本発明は、ベニヤ単板の定規出し方法及びベニヤ単板の定規出し装置に関する。
近年、無垢の製材品に代わる建材として、LVL(Laminated Veneer Lumberの略称、他に単板積層材、平行合板の別称も併用されているが、本願ではLVLと称す)の利用が漸増する傾向にあり、矩形状に切揃えたベニヤ単板(以下、単に単板と称す)の所要数枚を、順次階段状にずらしながら重ねて接着する工程を繰返す製法によれば、単板同士の端部の合わせ目が隣合う層毎に異なる位置に分散されるので、強度の低下を回避しつつ、長さに制約のない長尺のLVLを得ることができるが、熱硬化性接着剤(以下、単に接着剤と称す)を用いる既知のLVLの製法、例えば所要の積層枚数を一枚毎にずらしながら纏めて重ね合わせ、一括して熱圧する製法は、所要熱圧時間が比較的長いので、生産性が極めて低くなる難点を有し、或は例えば複数基の熱圧機構を直列状に備え、LVLを間歇的に移送する途上で、各熱圧機構の前位毎に上面側と下面側の夫々から単板を一枚づつ供給して重ね合わせて熱圧する製法は、用いる製造装置全体が著しく複雑化・大型化したり、熱圧が不均等となって局部的な接着不良が懸念されるなどの難点を有しており、いずれも実用性に欠けるものであったことから、本出願人は、先に「積層材の製造方法」(特願2002−142579号)に於て、実用性の向上を図った新たな製法を提案した。
前記提案した製法の概要は、矩形状に切揃えた単板の所要枚数を、順次階段状にずらしながら重ねて接着する工程を繰返すLVLの製法に於て、接着剤を塗布した単板を熱圧するに際し、該単板が常に、該単板を熱圧する熱圧体の熱圧範囲に位置するよう、都度LVLを所要位置へ移動させてから熱圧することを特徴とするものであって、より具体的な態様について説明すると、該製法の実施には、例えば図13(イ)に例示する如き、必要に応じて加熱する固定盤A、加熱蒸気・電熱器等の加熱源を介して加熱される図示矢印方向へ昇降可能な加熱盤B、正逆転可能な前コンベヤC、正逆転可能な補助コンベヤD、正逆転可能な後コンベヤE、単板の吸着機能及び開放機能を有し、少なくとも図示矢印方向へ昇降可能な吸着フードF(該吸着フードFに連結する蛇腹管、吸引機等は図示省略)、各機器類の作動を制御する制御機構(図示省略)等を有する製造装置を用い、以下の順序で単板の接着を繰返す。
即ち、例えば図13(イ)の状態から一連の工程を始めるには、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、現に製造しているLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、次に接着すべき接着剤を塗布していない単板1aを、前コンベヤCを介して実線で示す位置から点線で示す位置へ、また一緒に接着すべき接着剤3を塗布した単板1bを、吸着フードFを介して実線で示す位置から点線で示す位置へ夫々移送すると共に、少なくとも各単板1a・1bの移送を終える迄に、加熱盤Bを図示する位置へ上昇させる。尚、単板1bの移送を終えた吸着フードFは、速やかに当初の位置へ上昇させる。
次に、図13(ロ)に示す如く、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ正転させて、各単板1a・1bとLVL2を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、各単板1a・1bとLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、加熱盤Bを図示する位置へ下降させて、各単板1a・1bとLVL2とを接着する。また別途に、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1cを吸着フードFに吸着させて、図示した位置に於て待機させる。
次に、各単板1a・1bとLVL2の接着が終了したら、図13(ハ)に示す如く、加熱盤Bを図示する位置へ上昇させ、次いで、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ逆転させて、LVL2(この時点では、既に単板1a・1bを含む)を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、LVL2を図示した位置に止めた状態に於て、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1cを、吸着フードFを介して先記待機位置から図示する位置へ移動させる。尚、単板1cの移送を終えた吸着フードFは、速やかに当初の位置へ上昇させる。
次に、図13(ニ)に示す如く、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ正転させて、単板1cとLVL2を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、単板1cとLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、加熱盤Bを図示する位置へ下降させて、単板1cとLVL2とを接着する。また別途に、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1dを吸着フードFに吸着させて、図示した位置に於て待機させる。
次に、単板1cとLVL2の接着が終了したら、図13(ホ)に示す如く、加熱盤Bを図示する位置へ上昇させ、次いで、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ逆転させて、LVL2(この時点では、既に単板1cも含む)を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、LVL2を図示した位置に止めた状態に於て、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1dを、吸着フードFを介して先記待機位置から図示する位置へ移動させる。尚、単板1dの移送を終えた吸着フードFは、速やかに当初の位置へ上昇させる。
次に、図13(ヘ)に示す如く、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ正転させて、単板1dとLVL2を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、単板1dとLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、加熱盤Bを図示する位置へ下降させて、単板1dとLVL2とを接着する。また別途に、次に接着すべき接着剤を塗布していない単板1eを前コンベヤCに載せて、図示した位置に於て待機させると共に、一緒に接着すべき接着剤3を塗布した単板1fを吸着フードFに吸着させて、図示した位置に於て待機させる。
単板1dとLVL2の接着がしたら、再び図13(イ)に示す工程に戻って、単板1e・1fを実線で示す位置から点線で示す位置へ夫々移送し、以下同様の工程を繰返すことにより、順次単板1a〜1z(理論的には、zは無限大)を階段状にずらしながら重ねて接着することができるので、後コンベヤEの後位に於て所望長さ毎に切断することにより、所望長さのLVLを得ることができる。尚、前記工程図に於ては、接着剤の存在を明確化する便宜上、接着剤を点線状に表記したが、接着剤の塗布形態について特に制約はなく、例えば薄膜状・細紐状・点状等々、従来公知の種々の塗布形態を採用して差支えない。
因に、実用に供されるLVLの積層数は、十数層〜数十層と普通の合板等に比べて著しく多層であるが、各層毎に都度単板を接着する前記製法によれば、先記従来の所要の積層枚数を一括して熱圧する製法に比べて、所要熱圧時間が大幅に短縮され、生産性が良化するのは勿論のこと、複数基の熱圧機構を直列状に備えて、単板を多段階状に一度に接着する製法と比べても、製造装置全体が簡略化できたり、常に均等的な熱圧か行い得て、局部的な接着不良が生じる虞が無いなど、総じて有益な効用を発揮することが可能である。
しかし、図13(イ)〜図13(ヘ)の実例に示す如く、専らLVLの片面側(実例は上面側)へ一枚づつ単板を重ねて接着する工程の形態では、生産性の大幅な良化が望めないことから、図示は省略したが、LVLの上面側と下面側との夫々へ一枚づつ単板を供給し、階段状にずらしながら重ねて接着する(先記固定盤を加熱盤と同様に加熱する必要がある)形態も、先記公報に於て併せて提案し、生産性の一層の良化を図っているが、それでも生産性の良化が十分であるとは言い難い。
そこで更に、LVLの所望の面側へ複数枚の単板を直列的に並べて一緒に供給し、階段状にずらしながら重ねて接着する形態も、先記公報に於て併せて提案し、生産性の更なる良化を図っており、該形態をより具体的に説明すると、前記図13の例に準じて、例えば図14(イ)に示す如く、固定盤A、加熱盤B、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤE、吸着フードF等を有する製造装置を用いて実施するが、固定盤A、加熱盤Bについては、複数枚(実例は2枚)の単板が熱圧可能な構成とすると共に、吸着フードFについても、複数枚の単板の夫々を吸着可能な構成とする。
供給する単板が複数枚であっても、製造工程は、前記図13の例と全く同様であって、図14(イ)に示す如く、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、現に製造しているLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、次に接着すべき接着剤を塗布していない単板1h・1mを、前コンベヤCを介して実線で示す位置から点線で示す位置へ、また一緒に接着すべき接着剤3を塗布した単板1n・1rを、吸着フードFを介して実線で示す位置から点線で示す位置へ夫々移送すると共に、少なくとも各単板1h・1m・1n・1rの移送を終える迄に、加熱盤Bを図示する位置へ上昇させる。尚、単板1n・1rの移送を終えた吸着フードFは、速やかに当初の位置へ上昇させる。
次に、図14(ロ)に示す如く、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ正転させて、各単板1h・1m・1n・1rとLVL2を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、各単板1h・1m・1n・1rとLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、加熱盤Bを図示する位置へ下降させて、各単板1h・1m・1n・1rとLVL2とを接着する。また別途に、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1s・1tを吸着フードFに吸着させて、図示した位置に於て待機させる。
次に、各単板1h・1m・1n・1rとLVL2の接着が終了したら、図14(ハ)に示す如く、加熱盤Bを図示する位置へ上昇させ、次いで、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ逆転させて、LVL2(この時点では、既に単板1h・1m・1n・1rを含む)を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、LVL2を図示した位置に止めた状態に於て、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1s・1tを、吸着フードFを介して先記待機位置から図示する位置へ移動させる。尚、単板1s・1tの移送を終えた吸着フードFは、速やかに当初の位置へ上昇させる。
次に、図14(ニ)に示す如く、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを図示矢印方向へ正転させて、単板1s・1tとLVL2を図示する位置へ移動させた後に、前コンベヤC、補助コンベヤD、後コンベヤEを停止させ、単板1s・1tとLVL2を図示した位置に止めた状態に於て、加熱盤Bを図示する位置へ下降させて、単板1s・1tとLVL2とを接着する。また別途に、次に接着すべき接着剤3を塗布した単板1u・1vを吸着フードFに吸着させて、図示した位置に於て待機させる。
以下、同様に図13(ホ)及び図13(ヘ)の例に準ずる工程を経て図14(イ)の状態に戻る一連の工程を繰返すことによって、長さに制約のない長尺のLVLを得ることができるが、図14の実例の如く、LVLの片面側へ一緒に2枚の単板を供給する形態を採れば、図13の例に比べて生産性が倍増する。更に図示は省略したが、同じくLVLの片面側へ一緒に3枚の単板を供給する形態を採れば、生産性が3倍に、また、LVLの片面側へ一緒に4枚の単板を供給する形態を採るか、或はLVLの両面側の夫々へ、一緒に2枚づつ単板を供給する形態を採れば、生産性が4倍になるなど、この種のLVLの製法に於て、複数枚の単板を直列的に並べて一緒に供給する形態による生産性の良化効率は著大である。
ところで、製法の如何に拘わらず、各単板同士の端部の合わせ目が不揃いであると、LVLの品質を低下させることになるから、この種のLVLの製法に於ても、矩形状に切揃えた単板の端部の定規出しは重要な必要事項であり、特に単板(LVL)の移送方向と交差する方向に倣う端部の定規出し(通常は、移送方向と直交状に揃える)が不揃いであると、不規則なラップ・トンネル等の品質低下の原因となる。
而して、述上の如き単板の端部の定規出しには、例えば「板状体の位置出し搬送装置及び板状体の位置出し方法」(特開2003−104528号公報)・「板状体の位置出し搬送方法及び装置」(特開2003−155114号公報)等に開示される如き、回動出没式の定規を有する定規出し機構が用いられるのが一般的であり、該定規出し機構を先記図13の例に於ける前コンベヤに適用したとすると、例えば図15(イ)に例示する如く、LVL2の最後端から適宜距離L1離れた位置を定規出し位置とする回動出没式の定規4、該定規4を適時図示矢印方向へ交互に起立・転倒させるロータリーシリンダ・サーボモータ等から成る作動機構5等を有する定規出し機構Gを、前コンベヤCに併設し、接着剤を塗布していない単板1aの前端部を、作動機構5を介して起立させた定規4に当接させて定規出しを行い、次いで図15(ロ)に例示する如く、作動機構5を介して定規4を転倒させる(必要に応じては、転倒時に前コンベヤCによる移送を暫時中止し)と共に、前コンベヤCを介して単板1aを距離L1だけ移送し(必要に応じては、ピンチロールの併設など、適宜のスリップ予防処置を施して)、更に前コンベヤCを停止させることによって、単板1aの定規出しと所望の位置への移送とを格別支障なく実施することができる。
ところが、前記定規出し機構を先記図14の例に於ける前コンベヤに応用して、複数枚の単板の定規出しと、先行する単板の後端部と後続する単板の前端部の位置合わせとを併せて行なうようにした場合には、後述する如き問題が発生することが、本発明の開発過程で判明した。
即ち、前記図15(イ)の例に準じて、図16(イ)に例示する如く、LVL2の最後端から適宜距離L2離れた位置を定規出し位置とする回動出没式の定規4、該定規4を適時図示矢印方向へ交互に起立・転倒させる作動機構5等を有する定規出し機構Gを、前コンベヤCに併設し、先ず始めに、接着剤を塗布していない先行する単板1hの前端部を、作動機構5を介して起立させた定規4に当接させて定規出しを行い、次いで図16(ロ)に例示する如く、接着剤を塗布していない後続する単板1mの前端部を、先行する単板1hの後端部に当接させることにより、各単板1h・1mの定規出しと、先行する単板1hの後端部と後続する単板1mの前端部の位置合わせとを併せて行なうのであるが、公知の如く、LVLの製造に供される汎用の単板の厚さは2mm〜4mm程度であり、而も乾燥に伴う収縮に起因して、反り・捩れ等の歪を有していて非平坦状であるのが通例であるから、後続する単板の前端部が先行する単板の後端部へ安定的に当接せず、上方へ乗上げたり下方へ潜り込んだりする問題が度々発生し、定規出し及び位置合わせが不能化する。
本発明は、前記従来の定規出し方法並びに定規出し装置の問題点を解消すべく開発したものであって、具体的には、矩形状の単板の複数枚を移送機構を介して直列的に移送する過程に於て、前記移送機構に併設した定規出し機構を介して、各単板の移送方向と交差する方向に倣う端部の定規出しと、先行する単板の後端部と後続する単板の前端部との位置合わせとを併せて行なうに際し、移送する単板と同数の定規出し機構を、単板の移送方向の長さに準ずる間隔を隔てて直列的に移送機構に併設すると共に、少なくとも最後尾の単板以外の単板を、個別に一時的若しくは持続的に移送機構の移送経路から待避させる単板待避機構を移送機構に併設し、先行する単板の定規出しを行なう時には、後続する全ての単板用の定規出し機構を休止状態として、先行する単板の移送を阻害しないことと、後続する単板の定規出しを行なう時には、単板待避機構を介して少なくとも直前を先行する定規出しを終えた単板を移送機構の移送経路から一時的若しくは持続的に待避させて、後続する単板用の定規出し機構の稼動を阻害しないこととを特徴とする単板の定規出し方法(請求項1)と、矩形状の単板の複数枚を直列的に移送する移送機構と、各単板の移送方向と交差する方向に倣う端部の定規出しに加えて、先行する単板の後端部と後続する単板の前端部との位置合わせを行なうべく、前記移送機構に併設した定規出し機構と、少なくとも最後尾の単板以外の単板を、個別に一時的若しくは持続的に移送機構の移送経路から待避させるべく、前記移送機構に併設した適数基の単板待避機構とを少なくとも有する単板の定規出し装置であって、前記定規出し機構を移送する単板と同数として、単板の移送方向の長さに準ずる間隔を隔てて直列的に移送機構に併設すると共に、先行する単板の定規出しを行なう時には、後続する全ての単板用の定規出し機構を休止状態とし、また後続する単板の定規出しを行なう時には、単板待避機構を介して少なくとも直前を先行する定規出しを終えた単板を移送機構の移送経路から一時的若しくは持続的に待避させて、後続する単板用の定規出し機構を稼動状態とするよう、各定規出し機構と単板待避機構の作動を制御する制御機構を備えたことを特徴とする単板の定規出し装置(請求項2)と、コンベヤ式の移送機構を備えて成る請求項2記載の単板の定規出し装置(請求項3)と、少なくとも先頭の単板以外の単板用に、回動出没式の定規を有する定規出し機構を備えて成る請求項2又は請求項3記載の単板の定規出し装置(請求項4)と、少なくとも先頭の単板以外の単板用に、昇降出没式の定規を有する定規出し機構を備えて成る請求項2又は請求項3記載の単板の定規出し装置(請求項5)と、少なくとも先頭の単板以外の単板用に、斜行出没式の定規を有する定規出し機構を備えて成る請求項2又は請求項3記載の単板の定規出し装置(請求項6)と、押上げ式の単板待避機構を備えて成る請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載の単板の定規出し装置(請求項7)と、持上げ式の単板待避機構を備えて成る請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載の単板の定規出し装置(請求項8)と、吸着式の単板待避機構を備えて成る請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載の単板の定規出し装置(請求項9)とを提案する。
本発明に係る単板の定規出し方法及び単板の定規出し装置によれば、移送する単板と同数の定規出し機構を備えるにも拘わらず、先行する単板の定規出しを行なう時には、後続する全ての単板用の定規出し機構を休止状態とするので、先行する単板の移送を阻害する虞がないのは勿論のこと、後続する単板の定規出しを行なう時には、少なくとも直前を先行する定規出しを終えた単板を移送機構の移送経路から一時的若しくは持続的に待避させるので、後続する単板用の定規出し機構の稼動を阻害する虞もなく、個々の定規出し機構によって適確に各単板の前端部の向きと位置とを規制できるから、常に安定的に各単板の定規出し及び各単板同士の位置合わせが行ない得る。
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、説明を簡素化する便宜上、既に背景技術の項に於て説明した機構、部材と同様の構成で成る機構、部材については、同じ符号を付して、重複する詳細な説明を可及的に省略する。また実際の装置の構成については、図示した機構、部材の大きさや形態にこだわらず、必要に応じて、適宜設計変更して差支えなく、基本的な機能を奏することが可能な形態であれば足りる。
図1は、本発明に係る単板の定規出し装置の側面説明図であり、図中、G1・G2は、回動出没式の定規4、ロータリーシリンダ・サーボモータ等から成る定規用の作動機構5等を有する定規出し機構であって、後述するロールコンベヤHによって一緒に移送される単板1h・1mの枚数(実例は2)と同数が、単板1h(1m)の移送方向の長さWと同等の間隔Lを隔てて直列的にロールコンベヤHに併設されており、後述する制御機構Mの制御に基づいて、単板1h・1mの移送方向下手側に位置する定規出し機構G1から上手側に位置する定規出し機構G2に向かって順々に稼動し、各単板1h・1mの定規出しと、先行する単板1hの後端部と後続する単板1mの前端部の位置合わせとを併せて行なう。
Hは、複数本の円筒状のロール6、サーボモータ・ステップモータ等から成る駆動源7等を有するロールコンベヤであって、先記図13・図14の例に於ける前コンベヤCに相当し、固定盤、加熱盤等を有するLVLの熱圧機構の前位に位置する補助コンベヤ(いずれも図示省略)の前位に備えられ、後述する制御機構Mの制御に基づいて、図示矢印方向へ正逆転し、各単板1h・1mを直列的に図示矢印方向へ移送すると共に、LVL(図示省略)を、適時各単板1h・1mの移送方向と同方向及び逆方向へ移送する。
Jは、板状の押上げバー8、流体シリンダ、カム等から成る押上げバー用の昇降機構9等を有する単板待避機構であって、後述する制御機構Mの制御に基づき、適時昇降機構9を介して、押上げバー8を実線及び点線で示す如く図示矢印方向へ昇降させ、先行する単板1hをロールコンベヤHの移送経路から一時的に待避させる。
K1・K2は、各定規出し装置の上方に配設した各々が複数個(通常は、2個)の反射型光電管式検知器等から成る定規検出器であって、定規4による単板の定規出しが完了したことを検出する都度、後述する制御機構Mに検出信号を発信する。
10は、ロールコンベヤHの始端の上部へ遊転可能に対設したピンチロールであって、ロールコンベヤHへの各単板1h・1mの搬入を安定化させる。
Mは、前記定規出し機構G1・G2、ロールコンベヤH、単板待避機構J等の作動を制御する制御機構であって、複数枚の単板1h・1mを直列的に図示矢印方向へ移送する際には、駆動源7を介して、適時複数本のロール6を単板の移送方向と同方向へ正転させると共に、LVLを単板の移送方向と同方向及び逆方向へ移送する際には、駆動源7を介して、複数本のロール6を正逆転させるよう、ロールコンベヤHの作動を制御する(図13・図14の例を参照)。また、当初、先行する単板1hの定規出しを行なう際には、図2(イ)に例示する如く、定規出し機構G1を稼動状態、定規出し機構G2を休止状態とし、次に、後続する単板1mの定規出しを行なう際には、図2(ロ)に例示する如く、単板待避機構Jの昇降機構9を介して押上げバー8を上昇させ、単板1hをロールコンベヤHの移送経路から一時的に待避させた後に、定規出し機構G2を稼動状態とするよう、各定規出し機構G1・G2及び単板待避機構Jの作動を制御する。
本発明に係る単板の定規出し装置は、例えば前記の如く構成するものであり、その作動態様を、前記制御機構Mのより詳細な制御態様と共に詳述すると、当初、先行する単板1hの定規出しを行なう際には、図2(イ)に例示する如く、単板待避機構Jの押上げバー8を下降位置にて待機させると共に、定規出し機構G1を稼動状態(定規4が起立)、定規出し機構G2を休止状態(定規4が転倒)とし、更にロールコンベヤHのロール6を図示矢印方向へ正転させるよう制御機構Mによって制御すると、各単板1h・1mは図示矢印方向へ直列的に移送されるが、やがて、先行する単板1hの前端部が、定規出し機構G1の定規4に当接することにより、単板1hの定規出しが行なわれる。
そして、単板1hの前端部が定規出し機構G1の定規4に沿うように定規出しされたことを定規検出器K1が検出して、検出信号を制御機構Mに発信すると、制御機構Mは、図2(ロ)に例示する如く、単板待避機構Jの押上げバー8を上昇させて、単板1hをロールコンベヤHの搬送経路から一時的に待避させた後に、定規出し機構G2を稼動状態とするように、各機構の作動を制御する。尚、必要に応じては、押上げバー8を上昇させる際に、ロールコンベヤHのロール6の正転を暫時停止させる制御を実施しても差支えない。また、定規出し機構G1は、少なくとも単板1hをロールコンベヤHの搬送経路に復帰させる迄に、休止状態とするよう制御すれば足りる。
そして更に、ロールコンベヤHによる単板1mの移送が継続(又は再開)されると、やがて、図2(ハ)に例示する如く、単板1mの前端部が、定規出し機構G2の定規4に当接することにより、単板1mの定規出しが行なわれ、更に、単板1mの前端部が定規出し機構G2の定規4に沿うように定規出しされたことを定規検出器K2が検出して、検出信号を制御機構Mに発信すると、制御機構Mは、図2(ニ)に例示する如く、ロールコンベヤHのロール6の正転を暫時停止させると共に、定規出し機構G2を休止状態とし、更に単板待避機構Jの押上げバー8を下降させて、単板1hをロールコンベヤHの搬送経路に復帰させるよう、各機構の作動を制御する。
述上の如き一連の制御・作動によって、各単板1h・1mの定規出しと併せて、先行する単板1hの後端部と後続する単板1mの前端部との位置合わせが支障なく完了する。そこで、その後は、ロールコンベヤHのロール6の正転を再開し、図14の例に準じて、各単板1h・1mを所望の位置へ供給すれば良い。
図3は、本発明に係る単板の定規出し装置の別の実例の側面説明図であり、前記図1の例に於ける定規出し機構及び定規検出器と同様の構成で成る定規出し機構及び定規検出器を夫々3基づつ備えると共に、前記図1の例に於ける押上げ式の単板待避機構に代えて、持上げ式の単板待避機構を2基備えて、3枚の単板の定規出しと位置合わせを行ない得るよう構成したものである。
即ち、図3に於て、N1・N2は、フォーク状の持上げアーム11、流体シリンダ、カム等から成る持上げアーム用の昇降機構12等を有する単板待避機構であって、3基の定規出し機構G1・G2・G3及び定規検出器K1・K2・K3に適合するように、3枚の単板1u・1v・1wを直列的に移送するロールコンベヤHに併設されており、図1の例に於ける制御機構Mの構成に準ずる構成(制御すべき機構の数が増加した分だけ、制御の繰り返し回数が増える)で成る制御機構M1の制御に基づいて、適時昇降機構12を介して、持上げアーム11を実線及び点線で示す如く図示矢印方向へ昇降させ、先行する単板1u・1vを個別にロールコンベヤHの移送経路から一時的に待避させる。
図3に例示した単板の定規出し装置の作動態様を、制御機構M1のより詳細な制御態様と共に詳述すると、当初、先行する単板1uの定規出しを行なう際には、図3に実線で例示する如く、単板待避機構N1・N2の各持上げアーム11を下降位置にて待機させると共に、定規出し機構G1を稼動状態(定規4が起立)、定規出し機構G2・G3を休止状態(定規4が転倒)とし、更にロールコンベヤHのロール6を図示矢印方向へ正転させるよう制御機構M1によって制御すると、各単板1u・1v・1wは図示矢印方向へ直列的に移送されるが、やがて、先行する単板1uの前端部が、定規出し機構G1の定規4に当接することにより、単板1uの定規出しが行なわれる
そして、単板1uの前端部が定規出し機構G1の定規4に沿うように定規出しされたことを定規検出器K1が検出して、検出信号を制御機構M1に発信すると、制御機構M1は、図4(イ)に例示する如く、単板待避機構N1の持上げアーム11を上昇させて、単板1uをロールコンベヤHの搬送経路から一時的に待避させた後に、定規出し機構G2を稼動状態とするように、各機構の作動を制御する。尚、必要に応じては、持上げアーム11を上昇させる際に、ロールコンベヤHのロール6の正転を暫時停止させる制御を実施しても差支えない。また、定規出し機構G1は、少なくとも単板1uをロールコンベヤHの搬送経路に復帰させる迄に、休止状態とするよう制御すれば足りる。
そして更に、ロールコンベヤHによる単板1v・1wの移送が継続(又は再開)されると、やがて、図4(ロ)に例示する如く、単板1vの前端部が、定規出し機構G2の定規4に当接することにより、単板1vの定規出しが行なわれ、次いで、単板1vの前端部が定規出し機構G2の定規4に沿うように定規出しされたことを定規検出器K2が検出して、検出信号を制御機構M1に発信すると、制御機構M1は、図4(ハ)に例示する如く、単板待避機構N2の持上げアーム11を上昇させて、単板1vをロールコンベヤHの搬送経路から一時的に待避させた後に、定規出し機構G3を稼動状態とするように、各機構の作動を制御する。尚、必要に応じては、持上げアーム11を上昇させる際に、ロールコンベヤHのロール6の正転を暫時停止させる制御を実施しても差支えない。また、定規出し機構G2は、少なくとも単板1u・1vをロールコンベヤHの搬送経路に復帰させる迄に、休止状態とするよう制御すれば足りる。
そして更に、ロールコンベヤHによる単板1wの移送が継続(又は再開)されると、図示は省略したが、やがて、単板1wの前端部が、定規出し機構G3の定規4に当接することにより、単板1wの定規出しが行なわれ、更に、単板1wの前端部が定規出し機構G3の定規4に沿うように定規出しされたことを定規検出器K3が検出して、検出信号を制御機構M1に発信すると、制御機構M1は、ロールコンベヤHのロール6の正転を暫時停止させると共に、定規出し機構G3を休止状態とし、更に単板待避機構N1・N2の持上げアーム11を下降させて、単板1u・1vをロールコンベヤHの搬送経路に復帰させるよう、各機構の作動を制御する。
述上の如き一連の制御・作動によって、各単板1u・1v・1wの定規出しと併せて、先行する単板1uの後端部とそれに後続する単板1vの前端部との位置合わせ、及び単板1vの後端部とそれに後続する単板1wの前端部との位置合わせが支障なく完了する。そこで、その後は、ロールコンベヤHのロール6の正転を再開し、図14の例に準じて、各単板1u・1v・1wを所望の位置へ供給すれば良い。
因に、付言すると、前記単板1vは、単板1uに対しては後続する単板に相当するが、他方、単板1wに対しては先行する単板に相当するという両面性を有しており、斯様な相対的な両面関係は、3枚以上の単板を直列的に移送する際に於ける、先頭の単板と最後尾の単板とを除いた中間に位置する全ての単板に共通する性質である。
図5は、本発明に係る単板の定規出し装置の更に別の実例の側面説明図であり、図6は図5に例示した単板の定規出し装置の正面説明図であって、前記図1の例に於ける円筒状のロールを有するロールコンベヤに代えて、鍔付ロールを有するロールコンベヤを備えると共に、回動出没式の定規を有する定規出し機構に代えて、昇降出没式の定規を有する定規出し機構を備え、更に押上げ式の単板待避機構に代えて、吸着式の単板待避機構を備えるなど、構成を大幅に変えており、当然ながら、制御機構の制御態様も前記図1の例とは相違する。
即ち、図5及び図6に於て、Pは、複数本の鍔付ロール13、サーボモータ・クラッチ&ブレーキ付モータ等から成る駆動源14等を有するロールコンベヤであって、例えば先記図13・図14の例に於ける前コンベヤC及び補助コンベヤDの側方上位(斜め上方)へ平行状に備えられ、後述する制御機構M2の制御に基づいて、図示矢印方向へ回転し、接着剤3を塗布した単板1n・1rを直列的に図示矢印方向へ移送する。
Qは、固定式の定規から成る定規出し機構であって、ロールコンベヤPの終端部に備えられており、先行する単板1nの定規出しを行なう。
Q1は、昇降出没式の定規15、流体シリンダ、カム等から成る定規用の作動機構16等を有する定規出し機構であって、前記定規出し機構Qから単板1n(1r)の移送方向の長さWと同等の間隔Lを隔ててロールコンベヤPに併設されており、後述する制御機構M2の制御に基づいて、適時間歇的に稼動し、後続する単板1rの定規出しと、先行する単板1nの後端部と後続する単板1rの前端部の位置合わせとを併せて行なう。
R1・R2は、単板の吸着機能及び開放機能を有する吸着フードF(該吸着フードFに連結する蛇腹管、吸引機等は図示省略)、流体シリンダ、サーボモータ等から成る吸着フード用の昇降機構17、移動台18、ガイドレール19、移動ネジ20、サーボモータ・ステップモータ等から成る移動ネジ用の駆動源21等を有する単板供給機構兼用の吸着式の単板待避機構であって、前記定規出し機構Q・Q1及び図1の例と同様の構成で成る定規検出器K1・K2に適合するように、ロールコンベヤPに併設されており、後述する制御機構M2の制御に基づいて、適時昇降機構17を介して、吸着フードFを実線及び点線で示す如く図示矢印方向へ昇降させ、併せて適時移動ネジ20、駆動源21等を介して、昇降機構17(及び吸着フードF)を実線及び点線で示す如く図示矢印方向へ往復移動させることにより、ロールコンベヤPによって移送される単板1n・1rを、個別にロールコンベヤPの移送経路から持続的に待避させ、併せて前コンベヤC及び補助コンベヤDを介して移送される単板1h・1m(或はLVL2)の上側の所定位置へ、単板1n・1rを供給する。
M2は、前記ロールコンベヤP、定規出し機構Q1、単板待避機構R1・R2等の作動を制御する制御機構であって、接着剤3を塗布した単板1n・1rを直列的に図示矢印方向へ移送する際には、駆動源14を介して、複数本の鍔付ロール13を図示矢印方向に回転させるよう、ロールコンベヤPの作動を制御する。また、当初、先行する単板1nの定規出しを行なう際には、図5・図6に例示する如く、定規出し機構Q1を休止状態とし、次に、後続する単板1rの定規出しを行なう際には、図7(イ)・(ロ)に例示する如く、単板待避機構R1の昇降機構17を介して吸着フードFを昇降させ、先行する単板1nをロールコンベヤPの移送経路から持続的に待避させた後に、定規出し機構Q1を稼動状態とするよう、定規出し機構Q1の作動を制御する。そして、後続する単板1rの定規出しを行なった後は、図7(ハ)、図8(イ)・(ロ)に例示する如く、単板待避機構R2の昇降機構17を介して吸着フードFを昇降させ、単板1rをもロールコンベヤPの移送経路から持続的に待避させると共に、適時移動ネジ20、駆動源21等を介して、各吸着フードFを前コンベヤCの上方へ移動させ、更に各単板待避機構R1・R2の昇降機構17を介して各吸着フードFを昇降させ、単板1n・1rを前コンベヤC及び補助コンベヤDを介して移送される単板1h・1m(或はLVL2)の上側の所定位置に供給するよう、各単板待避機構R1・R2の作動を制御する
図5・図6に例示した定規出し装置の作動態様を、制御機構M2のより詳細な制御態様と共に詳述すると、当初、先行する単板1nの定規出しを行なう際には、図5・図6に実線で例示する如く、各単板待避機構R1・R2の吸着フードFを、ロールコンベヤPの上方の上昇位置にて待機させると共に、定規出し機構Q1を休止状態(定規15が下降)とし、ロールコンベヤPの鍔付ロール13を図示矢印方向へ回転させるよう制御機構M2によって制御すると、各単板1n・1rは図示矢印方向へ直列的に移送されるが、やがて、先行する単板1nの前端部が、定規出し機構Qに当接することにより、単板1nの定規出しが行なわれる。
そして、単板1nの前端部が定規出し機構Qに沿うように定規出しされたことを定規検出器K1が検出して、検出信号を制御機構M2に発信すると、制御機構M2は、図7(イ)に例示する如く、単板待避機構R1の吸着フードFを下降させて、単板1nを吸着し、次いで、図7(ロ)に例示する如く、単板待避機構R1の吸着フードFを上昇させて、単板1nをロールコンベヤPの搬送経路から持続的に待避させた後に、定規出し機構Q1を稼動状態とするように、各機構の作動を制御する。尚、必要に応じては、吸着フードFを上昇させる際に、ロールコンベヤPの鍔付ロール13の回転を暫時停止させる制御を実施しても差支えない。
更に、ロールコンベヤPによる単板1rの移送が継続(又は再開)されると、やがて、図7(ハ)に例示する如く、単板1rの前端部が、定規出し機構Q1の定規15に当接することにより、単板1rの定規出しが行なわれ、また、単板1rの前端部が定規出し機構Q1の定規15に沿うように定規出しされたことを定規検出器K2が検出して、検出信号を制御機構M2に発信すると、制御機構M2は、単板待避機構R2の吸着フードFを下降させて、単板1rを吸着し、次いで、図8(イ)に例示する如く、単板待避機構R2の吸着フードFを上昇させて、単板1rをもロールコンベヤPの搬送経路から持続的に待避させるように、各機構の作動を制御する。
そして更に、移動ネジ20、駆動源21等を介して、単板1nを吸着した単板待避機構R1の吸着フードFを、図8(イ)に例示する如く、都度、先行して(又は図示は省略したが、単板1rを吸着した単板待避機構R2の吸着フードFと一緒に)、前コンベヤCの上方へ移動させ、更に、各吸着フードFを順次個別に(又は一緒に)下降させて、単板1n・1rを前コンベヤC及び補助コンベヤDを介して移送される単板1h・1m(或はLVL2)の上側の所定位置に供給するよう、各機構の作動を制御する。
述上の如き一連の制御・作動によって、各単板1n・1rの定規出し、先行する単板1nの後端部とそれに後続する単板1rの前端部との位置合わせ、各単板1n・1rの所定位置への供給などが支障なく完了する。尚、定規出し機構Q1は、少なくとも次回に処理すべき単板(1s)が定規出し機構Q1の位置へ到来する迄に、休止状態とするよう制御すれば足り、また、各単板待避機構R1・R2の吸着フードFも、少なくとも次回に処理すべき単板の定規出しが行なわれる迄に、当初の待機位置へ復動させるよう制御すれば足りる。
因に、図1・図3の例に於ける回動出没式の定規を有する定規出し機構と図5・図6の例に於ける昇降出没式の定規を有する定規出し機構とは相互に置換可能であり、また、図1の例に於ける押上げ式の単板待避機構、或は図3の例に於ける持上げ式の単板待避機構に代えて、図5・図6の例に於ける吸着式の単板待避機構(移動ネジ等の移動用の部材類は除く)を備えても差支えないなど、本発明に係る単板の定規出し装置の構成は、先記各実例の形態に限らず種々設計変更して差支えないので、以下、それらの変更例について補足的に説明する。
まず、単板の移送機構としては、定規出しの容易性等からして、先記各実例のロールコンベヤが適当ではあるが、必ずしも限定するものではなく、他にも例えばチェーンコンベヤ、ベルトコンベヤ(いずれも図示省略)など、要は、単板の定規出しが可能な形態で、且つ単板の複数枚を直列的に移送することができる移送機構であれば足りる。
次に、単板の定規出し機構としては、先記各実例の回動出没式の定規を有する形態、或は昇降出没式の定規を有する形態の他に、例えば図9に例示する如く、斜行出没式の定規22を、図1の例の制御機構の構成に準ずる構成で成る制御機構(図示省略)の制御に基づき、流体シリンダ、カム等から成る定規用の作動機構23を介して斜め方向に出没させる形態の定規出し機構U1(U2)であっても差支えなく、要は、所要の定規出し機能と位置合わせ機能とを奏し得る形態であれば足り、而も、各単板を持続的に移送機構の移送経路から待避させる制御形態を採る場合に於ける最前位の単板用の定規については、固定式として差支えないことは、既に図5・図6の実例に示した通りである。
因に、単板の前後の端面は、前記各実例の如く、単板の板面に対して垂直に形成されるのが通例であるから、一般的には、前記各実例の如く、各定規の間隔Lを、単板の移送方向の長さWと同等にするのが適切であるが、例えば図10に例示する如く、単板1w(1x)の前後の端面が、板面に対して斜めに形成されている場合には、単板1w(1x)の移送方向の長さ(斜めの部分を含めた全長)W1と、定規の間隔Laとを異ならせる必要があり、また、例えば成形誤差、乾燥に伴う収縮等に起因して、単板の形状に歪(矩形の誤差)が生じ例が少なからずあるので、斯様な歪の存在を前提とする場合には、例えば図11に例示する如く、定規の間隔Lbを、単板1h(1m)の移送方向の長さW+Δαに設定すれば、各単板1h・1mの端部同士の間に意図的に僅少(LVLの外観的には、目立たない程度が好ましい)の隙間Δαを設けて、端部同士のラップを適確に回避することができるなど、定規の間隔は、必ずしも単板の移送方向の長さと完全に同等である必要はなく、単板の形状等の条件を勘案し、単板の移送方向の長さに準じて定めれば足り、必要に応じては、異なる長さの3枚以上の単板を順々に繰り返し移送することができるよう、単板の移送方向の長さに準じて、間隔を異ならせることも差支えない。
尚、各単板の前後の端面を、板面に対して斜めに形成する場合については、各単板の端面が相互に支障なく重なり合えるよう、各単板の待避方向、移動方向、移動順序等の諸条件に応じて、各単板の前後の端面の向きを、適切に設定する必要がある。
次に、単板待避機構としては、先記各実例の押上げ式の単板待避機構、持上げ式の単板待避機構、吸着式の単板待避機構の他に、例えば図9に例示する如く、単板の移送機構Hの一部H1を他の部分から分離して、別個の駆動源7を備えると共に、図1の例の制御機構の構成に準ずる構成で成る制御機構(図示省略)の制御に基づき、昇降台24、流体シリンダ、カム等から成る移送機構用の昇降機構25などを介して、適時前記一部の移送機構H1を、実線及び点線で示す如く昇降させるようにした、移送機構兼用の単板待避機構Vであっても、或は例えば図示は省略したが、図5・図6の実例に於ける吸着フードに代えて、単板の刺着機能を有する刺着部材と、刺着開放機能を有する刺着開放部材とを少なくとも備えて、単板を刺着して待避(必要に応じては、横移動も)させるようにした、刺着式の単板待避機構であっても、要は、単板を個別に一時的若しくは持続的に移送機構の移送経路から待避させる機能を奏する形態であれば足り、その待避方向についても特に制約はなく、例えば図12に例示する如き回転方向であっても差支えない。
即ち、図12に於て、Y1・Y2は、各々が単板の吸着機能及び開放機能を有する吸着フードF1(該吸着フードF1に連結する吸引機等は図示省略)を備え、適宜の回動機構(図示省略)を介して(LVLが著しく多層である場合など、必要に応じては、図示しない昇降機構も併せて介して)、図示矢印方向へ交互に往復回動(必要に応じて、図示矢印方向へも昇降)せしめられる、単板供給機構兼用の吸着式の単板待避機構であって、図5・図6の例に於ける制御機構M2の構成に準ずる構成の制御機構(図示省略)の制御に基づき、先記図13・図14の例に於ける前コンベヤC及び補助コンベヤDの側方上位(斜め上方)へ、別途に平行状に備えられた移送機構Hを介して移送される単板(1v・1u等)が、定規出し機構Q・Q1を介して定規出しされる都度、各単板(1v・1u等)を持続的に移送機構Hの移送経路から待避させるよう回動すると共に、前コンベヤC及び補助コンベヤDを介して移送されるLVL2(又は単板)の上側の所定位置へ、各単板(1v・1u等)を順次個別に(又は一緒に)供給する。
また、必要に応じては、図示は省略したが、図1の例に於ける押上げ式の単板待避機構、或は図3の例に於ける持上げ式の単板待避機構、更には前記刺着式の単板待避機構等に、図5・図6の実例の如き移動台、ガイドレール、移動ネジ等を付設し、且つ、図5・図6・図12の実例の如く、本来の移送機構とは別途に補助的な移送機構の一条を、本来の移送機構と並列的に備えるよう構成すれば、図5・図6・図12の実例と同様に、単板を継続的に本来の移送機構の移送経路から待避させる方式に変更することも可能である。
尚、単板を継続的に移送機構の移送経路から待避させる方式を採る場合については、単板待避機構を単板の移送方向と同方向へも移動可能に構成することによって、単板待避機構の所要基数を最少の一基とすることも不可能ではないが、即応性に欠けるので能率面からは不適切であって、実用性からすると、図5・図6・図12の実例の如く、一緒に移送する単板と同数の単板待避機構を備えるのが好ましい。一方、単板を一時的に移送機構の移送経路から待避させる方式を採る場合については、最後尾の単板の待避が無用であるから、移送機構の所要基数は、一緒に移送する単板の枚数より一つ少なくて足りる。
また更に、必要に応じては、図示は省略したが、各単板のいずれか片側の側面の位置を同じラインに揃える、単板の幅寄せ機構を移送機構に併設し、各単板の定規出しに先立って、各単板のいずれか片側の側面の位置を暫定的に同じラインに揃えるようにしても差支えなく、仮に、各単板が正確に矩形に成形されていないことにより、定規出しに伴って、各単板の側面の位置が前記ラインに対して若干斜めに振れるとしても、単板全体の側面の位置が概ね同一ラインに揃うので、LVLの品質向上、歩留り向上等に有効である。
因に、述上の如き単板の定規出し方法及び単板の定規出し装置は、単板以外の板状物の定規出し、位置合わせにも応用・転用することが可能である。
本発明に係る単板の定規出し装置の側面説明図である。
図1に例示した単板の定規出し装置の側面動作説明図である。
本発明に係る単板の定規出し装置の別の実例の側面説明図である。
図3に例示した単板の定規出し装置の側面動作説明図である。
本発明に係る単板の定規出し装置の更に別の実例の側面説明図である。
図5に例示した単板の定規出し装置の正面説明図である。
図5・図6に例示した単板の定規出し装置の側面動作説明図である。
図5・図6に例示した単板の定規出し装置の正面動作説明図である。
単板の定規出し機構の別の実例の側面説明図である。
定規と単板との相対位置関係を説明する為の側面説明図である。
定規と単板との相対位置関係を説明する為の側面説明図である。
単板供給機構兼用の吸着式の単板待避機構の別の実例の正面説明図である。
本出願人が先に提案したLVLの製造工程を説明する為の側面工程説明図である。
本出願人が先に提案したLVLの別の製造工程を説明する為の側面工程説明図である。
図13のLVLの製造工程に公知の定規出し機構を備えた例の側面動作説明図である。
図14のLVLの製造工程に公知の定規出し機構を備えた例の側面動作説明図である。
符号の説明
A :固定盤
B ;加熱盤
C :前コンベヤ
D :補助コンベヤ
E :後コンベヤ
F :吸着フード
G・G1・G2 :回動出没式の定規を有する定規出し機構
H :円筒状のロールを有するロールコンベヤ
H1 :ロールコンベヤの一部
J :押上げ式の単板待避機構
K1・K2 :定規検出器
L・La・Lb :定規の間隔
L1・L2 :LVLの最後端から定規までの距離
M・M1・M2 :制御機構
N1・N2 :持上げ式の単板待避機構
P :鍔付ロールを有するロールコンベヤ
Q :固定式の定規から成る定規出し機構
Q1 :昇降出没式の定規を有する定規出し機構
R1・R2・Y1・Y2:単板供給機構兼用の吸着式の単板待避機構
U1・U2 :斜行出没式の定規を有する定規出し機構
V :移送機構兼用の単板待避機構
W・W1 :単板の移送方向の長さ
1a・1b・1c・1d:単板
1e・1f・1h・1m:単板
1n・1r・1s・1t:単板
1u・1v・1w・1x:単板
2 :LVL
3 :接着剤
4 :回動出没式の定規
6 :円筒状のロール
8 :押上げバー
11 :持上げアーム
13 :鍔付ロール
15 :昇降出没式の定規
22 :斜行出没式の定規