JP4214250B2 - シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置 - Google Patents

シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4214250B2
JP4214250B2 JP2004044180A JP2004044180A JP4214250B2 JP 4214250 B2 JP4214250 B2 JP 4214250B2 JP 2004044180 A JP2004044180 A JP 2004044180A JP 2004044180 A JP2004044180 A JP 2004044180A JP 4214250 B2 JP4214250 B2 JP 4214250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
silicon
silicon nanocrystal
substrate
nanocrystal structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004044180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005236080A (ja
Inventor
信義 越田
晃 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Original Assignee
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo University of Agriculture and Technology NUC filed Critical Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Priority to JP2004044180A priority Critical patent/JP4214250B2/ja
Publication of JP2005236080A publication Critical patent/JP2005236080A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4214250B2 publication Critical patent/JP4214250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置に係り、特にドライプロセスのみでシリコンナノ結晶構造体を作製可能な方法及び装置に関する。
シリコンナノ結晶構造体は、粒径が10nm以下のシリコン単結晶粒が多数合体して形成される構造体であり、これらの薄膜は、ナノサイズの結晶粒に起因する量子サイズ効果やクーロンブロッケイド効果に基づいて、電子閉じ込め、発光、電子放出等の特異な物理現象を出現する。近年、この物理現象を利用して、単一電子メモリLSI、光インターコネクションLSI、発光素子、軽量大画面の表示パネル等への応用が注目されている。
シリコンナノ結晶構造体の作製方法は、主として以下に示す4つに分類される。
第1の方法は、例えば、多結晶シリコン膜を堆積したSi基板を希フッ酸溶液(HF)やバッファードフッ酸(BHF)溶液中で陽極酸化処理を行い、溶出反応により基板表面にシリコンナノ結晶構造体を形成する方法である。
第2の方法では、Si基板上に酸化膜(SiO)を形成し、その基板を希フッ酸溶液(HF)やバッファードフッ酸(BHF)、続いて純水に浸漬すことにより、基板表面を水素基(Si−H)又は水酸基(Si−OH)でターミネートする。次に、真空容器内で基板を例えば、560〜700℃に加熱し、水素基及び水酸基を熱的に脱離させ、続いてシラン等のシリコン元素を含有するガスを数〜数10Pa導入し、水素基及び水酸基が脱離したサイトを核生成反応サイトとしてシリコンナノ結晶粒を形成する方法であり、結晶粒の成長にCVD法(Chemical Vapor Deposition)が用いられる。この方法では、基板表面全体に核生成反応サイトを形成することができ、高密度のシリコンナノ結晶を形成することができるといわれている。
第3の方法は、スパッタリング法等のPVD法(Physical Vapor Deposition))又はプラズマCVD法により、Siが過剰なアモルファスSiOx(x<2)を堆積し、又はアモルファスSi層とSiO層の多層膜層を形成し、その後1000℃前後の熱処理を行いナノサイズのシリコン結晶粒を析出させて、シリコンナノ結晶構造体を形成する方法である。
第4の方法は、シランガス又は水素希釈シランガス等を用い、60MHz以上の高周波数プラズマCVD法により気相中でシリコンナノ粒子を生成させ基板上に堆積する方法である。
特開2003−86093 特開2000−273450 「ポーラスシリコンの発光」応用物理学会誌、第66巻、p437(1997) 「シリコンナノデバイスプロセス技術」名古屋大学電気系21世紀COEシンポジウムテキスト、平成15年3月3日) 「ナノシリコンのサイズ制御と発光機構」第30回アモルファス物質の物性と応用セミナーテキスト、p75(2003) 「VHFプラズマCVDによる結晶シリコンナノ粒子の生成と膜への取り込み」第30回アモルファス物質の物性と応用セミナーテキスト、p95(2003)
上述したように、シリコンナノ結晶構造体の薄膜は、単一電子メモリLSI、光インターコネクションLSI、発光素子、軽量大画面の表示パネル等の種々のデバイスへの応用が検討されているが、実用化のためには、結晶の粒径及び制御性(均一性)、薄膜内の充填密度及び終端安定性が高いことが要求され、さらには、低温プロセス(600℃以下)で作製できることが望まれる。この低温プロセスは、ガラス基板等の使用を可能とし、生産コスト低減の観点からも好ましい。さらにはLSIへの応用を考慮すると、ドライプロセスのみでプロセスを完結するのが望ましい。
しかしながら、第1の方法は、サイズ制御性、終端安定性及び低温プロセスという観点では満足できるものの、陽極酸化処理による溶出反応を利用するものであるためポーラス状となり、結晶粒の充填密度は低く満足できるものではない。また、陽極酸化処理のようなウエット工程が必要という問題がある。
また、第2の方法は、粒径の揃ったシリコンナノ結晶を高密度に形成できるが、第1の方法と同様にウエット処理を含み、また、多層構造として所定の膜厚の薄膜とする場合、シリコンナノ結晶が形成された基板を一旦真空容器から大気に取り出し、層数に相当するだけ大気中でのウエット処理と真空容器内でのシリコンナノ結晶の形成とを繰り返し行う必要があり、結果として生産性が低いという問題がある。
第3の方法は、全てドライプロセスで構成されるという利点は有するが、シリコンナノ結晶粒の充填密度は、陽極酸化処理を用いた第1の方法に比べてもはるかに低いという欠点がある。しかも、1000℃程度の高温での熱処理が必要となるため、ガラス基板を用いることができないという問題もある。
第4の方法も、ドライプロセスのみであり、また気相中で多量のシリコンナノ粒子を形成できるという利点を有するが、粒径のバラつきが大きく、緻密性・密着性が低いという問題の他、シリコンナノ粒子に欠陥(ダングリングボンド)が残るという問題がある。
以上述べてきたように、従来のシリコンナノ結晶構造体の作製方法には、一長一短があり、上記特性のいずれをも備えた構造体の作製方法はまだ得られていないのが現状である。かかる状況において、本発明者は、シリコンナノ結晶の形成法として、粒子の結晶性に優れた熱CVD法を採用し、ナノ結晶の粒径均一性並びに充填密度及びその制御性、再現性と前処理・後処理条件との関係を研究し、得られた知見を基にさらに検討を加えて本発明を完成した。即ち、本発明は、シリコンナノ結晶の粒径制御性、薄膜内充填密度及び終端安定性に優れたシリコンナノ結晶構造体を低温(600℃以下)のドライプロセスのみで生産性よく作製可能な新規なシリコンナノ結晶構造体の作製方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明のシリコンナノ結晶構造体の作製方法は、アルゴン(Ar)ガス又はArガスを含む混合ガスのプラズマを発生させて基板表面にArイオンを照射し、シリコンナノ結晶の核生成反応サイトを形成する第1の工程と、シリコン(Si)元素を含む原料ガスの熱分解反応により、前記核生成反応サイトに粒径10nm以下のシリコンナノ結晶粒を成長させる第2の工程と、酸素若しくは酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルによりシリコンナノ結晶粒を酸素終端、窒素終端又は水素終端する第3の工程とからなることを特徴とする。さらに、前記混合ガスに窒素ガス(N)又はアンモニアガス(NH)を含有させるのが好ましい。
即ち、Arイオンを照射して、基板表面に欠陥などの核生成反応サイトを形成し(第1の工程)、熱CVDプロセスにおいて、この核生成反応サイトでシリコンの核生成反応が起こってシリコンの核が形成され、さらにはシリコンナノ結晶粒へと成長する(第2の工程)。最後に、シリコンナノ結晶粒表面のダングリングボンドを酸素、水素又は窒素終端して安定化させる。なお、デバイス等の用途の応じて、以上の第1〜第3工程を繰り返し行い、所望の厚さの薄膜として用いられる。
本発明では、Arイオンを用いて核生成反応サイトを形成する構成としたことにより、効率よく、核生成反応サイトとなりうる欠陥を基板表面に均一で高密度に形成することが可能となった。特に、Arイオンの照射による核生成反応サイトの形成と熱CVD法によりシリコンの核形成及び結晶粒の成長とを組み合わせ連続してを行うことにより、粒径均一性及び充填密度の制御性に優れたシリコンナノ結晶構造体を作製すること可能となった。また、プラズマ発生用の混合ガスにN又はNHガスを添加し、この添加量を調整することにより、核生成反応サイトの密度をより効果的に制御することができ、最終的にシリコンナノ結晶の粒径及び密度をより一層高精度に制御することができる。
また、前記シリコン元素を含む原料ガスには、モノシラン(SiH)若しくはジシランガス(Si)、又はこれらのガスと水素ガス(H)若しくは不活性ガスとの混合ガスを用いるのが好ましい。これらのガスを用いることにより、粒径均一性に一層優れたシリコンナノ結晶粒を安定して形成することができる。なお、本発明の不活性ガスには、Ar,He等の希ガスの他に、N等、シリコン堆積温度において反応性の低いガスも含まれる。
前記酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルは、酸素ガス若しくは亜酸化窒素ガス(NO)、窒素ガス若しくはアンモニアガス、又は水素ガスのプラズマ放電により生成させることを特徴とする。プラズマ放電により発生させたラジカルを用いることにより、結晶粒のダングリングボンドを確実に終端し、最終的に得られるデバイスの特性及び信頼性をより向上させることができる。
一方、本発明のシリコンナノ結晶構造体の作製装置は、上記本発明の作製方法を実施する装置であって、ガス供給装置及び排気装置を備えた真空容器と、該容器の内部に対向して配置された高周波電極及び基板の加熱機構を有する基板ホルダと、前記高周波電極に高周波電力を供給しプラズマを発生させる高周波電源と、前記加熱機構に通電し基板を所定温度に加熱する電源と、からなり、前記第1の工程、第2の工程及び第3の工程を繰り返し連続して行い、所望の厚さのシリコンナノ結晶構造体の薄膜を形成する構成としたことを特徴とする。
かかる構成とすることにより、10nm以下で、均一な粒径の結晶粒を、高密度かつ終端安定性に優れた高品質なシリコンナノ結晶構造体の薄膜を所望の膜厚に生産性良く作製することが可能となる。
本発明によれば、結晶粒のナノサイズ制御性及び終端安定性に優れ、充填密度の高いシリコンナノ結晶構造体薄膜が、単一の真空容器内で単純な工程の繰り返しによって作製することができる。その結果、電子閉じ込め、発光、電子放出等の物理現象に関する特性が向上し、シリコンナノ結晶構造体薄膜を用いたデバイス性能を格段に向上させることができる。
さらには、低温プロセス(600℃以下)で、かつドライプロセスのみで作製可能となるため、LSI等への機能性薄膜としての応用も含め多岐のデバイス製造に適用することができる。また、ガラス基板が使用可能となり、デバイスのコスト削減を図ることができる。
以下に、実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明のシリコンナノ結晶構造体の作製方法を説明する概念図である。図に示すように、本発明のシリコンナノ結晶構造体の作製方法では、Arイオンを基板表面に照射する第1の工程(A)と、シリコン元素を含む原料ガスの熱分解反応によりシリコンナノ結晶粒を堆積する第2の工程(B)と、酸素ガス若しくは酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルによりシリコンナノ結晶粒の表面を酸素終端、窒素終端、又は水素終端する第3の工程(C)、とから構成され、必要に応じて、以上の工程をり返し行い所望の厚さの薄膜を形成する(D)。
即ち、第1の工程で、基板にArイオンを照射処理して、基板の表面全面にシリコンナノ結晶粒成長の核生成反応サイトを形成する。この核生成反応サイトとは、例えば、シリコン基板の場合、通常表面に自然酸化膜が形成されており、この酸化膜にArイオンが衝突して形成されるシリコンのダングリングボンド(未結合手)のような欠陥である。第2の工程の熱CVDプロセスでは、この欠陥においてシリコンの核生成反応が起こりシリコンの核が生成し、さらに成長してシリコンナノ結晶粒となる。なお、熱CVDプロセスでは、シラン等のシリコン元素を含むガスを基板表面に導入して結晶粒を成長させるが、基板温度、原料ガスの種類、流量及び圧力を調整することにより結晶粒の大きさを高精度に制御することができる。
また、シリコン結晶粒の終端処理には、酸素ガスの他、酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルが好適に用いられ、これにより、終端をより完全に行うことができ、最終的に得られるデバイスの特性、信頼性を大幅に向上させることができる。
なお、本発明の基板は、例えば、少なくとも表面がシリコン、石英、窒化シリコン、ガラスからなる種々の基板が好適に用いられる。これらの基板を用いることにより、Arイオン照射により欠陥(核生成反応サイト)を所望の密度で効果的に形成することができる。なお、これら以外の材質の基板も用いることも可能であり、この場合、第1層目の粒径の均一性及び制御性並びに充填密度の制御性は低下するものの、第2層以降はSi(又はSiO,SiN)上に核生成反応サイトが形成されるため結晶の粒径均一性等は向上し、薄膜全体としては均一な粒径のシリコンナノ結晶構造体を高密度に得ることができる。
なお、Arイオンは、Arガス又はArガスを含む混合ガスに、例えば高周波電力を投入してプラズマを発生させることによって得られ、特に10eV程度のエネルギーのイオンが核生成反応サイトの形成に効果的である。また、核生成反応サイトの密度は、混合ガスにN又はNHを加え、ArとN又は/及びNHとの流量比を調整することにより、より効率的かつ高精度に制御することができる。なお、N又はNHガスの流量比を増加させると核密度は減少する。
第2の工程では、Arイオン照射で形成した欠陥(核生成反応サイト)に、熱CVD法により結晶粒を成長させる。ここで、基板は、好ましくは500〜540℃程度に加熱される。また、原料ガスは、シリコン元素を含むガスであれば特に制限はないが、種々のシラン系ガス、とりわけ、モノシラン若しくはジシランガス、又はこれらをHガスや不活性ガス(Ar,N,He等)で希釈したガスが好適に用いられる。
第3の工程は、成長したシリコンナノ結晶粒を安定化する工程であるが、ここでダングリングボンドを終端させる元素(O、N、H等)を含むガスが用いられ、特にこれらのプラズマを発生させ生成したラジカルを用いるのが好ましい。なお、このようなガスとしては、酸素ラジカル用には酸素(O)ガス又は亜酸化窒素(NO)が、窒素ラジカル用に窒素又はアンモニアガスが、水素ラジカル用に水素ガスが好適に用いられる。
次に、以上のシリコンナノ結晶構造体薄膜の作製方法が好適に適用できる作製装置の構成例を図2に示す。図2は、本発明のシリコンナノ結晶構造体薄膜作製装置の一例を示す概略縦断面図である。
図2に示した作製装置は、8インチ基板用に試作したものであり、内部に基板ホルダ110及びプラズマ発生用電極104が対向して配置され、ガス供給源106及び排気装置113を備えた処理室10と、処理室10との間で基板の搬送を行うロードロック室20とから構成され、ゲートバルブ115を介して連結されている。
基板ホルダ110には、基板111を温度を600℃前後まで加熱できるヒータ(不図示)が取り付けられ、昇降可能に取り付けられたリフトピン112のための貫通口が設けられている。一方、プラズマ発生用電極(例えばアルミニウム製)104は、絶縁石103を介して処理室上蓋108に固定され、高周波遮蔽板107上に設置された整合回路102を介して高周波電源101に接続されている。電極104には多数のガス吹き出し孔(不図示)が形成され、内部はガス配管105を介してガス供給源106に接続されている。
プラズマ放電用ガスであるArガスや酸素ガス、窒素ガス及び水素ガス、並びにシリコンナノ結晶生成用原料ガスであるモノシランガス等はガス導入配管105から電極板104を通してあらかじめプログラムされたシーケンスに従い処理室10内へシャワー状に供給される。
図2に示した装置を用いて、実際に行ったナノシリコン結晶構造体の薄膜形成プロセスの具体例を以下に説明する。
基板としては8インチサイズ、厚さ0.8mmのシリコン基板を用いた。予め洗浄したシリコン基板111をロードロック室20の基板搬送治具116上に載置し、内部をバルブ118を介して取り付けられて排気装置117で排気する。その後、プログラムされた以下のシーケンスに従ってプロセスを実行した。
工程1(基板搬送及び基板加熱)
ゲートバルブ115を開け、搬送治具116を処理室10内部に前進させ、基板ホルダ110上に突出した状態にあるリフトピン112上に基板111を載置した後、後退しゲートバルブ115を閉じる。基板ホルダ110はヒータ(不図示)により予め加熱しておき、リフトピン112を下降させ、基板を基板ホルダ110上に載置して基板温度を540℃に上昇させる。
工程2(核生成反応サイト生成)
処理室10にArガスを200ml/分導入し、バルブ114を調節して圧力を50Paとした後、300Wの高周波電力を供給しプラズマ放電を30秒間行った。これにより、基板111表面にArイオンが照射され、シリコンナノ結晶の核生成反応サイト(欠陥)が形成される。
工程3(真空排気)
高周波電力の供給及びArガスの導入を停止し、30秒間真空排気した。
工程4(シリコンナノ結晶成長)
モノシランガスを100ml/分導入し、圧力を30Paに維持し90秒間放置する。これにより、約4nm径のシリコン結晶粒が核生成反応サイトを核に基板全面わたり均一に形成された。
工程5(真空排気)
モノシランガスの導入を停止し、処理室内を30秒間真空排気した。
工程6(酸素ラジカル終端プロセス)
酸素ガスを200ml/分導入し、圧力を50Paに安定させた後、300Wの高周波電力を供給しプラズマ放電を30秒間維持した。これにより、シリコンナノ結晶粒の表面は、酸素ラジカルによりSi−Oの強い結合が形成され、安定的に終端される。
工程7(真空排気)
高周波電力の供給及び酸素ガスの導入を停止し処理室内を30秒間真空排気する。
以上の工程により、1層目の酸素終端のシリコンナノ結晶粒構造が形成される。シリコンナノ結晶構造体の薄膜の膜厚に応じて、以後、工程2から工程7を繰り返し行う。
所定の膜厚の薄膜を形成した後、リフトピン114を上昇させる。ここで、ゲートバルブ115を開け、搬送治具116を基板111と基板ホルダ110間に侵入させて基板を搬送治具116上に移送する。搬送治具を後退させ、ゲートバルブ115を閉じる。基板が冷却した後、外部に取り出してシリコンナノ結晶構造体の作製プロセスを完了する。
以上のプロセスで、工程2のArイオンの、例えば、照射時間を変えることにより核生成反応サイトの密度を制御することができ、その結果、表面のシリコンナノ結晶密度も制御できる。さらに、ArガスにN又はNHガスを混合し、その混合比に応じて核生成反応サイトの密度を制御する構成とすることにより、より高精度の密度制御が可能となる。
また、工程4の基板温度を調整して、シリコンナノ結晶粒の粒径を制御することができる。例えば、基板温度が540℃の場合、約4nmのシリコン結晶となり、580℃で約10nmのシリコン結晶となる。従って、実用性の範囲でシリコンナノ結晶粒のサイズを制御するためには、基板温度制御性の高い作製装置が必要となる。また、シリコンナノ結晶の粒径は原料ガスの流量や成膜圧力にも依存することから、所望の粒径の構造体を得るためには、基板温度と流量及び圧力との相関関係をデータ化し、基板温度、流量及び圧力を精密に制御するのが望ましい。なお、モノシランガスの他、ジシランガスも好適に用いることができる。この場合、シランガスの場合に比べ熱分解効率が高いため、基板温度を低めに設定することができる。
また、工程6において、酸素ガスの代わりに一酸化窒素ガスを好適に用いることができる。この場合は、プラズマ条件などを特に変更する必要はない。さらに、シリコンナノ結晶は、酸素で終端する代わりに、放電ガスとして水素ガス、窒素ガス、アンモニアガスを用いて水素終端や窒素終端を行っても良い。
なお、以上の工程2及び工程6においては、プラズマ放電に容量結合型方式を用いたが、誘導結合型方式を用いることも可能である。
次に、以上のシリコンナノ結晶構造体を高感度電子顕微鏡で観察した結果を説明する。シリコンナノ結晶構造体は粒径約5nmのシリコン結晶粒が成長する条件で第1層目のみを形成して作製した。得られた顕微鏡写真を図3に示す。写真の倍率は80万倍であり、写真の長辺(横)の長さは140nmに相当する。図が示すように、粒径の均一性に優れ、しかも充填密度の高い(1x1012個/cm)シリコンナノ結晶粒が成長していることが分かる。
また、本発明のシリコンナノ結晶構造体を用いて発光素子を作製し、陽極酸化処理により形成したシリコンナノ結晶構造体(ポーラスシリコン)を用いた場合と比較した。上述した方法でシリコン基板上にシリコンナノ結晶構造体を形成し、この上に反射防止効果を兼ねたITO膜等の透明導電膜を上部電極として形成し、シリコン基板の裏面にはAuでオーミック電極を形成して、評価用の発光素子を作製した。
このようにして得られた発光素子は、陽極酸化処理によるシリコンナノ結晶構造薄膜(ポーラスシリコン)を用いた発光素子に比べ、2倍の発光効率が得られることが分かった。
本発明のシリコンナノ結晶構造体薄膜の作製方法を示す概念図である。 シリコンナノ結晶構造体薄膜の作製装置の一例を示す概略縦断面図である。 作製したシリコンナノ結晶構造体(1層)の高感度電子顕微鏡写真である。
符号の説明
10 処理室、
20 ロードロック室、
101 高周波電源、
102 整合回路、
103 絶縁石、
104 プラズマ発生電極、
105 ガス導入配管、
106 ガス供給源、
107 高周波遮蔽板、」
108 処理室上蓋、
109 シール材、
110 基板ホルダ、
111 基板、
112 リフトピン、
113、117 真空排気ポンプ、
114、118 バルブ、
115 ゲートバルブ、
116 搬送治具。

Claims (6)

  1. アルゴンガス又はアルゴンガスを含む混合ガスのプラズマを発生させて基板表面にアルゴンイオンを照射し、シリコンナノ結晶の核生成反応サイトを形成する第1の工程と、シリコン元素を含む原料ガスの熱分解反応により、前記核生成反応サイトに粒径10nm以下のシリコンナノ結晶粒を成長させる第2の工程と、酸素若しくは酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルによりシリコンナノ結晶粒を酸素終端、窒素終端又は水素終端する第3の工程と、からなることを特徴とするシリコンナノ結晶構造体の作製方法。
  2. 前記混合ガスは、窒素ガス又はアンモニアガスを含むことを特徴とする請求項1に記載のシリコンナノ結晶構造体の作製方法。
  3. 所定の厚さの薄膜となるまで、前記第1の工程、第2の工程及び第3の工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンナノ結晶構造体の作製方法。
  4. 前記シリコン元素を含む原料ガスは、モノシラン若しくはジシランガス、又はこれらと水素ガス若しくは不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンナノ結晶構造体の作製方法。
  5. 前記酸素ラジカル、窒素ラジカル又は水素ラジカルは、酸素ガス若しくは亜酸化窒素ガス、窒素ガス若しくはアンモニアガス、又は水素ガスのプラズマ放電により生成させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンナノ結晶構造体の作製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコンナノ結晶構造体の作製方法を実施する装置であって、ガス供給装置及び排気装置を備えた真空容器と、該容器の内部に対向して配置された高周波電極及び基板の加熱機構を有する基板ホルダと、前記高周波電極に高周波電力を供給しプラズマを発生させる高周波電源と、前記加熱機構に通電し基板を所定の温度に加熱する電源と、からなり、前記第1の工程、第2の工程及び第3の工程を繰り返し連続して行い、所望の厚さの薄膜を形成することを特徴とするシリコンナノ結晶構造体の作製装置。
JP2004044180A 2004-02-20 2004-02-20 シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置 Expired - Fee Related JP4214250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004044180A JP4214250B2 (ja) 2004-02-20 2004-02-20 シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004044180A JP4214250B2 (ja) 2004-02-20 2004-02-20 シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005236080A JP2005236080A (ja) 2005-09-02
JP4214250B2 true JP4214250B2 (ja) 2009-01-28

Family

ID=35018707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004044180A Expired - Fee Related JP4214250B2 (ja) 2004-02-20 2004-02-20 シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4214250B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100722776B1 (ko) 2005-07-29 2007-05-30 삼성전자주식회사 원자층 증착 공정을 이용한 실리콘 리치 나노-크리스탈구조물의 형성 방법 및 이를 이용한 불휘발성 반도체장치의 제조 방법
JP4730034B2 (ja) * 2005-09-20 2011-07-20 日新電機株式会社 シリコンドット付き基板の形成方法
KR100745167B1 (ko) 2006-02-13 2007-08-01 한국표준과학연구원 나노 패턴을 이용한 기판 제조방법
JP2008166729A (ja) 2006-12-08 2008-07-17 Canon Anelva Corp 基板加熱処理装置及び半導体製造方法
US7666763B2 (en) 2007-05-29 2010-02-23 Canon Anelva Corporation Nanosilicon semiconductor substrate manufacturing method and semiconductor circuit device using nanosilicon semiconductor substrate manufactured by the method
JP5314870B2 (ja) * 2007-09-21 2013-10-16 株式会社半導体エネルギー研究所 薄膜トランジスタの作製方法
US7846793B2 (en) * 2007-10-03 2010-12-07 Applied Materials, Inc. Plasma surface treatment for SI and metal nanocrystal nucleation
JP5321468B2 (ja) * 2007-10-30 2013-10-23 日新電機株式会社 シリコンドット形成方法
JP5602389B2 (ja) * 2008-05-16 2014-10-08 株式会社半導体エネルギー研究所 薄膜トランジスタ
CN101800198B (zh) * 2010-03-12 2013-08-14 上海宏力半导体制造有限公司 晶体硅存储器制作方法
WO2012090819A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 シャープ株式会社 微結晶シリコン膜の製造方法、微結晶シリコン膜、電気素子および表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005236080A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7544625B2 (en) Silicon oxide thin-films with embedded nanocrystalline silicon
US6350488B1 (en) Mass synthesis method of high purity carbon nanotubes vertically aligned over large-size substrate using thermal chemical vapor deposition
KR100723882B1 (ko) 실리콘 나노점 박막을 이용한 실리콘 나노와이어 제조 방법
JP4474596B2 (ja) シリコンナノ結晶構造体の形成方法及び形成装置
JPH02197117A (ja) 炭素添加非晶質シリコン薄膜の製造方法
JP4214250B2 (ja) シリコンナノ結晶構造体の作製方法及び作製装置
JP3176493B2 (ja) 高配向性ダイヤモンド薄膜の形成方法
CN113832432B (zh) 一种二维化合物半导体薄膜的制备方法
JPS6344718A (ja) 結晶性堆積膜の形成方法
JP3728467B2 (ja) 単結晶ダイヤモンド膜の形成方法
CN110629184B (zh) 介质衬底上直接生长二维六方氮化硼的方法
CN110055589B (zh) 大尺寸单层六方氮化硼单晶或薄膜及制备方法
JP2006036593A (ja) 単層カーボンナノチューブの製造方法およびその製造装置
KR101018668B1 (ko) 산소 또는 질소로 종단된 실리콘 나노 결정 구조체의형성방법과 이것에 의해 형성된 산소 또는 질소로 종단된실리콘 나노 결정 구조체
JP2006176859A (ja) シリコンナノ結晶構造体の作製方法
JPH04174517A (ja) ダイヤモンド半導体の製造方法
WO1997047789A1 (fr) Film de diamants et procede de fabrication
JP2002110551A (ja) 半導体薄膜の形成方法及び装置
CN111847432B (zh) 大面积多层石墨烯及其制备方法
JPH09312258A (ja) 多結晶シリコン薄膜積層体、その製造方法、シリコン薄膜太陽電池
JP2002338387A (ja) ダイヤモンド膜の製造方法及びダイヤモンド膜
CN114804082B (zh) 一种台阶调控的石墨烯蓝宝石晶圆及其制备方法
JP2002164290A (ja) 多結晶シリコン膜の製造方法
CN114684813B (zh) 一种大面积均匀单层石墨烯薄膜的制备方法
JPH04342121A (ja) 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees