JP4215580B2 - 低温空調用吹出口 - Google Patents

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JP4215580B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状のコーンを同心状に複数配置し、前記コーン間の流路から空気を吹き出す多層コーン形の吹出口に係り、低温の気流を吹き出すときの吹出口の結露を防止する低温空調用吹出口に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、天井裏部分に配設された空気ダクトに接続されて、建物室内への冷暖房空調時に気流を天井面から吹き出す吹出口が知られており、これらの吹出口には、アネモスタット形(アネモ形)や、室内美観等を重視したシステム天井に適用される矩形のコーンを備えたシンメトリー形のものが用いられている。
【0003】
これらの吹出口は、一般に吹出口面に対して垂直方向に吹き出す軸流吹出口と違って、面に沿って水平方向に全方向拡散状に吹き出す輻流吹出口であり、室内における吹出口の配置状態により室内空気との混合時に誘引空気を受けて結露を生じやすい。
【0004】
すなわち、例えば冷房時、吹出口からは冷風が吹き出されるが冷風によって吹出口自体が冷却される。室内空気は吹き出し気流によって誘引され、吹出口の付近まで到達する。そして、吹出口の表面温度が、室内空気の露点温度より低くなれば、吹出口表面に結露する。
【0005】
一方、近年、従来の空調温度よりさらに低温の空気を吹き出す低温空調方式が採用されることがある。低温空調は、従来の空調温度より吹き出し温度を下げることによって、送風量を少なくできるとともにダクト配管等も細くすることができ、省エネルギーに貢献する他、省スペース化の効果もある。
【0006】
図9は、従来のシンメトリー形の吹出口の正断面図である。図9に示すように、従来のシンメトリー形の吹出口70は、4つのコーン71〜74を同心状に設け、最も内側のコーン71の斜め方向部分78と縦方向部分79の境界付近に目隠し板75を設けたものである。この目隠し板75は、吹出口70内部を下方から視認できないようにして外観性を向上させるために設けられている。また、最も外側のコーン74はチャンバ部76に接続され、チャンバ部76はネック部77に接続されている。
【0007】
吹出口70から吹き出される冷房用の空気は、コーン71〜74間の流路に沿って流れる。このような構造の目隠し板を取り付けた吹出口として、例えば、アネモ形の吹出口に用いられているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、吹出口の中央に目隠し板の代わりに多孔板を設け、中央部の気流を下方に流す吹出口も開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
実開平6−64049号公報 (第2頁、第1−6図)
【特許文献2】
実開平7−12846号公報 (第2頁、第1−3図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の吹出口70においては、コーン71の内側には目隠し板75が形成されているので、最内側のコーン71の内側面には室内空気が誘引されてしまい、結露が発生することになる。この現象は、特許文献1に記載されたアネモ形の吹出口においても同様であり、特に低温空調を行う場合には結露の発生が顕著になる。
【0011】
また、特許文献2に記載した吹出口の多孔板は中央部に設けられているため、室内空気の誘引をある程度防止することができるが、多孔板を通過する気流が下方に向かって流れることになり、居住者がドラフトを感じるおそれがある。
【0012】
そこで本発明が解決しようとする課題は、低温空調においても結露を防止しながら気流を側方に拡散させることができる低温空調用吹出口を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の低温空調用吹出口は、角形で環状に形成されたコーンを同心状に複数配置し、前記コーン間の流路から空気を吹き出す多層コーン形の吹出口であって、前記コーンは、最も外側に配置された最外コーンを除いて、縦方向の断面形状がそれぞれ同一に形成されているとともに、各前記コーン間の水平方向の隙間が等しくなるように配置され、前記コーンのうち最も内側に配置された最内コーンの内側には、前記最内コーンの開口部と同じ形状に形成された平板状の拡散部材が設けられ、前記拡散部材の下面は、前記最内コーンを除く前記コーンの下端と同一面に合わせて形成され、前記最内コーンの下端は、前記拡散部材の下面より高いレベルに配置されている。
【0014】
「コーンの縦方向の断面形状が同一」とは、各辺ごとの断面形状が同一であることをいう。最外コーンを除いた各コーンの四辺は、コーンの縦方向の断面形状と同一の断面形状を有する長尺部材を製造し、これを切断することにより形成することができる。そして、切断した各辺を溶接等の手段により接合することにより、各コーンを製造することができる。断面形状を同一にすることにより、製造する長尺部材の種類を少なくすることができる。
最内コーンの開口部とは、平面視した時の開口部、すなわち上端部の開口部をいう。各コーンは、外側下方に向かって拡がるように形成されているので、拡散部材をコーンの下端と同一面に合わせて配置すると、拡散部材と最内コーンの下端部との間に隙間が形成される。
【0015】
吹出口から吹き出される気流のうち、中央部を流れる気流は、平板状の拡散部材に当たって側方に案内され、拡散部材と最内コーンとの隙間から斜め下方に向かって吹き出される。また、各コーン間の流路から吹き出される気流も、斜め下方に向かって吹き出される。
【0016】
また、最内コーンの内側には、拡散部材との隙間から吹き出された気流が流れているので、気流が最内コーンをシールドし、室内空気が最内コーンの内側で結露することが防止されている。
【0017】
前記拡散部材の下面を、前記最内コーンを除く前記コーンの下端と同一面に合わせて形成し、前記最内コーンの下端を、前記拡散部材の下面より高いレベルに配置すると、最内コーンと拡散部材との隙間を流れる気流が最内コーンの内側面に沿って流れ、最内コーンの内側をシールドする効果が促進される。
【0018】
拡散部材の上角部と最内コーンとの隙間(最狭部)を通過した気流は、その直前で絞られているので、最狭部を通過した後は、再び拡大しようとする。最狭部を通過した後の隙間は、斜め下方に伸びる最内コーン側の内面と、鉛直に配置されて下方に伸びる拡散部材の側面とに挟まれて形成されている。
【0019】
最内コーンの内面は、平面状に形成されており、各コーン間の流路と平行に形成されている。
【0020】
一方、拡散部材が肉厚に形成されると、拡散部材と最内コーンの内面によって形成される流路は、気流の通過方向に対して拡大しているので、最内コーンの内面に沿って流れようとする気流の向きは、拡散部材側、すなわち鉛直方向に近づくことになる。この作用は、拡散部材の肉厚が厚く、また、拡大した流路の長さが長いほど強く現れる。
【0021】
最内コーンの内側を流れる気流の向きが鉛直方向に近づくと、この気流の向きと最内コーンおよびその外側のコーンの隙間に形成される流路を通過する気流の向き(斜め下方)との相違が大きくなる。このため、最内コーンの内側を流れる気流と、外側を流れる気流が合流しなくなり、最内コーンの下部が気流によりシールドされなくなって結露が発生する場合がある。
【0022】
ここで、最内コーンの下端を拡散部材の下面より高い位置に配置したことにより、最内コーンの内面と拡散部材で構成される流路の最内コーン側が途中で途切れるので、最内コーンの内側を流れる気流が側方に拡大しようとして、今まで鉛直方向に近づいていた気流の向きが傾斜する方向に近づくことになる。
【0023】
一方、最内コーンおよびその外側のコーンの隙間に形成される流路を通過する気流は、流路の内側の壁面を構成する最内コーンの外面が途中で途切れるので、気流の向きが鉛直方向に近づくことになる。
【0024】
この2つの気流の作用が相乗して、最内コーンと拡散部材との隙間を通過した気流と、最内コーンおよびその外側のコーンの隙間に形成される流路を通過する気流が合流し、最内コーンと拡散部材との隙間を通過した気流による最内コーンの下部のシールド効果が生じる。
【0025】
前記拡散部材に、断熱部を設けると、吹出口から気流が吹き出されるとき、室内空気は、吹出口からの気流に誘引され、拡散部材の下面に沿って外側に流れるが、拡散部材に設けられた断熱部によって拡散部材が断熱されるので、拡散部材の下面の温度は露点には達せず、拡散部材の下面に結露が発生することはない。
【0026】
前記拡散部材の厚みを8mm以下に形成し、そのうち前記断熱部の厚みを3.5mm以上に形成すると、拡散部材の下面に結露が発生することを確実に防止するとともに、最内コーンとの間に適度な隙間を保持することができ、隙間を流れる気流が最内コーンをシールドする効果が促進される。
【0027】
ここで、拡散部材の厚みを8mm以下に設定したのは、8mmを超えると、最内コーンとの隙間に対して拡散部材の側面の長さが長くなり、最内コーンと拡散部材との隙間を通過した気流の向きが鉛直方向に近づくため、最内コーンおよびその外側のコーンの隙間に形成される流路を通過する気流の向きとの相違が大きくなりすぎ、2つの気流が合流しなくなり、最内コーンと拡散部材との隙間を通過した気流による最内コーンの下部のシールド効果が失われるためである。また、断熱部の厚みを3.5mm以上の範囲に設定したのは、厚みを3.5mmより小さくすると、拡散部材の断熱効果が弱くなり、低温空調を行った場合に、拡散部材の下面に結露が発生する場合があるからである。
【0028】
前記最内コーンの下端を、前記拡散部材の下面より1mm以上、かつ前記拡散部材の上面以下のレベルに配置すると、最内コーンと拡散部材との隙間を流れる気流により最内コーンの内面に結露が発生することを確実に防止するとともに、最内コーンに隣接するコーンの内面に結露が発生することを防止することができる。
【0029】
最内コーンの下端を拡散部材の下面より1mm以上高く、かつ拡散部材の上面以下のレベルに設定したのは、最内コーンの下面より1mm未満である場合には、製造誤差や取付誤差等を考慮すると、拡散部材の下面と略同一面となってしまい、前述の効果が失われるためである。
【0030】
また、最内コーンの下端が拡散部材の上面より高い位置にあると、最内コーンと拡散部材との隙間から吹き出される気流の向きが鉛直方向に近くなり、この気流が最内コーンと最内コーンに隣接するコーンとの隙間の流路を斜め下方に流れる気流を下方に誘引し、最内コーンに隣接するコーンの内面から吹き出し気流が剥離し、結露が発生することがあるからである。
【0031】
前記コーンを、バッファ空間を備えたチャンバ部の下部に接続し、前記チャンバ部をネック部に接続し、前記ネック部の下流側端部と前記コーンの上流側端部との間に、円環板状の絞りを形成すると、ネック部からバッファ空間に流入する気流を中心に集めるとともに、絞りの出口で渦流を発生させ、ネック部の外周付近を流れる気流を外側に拡げ、拡散部材に気流を確実に当てるとともに周辺部を流れる気流を均一に分散させることができる。
【0032】
前記最外コーンを除く前記コーンに、鉛直方向に設けられた縦方向部分と、この縦方向部分の下部側に接続され空気を斜め下方に案内する斜め方向部分と、この斜め方向部分の先端側に接続されて空気の輻流方向に突設された横方向部分とを設けると、縦方向部分によってコーン間の流路へ案内する気流を安定して流入させ、斜め方向部分によって気流を均一に側方に案内し、横方向部分によって、外側に配置されたコーンの内側に気流を寄せて、気流の剥離を防止することができる。
【0033】
前記斜め方向部分の角度を、水平面に対して45°±10°の範囲に設定すると、気流の剥離を防止しながら圧力損失を小さくすることができる。
斜め方向部分の角度を、水平面に対して45°±10°の範囲に設定したのは、55°を超えると、気流が下方に向きすぎて、最外コーンの内面と、その外側の天井面との間で気流の剥離が発生し、気流を側方に案内できなくなるだけでなく、最外コーンの額縁に結露が発生する場合があるからであり、また、35°未満にすると、コーン間の流路が狭くなり、圧力損失が大きくなりすぎて、空調用の吹出口として使用できなくなるからである。
【0034】
前記最外コーンを除く前記コーンの前記横方向部分の長さを、各コーンのピッチの5〜25%に形成すると、気流の剥離と風量の減少を防止することができる。
横方向部分の長さを、各コーンのピッチの5〜25%の範囲に設定したのは、5%未満であると、横方向部分に案内される気流が少なくなり、外側のコーンの内面から気流が剥離してしまうことがあるからであり、25%を超えると、コーン間の流路が狭くなって気流が減少してしまい、空調用の吹出口として使用できなくなるからである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態の低温空調用吹出口の正面図、図2は同低温空調用吹出口の底面図、図3は低温空調用吹出口の正断面図である。図1〜図3に示すように、本発明の低温空調用吹出口は、角形で環状に形成されたコーン2〜5を同心状に複数配置し、コーン2〜5間の流路6〜8から空気を吹き出す多層コーン形の吹出口である。
【0036】
コーン2〜5のうち最も内側に配置された最内コーン2の内側には、最内コーン2の開口部と同じ形状に形成され、下面を、最内コーン2を除くコーン3〜5の下端と同一面に合わせるとともに断熱部を有する平板状の拡散部材25が設けられている。
【0037】
拡散部材は、拡散板9および化粧板20により構成され、化粧板20は、拡散板9の下部および側部に設けられている。
断熱部の一例である拡散板9は、ポリエチレンを発泡させて3.5mm以上の厚みに形成したもので、内部に独立気泡を有している。内部に独立気泡を有するので、内部に空気が流通せず、断熱性に優れている。また、ポリウレタン等の他の樹脂材料に比べて高い硬度で形成することができるので変形しにくくなり、一定の厚みを安定して保持することができ、断熱性を一定に保持することができる。
【0038】
化粧板20は、薄い金属板からなり、コーン2〜5と同じ色に塗装されている。拡散部材25の厚みは8mm以内の範囲、例えば5mmの厚みに形成されている。
【0039】
化粧板20の側部の4カ所には、上方に伸びる掛止部24が形成され、掛止部24は、最内コーン2の縦方向部分10に掛止している。化粧板20によって、低温空調用吹出口の外観を均一に仕上げることができ、また、拡散板9を補強することができる。
【0040】
コーン2〜5は、上部を一体的に接続され、最も外側に配置された最外コーン5は、バッファ空間13を備えた箱形のチャンバ部14の下部に接続され、チャンバ部14は円筒状のネック部15に接続され、ネック部15の下流側端部には、円環板状の絞り16が形成されている。チャンバ部14は、上部に拡大筒部17を形成し、下部に直筒接続部18を形成しており、バッファ空間13は、拡大筒部17内に形成されている。拡大筒部17の両側には吹出口本体を天井部材に固定するための固定部材19がそれぞれ2カ所ずつ設けられている。
【0041】
コーン2〜4は、鉛直方向に設けられた縦方向部分10と、この縦方向部分10の下部側に接続され空気を斜め下方に案内する斜め方向部分11と、この斜め方向部分11の先端側に接続されて空気の輻流方向に突設された横方向部分12とを備えている。コーン2〜4の各辺の縦方向の断面形状はそれぞれ同一に形成されている。また、各コーン間の水平方向の隙間(横方向部分12の先端とその外側のコーンの縦方向部分の距離)は約1mmで、全て等しくなるように形成されている。さらに、最外コーン5の縦方向部分21、斜め方向部分22の内面および横方向部分23の下面は、コーン2〜4の縦方向部分10、斜め方向部分11および横方向部分12にそれぞれ平行に形成されている。
【0042】
コーン2〜5の斜め方向部分11,22の角度は、水平面に対して約45°±10°の範囲に設定され、縦方向部分10,21で整流された状態で下方に案内された気流を側方に案内している。
【0043】
また、コーン2〜4の横方向部分12の長さLは、各コーンのピッチpの5〜25%に形成されている。
【0044】
最内コーン2の下端は、拡散部材25の下面より1mm以上高く、かつ拡散部材25の上面以下のレベル、例えば、拡散部材25の下面より上側に2mmの位置に配置されている。
【0045】
次に、低温空調用吹出口を通過する気流について説明する。
図2、図3に示すように、図示しないダクトを介してネック部15の上部から供給される空気は、絞り16を通過するときに中心に集められる。また、絞り16の出口では渦流が発生するので、ネック部15の外周付近を流れる気流は外側に拡げられる。かかる構成によって、絞り16を通過する気流は、拡散板9に当たり、周辺部を流れる気流は均一に分散して、各コーン2〜5間の流路6〜8を通過する。
【0046】
図4は、低温空調用吹出口の部分正断面図である。図4に示すように、チャンバ部14からコーン2〜5間の流路6〜8に流入した気流は、コーン2〜5の縦方向部分10,21で整流された後、斜め方向部分11,22に案内され、側方に向かう。そして、さらに横方向部分12によって外側に配置されたコーン3〜5の内側面に寄せられながら、斜め下方に向かって吹き出される。
【0047】
一方、チャンバ部14から最内コーン2の内部に流入した気流は、平板状の拡散部材25に当たって側方に案内され、拡散部材25と最内コーン2との隙間から斜め下方に向かって吹き出される。室内空気は、この吹き出し気流によって誘引され、化粧板20の下面に沿って側方に流れるが、拡散部材25は、化粧板20の上部に断熱材からなる拡散板9を配置しているので、化粧板20の下面は露点に達せず、結露は発生しない。
【0048】
各コーン2〜5は、吹き出し気流によってシールドされており、また、各気流の吹出方向は略同じになるので、剥離流は発生せず、各コーン2〜5の下端部にも結露は発生しない。
【0049】
なお、最内コーン2の下端を、拡散部材25の下面より上側に1mmの位置に配置した場合においても剥離流は発生しなかった。
【0050】
図5は、第1の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。第1の比較例の低温空調用吹出口は、前記実施の形態の低温空調用吹出口の最内コーン2の代わりに、最内コーン2と同じ形状で、下端を拡散部材25の上面のレベルに合わせた最内コーン2aを用いたもので、他の部材は前記実施の形態の低温空調用吹出口と同じ位置に配置している。最内コーン2aは、最内コーン2の縦方向部分10、斜め方向部分11および横方向部分12と同形状の縦方向部分10a、斜め方向部分11aおよび横方向部分12aを有している。最内コーン2aを前記実施の形態の最内コーン2より上方に配置することによって、拡散部材25と最内コーン2との隙間から斜め下方に向かって吹き出される気流は、より下方に向かうことになるが、流路6を流れる気流は、コーン3の内面から剥離せず、結露は発生していない。
【0051】
図6は、第2の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。第2の比較例の低温空調用吹出口は、前記実施の形態の低温空調用吹出口の最内コーン2の代わりに、最内コーン2と同じ形状で、下端を拡散部材25の下面に合わせた最内コーン2bを用いたもので、他の部材は前記実施の形態の低温空調用吹出口と同じ位置に配置している。最内コーン2bは、最内コーン2の縦方向部分10、斜め方向部分11および横方向部分12と同形状の縦方向部分10b、斜め方向部分11bおよび横方向部分12bを有している。最内コーン2bの下端を拡散部材25の下面に合わせると、最内コーン2bと拡散板9との隙間に形成される流路を通過する気流の向きと、流路6を通過する気流の向きが相違して合流しなくなり、気流が剥離しやすくなる。図6は特定の使用条件において剥離流が発生した場合の気流を示している。
【0052】
最内コーン2bの下端を拡散部材25の下面に合わせることによって、拡散部材25と最内コーン2との隙間から吹き出される気流は、より下方に向かい、また、流路6を通過する気流は斜め下方に向かうので、合流しなくなり、拡散部材25と最内コーン2との隙間から吹き出される気流は、コーン2bの内面から剥離してしまう。そして、コーン2bの下部に室内空気が接触し、結露が発生してしまう。
【0053】
図7は、第3の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。第3の比較例の低温空調用吹出口は、前記実施の形態の低温空調用吹出口の最内コーン2の代わりに、斜め方向部分11cの上端を最内コーン2の斜め方向部分11の上端と同じ位置に合わせ、下端を拡散部材25の下面に合わせた最内コーン2cを用いたもので、他の部材は前記実施の形態の低温空調用吹出口と同じ位置に配置している。最内コーン2cは、最内コーン2の縦方向部分10および横方向部分12と同形状の縦方向部分10cおよび横方向部分12bを有している。
【0054】
しかし、斜め方向部分11cは、他の斜め方向部分11に比較して、より鉛直に近い角度に形成されるので、斜め方向部分11cと拡散部材25との隙間の流路から吹き出される気流も、下方に近い方向に向かうことになる。また、斜め方向部分11cの下端を拡散部材25の下面に合わせているので、気流は、拡散板9の側面によって、より鉛直方向に近づくことになる。従って、最内コーン2cの下部には、やはり室内空気が接触してしまい、結露が発生してしまう。
【0055】
図8は、第4の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。第4の比較例の低温空調用吹出口は、前記実施の形態の低温空調用吹出口の最内コーン2の代わりに、最内コーン2と同じ形状で、下端を拡散部材25の上面よりも上方に配置した最内コーン2dを用いたもので、他の部材は前記実施の形態の低温空調用吹出口と同じ位置に配置している。最内コーン2dは、最内コーン2の縦方向部分10、斜め方向部分11および横方向部分12と同形状の縦方向部分10d、斜め方向部分11dおよび横方向部分12dを有している。
【0056】
最内コーン2dの下端を拡散部材25の上面よりも上方に配置すると、拡散部材25と最内コーン2dとの隙間から斜め下方に向かって吹き出される気流は、斜め下方に向かうが、この気流が流路6を流れる気流を誘引することになる。すると、流路6を流れる気流がコーン3の内面から剥離してしまい、コーン3の内側面に室内空気が接触し、結露が発生してしまう。
【0057】
このような結果から、最内コーン2の断面形状を他のコーン3〜5と同じにして、最内コーン2の下端を、拡散部材25の下面より1mm以上高く、かつ拡散部材25の上面より低い位置に配置することによって、最内コーン2およびコーン3〜5を吹き出し気流によりシールドして、剥離流の発生を防止し、結露の発生を防止することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果を奏する。
(1)最内コーンの内側に、最内コーンの開口部と同じ形状に形成された平板状の拡散部材を設けると、拡散部材と最内コーンの下端部との隙間が形成され、この隙間から斜め下方に向かって気流が吹き出されるので、気流が最内コーンをシールドし、室内空気が最内コーンの内側で結露することが防止され、低温空調においても結露を防止しながら気流を側方に拡散させることができる。
(2)拡散部材の下面を、最内コーンを除くコーンの下端と同一面に合わせて形成し、最内コーンの下端を、拡散部材の下面より高いレベルに配置すると、最内コーンと拡散部材との隙間を流れる気流が最内コーンの内側面に沿って流れ、最内コーンの内側を気流がシールドする効果が促進されるので、最内コーンの結露をより確実に防止することができる。
(3)拡散部材に断熱部を設けると、拡散部材が断熱されるので、拡散部材の下面の温度が露点には達せず、拡散部材の下面に結露が発生しなくなり、低温空調においても結露を防止することができる。
(4)拡散部材の厚みを8mm以下に形成し、そのうち断熱部の厚みを3.5mm以上に形成すると、拡散部材の下面に結露が発生することを確実に防止するとともに、最内コーンとの間に適度な隙間を保持することができ、隙間を流れる気流が最内コーンをシールドする効果が促進され、結露をより確実に防止することができる。
(5)最内コーンの下端を、拡散部材の下面より1mm以上高く、かつ拡散部材の上面以下のレベルに配置すると、最内コーンと拡散部材との隙間を流れる気流により最内コーンの内面に結露が発生することを確実に防止するとともに、最内コーンに隣接するコーンの内面に結露が発生することを防止することができ、低温空調においても結露を防止しながら気流を側方に拡散させることができる。
(6)コーンを、バッファ空間を備えたチャンバ部の下部に接続し、チャンバ部をネック部に接続し、前記ネック部の下流側端部とコーンの上流側端部との間に、円環板状の絞りを形成すると、ネック部からバッファ空間に流入する気流を中心に集めるとともに、絞りの出口で渦流を発生させ、ネック部の外周付近を流れる気流を外側に拡げ、拡散部材に気流を確実に当てるとともに周辺部を流れる気流を均一に分散させることができる。
(7)最外コーンを除くコーンに、縦方向部分と、斜め方向部分と、横方向部分とを設けると、縦方向部分によってコーン間の流路へ案内する気流を安定して流入させ、斜め方向部分によって気流を均一に側方に案内し、横方向部分によって、外側に配置されたコーンの内側に気流を寄せて、気流の剥離を防止しながら気流を側方に拡散させることができる。
(8)斜め方向部分の角度を、水平面に対して45°±10°の範囲に設定すると、気流の剥離を防止しながら圧力損失を小さくすることができ、結露を防止しながら気流を側方に拡散させることができる。
(9)最外コーンを除くコーンの横方向部分の長さを、各コーンのピッチの5〜25%に形成すると、気流の剥離と風量の減少を防止することができ、結露を防止しながら気流を側方に拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の低温空調用吹出口の正面図である。
【図2】 同低温空調用吹出口の底面図である。
【図3】 同低温空調用吹出口の正断面図である。
【図4】 同低温空調用吹出口の部分正断面図である。
【図5】 第1の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。
【図6】 第2の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。
【図7】 第3の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。
【図8】 第4の比較例の低温空調用吹出口の部分正断面図である。
【図9】 従来のシンメトリー形の吹出口の正断面図である。
【符号の説明】
2 最内コーン(コーン)
2a,2b,2c,2d 最内コーン(コーン)
3,4 コーン
5 最外コーン(コーン)
6〜8 流路
9 拡散板
10 縦方向部分
10a,10b,10c,10d 縦方向部分
11 斜め方向部分
11a,11b,11c,11d 斜め方向部分
12 横方向部分
12a,12b,12c,12d 横方向部分
13 バッファ空間
14 チャンバ部
15 ネック部
16 絞り
17 拡大筒部
18 直筒接続部
19 固定部材
20 化粧板
21 縦方向部分
22 斜め方向部分
23 横方向部分
24 掛止部
25 拡散部材

Claims (8)

  1. 角形で環状に形成されたコーンを同心状に複数配置し、前記コーン間の流路から空気を吹き出す多層コーン形の吹出口であって、
    前記コーンは、最も外側に配置された最外コーンを除いて、縦方向の断面形状がそれぞれ同一に形成されているとともに、各前記コーン間の水平方向の隙間が等しくなるように配置され、
    前記コーンのうち最も内側に配置された最内コーンの内側には、前記最内コーンの開口部と同じ形状に形成された平板状の拡散部材が設けられ
    前記拡散部材の下面は、前記最内コーンを除く前記コーンの下端と同一面に合わせて形成され、前記最内コーンの下端は、前記拡散部材の下面より高いレベルに配置されていることを特徴とする低温空調用吹出口。
  2. 前記拡散部材は、断熱部を有していることを特徴とする請求項1記載の低温空調用吹出口。
  3. 前記拡散部材の厚みは8mm以下に形成され、そのうち前記断熱部の厚みは3.5mm以上に形成されていることを特徴とする請求項に記載の低温空調用吹出口。
  4. 前記最内コーンの下端は、前記拡散部材の下面より1mm以上、かつ前記拡散部材の上面以下のレベルに配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれかの項に記載の低温空調用吹出口。
  5. 前記最外コーンおよび前記最内コーンを含む前記コーンは、バッファ空間を備えたチャンバ部の下部に接続され、前記チャンバ部はネック部に接続され、前記ネック部の下流側端部と前記コーンの上流側端部との間には、円環板状の絞りが形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかの項に記載の低温空調用吹出口。
  6. 前記最外コーンを除く前記コーンは、鉛直方向に設けられた縦方向部分と、この縦方向部分の下部側に接続され空気を斜め下方に案内する斜め方向部分と、この斜め方向部分の先端側に接続されて空気の輻流方向に突設された横方向部分と、を備えていることを特徴とする請求項1からのいずれかの項に記載の低温空調用吹出口。
  7. 前記斜め方向部分の角度は、水平面に対して45°±10°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項に記載の低温空調用吹出口。
  8. 前記最外コーンを除く前記コーンの前記横方向部分の長さは、各コーンのピッチの5〜25%に形成されていることを特徴とする請求項またはに記載の低温空調用吹出口。
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