JP4213801B2 - 溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジュース、食用油等の液体を収容した缶あるいは合成樹脂製容器に離脱自在に装着されて使用される容器蓋であって、上壁と上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、上壁の該側壁が形成された周縁部には排液口が形成されている、合成樹脂から一体に成形された容器蓋、更に詳しくは上記側壁に溢液吸収材保持手段が配設された容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば食用油を収容した金属製の容器である缶において、食用油の使用時には、一般に缶の上壁の周縁部が缶用の孔あけ具あるいは缶切り等を利用して少なくとも1箇所開口される。四角い缶の場合、この開口箇所は一般に缶の上壁に記されている。そして予めその缶に合わせて用意された容器蓋が、容器蓋に配設された排液口が缶の上記開口の一つに整合されてその上壁を覆うように装着され、容器蓋の排液口から容器内の食用油が注出される。上記形態の容器蓋の典型例としては、例えば実公平4−54133号公報に開示された合成樹脂製容器蓋を挙げることができる。同公報に開示された容器蓋は、キャップ形状の取付け部材と、取付け部材に係合固定されたキャップ部材とから構成されている。取付け部材は頂壁と頂壁の周縁から垂下する筒状側壁とを有しており、側壁の下端部内周縁には容器の上端外周縁に係止される取付部が配設され、頂壁には排液口(口部)が立設されている。キャップ部材は、軟質材からなる板と、板の前端部に設けられたキャップ体と、板の後端部に設けられた係合部とを含み、キャップ部材は板の係合部を介して取付け部材に係合固定されている。キャップ体は取付け部材の排液口を開口自在に閉塞している。以上のように構成された容器蓋は、その排液口が容器の上壁開口に整合されて容器の上壁を覆うよう取付部を介して装着され、食用油の使用時には容器蓋のキャップ体を開いて排液口を開口し、容器を注出方向に傾けて容器内に収容した食用油を排液口から適宜に注出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の容器蓋においては、食用油の注出時におけるいわゆる液切れを良好にするために、取付け部材の頂壁に上記の如く排液口が立設されている。しかしながら、液体が特に食用油の如く粘性の比較的強い液体の場合には、注出終了直後における液切れを完全に除去することは、排液口の形状が種々改良された現状においても著しく困難であることは実用上明らかであり、未だにこの要求を完全に満足すべき容器蓋は得られていない。したがって上記従来の容器蓋を使用した場合には、食用油を注出した直後の排液口における液切れが不完全であることに起因して、排液口から垂れ流れたりあるいは滴下した食用油が容器の側面を伝ってその底部まで垂れ流れ、容器の側面を汚す、また容器の側面を伝ってその底部まで垂れ流れた食用油が容器の底部から落下してその下方の周辺を汚したり容器が置かれる場所を汚す、あるいはまた排液口から滴下した食用油が容器を介さず直接落下して注出作業が行なわれる下方の周辺を汚す、等の不具合を招いていた。
【0004】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことのない、新規な溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができる溢液吸収材の着脱が容易でありしたがって実用上便利である、新規な溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができる溢液吸収材を安定して保持することができる、新規な溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、構造が簡単で成形が容易であり、したがって低コストで製造することができる、新規な溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0008】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上壁と該上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、該上壁の該側壁が形成された周縁部には排液口が形成されている、合成樹脂から一体に成形された容器蓋において、
該側壁には該排液口の配設位置に整合せしめて配置された溢液吸収材保持手段が配設されており、該溢液吸収材保持手段は、少なくとも一端は該側壁に接続され且つ該側壁に沿って延びる主部を有するストリップ片から構成されており、該ストリップ片に力を加えて弾性的に変形せしめて該ストリップ片の該主部を該側壁から遠ざけ、次いで該ストリップ片の該主部と該側壁との間に溢液吸収材を位置せしめ、しかる後に該ストリップ片に加えていた力を解放することによって、該ストリップ片の該主部と該側壁との間に該溢液吸収材を弾性的に挟持することができる、ことを特徴とする容器蓋、が提供される。
【0010】
該ストリップ片は周方向に間隔をおいて該側壁から延出する両端部を有し、該ストリップ片の該主部は該両端部間を該側壁に沿って周方向に延びており、該両端部は該側壁から相互に離隔する方向に延出し、該両端部の各々と該主部とが形成する角度αは鋭角である、ことが好ましい。また、該ストリップ片は該側壁から延出する一端部を有し、該ストリップ片の該主部は該一端部に続いて該側壁に沿って周方向又は上方に延びている、ことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を図1〜図5を参照して更に詳細に説明する。なお図1〜図5において、実質上同一部分は同一符号で示されている。先ず図1及び図2を参照して、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂から一体に成形することができる容器蓋2は、実質上平坦でかつ円形状周縁を有する上壁4と、上壁4の周縁から垂下する円筒形状の側壁6とを有している。上壁4の周縁部には排液口8が形成されている。排液口8は上壁4から上方に延びる円筒形状の注出案内壁10を含んでいる。注出案内壁10の基端部外周面には、その全周にわたって被係止突条12が形成されている。注出案内壁10はキャップ14により開口自在に閉じられる。キャップ14は、円形状周縁を有する天壁16と、天壁16の周縁から垂下するスカート壁18とを備え、細長い柔軟なバンド20によって側壁6の上端に一体に連結されている。キャップ14のスカート壁18の開口端部の内周面には、その全周にわたって係止突条22が形成されており、また天壁16にはその内側から下方に延びる円筒形状のシール壁24が形成されている。図1に示されているように、キャップ14の係止突条22が注出案内壁10の被係止突条12に離脱自在に係止されかつキャップ14のシール壁24の外周面が注出案内壁10の開口端部の内周面に離脱自在に密着して嵌合されることにより、排液口8はキャップ14によって開口自在に閉じられる。容器蓋2の側壁6の開口端部の内周面には、その全周にわたって係止突条26が形成されており、また上壁4にはその内側から下方に延びる円筒形状のシール壁28が形成されている。
【0012】
容器蓋2の側壁6には排液口8の配設位置に整合せしめて配置された溢液吸収材保持手段30が形成されている。溢液吸収材保持手段30は、少なくとも一端は側壁6に接続され且つ側壁6に沿って周方向に円弧状に延びる主部32aを有するストリップ片32から構成されている。図1及び図2に示す実施形態においては、ストリップ片32は、周方向に間隔をおいて側壁6から延出する一対の端部34を有し、主部32aは端部34の各々間を側壁6に沿って周方向に延びている。両端部34は側壁6から相互に離隔する方向に延出し、両端部34の各々と主部32aとが形成する角度αは鋭角である(図2参照)。主部32aと両端部34の各々からなるストリップ片32は、略一定の厚さと一定の上下方向幅を有しており、全体として帯形状をなしている。以上のように構成されたストリップ片32の主部32aに力を加えて弾性的に変形せしめて主部32aを側壁6から遠ざけ、次いで主部32aと側壁6との間に溢液吸収材36を位置せしめ、しかる後に主部32aに加えていた力を解放することによって、主部32aと側壁6との間に溢液吸収材36を弾性的に挟持することができる。溢液吸収材36は、綿、ティッシュペーパ、その他の適宜の材料から構成される。
【0013】
番号100は、それ自体周知の構成でよい金属製の容器である缶であって、円筒形状の胴部102と、胴部102の上端及び下端にカール結合された上壁104及び底壁106とを備えている。したがって缶100の上端部外周面及び底部外周面にはカール結合部からなる環状突条108及び110が形成されている。缶100の上端部外周面及び底部外周面に環状突条108及び110が形成されていることに起因して、缶100の上面及び底面には円形凹部が形成される。胴部102が円形状の断面を有しているので、上壁104、底壁106、環状突条108及び110は平面図において円形状をなしている。缶100内には図示しない食用油が収容されている。そして食用油の使用時には、缶100の上壁104の周縁部が例えば缶用の孔あけ具により開口される。図1の番号112はこのようにしてあけられた開口を示している。缶100の上壁104に開口112が形成された後、容器蓋2がその排液口8が開口112に整合されて上壁104を覆うよう装着される。具体的には、容器蓋2は、その側壁6の内周面に形成された係止突条26が缶100の環状突条108の軸方向下端に係止され、シール壁28の外周面が環状突条108の、上壁104から上方に突出した内周面に密着して嵌合されることにより缶100に離脱自在に装着される。そして注出案内壁10からキャップ14を離脱して排液口8を開き、缶100を注出方向(図1において反時計方向)に傾けることにより食用油を注出案内壁10から所望のとおりに注出することができる。食用油の注出終了後、注出案内壁10はキャップ14により閉じられて次の使用に備えられる。
【0014】
先に述べた如く、食用油の注出終了直後における液切れを完全に除去することは著しく困難であり、したがって注出案内壁10から食用油が垂れ流れたり滴下したりする場合が生ずる。しかしながら本発明に係る容器蓋2においては、上記の如く、側壁6に排液口8すなわち注出案内壁10の配設位置に整合せしめて配置された溢液吸収材保持手段30が形成されており、溢液吸収材保持手段30は、周縁方向に間隔をおいて側壁6から延出する両端部34と、両端部34間を側壁6に沿って周方向に延びる主部32aとを含むストリップ片32から構成され、主部32aと側壁6との間に溢液吸収材36を弾性的に挟持することができるよう構成されているので、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油は、缶100の側面である胴部102の表面に達する手前で、あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺に直接落下する手前で、溢液吸収材保持手段30の溢液吸収材36によって受け止められ、溢液吸収材36によって確実に吸収される。その結果、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油が缶100の側部である胴部102の表面を伝ってその底部である環状突条110まで垂れ流れ、缶100の胴部102の表面を汚すことが防止される。また缶100の胴部102の表面を伝ってその環状突条110まで垂れ流れた食用油が環状突条110から落下してその下方周辺を汚したり缶100が置かれる場所を汚すことが防止される。あるいはまた注出案内壁10から滴下した食用油が缶100を介さず直接落下して注出作業が行なわれる下方の周辺を汚すことも防止される。
【0015】
また本発明に係る容器蓋2においては、溢液吸収材保持手段30のストリップ片32の主部32aに力を加えて弾性的に変形せしめて主部32aを側壁6から遠ざけ、次いで主部32aと側壁6との間に溢液吸収材36を位置せしめ、しかる後に主部32aに加えていた力を解放することによって、主部32aと側壁6との間に溢液吸収材36を弾性的に挟持することができるので、誰でもが溢液吸収材36の着脱を容易に遂行することができ(交換も容易であり)、またストリップ片32の弾性によって溢液吸収材36を安定して保持することができるので、実用上きわめて便利である。またストリップ片32の両端部34の各々と主部32aとが形成する角度αが鋭角であることに起因して、ストリップ片32の弾性変形を容易にせしめ、溢液吸収材36の着脱の容易性を向上させる。なお角度αが鋭角でない実施形態の場合、上記弾性変形量は低下するが、本発明が成立することには変わりはない。使用者は適宜の溢液吸収材36を自由に選んで使用することができるので、この面においても使い易いといえる。もちろん、メーカーサイドにおいても、出荷時に溢液吸収材36を装着することも可能である。
【0016】
上記した溢液吸収材保持手段30は、周縁方向に間隔をおいて側壁6から延出する両端部34と、両端部34間を側壁6に沿って周方向に延びる主部32aとを含むストリップ片32から構成されているが、図3に示されているように、ストリップ片32が、側壁6から延出する一端部35を有し、ストリップ片32の主部32aが一端部35に続いて側壁6に沿って周方向に円弧状に延びている他の実施形態もある。この実施形態においては、ストリップ片32の弾性変形操作が一層容易となり、溢液吸収材36の着脱の容易性を一層向上させることができる。なお図3において、符号32bは、主部32aの内側に形成された複数個のリブを示している。実施形態におけるリブ32bの各々は、主部32aの内側において周方向に間隔をおいて上下方向に延在するよう形成されている。主部32aの内側に複数個のリブ32bを形成することによって、溢液吸収材36の保持が効果的に遂行される。もちろん図1及び図2の実施形態においても、前記と同様な複数個のリブを設けることは、溢液吸収材36の保持効果を向上させる上で好ましい。また上記の如きリブは、主部32aの内側において上下方向に間隔をおいて周方向に延在するよう複数個設けることも可能である。更にはまた、主部32aの内側において、不連続の突起を複数個形成する実施形態もある。
【0017】
溢液吸収保持手段30は、側壁6に両端部34と主部32aとからなるストリップ片32を形成することにより、あるいはまた側壁6に一端部35と主部32aとからなるストリップ片32を形成することにより構成されるので、構造が簡単で成形がきわめて容易であり、したがって容器蓋2全体として低コストで製造することができる。
【0018】
上記説明から容易に理解されるように、本発明に従って構成された容器蓋2によれば、缶100自体の汚れ、缶100が置かれる場所の汚れあるいは食用油の注出作業が行なわれる下方の周辺の汚れ等を心配することなく、食用油の注出を行うことができるので、主婦等は安心して料理に集中することができ、実用上きわめて有用である。
【0019】
次に図4及び図5を参照して、本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態について説明する。例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂から一体に成形することができる容器蓋40は、実質上平坦で矩形状の周縁を有する上壁42と、上壁42の周縁の少なくとも一部である一側から垂下する側壁44とを有している。側壁44は、図5に示す如き平面図において、該周縁の一側に沿って周方向(周縁の周方向)に直線状に延びている。上壁42には排液口8が形成されている。排液口8は上壁42から上方に延びる円筒形状の注出案内壁10を含んでいる。注出案内壁10の下方の一部は上壁42から下方に延び出している。上壁42から下方に延び出した注出案内壁10の下端部外周面には、その全周にわたって係止突条46が形成されている。上壁42には注出案内壁10の外側から下方に延びる円筒形状のシール壁48が形成されている。シール壁48の上壁42から下方への突出長さは、注出案内壁10の上壁42から下方への突出長さよりも短く規定されている。注出案内壁10を開口自在に閉じるキャップ14は、細長い柔軟なバンド20によって上壁42の周縁の他の一側に連結されている。
【0020】
容器蓋40の側壁44には排液口8の配設位置に整合せしめて配置された溢液吸収材保持手段30が形成されている。溢液吸収材保持手段30は、周縁方向に間隔をおいて側壁6から延出する両端部34と、両端部34間を側壁44に沿って周方向に直線状に延びる主部32aとを含むストリップ片32から構成されている。溢液吸収材保持手段30を含む容器蓋40のその他の構成は、先に述べた容器蓋2の構成と実質上同一であるので、実質上同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。
【0021】
番号200は金属製の容器である缶であって、図1に示す缶100と相違する構成は、胴部102の断面が実質上矩形状をなしている(したがって上壁104、底壁106、環状突条108及び110も、平面図において、実質上矩形状をなしている)ので、実質上同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。缶200内には図示しない食用油が収容されている。そして食用油の使用時には、缶200の上壁104の所定の周縁部が開口される。図4の番号114は円形状をなす貫通孔を示すが、この貫通孔114は予め上壁104に形成されているもので、非使用時には例えば図示しないアルミ製のシール部材が貼着されることにより封止され、使用時には、このシール部材を剥がすことによって開口される。缶200の上壁104の貫通孔114が開口された後、容器蓋40がその排液口8が貫通孔114に整合されて上壁104を覆うよう装着される。具体的には、容器蓋40は、注出案内壁10の下端部が貫通孔114を貫通して缶200内に挿入され、注出案内壁10の係止突条46が貫通孔114の周縁を越えた下方に係止され、シール壁48の下端が上壁104の上面に密着され、側壁44の内側面が缶200の環状突条108の一側外周面に当接されることにより、缶200に離脱自在に装着される。シール壁48の外周面の一部は、缶200の環状突条108の内周面の一部に当接され、側壁44の内側面と協働して環状突条108の一側の一部を挟持する。そして注出案内壁10からキャップ14を離脱して排液口8を開き、缶200を注出方向(図4において反時計方向)に傾けることにより食用油を注出案内壁10から所望のとおりに注出することができる。食用油の注出終了後、注出案内壁10はキャップ14により閉じられて次の使用に備えられる。
【0022】
上記容器蓋40は上記の如く構成されているが、装着される缶200の形態が缶100と相違することに合わせて容器蓋2とは構成が相違している。しかしながら容器蓋40における溢液吸収材保持手段30の構成は、上記説明から明らかなように、容器蓋2における溢液吸収材保持手段30の構成と実質上同様な形態をなしているので、容器蓋40における作用効果は、先に述べた容器蓋2における作用効果と実質上同一であり、したがって更なる説明は省略する。
【0023】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、本発明に従って構成された容器蓋2及び40を、食用油を収容した缶100及び200に適用した実施形態に基づいて説明したが、もちろんこの実施形態に限定される理由はなく、例えば、食用油を収容した合成樹脂製の容器、あるいはまた、食用油以外の他の液体、例えばジュース等の飲料水が収容された缶あるいは合成樹脂製の容器に適用されることはいうまでもない。また図3に示す本発明の実施形態において、ストリップ片32は側壁6から延出する一端部35を有し、ストリップ片32の主部32aは一端部35に続いて側壁6に沿って周方向に延びているが、側壁6の垂下する長さを更に長く形成すると共に一端部35を側壁6の下方に形成しかつストリップ片32の主部32aを一端部35に続いて側壁6に沿って上方に延びるよう構成する他の実施形態も考えられる。この実施形態の場合、ストリップ片32の幅(側壁6に沿った周方向に延在する幅)は、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油を吸収した溢液吸収材36を、確実に保持することができるに充分な広い幅に規定する必要がある。更にストリップ片32の幅はまた、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油を、ストリップ片32によって挟持した溢液吸収材36によって、確実に受け止めることができるに充分な広い幅に規定する必要がある。またキャップ14を容器蓋2又は容器蓋40の一部として連結する手段として、実施形態では細長い柔軟なバンド20が使用されているがこれに限られるものではなく、バンドに代えて種々のヒンジによる連結機構であってもよい。またキャップ14も嵌め込み式のものに限定される理由はなく、ねじ式のものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る溢液吸収材保持手段を備えた容器蓋によれば、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことが確実に防止される。また排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができる溢液吸収材の着脱が容易でありしたがって実用上便利である。更にはまた、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができる溢液吸収材を安定して保持することができる。更にはまた、構造が簡単で成形が容易であり、したがって低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の実施形態を缶に装着した状態で示す側面図であって一部を縦断して示す側面図。
【図2】図1に示す容器蓋の上面縮小図。
【図3】本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を示す上面図。
【図4】本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を缶に装着した状態で示す縦断面図であって、缶の下方を省略した縦断面図。
【図5】図4に示す容器蓋及び缶の上面図。
【符号の説明】
2、40 容器蓋
4、42 上壁
6、44 側壁
8 排液口
10 注出案内壁
14 キャップ
30 溢液吸収材保持手段
32 ストリップ片
32a 主部
34 端部
35 一端部
36 溢液吸収材
100、200 缶
Claims (3)
- 上壁と該上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、該上壁の該側壁が形成された周縁部には排液口が形成されている、合成樹脂から一体に成形された容器蓋において、
該側壁には該排液口の配設位置に整合せしめて配置された溢液吸収材保持手段が配設されており、該溢液吸収材保持手段は、少なくとも一端は該側壁に接続され且つ該側壁に沿って延びる主部を有するストリップ片から構成されており、該ストリップ片に力を加えて弾性的に変形せしめて該ストリップ片の該主部を該側壁から遠ざけ、次いで該ストリップ片の該主部と該側壁との間に溢液吸収材を位置せしめ、しかる後に該ストリップ片に加えていた力を解放することによって、該ストリップ片の該主部と該側壁との間に該溢液吸収材を弾性的に挟持することができる、ことを特徴とする容器蓋。 - 該ストリップ片は周方向に間隔をおいて該側壁から延出する両端部を有し、該ストリップ片の該主部は該両端部間を該側壁に沿って周方向に延びており、該両端部は該側壁から相互に離隔する方向に延出し、該両端部の各々と該主部とが形成する角度αは鋭角である、請求項1記載の容器蓋。
- 該ストリップ片は該側壁から延出する一端部を有し、該ストリップ片の該主部は該一端部に続いて該側壁に沿って周方向又は上方に延びている、請求項1記載の容器蓋。
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