JP4212443B2 - 繊維製品浄化装置およびそれを用いた浄化方法 - Google Patents

繊維製品浄化装置およびそれを用いた浄化方法 Download PDF

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Description

この発明は、衣類、ハンカチなどの繊維製品に用いる浄化装置、および、その繊維製品浄化装置を用いた、繊維製品などの浄化方法に関する。
特許文献1および特許文献2には、プラズマ生成用ガスを供給するとともに、大気圧近傍の圧力下でプラズマを生成し、その際生成されたガスの活性種により、被洗浄物を洗浄する装置が開示されている。
特開平8−78529号公報 特開2002−1253号公報
上記の特許文献1および2に記載された装置は、いずれも電子部品などの表面の金属酸化物を還元洗浄する装置であり、衣類、布団等の繊維製品の洗浄については何ら開示されていない。
また、近年の生活習慣として、あまり汚れていなくとも洗濯をしたり、柔軟剤を付加したり、消臭剤を付加するなどが行われている。これらの行為は衛生面では貢献があるものの、環境を保全し継続発展が可能な社会の実現を目指す生活志向との均衡が十分ではない。
一方、環境技術や表面処理技術の進歩は目覚しく、とりわけ薬剤を用いず処理が可能なプラズマが注目され始めている。
したがって、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、薬剤や洗剤を用いずに、衣類等に付着した匂いや汚れを分解して浄化する繊維製品浄化装置およびそれを用いた浄化方法を提供することを目的とする。
この発明に基づいた繊維製品浄化装置に従えば、相互に対向する挟持面を有し、その互いに対向する挟持面間に繊維製品を静止した状態で挟持する、一対の板状の挟持体を備えている。少なくとも一方の上記挟持体の挟持面には、上記挟持面間に挟持された繊維製品に作用するように上記挟持面間に活性種を生成するプラズマ発生装置が設けられている。上記一対の挟持体は少なくとも、一対の挟持体の挟持面が互いに対向する状態と、一対の挟持体の挟持面が同一平面を形成する状態と、一対の挟持体の挟持面が表裏面となる状態とを構成し得るように、相互に連結されている。
上記繊維製品浄化装置によれば、プラズマ発生装置を備えているので、プラズマ発生装置により生成した活性種により、衣類などの繊維製品に付着した汚れや害虫などの汚染物質を分解または殺虫することができる。また、一対の挟持体間に繊維製品を挟持するので、プラズマ発生装置で生成した活性種が拡散し難く、繊維製品の汚染物質に有効に作用させることができる。さらに、上記繊維製品浄化装置によれば、挟持面間に繊維製品を挟んで使用するほか、挟持面が略同一平面を構成する状態で、たとえば布団や毛布などの比較的大型の繊維製品を被せるようにして浄化処理したり、挟持面が表裏面となる状態で、上述のような繊維製品を巻きつけるようにして浄化処理することが可能となる。また、挟持面が表裏面となる状態において、繊維製品浄化装置を筒状の繊維製品の内部に挿入して使用することも可能となる。
上記繊維製品浄化装置において好ましくは、少なくとも一方の上記挟持体には加熱装置が設けられ、対向する挟持面により、挟持体に挟まれる繊維製品を加熱プレスすることが可能である。また、この場合には、加熱装置での加熱を停止した状態でプラズマ発生装置のみ作動させることが可能とすることがさらに好ましい。
この構成によると、加熱装置を用いた加熱プレスにより、衣類などに皺をのばしたり、折り目をつけたりすることができる。また、加熱プレスと同時に、繊維製品に付着した汚染物質の浄化を行なうことができ、作業性が向上する。さらに、加熱装置での加熱を停止した状態でプラズマ発生装置のみ作動させるようにすることで、プラズマ発生装置により繊維製品を長時間処理することが可能となり、短時間では分解しにくい汚染物質の処理などに有効である。
上記繊維製品浄化装置においてさらに好ましくは、上記プラズマ発生装置は大気圧下において放電を行なうことにより活性種を生成する。この構成によると、プラズマ発生装置を簡単な構成にすることができる。
上記繊維製品浄化装置においてさらに好ましくは、挟持面に繊維製品および対向する挟持面のいずれもが存在しないことを検知すると、プラズマ発生装置を停止させる停止装置をさらに備えている。この構成によると、挟持面が開放した状態では、プラズマ発生装置が停止するので、プラズマ発生装置の放電中の電極などに、人体が誤って触れることを防止することができる。
上記繊維製品浄化装置においてさらに好ましくは、プラズマ発生装置の放電電極は、挟持面に沿って設けられている。この構成によると、プラズマ発生装置により生成した活性種を、汚染物質に効果的に作用させることができ、浄化性能が向上する。
上記繊維製品浄化装置においてさらに好ましくは、プラズマ発生装置の放電電極は、挟持面に形成された凹部内に設けられている。この構成によると、プラズマ発生装置の放電電極と衣類などの繊維製品とが所定間隔隔てられて配置されるので、衣類などの繊維製品が放電により損傷することを防止することができる。
上記の繊維製品浄化装置を用いて、次のような工程により汚染物質が付着した衣類などの繊維製品を浄化することができる。まず、付着した汚染物質がプラズマ発生装置に対向するように、繊維製品を配置する。次に、プラズマ発生装置を作動させて、プラズマ発生装置から活性種を発生させ、活性種を汚染物質に接触させる。これにより繊維製品に付着した汚染物質を減少させる。このような工程により、洗剤などを用いることなく、繊維製品を洗浄することができる。
本発明に係る繊維製品浄化装置によると、洗剤などを用いることなく、汚染物質が付着した繊維製品を、プラズマ発生装置で生成した活性種により浄化することができる。
本発明の基本的な拠り所は、熱的に非平衡な状態、即ち、気体やイオンの温度に対して電子温度が高い状態のプラズマでは、電子衝突で発生するイオンやラジカルが常温では起こらない化学反応を起こすところにある。下記の実施の形態で用いるプラズマ発生装置においては、放電によりプラズマが生成される。
これについて説明すると、放電によって、空気及び空気中の水分が高速に加速された電子と衝突し、電離、解離、励起などが起こり、OHやH、N、O、HO、オゾンなどのラジカルが生成される。これらのラジカルが、有機物に接触すると、その分子を切断したり分解する。
プラズマにおけるラジカルの生成過程や生じる物質、さらには物質が分解される過程は十分に解明されていない。しかし、効果はいくつかの分野で確認されており、LSIや液晶技術の分野における表面処理や、環境技術分野におけるダイオキシンの分解などで実用化も進んでいる。
本発明は、上記の産業分野で実用化が進んでいる、物質の分解や改質に関する技術を、日常生活の中に応用しようとするものであり、軽微な汚れや、洗濯による匂い等が付着した衣類、ハンカチ、タオル等を処理の対象とする発明である。衣類などに付着する汚れの多くは有機物でできており、繊維に絡まっているが、プラズマによりその分子が切断されたり、他の気体または液体物質に分解される。このような着眼は従来にはなかったものである。
さらに、放電の電撃パルスはダニや蚤などの表皮を損傷させ、殺すことも可能であるし、ラジカルが侵入してその組織を破壊するという2次的な効果もある。これにより、布団などの繊維製品に巣くう害虫などを効果的に殺すことができる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における繊維製品浄化装置について、図1から図12を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態における繊維製品浄化装置の使用状態を示す斜視図である。図2は、本実施の形態で使用したプラズマ発生装置の構造を示す断面図である。図3は、本実施の形態で使用したプラズマ発生装置の構造を示す拡大断面図である。図4は、プラズマ発生装置の構造を示す縦断面図である。図5は、プラズマ発生装置の構造を示す平面図である。図6は、異なるプラズマ発生装置の構造を示す平面図である。図7は、プラズマ発生装置に印加する電圧の波形の一例である。図8は、停止装置を設けた繊維製品浄化装置の構造を示す斜視図である。図9から図11は、繊維製品浄化装置の使用形態を示す側面図である。図12は、本実施の形態における繊維製品浄化装置の効果を確認する実験の方法を示す説明図である。
本実施の形態の繊維製品浄化装置1は、図1に示すように、一対の板状の挟持体11a、11bを備えている。この一対の挟持体11a、11bは、その互いに対向する挟持面12a、12b間に繊維製品91を挟持することが可能であり、少なくとも一方の挟持体11には、繊維製品91に作用する活性種を生成するプラズマ発生装置71が設けられている。このプラズマ発生装置71は、挟持体11の挟持面12に取り付けられている。挟持体11aと挟持体11bとは、回動自在に連結されている。挟持体11を一対備え、その挟持面間に繊維製品を保持する構造は、いわゆるズボンプレッサーの構造に類似する。
図2に模式的に示すような衣類等の繊維製品91の繊維に絡んだ汚れ(汚染物質)95は、有機物の分子と考えることができる。この分子が、プラズマ発生装置71で生成される活性種96により切断あるいは分解されると、汚れ95を繊維から容易に離脱させることができる。
図2に示すように、本実施の形態の繊維製品浄化装置1に設けたプラズマ発生装置71は、主に、板状電極73と対極電極74と誘電体72とで構成されている。板状電極73は、挟持体11の挟持面12に沿うように、規則的に配列されている。対極電極74は、誘電体72の内部に設けられ、一対の板状電極73に間にそれぞれ一つの対極電極74が位置するように設けられている。対極電極74は長尺であり、板状電極73は単尺である。板状電極73、対極電極74および誘電体72の機能については、詳しくは後述する。
図3に示すように、誘電体72は、3層で構成されている。挟持面12側に位置する誘電体72bに板状電極73が設けられ、中間層を構成する誘電体72cに電熱線からなる加熱装置66が設けられ、外側に位置する誘電体72aに対極電極74が設けられている。ここでは、加熱装置66を電熱線で構成しているが、面状の発熱体を用いて構成しても良い。
本実施の形態では、プラズマ発生装置71として、沿面放電プラズマと呼ばれるプラズマを発生する装置を用いている。プラズマ発生装置71は、誘電体72と、その表面に設けられた複数の細い板状電極73を有している。板状電極73は、相互に適当な間隔、たとえば0.5mmから2mmの間隔を隔てて取り付ける。誘電体72としては、たとえばアルミナセラミックスやプラスチックフィルムなどの材料からなるものを用いることができる。
誘電体72の内部には、放電のための細長い対極電極74が埋め込まれている。図2および図3に示すプラズマ発生装置71では、2列の板状電極73に対して、一つの対極電極74を設けるようにしていたが、図5に示すプラズマ発生装置71では、一列の板状電極73に対して、一つの対極電極74を設けている。この対極電極74には、リード線75が接続され、プラズマ発生装置71の下面側から外部に導出されている。プラズマ発生装置71は、この板状電極73が、繊維製品91に対向するように配置される。
この板状電極73と対極電極74との間には、適当な周波数、たとえば数百Hzから数kHzの周波数の交流電圧や、繰り返しパルス状の高い電圧が印加される。これにより、誘電体72の表面に沿って強い電界が誘起され、放電が発生する。放電は、障害物が無い空気中であると放電の経路が集中してしまうが、誘電体72が設けられていることにより、それが緩和される。これにより、誘電体72の表面に沿って、放電が広がり、その周辺に高密度のプラズマが生成され、これにより汚れ成分の切断や、分解、ダニや蚤などの殺虫を行うことができる。
プラズマ発生装置71としては、図4および図5に示した、沿面放電を行なうものの他、たとえば、図6に示したようなものも用いることができる。図6に示すプラズマ発生装置71は、対向する基板77と、その内側面にその先端が相互に対向するように配設された、多数の露出した針状の電極78を有している。この電極78間には、上記の場合と同様に、交流電圧や繰り返しパルス状の電圧が印加され、電極78間にプラズマが発生する。このプラズマ発生装置71を用いる場合には、露出した電極78が、挟持面12に沿って配列されるようにプラズマ発生装置71を、挟持体11に配列すれば良い。
このように露出した電極78を用いた場合には、露出した電極78から発生したプラズマにより、繊維製品などに付着した害虫の表皮に、電撃パルスにより直接打撃を与えることができ、これらの害虫を殺す効果が向上する。なお、ここでは複数の電極78が対向するプラズマ発生装置71を用いているが、一対の電極が対向するプラズマ発生装置を用いたり、複数の針状の電極と1枚の平板電極が対向するものや、複数の針状の電極と線状の電極とが対向するものも用いることができる。
さらに、繊維製品浄化装置1に、沿面放電を行なうプラズマ発生装置71と、図6に示したような、複数の針状の電極78が露出したプラズマ発生装置71の両方を設けるようにしても良い。これにより、沿面放電により発生した活性種による汚れを除去する効果と、露出した電極78からの電撃パルスによる殺虫効果とを両立することができる。
このプラズマ発生装置71の構造や、印加する電圧や周波数、その波形を変更することにより様々なプラズマ発生装置71を構成することができる。このプラズマ発生装置71は、たとえば、ガス点火装置に用いられるいわゆるイグナイターや、空気清浄機等に用いられるイオン発生器、オゾン発生器に類似する。
プラズマ発生装置71に印加する電圧の波形の一例を、図7に示す。ここで、図7に示した波形は、電源の出力部における波形であり、板状電極73と対極電極74との間や、電極78間に実際に印加される波形とは異なる。これは、電極周囲の電気的な条件により変化するためである。プラズマ発生装置71の構造に応じて、その性能が最大限に発揮されるように、プラズマ発生装置71に印加する電圧の波形や、周波数を調節すれば良い。
図8に示すように、本実施の形態の繊維製品浄化装置1には一対の把手21が設けられており、把手21の対向面には、一対のセンサ22が設けられている。このセンサ22により、繊維製品浄化装置1の挟持体11が閉じている状態にあるのか、開いている状態にあるのかを検知することができる。これにより得られた信号を用いて、挟持体11が閉じている状態のときにのみ、プラズマ発生装置71を作動させるように制御する。これにより、挟持面12が開放しプラズマ発生装置71が露出している状態においては、プラズマ発生装置71を作動させず、放電を行なわないようにする、停止装置を構成している。
このような停止装置を設けたことにより、プラズマ発生装置71が露出しない状態においては、放電が停止されるので、放電中のプラズマ発生装置71に、人体が誤って触れることを防止することができる。
次に、このプラズマ発生装置71を備えた繊維製品浄化装置1の使用方法について説明する。図1に示すように、まず繊維製品浄化装置1の挟持面12b上に、衣類、ハンカチなどの繊維製品91を配置する。このとき繊維製品浄化装置1のプラズマ発生装置71が対象物の汚れ95などの処理したい箇所に対向させる。次に他方の挟持体11aを閉じて、繊維製品91を挟み込んで、図9に示す状態とする。
このとき、図8に示したセンサ22により挟持体11が閉じられたことを検知し、プラズマ発生装置71が作動可能な状態となる。この状態で、図示しないスイッチを操作し、プラズマ発生装置71による放電を開始させる。これにより、プラズマ発生装置71の表面に、高密度のプラズマが発生する。これにともなって、活性種が生成され、この活性種が対象物の汚れ95に作用することにより汚れ95の成分を、分解および切断する。このとき同時に、加熱装置66が作動し、繊維製品91の浄化と同時に、繊維製品91に加熱プレスする。これにより、浄化と同時に繊維製品91の皺のばしや、折り目の形成を行なうことができ、作業性が向上する。
衣類などについた汚れ95のうち、醤油や油などの染みも、プラズマ発生装置71で生成されるラジカルの作用により分解され、除去することができる。この染みの除去は、寸時に行なうことはできないので、繊維製品浄化装置1に繊維製品91を挟持した状態で、加熱装置66による加熱は行なわずに、プラズマ発生装置71のみ作動させて長時間処理することが好ましい。このため、繊維製品浄化装置1の把手21に設けた図示しない温度調節スイッチなどにより、加熱装置66による加熱を行なわないことを選択できるようにしておく。また、専用の「汚れ分解スイッチ」を設けるようにしてもよい。
汚れや染みを除去する、処理時間は、その汚れの程度や、プラズマの強さなどによって変化する。この汚れや染みは、一時に除去しなくても、日常の加熱プレスのときに、プラズマ発生装置71を作動させておけば、徐々に分解されて除去される。
このプラズマ発生装置71を備えた繊維製品浄化装置1の汚れを除去する効果を、次のような実験により確認した。醤油などで全面を汚した衣類などの繊維製品91を繊維製品浄化装置1にセットし、プラズマ発生装置71を約10分間作動させ、その効果を目視で確認した。加熱装置66による加熱は行なわなかった。その結果、図12に示すように、プラズマ発生装置71を設けた領域91aのみ、色調に変化が現れ、その効果が確認できた。
さらに、殺虫効果についても、次の実験により確認した。ダニが繁殖した繊維製品91に、本実施の形態のプラズマ発生装置71を備えた繊維製品浄化装置1にセットした。プラズマ発生装置71に通電し、プラズマを発生させ、約10分間放置した。加熱装置66による加熱は行なわなかった。ルーペにて観察したところ、ダニの屍骸が確認された。この実験においては、同様の装置を2組製作し、一方にはプラズマ発生装置71に通電し、他方にはプラズマ発生装置71に通電せず、その比較における有意差で効果を確認した。その結果明らかに、プラズマ発生装置71に通電した場合の方が、殺虫効果が高いことが確認できた。
この繊維製品浄化装置1は、図9に示すように、一対の挟持体11の間に繊維製品91を挟み込むように使用するほか、次のような使用方法も可能である。図10に示すように、一方の挟持体11を、挟持体11が閉じた状態から、360°回転させて、そのプラズマ発生装置71が外面に位置するようにする。言い換えると、繊維製品浄化装置1の表裏面にプラズマ発生装置71が位置するようにする。この状態で、繊維製品浄化装置1の外側に毛布や布団などの比較的大型の繊維製品91などを巻きつけ、プラズマ発生装置71に通電し、プラズマを発生させる。このようにすることで、繊維製品浄化装置1の挟持体11の間に挟み込めないような繊維製品91であっても、プラズマ発生装置71による浄化が可能である。また、筒状の繊維製品91の内部にこのプラズマ発生装置71を挿入し、その繊維製品91を、その内周面から浄化することも可能である。
このような、一方の挟持体11が360°回転可能な連結構造は、たとえば、挟持体11を、一対の回転軸31a、31bとそれを連結する連結体32とで構成された連結具により、一対の挟持体11を連結することで構成することができる。
また、図11に示すように、一方の挟持体11を、挟持体11が閉じた状態から、180°回転させて、それぞれの挟持体11のプラズマ発生装置71が、同一平面を形成するようにする。この状態で、その上に布団などの繊維製品91を被せることで、その繊維製品91を、その下面から浄化することができる。この場合には、一対の挟持体11を連結する回転軸は一つであってもよい。
図10および図11のような状態で使用できる構造を採用した場合には、繊維製品91がプラズマ発生装置71の表面から離れると、プラズマ発生装置71が停止するようにする必要がある。これは、たとえばプラズマ発生装置71を設けた挟持面12の四隅にセンサを設け、このセンサの全てが繊維製品91を検知している状態でのみプラズマ発生装置71を作動させるようにすることで達成できる。これにより、プラズマ発生装置71が露出した状態ではプラズマ発生装置71の作動が停止するので、放電中の電極などに人体が誤って接触することを防止することできる。
(実施の形態2)
実施の形態2について、図13に基づき説明する。図13は、実施の形態2のプラズマ発生装置の構造を示す断面図である。なお、実施の形態1と同様の機能を持つ構成には、同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態においては、誘電体72の挟持面12側の面に、複数の凹部86を形成し、凹部86の天井面または底面に板状電極73を配設している。図13では、一例として各凹部に2列に板状電極73を並べた状態を示しているが、板状電極73を配設する方向や数は、必要に応じて種々変更することができる。
実施の形態1では、挟持面12に沿ってプラズマ発生装置71の板状電極73を設けたが、この実施の形態では、板状電極73を凹部86に設けている。これにより、挟持面12と、板状電極73の表面とが、所定間隔隔てられる。プラズマ発生装置71で放電が開始されると、対象の布や繊維の種類によっては、これらが放電に接触すると損傷するものがある。このように挟持面12から板状電極73を所定間隔離すことにより、繊維製品91が放電に接することを防止することができる。
また、この実施の形態の繊維製品浄化装置1は、次のような使用状況にも適している。蒸気が、プラズマ発生装置71の周囲に充満している場合には、プラズマ発生装置71の周囲に空気のみが存在する場合に比べてプラズマが拡散し、広い範囲でプラズマが発生する。電極間に誘電体が存在すると、誘電体の散在範囲に放電が拡散することが知られている。そこで、繊維製品91を予め霧吹きなどで湿らせておき、湿らせた繊維製品91をこの繊維製品浄化装置1にセットすることで、図示しない加熱装置の作用により、水蒸気が発生する。このように誘電体の凹部86の内部が蒸気で満たされた場合には、水蒸気が誘電体として機能し、プラズマが発生する領域を拡大させることができる。
さらに、繊維製品91に付着した汚れ95の浄化に寄与する活性種の多くは、水(H2O)が電離、解離、分離してできると考えられる。そのため、水蒸気(H2O)を豊富に含む雰囲気を形成することにより、プラズマ発生装置71によりこれらの浄化に寄与する活性種が多く生成され、浄化性能を向上させることができる。
このように、水蒸気の作用により、プラズマの発生する領域を拡大することができる。これにより、プラズマの生成に伴なって生成された活性種が、広い範囲で生成され、この活性種が衣類やハンカチなどの繊維製品に付着した有機物からなる汚れの成分を効果的に切断および分解することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
この発明に基づいた実施の形態1における繊維製品浄化装置の使用状態を示す斜視図である。 この発明に基づいた実施の形態1における繊維製品浄化装置で使用したプラズマ発生装置の構造を示す断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における繊維製品浄化装置で使用したプラズマ発生装置の構造を示す拡大断面図である。 プラズマ発生装置の構造を示す縦断面図である。 プラズマ発生装置の構造を示す平面図である。 異なるプラズマ発生装置の構造を示す平面図である。 プラズマ発生装置に印加する電圧の波形の一例を示す図である。 停止装置を設けた繊維製品浄化装置の構造を示す斜視図である。 繊維製品浄化装置の使用形態を示す側面図である。 繊維製品浄化装置の使用形態を示す側面図である。 繊維製品浄化装置の使用形態を示す側面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における繊維製品浄化装置の効果を確認する実験の方法を示す説明図である。 この発明に基づいた実施の形態2におけるプラズマ発生装置の構造を示す縦断面図である。
符号の説明
1 繊維製品浄化装置、11 挟持体、12 挟持面、21 把手、22 センサ、71 プラズマ発生装置、73 板状電極(放電電極)、86 凹部、91 繊維製品、96 活性種。

Claims (8)

  1. 相互に対向する挟持面を有し、その互いに対向する挟持面間に繊維製品を静止した状態で挟持する、一対の板状の挟持体を備え、
    少なくとも一方の前記挟持体の挟持面には、前記挟持面間に挟持された繊維製品に作用するように前記挟持面間に活性種を生成するプラズマ発生装置が設けられており、
    前記一対の挟持体は少なくとも、前記一対の挟持体の挟持面が互いに対向する状態と、前記一対の挟持体の挟持面が略同一平面を形成する状態と、前記一対の挟持体の挟持面が
    表裏面となる状態とを構成し得るように、相互に連結されている、繊維製品浄化装置。
  2. 少なくとも一方の前記挟持体には加熱装置が設けられ、前記対向する挟持面により、前記挟持体に挟まれる繊維製品を加熱プレスすることが可能な、請求項1に記載の繊維製品浄化装置。
  3. 前記加熱装置での加熱を停止した状態でプラズマ発生装置のみ作動させることが可能な、請求項2に記載の繊維製品浄化装置。
  4. 前記プラズマ発生装置は、大気圧下において放電を行なうことにより活性種を生成する、請求項1から3のいずれかに記載の繊維製品浄化装置。
  5. 前記挟持面に繊維製品および対向する挟持面のいずれもが存在しないことを検知すると、前記プラズマ発生装置を停止させる停止装置をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の繊維製品浄化装置。
  6. 前記プラズマ発生装置の放電電極は、前記挟持面に沿って設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の繊維製品浄化装置。
  7. 前記プラズマ発生装置の放電電極は、前記挟持面に形成された凹部内に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の繊維製品浄化装置。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の繊維製品浄化装置を用いた浄化方法であって、
    繊維製品に付着した汚染物質が、前記繊維製品浄化装置のプラズマ発生装置に対向するように、前記繊維製品を前記挟持面に配置し、
    前記プラズマ発生装置を作動させて、前記プラズマ発生装置から活性種を発生させ、前記活性種を汚染物質に接触させることにより繊維製品に付着した汚染物質を減少させる、浄化方法。
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