JP4214141B2 - エネルギー線硬化型インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー線硬化型インク組成物、主としてインクジェット記録方式により印刷されて、エネルギー線の照射により硬化するタイプのインク組成物、特に紫外線硬化型インク組成物に関するものである。

インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界等を駆動源として、液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このような記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能であり、また水性や油性等の各種のインクを印字できることから、近年、市場を拡大している。

最近では、インクジェット記録方式の画像形成法は、銀塩写真方式と同品質の画質を得ることが可能でかつ非常に安価で済むため、大きな画像面積を必要とする大型の宣伝広告等のように頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。

このインクジェット記録方式に適用されるインク組成物として、特定波長領域のエネルギー線の照射により、特に紫外線(UV)の照射により硬化するタイプの紫外線硬化型インク組成物が知られている。この紫外線硬化型インク組成物の主成分には、例えば、紫外線硬化性モノマー、色材(着色剤)としての顔料または染料および光重合開始剤があり、必要に応じて、各種の添加剤を含有させる場合もある。

しかし、この紫外線硬化型インク組成物の粘度は、通常25℃で35mPa・sを超えている。現行のインクジェット記録方式に採用するには、インクの粘度は35mPa・s以下でなければならず、20mPa・s以下が好ましいとされている。

このような低粘度化を実現するため、紫外線硬化性モノマー、色材および光重合開始剤と共に、希釈溶剤として乳酸エチル、酢酸ブチル等の揮発性の有機溶剤を使用した紫外線硬化型インク組成物が知られている。しかし、このようなインク組成物では、VOC(揮発性有機化合物)等の希釈溶剤の揮発が作業環境や自然環境を悪化させる原因となりやすいうえに、紫外線硬化後も希釈溶剤が残存することで、印刷物の膜特性が低下しやすく、特に記録媒体の基材に対する密着性が低下する問題がある。

紫外線硬化性モノマーに、各種のビニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、多官能の(ポリ)アルコキシアクリレート等を用い、希釈溶剤の使用を低減した紫外線硬化型インク組成物も、提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開平5−214279号公報 特開平5−214280号公報 特表2000−504778号公報
しかし、上記提案の紫外線硬化型インク組成物は、一般に、モノマーの反応性が低く、積算光量が150mJ/cm2 以下となる少ないエネルギーでは酸素阻害を受けて、十分な硬化性が得られず、高速印刷用途での使用に限界がある。

光重合開始剤の量を増やすと、硬化性は向上するが、光重合開始剤のモノマーに対する溶解度に限界があり、十分な硬化性を得るには不十分であり、また未反応の光重合開始剤が残存して、硬化膜物性に悪影響を及ぼしやすい。

本発明は、上記の事情に鑑み、希釈溶剤を用いなくても低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また積算光量が150mJ/cm2 以下の低エネルギーでも良好な硬化性を示し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インク組成物を提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題を克服するために、鋭意検討した結果、エネルギー線硬化性モノマーとしてアクリルアミド誘導体を特定量使用すると、希釈溶剤で希釈しなくても低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また積算光量が150mJ/cm2 以下の低エネルギーでも良好な硬化性を示し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明は、色材、モノマーおよび光重合開始剤を含有し、希釈溶剤を実質的に含まないエネルギー線硬化型インク組成物であって、モノマーとしてアクリルアミド誘導体を含有し、このアクリルアミド誘導体の量が、インク組成物全体中、10〜90重量%であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜35mPa・sであることを特徴とするエネルギー線硬化型インク組成物に係るものである。

また、本発明は、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜20mPa・sである上記構成のインク組成物、モノマーとして3官能以上の多官能アクリレートモノマーを含有し、この多官能アクリレートモノマーの量が、インク組成物全体中、10〜50重量%である上記構成のインク組成物、光重合開始剤が2種以上からなる上記構成のインク組成物、光重合開始剤として、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む上記構成のインク組成物、光重合開始剤の量が、インク組成物全体中、1〜20重量%である上記構成のインク組成物、色材が有機顔料または/および無機顔料である上記構成のインク組成物、有機顔料または/および無機顔料の量が、インク組成物全体中、1〜10重量%である上記構成のインク組成物、顔料分散剤として高分子化合物を含有する上記構成のインク組成物、高分子化合物の量が、有機顔料または/および無機顔料に対して、5〜150重量%である上記構成のインク組成物、積算光量が150mJ/cm2 以下で硬化する上記構成のインク組成物、に係るものであり、さらにインクジエット記録方式に用いられる上記各構成のインク組成物に係るものである。

このように、本発明においては、紫外線硬化性モノマーとしてアクリルアミド誘導体を特定量用いたことにより、希釈溶剤を用いずに低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また積算光量が150mJ/cm2 以下の低エネルギーでも良好な硬化性を示し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インク組成物を提供することができる。

本発明においては、エネルギー線硬化性の単官能モノマーとしてアクリルアミド誘導体を使用する。アクリルアミド誘導体の使用により、希釈溶剤を用いなくても、室温で十分に低粘度であり、しかも積算光量が150mJ/cm2 以下の低エネルギーでも速やかに硬化する、すぐれた硬化性を得ることができる。これに対して、単官能モノマーとして通常の(メタ)アクリレートモノマーを使用すると、室温で低粘度のインク組成物が得られたとしても、上記のような硬化性は得られにくい。

アクリルアミド誘導体としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノヘキシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。

これらのアクリルアミド誘導体の中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等が、特に好ましく用いられる。

本発明において、このアクリルアミド誘導体の使用量は、インク組成物全体中、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%とするのがよい。10重量%未満では、インク組成物の粘度を十分に低下させにくく、90重量%を超えると、その分、他の配合成分が少なくなり、却って硬化性等の低下を引き起こしやすい。

本発明においては、エネルギー線硬化性のモノマーとして、アクリルアミド誘導体と共に、通常は、3官能以上の多官能アクリレートモノマーを、インク組成物全体中、10〜50重量%、特に20〜40重量%の割合で使用するのが望ましい。

3官能以上の多官能アクリレートモノマーの使用量が上記よりも少なかったり、3官能以上の多官能アクリレートモノマーに代えて、2官能の多官能アクリレートモノマーを用いたのでは、インク組成物の硬化性が損なわれて、積算光量が150mJ/cm2 以下の低エネルギーでは十分な硬化性が得られないこともある。

3官能以上の多官能アクリレートモノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、これらの変性体等の6官能モノマー、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の5官能モノマー、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマーが挙げられる。

これらの多官能アクリレートモノマーの中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用する。中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートが、特に好ましく用いられる。

本発明においては、上記したモノマー成分のほか、任意成分として、2官能のアクリレートモノマーを併用することもでき、またアクリルアミド誘導体以外の単官能のアクリレートモノマーを併用することもできる。ただし、これら任意成分の使用量は、本発明の効果を損なうことのないように、その合計量が、インク組成物全体中、30重量%以下、特に、10重量%以下となるようにするのが望ましい。

2官能のアクリレートモノマーとしては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

単官能のアクリレートモノマーとしては、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸や、これらにリンやフッ素の官能基を付与したアクリレートモノマー等が挙げられる。

本発明においては、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスホナート、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジル、キノン誘導体、ケトクマリン類等の従来公知の開始剤を、いずれも使用できる。

例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン等がある。

これらの光重合開始剤の中から、その1種を単独で使用できるが、好ましくは2種以上を混合して使用するのがよい。中でも、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む光重合開始剤が、特に好ましく用いられる。

本発明において、このような光重合開始剤の使用量は、インク組成物全体中、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%とするのがよい。1重量%未満となると、紫外線等のエネルギー線の照射による硬化性を満足させにくく、また20重量%を超えると、未反応成分が残存して印刷品質を損ないやすい。

本発明において、色材には、公知の各種染料も使用できるが、耐光性の観点より、無機顔料または/および有機顔料からなる顔料を使用するのが望ましい。

これらの顔料は、インク組成物全体中、通常1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%、より好ましくは3〜6重量%の割合で用いられる。過少では着色力に欠け、過多となると粘度が上昇し、インクの流動性が損なわれやすい。

また、顔料の分散性を向上させるため、適宜の顔料誘導体を併用してもよい。例えば、ジアルキルアミノアルキル基を有する顔料誘導体、ジアルキルアミノアルキルスルホン酸アミド基を有する顔料誘導体等が、好ましく用いられる。

無機顔料には、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカがある。

有機顔料には、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系の顔料等が用いられる。また、酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックも用いられる。さらに、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等も顔料として使用することができる。

シアンインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、16、22、60等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点より、特に、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

マゼンタインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点より、特に、C.I.ピグメントレッド122、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

イエローインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、139、147、150、151、154、155、180、185、213、214等が挙げられる。これらの中でも、耐候性等の点より、特に、C.I.ピグメントイエロー74、83、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、213、214から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

ブラックインク組成物における顔料としては、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェン等が挙げられる。これらの中でも、特に、三菱化学社製のHCF#2650、#2600、#2350、#2300、MCF#1000、#980、#970、#960、MCF88、LFFMA7、MA8、MA11、MA77、MA100、デグサ・ヒュルス社製のプリンテックス95、85、75、55、45等から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明のエネルギー線硬化型インク組成物は、上記した色材、アクリルアミド誘導体および光重合開始剤を含有し、また通常は3官能以上の多官能モノマーを含有し、さらに必要により2官能モノマーやアクリルアミド誘導体以外の単官能モノマーを含有すると共に、希釈溶剤を実質的に含まないものである。

ここで、希釈溶剤を実質的に含まないとは、希釈溶剤を全く含まないか、揮発性の有機溶剤が不純物として含まれることがあっても、その揮発が作業環境や自然環境を悪化させることのない、極微量に抑えられていることを意味する。

希釈溶剤とは、沸点が通常50〜200℃の範囲にある有機溶剤を意味する。例えば、乳酸エステル類、酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、酪酸エステル類、(ポリ)エチレングリコールエーテル類・エステル類、(ポリ)プロピレングリコールエーテル類・エステル類等であり、その他、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の公知の各種の有機溶剤が含まれる。

本発明のエネルギー線硬化型インク組成物は、各種の方法で調製できるが、色材に顔料を用いる場合、以下の方法で調製するのが望ましい。

まず、無機顔料または/および有機顔料と、希釈性モノマーとしてのアクリルアミド誘導体の一部とをプレミックスし、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル、サンドミル等の高速回転ミル、攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミル、ディスパー等の簡単な分散機により、撹拌混合して分散させ、一次分散体とする。

つぎに、この一次分散体に、残りのアクリルアミド誘導体と、高架橋性モノマーである3官能以上の多官能モノマーと、光重合開始剤とを添加し、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機を用いて、均一に混合する。ラインミキサー等の混合機を用いて、混合してもよい。また、析出粒子をより微細化する目的でビーズミルや高圧噴射ミル等の分散機を用いて、混合してもよい。

一次分散体の調製に際し、通常、顔料分散剤を使用するのが望ましい。顔料分散剤は、顔料との親和性にすぐれ、分散安定化させる働きを持つものである。

顔料分散剤には、イオン性または非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の高分子化合物が用いられる。分散安定性の面で、高分子化合物、特にカチオン性基またはアニオン性基を含む高分子化合物が好ましい。すなわち、顔料分散剤は、顔料と分散剤との酸塩基相互作用にて分散安定化するため、顔料吸着サイトであるカチオン性基かアニオン性基の少なくとも一方を含むのが望ましく、顔料の種類等により分散剤中のカチオン性基やアニオン性基の種類と量を調整するのが望ましい。

顔料分散剤としては、ゼネカ社製のSOLSPERSE、ビックケミー社製のDISPERBYK、エフカアディティブズ社製のEFKA等が好ましい。中でも、DISPERBYK161、162、168、EFKA4050、4055、4060等が好ましく、特に希釈溶剤で希釈されていないDISPERBYK168等がより好ましい。これらを、顔料、使用モノマーの種類にあわせて、用いるのが望ましい。

なお、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の低沸点の有機溶剤が含まれた状態で市販されている顔料分散剤については、これをそのまま使用したときは、希釈溶剤がインク中に残存してしまう。このため、これらの顔料分散剤については、希釈溶剤をあらかじめ取り除く必要がある。希釈溶剤を取り除く方法には、減圧蒸留法、再沈法等が用いられる。

本発明において、高分子化合物からなる顔料分散剤を使用する場合、この顔料分散剤の使用量は、有機顔料または/および無機顔料の種類や分散条件等により異なるが、通常、有機顔料または/および無機顔料に対し、5〜150重量%とするのが好ましい。特に、有機顔料を用いる場合は、40〜150重量%とするのがより好ましく、無機顔料を用いる場合は、5〜60重量%とするのがより好ましい。

このように調製される本発明のエネルギー線硬化型インク組成物は、必要により、重合禁止剤を添加することにより、保存中での熱や光による重合を抑制し、保存安定性を向上させることができる。

重合禁止剤には、様々な化合物が知られているが、一般的な重合性組成物に広く配合されているものをそのまま使用できる。例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダード・アミン光安定剤、リン系酸化防止剤、(メタ)アクリルモノマーに広く用いられているハイドロキノンモノアルキルエーテル等を使用できる。

具体的には、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、Ciba社製の商品名として、TINUVIN111 FDL、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN292、TINUVIN XP40、TINUVIN XP60等が挙げられる。

このような化合物の中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用できる。ハイドロキノンモノメチルエーテルが、特に好ましく用いられる。

これらの重合禁止剤は、過剰に用いると紫外線などのエネルギー線の照射による硬化性を阻害するため、この硬化性を阻害せずかつインク組成物の調製時や保存時の重合を防止できる適量とする必要がある。通常は200〜20,000ppmとするのが好ましく、500〜2,000ppmとするのがより好ましい。

本発明のエネルギー線硬化型インク組成物には、さらに必要により、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料、顔料誘導体等、公知の一般的な添加剤を、任意成分として配合することができる。配合量は、その種類に応じて、公知の一般的な使用量を選択することができる。

本発明のエネルギー線硬化型インク組成物は、以上の構成からなり、インク組成物全体の粘度が、25℃において3〜35mPa・sの範囲、特に好ましくは3〜20mPa・sの範囲にあることを特徴としている。

また、このインク組成物の25℃における表面張力は、通常20〜40mN/mの範囲にあり、特に好ましくは25〜35mN/mの範囲にある。

さらに、色材が有機顔料または/および無機顔料からなる場合、顔料粒子の分散平均粒子径は20〜200nmの範囲、特に好ましくは50〜160nmの範囲にある。分散平均粒子径が20nm未満では粒子が細かいために印字物の耐光性に欠けるおそれがあり、200nmを超えると印字物の精細さに欠ける場合がある。

このように、本発明のエネルギー線硬化型インク組成物によると、希釈溶剤を使用せず、低粘度であり、さらに色材が顔料である場合の顔料分散性も良好であり、また、保存中や使用中に粘度が上昇したり顔料が沈降する等の支障をきたさない、良好な保存安定性を有している。このため、インクジェット記録方式において、室温で安定な吐出性が得られ、連続吐出安定性にすぐれている。

また、この印刷時に紫外線等のエネルギー線を照射することにより、特に365nmにおける紫外線の積算光量が150mJ/cm2 以下という低エネルギーの照射により、速やかに硬化させることができ、硬化性に各段にすぐれている。さらに、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に希釈溶剤を用いていないため、記録媒体基材への密着性にすぐれている。

本発明において、インクジェット記録方式によりインク組成物を吐出したのちの硬化には、紫外線等の活性エネルギー線が用いられる。

活性エネルギー線は、記録媒体の基材上に吐出した直後から、1〜1,000msの間に照射するのが望ましい。1ms未満にするには、ヘッドと光源との距離が短かすぎて、ヘッドへのエネルギー照射による不測の事態を招きかねない。また、1,000msを超えると、多色におけるインク滲みにより画質が劣化する。

照射光源には、紫外線では、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、冷陰極管、ブラックライト、紫外線LED、紫外線レーザー、フラッシュ光等が用いられる。また、光源や照度の異なる2種の光源を用いて、硬化させることもできる。その際、紫外線の積算光量は、既述のとおり、150mJ/cm2 以下という低エネルキーでよい。

本発明においては、上記の印刷方法によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを少なくとも含む4色以上のエネルギー線硬化型インク組成物を同時に用いて画像形成する等の使用形態を任意にとることもできる。

つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。ただし、以下の紫外線硬化型インク組成物の組成は、あくまでも例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。以下、部とあるのは重量部を意味する。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」(ビックケミー社製、アミン系高分子分散剤)33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」(株式会社興人製)を46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」(共栄社化学株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能モノマー)19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」{チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン}9.0部、「DET−X」(日本化薬株式会社製、2,4−ジエチルチオキサントン)1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Aを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM PINK EB trans」(クラリアント社製、キナクリドン顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」46.7部、アクリルアミド誘導体として「DMAA」33.3部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インク組成物Bを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「E4GN−GT」(バイエル社製、含ニッケルアゾ顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」26.6部、アクリルアミド誘導体として「DMAA」53.4部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インク組成物Cを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「MA−8」(三菱化学社製、酸性カーボンブラック顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」26.6部、アクリルアミド誘導体として「DMAA」53.4部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インク組成物Dを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてアクリロイルモルホリン「ACMO」(株式会社興人製)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を使用して、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「ACMO」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Eを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体として「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートPE−4A」(共栄社化学株式会社製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能モノマー)19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Fを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジエチルアクリルアミド「DEAA」(株式会社興人製)を46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DEAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Gを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)によって、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」10.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Hを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)によって、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE819」〔チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〕9.0部、「KAYACURE BMS」{日本化薬株式会社製、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン}1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Iを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)によって、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」5.0部、「IRGACURE184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3.0部、「KAYACURE BMS」2.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Jを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)によって、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE819」10.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Kを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体としてジメチルアクリルアミド「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)によって、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE184」10.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Lを調製した。

光重合開始剤のひとつである「DET−X」(日本化薬株式会社製、2,4−ジエチルチオキサントン)に代えて、「CTX」(日本化薬株式会社製、2−クロロチオキサントン)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Mを調製した。

比較例1
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとしてイソノニルアクリレート「AIN」(株式会社日本触媒製)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」45.5部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」19.5部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Nを調製した。

比較例2
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、アクリルアミド誘導体として「DMAA」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、アクリルアミド誘導体として「DMAA」10.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」55.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インク組成物Oを調製した。

上記の実施例1〜13の紫外線硬化型インク組成物A〜Mおよび比較例1,2の紫外線硬化型インク組成物N,Oについて、各インク組成物の組成を、表1〜表4にまとめて示した。なお、表1〜表4中の符号は、下記のとおりである。

「BYK−168」:DISPERBYK168

「DMAA」 :ジメチルアクリルアミド

「ACMO」 :アクリロイルモルホリン

「DEAA」 :ジエチルアクリルアミド

「AIN」 :イソノニルアクリレート

「DPE−6A」 :ライトアクリレートDPE−6A
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)

「PE−4A」 :ライトアクリレートPE−4A
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)

「IRG.907」:IRGACURE907
{2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルホリノプロパン−1−オン}

「DET−X」 :DET−X
(2,4−ジエチルチオキサントン)

「IRG.184」:IRGACURE184
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト ン)

「IRG.819」:IRGACURE819
〔ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェ ニルホスフィンオキサイド〕

「BMS」 :KAYACURE BMS
{〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニル メタノン}

「CTX」 :CTX
(2−クロロチオキサントン)









表1

┌───────────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例1│実施例2│実施例3│実施例4│
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│11.7│ 6.7│ 6.7│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│アクリルアミド誘導体 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DMAA (部)│57.2│53.8│58.8│58.8│
│ │ │ │ │ │
│ ACMO (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│ DEAA (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│単官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│多官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│19.5│19.5│19.5│19.5│
│ │ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│光重合開始剤 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│ 9.0│
│ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ 1.0│ 1.0│
│ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┘

表2

┌───────────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例5│実施例6│実施例7│実施例8│
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│アクリルアミド誘導体 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DMAA (部)│ − │57.2│ − │57.2│
│ │ │ │ │ │
│ ACMO (部)│57.2│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│ DEAA (部)│ − │ − │57.2│ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│単官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│多官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│19.5│ − │19.5│19.5│
│ │ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │19.5│ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│光重合開始剤 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│10.0│
│ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ 1.0│ − │
│ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┘

表3

┌───────────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例9│実施例10│実施例11│実施例12│
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│アクリルアミド誘導体 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DMAA (部)│57.2│57.2│57.2│57.2│
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│単官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│多官能モノマー │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│19.5│19.5│19.5│19.5│
│ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│光重合開始剤 │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ − │ 5.0│ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│ IRG.184(部)│ − │ 3.0│ − │10.0│
│ │ │ │ │ │
│ IRG.819(部)│ 9.0│ − │10.0│ − │
│ │ │ │ │ │
│ BMS (部)│ 1.0│ 2.0│ − │ − │
│ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┘

表4

┌───────────┬────┬────┬────┐
│ │実施例13│比較例1│比較例2│
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│顔料分散剤としての │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│アクリルアミド誘導体 │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ DMAA (部)│57.2│ − │21.7│
│ │ │ │ │
│ ACMO (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│単官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │57.2│ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│多官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│19.5│19.5│55.0│
│ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│光重合開始剤 │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│
│ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ − │ 1.0│ 1.0│
│ │ │ │ │
│ CTX (部)│ 1.0│ − │ − │
│ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┘

つぎに、上記の実施例1〜13の紫外線硬化型インク組成物A〜Mおよび比較例1,2の紫外線硬化型インク組成物N,Oについて、その粘度(mPa・s/25℃)、分散平均粒子径、表面張力、70℃/7日の条件下での保存安定性を、下記の方法により、測定した。これらの結果を、表5に示した。

<粘度>
R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、コーンの回転数20rpmの条件下で、粘度を測定した。

<分散平均粒子径>
粒度分布測定装置N4−PLUS(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計)を用いて、顔料粒子の分散平均粒子径を測定した。

<表面張力>
全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)を用いて、インク組成物の温度を25℃にして、表面張力を測定した。

<保存安定性>
インク組成物を温度70℃の条件下に7日間保管し、このときの粘度変化を調べ、下記の基準で評価した。

○:粘度変化が10%未満である
×:粘度変化が10%以上である


















表5

┌────┬───────┬───────┬──────┬─────┐
│ │粘度〔25℃〕│分散平均粒子径│ 表面張力 │保存安定性│
│ │(mPa・s)│ (nm) │(mN/m)│ │
├────┼───────┼───────┼──────┼─────┤
│ │ │ │ │ │
│実施例1│ 6.7 │ 110.0 │ 36.8 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ 7.7 │ 150.0 │ 36.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ 5.2 │ 150.0 │ 36.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ 4.3 │ 105.0 │ 36.4 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ 9.5 │ 110.0 │ 38.5 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ 5.0 │ 110.0 │ 36.2 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ 5.0 │ 110.0 │ 36.5 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例8│ 7.0 │ 110.0 │ 36.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例9│ 6.8 │ 110.0 │ 36.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例10│ 7.1 │ 110.0 │ 36.8 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例11│ 7.5 │ 110.0 │ 36.5 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例12│ 7.5 │ 110.0 │ 36.6 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例13│ 6.6 │ 110.0 │ 36.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
├────┼───────┼───────┼──────┼─────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例1│ 10.0 │ 110.0 │ 29.0 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ 55.0 │ 110.0 │ 36.2 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
└────┴───────┴───────┴──────┴─────┘

つぎに、上記の実施例1〜13の紫外線硬化型インク組成物A〜Mおよび比較例1,2の紫外線硬化型インク組成物N,Oについて、各インク組成物の連続吐出性、硬化性および基材密着性を、下記の方法により、測定した。これらの結果を、表6に示した。

<連続吐出性>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置により、インク組成物を用いて記録媒体への記録を行い、下記の基準で評価した。

なお、インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、ピエゾヘッドからなり、液滴サイズは約7plとし、600×600dpi(dpiとは2.54cmあたりのドットの数をいう)の解像度で射出できるよう、駆動周波数10KHzにて駆動した。

○:30分連続出射で吐出不良が全く生じない
△:30分連続出射でノズル欠が生じないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射でノズル欠が生じる

<硬化性>
ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる記録媒体上に、インク組成物をバーコーター(#12)により印刷塗布して、10μmの印字膜を形成し、メタルハライドランプ(120W)を用いてトータル照射光量が150mJ/cm2 となるように照射して、硬化させた。

このように硬化させた印字物を指で触り、指へのインク付着の有無を目視で調べ、下記の基準で評価した。

○:指に付着しない
△:指に付着しないが、印字物表面に傷がつく
×:指に付着する

<基材密着性>
ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる記録媒体上に、インク組成物をバーコーター(#12)により印刷塗布して、10μmの印字膜を形成し、メタルハライドランプ(120W)を用いてトータル照射光量が150mJ/cm2 となるように、照射して硬化させた。

このように硬化させた印字物を、JIS−K−5400に準じて、1mm角の100個の碁盤目試験を実施して、セロハンテープにより剥離状態を確認した。100個中の接着数(剥離されないで残った碁盤目の数)を調べ、下記の基準で評価した。

○:碁盤目試験にて剥離数が10個以下である
△:碁盤目試験にて剥離数が20個以下である
×:碁盤目試験にて剥離数が21個以上である






表6

┌────┬─────┬─────┬───────────┐
│ │連続吐出性│ 硬化性 │ 基材密着性 │
│ │ │ ├─────┬─────┤
│ │ │ │ PVC │ PET │
├────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ │ │ │ │
│実施例1│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例8│ ○ │ △ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例9│ ○ │ △ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例10│ ○ │ △ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例11│ ○ │ △ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例12│ ○ │ △ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例13│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
├────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例1│ ○ │ × │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ × │ ○ │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
└────┴─────┴─────┴─────┴─────┘

上記の結果より明らかなように、本発明の構成を採用した実施例1〜13の紫外線硬化型インク組成物A〜Mは、いずれも、インク組成物としての適性を備えて保存安定性にもすぐれ、連続吐出安定性、硬化性および基材密着性が良好であり、特に硬化性に関しては積算光量が150mJ/cm2 という低エネルギーで速やかに硬化でき、インクジェット記録方式により室温で安定な印字を行えることがわかる。

これに対して、本発明の構成を採らない比較例1,2の紫外線硬化型インク組成物N,Oは、連続吐出安定性、硬化性および基材密着性のいずれかに劣り、インクジェット記録方式により室温で安定な印字を行えないことがわかった。

なおまた、上記とは別の実験により、本発明の紫外線硬化型インク組成物において、3官能以上の多官能モノマーの使用量を減らしたり、3官能以上の多官能モノマーに代えて2官能モノマー(例えば、共栄社化学株式会社製の「ライトアクリレートNP−A」、ネオペンチルグリコールジアクリレート)を使用すると、硬化性や連続吐出安定性に劣る傾向がみられた。この結果からも、本発明の紫外線硬化型インク組成物では、3官能以上の多官能モノマーを適量使用することが望ましいことも確認された。

Claims (12)

  1. 色材、モノマーおよび光重合開始剤を含有し、希釈溶剤含まないエネルギー線硬化型インク組成物であって、モノマーとしてアクリルアミド誘導体を含有し、このアクリルアミド誘導体の量が、インク組成物全体中、10〜90重量%であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜35mPa・sであることを特徴とするエネルギー線硬化型インク組成物。
  2. インク組成物全体の粘度が25℃で3〜20mPa・sである請求項1に記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  3. モノマーとして3官能以上の多官能アクリレートモノマーを含有し、この多官能アクリレートモノマーの量が、インク組成物全体中、10〜50重量%である請求項1または2に記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  4. 光重合開始剤が2種以上からなる請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  5. 光重合開始剤として、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む請求項4に記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  6. 光重合開始剤の量が、インク組成物全体中、1〜20重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  7. 色材が有機顔料または/および無機顔料である請求項1〜6のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  8. 有機顔料または/および無機顔料の量が、インク組成物全体中、1〜10重量%である請求項7に記載のエネルギー線硬化型インク組成物
  9. 顔料分散剤として高分子化合物を含有する請求項7または8に記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  10. 高分子化合物の量が、有機顔料または/および無機顔料に対して、5〜150重量%である請求項9に記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  11. 積算光量が150mJ/cm2 以下で硬化する請求項1〜10のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
  12. インクジエット記録方式に用いられる請求項1〜11のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インク組成物。
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