JP4214879B2 - 定電流回路 - Google Patents

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Description

本発明は、基準定電流の数百ないし千倍を超える大きな定電流を精度良く負荷に供給することのできる定電流回路に関する。
従来より、基準となる定電流を所定倍した定電流を供給する定電流回路が多くの回路で使用されている。図9は、そのような定電流回路をカレントミラー回路で実現した代表的なものである。図中のトランジスタQ21とQ22のセル比は1:Nに構成されている。2つのトランジスタのエミッタ接地電流増幅率hfeは等しいとすると、この場合次の式が成り立つ。
出力電流 Io =hfe・N・Ib
入力電流 Iin =(N+1)・Ib +hfe・Ib
この2式より、
Io /(N・Iin)=hfe/(N+1+hfe) (1)式従って、目標とする電流増幅率Nに対する誤差率Eは次のようになる。
誤差率 E=1−Io /(N・Iin)=(N+1)/(N+1+hfe) (2)式この式によれば回路の電流増幅率Nの値が小さく、トランジスタの電流増幅率hfeの値が大きい場合には誤差率Eは小さいが、電流増幅率Nの値を大きくした場合には誤差率Eは大きな値となる。例えば、トランジスタの電流増幅率hfe=100、回路の電流増幅率N=100 とした場合には、誤差率Eは、0.50 、即ち、50%もの誤差が生じるため使用に耐えない。
上記の誤差は、トランジスタQ21、Q22のベース電流が基準定電流源に流れ込むことによるものである。従って、この基準定電流源に流れ込むベース電流を減少させれば誤差率Eを小さくすることができる。図10はそのような考えに従いベース電流の流路に電流増幅用のトランジスタQ23を追加した定電流回路である。
図10の回路では、各トランジスタの電流増幅率hfeの値は等しいとして次の式が成り立つ。
出力電流 Io =hfe・N・Ib
入力電流 Iin =Ix +hfe・Ib
(N+1)・Ib =(hfe+1)・Ix
これらの式より目標とする回路の電流増幅率Nに対する誤差率Eを求めると、次のようになる。
誤差率 E=(N+1)/((N+1)+hfe・(hfe+1)) (3)式 ≒1/(1+hfe2 /(N+1))
この式に、前述の数値例と同じくトランジスタ電流増幅率hfe=100、回路の電流増幅率N=100 を代入すると、誤差率Eは0.98%となり、図9の定電流回路に比べて大幅に精度が改善される。
しかしながら、この図10の回路の場合も、希望とする回路の電流増幅率Nの値を1000とした場合には、誤差率Eは9.0%と大きな値となってしまう。従って、精度が要求される用途には採用することができない。
特開平10−91260号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、基準定電流の数百ないし千倍を超える大きな定電流を精度良く負荷に供給することのできる定電流回路を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための請求項1に記載の発明は、ベース共通、エミッタ共通に接続された第1、第2のNPNトランジスタで構成され、コレクタとベースとが共通に接続された第1のNPNトランジスタのコレクタに流れ込む電流を一定比率で減少させた電流を第2のNPNトランジスタのコレクタから吸引する第1のカレントミラー回路と、
該第2のNPNトランジスタのコレクタが吸引する電流と、該コレクタに供給される基準定電流との誤差電流を増幅する誤差電流増幅回路と、
ベース共通、エミッタ共通に接続された第3、第4のNPNトランジスタで構成され、第3のNPNトランジスタのコレクタはプラス電源端子に接続され、前記共通接続されたベースに前記誤差電流増幅回路の出力電流を受けて第3のNPNトランジスタのコレクタに流れる電流を一定比率で減少させた電流を第4のNPNトランジスタのコレクタから吸引する第2のカレントミラー回路と、
ベース共通、エミッタ共通に接続された第5、第6のPNPトランジスタで構成され共通接続されたエミッタはプラス電源端子に接続され、第5のPNPトランジスタのベースとコレクタは共に前記第2のカレントミラー回路の第4のNPNトランジスタのコレクタに接続されて該コレクタによって電流吸引を受け、第5のPNPトランジスタのコレクタに流れる電流を一定比率で減少させた電流を第6のPNPトランジスタのコレクタから前記第1のカレントミラー回路の第1のNPNトランジスタのコレクタに供給する第3のカレントミラー回路と、により構成された回路であって、
前記第2のカレントミラー回路の共通接続されたエミッタより負荷に出力電流を供給するようにした定電流回路である。
このような構成の定電流回路によれば、特に希望する電流増幅率が数百ないし数千倍と高い場合に、従来回路に比べて電流増幅率の誤差が小さい精度の良い定電流を負荷に供給することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定電流回路において、前記第1のNPNトランジスタと第6のPNPトランジスタとの間に、エミッタを第6のPNPトランジスタのコレクタに、コレクタを第1のNPNトランジスタのコレクタに接続した第7のPNPトランジスタを設け、該第7のPNPトランジスタのベース電位を、前記プラス電源端子の電位よりも第6のPNPトランジスタのベース−エミッタ間順方向電位差の2倍の電位差だけ低い電位に維持するように構成したことを特徴とする定電流回路である。
このような構成の定電流回路によれば、第3のカレントミラー回路を構成する第5、第6のPNPトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧が等しくなるため、アーリー効果によって第3のカレントミラー回路のカレントミラー比が設計値から外れることを防止することができ、定電流回路全体の電流増幅率の誤差を小さくすることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の定電流回路において、少なくとも前記第2のカレントミラー回路を集積回路で構成すると共に、該第2のカレントミラー回路を構成する第4のNPNトランジスタと他の素子とを、トレンチ構造で素子分離したことを特徴とする定電流回路である。
このような素子分離構造を採用すれば、第4のNPNトランジスタのコレクタから接地に流れる寄生トランジスタに起因する漏れ電流を少なくすることができ、出力電圧がより高い電圧範囲まで定電流回路の電流増幅率の誤差を小さく保つことができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の定電流回路の回路図である。本実施形態の定電流回路は、第1、第2のNPNトランジスタQ1、Q2とからなる第1のカレントミラー回路1と、第3、第4のNPNトランジスタQ3、Q4とからなる第2のカレントミラー回路2と、第5、第6のPNPトランジスタからなる第3のカレントミラー回路3と、誤差電流増幅回路4とにより構成されている。
第1のカレントミラー回路1を構成する第1、第2のNPNトランジスタQ1とQ2は、セル比がP:1となるように形成されておりカレントミラー比はP:1である。第2のカレントミラー回路2を構成する第3、第4のNPNトランジスタQ3とQ4は、セル比が(N− 1):1となるように形成されておりカレントミラー比は(N−1):1である。また、第3のカレントミラー回路3を構成する第5、第6のPNPトランジスタQ5とQ6は、セル比がM:1に形成されておりカレントミラー比はM:1である。
第1のカレントミラー回路1のトランジスタQ1のコレクタとエミッタとは共通に接続されており、その接続点に第3のカレントミラー回路3のトランジスタQ6のコレクタ電流I6が供給される。トランジスタQ2のコレクタには、カレントミラー動作によりベース電流を無視した場合にはI6/Pのコレクタ電流I2が流れる。
トランジスタQ2のコレクタは、本定電流回路の入力端子Ni に接続されており、その入力端子Ni より基準の入力定電流(基準定電流)Iinが供給される。基準入力定電流IinとトランジスタQ2のコレクタ電流I2との誤差電流ΔIは、誤差電流増幅回路4に導かれてG倍され、その出力よりG・ΔIの電流が出力される。
誤差電流増幅回路4の出力電流G・ΔIは、第2のカレントミラー回路2を構成するトランジスタQ3、Q4の共通接続されたベースに供給される。トランジスタQ3、Q4のエミッタは共通接続されて本定電流回路の出力端子No に接続されており、出力端子No に接続された負荷RLに出力電流Io を供給する。トランジスタQ3のコレクタはプラス電源端子N1に接続されており、ベースに前記出力電流G・ΔIの大部分が流れることによりコレクタ電流I3が流れる。一方、トランジスタQ4のコレクタには、カレントミラー動作によりI3/(N−1)のコレクタ電流I4が流れる。Nの値は通常、大きな値に設計されるので、出力電流Io はその殆どがトランジスタQ3を流れるコレクタ電流I3によって供給される。
トランジスタQ4のコレクタは、第3のカレントミラー回路3のトランジスタQ5のコレクタに接続されている。トランジスタQ5のベースはそのコレクタに接続されており、トランジスタQ4はその相互接続点より電流I4を吸引する。トランジスタQ5、Q6のエミッタは共にプラス電源端子N1に接続されている。トランジスタQ6のコレクタからは、カレントミラー動作によりI4/Mのコレクタ電流I6が、第1のカレントミラー回路1のトランジスタQ1のコレクタに供給される。
誤差電流増幅回路4は、例えば図2、図3のような回路で構成される。図2は、誤差電流ΔIをトランジスタQ7で電流増幅した後、更にトランジスタQ8、Q9で構成されるカレントミラー回路でA倍に電流増幅する回路で、トランジスタの電流増幅率をhfeとすると、全体としてA・hfe倍の電流増幅率が得られる。図3は、トランジスタQ7、Q8の従属接続で2段増幅する回路で、全体としてhfe・hfe倍の電流増幅率が得られる。
図1に示した定電流回路は、比例制御のフィードバック回路を構成しており、そのブロック線図は図4に示すようになる。基準入力定電流Iinとフィードバック電流I2との差が減算器5により算出され、誤差電流ΔIとしてブロック6に入力される。減算器5は、コレクタ電流I2を吸引するトランジスタQ2と、そのコレクタに基準定電流Iinを供給する定電流電源との相互接続点における挙動を表わしている。ブロック6は、誤差電流増幅回路4の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数は電流増幅率Gである。
G倍された出力電流G・ΔIは、続くブロック7と8に入力される。ブロック7は、電流G・ΔIと出力電流Io との間の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数は(hfe+1)である。また、ブロック8は、電流G・ΔIと、電流(I3+I4)との間の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数はhfeである。
ブロック9は、第2のカレントミラー回路2における電流(I3+I4)とトランジスタQ4のコレクタ電流I4との間の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数は1/Nである。また、ブロック10は、第3のカレントミラー回路3の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数は1/Mである。但し、ベース電流は無視してある。同じくブロック11は、第1のカレントミラー回路1の入出力関係を表わすブロックで、その伝達関数は1/Pである。この場合も、ベース電流は無視してある。
図4のブロック線図により基準入力定電流Iinと出力電流Io の関係を求めると、次のようになる。
Io /(N・M・P・Iin)=(hfe+1)/(N・M・P/G+hfe) (4)式ここで、N・M・P/G≪hfe となるように誤差電流増幅回路4の電流増幅率Gの値を設計したとすると、(4)式の右辺は(1+1/hfe)となる。即ち、目標とする回路の電流増幅率N・M・Pに対する誤差率Eは1/hfeとなる。従って、例えば電流増幅率hfeの値が100のトランジスタを使用した場合には、誤差率Eは1.0%と小さな値となる。
しかし、本実施形態の場合には、この他にも誤差の原因が存在する。それは、図4中のブロック10、11の伝達関数が、カレントミラー回路3、1中のトランジスタのベース電流を考慮していないことによる誤差である。
トランジスタのベース電流を考慮した場合のブロック10、11の伝達関数は、(1)式を求めたと同じようにして計算すると次のようになる。
I6 /I4 =(1/M)・(1/(1+1/hfe+1/(hfe・M)))
I2 /I6 =(1/P)・(1/(1+1/hfe+1/(hfe・P)))
ここで、1/(hfe・M)≪1、1/(hfe・P)≪1 としてよいから、これらの式は次のようになる。
I6 /I4 =(1/M)・(1/(1+1/hfe))
I2 /I6 =(1/P)・(1/(1+1/hfe))
これらの式を用いて(4)式を計算し直すと次のようになる。
Io /(N・M・P・Iin)=(1+1/hfe)3 (5)式従って、この場合の定電流回路の電流増幅率の誤差率Eは、次のようになる。
誤差率 E=1−(1+1/hfe)3 (6)式この式の前提条件は、N・M・P/G≪hfe 、1/(hfe・M)≪1、1/(hfe・P)≪1 が成立していることである。
例えば、hfe=100、N=M=P=10、N・M・P=1000 の場合には、誤差率Eは、3.0%となる。同じ条件で従来回路の図10の場合について(3)式で計算した誤差率Eは9.0%であった。従って、本実施形態の方が誤差率は小さくなる。
この誤差率の改善は、電流増幅率N・M・Pの値が大きくなる程、顕著になる。例えば、N・M・P=2000、N=M=P=12.6の場合の本実施形態の誤差率Eは、やはり3.0%にとどまるのに対して、図10の従来回路の場合には、16.5%と大きくなる。
このように本実施形態の図1の定電流回路は、1000倍以上の非常に高い電流増幅率が要求される場合に特に効果がある。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態の定電流回路の回路図である。本実施形態の定電流回路は、第1の実施形態の図1の定電流回路に改善を加えたものであり図1と同一部分には同一の符号が付してある。
改善内容は、図中の第3のカレントミラー回路3のカレントミラー比が、第6のPNPトランジスタQ6に現れるアーリー効果により変動することを防止するようにした点にある。トランジスタQ5とQ6とは、同一プロセス、同一工程で形成され、所望のカレントミラー比は、そのセル面積を変えることで実現されている。従って、両トランジスタは同一のエミッタ接地電流増幅率hfeを持つ筈であり、同じ電流増幅率hfeで動作した時に、所望のカレントミラー比が実現される。
しかし、両トランジスタを同じ電流増幅率hfeで動作させるためには、ベース−エミッタ間電圧が同一であることだけでは不十分で、コレクタ−エミッタ間電圧も同一に保つ必要がある。両トランジスタは、共にエミッタ接地の活性領域で動作している。活性領域においてはベース電流を一定とした場合、コレクタ電流のコレクタ−エミッタ間電圧に対する依存性は低い。しかしながら、コレクタ−エミッタ間電圧の変化に対するコレクタ電流の変化率はゼロではなく、コレクタ−エミッタ間電圧が増すとコレクタ電流も僅かに増加する。この現象はアーリー効果と呼ばれ、ベース領域の幅がコレクタ−エミッタ間電圧により僅かに変化することが原因と説明されている。
図1の定電流回路における第3のカレントミラー回路3の入力側トランジスタQ5のコレクタ−エミッタ間電圧は、コレクタがベースに接続されていることからベース−エミッタ間順方向電圧VF に等しい。一方、出力側トランジスタQ6のコレクタは、第1のカレントミラー回路1のトランジスタQ1のコレクタに接続されており、その電位は接地電位にトランジスタQ1のベース−エミッタ間順方向電圧VF を加えた電位である。
従って、トランジスタQ6のコレクタ−エミッタ間電圧は、電源電圧をVccとすると(Vcc−VF )となり、この値はトランジスタQ5のコレクタ−エミッタ間電圧VF よりはるかに大きい。従って、トランジスタQ6の電流増幅率hfeは、トランジスタQ5のそれよりも僅かに大きくなり、カレントミラー比がセル比1:Mから僅かに外れることになる。このカレントミラー比が設計値から外れることは、定電流回路の電流増幅率に誤差を生じさせる原因となる。
このようなアーリー効果が現れないように、本実施形態では図5に示すように、トランジスタQ6のコレクタとトランジスタQ1のコレクタとの間に、第7のPNPトランジスタQ10を追加し、そのベース電位を(Vcc−2・VF )に維持するようにしてある。
ベース電位を(Vcc−2・VF )に維持するために、プラス電源端子N1と接地GND間に、ベース−コレクタ間を短絡した2つのPNPトランジスタQ11、Q12と抵抗R1とを、トランジスタQ11、Q12をプラス電源端子N1側にして直列に接続し、トランジスタQ12のコレクタをトランジスタQ10のベースに接続してある。
これにより、トランジスタQ10のベース電位は(Vcc−2・VF )となり、そのコレクタはこれよりVF だけ高い(Vcc−VF )となる。従って、トランジスタQ6のコレクタ−エミッタ間電圧はVF となり、トランジスタQ5のそれと等しくなる。
このように本実施形態では、トランジスタQ6のコレクタ−エミッタ間電圧がトランジスタQ5のそれと等しい値に維持されるため、両トランジスタの電流増幅率hfeが等しい値となる。従って、動作時のカレントミラー比はセル比のM:1に維持されるようになり、定電流回路の電流増幅率がトランジスタQ6のアーリー効果により変動することが抑止される効果を生ずる。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、前記第1、第2の実施形態の双方に対して、更に改善を加えた実施形態である。本実施形態の改善内容は、出力電流Io が大きくなった場合、あるいは負荷RLの値が大きい場合などにより、出力端子No の電位Vo が上昇した場合に、トランジスタQ4の周辺に寄生する寄生トランジスタに電流が流れてカレントミラー回路2のカレントミラー比がセル比から外れるのを抑制した点にある。
図6は、第2のカレントミラー回路2のトランジスタQ4付近の構造例を示したものである。トランジスタQ4は、P型シリコン基板21の上に形成したコレクタ領域22として機能するN- シリコン層22の表層部に、N+ のエミッタ領域23、P- のベース領域24、及びコレクタ領域22とのコンタクトを保つためのN+ のコレクタコンタクト領域25を形成して構成されている。なお、コレクタ領域22のN- シリコン層とP型シリコン基板21との間には、コレクタ領域22の電位勾配を少なくするための埋め込みN+ 層26が形成されている。
そして図6の構成では、トランジスタQ4が形成されている領域と、他のトランジスタ、接地端子27等が形成されている領域との間にP型のアイソレーション領域28を形成して素子間の電気的分離が図られている。いわゆるPN接合分離と呼ばれる素子分離構造である。
しかし、このようなPN接合分離構造の場合には、目的とするトランジスタQ4の他に、好ましくない寄生トランジスタが同時に形成されてしまう。図中に示したトランジスタQa、Qbはその寄生トランジスタである。寄生トランジスタQaは、トランジスタQ4のP- のベース領域24をコレクタ領域に、トランジスタQ4のコレクタ領域22及び埋め込みN+ 層26をベース領域に、P型シリコン基板21をコレクタ領域としたPNPトランジスタとして寄生する。また、寄生トランジスタQbは、トランジスタQ4のN- のコレクタ領域22をコレクタ領域に、P型のアイソレーション領域28をベース領域に、素子分離された対岸のN- シリコン層22をエミッタ領域としたNPNトランジスタとして寄生する。
このような寄生トランジスタQa、Qbが存在すると、それらが特定条件下で導通して電流を流し、定電流回路の電流増幅率に誤差を生じさせることがある。次にそのような場合について説明する。
トランジスタQ4のコレクタ電位は、プラス電源電圧VccからトランジスタQ5のコレクタ−エミッタ間電圧である前記ベース−エミッタ間順方向電圧VF を引いた一定電圧に維持されている。一方、トランジスタQ4のエミッタは出力端子No に接続されており、その電位は出力電圧Vo によって変化する。
出力電圧Vo が低く、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間にVF 以上の電圧が加わっている状態では、トランジスタQ4は活性領域で動作する。この状態では、エミッタ領域23からベース領域24に注入された少数キャリアである電子は、その殆どがベース領域24を拡散で通過してコレクタ領域24に流れ込みコレクタ電流となる。ベース−コレクタ間は逆方向にバイアスされているため、寄生トランジスタQaのベースには電流が流れず寄生トランジスタQaが導通することはない。寄生トランジスタQaが導通しないため、寄生トランジスタQbもベース電流が流れずそのコレクタ−エミッタ間が導通することはない。
この状態から出力電圧Vo が上昇し、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間電圧がVF より小さくなったとする。すると、トランジスタQ4のコレクタ−ベース接合は準方向にバイアスされるようになり、ベース領域24からコレクタ領域22にホールの注入が始まる。注入されたホールは、コレクタ領域22内では少数キャリアであり、その一部が拡散により寄生トランジスタQaのコレクタ領域であるP型シリコン基板21に流れ込む。
P型シリコン基板21に流れ込んだ電流は、寄生トランジスタQbのベース電流となって接地端子27に流出する。こうして寄生トランジスタQbにベース電流が流れる。すると、電流増幅作用によりトランジスタQ4のコレクタ領域22から接地端子27に電流が流れる。このように出力電圧Vo が上昇すると、トランジスタQ4のコレクタから接地GNDに寄生電流(漏れ電流)の流路が形成される。
寄生電流(漏れ電流)が流れていない状態では、トランジスタQ4のコレクタに流れ込む電流I4と、トランジスタQ3のコレクタ電流との比は、セル比で決まる1:(N−1)である。しかし、上述したような寄生電流(漏れ電流)の流路が形成されると、トランジスタQ4のコレクタ端子に流れ込む電流は、本来のコレクタ電流に寄生電流(漏れ電流)が加わって増加し、セル比で決まる比率よりも増加する。
図8は、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間電圧Vceが減少した場合の電流比I3/I4の変化の例を示したものである。上述したPN接合分離構造の場合は、図中の“PN接合分離 "の曲線が示すように、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの低下と共に、電流比I3/I4は急激に減少してセル比(N−1)/1から大幅に外れてくる。
このようにセル比から外れた電流I4が、第3のカレントミラー回路3のトランジスタQ5のコレクタ−ベース共通接続点から吸引されれば、定電流回路の電流増幅率は、目的とするN・M・P倍から外れてくることになる。
本実施形態の定電流回路は、このような不具合を改善するためのもので、上記問題がPN接合分離に起因して寄生トランジスタQa、Qbが形成されることによることから、それらの寄生トランジスタが形成されることのないトレンチ素子分離構造を採用したものである。
図7は、本実施形態のトレンチ素子分離構造を採用したトランジスタQ4付近の構造を示したものである。支持基板としてのP型シリコン基板21の上に、アイソレーション層としてのSiO2 膜29を形成し、その上にN+ シリコン層26、コレクタ領域として機能するN- シリコン層22が形成され、その表層部にベース領域24、エミッタ領域23、コレクタコンタクト領域25が形成されトランジスタQ4が構成されている。
そしてトランジスタQ4と、他のトランジスタ素子等との間はトレンチ素子分離構造により電気的分離が図られている。トレンチ素子分離構造は、最初にトランジスタQ4の周りに、N- 層22とN+ 層29を貫きSiO2 膜29まで達する狭いトレンチ(溝)をエッチングで設ける。次に、その内側を酸化してSiO2 膜30で覆い、溝31内にポリシリコン等を充填して形成される。素子間及び素子とP型シリコン基板21とを隔てるSiO2 膜30、29は良質な絶縁体であるために、それらを通して流れる漏れ電流は極めて僅かになる。また、図6のPN接合分離の場合のような寄生トランジスタが形成されることもない。
従って、トランジスタQ4のコレクタから接地GNDに流れる漏れ電流が最小限に抑えられるため、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間電圧Vceが低い値まで、電流比I3/I4の値が正常値に維持される。図8中の“トレンチ分離 "の曲線は、この様子を表わしている。電流比I3/I4が、セル比(N−1)/1から許容値α・(N−1)/1に減少する時のコレクタ−エミッタ間電圧Vceは、PN接合分離の場合は図中のa点に相当する電圧であるのに対して、トレンチ素子分離の場合にはb点に相当する電圧となる。即ち、トレンチ分離構造の場合の方が低い電圧まで仕様を満足することができる。このことは、それだけ高い出力電圧Vo まで許容誤差内で使用可能であることを意味する。
このように、本実施形態の定電流回路は、トレンチ素子分離構造を採用したことにより、電流増幅率を許容範囲内に維持したまま、より高い出力電圧まで動作することができる。
第1の実施形態の定電流回路の回路図である。 誤差電流増幅回路の回路例である。 誤差電流増幅回路の他の回路例である。 第1の実施形態の定電流回路のブロック線図である。 第2の実施形態の定電流回路の回路図である。 PN接合分離によるトランジスタの構成例である。 トレンチ分離によるトランジスタの構成例である。 コレクタ−エミッタ間電圧に対する電流比I3/I4の変化例である。 従来の定電流回路の例である。 従来の定電流回路の他の例である。
符号の説明
図面中、1は第1のカレントミラー回路、2は第2のカレントミラー回路、3は第3のカレントミラー回路、4は誤差電流増幅回路、Gは誤差電流増幅回路の電流増幅率、GNDは接地、Iinは基準定電流、Io は出力電流、N1 はプラス電源端子、Ni は入力端子、Q1は第1のNPNトランジスタ、Q2は第2のNPNトランジスタ、Q3は第3のNPNトランジスタ、Q4は第4のNPNトランジスタ、Q5は第5のPNPトランジスタ、Q6は第6のPNPトランジスタ、Q10は第7のPNPトランジスタ、RLは負荷、Vccはプラス電源電圧、Vo の出力電圧、ΔIは誤差電流を示す。

Claims (3)

  1. ベース共通、エミッタ共通に接続された第1、第2のNPNトランジスタで構成され、コレクタとベースとが共通に接続された第1のNPNトランジスタのコレクタに流れ込む電流を一定比率で減少させた電流を第2のNPNトランジスタのコレクタから吸引する第1のカレントミラー回路と、
    該第2のNPNトランジスタのコレクタが吸引する電流と、該コレクタに供給される基準定電流との誤差電流を増幅する誤差電流増幅回路と、
    ベース共通、エミッタ共通に接続された第3、第4のNPNトランジスタで構成され、第3のNPNトランジスタのコレクタはプラス電源端子に接続され、前記共通接続されたベースに前記誤差電流増幅回路の出力電流を受けて第3のNPNトランジスタのコレクタに流れる電流を一定比率で減少させた電流を第4のNPNトランジスタのコレクタから吸引する第2のカレントミラー回路と、
    ベース共通、エミッタ共通に接続された第5、第6のPNPトランジスタで構成され、共通接続されたエミッタはプラス電源端子に接続され、第5のPNPトランジスタのベースとコレクタは共に前記第2のカレントミラー回路の第4のNPNトランジスタのコレクタに接続されて該コレクタによって電流吸引を受け、第5のPNPトランジスタのコレクタに流れる電流を一定比率で減少させた電流を第6のPNPトランジスタのコレクタから前記第1のカレントミラー回路の第1のNPNトランジスタのコレクタに供給する第3のカレントミラー回路と、により構成され、
    前記第2のカレントミラー回路の共通接続されたエミッタより負荷に出力電流を供給する定電流回路。
  2. 請求項1に記載の定電流回路において、前記第1のNPNトランジスタと第6のPNPトランジスタとの間に、エミッタを第6のPNPトランジスタのコレクタに、コレクタを第1のNPNトランジスタのコレクタに接続した第7のPNPトランジスタを設け、該第7のPNPトランジスタのベース電位を、前記プラス電源端子の電位よりも第6のPNPトランジスタのベース−エミッタ間順方向電位差の2倍の電位差だけ低い電位に維持するように構成したことを特徴とする定電流回路。
  3. 請求項1または2に記載の定電流回路において、少なくとも前記第2のカレントミラー回路を集積回路で構成すると共に、該第2のカレントミラー回路を構成する第4のNPNトランジスタと他の素子とを、トレンチ構造で素子分離したことを特徴とする定電流回路。

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