JP4316708B2 - 溢液収容手段を備えた容器蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジュース、食用油等の液体を収容した缶あるいは合成樹脂製容器に離脱自在に装着されて使用される容器蓋であって、上壁と上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、上壁の側壁が形成された周縁部には排液口が形成されている、合成樹脂から一体に成形された容器蓋、更に詳しくは上記側壁に溢液収容手段が配設された容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば食用油を収容した金属製の容器である缶において、食用油の使用時には、一般に缶の上壁の周縁部が缶用の孔あけ具あるいは缶切り等を利用して少なくとも1箇所開口される。四角い缶の場合、この開口箇所は一般に缶の上壁に記されている。そして予めその缶に合わせて用意された容器蓋が、容器蓋に配設された排液口が缶の上記開口の一つに整合されてその上壁を覆うように装着され、容器蓋の排液口から容器内の食用油が注出される。上記形態の容器蓋の典型例としては、例えば実公平4−54133号公報に開示された合成樹脂製容器蓋を挙げることができる。同公報に開示された容器蓋は、キャップ形状の取付け部材と、取付け部材に係合固定されたキャップ部材とから構成されている。取付け部材は頂壁と頂壁の周縁から垂下する筒状側壁とを有しており、側壁の下端部内周縁には容器の上端外周縁に係止される取付部が配設され、頂壁には円筒形状の排液口(口部)が立設されている。円筒形状の排液口の周囲には環状壁(周壁)が設けられ、排液口の外周面と環状壁との間には環状の溝が形成されている。キャップ部材は、軟質材からなる板と、板の前端部に設けられたキャップ体と、板の後端部に設けられた係合部とを含み、キャップ部材は板の係合部を介して取付け部材に係合固定されている。キャップ体は取付け部材の排液口を開口自在に閉塞している。以上のように構成された容器蓋は、その排液口が容器の上壁開口に整合されて容器の上壁を覆うよう取付部を介して装着され、食用油の使用時には容器蓋のキャップ体を開いて排液口を開口し、容器を注出方向に傾けて容器内に収容した食用油を排液口から適宜に注出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の容器蓋においては、食用油の注出時におけるいわゆる液切れを良好にするために、取付け部材の頂壁に上記の如く排液口が立設されている。しかしながら、液体が特に食用油の如く粘性の比較的強い液体の場合には、注出終了直後における液切れを完全に除去することは、排液口の形状が種々改良された現状においても著しく困難であることは実用上明らかであり、未だにこの要求を完全に満足すべき容器蓋は得られていない。上記従来の容器蓋においては、注出終了直後における液切れを完全に除去することができないことに起因して、食用油が排液口の外周面に垂れ流れたり排液口から直接滴下したりする不具合が発生している。上記従来の容器蓋においては、排液口の外周面と環状壁との間に環状の溝が形成されているので、排液口の外周面に垂れ流れた食用油はこの溝内に一時的に回収することができる。しかしながら次に食用油を注出する場合には、容器蓋の傾きにより、上記溝内に回収された食用油が環状壁を乗り越えて垂れ流れたり、直接溝の外方に垂れ流れたりする不具合が生じていた。この課題を解消するため、上記溝を食用油の注出方向と反対の方向に下方に傾斜するよう形成し、更に傾斜した溝の最低部に容器の上壁開口と連通する戻し孔を形成した従来技術もすでに知られている。しかしながらこの従来技術においても、溝内に回収された食用油を容器内に完全に戻すことはできず、溝内における食用油の残留を防ぐことができないので、次に食用油を注出する場合には再び上記した如き不具合が発生してしまう。したがって上記従来の容器蓋を使用した場合には、食用油を注出した直後の排液口における液切れが不完全であることに起因して、排液口から垂れ流れたりあるいは滴下した食用油が容器の側面を伝ってその底部まで垂れ流れ、容器の側面を汚す、また容器の側面を伝ってその底部まで垂れ流れた食用油が容器の底部から落下してその下方の周辺を汚したり容器が置かれる場所を汚す、あるいはまた排液口から滴下した食用油が容器を介さず直接落下して注出作業が行なわれる下方の周辺を汚す、等の不具合を招いていた。
【0004】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に収容することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことのない、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、液体の注出方向へ傾けられても既に収容された液体の流出を確実に防止することができる、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0006】
本発明の更に他の目的は、液体の注出方向に対しその側方へ傾けることによって既に収容された液体を容易かつ確実に排出することができる、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことのない、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて吸収するための溢液吸収材の収容及び取出が容易である、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて吸収するための溢液吸収材を安定して保持することができる、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、構造が簡単で成形が容易であり、したがって低コストで製造することができる、新規な溢液収容手段を備えた容器蓋を提供することである。
【0011】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された溢液収容手段を備えた容器蓋の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上壁と該上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、該上壁の該側壁が形成された周縁部には上方に延びる円筒形状の注出案内壁が形成され、該注出案内壁の内周側が内容液の排液口を形成しかつ胴部を有する容器に装着される、合成樹脂から一体に成形された容器蓋において、該側壁には該排液口が形成された該注出案内壁の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段が形成されており、該溢液収容手段は、該上壁よりも下方に位置しかつ該側壁及び装着される容器の胴部の外方に位置付けられるとともに、該側壁から外方に延びる底壁部と該底壁部から上方に延びる外壁部とを有し、該底壁部及び該外壁部が該側壁と協働して溢液収容空間を規定しており、該外壁部は、該側壁に沿って延びる主部と、該主部の周方向両端において該側壁から外方に延びて主部に連続する側部とを有し、該外壁部の該側部の各々を除く該主部の上端部内面には、折り返し可能に溢液漏出防止壁部が設けられ、該溢液漏出防止壁部は上方に向かって内方に傾斜して延びる状態に成形した後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返されて形成され、該外壁部の該主部は、平面図において、両端部から周方向中心に向かって、該外壁部の周方向中心と該排液口の中心とを結ぶ直線に対して垂直で且つ該排液口の中心を通って延びる直線からの離間寸法が漸次増大する形状であり、該溢液漏出防止壁部の、平面図において、該外壁部の該側部の各々を除く該主部に接続された基端から自由端までの延出長さは周方向中心から周方向両側に向かって漸次減少せしめられている、ことを特徴とする容器蓋、が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を図1〜図6を参照して更に詳細に説明する。なお図1〜図6において、実質上同一部分は同一符号で示されている。先ず図1〜図3を参照して、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂から一体に成形することができる容器蓋2は、実質上平坦でかつ円形状周縁を有する上壁4と、上壁4の周縁から垂下する円筒形状の側壁6とを有している。上壁4の周縁部には排液口8が形成されている。排液口8は上壁4から上方に延びる円筒形状の注出案内壁10を含んでいる。注出案内壁10の基端部外周面には、その全周にわたって被係止突条12が形成されている。注出案内壁10はキャップ14により開口自在に閉じられる。キャップ14は、円形状周縁を有する天壁16と、天壁16の周縁から垂下するスカート壁18とを備え、細長い柔軟なバンド20によって側壁6の上端に一体に連結されている。キャップ14のスカート壁18の開口端部の内周面には、その全周にわたって係止突条22が形成されており、また天壁16にはその内側から下方に延びる円筒形状のシール壁24が形成されている。図1及び図3に示されているように、キャップ14の係止突条22が注出案内壁10の被係止突条12に離脱自在に係止されかつキャップ14のシール壁24の外周面が注出案内壁10の開口端部の内周面に離脱自在に密着して嵌合されることにより、排液口8はキャップ14によって開口自在に閉じられる。容器蓋2の側壁6の開口端部の内周面には、その全周にわたって係止突条26が形成されており、また上壁4にはその内側から下方に延びる円筒形状のシール壁28が形成されている。
【0015】
容器蓋2の側壁6には排液口8の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段30が形成されている。溢液収容手段30は、側壁6から外方に延びる底壁部32と、底壁部32から上方に延びる外壁部34とを有している。底壁部32及び外壁部34は側壁6と協働して溢液収容空間Sを規定している。側壁6は上壁4の周縁から垂下する円筒形状であり、外壁部34は、側壁6に沿って延びる円弧状主部34aと、主部34aの周方向両端において側壁6から外方に延びて主部34aに連続する側部34bを有している。側部34bの各々は外壁部34の周方向の両端部を規定する。外壁部34の主部34aは、図2に示す如き平面図において、その周方向中心に向かって、主部34aの周方向中心と排液口8の中心Oとを結ぶ直線L1に対して垂直で且つ排液口8の中心Oを通って延びる直線L2からの離間寸法が漸次増大する形状に形成される。もちろん主部34aだけではなく、側部34bの各々を含む外壁部34の全てをこのような形状とする実施形態もある(例えば、側部34bの各々は図2に示すように直線L1に平行に延びているが、側壁6から主部34aに向かうに従って直線L1に近付く方向に傾斜して延びるような実施形態、あるいは外壁部34全体が、平面図において、放物線状に延在する、あるいは図5に示す如き円弧状に延在するような実施形態)。
【0016】
外壁部34の上端部内面には、上方に向かって内方に傾斜して延びる状態(図3の2点鎖線参照)に成形した後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返された溢液漏出防止壁部36が付設されている。更に具体的に説明すると、溢液漏出防止壁部36は、外壁部34の周方向の両端部である側部34bの各々を除く主部34aの上端部内面に付設されている。図3に明確に示されているように、溢液漏出防止壁部36の肉厚は、外壁部34の主部34aに接続された基端から自由端に向かって漸次増大せしめられている。溢液漏出防止壁部36の、図2に示す如き平面図において、外壁部34の主部34aに接続された基端から自由端までの延出長さは、周方向の全長にわたって略一定にせしめられている。
【0017】
番号100は、それ自体周知の構成でよい金属製の容器である缶であって、円筒形状の胴部102と、胴部102の上端及び下端にカール結合された上壁104及び底壁106とを備えている。したがって缶100の上端部外周面及び底部外周面にはカール結合部からなる環状突条108及び110が形成されている。缶100の上端部外周面及び底部外周面に環状突条108及び110が形成されていることに起因して、缶100の上面及び底面には円形凹部が形成される。胴部102が円形状の断面を有しているので、上壁104、底壁106、環状突条108及び110は平面図において円形状をなしている。缶100内には図示しない食用油が収容されている。そして食用油の使用時には、缶100の上壁104の周縁部が例えば缶用の孔あけ具により開口される。図1及び図3の番号112はこのようにしてあけられた開口を示している。缶100の上壁104に開口112が形成された後、容器蓋2がその排液口8が開口112に整合されて上壁104を覆うよう装着される。具体的には、容器蓋2は、その側壁6の内周面に形成された係止突条26が缶100の環状突条108の下面に係止され、シール壁28の外周面が環状突条108の内周面に密着して嵌合されることにより缶100に離脱自在に装着される。そして注出案内壁10からキャップ14を離脱して排液口8を開き、缶100を注出方向(図1において反時計方向)に傾けることにより食用油を注出案内壁10から所望のとおりに注出することができる。食用油の注出終了後、注出案内壁10はキャップ14により閉じられて次の使用に備えられる。
【0018】
先に述べた如く、食用油の注出終了直後における液切れを完全に除去することは著しく困難であり、したがって注出案内壁10から食用油が垂れ流れたり滴下したりする場合が生ずる。しかしながら本発明に係る容器蓋2においては、上記の如く、側壁6に排液口8すなわち注出案内壁10の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段30が形成されており、溢液収容手段30は、側壁6から外方に延びる底壁部32と底壁部32から上方に延びる外壁部34とを有し、底壁部32及び外壁部34が側壁6と協働して溢液収容空間Sを規定するよう構成されているので、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油は、缶100の側面である胴部102の表面に達する手前で、あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺に直接落下する手前で、溢液収容手段30によって受け止められ、その溢液収容空間S内に確実に収容される。その結果、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油が缶100の胴部102の表面を伝ってその底部である環状突条110まで垂れ流れ、缶100の側部である胴部102の表面を汚すことが防止される。また缶100の胴部102の表面を伝ってその環状突条110まで垂れ流れた食用油が環状突条110から落下してその下方の周辺を汚したり缶100が置かれる場所を汚すことが防止される。あるいはまた注出案内壁10から滴下した食用油が缶100を介さず直接落下して注出作業が行なわれる下方の周辺を汚すことも防止される。
【0019】
また本発明に係る容器蓋2においては、溢液収容手段30における外壁部34の主部34aの上端部内面に、上方に向かって内方に傾斜して延びる状態に成形した後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返された溢液漏出防止壁部36が付設されているので、缶100したがって容器蓋2が、食用油の注出方向へ傾けられても、溢液収容空間S内に既に収容された食用油の流出を確実に防止することができるので、食用油の注出に際しても何ら問題はない。上記溢液漏出防止壁部36は、成形後、下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返されているので、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油を受け止めた後、溢液収容空間S内に円滑に導入させることができる。溢液漏出防止壁部36は、外壁部34の周方向の両端部である側部34bの各々を除く主部34aの上端部内面に付設されているので、容器蓋2を食用油の注出方向に対する側方(図2において直線L1に関して時計方向又は反時計方向)に傾けることによって溢液収容空間S内に既に収容された食用油を排出することができる。この食用油の排出作業は、容器蓋2を缶100から離脱させることによって容易かつ確実に遂行することができる。
【0020】
外壁部34の主部34aは、図2に示す如き平面図において、その周方向中心に向かって、主部34aの周方向中心と排液口8の中心Oとを結ぶ直線L1に対して垂直で且つ排液口8の中心Oを通って延びる直線L2からの離間寸法が漸次増大する形状に形成されている(上記実施形態においては、側壁6が上壁4の周縁から垂下する円筒形状であり、外壁部34は側壁6に沿って延びる円弧状主部34aを有するよう構成されている)ので、缶100したがって容器蓋2を、食用油の注出方向へ傾けることによって、溢液収容空間S内に既に収容された食用油が溢液収容空間Sの周方向中心部に集中し、溢液収容手段30の周方向両側すなわち側壁34bの各々から流出しにくくなる。
【0021】
先に述べた如く、溢液収容手段30は、側壁6から外方に延びる底壁部32と底壁部32から上方に延びる外壁部34とを有しているが、この構成はきわめて簡単でそれ自体成形が容易であり、更に外壁部34に付設される溢液漏出防止壁部36はいわゆるフラップと称される構成をなし、しかも外壁部34における主部34aの上端部内面から上方に向かって内方に傾斜して延びる状態に成形される(図3の2点鎖線参照)ので、それ自体の成形はきわめて容易であると共に成形後の型の無理抜きも容易に遂行することが可能である。したがって容器蓋2は、既存の容器蓋の成形型の一部に溢液収容手段30のための若干の成形型の追加を行なうのみで、全体として容易かつ低コストで成形することが可能である。フラップと称される構成をなす溢液漏出防止壁部36は成形後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返す(反転させる)ことが容易に可能である。このように、溢液漏出防止壁部36が、成形時には上記の如く成形し易い状態にせしめられ、成形後には上記の如き傾斜状態に折り返すことができるというユニークな構成は、食用油の注出時の傾きに対して既に収容された食用油の流出を防止する等の重要な目的を達成するための溢液収容手段30を容易に成形することを可能にせしめるものである。実施形態においては、溢液漏出防止壁部36の肉厚は、外壁部34の主部34aに接続された基端から自由端に向かって漸次増大せしめられているので、上記折り返しを一層容易にせしめる。溢液漏出防止壁部36は、上記の如く成形時の状態と使用時の状態とに選択的に折り返しが容易であるが、折り返した後は自然復元しにくいので、折り返した状態に保持され、実用上の問題はない。
【0022】
溢液収容手段30には上記の如き折り返し可能な溢液漏出防止壁部36が形成されているので、溢液収容空間S内に、綿、ティッシュペーパ等の図示しない溢液吸収材を収容して使用することが容易に可能となる。その結果、注出案内壁10から垂れ流れたり滴下した食用油を溢液収容手段30によって受け止めた後、溢液吸収材によって確実に吸収することができ、先に述べたと同様な作用効果が達成される。溢液漏出防止壁部36が折り返し容易であることに起因して、溢液収容空間S内への溢液吸収材の収容及び取り出しは容易であり、実用上便利である。また溢液収容空間S内へ収容した溢液吸収材は、溢液漏出防止壁部36により安定して保持され、安易に離脱することはない。
【0023】
上記した溢液収容手段30における溢液漏出防止壁部36の、図2に示す如き平面図において、外壁部34の主部34aに接続された基端から自由端までの延出長さは、周方向の全長にわたって略一定にせしめられているが、図6に示されているように、溢液漏出防止壁部36の、図6に示す如き平面図において、外壁部34の円弧状主部34aに接続された基端から自由端までの延出長さ(主部34aの接線に対し直角な方向の長さ)を周方向中心から周方向両側に向かって漸次減少せしめる他の実施形態もある。この実施形態においては、缶100したがって容器蓋2を、食用油の注出方向へ傾けることによって、溢液収容空間S内に既に収容された食用油が溢液収容空間Sの周方向中心部に集中し、溢液収容手段30の円弧状主部34aの周方向中心部から流出しにくくなる、との作用効果が一層効果的に達成される。
【0024】
上記説明から容易に理解されるように、本発明に従って構成された容器蓋2によれば、缶100自体の汚れ、缶100が置かれる場所の汚れあるいは食用油の注出作業が行なわれる下方の周辺の汚れ等を心配することなく、食用油の注出を行うことができるので、主婦等は安心して料理に集中することができ、実用上きわめて有用である。
【0025】
次に図4及び図5を参照して、本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態について説明する。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂から一体に成形することができる容器蓋40は、実質上平坦で矩形状の周縁を有する上壁42と、上壁42の周縁の少なくとも一部である一側から垂下する側壁44とを有している。側壁44は、図5に示す如き平面図において、該周縁の一側に沿って周方向(周縁の周方向)に直線状に延びている。上壁42の側壁44が形成された周縁部には排液口8が形成されている。排液口8は上壁42から上方に延びる円筒形状の注出案内壁10を含んでいる。注出案内壁10の下方の一部は上壁42から下方に延び出している。上壁42から下方に延び出した注出案内壁10の下端部外周面には、その全周にわたって係止突条46が形成されている。上壁42には注出案内壁10の外側から下方に延びる円筒形状のシール壁48が形成されている。シール壁48の上壁42から下方への突出長さは、注出案内壁10の上壁42から下方への突出長さよりも短く規定されている。注出案内壁10を開口自在に閉じるキャップ14は、細長い柔軟なバンド20によって上壁42の周縁の他の一側に連結されている。
【0026】
容器蓋40の側壁44には排液口8の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段30が形成されている。溢液収容手段30は、側壁44から外方に延びる底壁部32と、底壁部32から上方に延びる外壁部34とを有している。底壁部32及び外壁部34は側壁44と協働して溢液収容空間Sを規定している。側壁44は、上記した如く上壁42の周縁の一側から垂下する、図5に示す如き平面図において直線形状であり、外壁部34は、同平面図において、側壁44に接続された周方向の両端を規定する基端の各々から側壁44に沿って延びる円弧形状をなしている。外壁部34には溢液漏出防止壁部36が付設されている。溢液漏出防止壁部36は、外壁部34の周方向の両端部を除く外壁部34の上端部内面に付設されている。溢液収容手段30を含む容器蓋40のその他の構成は、先に述べた容器蓋2の構成と実質上同一であるので、実質上同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。
【0027】
番号200は金属製の容器である缶であって、図1に示す缶100と相違する構成は、胴部102の断面が実質上矩形状をなしている(したがって上壁104、底壁106、環状突条108及び110も、平面図において、実質上矩形状をなしている)ので、実質上同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。缶200内には図示しない食用油が収容されている。そして食用油の使用時には、缶200の上壁104の所定の周縁部が開口される。図4の番号114は円形状をなす貫通孔を示すが、この貫通孔114は予め上壁104に形成されているもので、非使用時には例えば図示しないアルミ製のシール部材が貼着されることにより封止され、使用時には、このシール部材を剥がすことによって開口される。缶200の上壁104の貫通孔114が開口された後、容器蓋40がその排液口8が貫通孔114に整合されて上壁104を覆うよう装着される。具体的には、容器蓋40は、注出案内壁10の下端部が貫通孔114を貫通して缶200内に挿入され、注出案内壁10の係止突条46が貫通孔114の周縁を越えた下方に係止され、シール壁48の下端が上壁104の上面に密着され、側壁44の内側面が缶200の環状突条108の一側外周面に当接されることにより、缶200に離脱自在に装着される。シール壁48の外周面の一部は、缶200の環状突条108の内周面の一部に当接され、側壁44の内側面と協働して環状突条108の一側の一部を挟持する。そして注出案内壁10からキャップ14を離脱して排液口8を開き、缶200を注出方向(図4において反時計方向)に傾けることにより食用油を注出案内壁10から所望のとおりに注出することができる。食用油の注出終了後、注出案内壁10はキャップ14により閉じられて次の使用に備えられる。
【0028】
上記容器蓋40は上記の如く構成されているが、装着される缶200の形態が缶100と相違することに合わせて容器蓋2とは構成が相違している。しかしながら容器蓋40における溢液収容手段30の構成は、上記説明から明らかなように、容器蓋2における溢液収容手段30の構成と実質上同様な形態をなしているので、容器蓋40における作用効果は、先に述べた容器蓋2における作用効果と実質上同一であり、したがって更なる説明は省略する。
【0029】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、本発明に従って構成された容器蓋2及び40を、食用油を収容した缶100及び200に適用した実施形態に基づいて説明したが、もちろんこの実施形態に限定される理由はなく、例えば、食用油を収容した合成樹脂製の容器、あるいはまた、食用油以外の他の液体、例えばジュース等の飲料水が収容された缶あるいは合成樹脂製の容器に適用されることはいうまでもない。また上記実施形態において、外壁部34の上端部内面には、上方に向かって内方に傾斜して延びる状態に成形した後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返された溢液漏出防止壁部36が付設されているが、溢液漏出防止壁部36の配設位置は外壁部34の上端部内面に限定されるものではなく、外壁部34の上部内面であれば成立する。
【0030】
本発明はまた、注出案内壁10の周囲に先に述べた如き環状の溝が形成された容器蓋にも適用されることはいうまでもない。この容器蓋の環状の溝形成部分について図1を参照しながら簡単に説明すると、上壁4には、注出案内壁10の基端部外周面を囲むように上方に延びる環状壁が形成される。この環状壁の高さは注出案内壁10よりも低く形成される。なお上記被係止突条12はこの環状壁の外周面に形成される。注出案内壁10の外周面と環状壁との間には環状の溝が形成される。この溝は缶100内の食用油の注出方向と反対の方向に下方に傾斜するよう形成され、傾斜した溝の最低部には、缶100の上壁104に形成された開口112と連通する戻し孔が形成される。この溝及び戻し孔は、注出案内壁10の外周面に垂れ流れた食用油を缶100内に回収するために設けられるものであるが、先に述べた如く、完全に回収することはできないので、食用油回収後の再注出時には溝内に残留する食用油が環状壁を乗り越えて垂れ流れたり、直接溝の外方に垂れ流れたりする不具合が生じていた。しかしながら本発明においては、上記した如く、容器蓋2の側壁6に、排液口8の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段30が形成されているので、溝内に残留する食用油が環状壁を乗り越えて垂れ流れたり、直接溝の外方に垂れ流れたとしても、溢液収容手段30により受け止めて収容されるので、缶100の側面、缶100が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことが防止される。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る容器蓋によれば、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に収容することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことが確実に防止される。また、液体の注出方向へ傾けられても既に収容された液体の流出を確実に防止することができる。更にはまた、液体の注出方向に対しその側方へ傾けることによって既に収容された液体を容易かつ確実に排出することができる。更にはまた、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて確実に吸収することができ、その結果、容器の側面、容器が置かれる場所あるいは注出作業が行なわれる下方の周辺等を汚すことが確実に防止される。更にはまた、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて吸収するための溢液吸収材の収容及び取出が容易である。更にはまた、排液口から垂れ流れたり滴下した液体を受け止めて吸収するための溢液吸収材を安定して保持することができる。更にはまた、成形が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の実施形態を缶に装着した状態で示す縦断面図。
【図2】図1に示す容器蓋の上面縮小図。
【図3】図1の一部を拡大して示す図。
【図4】本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を缶に装着した状態で示す縦断面図であって、缶の下方を省略した縦断面図。
【図5】図4に示す容器蓋及び缶の上面図。
【図6】本発明に従って構成された容器蓋の更に他の実施形態の要部を示す上面図。
【符号の説明】
2、40 容器蓋
4、42 上壁
6、44 側壁
8 排液口
10 注出案内壁
14 キャップ
30 溢液収容手段
32 底壁部
34 外壁部
34a 主部
36 溢液漏出防止壁
100、200 缶
S 溢液収容空間

Claims (1)

  1. 上壁と該上壁の周縁の少なくとも一部から垂下する側壁とを有し、該上壁の該側壁が形成された周縁部には上方に延びる円筒形状の注出案内壁が形成され、該注出案内壁の内周側が内容液の排液口を形成しかつ胴部を有する容器に装着される、合成樹脂から一体に成形された容器蓋において、
    該側壁には該排液口が形成された該注出案内壁の配設位置に整合せしめて配置された溢液収容手段が形成されており、該溢液収容手段は、該上壁よりも下方に位置しかつ該側壁及び装着される容器の胴部の外方に位置付けられるとともに、該側壁から外方に延びる底壁部と該底壁部から上方に延びる外壁部とを有し、該底壁部及び該外壁部が該側壁と協働して溢液収容空間を規定しており、
    該外壁部は、該側壁に沿って延びる主部と、該主部の周方向両端において該側壁から外方に延びて主部に連続する側部とを有し、該外壁部の該側部の各々を除く該主部の上端部内面には、折り返し可能に溢液漏出防止壁部が設けられ、該溢液漏出防止壁部は上方に向かって内方に傾斜して延びる状態に成形した後に下方に向かって内方に傾斜して延びる状態に折り返されて形成され、
    該外壁部の該主部は、平面図において、両端部から周方向中心に向かって、該外壁部の周方向中心と該排液口の中心とを結ぶ直線に対して垂直で且つ該排液口の中心を通って延びる直線からの離間寸法が漸次増大する形状であり、
    該溢液漏出防止壁部の、平面図において、該外壁部の該側部の各々を除く該主部に接続された基端から自由端までの延出長さは周方向中心から周方向両側に向かって漸次減少せしめられている、
    ことを特徴とする容器蓋。
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