場合を考えると、一般に、出力は、vout=αvinのみではなく、2次以上の歪み成分を含む。4次以上の項はごく小さいので無視して、3次の項までとると、
となる。a0〜a3は、信号処理回路によって決まる定数である。
従来の2分割による平衡型で構成した回路では、反転入力信号−vinを用いるので、式(5)に−vinを入力して、差をとると、
2a1vin+2a3vin3
となる。このように平衡型構成では、2次の項を零にして、2次歪みが除去できる。しかしながら、3次の歪みを除去することはできない。
2a1vin+2a3vin3
となる。このように平衡型構成では、2次の項を零にして、2次歪みが除去できる。しかしながら、3次の歪みを除去することはできない。
本発明の第3の実施形態を図17に示す。第1および第2の実施形態と同様、4分割処理を行なう。ただし、重み付けは、第1及び第2の実施形態とは異なるものを用いる。第1〜第4の信号処理回路31〜34は、入力側の重みk1〜k4、出力側の重みl1〜l4をもつとする。入力電圧vinが与えられると、第1〜第4の信号処理回路31〜34には、それぞれ入力電圧vinをk1倍した入力電圧、入力電圧vinをk2倍した入力電圧、入力電圧vinをk3倍した入力電圧、入力電圧vinをk4倍した入力電圧が印加される。このとき第1〜第4の信号処理回路31〜34のそれぞれの出力vouti(i=1〜4)は、
となる。ここで、出力voutiをそれぞれの重みli(i=1〜4)をかけて加えると、出力電圧voutが得られる。すなわち、出力voutは、
となる。このとき、
という条件を満たせば、信号処理回路の特性で定まるa0〜a3の定数にかかわらず、理想的な増幅器の条件
vout=αa1vin(α≠0)
が成立する。重みl1〜l4は、式(8)をl1〜l4を未知数とする4元一次連立方程式とみれば、
vout=αa1vin(α≠0)
が成立する。重みl1〜l4は、式(8)をl1〜l4を未知数とする4元一次連立方程式とみれば、
として求めることができる。言い換えると、入力側の重みk1〜k4を適当に定め、式(9)により出力側の重みl1〜l4を定めると、vinの0次及び2次の項だけでなく、3次の項も除去できるものである。さらに分割数を増加する(5分割、6分割等)と、さらに高次の項も除去できる。しかし、現在通信システムで問題となっているのは、2次の項と3次の項であるので、実用的には4分割で十分対応できる。以上のように、本発明によると、従来では除去できなかった奇数次歪みを除去することができる。
また、本発明によると、従来の回路より処理する分割信号が多くなるので、それに伴って回路基板上に形成される回路が増加することになる。しかしながら、集積回路では、通常トランジスタの幅が大きいので、単に物理的に分割すればよい。このようなトランジスタの分割にはそれほどの手間はかからないので、製造上のデメリットも少ない。
10 信号処理装置
1〜n 信号処理回路
kn 入力重み
ln 出力重み
20 集積回路基板
30 配線
1〜n 信号処理回路
kn 入力重み
ln 出力重み
20 集積回路基板
30 配線
Claims (18)
- 信号を第1の重みで重み付けして3以上の分割信号を得るステップと、
該分割信号に対して同一の信号処理を行なうステップと、
該信号処理された各分割信号を第2の重みで重み付けするステップと
該第2の重みで重み付けられた分割信号を加算するステップと
を有する信号処理方法。 - 前記信号は、複素信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みの複素共役である請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記第1の重みは、1、−1、j、−jのうちから選択される請求項2に記載の信号処理方法。
- 前記信号は、実信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みと同一である請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記第1の重みは、1と−1から選択される請求項3に記載の信号処理方法。
- 前記第1の重みは、雑音低減効果を最大とする組み合わせを選択する請求項1〜4のいずれか1項に記載の信号処理方法。
- 前記信号は、実信号であり、前記第2の重みは、前記第1の重みの関数として与えられる請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記第2の重みは、該第2の重みを未知数とし、前記第1の重みから計算される値を係数とする連立方程式の解として与えられる請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記第2の重みは、歪み成分を減少させるように第1の重みから算出される請求項7又は8に記載の信号処理方法。
- 信号を第1の重みで重み付けして3以上の分割信号を得る第1重み付け手段と、
該分割信号に対して同一の信号処理を行なう信号処理手段と、
該信号処理された各分割信号を第2の重みで重み付けする第2重み付け手段と、
該第2の重みで重み付けられた分割信号を加算する加算手段と
を有する信号処理装置。 - 前記信号は、複素信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みの複素共役である請求項10に記載の信号処理装置。
- 前記第1の重みは、1、−1、j、−jのうちから選択される請求項11に記載の信号処理装置。
- 前記信号は、実信号であり、前記第2の重みは、対応する第1の重みと同一である請求項10に記載の信号処理装置。
- 前記第1の重みは、1と−1から選択される請求項13に記載の信号処理装置。
- 前記第1の重みは、雑音低減効果を最大とする組み合わせを選択する請求項10〜14のいずれか1項に記載の信号処理装置。
- 前記信号は、実信号であり、前記第2の重みは、前記第1の重みの関数として与えられる請求項10に記載の信号処理装置。
- 前記第2の重みは、該第2の重みを未知数とし、前記第1の重みから計算される値を係数とする連立方程式の解として与えられる請求項10に記載の信号処理装置。
- 前記第2の重みは、歪み成分を減少させるように第1の重みから算出される請求項16又は17に記載の信号処理装置。
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