JP2006131883A - エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents

エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物 Download PDF

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Abstract



【課題】 希釈溶剤を用いず加温しなくても低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれ、印刷時の硬化性を満足し、非吸収性の記録媒体にも良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を提供する。


【解決手段】 色材、単官能モノマー、2官能以上の多官能モノマーおよび光重合開始剤を含有するエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、インク組成物全体中、上記の単官能モノマーの量が30〜90重量%、上記の多官能モノマーの量が10〜50重量%、光重合開始剤の量が6〜20重量%であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜35mPa・sであることを特徴とするエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。


【選択図】 なし

Description

本発明は、エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、つまりインクジェット方式により印刷されて、エネルギー線の照射により硬化するタイプのインク組成物、特に紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に関する。

インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界等を駆動源として、液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このような記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能であり、また水性や油性等の各種のインクを印字できることから、近年、市場を拡大している。

最近では、インクジェット方式の画像形成法は、銀塩写真方式と同品質の画質を得ることが可能でかつ非常に安価で済むため、大きな画像面積を必要とする大型の宣伝広告等のように頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。

このインクジェット方式に適用されるインク組成物として、特定波長領域のエネルギー線の照射により、特に紫外線(UV)の照射により硬化するタイプの紫外線硬化型インク組成物が知られている。この紫外線硬化型インク組成物の主成分には、例えば、紫外線硬化性モノマー、色材(着色剤)としての顔料または染料および光重合開始剤等があり、必要に応じて、各種の添加剤を含有させる場合もある。

しかし、この紫外線硬化型インク組成物の粘度は、通常25℃で35mPa・sを超えている。現行のインクジェット方式に採用するには、インクの粘度は35mPa・s以下でなければならず、20mPa・s以下が好ましいとされている。

このような低粘度化を実現するため、紫外線硬化性モノマー、色材および光重合開始剤と共に、希釈溶剤として乳酸エチル、酢酸ブチル等の揮発性有機溶剤で希釈した紫外線硬化型インク組成物が報告されている(特許文献1,2参照)。

しかるに、このようなインク組成物では、VOC(揮発性有機化合物)等の希釈溶剤の揮発が作業環境や自然環境を悪化させる原因となりやすく、またプリントヘッドのノズルでインク組成物中の希釈溶剤が蒸発して、インク詰まりを生じさせるおそれがあるうえ、紫外線硬化後も希釈溶剤が残存することで、印刷物の膜物性が低下しやすく、特に記録媒体の基材に対する密着性が低下する問題があった。

また、紫外線硬化型インク組成物を記録媒体に印刷するにあたり、プリントヘッド内で高粘度のインク組成物を加温してその粘度を下げることにより、記録媒体への印刷を可能にすることが報告されている(特許文献3参照)。

しかし、この方式では、インク組成物をインクジェット方式に適用させるため、最適な粘度まで加温する機構が必要であり、記録装置の部品点数が多くなり、コスト高となるという問題があり、またプリントヘッド内で加温した際に、紫外線硬化性モノマー等の熱重合反応が進行するおそれがあった。

さらに、種々の支持体に対し、にじみが無く高感度で、記録媒体への密着性が高い画像を記録できる方法として、特定のアクリレート化合物を一定量含むインクジェット記録用インクが提案されている(特許文献4参照)。しかし、この方法では、光重合開始剤が全インク組成物中、5重量%しか含まれていないため、低エネルギー光硬化の際の硬化が十分でなく、硬化不良を起こすおそれがあった。

特開2002−241654号公報 特開2004−018716号公報 特開2004−067775号公報 特開2003−192944号公報
本発明は、このような事情に鑑み、希釈溶剤で希釈せず、また加温しなくても、低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また印刷時の硬化性を満足し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題を克服するために、鋭意検討した結果、室温で低粘度を示す単官能モノマーを希釈性モノマーとして使用すると共に、2官能以上の高架橋性の多官能モノマーを併用し、これらのモノマーと光重合開始剤をそれぞれ特定量使用したときに、希釈溶剤で希釈せず、また加温しなくても、低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また印刷時の硬化性を満足し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

本発明は、色材、粘度が25℃で0.5〜6mPa・sである単官能モノマー、2官能以上の多官能モノマーおよび光重合開始剤を含有し、希釈溶剤で希釈しないエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、インク組成物全体中、上記の単官能モノマーの量が30〜90重量%、上記の多官能モノマーの量が10〜50重量%、光重合開始剤の量が6〜20重量%であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜35mPa・sであることを特徴とするエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、特に紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に係るものである。

また、本発明は、多官能モノマーが3官能以上であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜20mPa・sである上記構成のインク組成物、光重合開始剤が2種以上からなる上記構成のインク組成物、光重合開始剤として、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む上記構成のインク組成物、色材が有機顔料または/および無機顔料である上記構成のインク組成物、有機顔料または/および無機顔料の量がインク組成物全体中1〜10重量%である上記構成のインク組成物、顔料分散剤として高分子化合物を含有する上記構成のインク組成物、高分子化合物の量が有機顔料または/および無機顔料に対して5〜150重量%である上記構成のインク組成物、25℃における表面張力が20〜40mN/mである上記構成のインク組成物、に係るものである。

このように、本発明においては、特定の単官能モノマーと多官能モノマーと光重合開始剤を特定量使用したことにより、希釈溶剤で希釈せず、また加温しなくても、低粘度であり、保存安定性、色材が顔料である場合の顔料分散性も良好で、記録媒体への連続吐出安定性にすぐれており、また印刷時の硬化性を満足し、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に記録媒体基材への密着性にすぐれるエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を提供することができる。

本発明においては、希釈性モノマーとして、粘度が25℃で0.5〜6mPa・s、特に好ましくは0.6〜5mPa・sである単官能モノマーを使用する。このような単官能モノマーを使用することにより、希釈溶剤で希釈しなくても、また加温しなくても、室温で低粘度を示すインク組成物を得ることが可能となる。

これに対し、25℃での粘度が上記よりも高くなるような単官能モノマーを用いると、希釈溶剤で希釈したり、加温しなければ、室温で低粘度を示すインク組成物を得ることが難しい。25℃での粘度が上記よりも低くなるような単官能モノマーの使用は可能であるが、このようなモノマーを入手することは通常難しい。

粘度が25℃で0.5〜6mPa・sである単官能モノマーとしては、通常、(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく用いられる。

具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。

その他、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等も使用できる。

また、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート類も用いられる。

さらに、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート類も使用できる。

これらの(メタ)アクリレート系モノマーの中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート等が、特に好ましく用いられる。

本発明において、このような単官能モノマーの使用量は、インク組成物全体中、30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%とするのがよい。30重量%未満となると、インク組成物の粘度を十分に低下させにくく、また90重量%を超えると、紫外線等のエネルギー線の照射による硬化性を満足させにくい。

本発明においては、上記の単官能モノマーと共に、2官能以上の多官能モノマーを使用する。3官能以上の多官能モノマーがより好ましい。このような多官能モノマーを使用することにより、印刷時、紫外線等の照射により速やかに硬化させることができる。

2官能のアクリレートモノマーとしては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

また、4官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

さらに、4官能以上のモノマーとしては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

これらの多官能モノマーの中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、特に好ましく用いられる。

本発明において、このような多官能モノマーの使用量は、インク組成物全体中、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%とするのがよい。10重量%未満となると、紫外線等のエネルギー線の照射による硬化性を満足させにくく、また50重量%を超えると、インク組成物の粘度を十分に低下させにくい。

本発明においては、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスホナート、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジル、キノン誘導体、ケトクマリン類等の従来公知の開始剤を、いずれも使用できる。

例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン等がある。

これらの光重合開始剤の中から、その1種を単独で使用できるが、好ましくは2種以上を混合して使用するのがよい。中でも、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む光重合開始剤が、特に好ましく用いられる。

本発明において、このような光重合開始剤の使用量は、インク組成物全体中、6〜20重量%、好ましくは10〜15重量%とするのがよい。6重量%未満となると、紫外線等のエネルギー線の照射による硬化性を満足させにくく、また20重量%を超えると、未反応成分が残存して印刷品質を損ないやすい。

本発明において、色材には、公知の各種染料も使用できるが、耐光性の観点より、無機顔料または/および有機顔料からなる顔料を使用するのが望ましい。

これらの顔料は、インク組成物全体中、通常1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%、より好ましくは3〜6重量%の割合で用いられる。過少では着色力に欠け、過多となると粘度が上昇し、インクの流動性が損なわれやすい。

また、顔料の分散性を向上させるため、適宜の顔料誘導体を併用してもよい。例えば、ジアルキルアミノアルキル基を有する顔料誘導体、ジアルキルアミノアルキルスルホン酸アミド基を有する顔料誘導体等が、好ましく用いられる。

無機顔料には、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカがある。

有機顔料には、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系の顔料等が用いられる。また、酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックも用いられる。さらに、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等も顔料として使用することができる。

シアンインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、16、22、60等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点より、特に、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

マゼンタインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点より、特に、C.I.ピグメントレッド122、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

イエローインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、139、147、150、151、154、155、180、185、213、214等が挙げられる。これらの中でも、耐候性等の点より、特に、C.I.ピグメントイエロー74、83、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、213、214から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

ブラックインク組成物における顔料としては、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェン等が挙げられる。これらの中でも、特に、三菱化学社製のHCF#2650、#2600、#2350、#2300、MCF#1000、#980、#970、#960、MCF88、LFFMA7、MA8、MA11、MA77、MA100、デグサ・ヒュルス社製のプリンテックス95、85、75、55、45等から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、上記した色材、粘度が25℃で0.5〜6mPa・sである単官能モノマー、2官能以上の多官能モノマーおよび光重合開始剤を含有し、希釈溶剤で希釈しないものである。

ここで、希釈溶剤で希釈しないとは、希釈溶剤を全く含まないか、揮発性の有機溶剤が不純物として含まれることがあっても、その揮発が作業環境や自然環境を悪化させることのない、極微量に抑えられていることを意味する。

希釈溶剤とは、沸点が通常50〜200℃の範囲にある有機溶剤を意味する。例えば、乳酸エステル類、酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、酪酸エステル類、(ポリ)エチレングリコールエーテル類・エステル類、(ポリ)プロピレングリコールエーテル類・エステル類等であり、その他、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の公知の各種の有機溶剤が含まれる。

本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、各種の方法で調製できるが、色材に顔料を用いる場合、以下の方法で調製するのが望ましい。

まず、無機顔料または/および有機顔料と、希釈性モノマーである前記の単官能モノマーの一部とをプレミックスし、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル、サンドミル等の高速回転ミル、攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミル、ディスパー等の簡単な分散機により、撹拌混合して分散させ、一次分散体とする。

つぎに、この一次分散体に、残りの単官能モノマーと、高架橋性モノマーである前記の多官能モノマーと、光重合開始剤とを添加し、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機を用いて、均一に混合する。ラインミキサー等の混合機を用いて、混合してもよい。また、析出粒子をより微細化する目的でビーズミルや高圧噴射ミル等の分散機を用いて、混合してもよい。

一次分散体の調製に際し、通常、顔料分散剤を使用するのが望ましい。顔料分散剤は、顔料との親和性にすぐれ、分散安定化させる働きを持つものである。

顔料分散剤には、イオン性または非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の高分子化合物が用いられる。分散安定性の面で、高分子化合物、特にカチオン性基またはアニオン性基を含む高分子化合物が好ましい。すなわち、顔料分散剤は、顔料と分散剤との酸塩基相互作用にて分散安定化するため、顔料吸着サイトであるカチオン性基かアニオン性基の少なくとも一方を含むのが望ましく、顔料の種類等により分散剤中のカチオン性基やアニオン性基の種類と量を調整するのが望ましい。

顔料分散剤としては、ゼネカ社製のSOLSPERSE、ビックケミー社製のDISPERBYK、エフカアディティブズ社製のEFKA等が好ましい。中でも、DISPERBYK161、162、168、EFKA4050、4055、4060等が好ましく、特に希釈溶剤で希釈されていないDISPERBYK168等がより好ましい。これらを、顔料、使用モノマーの種類にあわせて、用いるのが望ましい。

なお、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の低沸点の有機溶剤が含まれた状態で市販されている顔料分散剤については、これをそのまま使用したときは、希釈溶剤がインク中に残存してしまう。このため、これらの顔料分散剤については、希釈溶剤をあらかじめ取り除く必要がある。希釈溶剤を取り除く方法には、減圧蒸留法、再沈法等が用いられる。

本発明において、高分子化合物からなる顔料分散剤を使用する場合、この顔料分散剤の使用量は、有機顔料または/および無機顔料の種類や分散条件等により異なるが、通常、有機顔料または/および無機顔料に対し、5〜150重量%とするのが好ましい。特に、有機顔料を用いる場合は、40〜150重量%とするのがより好ましく、無機顔料を用いる場合は、5〜60重量%とするのがより好ましい。

このように調製される本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、必要により、重合禁止剤を添加することにより、保存中での熱や光による重合を抑制し、保存安定性を向上させることができる。

重合禁止剤には、様々な化合物が知られているが、一般的な重合性組成物に広く配合されているものをそのまま使用できる。例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダード・アミン光安定剤、リン系酸化防止剤、(メタ)アクリルモノマーに広く用いられているハイドロキノンモノアルキルエーテル等を使用できる。

具体的には、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、Ciba社製の商品名として、TINUVIN111 FDL、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN292、TINUVIN XP40、TINUVIN XP60等が挙げられる。

このような化合物の中から、その1種を単独で使用するか、2種以上を混合して使用できる。ハイドロキノンモノメチルエーテルが、特に好ましく用いられる。

これらの重合禁止剤は、過剰に用いると紫外線などのエネルギー線の照射による硬化性を阻害するため、この硬化性を阻害せずかつインク組成物の調製時や保存時の重合を防止できる適量とする必要がある。通常は200〜20,000ppmとするのが好ましく、500〜2,000ppmとするのがより好ましい。

本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物には、さらに必要により、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料、顔料誘導体等、公知の一般的な添加剤を、任意成分として配合することができる。配合量は、その種類に応じて、公知の一般的な使用量を選択することができる。

本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、以上の構成からなり、インク組成物全体の粘度が、25℃において3〜35mPa・sの範囲、特に好ましくは3〜20mPa・sの範囲にあることを特徴としている。

また、このインク組成物の25℃における表面張力は、通常20〜40mN/mの範囲にあり、特に好ましくは20〜35mN/mの範囲にある。

さらに、色材が有機顔料または/および無機顔料からなる場合、顔料粒子の分散平均粒子径は20〜200nmの範囲、特に好ましくは50〜160nmの範囲にある。分散平均粒子径が20nm未満では粒子が細かいために印字物の耐光性に欠けるおそれがあり、200nmを超えると印字物の精細さに欠ける場合がある。

このように、本発明のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、希釈溶剤で希釈せず、また加温しなくても、低粘度であり、さらに色材が顔料である場合の顔料分散性も良好であり、また、保存中や使用中に粘度が上昇したり顔料が沈降する等の支障をきたさない、良好な保存安定性を有している。

このため、インクジェット方式において、加温することなく、室温で安定な吐出性が得られ、連続吐出安定性にすぐれている。また、一定量の光重合開始剤を含むため、印刷時に紫外線等のエネルギー線を照射することにより、速やかに硬化させることができ、硬化性にもすぐれている。さらに、非吸収性の記録媒体に対しても良好な印刷品質が得られ、特に希釈溶剤を用いていないため、記録媒体基材への密着性にすぐれている。

本発明において、インクジェット方式によりインク組成物を吐出したのちの硬化には、紫外線等の活性エネルギー線が用いられる。

活性エネルギー線は、記録媒体の基材上に吐出した直後から、1〜1,000msの間に照射するのが望ましい。1ms未満にするには、ヘッドと光源との距離が短かすぎて、ヘッドへのエネルギー照射による不測の事態を招きかねない。また、1,000msを超えると、多色におけるインク滲みにより画質が劣化する。

照射光源には、紫外線では、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、冷陰極管、ブラックライト、紫外線LED、紫外線レーザー、フラッシュ光等が用いられる。また、光源や照度の異なる2種の光源を用いて、硬化させることもできる。

本発明においては、上記の印刷方法によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを少なくとも含む4色以上のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を同時に用いて画像形成する等の使用形態を任意にとることもできる。

つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。ただし、以下の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物の組成は、あくまでも例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。以下、部とあるのは重量部を意味する。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」(ビックケミー社製、アミン系高分子分散剤)33.3部、単官能モノマーとして「AIN」(株式会社日本触媒製、イソノニルアクリレート、25℃の粘度が2.0mPa・s)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」(共栄社化学株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能モノマー)13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」{チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン}9.0部、「DET−X」(日本化薬株式会社製、2,4−ジエチルチオキサントン)1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Aを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM PINK EB trans」(クラリアント社製、キナクリドン顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」46.7部、単官能モノマーとして「AIN」33.3部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Bを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「E4GN−GT」(バイエル社製、含ニッケルアゾ顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」26.6部、単官能モノマーとして「AIN」53.4部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Cを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「MA−8」(三菱化学社製、酸性カーボンブラック顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」26.6部、単官能モノマーとして「AIN」53.4部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体を使用し、以下、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Dを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」47.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートPE−4A」(共栄社化学株式会社製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能モノマー)18.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加えて、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Eを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「ライトアクリレートIO−A」(共栄社化学株式会社製、イソオクチルアクリレート、25℃の粘度が1.8mPa・s)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「ライトアクリレートIO−A」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Fを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「ライトアクリレートIAA」(共栄社化学株式会社製、イソアミルアクリレート、25℃の粘度が1.7mPa・s)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「ライトアクリレートIAA」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Gを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「IBA」(和光純薬株式会社製、イソブチルアクリレート、25℃の粘度が0.8mPa・s)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「IBA」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Hを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」5.0部、「IRGACURE184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3.0部、「KAYACURE BMS」{日本化薬株式会社製、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン}2.0部、を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Iを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」5.0部、「IRGACURE819」〔チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〕5.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Jを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」3.0部、「IRGACURE184」3.0部、「IRGACURE819」3.0部、「KAYACURE BMS」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)により吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Kを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」35.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」30.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Lを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」10.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Mを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」52.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE184」10.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Nを調製した。

光重合開始剤のひとつである「DET−X」(日本化薬株式会社製、2,4−ジエチルチオキサントン)に代えて、「CTX」(日本化薬株式会社製、2−クロロチオキサントン)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Oを調製した。

比較例1
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」61.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」4.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Pを調製した。

比較例2
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」10.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」55.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Qを調製した。

比較例3
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」32.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部、希釈溶剤である乳酸エチル20.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Rを調製した。

比較例4
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「ライトアクリレートPO−A」(共栄社化学株式会社製、フェノキシエチルアクリレート)46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「ライトアクリレートPO−A」10.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」55.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Sを調製した。

比較例5
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」40.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートNP−A」(共栄社化学株式会社製、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2官能モノマー)25.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」9.0部、「DET−X」1.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Tを調製した。

比較例6
100ccのプラスチック製ビンに、「HOSTAPERM BLUE P−BFS」(クラリアント社製、銅フタロシアニンブルー顔料)20.0部、顔料分散剤として「DISPERBYK168」33.3部、単官能モノマーとして「AIN」46.7部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散した。

このように分散して得られた分散体25.0部に、単官能モノマーとして「AIN」57.0部、多官能モノマーとして「ライトアクリレートDPE−6A」13.0部、光重合開始剤として「IRGACURE907」5.0部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、吸引ろ過を行い、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物Uを調製した。

上記の実施例1〜15の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物A〜Oおよび比較例1〜6の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物P〜Uについて、各インク組成物の組成を、表1〜表5にまとめて示した。

なお、表1〜表5中の符号は、下記のとおりである。

「BYK−168」:DISPERBYK168

「AIN」 :イソノニルアクリレート

「PO−A」 :ライトアクリレートPO−A
(フェノキシエチルアクリレート)

「IO−A」 :ライトアクリレートIO−A
(イソオクチルアクリレート)

「IAA」 :ライトアクリレートIAA
(イソアミルアクリレート)

「IBA」 :イソブチルアクリレート

「DPE−6A」 :ライトアクリレートDPE−6A
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)

「PE−4A」 :ライトアクリレートPE−4A
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)

「NP−A」 :ライトアクリレートNP−A
(ネオペンチルグリコールジアクリレート)

「IRG.907」:IRGACURE907
{2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕− 2−モリホリノプロパン−1−オン}

「DET−X」 :DET−X
(2,4−ジエチルチオキサントン)

「IRG.184」:IRGACURE184
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト ン)

「IRG.819」:IRGACURE819
〔ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェ ニルホスフィンオキサイド〕

「BMS」 :KAYACURE BMS
{〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニル メタノン}

「CTX」 :CTX
(2−クロロチオキサントン)







表1

┌───────────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例1│実施例2│実施例3│実施例4│実施例5│
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│11.7│ 6.7│ 6.7│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│単官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│63.7│60.3│65.3│65.3│58.7│
│ │ │ │ │ │ │
│ IO−A (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IAA (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IBA (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ PO−A (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│多官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│13.0│13.0│13.0│13.0│ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │ − │ − │ − │18.0│
│ │ │ │ │ │ │
│ NP−A (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│光重合開始剤 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│ 9.0│ 9.0│
│ │ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ 1.0│ 1.0│ 1.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│希釈溶剤 (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│〔乳酸エチル〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┴────┘
表2

┌───────────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例6│実施例7│実施例8│実施例9│実施例10│
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│単官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │ − │ − │63.7│63.7│
│ │ │ │ │ │ │
│ IO−A (部)│63.7│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IAA (部)│ − │63.7│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IBA (部)│ − │ − │63.7│ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│多官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│13.0│13.0│13.0│13.0│13.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│光重合開始剤 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ 1.0│ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.184(部)│ − │ − │ − │ 3.0│ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.819(部)│ − │ − │ − │ − │ 5.0│
│ │ │ │ │ │ │
│ BMS (部)│ − │ − │ − │ 2.0│ − │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│希釈溶剤 (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│〔乳酸エチル〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┴────┘
表3

┌───────────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例11│実施例12│実施例13│実施例14│実施例15│
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│顔料分散剤としての │ │ │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│単官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ AIN (部)│63.7│46.7│63.7│63.7│63.7│
│ │ │ │ │ │ │
│ IO−A (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IAA (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│多官能モノマー │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│13.0│13.0│13.0│13.0│13.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│光重合開始剤 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 3.0│ 9.0│10.0│ − │ 9.0│
│ │ │ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ − │ 1.0│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.184(部)│ 3.0│ − │ − │10.0│ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ IRG.819(部)│ 3.0│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ BMS (部)│ 1.0│ − │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │ │
│ CTX (部)│ − │ − │ − │ − │ 1.0│
│ │ │ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│希釈溶剤 (部)│ − │ − │ − │ − │ − │
│〔乳酸エチル〕 │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┴────┴────┘
表4

┌───────────┬────┬────┬────┐
│ │比較例1│比較例2│比較例3│
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│顔料分散剤としての │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│単官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ AIN (部)│72.7│21.7│43.7│
│ │ │ │ │
│ IO−A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ IAA (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ IBA (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ PO−A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│多官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│ 4.0│55.0│13.0│
│ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ NP−A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│光重合開始剤 │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 9.0│
│ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ 1.0│
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│希釈溶剤 (部)│ − │ − │20.0│
│〔乳酸エチル〕 │ │ │ │
│ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┘
表5

┌───────────┬────┬────┬────┐
│ │比較例4│比較例5│比較例6│
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│顔 料 (部)│ 5.0│ 5.0│ 5.0│
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│顔料分散剤としての │ │ │ │
│高分子化合物 (部)│ 8.3│ 8.3│ 8.3│
│〔BYK−168〕 │ │ │ │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│単官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ AIN (部)│ − │51.7│68.7│
│ │ │ │ │
│ IO−A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ IAA (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ IBA (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ PO−A (部)│21.7│ − │ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│多官能モノマー │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ DPE−6A (部)│55.0│ − │13.0│
│ │ │ │ │
│ PE−4A (部)│ − │ − │ − │
│ │ │ │ │
│ NP−A (部)│ − │25.0│ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│光重合開始剤 │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ IRG.907(部)│ 9.0│ 9.0│ 5.0│
│ │ │ │ │
│ DET−X (部)│ 1.0│ 1.0│ − │
│ │ │ │ │
├───────────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │
│希釈溶剤 (部)│ − │ − │ − │
│〔乳酸エチル〕 │ │ │ │
│ │ │ │ │
└───────────┴────┴────┴────┘
つぎに、上記の実施例1〜15の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物A〜Oおよび比較例1〜6の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物P〜Uについて、その粘度(mPa・s/25℃)、分散平均粒子径、表面張力、70℃/7日の条件下での保存安定性を、下記の方法により、測定した。これらの結果を、表6に示した。

<粘度>
R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、コーンの回転数20rpmの条件下で、粘度を測定した。

<分散平均粒子径>
粒度分布測定装置N4−PLUS(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計)を用いて、顔料粒子の分散平均粒子径を測定した。

<表面張力>
全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)を用いて、インク組成物の温度を25℃にして、表面張力を測定した。

<保存安定性>
インク組成物を温度70℃の条件下に7日間保管し、このときの粘度変化を調べ、下記の基準で評価した。

○:粘度変化が10%未満である
×:粘度変化が10%以上である

















表6

┌────┬───────┬───────┬──────┬─────┐
│ │粘度〔25℃〕│分散平均粒子径│ 表面張力 │保存安定性│
│ │(mPa・s)│ (nm) │(mN/m)│ │
├────┼───────┼───────┼──────┼─────┤
│実施例1│ 5.5 │ 110.0 │ 29.0 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ 6.0 │ 150.0 │ 28.6 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ 6.0 │ 155.0 │ 28.8 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ 5.0 │ 105.0 │ 29.1 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ 5.0 │ 110.0 │ 29.1 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ 5.5 │ 110.0 │ 29.1 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ 5.0 │ 110.0 │ 28.8 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例8│ 4.7 │ 110.0 │ 28.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例9│ 5.5 │ 110.0 │ 28.8 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例10│ 5.5 │ 110.0 │ 28.5 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例11│ 5.5 │ 110.0 │ 28.6 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例12│ 21.1 │ 110.0 │ 28.4 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例13│ 6.0 │ 110.0 │ 28.7 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例14│ 5.5 │ 110.0 │ 28.6 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例15│ 5.6 │ 110.0 │ 29.0 │ ○ │
├────┼───────┼───────┼──────┼─────┤
│比較例1│ 4.5 │ 110.0 │ 28.9 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ 55.0 │ 110.0 │ 29.0 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例3│ 4.8 │ 110.0 │ 29.1 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例4│ 71.5 │ 110.0 │ 29.0 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例5│ 2.8 │ 110.0 │ 30.5 │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│比較例6│ 5.3 │ 110.0 │ 29.1 │ ○ │
└────┴───────┴───────┴──────┴─────┘
つぎに、上記の実施例1〜15の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物A〜Oおよび比較例1〜6の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物P〜Uについて、各インク組成物の連続吐出性、硬化性および基材密着性を、下記の方法により、測定した。これらの結果を、表7に示した。

<連続吐出性>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置により、インク組成物を用いて記録媒体への記録を行い、下記の基準で評価した。

なお、インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、ピエゾヘッドからなり、液滴サイズは約7plとし、600×600dpi(dpiとは2.54cmあたりのドットの数をいう)の解像度で射出できるよう、駆動周波数10KHzにて駆動した。

○:30分連続出射で吐出不良が全く生じない
△:30分連続出射でノズル欠が生じないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射でノズル欠が生じる

<硬化性>
ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる記録媒体上に、インク組成物をバーコーター(#12)により印刷塗布して、10μmの印字膜を形成し、メタルハライドランプ(120W)を用いてトータル照射光量が300mJ/cm2 となるように照射して、硬化させた。

このように硬化させた印字物を指で触り、指へのインク付着の有無を目視で調べ、下記の基準で評価した。

○:指に付着しない
△:指に付着しないが、印字物表面に傷がつく
×:指に付着する

<基材密着性>
ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる記録媒体上に、インク組成物をバーコーター(#12)により印刷塗布して、10μmの印字膜を形成し、メタルハライドランプ(120W)を用いてトータル照射光量が300mJ/cm2 となるように、照射して硬化させた。

このように硬化させた印字物を、JIS−K−5400に準じて、1mm角の100個の碁盤目試験を実施して、セロハンテープにより剥離状態を確認した。100個中の接着数(剥離されないで残った碁盤目の数)を調べ、下記の基準で評価した。

○:碁盤目試験にて剥離数が10個以下である
△:碁盤目試験にて剥離数が20個以下である
×:碁盤目試験にて剥離数が21個以上である
表7
┌────┬─────┬─────┬───────────┐
│ │連続吐出性│ 硬化性 │ 基材密着性 │
│ │ │ ├─────┬─────┤
│ │ │ │ PVC │ PET │
├────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│実施例1│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例8│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例9│ ○ │ ○ │ ○ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例10│ ○ │ ○ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例11│ ○ │ ○ │ ○ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例12│ △ │ ○ │ ○ │ ○ │
│ │ │ │ │ │
│実施例13│ ○ │ △ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例14│ ○ │ △ │ △ │ △ │
│ │ │ │ │ │
│実施例15│ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
├────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│比較例1│ ○ │ × │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ × │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│比較例3│ ○ │ ○ │ △ │ × │
│ │ │ │ │ │
│比較例4│ × │ − │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│比較例5│ ○ │ × │ − │ − │
│ │ │ │ │ │
│比較例6│ ○ │ × │ − │ − │
└────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
上記の結果より明らかなように、本発明の構成を採用した実施例1〜15の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物A〜Oは、いずれも、インク組成物としての適性を備えて保存安定性にもすぐれ、連続吐出安定性、硬化性および基材密着性をすべて満足し、インクジェット方式により室温で安定な印字を行えることがわかる。

これに対し、本発明の構成を採らない比較例1〜6の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物P〜Uは、連続吐出安定性、硬化性および基材密着性のいずれかに劣り、インクジェット方式により室温で安定な印字を行えないことがわかる。

Claims (10)

  1. 色材、単官能モノマー、2官能以上の多官能モノマーおよび光重合開始剤を含むエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、インク組成物全体中、上記の単官能モノマーの量が30〜90重量%、上記の多官能モノマーの量が10〜50重量%、光重合開始剤の量が6〜20重量%であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜35mPa・sであることを特徴とするエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  2. 多官能モノマーが3官能以上であり、インク組成物全体の粘度が25℃で3〜20mPa・sである請求項1に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  3. 単官能モノマーの粘度が25℃で0.5〜6mPa・sである請求項1または2に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  4. 光重合開始剤が2種以上からなる請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  5. 光重合開始剤として、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オンと、チオキサントン類の中から選ばれる化合物とを少なくとも含む請求項4に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  6. 色材が有機顔料または/および無機顔料である請求項1〜5のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  7. 有機顔料または/および無機顔料の量が、インク組成物全体中、1〜10重量%である請求項6に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  8. 顔料分散剤として高分子化合物を含有する請求項6または7に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  9. 高分子化合物の量が、有機顔料または/および無機顔料に対して、5〜150重量%である請求項8に記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

  10. 25℃における表面張力が20〜40mN/mである請求項1〜9のいずれかに記載のエネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。

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