JP4211740B2 - アークブロー対策制御方法及び消耗電極式パルスアーク溶接装置 - Google Patents

アークブロー対策制御方法及び消耗電極式パルスアーク溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、消耗電極と被溶接物との間にアークを発生させて溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接におけるアークブローの対策制御方法およびそれを行う消耗電極式パルスアーク溶接装置に関するものである。
近年、溶接業界では、生産性向上のために溶接の高品位化、特に溶接のアーク安定性に対する要求が高まってきている。しかしながら、パルスアーク溶接においては、図9に示すように、アークが鋼鉄などの材質においてフレミングの左手の法則による影響を受け、図9(a)に示す通常アークの状態から図9(b)に示すようなアーク周辺部に磁気の影響を受けてアークが集中せずワイヤ直進方向からずれてアーク長が長くなる場合がある。この場合にはアークが不安定となり、ずれが大きい場合には、図9(b)に示す状態からさらに図9(c)に示す状態となり、アークが消滅する場合もある。このようなアークの現象は、一般的に、アークブローまたは磁気吹きと呼ばれている(以下、アークブローという)。
上記アークブローに対する従来のアークブロー対策制御方法としては、ピーク電流とベース電流とを交互に通電を繰り返す消耗電極パルスアーク溶接において、図10に示すようにベース電流期間Tb中にアークが発生しているときの溶接電圧Vwの上昇率Dvが予め定めた基準上昇率Dvt以上になり、かつ、その直前に短絡が発生していないときはアークブローが発生したと判別してベース電流を200A以上に急増させ、このアークブロー期間中に溶接電圧Vwが減少したときはアークブローが解消したと判別して増加させた状態のベース電流Ib+Iuを通常値Ibに戻し、アークブローによるアーク切れを短時間で抑制するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−268081号公報
しかしながら、上記した従来のアークブロー対策制御方法では、溶接電圧の上昇率が基準上昇率Dvt以上になれば、どのようなアーク状態においても200A以上の電流を出力することになる。
そして、溶接電圧の基準上昇率Dvtの設定値が高く設定されていると、アークブローの前兆のようなアークブローが弱い状態では何も制御はされず、本格的な強い状態のアークブローが発生した場合にのみしか制御がされないことになる。これでは、アーク切れを防止することができない場合が多く生じてしまう。
また、溶接電圧の基準上昇率Dvtの設定が低く設定されていると、アークブローの前兆のような弱い状態であっても、本格的な強い状態のアークブローが発生した場合と同様に200A以上の電流が印加されることになる。このように、弱い状態の時にも200A以上の電流を印加することにより余計なアーク不安定を発生させてしまうことになる。
本発明は、アークブローの前兆のような弱い状態においても、本格的な強い状態のアークブローが発生した状態においても対応できるアークブロー対策制御方法及びアーク溶接装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のアークブロー対策制御は、溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接において、アークが発生しているときのベース電流期間中に溶接電圧がベース溶接電圧よりも大きくピーク溶接電圧よりも小さくなるように予め設定している溶接電圧基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断して溶接電圧の前記溶接電圧基準値からの上昇値に応じ応じて予め設定されていた電流を前記ベース電流にリアルタイムに上乗せしてアークブローを抑制し、アークブロー発生中に溶接電圧が前記溶接電圧基準値を下回った場合にはアークブローが解消したと判断してベース電流を通常値に戻すものである。
また、本発明の消耗電極式パルスアーク溶接装置は、溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接装置であって、溶接電圧を検出する電圧検出部と、アークが発生しているときのベース電流期間中に前記電圧検出部が検出した溶接電圧がベース溶接電圧よりも大きくピーク溶接電圧よりも小さくなるように予め設定されている溶接電圧基準値とを比較して前記溶接電圧が前記溶接電圧基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断する判断部と、アークブローが発生した際に検出した溶接電圧の前記溶接電圧基準値からの上昇値に応じて予め設定されていた電流を前記ベース電流にリアルタイムに上乗せし、検出した溶接電圧が前記溶接電圧基準値を下回った場合にはベース電流を通常値に戻す制御部とを備えたものである。
そして、上記により、アークブロー発生時のベース電流を制御してアークブロー対策を行う作用を有する。
以上のように、本発明は、アークブローの前兆のような弱い状態では、検出した溶接電圧は溶接電圧基準値からの上昇値が小さいため、ベース電流に上乗せする上乗せ電流値を低くし、本格的な強い状態のアークブローが発生した場合には、検出した溶接電圧は溶接電圧基準値からの上昇値が大きいため、ベース電流に上乗せする上乗せ電流値を高くするので、アークブロー現象の弱い場合や強い場合においてアーク切れを防止して安定した溶接を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における消耗電極式パルスアーク溶接装置の概略構成を示す図である。
図1において、1は入力電源、2は入力電源の出力を整流する1次整流部、3は1次整流部2の出力を制御することで溶接出力を制御するスイッチング素子、4はスイッチング素子3からの電力を絶縁して変換するトランス、5はトランス4の2次側出力を整流する2次整流部、6は2次整流部5に直列に接続されたリアクタ(DCL)、7はスイッチング素子3を駆動させるための駆動部、8は溶接電圧を検出する溶接電圧検出部、9は溶接電流を検出する溶接電流検出部、10は溶接電圧検出部8の出力と溶接電流検出部9の出力に基づいて溶接状態が短絡期間であるのかアーク期間であるのかを判定する短絡/アーク検出部、11は溶接状態が短絡期間中である場合に駆動部7を制御する短絡制御部、12は短絡/アーク検出部10を介して溶接電流検出部9から得た溶接電流に基づいて出力電流がピーク電流であるのかベース電流であるのかを判定するピーク期間/ベース期間検出部、13は短絡/アーク検出部10とピーク期間/ベース期間検出部12を介して溶接電圧検出部8から得た溶接電圧に基づいてアークブロー発生か否かを判定するアークブロー判定部、14はアークブロー判定部13からの入力に基づいて駆動部7を制御して溶接電流のベース電流を制御するアークブロー対策制御部を示す。なお、図示していないが、溶接電圧の出力端の一方には消耗電極が電気的に接続され、他方には被溶接物が電気的に接続され、消耗電極と被溶接物との間にアークを発生させて溶接を行うものである。
上記のように構成されたアーク溶接機について、図1から図7を用いて説明する。
図1には、パルスアーク溶接においてアークブロー対策を行うアーク溶接装置が示されており、上記した各種検出部や制御部等が設けられている。
溶接電圧検出部8は溶接電圧を検出して短絡/アーク検出部10に出力し、溶接電流検出部9は溶接電流を検出して短絡/アーク検出部10に出力する。
溶接電圧検出部8の出力と溶接電流検出部9の出力を入力として溶接状態が短絡期間であるのかアーク期間であるのかを判定する短絡/アーク検出部10は、溶接電圧が予め決められた短絡/アーク判定レベルを下回る場合には溶接状態が短絡期間であると判定し、上回る場合には溶接状態がアーク期間であると判定する。
そして、短絡期間中は短絡制御部11により短絡を素早く短絡開放させる制御を行う。
また、アーク期間中はピーク期間/ベース期間検出部12により出力電流がピーク期間であるのかベース期間であるのかを判定する。このピーク期間/ベース期間検出部12がベース期間中であると判定した場合、アークブロー検出部13は溶接電圧をリアルタイムに検出して監視する。そして、このアークブロー検出部13では、検出した溶接電圧と予め設定した溶接電圧基準値とを比較し、検出した溶接電圧が溶接電圧基準値を上回る場合には溶接電圧異常、すなわちアークブローの発生を検出したとしてアークブロー対策制御部14に信号を出力する。なお、このアークブロー対策制御部14の動作については後述する。一方、検出した溶接電圧が溶接電圧基準値を下回っている場合には、アークブロー検出部13は、ベース電流の通常値を出力するように駆動部7を制御する。
次に、アークブロー検出部13によりアークブローの発生が検出された場合のアークブロー対策制御部14が行う制御について図2を用いて説明する。
アークブロー対策制御部14は、アークブロー検出部13からの信号に基づいて溶接電圧検出部8で検出した電圧が溶接電圧基準値を上回る場合、溶接電圧基準値からの上昇値に応じた電流値をベース電流に上乗せするように駆動部7を制御する。すなわち、溶接電圧基準値からの電圧上昇値が小さければベース電流値へ上乗せする電流値は小さくし、電圧上昇値が大きければベース電流値へ上乗せ電流を大きくするものである。
例えば、溶接電圧基準値からの上昇値について1V(ボルト)当りの上乗せする電流値を予め設定しておき、それに応じた電流値を上乗せするように制御を行う。
なお、同じ溶接電圧上昇値1Vでも、溶接電流の低電流域と高電流域とではその重み付けが異なるので、電流域によるゲインを盛り込んで上乗せする電流値を決定することも可能である。そして、このゲインを用いることにより、アークブロー抑制効果を強弱させることができる。
上記のように、アークブローの発生を検出した際に溶接電流のベース電流を上昇させることによりアーク指向性が向上する、すなわちアークの方向が消耗電極の送給方向に近づくので、溶接電圧の上昇を抑制し、結果的にアークブロー現象を抑制することができるものである。
また、溶接電圧基準値からの上昇値に応じた電流をベース電流に上乗せする、すなわち、アークブローが小さいに場合には小さい電流を上乗せし、アークブローが大きい場合には大きい電流を上乗せするので、アークブローの状態に応じたアークブロー対策制御が可能であり、アークブロー現象の弱い場合や強い場合においてもアーク切れを防止して安定した溶接を行うことができる。
次に、上記したアークブロー対策の基本制御に加えてアークブロー対策制御をより良くするための制御方法について図3から図7を用いて以下に説明する。
まず1つ目の制御について、図3を用いて説明する。図3に示すように、溶接電圧基準値にアークブロー対策制御ON用とアークブロー対策制御OFF用の2つの基準値を持たせて制御するようにしても良い。このようにすることで、アークブロー対策制御による抑制効果を細かく制御できる。例えば、OFFの基準をONの基準よりも低くした場合、OFFまでの時間が長くなるので、通常状態により近い状態でアークブロー対策制御をOFFすることができ、より確実にアークブローを解消することができる。
次に、2つ目の制御について、図4を用いて説明する。図4に示すように、アークブロー対策制御によりベース電流に電流値を上乗せし、この上乗せしている状態から溶接電圧が溶接電圧基準値を下回り、通常値のベース電流に戻す場合に、戻すまでの電流を一定の傾きをもって減少させて通常のベース電流に移行するようにアークブロー対策制御部14がベース電流を制御するようにしても良い。そして、上乗せ状態から通常のベース電流へ移行する場合に、瞬時に移行するよりも一定の傾きをもって緩やかに移行する方がアーク状態も急激に変化せず、より安定して通常状態に戻すことができる。また、アークブロー現象が激しい場合の再発に関しても、次のアークブロー発生までの時間を稼ぐことができるため、パルス1周期中のアークブロー発生頻度を抑制することができる。
次に、3つ目の制御について、図5を用いて説明する。図5に示すように、溶接電圧検出部8で検出した電圧が大きく溶接電圧基準値からの上昇が非常に大きい場合、これによるベース電流へ上乗せする電流値も非常に大きくなる。しかし、予めベース電流の上乗せ上限値を予め設定しておき、この上限値によりベース電流を制限するようにアークブロー対策制御部14が動作するようにしてもよい。なお、上乗せ上限値は、ベース電流の絶対値として設定してもよいし、ベース電流に上乗せする上乗せ量を設定するようにしも良い。このようにすることで、必要以上にベース電流を上昇させないようにすることができる。例えば、ベース電流の上乗せ電流値が300〜400A以上まで電流上昇するようなアーク状態ではアーク切れは救いきれない可能性が非常に高い。そこで逆に必要以上に電流値を上乗せしないように制限してアーク切れを抑制せず、再スタートのタイミングを速めて通常のアーク状態にいち早く戻るようにするものである。
次に、4つ目の制御について、図6を用いて説明する。図6に示すように、溶接電圧が上昇限界値を超えた場合には、アークブロー対策制御部14によるアークブロー対策制御をOFFするようにしても良い。例えば、溶接電圧が50〜60V以上となったアーク状態でアークブロー対策制御部14によるアークブロー制御をONしていてもアーク切れは救いきれない可能性が非常に高い。そこで、逆にアーク切れを抑制せず、再スタートのタイミングを速めて通常のアーク状態にいち早く戻るようにするものである。
次に、5つ目の制御について、図1と図7を用いて説明する。溶接機の概略構成を表す図1に示すように、アークブロー対策制御部14よりも短絡/アーク検出部10が先に動作を行う構成となっている。そして、短絡/アーク検出部10において短絡が検出された場合には、短絡制御11により短絡時の制御が行われるようになっており、短絡時にアークブロー対策制御部14が動作することはない。これにより、短絡時において、微小短絡による短絡解放時の溶接電圧の上昇をアークブローであると誤検出することはない。もう少し詳しく説明すると、溶滴離脱時にアーク長及び溶滴離脱などの溶接状態の乱れにより、溶滴を介してワイヤと溶融池が微小短絡する場合がある。そして、図7に示すように、短絡検出により短絡制御が働き、溶接電圧が一瞬短絡した後に上昇して溶接電圧基準値を上回るためにアークブローと誤判定してアークブロー対策制御が働いてしまうことが考えられる。従って、短絡制御期間中は短絡制御を優先し、アークブロー対策制御を働かないようにするものである。
以上のように、本実施の形態によれば、アークブローの前兆のような弱い状態であっても、本格的な強い状態のアークブローが発生した時であっても、各々の状態に対応したアークブロー対策制御を行うことができ、磁気の影響によるアーク切れを防止して安定した溶接ができるものである。
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態における溶接装置の概略構成を示す図である。
実施の形態1と異なるのは、ピーク電流やベース電流などのパルスパラメータを収納している設定部15を設け、ピーク期間/ベース期間検出部12において、ベース期間中のみアークブロー検出部13により設定部15のベース電流と溶接電圧から求まる溶接抵抗をリアルタイムで監視するようにし、求めた溶接抵抗に基づいてアークブローの制御を行うようにした点である。
次に本実施の形態におけるアーク溶接機の制御方法について、図2と図8を用いて説明する。
図8には、パルスアーク溶接のアークブロー対策を行う溶接装置が示されており、各種検出部や制御部が設けられている。
溶接電圧検出部8は溶接電圧を検出して短絡/アーク検出部10に出力し、溶接電流検出部9は溶接電流を検出して短絡/アーク検出部10に出力する。
溶接電圧検出部8の出力と溶接電流検出部9の出力を入力として溶接状態が短絡期間であるのかアーク期間であるのかを判定する短絡/アーク検出部10は、溶接電圧が予め決められた短絡/アーク判定レベルを下回る場合には溶接状態が短絡期間であると判定し、上回る場合には溶接状態がアーク期間であると判定する。
そして、短絡期間中は短絡制御部11により短絡を素早く短絡開放させる制御を行う。また、アーク期間中はピーク期間/ベース期間検出部12により出力電流がピーク期間であるのかベース期間であるのかを判定する。このピーク期間/ベース期間検出部12がベース期間中であると判定した場合、アークブロー検出部13は設定部15に記憶されているベース電流と溶接電圧とから求まる溶接抵抗をリアルタイムで監視する。そして、このアークブロー検出部13では、求めた溶接抵抗値と予め設定した溶接抵抗基準値とを比較し、求めた溶接抵抗値が溶接抵抗基準値を上回る場合には溶接抵抗異常、すなわちアークブローの発生を検出したとしてアークブロー対策制御部14に信号を出力する。なお、このアークブロー対策制御部14の動作については後述する。一方、検出した溶接抵抗が溶接抵抗基準値を下回っている場合には、アークブロー検出部13は、ベース電流の通常値を出力するように駆動部7を制御する。
次に、アークブロー検出部13によりアークブローの発生が検出された場合のアークブロー対策制御部14が行う制御について図2を用いて説明する。
アークブロー対策制御部14は、アークブロー検出部13からの信号に基づいて溶接電圧検出部8で検出した電圧と設定部15のベース電流から求まる溶接抵抗が溶接抵抗基準値を上回る場合、溶接抵抗基準値からの上昇値に応じた電流値をベース電流に上乗せするように駆動部7を制御する。すなわち、溶接抵抗基準値からの電圧上昇値が小さければベース電流値へ上乗せする電流値は小さくし、電圧上昇値が大きければベース電流値へ上乗せ電流を大きくするものである。
例えば、溶接抵抗基準値からの上昇値に関して、1Ω(オーム)当りの上乗せ電流値を予め設定しておき、それに応じた電流を上乗せするように制御を行う。
なお、同じ溶接抵抗上昇値1Ωでも、溶接電流の低電流域と高電流域とでその重み付けが異なるので、電流域によるゲインを盛り込んで上乗せする電流値を決定することも可能である。そして、このゲインを用いることにより、アークブロー抑制効果を強弱させることができる。
上記のように、実施の形態1と同様に、アークブローの発生を検出した際に溶接電流のベース電流を上昇させることによりアーク指向性が向上する、すなわちアークの方向が消耗電極の送給方向に近づくので、溶接電圧の上昇が抑制され溶接電圧とベース電流から求められる溶接抵抗の上昇を抑制し、結果的にアークブロー現象を抑制することができるものである。
また、溶接抵抗基準値からの上昇値に応じた電流をベース電流に上乗せする、すなわち、アークブローが小さいに場合には小さい電流を上乗せし、アークブローが大きい場合には大きい電流を上乗せするので、アークブローの状態に応じたアークブロー対策制御が可能であり、アークブロー現象の弱い場合や強い場合においてもアーク切れを防止して安定した溶接を行うことができる。
また、実施の形態1において説明した図3から図7に示す制御についても、上記の基本制御に加えてアークブロー対策制御をより良くする制御方法として本実施の形態2に使用しても何ら問題はない。
以上のように、本実施の形態によれば実施の形態1と同様にアークブローの前兆のような弱い状態であっても、本格的な強い状態のアークブローが発生した時であっても、各々状態に対応したアークブロー対策制御を行うことができ、磁気の影響によるアーク切れを防止して安定した溶接ができるものである。
本発明のアークブロー対策制御方法及びアーク溶接装置は、パルスアーク溶接時にアークブローによるアーク不安定、溶接不良、溶接欠陥を低減して溶接作業の生産性を向上することができ、溶接分野に有用である。
本発明における実施の形態1のアークブロー対策制御溶接装置の概略構成を示す図 本発明におけるアークブロー対策制御の出力波形を示す図 本発明におけるアークブロー対策制御ON用とOFF用の2つの基準値を設定した場合の出力波形を示す図 本発明におけるアークブロー対策制御OFF時に一定の傾きをもってベース電流の通常値に戻る出力波形を示す図 本発明におけるベース電流に上乗せする上乗せ電流値に上限値を設定した場合の出力波形を示す図 本発明における溶接電圧または溶接抵抗が上昇限界値を超えた場合にアークブロー対策制御をOFFする場合の出力波形を示す図 本発明における微小短絡時の短絡制御及び制御範囲を示す図 本発明における実施の形態2のアークブロー対策制御溶接装置の概略構成を示す図 (a)通常のアークを示す図(b)アークブローを示す図(c)アーク消滅を示す図 (a)従来のアークブロー対策制御における電流波形を示す図(b)従来のアークブロー対策制御における電圧波形を示す図(c)従来のアークブロー対策制御における溶接電圧の上昇率を示す図
符号の説明
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング素子
4 トランス
5 2次整流部
6 リアクトル(DCL)
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 短絡制御部
12 ピーク期間/ベース期間検出部
13 アークブロー検出部
14 アークブロー対策制御部
15 設定部(ベース電流)

Claims (9)

  1. 溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接において、アークが発生しているときのベース電流期間中に溶接電圧がベース溶接電圧よりも大きくピーク溶接電圧よりも小さくなるように予め設定している溶接電圧基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断して溶接電圧の前記溶接電圧基準値からの上昇値に応じて予め設定されていた電流を前記ベース電流にリアルタイムに上乗せし、アークブロー発生中に溶接電圧が前記溶接電圧基準値を下回った場合にはアークブローが解消したと判断してベース電流を通常値に戻すアークブロー対策制御方法。
  2. 溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接において、アークが発生しているときのベース電流期間中に設定電流と溶接電圧から算出した溶接抵抗がベース溶接抵抗よりも大きくピーク溶接抵抗よりも小さくなるように予め設定している溶接抵抗基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断して算出した溶接抵抗の溶接抵抗基準値からの上昇値に応じて予め設定されていた電流値をベース電流にリアルタイムに上乗せし、アークブロー発生中に算出した溶接抵抗が前記溶接抵抗基準値を下回った場合にはアークブローが解消したと判断してベース電流を通常値に戻すアークブロー対策制御方法。
  3. アークブローの判定を行う基準値として、アークブロー対策制御を行うための基準値とアークブロー対策制御を停止するための基準値との2つの基準値を有することを特徴とする請求項1または2記載のアークブロー対策制御方法。
  4. アークブローが解消したと判断してベース電流を通常値に戻す際に、上乗せされたベース電流から一定の傾きを持って通常値に戻すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアークブロー対策制御方法。
  5. アークブロー発生中に上昇値に応じた電流値を上乗せするベース電流に上限値を設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアークブロー対策制御方法。
  6. 溶接電圧または溶接抵抗の上昇限界値を設定し、アークブロー発生中に溶接電圧または溶接抵抗の上昇限界値を上回った場合には、上昇値に応じた電流値が上乗せされたベース電流を通常値に戻してアークブロー対策制御を停止することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアークブロー対策制御方法。
  7. ベース電流期間中に短絡が発生した場合には、アークブロー対策制御よりも短絡制御を優先して行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載アークブロー対策制御方法。
  8. 溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接装置であって、溶接電圧を検出する電圧検出部と、アークが発生しているときのベース電流期間中に前記電圧検出部が検出した溶接電圧がベース溶接電圧よりも大きくピーク溶接電圧よりも小さくなるように予め設定されている溶接電圧基準値とを比較して前記溶接電圧が前記溶接電圧基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断する判断部と、アークブローが発生した際に検出した溶接電圧の前記溶接電圧基準値からの上昇値に応じて予め設定されていた電流を前記ベース電流にリアルタイムに上乗せし、検出した溶接電圧が前記溶接電圧基準値を下回った場合にはベース電流を通常値に戻す制御部とを備えた消耗電極式パルスアーク溶接装置。
  9. 溶接ワイヤを送給して所定のピーク電流とベース電流とを繰り返し通電して溶接を行う消耗電極式パルスアーク溶接装置であって、溶接電圧を検出する電圧検出部と、所定のベース電流を設定する設定部と、アークが発生しているときのベース電流期間中に前記電圧検出部が検出した溶接電圧と前記設定部に設定された設定電流とから溶接抵抗を算出し、この算出した溶接抵抗がベース溶接抵抗よりも大きくピーク溶接抵抗よりも小さくなるように予め設定されている溶接抵抗基準値とを比較して前記溶接抵抗が前記溶接抵抗基準値を上回る場合にはアークブローが発生したと判断する判断部と、アークブローが発生した際に算出した溶接抵抗の前記溶接抵抗基準値からの上昇値に応じて予め設定されていた電流を前記ベース電流にリアルタイムに上乗せし、検出した溶接電圧に基づいて算出した溶接抵抗が前記溶接抵抗基準値を下回った場合にはベース電流を通常値に戻す制御部とを備えた消耗電極式パルスアーク溶接装置。
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