JP4215648B2 - ヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法 - Google Patents

ヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法 Download PDF

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/54Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D231/56Benzopyrazoles; Hydrogenated benzopyrazoles

Description

技術分野
この出願の発明は、ヒドラゾン誘導体の不斉分子内[3+2]環化付加反応に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、穏和な条件下でヒドラゾン誘導体を簡便かつ高効率に不斉分子内[3+2]環化する方法に関するものである。
背景技術
自然界においては、タンパク質などをはじめとする多くの物質が光学活性物質であり、その立体構造に応じて特異的な生理活性を発現することが知られている。また、天然物には、窒素原子を含む化合物が多く見られ、中でも五員環骨格中に窒素原子を含むものの多くは分子機能の発現に大きく寄与していると考えられている。
したがって、医薬、農薬、香料等の分野で課題となっている生理活性物質の全合成では、含窒素化合物の立体選択的合成法を確立することが重要であるといえる。
含窒素五員環骨格の構築に有用な方法の一つとして、[3+2]付加環化反応があり、古くから研究がなされてきた。中でもニトロンなどの反応性の高い1,3−双極子を用いる付加環化反応は広く研究されており、不斉ルイス酸を用いる触媒的不斉反応の例も報告されている。一方、アリールもしくはアシルヒドラゾンの[3+2]付加環化反応については、1970年にHesseによりプロトン酸を触媒とするアリールもしくはアシルヒドラゾンとアルケンの付加環化反応が初めて報告された。さらに、1979年にはこの反応が熱的にも進行することがGriggsらによって報告された。その後、同種の反応がいくつか報告されているが、いずれも強酸性の条件下、あるいは熱的条件下での反応を要するものであり、ルイス酸を用いた穏和な条件下での反応はこれまで知られていなかった。
一方、この出願の発明者らは、これまでにキラルジルコニウム触媒を用いる不斉Mannich型反応、アザDiels−Alder反応、不斉Strecker反応などの様々な含窒素化合物の触媒的不斉合成反応について報告している。また、最近になって、10mol%という触媒量のジルコニウムトリフラートを用いることにより穏和な条件下でも高収率、高ジアステレオ選択性でヒドラゾンの分子間[3+2]環化付加反応が起こることを明らかにし、報告している。
しかし、ヒドラゾンの分子内不斉環化付加反応を穏和な条件下で行う簡便な方法については実現していなかったのが実情である。分子内[3+2]不斉付加環化反応は、多環を効率的に構築できるだけでなく、生成物のN−N結合を切断することにより環状の1,3−ジアミンへと誘導することができることからもその有用性が高いといえる。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の限界を克服し、通常の緩和な条件下において、高い立体選択性と収率でヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応を行う方法を提供することを課題としている。
発明の開示
この出願の発明は、以上のとおりの課題を解決するものとして、まず、第1には、次式(I)
Figure 0004215648
(ただし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基である)
で表されるジルコニウムアルコキシドと、次式(II)
Figure 0004215648
(ただし、YおよびYは、各々、同一または別異に、水素原子またはハロゲン原子を示し、YおよびYの少なくとも一方はハロゲン原子を示す。)
で表されるビナフトール誘導体を混合して得られる不斉触媒系の存在下で、次式(III)
Figure 0004215648
(ただし、R、R、R、RおよびRは、各々、同一または別異に、水素原子または置換基もしくは異種原子を有していてもよい炭化水素基を示し、RおよびR、RおよびRは、置換基を有していてもよい炭化水素鎖あるいは異種原子を有する炭化水素鎖により結合して環を形成していてもよく、Xは、置換基または異種原子を有していてもよい炭化水素鎖あるいは異種原子を示す。)
で表されるヒドラゾン誘導体を反応させることを特徴とするヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、一級アルコールの共存下で行う前記の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法を、第3には、一級アルコールがn−プロパノールのである不斉分子内[3+2]環化付加反応方法を提供する。
さらに、この出願の発明は、第4には、次式(IV)
Figure 0004215648
で表される化合物を合成する不斉分子内[3+2]環化付加反応方法を提供する。
そして、この出願の発明は、第5には、触媒系において使用されるジルコニウムアルコキシドがZr(OBu)またはZr(OPr)である前記いずれかの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法をも提供する。
発明を実施するための最良の形態
この出願の発明者らは、触媒量のジルコニウムトリフラートを用いることにより室温、有機溶媒中等の穏和な条件下でもヒドラゾンの分子間[3+2]付加反応が効率的に進行することを見出した。そして、触媒的不斉反応への展開についてさらなる鋭意研究を続けた結果、本願発明に至ったものである。
すなわち、この出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応の方法においては、触媒系として、次式(I)
Figure 0004215648
(ただし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基である)
で表されるジルコニウムアルコキシドと、次式(II)
Figure 0004215648
(ただし、YおよびYは各々、同一または別異に、水素原子またはハロゲン原子を示し、YおよびYの少なくとも一方はハロゲン原子を示す。)
で表されるビナフトール誘導体を混合して得られるものを使用することにより、ヒドラゾン誘導体の分子内[3+2]環化が立体選択的に起こるのである。
ヒドラゾンには、一般に、RR’C=NNHで表されるケトンヒドラゾンとRCH=NNHで表されるアルデヒドヒドラゾンがあるが、この出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法では、ヒドラゾン誘導体はどのようなものであってもよく、RR′C=N−NH−R″のケトンヒドラゾン誘導体やRCH=N−NH−R″のアルデヒドヒドラゾン誘導体等の各種のものが考慮されてよい。例えば、次式(III)
Figure 0004215648
で表される化合物が好ましく例示される。このとき、R、R、R、RおよびRは、同一または別異に水素原子、または置換基もしくは異種原子を有していてもよい炭化水素基である。また、RおよびR、RおよびRは、置換基あるいは異種原子を有していてもよい炭化水素鎖により結合して環を形成していてもよい。そしてXは置換基あるいは異種原子を有していてもよい炭化水素鎖もしくは異種原子である。
前記のR、R、RおよびRとしては、ヒドラゾン誘導体の分子内[3+2]環化を阻害しないものであればとくに限定されないが、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル等のアルキル基やフェニル、ナフチル等の芳香族基、さらには、ハロゲン原子やO、N、Sを含有する置換基を有する炭化水素基が例示される。なかでも、メチル、エチル等の低級アルキル基が好ましく挙げられる。RおよびRとRおよびRが各々環を形成する場合には、例えば、−CHCHCHCH−,−CHCHCHCHCH−,−CHCH(CH)CHCH−,CHCHOCHCH−,OCHCHO−,SCHCHS−等が例示される。
Xについては、例えば、−CH−,−CH(CH)−,−O−,−S−等の形態が例示される。
一方、Rについても、R〜Rと同様のものであってもよいが、なかでもカルボニル基、ニトロ基、スルホン酸基等O、N、S等のヘテロ原子を有する炭化水素基や芳香族基が好ましく例示される。例えば、ヒドラゾン誘導体としては、Rがアシル基のもの、例えば−CO−Me,−CO−Et,−CO−Pr,−CO−Ph,−CO−Ph−NO等の化合物が挙げられる。より具体的には、例えばRが4−ニトロ基を有するベンゾイル基や4−ニトロ基を有さないベンゾイル基、4−ニトロ基以外の置換基を有するベンゾイル基を有するものが好ましく例示される。
以上のとおりのこの出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法では、目的とする含窒素化合物の構造に応じてこれらの置換基を適宜選択すればよい。
この出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法によれば、たとえば次式(IV)
Figure 0004215648
の光学活性含窒素環状化合物が得られることになる。
このような化合物の合成を可能にするこの出願の発明反応方法では、以上のとおりの触媒系の存在下でヒドラゾン誘導体を反応させればよく、その反応条件は、とくに限定されない。しかし、とくに反応系に一級アルコールが共存する場合には、反応収率や立体選択性が高くなり、好ましい。このとき添加される一級アルコールの種類や量は限定されない。例えば、n−プロパノールを前記(II)のビナフトール誘導体に対して5〜10当量添加すればよい。
この出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応では、その他の反応の条件はとくに限定されないが、室温付近の反応温度やジクロロメタン等の有機溶媒中という穏和な条件下でも収率および立体選択性高く不斉分子内[3+2]環化付加反応が進行する点が特徴的である。反応溶媒としては、各種の有機溶媒が例示されるが、好ましくは、ジクロロメタン、ベンゼン、フルオロベンゼン、トルエンなどが例示される。前記のとおり、反応溶媒中に一級アルコールを添加することにより反応収率や立体選択性がより向上し、好ましい。
もちろん、この出願の発明の方法により製造された含窒素化合物を、さらに各種の有機合成手法により反応、変換させ、所望の物質を得てもよい。例えば環化体のN−N結合を切断して光学活性な1,3−ジアミンを誘導することもできる。また、この出願の発明の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法を実施した後に、生成物を精製するために、抽出、分離、ろ過、洗浄、乾燥等の一般的な操作を行ってもよい。
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細に説明する。もちろん、この出願の発明は、以下の実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
実 施 例
<実施例1>
次の反応式(A)に従って、表1に示す各種の不斉触媒系を用いての不斉分子内〔3+2〕付加環化反応を行った。
Figure 0004215648
4−ニトロベンゾイルヒドラゾンは、4−ニトロベンゾイルヒトラジンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液に対し、1当量のアルデヒド((S)−Citronellalは市販のものをそのまま、3,3,7−Trimethyl−6−octenalおよび7−Mehyl−6−octenalについては、文献に記載の方法により求めた)を加え、室温下、アルデヒドが消失するまで数時間攪拌した。水を加えて、反応を停止し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去し、残渣を酢酸エチル−ヘキサン(5:1)から再結晶した。原料のアルデヒドが残っている場合には、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製した後、再結晶した。
反応収率および立体選択性を表1に示した。
Figure 0004215648
表1より、Zr(OBu)と前記式(II)においてYがBr(臭素)であってYが水素原子である3,3′−BrBINOLを混合して得られる触媒系を用いることにより、高い収率と立体選択性でヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応が進行することが確認された。とくに、アルコールをZr(OBu)に対して5〜10当量添加した系では、収率および立体選択性が顕著に向上した。
<実施例2>
実施例1において、触媒系を変更し、同様に次の反応式(B)に従って不斉付加環化反応を行った。その結果を表2に示した。
表2から明らかなように、前記式(II)においてYおよびYが共にBrまたはIであるBINOL誘導体を用いた触媒系では、一級アルコールを添加した場合にとくに高い反応収率と選択性が得られた。
Figure 0004215648
Figure 0004215648
<実施例3>
次式(C)に従って、各種ヒドラゾン誘導体の不斉分子内〔3+2〕環化付加反応を行った。
Figure 0004215648
反応時間、反応収率、および立体選択性を表3に示した。
Figure 0004215648
表3より、β位に置換基を有するもので高い反応収率と立体選択性が得られることが確認された。また、β位に置換基を有さないものでは、反応性が若干低かったものの、3,3′,6,6′−IBINOLをビナフトール源として調製した触媒系を用いることによりトランス体のエナンチオ選択性が高くなることが示された。
一方、β位に置換基を1つのみ有するヒドラゾン誘導体では、(R)体のビナフトールからはトランス体が、(S)体のビナフトールからはシス体が優先して得られた。さらに、β位にチオケタール基を有する基質でも、収率および選択性が高くなることが確認された。
<実施例4>
次式(D)の反応に従って、不斉分子内〔3+2〕環化付加反応を行った。
Figure 0004215648
まず、4−ニトロベンゾイルヒドラゾン(1a)(R=R=R=R=Me,X=−CH−)を、各種のキラルBINOLの触媒系のもとに反応を行った。その結果を表4に示した。
反応は、CHCl溶媒中において、室温で4〜11時間行った。なお、表中のbは10mol%であることを、cは50mol%であることを、dは、ベンゼンが溶媒とされたこと、eは、トルエンが溶媒とされたことを示している。
Figure 0004215648
また、次に、Zr(OPr)(10mol%),(R)−2d(12mol%)およびPrOH(50mol%)の触媒系を用い、室温において各種ヒドラゾン化合物の不斉分子内環化付加反応を行った。その結果を表5に示した。
なお、entry5および6では、BINOLとして (R)−2Cが用いられている。また、表中の表示bは、触媒が5mol%であることを、Cは、触媒が20mol%であることを、dは、未精製であるあることを、eは、収率が、出発原料化合物(4)を基準に算出されたことが、fは、40℃の反応温度であることが、gは、60℃の反応温度であることが示されている。
Figure 0004215648
反応の対象とされたヒドラゾン化合物に対応して次の同定値で示される不斉環状化合物が得られている。
(3aS,7aS)−3,3,6,6−Tetramethyl−2−(p−nitrobenzoyl)indazolidine(3a):[α] 29−40.5(c1.01,CHCl,99%ee(after recrystallization)).IR[cm−1](KBr)3466,2905,2870,1636,1601,1518,1466,1397,1385,1345,1310.H NMR(CDCl)δ=0.92−1.02(m,1H),0.96(s,3H),1.00(s,3H),1.21−1.28(m 2H),1.43(ddd,1H,J=12,12,4.6Hz),1.47(s,3H),1.61(m,2H),1.65(s,3H),1.75(dd,1H,J=12,3.4Hz),2.84(ddd,1H,J=13,12,3.4Hz),3.28(d,1H,J=13Hz),7.33(d,2H,J=8.6Hz),8.19(d,2H,J=8.6Hz);13C NMR(CDCl)δ=19.6,20.4,25.6,25.9,31.9,32.7,38.8,41.3,57.7,60.9,65.3,122.8,128.8,143.8,147.8,165.5.MS(m/z)331(M).Anal.calcd for C1825:C,65.23;H,7.60;N,12.68,found:C,65.24;H,7.79;N,12.72.HPLC:Daicel Chiralpak AD,hexane/PrOH=9/1,flow rate=1.0mL/min:t=20.8min(3aS,7aS),t=39.4min(3aR,7aR).trans−3,3−Dimethyl−2−(p−nitrobenzoyl)indazolidine(3b):IR[cm−1](KBr)3107,1630,1600,1523,1455,1405,1384,1344.H NMR(CDCl)trans isomer:δ=1.05(m,1H),1.20−1.35(m,4H),1.44(s,3H),1.64(s,3H),1.75(m,1H),1.85−1.90(m,2H),2.05(m,1H),2.62(br,1H),3.79(br,0.8H),7.72(d,1H,J=8.8Hz),8.19(d,1H,J=8.8Hz);13C NMR(CDCl)trans isomer;δ=19.5,24.2,24.4,25.5,26.0,28.7,60.3,60.8,65.4,122.9,128.8,143.9,147.9,165.6.MS(m/z)303(M).Anal.calcd for C1621:C,63.35;H,6.98;N,13.85,found:C,63.41;H,6.93;N,13.58.HPLC:Daicel Chiralcel OJ,hexane/PrOH=19/1,flow rate=1.0mL/min:t=44.5min(minor),t=54.2min(major).
trans−6,6−Ethylenedithio−3,3−Dimethyl−2−(p−nitrobenzoyl)indazolidine(3c):IR[cm−1](KBr)3438,3206,1625,1596,1524,1422,1345.H NMR(CDCl)δ=1.33(dt,1H,J=12,3.1Hz),1.47(s,3H),1.55(m,1H),1.67(s,3H),1.64−1.86(m,2H),1.97(td,1H,J=13,3.8Hz),2.31(ddd,1H,J=14,5.1,3.2Hz),2.49(ddd,1H,J=12,3.1,1.7Hz),3.33(s,4H),3.88(d,1H,J=13Hz),7.73(d,2H,J=8.8Hz),8.20(d,2H,J=8.8Hz);13C NMR(CDCl)δ=19.5,23.5,26.0,38.3,39.4,42.3,44.7,59.3,60.2,65.3,66.4,122.9,128.9,143.6,147.9,165.6.MS(m/z)393(M).Anal.calcd for C1623:C,54.94;H,5,89;N,10.68,found,C,54.87;H,6.01;N,10.66.HPLC:Daicel Chiralpak AD,hexane/PrOH=4/1,flow rate=1.0mL/min:t=20.7min(major),t=44min(minor).
trans−3,3−Ethylenedithio−2−(p−nitrobenzoyl)indazolidine(3f):IR[cm−1](KBr)3442,3183,1627,1403.H NMR(CDCl)δ=1.10(ddd,1H,J=12,12,3.8Hz),1.25−1.42(m,2H),1.68(m,1H),1.8−2.1(m,5H),2.54−2.69(m,1H),3.15(td,1H,J=11,4.8Hz),3.28(m,1H),3.70(m,1H),3.98(br,2H),7.32−7.42(m,3H),7.52−7.56(m,2H);13C NMR(CDCl)δ=24.4,25.0,25.1,28.6,39.5,42.5,61.2,62.3,92.0,127.6,127.9,129.6,137.66,166.0.MS(m/z)320(M).Anal.calcd for C1620OS:C,59.96;H,6.29;N,8.74,found,C,59.94;H,6.36;N,8.71.Daicel Chiralcel OD,hexane/PrOH=4/1,flow rate=1.0mL/min:t=19.4min(minor),t=30.3min(major).
trans−3,3,6,6−Tetramethyl−2−(p−nitrobenzoyl)−perhydropyrano[3,4−c]pyrazole(3g):IR[cm−1](KBr)3197,1612,1595,1522,1480,1430,1384,1348,1318.H NMR(CDCl)δ=1.24(s,3H),1.2−1,3(m,1H),1.29(s,3H),1.48(s,3H),1.56(ddd,1H,J=11,11,3.9Hz),1.71(s,3H),1.94(dd,1H,J=12.3.7Hz),3.0(br,1H),3.63(dd,1H,J=11,11Hz),3.84(dd,1H,J=11,4.1Hz),3.8(br,1H),7.72(d,2H,J=8.8Hz),8.19(d,2H,J=8.6Hz);13C NMR(CDCl)δ=19.8,22.9,26.3,31.3,39.9,56.4,58.7,60.8,64.6,72.5,122.9,128.2,143.5,148.0,165.6.MS(m/z)333(M).Daicel Chiralcel OD,hexane/PrOH=19/1,flow rate=1.0mL/min:t=32.6min(major),t=37.4min(minor).
trans−3,3’−Dimethyl−2−(p−nitrobenzoyl)−2,3,3a,4,9,9a−hexahydro−1H−benz[f]indazole(3h):IR[cm−1](KBr)3195,1617,1590,1523,1484,1438,1383,1349,1318,1290.H NMR(CDCl)δ=1.58(s,3H),1.76(s,3H),1.87(ddd,1H,J=12,12,5.4Hz),2.58(dd,1H,J=15,11Hz),2.9(m,1H),2.91(dd,1H,J=16,5.6Hz),3.12(m,1H),3.20(dd,1H,J=15,5.4Hz),4.04(dbr,1H,J=12Hz),7.1−7.2(m,4H),7.76(d,2H,J=8.6Hz),8.20(d,2H,J=8.5Hz);13C NMR(CDCl)δ=19.7,26.3,28.6,33.1,56.3,57.8,65.4,122.9,126.4,126.6,128.8,129.6,129.7,133.0,134.8,143.7,147.9,165.4.MS(m/z)351(M).Anal.calcd for C2021:C,68.36;H,6.02;N,11.96,found:C,68.55;H,6.05;N,12.00.HPLC(trans isomer):Daicel Chiralpak AD,hexane/PrOH=9/1,flow rate=1.0mL/min:t=35.9min(major),t=41.8min(minor).
<参考例> 生成物の誘導
以上のとおりの[3+2]付加環化反応において得られる環化体は、そのもの自体も興味深い化合物であるが、次式(E)のように、N−N結合を切断することにより、光学活性な1,3−ジアミンに変換することが可能であると考えられる。
Figure 0004215648
これらの1,3−ジアミンはキラルリガンドとして用いることができる可能性があるだけでなく、抗癌剤シスプラチンの類縁体合成にも応用できると考えられる。
発明者らの研究によれば、例えば次の環化体aにヨウ化サマリウム(SMI)を作用させたところ、後処理においてニトリル体が生成することがわかった。このニトリル体は、ニトリル基の還元およびベンゾイル基の脱保護によりアミノメチルシクロヘキシルアミンへと誘導することができるだけでなく、β−アミノ酸へも誘導可能であると考えられる。したがって、非常に有用な化合物であるといえる。
産業上の利用可能性
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明により、通常の穏和な条件下において、高い立体選択性と収率でヒドラゾンの分子内[3+2]環化付加反応を行う方法が提供される。このような不斉分子内[3+2]環化付加反応は、天然物等に多く見られる含窒素化合物を立体選択的に合成する簡便な方法として有用性が高い。

Claims (5)

  1. 次式(I)
    Figure 0004215648
    (ただし、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基である)
    で表されるジルコニウムアルコキシドと、次式(II)
    Figure 0004215648
    (ただし、YおよびYは、各々、同一または別異に、水素原子またはハロゲン原子を示し、YおよびYの少なくとも一方はハロゲン原子を示す。)
    で表されるビナフトール誘導体を混合して得られる不斉触媒系の存在下で、次式(III)
    Figure 0004215648
    (ただし、R、R、R、RおよびRは、各々、同一または別異に、水素原子または置換基もしくは異種原子を有していてもよい炭化水素基を示し、RおよびR、RおよびRは、置換基を有していてもよい炭化水素鎖あるいは異種原子を有する炭化水素鎖により結合して環を形成していてもよく、Xは、置換基または異種原子を有していてもよい炭化水素鎖あるいは異種原子を示す。)
    で表されるヒドラゾン誘導体を反応させることを特徴とするヒドラゾンの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法。
  2. 一級アルコールの共存下で行う請求項1の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法。
  3. 一級アルコールは、n−プロパノールのである請求項2の不斉分子内[3+2]環化付加反応方法。
  4. 次式(IV)
    Figure 0004215648
    で表される不斉環状化合物を合成する請求項1ないし3のいずれかの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法。
  5. 触媒系において使用されるジルコニウムアルコキシドはZr(OBu)またはZr(OPr)である請求項1ないし4のいずれかの不斉分子内[3+2]環化付加反応方法。
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