JPH0846220A - Agcダイオード及びこれを用いたagc増幅装置 - Google Patents

Agcダイオード及びこれを用いたagc増幅装置

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JPH0846220A
JPH0846220A JP17718194A JP17718194A JPH0846220A JP H0846220 A JPH0846220 A JP H0846220A JP 17718194 A JP17718194 A JP 17718194A JP 17718194 A JP17718194 A JP 17718194A JP H0846220 A JPH0846220 A JP H0846220A
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JP
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region
concentration
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agc
diode
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JP17718194A
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Inventor
Yoshiaki Takahashi
義昭 高橋
Hideo Imaizumi
英雄 今泉
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子のサイズを大きくすることなく、利得可
変範囲を広くすることが可能なAGCダイードを提供す
る。 【構成】 N−アイランド領域26内に形成されたP−
ウエル12をアノード領域とし、N−アイランド領域2
6の下層に形成されたN+埋込領域20を共通のコレク
タ領域としている。更に、P−ウエル12内に形成され
た2つのN+領域16a,16bをカソード領域として
AGCダイオードを構成した。このAGCダイオード
は、ベース及びコレクタが互いに共通とされた2つの縦
型NPNのバイポーラトランジスタによって構成されて
おり、カソード領域16a,16bに印加される電圧に
応じて一方が飽和し、他方が逆トランジスタとして機能
する。この構成により、逆トランジスタの電流利得βR
を大きくすることができ、またアーリ効果を大きくする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つのインピーダンス
の比によって利得が決定される増幅器であって、更に利
得を可変するための利得可変手段を有する増幅器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7に、2つのインピーダンスの比によ
って利得が決定される増幅器の一般的な回路構成を示
す。
【0003】図7の増幅器は差動形式であり、差動トラ
ンジスタQ1,Q2を用いて、入力端子IN1,IN2
から入力される信号から同相成分を除去し、差動信号の
みを増幅して、これを出力端子OUT1,OUT2から
出力するものである。
【0004】NPN型の差動トランジスタQ1,Q2
は、その各コレクタに設けられたコレクタ側抵抗RC1,
RC2を介して、所定の電源(+VB )に接続されてい
る。また、差動トランジスタQ1,Q2の各エミッタに
は、エミッタ側抵抗RE1,RE2がそれぞれ接続され、更
に、所定の電流源(IO1,IO2)がそれぞれ接続されて
いる。また、エミッタ側抵抗RE1,RE2の他端は、互い
に接続されている。
【0005】このような構成の増幅器の利得Gは、コレ
クタに設けられるインピーダンス(コレクタ側抵抗RC
1,RC2)と、エミッタに設けられるインピーダンス
(エミッタ側抵抗RE1,RE2)との比により、以下のよ
うに表すことができる。
【0006】
【数1】 G=RC /(re +RE )=〜RC /RE (1) 但し、RC1=RC2=RC ,RE1=RE2=RE ,re1=r
e2=re =KT/qIO (約26/IO mA)であり、G
は、(RC /RE )にほぼ等しいものとなる(上記=〜
はニアリィイコールを意味するものとする。)。なお、
e は、トランジスタのエミッタ抵抗を示している。
【0007】そして、図8に示すように増幅器の利得G
を可変する方法として、2つのダイオードを用いてエミ
ッタ側抵抗RE1,RE2のインピーダンスを可変する方法
が知られている。
【0008】図8において、2つのダイオードD1,D
2は、エミッタ側抵抗RE1,RE2と並列接続されてい
る。また、アノードAは互いに接続され、カソードK
1,K2はそれぞれ入力トランジスタQ1,Q2のエミ
ッタに接続されている。
【0009】そして、このダイオードD1,D2のアノ
ードAに供給するバイアス電流IAを増減することによ
って、ダイオードD1,D2の小信号インピーダンスを
変更し、これによって増幅器の利得Gを可変している。
【0010】ここで、ダイオードD1,D2としては、
図9に示すような、一般的なNPN型トランジスタのコ
レクタ・ベース間を、ショートすることによって形成し
たダイオードがそれぞれ用いられている。
【0011】このダイオードD1,D2の小信号インピ
ーダンスをZd とすると、次のように表される。
【0012】
【数2】 Zd =(KT/2qIA )+RB /(1+β) (2) 但し、RB はNPN型トランジスタのベース抵抗、βは
NPN型トランジスタの電流利得を示している。
【0013】そして、図8の増幅器における利得G3 は
次式のようになる。
【0014】
【数3】 G3 =RC /(re +(RE //Zd )) (3) 但し、RC1=RC2=RC ,RE1=RE2=RE ,re1=r
e2=re である。
【0015】従って、図8の増幅器において、最大利得
を大きくするためには、Zd を小さくすればよい。
【0016】また、図8の増幅器の利得G3 は、ダイオ
ードD1,D2のカソード・カソード間におけるV−I
特性に依存している。これを図10及び図11を用いて
説明する。
【0017】図11に示すダイオードD1,D2のV−
I特性図において、横軸Vは図10のK1−K2間の電
圧を示し、縦軸はK1−K2間の電流を示している。ま
た、Id1、Id2は、図10のダイオードD1,D2にお
ける電流を示し、IA はバイアス電流を示している。
【0018】図11において、I(Id2−Id1)曲線
は、0V付近の約100mVの区間で線形となってい
る。リニアリティの悪い範囲では、電圧Vに対するイン
タモジュレーション特性が劣化するため、このダイオー
ドは、線形範囲内で使用しなければならない。
【0019】そして、このダイオードを使用した増幅器
の利得G3 は、I曲線の線形範囲内における傾き、すな
わちZd に依存しており、Zd が小さいと線形範囲内の
I曲線の傾きが大きくなり、これにより利得G3 が大き
くなる。従って、増幅器の利得G3 を大きくするため
に、Zd を小さくする必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記(2)式から明ら
かなように、ベース抵抗RB を小さくすれば、図8の増
幅器のダイオードD1,D2の小信号インピーダンスZ
d を小さくすることができる。
【0021】しかしながら、そのためには、NPN型の
入力トランジスタQ1,Q2を大きくしなければなら
ず、チップ面積が大きくなって高集積化の要求に反し、
またコストアップの要因となってしまっていた。
【0022】また、バイアス電流IA を大きくする方法
では、その電流値が、差動トランジスタQ1,Q2の動
作点電流(IO1,IO2)に制限されるという問題があっ
た。
【0023】すなわち、差動トランジスタQ1,Q2の
エミッタ電流をIEOとすると、次式のようになり、バイ
アス電流IA が(2IO )の点で、IEO=0となってし
まう。
【0024】
【数4】 IEO=IO −(IA /2) (4) また、IEOが小さくなると、差動トランジスタQ1,Q
2のエミッタ抵抗reが大きくなってしまう。従って、
図12に示すように、ダイオードのZd とエミッタ抵抗
e との合成インピーダンスは、バイアス電流IA を大
きくしても、所定の値以下にはならない。よって増幅器
の利得G3 は、単にバイアス電流IA を増加させても大
きくすることができなかった。
【0025】更に、(2)式から明らかなように、Zd
は、バイアス電流IA を大きくしても、ベース抵抗RB
によって決定される値以下にはならず、この点からも、
利得G3 を全体として大きくすることができない。
【0026】以上のように、従来のコレクタ・ベース間
をショートさせたダイオードを用いてAGC増幅装置を
構成した場合には、その利得に上限があったため、利得
可変範囲が狭いという問題があった。
【0027】本発明は、これらの課題を解消するために
なされたもので、素子のサイズを大きくすることなく、
利得可変範囲を広くすることが可能なAGCダイードを
提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るAGCダイオードは、以下のような特
徴を有する。
【0029】低濃度のN型半導体アイランド領域内に形
成され、アノード領域として機能する低濃度のP型ウエ
ルと、前記N型アイランド領域の下層に形成された高濃
度のN型埋込領域と、前記P型ウエル内に形成された複
数の高濃度のN型カソード領域と、前記P型ウエルを取
り囲むアノード配線接続用の高濃度のP型領域と、を有
することを特徴とする。
【0030】更に、前記AGCダイオードにおいて、前
記N型半導体アイランド領域は、高濃度のP型半導体ア
イソレーション領域に囲まれており、前記N型半導体ア
イランド領域内において、前記アノード配線接続用の高
濃度のP型領域の周囲には、高濃度のN型領域が形成さ
れていることを特徴とする。
【0031】また、第1及び第2差動トランジスタと、
前記第1及び第2差動トランジスタのコレクタ側に接続
された第1及び第2コレクタ側抵抗と、前記第1及び第
2差動トランジスタのエミッタ側に一端が接続され、他
端が互いに接続された第1及び第2エミッタ側抵抗と、
前記第1及び第2差動トランジスタのエミッタ側にカソ
ード側が接続されて、前記第1及び第2エミッタ側抵抗
に並列接続されたAGCダイオードと、を有し、前記第
1及び第2コレクタ側抵抗と、第1及び第2エミッタ側
抵抗とで決定される利得を、前記AGCダイオードのア
ノードに供給するバイアス電流によって可変するAGC
増幅装置であって、前記AGCダイオードとして、低濃
度のN型半導体アイランド領域内に形成され、アノード
領域として機能する低濃度のP型ウエルと、前記N型ア
イランド領域の下層に形成された高濃度のN型埋込領域
と、前記P型ウエル内に形成された2つの高濃度のN型
カソード領域と、前記P型ウエルを取り囲むアノード配
線接続用の高濃度のP型領域と、を有するACGダイオ
ードを用いることを特徴とする。
【0032】また、このAGC増幅装置に用いられる前
記AGCダイオードは、前記N型半導体アイランド領域
が、高濃度のP型半導体アイソレーション領域に囲まれ
ており、前記N型半導体アイランド領域内において、前
記高濃度のP型領域の周囲には高濃度のN型領域が形成
されていることを特徴とする。
【0033】
【作用】本発明に係るAGCダイオードは、低濃度のN
型半導体アイランド領域内に形成された低濃度のP型ウ
エルをアノード領域とし、N型アイランド領域の下層に
形成された高濃度のN型埋込領域を共通のコレクタ領域
とし、P型ウエル内に形成された複数の高濃度のN型領
域をカソード領域としている。
【0034】従って、このAGCダイオードは、ベース
が共通でかつ、コレクタが共通接続された複数の縦型N
PNのバイポーラトランジスタによって構成されること
となる。そして、このNPN型トランジスタのベースを
アノードとし、複数のエミッタをカソードとして用いる
ことにより、AGCダイオードとして機能している。
【0035】図1に示すAGCダイオード10の構成に
よると、端子K1−K2間の電圧V(=VK1−VK2)が
V>0の場合には、NPNトランジスタQ3は、そのエ
ミッタからコレクタに電流が流れる逆トランジスタとし
て機能する。一方、NPNトランジスタQ4は、飽和領
域での動作となり、そのコレクタ・エミッタ間電圧VCE
はほぼ0となっている。
【0036】従って、AGCダイオードの各カソード電
流IK1,IK2は、トランジスタQ3が逆トランジスタと
して動作されている場合における電流利得(IC /IB
)を、βR とすると、次式のようになる。
【0037】
【数5】 IK1=(IA /2)βR ,IK2=(IA /2)(1+βR ) (5) また、V<0の場合には、トランジスタQ4が逆トラン
ジスタとして機能し、トランジスタQ3が飽和領域で動
作し、式(5)のIK1,IK2が逆の関係となる。
【0038】このように、一方が飽和し、他方が逆トラ
ンジスタとして機能するので、バイアス電流IA による
カソード電流IK1とIK2との電流の方向が同一となる。
【0039】従って、従来のコレクタ・ベース間をショ
ートしたトランジスタを用いた場合のように、バイアス
電流IA の電流値が、差動トランジスタQ1,Q2の動
作点電流(IO1,IO2)に制限されることがない。よっ
て、バイアス電流IA を多くして、AGCダイオードの
小信号インピーダンスZd を小さくすることができる。
そして、このAGCダイオードをAGC増幅装置に適用
すれば、増幅装置の利得可変範囲を広くすることができ
る。
【0040】更に、本発明のAGCダイオードでは、ア
ノード領域であるP型ウエルの濃度を、カソード領域で
あるN+領域に対して低濃度とすることにより、逆トラ
ンジスタの電流利得βR を大きくすることが可能とな
る。
【0041】逆トランジスタの電流利得βR は、逆トラ
ンジスタのコレクタ電流IC とエミッタ電流IE との比
αR によって、次の式のように表される。
【0042】
【数6】 βR =αR /(1−αR ) (6) なお、αR は、以下のように表される。
【0043】
【数7】 αR =γR βTR (7) 但し、γR はエミッタ注入効率(エミッタ電流のうち電
子電流が示す比率)であり、βTRはベース輸送効率(ベ
ース領域両端での電子電流が示す比率)である。また、
γR はNDE/NABに比例しており、βTRは1/WB に比
例している。なお、NDEはエミッタのドナー濃度、NAB
はベースのアクセプタ濃度、WB はベース実効幅を示し
ている。従って、上記γR を大きくすれば、電流利得β
R を大きくすることができる。
【0044】そして、本発明では上記のようにアノード
領域であるP型ウエルを低濃度、すなわちNDEに対して
NABを小さくすることにより、γR を大きくすることが
できる。
【0045】このように、本発明のAGCダイオードに
よれば、電流利得βR を大きくすることができ、AGC
ダイオードのV−I特性の線形領域における傾きを大き
くすることが容易で、利得の高い増幅装置を実現するこ
とができる。
【0046】更に、電流利得βR を大きくできるので、
極めて少量の利得制御用のバイアス電流によって増幅装
置の利得を変更することができ、制御用回路の簡略化が
可能である。
【0047】また、アノード領域であるP型ウエルを低
濃度とすることにより、逆トランジスタ動作をするトラ
ンジスタにおいて、アーリ効果が大きくなる。これによ
り、AGCダイオードのV−I特性は、その活性領域に
おける傾きが大きくなり、線形範囲との境界での特性変
化が滑らかになる。従って、等価的に線形範囲が広くな
り、AGC増幅装置に適用した場合に、そのダイナミッ
クレンジを広くすることが可能となる。
【0048】そして、アノード領域である低濃度のP型
ウエルを、高濃度のP型領域で取り囲む構成としたの
で、ベース抵抗RB を低減することができる。従って、
従来行われていたように、ベース抵抗RB を低減するた
めにベースを大きく形成する必要がなく、素子全体のサ
イズを小さくすることができ、高集積化及びコストの面
において有利となる。
【0049】また、N型半導体アイランド領域内におい
て、アノード配線接続用の高濃度のP型領域の周囲に高
濃度のN型領域を形成することとした。本発明のAGC
ダイオードでは、P型の半導体基板と、この基板に形成
されたN型半導体アイランド領域と、P型ウエルの周囲
に形成された高濃度のP型領域とによって、寄生pnp
トランジスタが形成されてしまう。しかし、上記のよう
に高濃度のN型領域を形成することにより、この寄生p
npトランジスタの電流利得を低減させることができ、
AGCダイオードの電流利得を効率的に大きくすること
が可能となる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、以下に説明する図面において、既に説明した図面と
同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0051】図1には、本実施例のAGCダイオード
と、これを用いて構成したAGC増幅装置の回路構成例
が示されている。
【0052】図1のAGC増幅装置は、差動トランジス
タQ1,Q2のコレクタ側抵抗RC1,RC2と、エミッタ
側抵抗RE1,RE2との比によって決定される増幅装置の
利得を、AGCダイオード10によって可変する装置で
ある。
【0053】図1において、AGCダイオード10は、
そのベースが共通で、かつコレクタが共通接続された2
つのNPN型バイポーラトランジスタQ3,Q4から構
成されている。そして、このバイポーラトランジスタQ
3,Q4のベースをアノードとし、2つのエミッタをカ
ソードとすることによって、AGCダイオードとして機
能している。
【0054】また、AGCダイオード10は、そのカソ
ード側K1,K2(NPN型トランジスタQ3,Q4の
エミッタ側)が、差動トランジスタQ1,Q2のエミッ
タに接続されている。更に、このAGCダイオード10
は、差動トランジスタQ1,Q2のエミッタに、エミッ
タ側抵抗RE1,RE2と並列とになるように接続されてい
る。
【0055】一方、AGCダイオード10のアノード側
は、バイアス電流IA を供給するためのバイアス電流源
に接続されている。このアノードに供給される利得制御
用のバイアス電流IA を、入力端子IN1,IN2に供
給される入力信号に応じて制御することにより、エミッ
タ側抵抗RE1,RE2のインピーダンスが可変され、増幅
装置の利得を変化させている。そして、この利得に応じ
て増幅された信号が、差動トランジスタQ1,Q2のコ
レクタと、コレクタ側抵抗RC1,RC2との接続点に接続
された出力端子OUT1,OUT2から出力される。
【0056】次に、AGCダイオード10の構造につい
て、図2及び図3を用いて説明する。ここで図2は、A
GCダイオードの断面図であり、図3は図2の酸化膜2
4を取り除いた状態における平面図である。
【0057】図2に示すように、P−の半導体基板30
の表面側には、P+アイソレーション領域22によって
他の領域と分離されたN−アイランド領域26が形成さ
れている。また、このN−アイランド領域26内には、
アノード領域として機能するP−ウエル12が形成さ
れ、更に図3に示すようにP−ウエル12を取り囲んで
アノード配線Aとの接続用のP+領域(グラフトベー
ス)14が形成されている。
【0058】N−アイランド領域26の下層には、フロ
ーティングのコレクタ領域として機能するN+埋込領域
20が設けられており、一方、P−ウエル12内には、
カソード端子K1,K2と接続される2つのN+カソー
ド領域16が形成されている。
【0059】更に、図3のようにN−アイランド領域2
6の表面側のP+領域14の周囲には、N+領域18が
形成されている。
【0060】このように共通アノード(ベース)領域1
2と、この中に形成された2つのカソード(エミッタ)
領域16a,16bと、フローティングの共通コレクタ
領域20とによって、2つのNPNの縦型バイポーラト
ランジスタが形成されている。そして、この2つのNP
Nの縦型バイポーラトランジスタが、図1のAGCダイ
オード10のトランジスタQ3,Q4を構成している。
【0061】本実施例のAGCダイオードでは、アノー
ド領域であるP−ウエルを、P+領域(グラフトベー
ス)で取り囲む構成としたので、ベースを大きくするこ
となく、ベース抵抗RB を低減できる。従って、素子全
体のサイズを小さくすることができ、高集積化及びコス
トの面において有利となる。
【0062】また、N−アイランド領域内において、P
+領域の周囲にN+領域を形成することとした。本実施
例のような構造のAGCダイオードでは、P−半導体基
板と、この基板に形成されたN−アイランド領域と、P
−ウエルの周囲に形成されたP+領域とにより寄生pn
pトランジスタが形成される。しかし、P+領域の周囲
にN+領域を形成することによって、このトランジスタ
の電流利得を低減させることができ、AGCダイオード
の電流利得を効率的に大きくすることが可能となる。
【0063】次に、本実施例のAGCダイオードのV−
I特性について説明する。
【0064】図4において、横軸Vは図2のK1−K2
間の電圧を示し、縦軸IはK1−K2間の電流を示して
いる。A−A´は、0V付近範囲の約50mV(±26
mV)の区間であり、この範囲においてはV−I特性が
ほぼ線形となっている。そして、端子K1−K2間の電
圧Vがこの線形範囲を超えると、アノードに供給される
バイアス電流IA (IA =IA1,IA2,IA3)によって
決定される値で飽和する。従って、本発明のAGCダイ
オードのK1−K2間の電流は、バイアス電流IA によ
って制御することができる。
【0065】なお、図4において、端子K1−K2間の
電圧V(=VK1−VK2)がV>0の場合には、図1のN
PNトランジスタQ3は、そのエミッタからコレクタに
電流が流れる逆トランジスタとして機能する。一方、N
PNトランジスタQ4は、飽和領域での動作となってお
り、そのコレクタ・エミッタ間電圧VCEはほぼ0となっ
ている。
【0066】また、V<0の場合には、トランジスタQ
2が逆トランジスタとして機能し、トランジスタQ1が
飽和領域で動作し、カソード電流IK1,IK2の関係が逆
になる。
【0067】このように、2つのNPNトランジスタQ
3,Q4のうち、一方が飽和し、他方が逆トランジスタ
として機能するので、バイアス電流IA によるカソード
電流IK1とIK2との電流の方向が同一となる。よって、
コレクタ・ベース間をショートしたトランジスタを用い
たダイオードのように、バイアス電流IA の電流値が、
AGC増幅装置の差動トランジスタQ1,Q2の動作点
電流(IO1,IO2)に制限されることがない。
【0068】従って、このAGCダイオードをAGC増
幅装置に適用した場合に、バイアス電流IA を大きくす
ることにより、AGCダイオードの小信号インピーダン
スZd を小さくでき、増幅装置の利得可変範囲を広くす
ることができる。
【0069】次に、本実施例のAGCダイオードの逆ト
ランジスタの電流利得βR とV−I特性の関係につい
て、図5を用いて説明する。なお、図5においては、図
4と同様、横軸Vが図2のK1−K2間の電圧を示し、
縦軸IがK1−K2間の電流を示している。
【0070】AGCダイオードの逆トランジスタの電流
利得βR (=ΔIK /ΔIA )は、図5(a)よりも図
5(b)の方が大きく設定されている。そして、線形範
囲A−A´における傾きは、図5(b)の方が各電流I
A1,IA2,IA3とも大きくなっている。また、式(2)
からも明らかなように、逆トランジスタの電流利得βR
が大きい方が、AGCダイオードの小信号インピーダン
スZd が小さくなる。
【0071】従って、増幅装置に用いた場合における利
得は、逆トランジスタの電流利得βR を大きくした方が
極めて大きくなることが明らかである。
【0072】なお、通常のトランジスタは、順方向で最
大の電流利得βが得られるように設計されているため、
従来のコレクタ・ベースをショートさせたトランジスタ
では、逆トランジスタの電流利得βR は最大でも3程度
であって、大きくすることはできない。
【0073】一方、本実施例では、式(7)のγR (エ
ミッタ注入効率)を大きくすることにより、式(6)の
逆トランジスタの電流利得βR を大きくすることとし
た。
【0074】すなわち、AGCダイオードのエミッタ
(図2のN+カソード領域16a,16b)のドナー濃
度NDEに対して、ベース(図2のアノード領域であるP
−ウエル12)のアクセプタ濃度NABを低濃度とするこ
とにより、逆トランジスタの電流利得βR を例えば10
以上に大きくすることが可能となる。
【0075】更に、電流利得βR を大きくできるので、
極めて少量の利得制御用のバイアス電流によって増幅装
置の利得を変更することができ、制御用回路の簡略化が
可能となる。
【0076】更に、本実施例のAGCダイオードの逆ト
ランジスタの電流利得βR 及びアーリ効果とV−I特性
との関係について図6を用いて説明する。なお、横軸
V、縦軸Iは、図5と同様である。
【0077】図6(a)は、逆トランジスタの電流利得
βR が小さく、アーリ効果が大きい場合のV−I特性を
示し、図6(b)は、電流利得βR 及びアーリ効果の両
方が大きい場合のV−I特性を示している。アーリ効果
が大きくなると、AGCダイオードのV−I特性は、そ
の活性領域における傾きが大きくなり、線形範囲との境
界での特性変化が滑らかになる。
【0078】本実施例では、図2のアノード領域である
P型ウエル12を低濃度とすることにより、逆トランジ
スタ動作をするトランジスタにおけるアーリ効果を大き
くすることができる。よって、この領域での特性変化が
滑らかであり、等価的に線形範囲を広くすることができ
る。
【0079】従って、このAGCダイオードをAGC増
幅装置に適用した場合、そのV−I特性の線形範囲との
境界領域で増幅を実行しなければならない場合にも、信
号の歪みを最小限にとどめることが可能であり、また、
信号に高周波のノイズがのることを防止するすることが
でき、ダイナミックレンジを広くすることが可能とな
る。
【0080】なお、図5で説明したように、逆トランジ
スタの電流利得βR が大きい方が、AGCダイオードの
小信号インピーダンスZd が小さくなり、V−I特性の
線形領域における傾きが大きくなる。従って、図6
(b)に示すように、電流利得βR 及びアーリ効果を大
きくした場合には、効果が極めて大きいものとなる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るAG
Cダイオードは、低濃度のN型半導体アイランド領域内
に形成された低濃度のP型ウエルをアノード領域とし、
N型アイランド領域の下層に形成された高濃度のN型埋
め込み領域を共通のコレクタ領域とし、P型ウエル内に
形成された複数の高濃度のN型領域をカソード領域とし
ている。
【0082】そして、このAGCダイオードは、ベース
が共通で、かつコレクタが共通接続された複数の縦型N
PNのバイポーラトランジスタによって構成され、この
NPN型トランジスタのベースをアノードとし、複数の
エミッタをカソードとして用いることにより、AGCダ
イオードとして機能している。
【0083】そして、このような構成とすることによ
り、カソード間に印加される電圧に応じて、NPN型ト
ランジスタの一方が飽和し、他方が逆トランジスタとし
て機能するので、バイアス電流によって同時に2方向に
カソード電流が流れることがない。すなわち、従来のコ
レクタ・ベース間をショートしたトランジスタの場合の
ように、バイアス電流の電流値が、差動トランジスタの
動作点電流に制限されることがない。従って、バイアス
電流を多くしてAGCダイオードの小信号インピーダン
スZd を小さくすることができ、このAGCダイオード
をAGC増幅装置に適用すれば、増幅装置の利得可変範
囲を広くすることができる。
【0084】更に、カソード領域である高濃度のN型領
域に対して、アノード領域であるP型ウエルを低濃度と
することにより、エミッタのドナー濃度/ベースのアク
セプタ濃度に比例する逆トランジスタのエミッタ注入効
率γR を大きくできるため、逆トランジスタの電流利得
βR を大きくすることが可能となる。
【0085】従って、本発明によればAGCダイオード
のV−I特性の線形領域における傾きを大きくすること
が容易で、利得の高い増幅装置を実現することができ
る。
【0086】更に、電流利得βR を大きくできるので、
極めて少量の利得制御用のバイアス電流によって増幅装
置の利得を変更することができ、制御用回路の簡略化が
可能である。
【0087】また、アノード領域であるP型ウエルを低
濃度とすることにより、逆トランジスタ動作をするトラ
ンジスタにおけるアーリ効果が大きくなる。これによっ
て、AGCダイオードのV−I特性は、その活性領域に
おける傾きが大きくなり、線形範囲との境界での特性変
化が滑らかになる。従って、等価的に線形範囲が広くな
り、AGC増幅装置に適用した場合に、そのダイナミッ
クレンジを広くすることが可能となる。
【0088】そして、アノード領域であるP型ウエル
を、高濃度のP型領域で取り囲む構成としたので、ベー
ス抵抗RB を低減することができる。従って、従来行わ
れていたように、ベースを大きく形成することによっ
て、ベース抵抗RB を低減させる必要がなく、素子全体
のサイズを小さくすることができ、高集積化及びコスト
の面において有利となる。
【0089】また、N型半導体アイランド領域内におい
て、高濃度のP型領域の周囲に高濃度のN型領域を形成
することとした。従って、半導体基板内に形成される寄
生pnpトランジスタの電流利得を低減させることがで
き、AGCダイオードの電流利得を効率的に大きくする
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るAGC増幅装置の概略回
路構成図である。
【図2】図1のAGCダイオード10の断面構造図であ
る。
【図3】図1のAGCダイオード10の平面構造図であ
る。
【図4】本発明のAGCダイオードのV−I特性を示す
図である。
【図5】本発明のAGCダイオードにおけるV−I特性
と電流利得βR との関係を示す図である。
【図6】本発明のAGCダイオードにおけるV−I特性
と電流利得β及びアノードのアクセプタ濃度との関係を
示す図である。
【図7】従来の差動形式の増幅器の概略回路構成図であ
る。
【図8】従来のダイオードを用いたAGC増幅器の概略
回路構成図である。
【図9】従来のAGC増幅装置に用いたダイオードの断
面図である。
【図10】従来のAGC増幅装置に用いたダイオードの
回路構成図である。
【図11】図10のダイオードのV−I特性を示す図で
ある。
【図12】従来のダイオードを用いたAGC増幅装置の
ダイオードのZd と差動トランジスタのre との関係を
示す図である。
【符号の説明】
10 AGCダイオード 12 P型ウエル 14 アノード配線接触用P+領域 16a,16b N+カソード領域 18 N+領域 20 N+埋込領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03G 3/30 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低濃度のN型半導体アイランド領域内に
    形成され、アノード領域として機能する低濃度のP型ウ
    エルと、 前記N型アイランド領域の下層に形成された高濃度のN
    型埋込領域と、 前記P型ウエル内に形成された複数の高濃度のN型カソ
    ード領域と、 前記P型ウエルを取り囲むアノード配線接続用の高濃度
    のP型領域と、 を有することを特徴とするAGCダイオード。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のAGCダイオードにおい
    て、 前記N型半導体アイランド領域は、高濃度のP型半導体
    アイソレーション領域に囲まれており、 前記N型半導体アイランド領域内において、前記アノー
    ド配線接続用の高濃度のP型領域の周囲には、高濃度の
    N型領域が形成されていることを特徴とするAGCダイ
    オード。
  3. 【請求項3】 第1及び第2差動トランジスタと、 前記第1及び第2差動トランジスタのコレクタ側に接続
    された第1及び第2コレクタ側抵抗と、 前記第1及び第2差動トランジスタのエミッタ側に一端
    が接続され、他端が互いに接続された第1及び第2エミ
    ッタ側抵抗と、 前記第1及び第2差動トランジスタのエミッタ側にカソ
    ード側が接続されて、前記第1及び第2エミッタ側抵抗
    に並列接続されたAGCダイオードと、を有し、 前記第1及び第2コレクタ側抵抗と、第1及び第2エミ
    ッタ側抵抗とで決定される利得を、前記AGCダイオー
    ドのアノードに供給するバイアス電流によって可変する
    AGC増幅装置であって、 前記AGCダイオードは、 低濃度のN型半導体アイランド領域内に形成され、アノ
    ード領域として機能する低濃度のP型ウエルと、 前記N型半導体アイランド領域の下層に形成された高濃
    度のN型埋込領域と、 前記P型ウエル内に形成された2つの高濃度のN型カソ
    ード領域と、 前記P型ウエルを取り囲むアノード配線接続用の高濃度
    のP型領域と、 を有することを特徴とするAGC増幅装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のAGC増幅装置におい
    て、 前記AGCダイオードは、 前記N型半導体アイランド領域は、高濃度のP型半導体
    アイソレーション領域に囲まれており、 前記N型半導体アイランド領域内において、前記高濃度
    のP型領域の周囲には高濃度のN型領域が形成されてい
    ることを特徴とするAGC増幅装置。
JP17718194A 1994-07-28 1994-07-28 Agcダイオード及びこれを用いたagc増幅装置 Pending JPH0846220A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100338780C (zh) * 2003-12-10 2007-09-19 上海华虹Nec电子有限公司 嵌位二极管结构(四)

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