JP4217331B2 - インクジェット記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクに熱エネルギーを作用させ、これにより発生する気泡の生成に基づいてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの駆動方法および該記録方法を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡の発生に基づいてインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方式は、高速記録が可能であり、また比較的記録品位も高く、低騒音であるという利点を有している。
【0003】
また、この方式はカラー画像記録が比較的容易であって、普通紙等にも記録でき、装置の小型化も容易であり、さらに、記録ヘッドの吐出口を高密度に配設することができるので、高解像度、高品位の画像を高速で記録することができるといった多くの優れた利点を有している。この方法を用いた記録装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等における情報出力手段として用いられている。
【0004】
このようなインクジェット記録方式を行う記録ヘッドの一般的構造は、インクを吐出するための吐出口と、これに連通しインクが流通するインク流路と、このインク流路中に設けられ熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子(発熱体)とを具備している。この発熱体は、薄膜抵抗体で構成されているものが一般的であり、この発熱体に対して電極配線を介してパルス的に通電(駆動パルスの印加)することによって熱エネルギーを発生させる。
【0005】
熱エネルギーを発熱体近傍のインクに与えることで発泡エネルギーを蓄えるための過熱液層をインク中に形成しようとしても、発熱体表面(インク加熱面)の状態がインクの焦げや傷等により部分的に変化していたりインク中に不純物や気体が混入している場合には、発泡核が加熱の早期に発生してしまうため過熱液層への熱の流入が阻害されてしまい発熱体表面上でのインクの発泡開始時刻にばらつきが生じてしまう。このような発泡開始時刻のばらつきは気泡の発泡エネルギーのばらつきとなるため、インクの吐出量や吐出速度の変化が生じ画像品位が劣化する場合がある。
【0006】
従って、吐出量、吐出速度等のインク滴の吐出特性の再現性の良いインクジェット記録ヘッドを提供する上では、発泡開始時刻のばらつきを小さくすることが必要である。このためには、発泡時刻t=t0の温度上昇率dT(t0)を大きくすることが重要である。図16を用い、以下にその理由を説明する。
【0007】
インク中の温度分布に依存するが、インクの発泡確率は、インク中で最も高温の部分の温度Tが、過熱限界付近の温度帯T1<T<T2を低温側から高温側へ推移するときに0から1に変化する。図16は、最も高温となる発熱体表面に接するインクの温度Tの変化を示す線図である。発泡時刻t=t0の温度上昇率をdT(t0)とすると、発泡時刻のばらつきΔtは、
【0008】
【外5】
によって与えられる。従って、発泡開始時刻のばらつきΔtを小さくするには、温度上昇率dT(t0)を大きくすることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
Δtを小さくするためには、インクと発熱体表面との界面において発泡核が生じる前に発熱体表面近傍のインクの温度を均一核生成(homogeneous nucleation)温度まで急激に加熱する急速加熱が有効であることが知られている(A. Asai et al., "Bubble Generation Mechanism in the Bubble Jet Recording Process", Journal of Imaging Technology, Vol. 14, pp 120-124, 1988)。
【0010】
このような急速加熱を行う場合、駆動信号の印加時間を短くすればする程、時間的に十分にインクに熱量が流入できないため、発泡核が気泡に成長できる過熱状態にあるインク(過熱液層)の厚みが薄くなる。
【0011】
急速加熱における均一核生成を始めた過熱液層が必要とする大きな気化潜熱は主として発熱体側から供給されるが、過熱液層の外側は低温のインクであり、薄い過熱液層から大きな温度差のある過熱液層の外側のインク側に流出する熱量が多いため、駆動信号の印加時間(加熱時間)を短くして急速過熱を行うと本来必要とする気化潜熱が過熱液層に十分には与えられなくなっていく。
【0012】
したがって、加熱時間を短くしていくと、発泡エネルギーが減少し、十分な吐出速度を得ることが困難になってしまう。(A. Asai, "Bubble Dynamics in Boiling Under High Heat Flux pulse Heating", J. Heat Transfer, Vol. 113, pp 973-979, 1991、三谷等「超高速加熱時における核沸騰とインク吐出特性」、Japan Hardcopy '96, A-40)。
【0013】
その結果、加熱時間を短くして急速過熱を行うと発一性(ノズルからインク滴を吐出させた後、一定時間インク吐出を行うことがなかった場合に、そのノズルから次の1滴目のインクを吐出させると、インクの増粘により、安定した吐出を行えず、印字が乱れてしまうといった不都合を起こす事があり、次の1滴の吐出性能を発一性と呼ぶ)が低下し、最悪の場合には不吐となる可能性が出てくる。
【0014】
また、従来の駆動方法では問題とならなかったような記録ヘッド毎の薄膜抵抗体の抵抗ばらつきや薄膜抵抗体上に形成した保護層の膜厚ばらつきが、記録ヘッドの過熱液層の厚みばらつきとして現れやすくなり、記録ヘッド間の吐出量、吐出速度等にばらつきが生じる虞がある。同様に、発泡を繰り返す間に薄膜抵抗体の抵抗変化が起こる場合には、同一の記録ヘッドで吐出特性が変化することになる。
【0015】
以上のように、急速過熱により発泡開始時刻のばらつきを低減できるものの発泡エネルギーが減少するような急速過熱領域の駆動方法では発泡エネルギーが小さいために、記録ヘッドの吐出特性が不安定且つ不均一となる虞があり、画像品位が劣化することが危惧されている。
【0016】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、
(1)発泡開始時刻のばらつきを小さく、安定した発泡を行え、
(2)発泡エネルギーの大きな、十分な吐出量及び吐出速度を確保できる
安定したインク吐出を行うことが可能なインクジェット記録ヘッドの駆動方法およびこの駆動方法を行う記録装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動方法は、インクを吐出する吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、駆動信号を印加することにより前記インク流路内のインクを加熱して気泡を発生させるための発熱体とを具えたインクジェット記録ヘッドを用い、前記気泡の発生に基づいて前記吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの駆動方法において、前記駆動信号は、前記発熱体の表面温度をインクの沸点温度以上でインクが均一核生成を開始する発泡温度未満に加熱する第1駆動信号であって発泡エネルギーをインクに蓄えるための当該第1駆動信号と、インクに気泡を発生させるための第2駆動信号と、を有し、前記第2駆動信号の印加開始から気泡を発生するまでの時間をt=δt、前記第1駆動信号を印加せずに前記第2駆動信号と同じ単一駆動信号のみで気泡を発生させた場合に発泡エネルギーが減少する境界発泡時間をt=tsとすると、δt、tsが
δt<ts
の関係を満たすと共に、前記第1駆動信号の印加を開始した時刻から前記第2駆動信号を開始するまでの時刻の差である第1駆動信号の印加時間をt1、第2駆動信号の印加時間を(t2―t1)、駆動信号による発熱体の発熱量をQ(t)とするとき、t1、t2、Q(t)が
【0018】
【外6】
を満たす駆動信号を前記発熱体に印加することで気泡を発生させることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの駆動方法である。
【0020】
上述のインクジェット記録ヘッドの駆動方法は、第2駆動信号によって気泡を発生する時刻をt=δtこの時の温度上昇率をdT(δt)、前記第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで気泡を発生させた場合に発泡エネルギーが減少する境界発泡時間をt=tsとし、この時の温度上昇率をdT(ts)とすると、各温度上昇率が
dT(δt)>dT(ts)
を満たしてもよい。
【0021】
また、第1駆動信号は前記発熱体から熱を受けるインクの過熱インク層の厚さを厚くするための信号であってもよい。
【0022】
また、第2駆動信号を印加する前の発熱体の表面温度を前記第1駆動信号により沸点温度以上まで加熱してもよい。
【0023】
また、第2駆動信号の印加開始から気泡を発生するまでの時刻をt=δt、前記第2駆動信号にて気泡を発生する時刻をt=δt、前記第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで気泡を発生させた場合に発泡エネルギーが減少する境界発泡時間をt=tsとし、インクの沸点をTb、発泡温度をTg、第1駆動信号を印可する前のインクの温度をTambとした場合、δtが
【0024】
【外7】
を満たしてもよい。
【0025】
また、第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで形成された気泡の発泡エネルギーJ1と、第1駆動信号と第2駆動信号により形成された気泡の発泡エネルギーJ0との比J1/J0が
J1/J0 ×100 ≦ 50(%)
を満たしてもよい。
【0026】
また、第2駆動信号の発熱体の発熱量が、第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで気泡を発生させた場合に発泡エネルギーが減少する境界発泡時間t=tsでの発熱体の発熱量に比べて、同等もしくはそれ以上であってもよい。
【0027】
また、前記tsが、気泡の寿命が低下する時の境界発泡時間であってもよい。
【0028】
また、前記tsが、吐出速度が低下する時の境界発泡時間であってもよい。
【0029】
また、前記第1駆動信号と前記第2の駆動信号とは連続した信号であってもよい。
【0030】
また、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とは休止時間を挟んでいてもよい。
【0031】
また、第1駆動信号が複数パルスからなり、パルス間の休止時間が次第に長くなされていてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動方法および記録装置を詳細に説明する。
【0037】
なお、以下本発明において用いる「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなくパターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
【0038】
また、本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行う、プリンター、複写機、通信システムを有するファクシミリや通信システムとプリンタ部を組み合わせたプリンタシステム、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合せた産業用記録装置に適用可能な発明である。
【0039】
さらに、以下本発明において用いる「素子基体」とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各駆動回路素子や配線等が設けられた基体を示すものである。
【0040】
従来のように単一駆動信号を用いて駆動信号のパルス幅を短くすることで急速過熱による気泡を発生させようとすると、図17の模式図に示すとおり、図中ts(境界発泡時間)を境にこの境界発泡時間より短い加熱時間では発泡エネルギーが急激に減少してしまう(図17のパルス幅(加熱時間)には、駆動信号を印加してから発泡する時間までの発泡時間tgを用いている)。
【0041】
これは、急速加熱により発生した気泡が成長するに十分な気化潜熱が過熱液層に与えられないことによると考えられる。上述のように、パルス幅tg=tsを境に発泡エネルギーが急激に減少するのに伴い、吐出速度も同様に減少する(以下、本発明の説明において「急速加熱」とは、発泡エネルギーもしくは吐出速度が低下する加熱時間(tg<ts)での加熱を意味する)。
【0042】
本発明の駆動方法は、急速加熱の領域においても十分な発泡エネルギーを確保することを目的としており、第1駆動信号による加熱により、均一核生成を始めるに必要とする気化潜熱を蓄えた過熱液層を形成し、十分な過熱液層の厚みを確保し、この後に第2駆動信号による急速加熱を行い発泡の安定化を図るものである。
【0043】
インクに熱を与えることで気泡を発生させる本発明の駆動信号は、インクに気化潜熱を与えることで所望の厚さの過熱液層を形成し第2駆動信号だけでは減少してしまう発泡エネルギーを補足するための第1駆動信号と、急速加熱を行うことで発熱体上での発泡開始時刻のばらつきを低減するための第2駆動信号とによって構成されている。そして本発明では第1駆動信号による加熱によって、発泡安定化のためのトリガーとなる第2駆動信号とは独立に過熱液層の厚みによる発泡エネルギーを制御可能である。
【0044】
第1駆動信号による加熱によって、急速加熱駆動の前のインク中の最も高温の部分となる発熱体表面の温度(以後Tpと記す)を沸点温度(以後Tbと記す)以上にして、発泡核が成長する過熱液層を形成することが必要であり、発熱体表面の温度は、第1駆動信号だけで発泡してしまわないように、均一核生成を開始する発泡温度(以後Tgと記す)未満にする。
【0045】
以下に、発泡前の発熱体表面からのインクの温度分布を模式的に説明する線図(図1)を用いて、本発明の第1駆動信号の特徴を詳細に説明する。
【0046】
図1(a)は、従来の急速加熱による駆動方法、同図(b)は従来のインク粘度を低減する予備加熱と、この予備加熱に続けて急速加熱を行う新規の駆動方法、同図(c)は本発明の最適な駆動方法を説明する図である。
【0047】
図中、縦軸は温度、横軸はインクと発熱体表面(発熱抵抗体表面上に保護層が設けられているときには保護層のインクと接触する面を発熱体表面としている)との接触面からインク中への距離Zを示している。各図の実線は気泡発生直前のインク中の温度分布を示しており、図1(b)、(c)の点線は発泡を行わせるための加熱直前(発泡を行わせるための第2信号の印加直前)のインクの温度分布を示している。発泡核は、沸点以下の状況に置かれると崩壊し気泡に成長することができない。このため、発泡核の成長に寄与する過熱液層は、主として沸点以上のインク領域となる。
【0048】
図1(a)で示す急速加熱では、駆動パルスの印加時間が短いため十分にインクに熱量が流入できず、発泡核の成長に寄与する過熱液層の厚み(th)が薄くなる。
【0049】
図1(b)に示すような予備加熱は、インク粘度を低減させインクの抵抗を小さくすることで気泡の成長を大きくすることを主目的としている。このため、発熱体からノズルに至るより広い領域を加熱できる様に予備加熱開始からインクを吐出するための加熱開始までの時間を長く取ると共に、インク中の不純物や気体から形成される発泡核が成長しないように沸点以下での加熱を行う。したがって過熱液層の厚みは急速加熱による加熱によってほぼ決定されるので、図1(a)より過熱液層の厚み(th)は若干厚くなるもののその液層厚みはまだ薄い。
【0050】
これに対して、第1駆動信号によって沸点以上の加熱を行う図1(c)では、過熱液層の厚み(th)を第1駆動信号による加熱にて略決めることができ、発泡安定化のためのトリガーとなる第2信号とは独立に発泡エネルギーを制御することができるとともに、十分な発泡エネルギーを得るための潜熱を第2信号印加前に既にインクに与えることで、急速加熱時の発泡エネルギーの減少や吐出速度の低下を補うことができる。
【0051】
また、発一性を改善するために、本発明の第1駆動信号を行う前に、従来の予備加熱を合わせて行うことは、本発明の駆動方法に適用可能であることは言うまでもない。
【0052】
本発明の第2駆動信号により急速加熱を行うためには、第2駆動信号による発熱体の平均発熱量を、第1駆動信号による平均発熱量より大きくする(以下の式2で示す)。
【0053】
これにより、第1駆動信号での発泡を回避し、確実に第2駆動信号によって急速加熱を行うことが可能となる。ここで、第2駆動信号を開始するまでの第1駆動信号の印加時間をt1、第2駆動信号の印加時間を(t2―t1)、駆動信号による発熱体の発熱量をQ(t)とする。
【0054】
【外9】
【0055】
また、十分な発泡エネルギーを得る場合であっても、第1駆動信号により予め発熱体表面が加熱され、またインクに十分な過熱液層が形成されていることから、単一駆動信号により急速加熱を開始する図17を用いて説明した時間tsに対して、第2駆動信号の印加開始から発泡開始する発泡時間δtはts未満とすることができる。
【0056】
第2駆動信号の発泡時間δtでの温度上昇率は、従来の単一駆動信号による急速加熱を開始する発泡時刻の温度上昇率と同等もしくはそれ以上とすることで急速加熱時の発泡時刻ばらつきを抑えることが可能である。
【0057】
これより、第2駆動信号の発熱体の平均発熱量は、単一駆動信号でのt=tsでの発熱体の平均発熱量以上にすることとなる。なお、第1駆動信号を印加しない場合には、第2駆動信号を印加する時の発熱体の表面温度はインク初期温度(以後Tambと記す)である。
【0058】
なお、従来の単一駆動信号による急速加熱の発熱量と本発明の第2駆動信号の発熱量を同等とする条件の下では、A. Asaiの論文(A. Asai, "Application of the Nucleation Theory to the Design of Bubble Jet Printers", J.J.A.P..Vol. 28, No. 5, p909, 1989)中の式(15)より、δtとtsとの比は近似的に、(Tg−Tp)と(Tg−Tamb)の比と見做せ、さらに第1駆動信号による発熱体表面温度を沸点以上とする条件よりTpをTbに置き換えると、δtは少なくとも以下の式を満たす必要がある。
【0059】
【外10】
【0060】
発泡安定化をはかるためには第2駆動信号の駆動パルスの印加時間をなるべく短くすることが好ましい。このことは、第2駆動信号の発泡エネルギーへの寄与分は、第1駆動信号の寄与分に比べ、相対的に小さくなる方向であり、第1駆動信号による発泡エネルギー寄与分が大きくなり、発泡エネルギーの制御は実質的第1の駆動信号で行うことになる。
【0061】
これより、第1駆動信号により、発泡エネルギーを制御するには、少なくとも、第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで形成された気泡の発泡エネルギーと、第1駆動信号と第2駆動信号により形成された気泡の発泡エネルギーとの比が50%以下、すなはち第1駆動信号による発泡エネルギーの寄与分を50%より大きくする駆動条件を満たすことが望ましい。
【0062】
発泡エネルギーへの急速加熱の付与分を低減することにより、急速加熱にて問題となった発一性の低下、過熱液層の厚みばらつきに伴う吐出速度、吐出量の不安定性を低減できることとなる。第1駆動信号による発泡エネルギーの寄与分はなるべく大きいほうが好ましく、50%より大きければ、急速加熱による発泡エネルギーの減少を、少なくとも半分以下に抑えることができる。液滴の運動エネルギーは発泡エネルギーに比例し、液滴の運動エネルギーは吐出速度の2乗に比例することから、発泡エネルギーの減少を半分以下に抑えられれば、吐出速度の減少は、最大でも30%とすることが可能となる。
【0063】
さらに好ましくは、第1駆動信号による発泡エネルギーの寄与分を70%より大きくすることであり、このことで発泡エネルギー低減に伴う吐出速度の減少を20%以下に抑えることができる。
【0064】
以下に本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動方法をより具体的に説明するが、まず、本発明の駆動方法を行うインクジェット記録ヘッドや記録装置の構成例について説明を行う。
【0065】
図2に、インクジェット記録ヘッドのインク流路構成の断面図を示す。シリコン等で構成された基板1上に薄膜抵抗体層2を具え、この基板に、隔壁(不図示)や共通液室を構成するための凹部や複数のインク流路を構成するための溝が複数形成された溝付き天板4が接合されることによって、共通液室5、インク流路6、吐出口7が形成される。
【0066】
薄膜抵抗体層2に接続された選択電極8、共通電極9より駆動信号を印加することにより、この選択電極8と共通電極9との間の薄膜抵抗層(発熱体;ヒータ)が発熱し、この熱によってインク中に気泡を発生させることでインク3を吐出口7から吐出する。ここでは、薄膜抵抗体層の材料としてPt、共通電極及び選択電極の材料にAuを用いた。Ptは化学的に安定であり且つ温度による抵抗変化が大きいため、これを利用して発熱体の抵抗を測定することにより発熱体温度を直接計測することができる。発熱体の寸法は100μm×200μmである。基板は、シリコン基板に熱酸化膜を2.7μm成膜した基板を用いており、インク流路および吐出口を形成するためのガラス製の溝付き天版を接合し、記録ヘッドが構成した。
【0067】
なお、従来の駆動信号のパルス幅は2〜10μsecであったが、急速過熱では、さらに印加時間の短いパルスを用いて発泡させるため、発熱体の熱流束を効率良く速やかにインクに作用させることが重要である。
【0068】
この様な駆動信号に対する応答性が高い記録ヘッドの一例としては、特開昭55−126462号に記載された、発熱体の発熱部分がインクに直接接触する発熱体上に保護層の無い構成の記録ヘッドがある。このような記録ヘッドに用いられる薄膜抵抗体の材料としては、主要構成元素の1つとしてTa、Ir、Ru、Pt等の元素を含む合金が好ましく、さらに好ましくはこれら元素のうち少なくとも1種と、Al、Ti、V、Cr、Ga、Zr、Nb、Hf、Taのうちの少なくとも1種を含む合金である。また、薄膜抵抗体の抵抗値を上昇させるためには、上記の合金に、C、N、O、Si等を添加しても良い。もちろん熱流速を効率よく速やかにインクに作用させることができる範囲で保護膜を用いてもよい。
【0069】
また、用いたインクの配合成分は、以下のとおりである。
黒色染料 3.0重量%
ジエチレングリコール 15.0重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量%
イオン交換水 77.0重量%
この水系インクの発泡温度Tgは約300℃であった。
【0070】
図3は、インクジェット記録ヘッドに供給されるインクを保持したインクタンクとインクジェット記録ヘッドとが着脱分離可能に構成されたインクジェットヘッドカートリッジIJCの構成を示す概観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図3に示すように境界線Kの位置でインクタンクITとインクジェット記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはキャリッジに搭載されたときに、キャリッジHC側から供給される電気信号を受けるための電極(不図示)が設けられており、この電気信号に応じて前述のように記録ヘッドIJCの発熱体が駆動される。
【0071】
なお、図3において符号7はインク吐出口であり、この吐出口が複数配列されている。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられており、そのインク吸収体によってインクが保持される。
【0072】
図4は、本発明の駆動方法を行うインクジェット記録装置の一例を説明するための概観斜視図である。図4において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介してリードスクリュー5005が回転する。キャリッジHCはこのリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に指示されて矢印a、b方向を往復移動する。キャリッジHCには、上述のインクヘットカートリッジIJCが搭載されている。符号5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に沿って被記録媒体である記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。
【0073】
符号5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。
【0074】
また、この記録装置内には、インクジェット記録ヘッドの発熱体を発熱させるための駆動信号を供給するための駆動信号供給手段を有している。
【0075】
図5は上述のインクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。符号1700はインタフェース、符号1701はMPU、符号1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、符号1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッドIJHに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。符号1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行う(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御をも行う。
【0076】
符号1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータであり、符号1709は被記録媒体搬送のための搬送モータである。符号1705は記録ヘッドIJHを駆動するためのヘッドドライバであり、1706、1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0077】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号が記録を行うためのプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データにしたがった駆動信号によって記録ヘッドIJHが駆動され記録が行われる。
【0078】
次に上述したインクジェット記録ヘッド等の構成を用いて行う本発明の駆動方法を、図6〜9を用いてさらに詳細に説明する。
【0079】
第1及び第2駆動信号のパルス電圧値(パルス波形)と発熱体の発熱量を図6に示す。図6の駆動信号波形は上述した式(2)の関係を満たしている。第1駆動信号として、t=0からt=t1の時刻に発熱体の発熱量がQ1となるパルス電圧V1の駆動信号を発熱体に与え、第2駆動信号としてt=t1からt=t2の時刻に、発熱体の発熱量Q2となるパルス電圧V2の駆動信号を発熱体に与える。比較例として、t=0からt=t3の時刻に、発熱体の発熱量Q3となるパルス電圧V3の単一矩形パルスの駆動信号(図7)を用いた。
【0080】
ここで、Rayleighの理論(Philos. Mag. 34, pp 94-98, 1917)より、気泡の最大半径が気泡が崩壊するまでの時間τに比例し、発泡エネルギーが気泡の発泡体積に略比例することから、発泡エネルギーは気泡寿命τの3乗に比例していると見做せる。
【0081】
発熱体に駆動信号を与え、形成された気泡の寿命τおよび寿命の時間ばらつき△τを測定することにより、発泡エネルギーの大きさ及び安定性を相対的に評価することができる。以下、発泡エネルギーに関し、τ、△τを用いて説明する。
【0082】
図8は、図6および図7に示した駆動信号を与えた時の発熱体の抵抗変化から求めた発熱体表面温度の時間変化を示した図(図6の駆動信号による温度変化は実線、図7の駆動信号による温度変化は破線)であり、図9は気泡の寿命τの発泡時刻の依存性を示した図である。ここで、Tamb、Tb、Tp、Tgは、夫々インクの初期温度、沸点温度、第1駆動信号による発熱体の最終表面温度、発泡温度である。
【0083】
図9の発泡時刻として、図6の駆動信号による駆動方法では第2駆動信号の印加開始から発泡を開始するまでの時間である発泡時間δtを、図7の駆動信号による駆動方法では駆動信号を印加してから発泡するまでの時間である発泡時間tgを用いた。図6の信号を用いた本発明の駆動方法では、図8に示すように発熱体の表面温度曲線はt=t1前後で下に凸となる曲線となり、t=t1以後急激に上昇する。
【0084】
まず、図7の駆動信号を用いた駆動からts(境界発泡時間)を求める。図7の駆動信号を用いる駆動方法のパルス電圧V3は、パルス幅t3で気泡が発生する最低の電圧の1.1倍(k値)となるように設定した。インクの初期温度は23℃である。図7の単一矩形パルス駆動では、τはtg>1.8μsecでは寿命が長く十分な発泡エネルギーを確保できているが、tg<1.8μsecでは急激に低下している(図9)。この結果、用いたインクのtsを1.8μsecとした。この時の発熱体の発熱量Q3は550MW/m2であり、発泡時刻tg=tsの温度上昇率は6×107℃/secであった。
【0085】
ここでは、用いたインクのtsを求める場合に、発泡エネルギーが急激に減少する境界時間として求めたが、インクの速度の変化は、発泡エネルギーの変化に対応しているため、インクの吐出速度の変化からtsを求めてもよい。
【0086】
図10はインクの吐出速度を測定するための概略構成説明するための模式図である。インクジェット記録ヘッド100から吐出した液滴の軌道に対して垂直にランプ104からレンズ103を介して平行光106を照射する。レンズと対向する位置に一定間隔ΔL離して2つのフォトダイオードを配置し、平行光をこのフォトダイオードに照射する。フォトダイオード102に入射する光が液滴により遮られるのを信号として捕らえオシロスコープ101等で捕らえて2つのフォトダイオードに表れる信号の時間間隔Δtを測定する。この時間間隔Δtと上述の間隔ΔLから液滴速度(吐出速度)得ることができる。
【0087】
ここで、インクジェット記録ヘッドの発熱体10に印加する駆動信号のパルス幅を変化させることにより、吐出速度が急激に減少し始める点を見出しtsを求めればよい。
【0088】
前出の数式(3)を満たすことを考慮した場合には、δtは、δt<1.3μsecとなる条件を満たすことがより望ましい。温度測定より、t=t3での発熱体の表面温度は360〜370℃であった。tg=1μsecの寿命は15.6μsecであり、この時の駆動周波数100Hzで10秒間の1000回の寿命を測定し、寿命時間ばらつき△τと平均寿命|τ|との比(△τ/|τ|)を調べた。この結果、tg=1μsecの時の△τ/|τ|はtg=1.8μsecの時の△τ/|τ|と比べ、2分の1以下となっていた。単一矩形パルス駆動では、パルス幅を短くすると、発泡開始時刻のばらつきは減少するが、発泡エネルギーも減少していることが分かる。
【0089】
(実施例1)
図6の波形の駆動信号を用いた駆動方法において、第1駆動信号はt1=10μsecとし、t=t1での発熱体の表面温度Tpを沸点温度より高い約150℃となるよう駆動電圧V1及びQ1を設定した。インクの初期温度は23℃である。駆動電圧V2は、パルス幅t2で気泡が発生する最低の電圧の1.1倍(k値)となるように設定した。発泡時刻の温度上昇率が約6×107℃/secとなる発泡時刻δt1は1.2〜1.3μsecであり、δt1=1μsecの時の気泡の寿命を測定したところ、20μsecあり(図9参照)、この時の寿命時間ばらつきは図7の信号波形を用いた場合のtg=tsと比べて小さくなっていた。δt1は、数式(3)(δt<1.3μsec)を満たしており、本発明の駆動方法を用いることで、発泡エネルギーを単一矩形信号のtg=tsと略等しくでき、且つ寿命時間ばらつきを小さくすることができた。
【0090】
また、第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで形成されたtg=1μsecの時の発泡エネルギーと、δt1=1μsecの発泡エネルギーの比は、夫々の気泡の寿命の3乗にて計算でき、第2駆動信号の発泡エネルギーの付与は47%となり、発泡エネルギーの略半分以上を第1駆動信号により制御できたことが分かった。
【0091】
(比較例1)
この第1駆動信号の条件で、第2駆動信号の発熱量Q2を、0.9×Q3とした時、δt2<1.3μsecでは気泡ができず、気泡寿命のばらつきを低減することはできなかった。
【0092】
(実施例2)
次に、図6の波形の駆動信号を用いた駆動方法において、第1駆動信号はt1=5μsecとし、t=t1での発熱体の表面温度Tpを沸点温度より高い約180℃になるようにV1及びQ1を設定した。駆動電圧V2は、パルス幅t2で気泡が発生する最低の電圧の1.25倍(k値)となるように設定した。第2駆動信号の駆動電圧V2を変えた時の発泡時刻δt2と気泡の寿命を図9に示す。インクの初期温度は共に23℃である。発泡時刻の温度上昇率が約6×107℃/secとなる発泡時刻δt2は約1.2μsecであり、この時の発熱量Q2は700MW/m2であった。これより、δt2<1.2μsecにて急速加熱となる。
【0093】
図9より、δt2≦1.1μsecの領域での気泡の寿命は、図7の駆動方法のtg≦1.1μsecの領域での気泡寿命と比べて十分に大きく、第1駆動信号を印加せずに第2駆動信号のみで形成された発泡エネルギーと、第1及び第2駆動信号による発泡エネルギーの比は、夫々の気泡の寿命の3乗にて計算すると、1.1μsec以下の発泡時刻の領域で第2駆動信号の発泡エネルギーの付与は45%以下となっている。これより、発泡エネルギーの略半分以上を第1駆動信号により制御できたことが分かった。さらに、tg=1.8μsecの単一矩形パルス駆動の気泡の寿命と比べても長く、本発明の駆動方法により十分な発泡エネルギーを確保することが可能であることが分かった。
【0094】
また、δt2=1.1μsecでの寿命時間ばらつき△τは、図3のtg=1.8μsecに比べて小さくなっていた。
【0095】
(比較例2)
実施例1の第1駆動信号の条件で、第2駆動信号の発熱量Q2を、Q2<Q3とした時、δt2<1.8μsecで気泡が出来ず、気泡寿命のばらつきも低減することはできなかった。
【0096】
以上のような本発明の駆動方法より、第1駆動信号による加熱にて、均一核生成を始めるに必要とする気化潜熱を蓄えた過熱液層を形成し、十分な過熱液層の厚みを確保し、この後に第2駆動信号による急速加熱を行い、発泡安定性を確保しつつ、発泡エネルギーを増大させることが可能となった。
【0097】
(その他の態様)
数式(3)において、インク初期温度が常温(20〜35℃)以上となる場合、式の左辺が大きくなり、δtの条件は緩やかになる。常温で液状のインクは、水、有機溶剤及び着色剤を含有し、好ましい含有量は夫々、50〜99重量%、1〜30重量%、0.2〜20重量%の範囲である。このような範囲の配合成分のインクを用いる場合には、図6から図9の上記例と同様に、夫々の沸点と発泡温度を数式(3)に導入することで、駆動方法の条件を得ることができる。
【0098】
上記例では、発熱体を構成する発熱抵抗層が直接インク接触する記録ヘッドを用いて説明したが、記録ヘッドとしては、従来からの薄膜抵抗体層と、絶縁体からなる保護層と、キャビテーションエロージョンや、接触するインクによる電気化学反応による腐蝕、繰り返し発熱、酸化等に耐性のある耐キャビテーション層で構成される発熱体を用いることもできる。
【0099】
この時、駆動信号に対する応答性が高く、発熱体から発生する熱を効率良く、且つ速やかにインクに作用するよう、保護層と耐キャビテーション層の膜厚を薄くする方が良い。耐キャビテーション層としては、従来より、Ta、Ta―Al、Ir等の金属または合金を用いる。保護層としては従来より、SiO2、SiN、Ta−O、Ta−Al−O等の熱伝導性の悪い絶縁体薄膜が用いられており、該保護層の厚みを薄くすることが発熱体への熱伝導の効率を良くする上で好ましい。水系インクを用いた場合、図6〜図9を用いて説明したように、発泡時刻δtを1.3μsec未満とすることが必要であり、発泡安定化の点ではδtは短ければ短い程よく好ましく1μsec以下である。
【0100】
図6に示した信号波形の第1駆動信号は、第2駆動信号より低く一定の駆動電圧である駆動信号としたが、単一の駆動パルス、複数のパルス、階段状のパルス等の様々の駆動信号波形を用いることができる。図11〜図14に、本発明の駆動方式の駆動信号波形の幾つかの例を示す。
【0101】
図11は駆動電圧が等しい第1駆動信号と第2駆動信号からなり、第1駆動信号がパルス幅W11の矩形パルスと休止時間WS11からなる本発明の駆動波形図である。図12は、第1駆動信号と第2駆動信号の駆動電圧が等しく、第1駆動信号がパルス幅W21、休止時間WS21の周期のパルスをn個(図では2個のみを記す)を印加した後に最後のパルス印加後にWS22の休止時間を設けた本発明の駆動波形図である。図12の駆動信号波形によって、加熱液層の厚みをパルス数に応じて厚くすることができる。図13は、図12の第1駆動信号の複数パルスの間隔が次第に広がる例を示す駆動波形図であり、第1駆動信号と第2駆動信号の駆動電圧が等しく、第1駆動信号の矩形パルスのパルス幅W31を等しくとり、パルス間隔がWS31、WS32と次第に大きくなる駆動波形図である。発熱体の表面温度を上げた後に、休止時間WS32を長く取ることで、発熱体の表面温度を低く保ったままでインクの過熱液層の厚みを厚くすることができる。発泡エネルギーを増す上で有効となる駆動方法である。図14は、第1駆動信号が階段状に減少していく駆動信号であり、図6と図11の駆動信号波形を組み合わせたものであり、図13と同様に、発熱体の表面温度を速やかに上げ後に、低い電圧で過熱液層の厚みを厚くできるように低い電圧で加熱する駆動方法である。
【0102】
また、本発明のインクジェット記録の駆動方法は、気泡連通吐出方式においても有効な構成となる。ここに記載した気泡連通吐出方式とは、吐出のためにインクを加熱することにより生成される膜沸騰による気泡を該気泡の内圧が負圧時等に吐出口近傍で外気に連通させてインクの吐出を行うインクジェット記録方式であり、特開平2−112832号、特開平2−112833号、特開平2−112834号、特開平2−114472号等において記載されている方式である。
【0103】
この気泡連通吐出方式によれば、気泡を形成しているガスが吐出されるインク液滴と共に噴出することはないので、スプラッシュやミスト等の発生を低減し、被記録媒体乗の地汚れや装置内の汚れを防ぐことができる。また、気泡連通吐出方式の基本的な作用として、気泡が生成される部位より吐出出口側にあるインクは原理的に全てインク液滴となって吐出されるということがある。このため、吐出インク量は、吐出出口から上記気泡生成部位までの距離等、記録ヘッドの構造によって定めることができる。この結果、上記気泡連通吐出方式によれば、インク温度の変化等の影響をそれほど受けずに吐出量の安定した吐出を行うことが可能となる。
【0104】
以下、図15を参照して上記連通吐出方式について説明する。図15(a)および(b)は、上記連通吐出方式を適用して好適な記録ヘッドおよびその吐出方法を示すものであり、この記録ヘッドの具体的インク路構成の2例を示す。しかしながら、本発明はこのインク流路構成例に限定されないことは言うまでもない。
【0105】
図15(a)に示すインク流路構成は、基板(不図示)上に発熱体10を具えた、この素子基体上に、隔壁や溝付き天板を設けることによって、共通液室Cやインク流路Bが形成される。また、これとともにインク流路Bの端部に吐出口155が形成される。E1,E2は、それぞれ、発熱体10にパルス状の駆動信号を印加するための選択電極、共通電極を示す。さらにDは保護層である。電極E1,E2を介した、記録データに基づく上記電気信号の印加に応じて、電極E1,E2間の発熱体10は、蒸気膜を生じる急激な温度上昇を短時間のうちに発生し(約300℃)、これにより気泡156が生成される。この気泡156は成長し、やがて吐出口5における基板側の端部Aで大気と連通する。
【0106】
そして、この連通後、安定した吐出インク滴(破線157)が形成される。この吐出において、気泡156がその成長過程でインク路Bを完全に遮断しない(インク路B内のインクが吐出口155から突出したインクと連続している)ので後続の吐出に対するリフィルが速やかに行われること、また、300℃以上の比較的高温となった気泡の熱も外気に放出されること等によって大きな蓄熱の問題(蓄熱によるインク粘性低下や気泡形成の不安定化)も生ぜず、各発熱体の駆動デューティーを高くすることができる。
【0107】
図15(b)は、共通液室Cを不図示としているが、インク路Bを屈曲した形状としているものであり、屈曲部の素子基体面に発熱体10を具えている。吐出口155は、吐出方向にその断面積を減少する形状であり、発熱体10に対向してその開口が設けられている。この吐出口155はオリフィスプレートOPに形成される。
【0108】
図15(b)においても、上記図15(a)の構成と同様に蒸気膜(約300℃)を生じさせて気泡156を生成する。この気泡の生成により、オリフィスプレートOPの厚み部分のインクを吐出方向に押しやり、その部分のインクを希薄にする。その後気泡156は、吐出口155の外気側周縁A1から内部側の吐出口近傍領域A2の範囲で大気と連通する。この時、気泡156の成長は、インク流路を遮断しないもので、吐出方向へ向かう必要のないインクをインク路B内のインクと連続した連続体として残すことができ、インク滴7の吐出量の安定化および吐出速度の安定化を実現することができる。
【0109】
このような連通吐出方式によれば、吐出口近傍への気泡成長を急激にしかも確実に行うことができるので、上記非遮断状態のインク路によるリフィル性も手伝って、高安定高速記録を達成できる。また、気泡と大気とを連通させることによって、気泡の消泡過程が無くなり、キャビテーションによる発熱体や基板の損傷を防止することもできる。
【0110】
以下本発明のインクジェット記録の駆動方法を図11ないし図13の図面に示す駆動信号例を用いて説明する。
【0111】
(実施例3)
本実施例で用いた記録ヘッドは、図2に示したと同様のものを用いた。図11の駆動信号波形を用いて気泡の寿命を測定した。W11=0.3μsec、WS11=0.5μsec、W12=0.8μsecとした。第1駆動信号による発熱体の表面温度Tpは約130℃であった。発泡時刻δt=0.5μsecであり、発泡時刻の温度上昇率dT(t0)が同じとなる図7の単一パルス駆動の発泡時刻はtg=1μsecであった。図9によりtsは1.8μsecであり、この時の駆動周波数100Hzで10秒間の1000回の寿命を測定し、寿命時間ばらつき△τと平均寿命|τ|との比(△τ/|τ|)を調べた結果、δt=0.5μsecの時の△τ/|τ|と、単一パルス駆動でのtg=1.8μsecの時の△τ/|τ|と比べたところ、2分の1以下となっていた。本実施例の駆動波形を用いることにより発泡安定化をはかることができた。
【0112】
次に、上記本発明の駆動信号による寿命(20μsec)と、tg=0.5μsecの単一パルス駆動信号の寿命(12μsec)との比の3乗を計算することによりをとり、発泡エネルギーへの第2駆動信号の付与分を求めたところ、22%となった。
【0113】
以上より、本発明の駆動方法により、過熱液層の厚みを第1駆動信号による加熱にて略決めることができ、発泡安定化のためのトリガーとなる第2信号とは独立に発泡エネルギーを制御することができた。
【0114】
(実施例4)
本実施例で用いた記録ヘッドは、図1に示したと同様のものを用いた。図12の駆動信号波形を用いて気泡の寿命を測定した。W21=0.5μsec、WS21=0.5μsec、n=2、WS22=2.0μsec、W22=0.8μsecとした。第1駆動信号による発熱体の表面温度Tpは約200℃であった。 発泡時刻δt=0.3μsecであり、発泡時刻の温度上昇率dT(t0)が同じとなる図7の単一パルス駆動の発泡時刻はtg=0.8μsecであった。
【0115】
図9によりtsは1.8μsecであり、この時の駆動周波数100Hzで10秒間の1000回の寿命を測定し、寿命時間ばらつき△τと平均寿命|τ|との比(△τ/|τ|)を調べた結果、本実施例の△τ/|τ|と、単一パルス駆動でのtg=1.8μsecの時の△τ/|τ|と比べたところ、2分の1より小さいくなっていた。本実施例の駆動波形を用いることにより発泡安定化をはかることができた。
【0116】
次に、上記本発明の駆動信号による寿命は23μsecであった。単一パルス駆動信号によるtg=0.3μsecでは、発熱体電圧が大きいために過電流が発熱体に流れ、発熱体が破損し、寿命を測定することができなかった。また、図9より、tg=0.3μsecでは、寿命は10μsec未満と考えらる。よって、発泡エネルギーは、略第1駆動信号により決定できるものと考えられる。
【0117】
以上より、本発明の駆動方法により、過熱液層の厚みを第1駆動信号による加熱にて略決めることができ、発泡安定化のためのトリガーとなる第2信号とは独立に発泡エネルギーを制御することができた。
【0118】
(実施例5)
本実施例で用いた記録ヘッドは、図2に示したと同様のものを用いた。図13の駆動信号波形を用いて気泡の寿命を測定した。W31=0.3μsec、WS31=0.3μsec、WS32=0.5μsec、WS33=1.0μsec、W32=0.7μsecとした。第1駆動信号による発熱体の表面温度Tpは約160℃であった。発泡時刻δt=0.3μsecであり、発泡時刻の温度上昇率dT(t0)が同じとなる図7の単一パルス駆動の発泡時刻はtg=0.6μsecであった。
【0119】
図9によりtsは1.8μsecであり、この時の駆動周波数100Hzで10秒間の1000回の寿命を測定し、寿命時間ばらつき△τと平均寿命|τ|との比(△τ/|τ|)を調べた結果、本実施例の△τ/|τ|と、単一パルス駆動でのtg=1.8μsecの時の△τ/|τ|と比べたところ、2分の1より小さいくなっていた。本実施例の駆動波形を用いることにより発泡安定化をはかることができた。
【0120】
(比較例3)
次に、上記本発明の駆動信号による寿命は20.8μsecであった。単一パルス駆動信号によるtg=0.3μsecでは、発熱体電圧が大きいために過電流が発熱体に流れ、発熱体が破損し、寿命を測定することができなかった。また、図9より、tg=0.3μsecでは、寿命は10μsec未満と考えらる。よって、発泡エネルギーは、略第1駆動信号により決定できるものと考えられる。
【0121】
以上より、本発明の駆動方法により、過熱液層の厚みを第1駆動信号による加熱にて略決めることができ、発泡安定化のためのトリガーとなる第2信号とは独立に発泡エネルギーを制御することができた。
【0122】
また、本発明の駆動方法を用いることにより、tg=1.8μsecの単一矩形パルス駆動の気泡の寿命と比べて略同等の気泡の寿命を得ることができ、十分な発泡エネルギーを確保することが可能であった。
【0123】
(実施例6)
本実施例にて図15を用いて説明した連通吐出方式に適用した例について示す。記録ヘッドは図15(b)の形式のものを用いた。
【0124】
基板として、結晶方位(100)、p型のシリコンウエハを用い、このウエハを熱酸化して二酸化シリコン膜を0.6μm形成し、この二酸化シリコン膜上に常圧CVD法によりPSG膜を0.7μm堆積し、さらにプラズマCVD法によりプラズマシリコン酸化膜(p−SiO)を堆積させたものを用いてある。この基板上にTa−Nからなる発熱体の薄膜抵抗体及び、薄膜抵抗体に駆動信号を印加するAl−Cuの配線電極が形成されてある。薄膜抵抗体の上には保護膜となる0.2μmのプラズマシリコン窒化膜(p―SiN)が形成され、さらにこのプラズマシリコン窒化膜(p―SiN)上に耐キャビテーションエロージョン及び電気化学反応による腐蝕耐性を持つTa膜を2300Åが形成してある。この発熱体上に、インク路及び吐出口プレートとなるオリフィスプレートが設けてある。基板には、裏面よりシリコンの異方性エッチングによりエッチングすることで形成した貫通孔が設けてあり、この貫通孔をインク供給口として用いる。薄膜抵抗体のサイズは26μm×32μm、吐出口のサイズは23μm×23μm、インク路の高さは12μm、薄膜抵抗体から吐出口側端の高さは20μmである。発熱体のシート抵抗は53Ω/□である。以上の構成によりなる記録ヘッドを1インチ当たり360個の密度で48個配置してある。
【0125】
この記録ヘッドを用いて、図11の駆動信号波形を用いた本発明の駆動方法による液滴の吐出速度及び速度ばらつきを測定した。インクは、図2を用いて説明したものと同様のものを用いた。駆動信号電圧を気泡が発生する最低の電圧の1.1倍に設定した。以下の表に測定した液滴の吐出速度を示す。吐出速度は1000回吐出を行った時の全吐出速度の平均を表している。単一駆動信号によるパルス幅を変え、吐出速度の減少する発泡時刻を測定した。tg〜1.5μsecより、吐出速度が減少し始めて、十分な発泡エネルギーを得ることができなくなっている。以下に単一パルスによる駆動と本発明の駆動方法の駆動信号のパルス幅条件を示す。
【0126】
【表1】
【0127】
比較例4の吐出速度と比べて、急速加熱となる比較例5の吐出速度は3分の2まで低下した。液滴の運動エネルギーは発泡エネルギーに比例し、運動エネルギーは吐出速度の2乗に比例することから、表1より略50%低下したことになる。本発明の駆動方法である実施例4では、吐出速度は従来例4に比べて大きくなり、急速加熱となる従来例5に対しては第2駆動信号の駆動パルスの印加時間が短いにも係わらず、その吐出速度は1.44倍となっていた。
【0128】
次に、吐出速度の測定より、吐出速度の変動幅を吐出速度の平均で割った値である吐出速度変動量を測定したところ、実施例6では、従来例4比べてその値が3分の1に低減していた。
【0129】
以上より、本発明の駆動方法により、過熱液層の厚みを第1駆動信号による加熱にて略決めることができ、発泡安定化のためのトリガーとなる第2信号とは独立に発泡エネルギーを制御することができた。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、上述の本発明の駆動方法や記録装置によると、インクに生成する気泡を安定して形成できることで発泡エネルギーのゆらぎを低減しつつ、発泡エネルギーを十分に高くすることができるため、インクの吐出速度等のインクの吐出特性の向上を図ることが可能となった。、これにより高品位の画像を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法と従来駆動方法の違いによる発熱体表面からのインクの温度分布を説明するための図である。
【図2】記録ヘッドの要部断面図である。
【図3】インクジェットヘッドカートリッジの構成をしめす斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の構成を説明するための斜視図である。
【図5】インクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の駆動方法の駆動信号波形の第1の例を示す図である。
【図7】単一駆動信号波形を示す図である。
【図8】本発明の駆動信号を与えた時の発熱体の抵抗変化から求めた発熱体表面温度の時間変化を示す図である。
【図9】本発明の駆動信号を与えた時の気泡の寿命τの発泡時刻の依存性を示す図である。
【図10】液滴の吐出速度を測定するための測定系を説明するための図である。
【図11】本発明の駆動方法の駆動信号波形の第2の例を示す図である。
【図12】本発明の駆動方法の駆動信号波形の第3の例を示す図である。
【図13】本発明の駆動方法の駆動信号波形の第4の例を示す図である。
【図14】本発明の駆動方法の駆動信号波形の第5の例を示す図である。
【図15】(a)及び(b)は、夫々本発明を適用して好適な記録ヘッド及びその吐出方法を説明するための記録ヘッドの要部断面図である。
【図16】インク加熱のための発熱体表面に接するインク温度の変化を示す線図である。
【図17】気泡の寿命の単一駆動信号による発泡時間の依存性を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 薄膜抵抗体層
3 インク
4 天板
5 共通液室
6 インク路
7 吐出口
8 選択電極
9 共通電極
10 発熱体
Claims (8)
- インクを吐出する吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、駆動信号を印加することにより前記インク流路内のインクを加熱して気泡を発生させるための発熱体とを具えたインクジェット記録ヘッドを用い、前記気泡の発生に基づいて前記吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの駆動方法において、
前記駆動信号は、前記発熱体の表面温度をインクの沸点温度以上でインクが均一核生成を開始する発泡温度未満に加熱する第1駆動信号であって発泡エネルギーをインクに蓄えるための当該第1駆動信号と、インクに気泡を発生させるための第2駆動信号と、を有し、
前記第2駆動信号の印加開始から気泡を発生するまでの時間をt=δt、前記第1駆動信号を印加せずに前記第2駆動信号と同じ単一駆動信号のみで気泡を発生させた場合に発泡エネルギーが減少する境界発泡時間をt=tsとすると、δt、tsが
δt<ts
の関係を満たすと共に、前記第1駆動信号の印加を開始した時刻から前記第2駆動信号を開始するまでの時刻の差である第1駆動信号の印加時間をt1、第2駆動信号の印加時間を(t2―t1)、駆動信号による発熱体の発熱量をQ(t)とするとき、t1、t2、Q(t)が
【外1】
を満たす駆動信号を前記発熱体に印加することで気泡を発生させることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの駆動方法。 - 前記時間t=δtにおける温度上昇率をdT(δt)、前記境界発泡時間t=tsにおける温度上昇率をdT(ts)とすると、各温度上昇率が
dT(δt)>dT(ts)
を満たす請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。 - 前記第1駆動信号は前記発熱体から熱を受けるインクの過熱インク層の厚さを厚くするための信号である請求項1もしくは請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
- 前記第2駆動信号による発熱体の発熱量が、前記境界発泡時間t=tsにおける発熱体の発熱量に比べて、同等もしくはそれ以上である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
- 前記第1駆動信号と前記第2の駆動信号とは連続した信号である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
- 前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とは休止時間を挟んでいる請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
- 前記第1駆動信号が複数パルスからなり、パルス間の休止時間が次第に長くなされている請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
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