JP4188801B2 - 掃除機およびそれを用いた浄化方法 - Google Patents

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この発明は、プラズマ発生装置を備えた掃除機、および、その掃除機を用いた浄化方法に関する。
特許文献1には、プラズマ生成用ガスを供給するとともに、大気圧近傍の圧力下でプラズマを生成し、その際生成されたガスの活性種により、被洗浄物を洗浄する装置が開示されている。
特許文献2には、掃除機の吸込み口から吸い込んだ塵埃などに付着したバクテリアやカビなどを殺菌するため、吸込み口にコロナ放電装置を設けたものが記載されている。
特許文献3には、掃除機の吸込み口体にイオン発生装置を設け、被清掃面にイオンシャワーを吹きつけて、被清掃面および塵埃を同極の電荷に帯電させ、その静電的反発力により塵埃を被清掃面から離脱しやすくする掃除機が記載されている。
特開2002−110613号公報 特開平3−41921号公報 特開平2−268715号公報
上記の特許文献1に記載された装置は、いずれも電子部品などの表面の金属酸化物を還元洗浄する装置であり、住宅内やオフィス内などの清掃のために、プラズマを用いることについては何ら開示されていない。
特許文献2および特許文献3には、イオン発生装置を吸込み口体に設けた掃除機が開示されているが、このイオン発生装置は、吸い込んだ塵埃を殺菌したり、被清掃面のゴミを浮き上がりやすくするものであり、これにより、被清掃面に付着した汚れを分解したり、被清掃面の殺菌等をおこなうことについては何ら開示されていない。
したがって、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、薬剤や洗剤を用いずに、簡単な装置で、清掃面の殺虫、殺菌や、清掃面に付着した汚れの分解を行なうことができる、掃除機およびそれを用いた浄化方法を提供することを目的とする。
この発明に基づいた掃除機に従えば、吸込口体に設けられ、被清掃面に送出される活性種を生成するプラズマ発生装置と、水蒸気、空気以外のガス、または、液体微粒子の少なくともいずれかひとつを、プラズマ発生装置の近傍に供給する、供給装置とを備えている。上記プラズマ発生装置は電極を有し、該電極は被掃除面に対向するように設けられている。
上記掃除機によれば、被清掃面に活性種を送出することができ、この活性種により被清掃面に付着した汚れ、細菌、害虫などの汚染物質を分解、殺菌または殺虫することができる。また、プラズマ発生装置の近傍に、水蒸気、空気以外のガス、または、液体微粒子の少なくともいずれかを、プラズマ発生装置の近傍に供給する供給装置を備えているので、ラジカルを多く発生させると共に、プラズマが発生する領域を拡大することができる。これにより、プラズマ発生装置により発生したプラズマを、効果的に被清掃面に作用させることができる。また、掃除機の吸口体にプラズマ発生装置を備えたので、掃除機による清掃と同時に、被清掃面に付着した汚染物質を浄化することができ、作業性に優れる。
上記掃除機において好ましくは、前記プラズマ発生装置は、大気圧下において放電を行なうことにより活性種を生成する装置である。この構成によると、プラズマ発生装置を簡単な構成にすることができる。
上記掃除機においてさらに好ましくは、前記吸込み口体からの吸込み風速を可変にする装置をさらに備えている。この掃除機において、前記供給装置作動時は、吸込口体からの吸い込み風速を低速に切り替えるよう制御する制御器をさらに備えてもよい。このように吸込み風速を可変にすることにより、プラズマ発生装置による浄化に適した吸込み風速で清掃を行なうことができ、プラズマ発生装置による浄化性能が向上する。さらに、供給装置作動時には、吸込み風速を低速に切り替えるように制御することで、供給装置から供給されたガスなどを不必要に掃除機本体に吸い込まないようにすることができる。これにより、供給装置から供給されたガスなどを、プラズマ発生装置の近傍に多く滞留させることができるので、プラズマの発生領域を拡大させる効果を妨げない。
上記掃除機においてさらに好ましくは、吸込口体の底面が対象物から離れたことを検知すると、前記プラズマ発生装置を停止させる停止装置をさらに備えている。この構成によると、吸込口体の底面が被清掃面から離れた状態では、プラズマ発生装置が停止するので、プラズマ発生装置の放電中の電極などに、人体が誤って触れることを防止することができる。
上記掃除機においてさらに好ましくは、前記吸込口体は、掃除機本体から着脱可能であり、掃除機本体から分離した状態で、前記プラズマ発生装置を作動させることが可能である、この構成によると、吸込口体を単独でプラズマ浄化装置として使用することができる。
上記の掃除機を用いて、次のような工程により汚染物質が付着した畳やカーペットなどの被清掃面を浄化することができる。まず、プラズマ発生装置を被清掃面に対向させる。次に、プラズマ発生装置を作動させて、プラズマ発生装置から活性種を発生させ、活性種を汚染物質に接触させる。これによりカーペットなどの被清掃面に付着した汚染物質を減少させる。このような工程により、洗剤などを用いることなく、被清掃面を浄化することができる。
本発明に係る掃除機によると、洗剤などを用いることなく、汚染物質が付着した被清掃面を、プラズマ発生装置で生成した活性種により浄化することができる。
本発明の基本的な拠り所は、熱的に非平衡な状態、即ち、気体やイオンの温度に対して電子温度が高い状態のプラズマでは、電子衝突で発生するイオンやラジカルが常温では起こらない化学反応を起こすところにある。下記の実施の形態で用いるプラズマ発生装置においては、放電によりプラズマが生成される。
これについて説明すると、放電によって、空気及び空気中の水分が高速に加速された電子と衝突し、電離、解離、励起などが起こり、OHやH、N、O、HO、オゾンなどのラジカルが生成される。これらのラジカルが、有機物に接触すると、その分子を切断したり分解する。
プラズマにおけるラジカルの生成過程や生じる物質、さらには物質が分解される過程は十分に解明されていない。しかし、効果はいくつかの分野で確認されており、LSIや液晶技術の分野における表面処理や、環境技術分野におけるダイオキシンの分解などで実用化も進んでいる。
本発明は、上記の産業分野で実用化が進んでいる、物質の分解や改質に関する技術を、日常生活の中に応用しようとするものであり、畳やカーペットなどの床材を処理の対象とする発明である。畳やカーペットなどに付着する汚れの多くは有機物でできており、繊維に絡まっているが、プラズマによりその分子が切断されたり、他の気体または液体物質に分解され、掃除機の吸引力で容易に引き剥がすことができるようになる。このような着眼は従来にはなかったものである。
さらに、放電の電撃パルスはダニや蚤などの表皮を損傷させ、殺すことも可能であるし、ラジカルが侵入してその組織を破壊するという2次的な効果もある。これにより、たとえば、畳やカーペット等に巣くう害虫などを確実に殺すことができる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における掃除機について、図1から図11を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態における掃除機の使用状態を示す側面図である。図2は、使用状態の吸込口体を示す断面図である。図3は、吸込口体の底面図である。図4は、異なる吸込口体の断面図である。図5は、プラズマ発生装置の、図6におけるV−V矢視断面図である。図6は、プラズマ発生装置の平面図である。図7は、異なるプラズマ発生装置を示す平面図である。図8は、異なるプラズマ発生装置を用いた吸口体の縦断面図である。図9は、プラズマ発生装置に印加する電圧の波形の一例である。図10は、停止装置の構造を示す縦断面図である。図11は、本実施の形態における掃除機の効果を確認する実験の方法を示す説明図である。
図1では、畳やカーペットなどの床材に付着した汚れを、本実施の形態の掃除機1で処理する工程を示している。掃除機1は、吸引タービンやその動力となるモータなどを備えた掃除機本体11と、掃除機本体11に連結された可撓性パイプ12と、把持部13と、把持部13に連結された連結パイプ14と、被清掃面の塵埃などを吸引する吸込口体21とを備えている。把持部13には、電源スイッチ15や吸込み風量調節スイッチ16などが設けられている他、後述するプラズマ発生装置71の動作をコントロールするスイッチなどが設けられている。
図2に示すように、吸込口体21は、下面が開放した中空状に構成されている。吸込口体21は、樹脂成形品などで構成され、上面には、連結パイプ14の先端部が回動自在に連結されている。連結パイプ14と吸込口体21の内部とは、吸込み口14aを介して相互に連通している。吸込口体21の前端と後端には、それぞれ回転ブラシ22が設けられている。回転ブラシ22は、その回転によりカーペットの繊維などに絡まった汚れを掻き出すものである。この回転ブラシ22は省略することも可能である。
開口23の上方には、上述のようにプラズマ発生装置71が設けられている。プラズマ発生装置71は、図示しない固定部により、吸込口体21の筐体に固定されており、プラズマ発生装置71は、吸込口体21の筐体には直接接触しないように構成されている。また、プラズマ発生装置71の下面は、吸込口体21の下面近傍に位置している。固定部には、図示しない電線などが設けられており、プラズマ発生装置71に電気を供給することができる。この電線は、前述の連結パイプ14、可撓性パイプ12などに内蔵された配線を介して掃除機本体に接続されている。プラズマ発生装置71については、詳しくは後述するが、本実施の形態では、誘電体72と板状電極73と、対極電極74とで構成している。
吸込口体21の上面には、掃除機本体から延びる供給パイプ84の一端が接続されている。この供給パイプ84の他端は、掃除機本体11まで延びており、掃除機本体に内蔵された供給装置に接続されている。この供給装置では、本実施の形態では水蒸気が生成される。そしてこの水蒸気は、供給パイプ84を介して吸込口体21に運ばれ、吸込口体21の蒸気排出部82から排出される。この蒸気排出部82から排出される蒸気の作用については後述するが、蒸気をプラズマ発生装置71の周囲に充満させるようにすればよい。また、この蒸気排出部82は、吸込み口14aより、プラズマ発生装置71を挟んで上流側に設ける。これにより、蒸気排出部82から排出された蒸気が、プラズマ発生装置71の周囲を経ることなく、吸込み口14aから吸引されてしまうことを防止することができる。
図2に模式的に示すようなカーペットなどの床材91の繊維に絡んだ汚れ(汚染物質)95は、有機物の分子と考えることができる。この分子が、プラズマ発生装置71で生成される活性種96により切断あるいは分解されると、汚れ95を繊維から容易に離脱させることができる。そして、この離脱した汚れを掃除機の吸引力により吸引し、被清掃面から除去することができる。
図3に示すように、吸込口体21の底面には、被清掃面の塵埃などを吸引し、また、プラズマ発生装置71で生成した活性種を、対象物である繊維製品などに向かって送出するための開口23が設けられている。開口23の内部には、プラズマ発生装置71が配設されている。吸込口体21の底面の後端部付近には、棒状に構成されたアクチュエータ61の先端が突出している。これについては後述する。
図4に示す変形例には、吸込口体21の上面に供給装置としての蒸気発生装置83が設けられている。蒸気発生装置83に連通する蒸気排出部82から蒸気が排出されて、中空状の吸込口体21の内部全体に蒸気が供給される。この蒸気発生装置83としては、ヒータなどにより水を沸騰させ、蒸気を排出する装置を用いることができる。この蒸気排出部82から排出される蒸気の作用については後述するが、蒸気をプラズマ発生装置71の周囲に充満させるようにすればよい。この蒸気の量を調節するため、蒸気排出部82または蒸気発生装置83には、図示しない開閉弁などで構成された調節手段が設けられている。なおこの調節手段は、省略することも可能である。
この蒸気発生装置83に代えて、超音波振動などにより水を霧状の液体微粒子とする装置や、空気以外のガスを供給する装置や、水以外の液体を超音波振動により霧状の液体微粒子とする装置などを供給装置として用いることができる。このような供給装置を吸込口体21と一体に設けても良い。
本実施の形態では、プラズマ発生装置71として、沿面放電プラズマと呼ばれるプラズマを発生する装置を用いている。このプラズマ発生装置71の構造について説明する。プラズマ発生装置71は、誘電体72と、その表面に設けられた複数の細い板状電極73を有している。板状電極73は、相互に適当な間隔、たとえば0.5mmから2mmの間隔を隔てて取り付ける。本実施の形態では、この板状電極73を2列に並べて配列している。誘電体72としては、たとえばアルミナセラミックスなどの材料からなるものを用いることができる。誘電体72の内部には、放電のための細長い対極電極74が埋め込まれている。この対極電極74には、リード線75が接続され、プラズマ発生装置71の下面側から外部に導出されている。プラズマ発生装置71は、この板状電極73が、被清掃面に対向するように配置される。すなわち、図5におけるプラズマ発生装置71の板状電極73の上面が、図2および図4におけるプラズマ発生装置71の下面と一致するように、保持部81にプラズマ発生装置71を取り付ける。
この板状電極73と対極電極74との間には、適当な周波数、たとえば数百Hzから数十kHzの周波数の交流電圧や、繰り返しパルス状の高い電圧が印加される。これにより、誘電体72の表面に沿って強い電界が誘起され、放電が発生する。放電は、障害物が無い空気中であると放電の経路が集中してしまうが、誘電体72が設けられていることにより、それが緩和される。これにより、誘電体72の表面に沿って、放電が広がり、その周辺に高密度のプラズマが生成され、これにより被清掃面に付着した汚れ成分の切断や、分解、ダニや蚤などの殺虫を行なうことができる。前述の蒸気排出部82から排出される蒸気もこの誘電体72と同様の作用を行なう。
蒸気が、プラズマ発生装置71の周囲に充満している場合には、プラズマ発生装置71の周囲に空気のみが存在する場合に比べてプラズマが拡散し、広い範囲でプラズマが発生する。電極間に誘電体が存在すると、誘電体の散在範囲に放電が拡散することが知られている。この実施の形態のように水蒸気を供給した場合には、水蒸気が誘電体として機能し、プラズマが発生する領域を拡大させることができる。このプラズマ発生装置71の周囲に供給するガスは、水蒸気に限定されず、水蒸気と同様の機能を有する、水蒸気以外のガスであっても良い。また、水の液体微粒子や、水蒸気と同様の機能を有する、その他の液体の液体微粒子を供給するようにしても良い。これらを組み合わせて供給するようにしてもよい。
さらに、汚れ95の浄化に寄与する活性種の多くは、水(H2O)が電離、解離、分離してできると考えられる。そのため、水蒸気(H2O)を豊富に含む雰囲気を形成することにより、プラズマ発生装置71によりこれらの浄化に寄与する活性種が多く生成され、浄化性能を向上させることができる。
このように、誘電体72および水蒸気などの空気以外のガスの作用により、プラズマの発生する領域を拡大することができる。これにより、プラズマの生成に伴なって生成された活性種が、広い範囲で生成され、この活性種がカーペットなどの床材に付着した有機物からなる汚れの成分を効果的に切断および分解することができる。
プラズマ発生装置71としては、図5および図6に示したようなものの他、たとえば、図7に示したようなものも用いることができる。図7に示すプラズマ発生装置71は、対向する対向露出電極77と、その内側面にその先端が相互に対向するように配設された、多数の露出した針状の電極78を有している。この電極78間には、上記の場合と同様に、交流電圧や繰り返しパルス状の電圧が印加され、電極78間にプラズマが発生する。このプラズマ発生装置71を用いる場合には、図8に示すように、露出した針状の電極78が水平になるように保持部81にプラズマ発生装置71を取り付ける。
このように露出した電極78を用いた場合には、露出した電極78から発生したプラズマにより、カーペットなどに付着した害虫の表皮に、電撃パルスにより直接打撃を与えることができ、これらの害虫を殺す効果が向上する。ここでは複数の電極78が対向するプラズマ発生装置71を用いているが、一対の針状の電極が対向するプラズマ発生装置を用いたり、複数の針状の電極と1枚の平板電極が対向するものや、複数の針状の電極と線状の電極とが対向するものも用いることができる。
さらに、吸込口体21に、図5および図6に示したような、沿面放電を行なうプラズマ発生装置71と、図7に示したような、複数の電極78が露出したプラズマ発生装置71の両方を設けるようにしても良い。これにより、沿面放電により発生した活性種による汚れを除去する効果と、露出した電極78からの電撃パルスによる殺虫効果とを両立することができる。
このプラズマ発生装置71の構造や、印加する電圧、周波数やその波形を変更することにより様々なプラズマ発生装置71を構成することができる。このプラズマ発生装置71は、たとえば、ガス点火装置に用いられるいわゆるイグナイターや、空気清浄機等に用いられるイオン発生器、オゾン発生器に類似する。
プラズマ発生装置71に印加する電圧の波形の一例を、図9に示す。ここで、図9に示した波形は、電源の出力部における波形であり、板状電極73と対極電極74との間や、電極78間に実際に印加される波形とは異なる。これは、電極周囲の電気的な条件により変化するためである。プラズマ発生装置71の構造に応じて、その性能が最大限に発揮されるように、プラズマ発生装置71に印加する電圧の波形や、周波数を調節すれば良い。
本実施の形態の吸込口体21の底面の後端部付近には、前述のようにアクチュエータ61の先端が突出している。図10に示すように、このアクチュエータ61は、ばね65によりそのフランジ部62が付勢されており、ばね65に抗するような力が加わることで、アクチュエータ61は後退する。アクチュエータ61が後退すると、アクチュエータ61の後端部がスイッチ66を押して接点を閉じ、プラズマ発生装置71に通電することができる。吸込口体21を使用するときには、アクチュエータ61の先端が、被清掃面に押圧されるので、これによりアクチュエータ61が後退してスイッチ66の接点を閉じ、プラズマ発生装置71を作動させる。
これらにより、吸込口体21を使用している状態においてのみプラズマ発生装置71を作動させて放電によりプラズマを発生し、吸込口体21を使用しない状態においては、プラズマ発生装置71を作動させず放電を行なわないようにする、停止装置を構成している。この停止装置としては、吸込口体21の底面と被清掃面とが接触したことを検知するセンサを備えたものなどを用いることもできる。
このような停止装置を設けたことにより、吸込口体21を使用しない状態、すなわち、吸込口体21の底面が、被清掃面に接触しない状態においては、放電が停止されるので、放電中のプラズマ発生装置71に、人体が誤って触れることを防止することができる。
次に、このプラズマ発生装置71を備えた掃除機1の使用方法について説明する。図1および図2に示すように、まず吸込口体21のプラズマ発生装置71が被清掃面の汚れ95など、処理したい箇所に対向するように、吸込口体21を配置する。このとき、アクチュエータ61が押圧されて、プラズマ発生装置71が作動し、放電が開始される。さらに、プラズマ発生装置71の作動と同時に、蒸気排出部82から蒸気が排出されて、プラズマ発生装置71の周囲が蒸気で満たされる。これにより、プラズマ発生装置71の周囲の広い範囲に、高密度のプラズマが発生する。これにともなって、活性種が生成され、この活性種が対象物の汚れ95に作用することにより汚れ95の成分を、分解および切断する。掃除機本体により、切断された汚れなどが吸引され、被清掃面から完全に除去される。
このとき、掃除機1における吸込み風速は、比較的小さくなるうよう制御される。吸込み風速が大き過ぎると、蒸気排出部82から排出された蒸気が、掃除機本体に吸い取られ、プラズマ発生装置71の周囲に滞留しない。そこで、蒸気発生装置83の作動中には、掃除機の吸込み風速を小さくするよう制御する制御器を設けている。蒸気発生装置83の作動中の最適な吸込み風速は、蒸気の供給量や、プラズマ発生装置71の形状、配置などにより異なるが、少なくとも掃除機により得られる最大の風速よりは小さくするように制御器により制御される。また、プラズマ発生装置71および蒸気発生装置83を作動させているときは、掃除機による吸込みを停止するようにしてもよい。
カーペットなどに付着した汚れ95のうち、醤油や油などの染みも、プラズマ発生装置71で生成されるラジカルの作用により分解され、除去することができる。この染みの除去は、寸時に行なうことはできないので、吸込口体21を被清掃面に対向させた状態で、掃除機本体による吸引は行なわずに、プラズマ発生装置71のみ作動させて長時間処理することが好ましい。このため、掃除機1の把持部13に設けた風量調節スイッチ16により、吸引を行なわないことを選択できるようにしておく。また、専用の「汚れ分解スイッチ」を設けるようにしてもよい。これらにより、プラズマ発生装置71のみ、または、プラズマ発生装置71と蒸気発生装置83のみを作動させることができるようにする。
汚れや染みを除去する、処理時間は、その汚れの程度や、プラズマの強さなどによって変化する。この汚れや染みは、一時に除去できなくても、日常の掃除機による清掃のときに、プラズマ発生装置71を作動させておけば、徐々に分解されて除去される。
このプラズマ発生装置71を備えた掃除機1の汚れを除去する効果を、次のような実験により確認した。醤油などで汚した絨毯生地からなる床材91に、本実施の形態の掃除機1の吸込口体21を約10分間密着させ、その効果を目視で確認した。その結果、図11に示すように、吸込口体21の開口23に対応する領域91aのみ、色調に変化が現れ、その効果が確認できた。
さらに、殺虫効果についても、次の実験により確認した。ダニが繁殖した絨毯に、本実施の形態のプラズマ発生装置71を備えた掃除機1の吸込口体21を密着させた。プラズマ発生装置71に通電し、プラズマを発生させ、約10分間放置した。ルーペにて観察したところ、ダニの屍骸が確認された。この実験においては、同様の装置を2組製作し、一方にはプラズマ発生装置71に通電し、他方にはプラズマ発生装置71に通電せず、その比較における有意差で効果を確認した。その結果明らかに、プラズマ発生装置71に通電した場合の方が、殺虫効果が高いことが確認できた。
(実施の形態2)
実施の形態2について、図12に基づき説明する。図12は、吸込口体の構造を示す、縦断面図である。なお、実施の形態1と同様の機能を持つ構成には、同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態の吸込口体21は、掃除機本体から分離した状態で、単独で使用することができるように構成されている。吸込口体21の上面には、電源供給用の電源コネクタ31が設けられている。この電源コネクタ31には、電源コード34に接続されたプラグ35が接続される。吸込口体21を単独で使用する場合には、この電源コネクタ31および電源コード34によりプラズマ発生装置71に電力を供給する。このように構成することで、吸込口体21を掃除機本体から分離し、吸込口体21単体で浄化装置として使用することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
この発明に基づいた実施の形態1における掃除機の使用状態を示す側面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における掃除機の、使用状態の吸込口体を示す断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における吸込口体の底面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、異なる吸込口体の断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、プラズマ発生装置の、図6におけるV−V矢視断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、プラズマ発生装置の平面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、異なるプラズマ発生装置を示す平面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、異なるプラズマ発生装置を用いた吸口体の縦断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、プラズマ発生装置に印加する電圧の波形の一例である。 この発明に基づいた実施の形態1における、停止装置の構造を示す縦断面図である。 この発明に基づいた実施の形態1における、掃除機の効果を確認する実験の方法を示す説明図である。 この発明に基づいた実施の形態2における、吸込口体の構造を示す縦断面図である。
符号の説明
1 掃除機、21 吸込口体、71 プラズマ発生装置、83 蒸気発生装置(供給装置)、96 活性種。

Claims (7)

  1. 吸込口体に設けられ、被清掃面に送出される活性種を生成するプラズマ発生装置と、
    水蒸気、空気以外のガス、または、液体微粒子の少なくともいずれかひとつを、プラズマ発生装置の近傍に供給する、供給装置とを備え、
    前記プラズマ発生装置は電極を有し、該電極は被掃除面に対向するように設けられている、掃除機。
  2. 前記プラズマ発生装置は、大気圧下において放電を行なうことにより活性種を生成する、請求項1に記載の掃除機。
  3. 前記吸込口体からの吸込み風速を可変にする、風速調節装置をさらに備えた、請求項1または2に記載の掃除機。
  4. 前記供給装置作動時には、吸込口体からの吸い込み風速を低速に切り替えるよう制御する、制御器をさらに備えた、請求項3に記載の掃除機。
  5. 吸込口体の底面が被清掃面から離れたことを検知すると、前記プラズマ発生装置を停止させる停止装置をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の掃除機。
  6. 前記吸込口体は、掃除機本体から着脱可能であり、掃除機本体から分離した状態で、前記プラズマ発生装置を作動させることが可能な、請求項1から5のいずれかに記載の掃除機。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の掃除機を用いた浄化方法であって、
    前記プラズマ発生装置を、被清掃面に付着した汚染物質に対向させて配置し、
    前記プラズマ発生装置を作動させて、前記プラズマ発生装置から活性種を発生させ、前記活性種を汚染物質に接触させることにより被清掃面に付着した汚染物質を減少させる、浄化方法。
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