JP2918148B2 - 非消耗電極式アーク溶接制御方法 - Google Patents
非消耗電極式アーク溶接制御方法Info
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- JP2918148B2 JP2918148B2 JP17814895A JP17814895A JP2918148B2 JP 2918148 B2 JP2918148 B2 JP 2918148B2 JP 17814895 A JP17814895 A JP 17814895A JP 17814895 A JP17814895 A JP 17814895A JP 2918148 B2 JP2918148 B2 JP 2918148B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィラワイヤの送給位
置を溶融池に対する接触と離隔とで制御する非消耗電極
式アーク溶接制御方法に関するものである。
置を溶融池に対する接触と離隔とで制御する非消耗電極
式アーク溶接制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非消耗電極式アーク溶接においては、溶
加材としてフィラワイヤが使用されるようになっている
が、健全で且つ綺麗な溶接部を得る上で溶接進行中にフ
ィラワイヤの送給位置を適正に保つことが極めて重要な
ポイントとなる。例えば母材に接近し過ぎていると、フ
ィラワイヤが溶融池の底を突いて融合不良の原因となっ
たり、逆に母材から離れ過ぎると、フィラワイヤの先端
の溶滴が溶融池に落ちて溶融池の状態が不安定となって
ビードの不揃い等を招来することになる。
加材としてフィラワイヤが使用されるようになっている
が、健全で且つ綺麗な溶接部を得る上で溶接進行中にフ
ィラワイヤの送給位置を適正に保つことが極めて重要な
ポイントとなる。例えば母材に接近し過ぎていると、フ
ィラワイヤが溶融池の底を突いて融合不良の原因となっ
たり、逆に母材から離れ過ぎると、フィラワイヤの先端
の溶滴が溶融池に落ちて溶融池の状態が不安定となって
ビードの不揃い等を招来することになる。
【0003】従って、フィラワイヤの送給位置の設定に
あたっては、フィラワイヤに直進性或いは適度の曲げぐ
せを与えるための矯正機構を設けるため、溶接電極に対
する適正位置を安定に保持してフィラワイヤを送給させ
るように細心の注意が払われる。しかしながら、実際に
は、フィラワイヤの僅かな歪みや突き出し長さの変化、
送給チップの磨耗等により送給位置の変動が避けられな
いため、変動に応じた位置調整が必要となる。従って、
従来、フィラワイヤの位置を調整するように、各種のフ
ィラワイヤ送給制御方法が実施および提案されており、
例えば特開昭62─110874号公報には、フィラワ
イヤと被溶接材との間の電圧の単位時間当たりの急変回
数を基にしてフィラワイヤの位置を調整するフィラワイ
ヤ送給制御方法が開示されている。
あたっては、フィラワイヤに直進性或いは適度の曲げぐ
せを与えるための矯正機構を設けるため、溶接電極に対
する適正位置を安定に保持してフィラワイヤを送給させ
るように細心の注意が払われる。しかしながら、実際に
は、フィラワイヤの僅かな歪みや突き出し長さの変化、
送給チップの磨耗等により送給位置の変動が避けられな
いため、変動に応じた位置調整が必要となる。従って、
従来、フィラワイヤの位置を調整するように、各種のフ
ィラワイヤ送給制御方法が実施および提案されており、
例えば特開昭62─110874号公報には、フィラワ
イヤと被溶接材との間の電圧の単位時間当たりの急変回
数を基にしてフィラワイヤの位置を調整するフィラワイ
ヤ送給制御方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ように単位時間当たりの急変回数を基にしたフィラワイ
ヤ送給制御方法では、図5および図6に示すように、フ
ィラワイヤが被溶接材55に対して正極に設定されてい
ると、フィラワイヤ56が溶融池から離隔しても、溶接
アーク58により先端が溶融し、さらに溶接アーク58
による磁界とフィラワイヤ56を流れる電流による磁界
とが反発しあって、フィラワイヤ先端の溶滴が矢符方向
Aに力を受けて溶接アーク58の外へ飛ばされるため、
ビードの外観を悪化させるだけでなく、溶接欠陥を発生
させるという問題がある。
ように単位時間当たりの急変回数を基にしたフィラワイ
ヤ送給制御方法では、図5および図6に示すように、フ
ィラワイヤが被溶接材55に対して正極に設定されてい
ると、フィラワイヤ56が溶融池から離隔しても、溶接
アーク58により先端が溶融し、さらに溶接アーク58
による磁界とフィラワイヤ56を流れる電流による磁界
とが反発しあって、フィラワイヤ先端の溶滴が矢符方向
Aに力を受けて溶接アーク58の外へ飛ばされるため、
ビードの外観を悪化させるだけでなく、溶接欠陥を発生
させるという問題がある。
【0005】また、現地工事のように一次側配線の長距
離化により電気的抵抗や線間の電気的容量が大きくなっ
た場合や、一次側電源が小さな容量である場合には、負
荷の急変により一次側電源電圧が大きく変動するため、
ノイズが多発することになる。従って、このような環境
下において、上記従来のフィラワイヤ送給制御方法を適
用すると、一次側電源電圧の変動によるノイズによっ
て、誤動作が多発するため、フィラワイヤの送給位置を
高い信頼性でもって制御することができないという問題
がある。
離化により電気的抵抗や線間の電気的容量が大きくなっ
た場合や、一次側電源が小さな容量である場合には、負
荷の急変により一次側電源電圧が大きく変動するため、
ノイズが多発することになる。従って、このような環境
下において、上記従来のフィラワイヤ送給制御方法を適
用すると、一次側電源電圧の変動によるノイズによっ
て、誤動作が多発するため、フィラワイヤの送給位置を
高い信頼性でもって制御することができないという問題
がある。
【0006】従って、本発明においては、フィラワイヤ
が被溶接材に対して正極に設定された場合において、溶
接欠陥を発生させることなく良好な外観のビードでもっ
て溶接することができると共に、ノイズが多発する環境
下においてもフィラワイヤの送給位置を高い信頼性でも
って制御できる非消耗電極式アーク溶接制御方法を提供
することを目的とする。
が被溶接材に対して正極に設定された場合において、溶
接欠陥を発生させることなく良好な外観のビードでもっ
て溶接することができると共に、ノイズが多発する環境
下においてもフィラワイヤの送給位置を高い信頼性でも
って制御できる非消耗電極式アーク溶接制御方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の非消耗電極式アーク溶接制御方法は、被溶
接材に対して正極として通電されるフィラワイヤを溶接
アーク中に送給し、該フィラワイヤの送給位置を溶融池
に対する接触と離隔とで制御するものであり、下記の特
徴を有している。
に、本発明の非消耗電極式アーク溶接制御方法は、被溶
接材に対して正極として通電されるフィラワイヤを溶接
アーク中に送給し、該フィラワイヤの送給位置を溶融池
に対する接触と離隔とで制御するものであり、下記の特
徴を有している。
【0008】即ち、本発明の非消耗電極式アーク溶接制
御方法は、上記溶融池に接触されたフィラワイヤを溶融
池から離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ電
流またはフィラワイヤ電圧の変動幅を求め、該変動幅が
第1比較値以上になるまで上記移動を継続する第1処理
を実行し、
御方法は、上記溶融池に接触されたフィラワイヤを溶融
池から離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ電
流またはフィラワイヤ電圧の変動幅を求め、該変動幅が
第1比較値以上になるまで上記移動を継続する第1処理
を実行し、
【0009】上記変動幅が第1比較値以上になったとき
に、上記フィラワイヤへの通電を停止した後、上記溶接
アークの電位と被溶接材の電位との間の電圧値に設定さ
れた第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較し、該フィ
ラワイヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイヤ
への通電を再開する一方、該フィラワイヤ電圧が第2比
較値未満であると、フィラワイヤを溶融池に接触させる
ように、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になるまで
フィラワイヤを溶融池方向に移動させる第2処理を実行
した後、上記第1処理を再実行することを特徴としてい
る。
に、上記フィラワイヤへの通電を停止した後、上記溶接
アークの電位と被溶接材の電位との間の電圧値に設定さ
れた第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較し、該フィ
ラワイヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイヤ
への通電を再開する一方、該フィラワイヤ電圧が第2比
較値未満であると、フィラワイヤを溶融池に接触させる
ように、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になるまで
フィラワイヤを溶融池方向に移動させる第2処理を実行
した後、上記第1処理を再実行することを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】本発明の構成によれば、フィラワイヤと溶融池
とが離隔すると、フィラワイヤ電流およびフィラワイヤ
電圧が大きく変動することから、第1処理において、フ
ィラワイヤ電流またはフィラワイヤ電圧の変動幅が第1
比較値以上になることを確認することによって、フィラ
ワイヤが溶融池から離隔したことを検知することが可能
になる。
とが離隔すると、フィラワイヤ電流およびフィラワイヤ
電圧が大きく変動することから、第1処理において、フ
ィラワイヤ電流またはフィラワイヤ電圧の変動幅が第1
比較値以上になることを確認することによって、フィラ
ワイヤが溶融池から離隔したことを検知することが可能
になる。
【0011】この後、第2処理において、フィラワイヤ
への通電を停止すると、フィラワイヤ通電電源による印
加電圧が解除されてフィラワイヤが外部電圧の影響を受
けるため、フィラワイヤが溶融池から離隔していると、
フィラワイヤ電圧が溶接アークの電圧の影響を受けるこ
とになる一方、フィラワイヤが溶融池に接触している
と、フィラワイヤ電圧が被溶接材の電圧の影響を受ける
ことになる。従って、第2比較値とフィラワイヤ電圧と
を比較することによって、第1処理におけるフィラワイ
ヤと溶融池との離隔の検知がノイズ等よる誤検知である
否かを確認することが可能になる。
への通電を停止すると、フィラワイヤ通電電源による印
加電圧が解除されてフィラワイヤが外部電圧の影響を受
けるため、フィラワイヤが溶融池から離隔していると、
フィラワイヤ電圧が溶接アークの電圧の影響を受けるこ
とになる一方、フィラワイヤが溶融池に接触している
と、フィラワイヤ電圧が被溶接材の電圧の影響を受ける
ことになる。従って、第2比較値とフィラワイヤ電圧と
を比較することによって、第1処理におけるフィラワイ
ヤと溶融池との離隔の検知がノイズ等よる誤検知である
否かを確認することが可能になる。
【0012】これにより、第1処理および第2処理を実
行することによって、一次側配線の長距離化による電気
的抵抗や線間の電気的容量が増大した場合や、一次側電
源が小さな容量である場合等のように、ノイズが多発す
る環境下においても、高い信頼性でもってフィラワイヤ
の送給位置を制御することが可能になっている。
行することによって、一次側配線の長距離化による電気
的抵抗や線間の電気的容量が増大した場合や、一次側電
源が小さな容量である場合等のように、ノイズが多発す
る環境下においても、高い信頼性でもってフィラワイヤ
の送給位置を制御することが可能になっている。
【0013】さらに、フィラワイヤの送給位置を制御す
る際に、フィラワイヤが溶融池から離隔したときに、フ
ィラワイヤへの通電が停止されるため、溶接アークによ
り磁界が発生していても、フィラワイヤ先端の溶滴が溶
接アークの外へ飛ばされることがない。従って、ビード
の外観がフィラワイヤの溶滴により悪化することがない
と共に、溶接欠陥による溶接継ぎ手性能の低下を招来す
ることもない。
る際に、フィラワイヤが溶融池から離隔したときに、フ
ィラワイヤへの通電が停止されるため、溶接アークによ
り磁界が発生していても、フィラワイヤ先端の溶滴が溶
接アークの外へ飛ばされることがない。従って、ビード
の外観がフィラワイヤの溶滴により悪化することがない
と共に、溶接欠陥による溶接継ぎ手性能の低下を招来す
ることもない。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図4を用いて
説明する。本実施例に係る非消耗電極式アーク溶接制御
方法は、図2の非消耗電極式アーク溶接制御系において
実施されるようになっている。この制御系は、タングス
テン電極1と被溶接材5間に溶接電圧を印加して溶接ア
ーク8を発生させる溶接電源2と、ワイヤチップ7に電
力を供給するフィラワイヤ通電電源3とを有している。
フィラワイヤ通電電源3と被溶接材5との間には、通電
電流計測部13が接続されており、通電電流計測部13
には、フィラワイヤ通電電流検出部16が接続されてい
る。そして、フィラワイヤ通電電流検出部16は、ワイ
ヤチップ7に通電される電流を通電電流計測部13を介
して検出し、フィラワイヤ電流値としてフィラワイヤ昇
降判断部10および電流スレッショルド値計算部14に
出力するようになっている。
説明する。本実施例に係る非消耗電極式アーク溶接制御
方法は、図2の非消耗電極式アーク溶接制御系において
実施されるようになっている。この制御系は、タングス
テン電極1と被溶接材5間に溶接電圧を印加して溶接ア
ーク8を発生させる溶接電源2と、ワイヤチップ7に電
力を供給するフィラワイヤ通電電源3とを有している。
フィラワイヤ通電電源3と被溶接材5との間には、通電
電流計測部13が接続されており、通電電流計測部13
には、フィラワイヤ通電電流検出部16が接続されてい
る。そして、フィラワイヤ通電電流検出部16は、ワイ
ヤチップ7に通電される電流を通電電流計測部13を介
して検出し、フィラワイヤ電流値としてフィラワイヤ昇
降判断部10および電流スレッショルド値計算部14に
出力するようになっている。
【0015】上記の電流スレッショルド値計算部14
は、フィラワイヤ6が溶融池に接触している状態におい
て、フィラワイヤ通電電流検出部16からのフィラワイ
ヤ電流値の最大値IiMAXと最小値IiMINを獲得し、これ
ら両値IiMAX・IiMINの差(IiMAX−IiMIN)に所定値
(3A)を加算することによって、第1比較値となる通
電電流変動検出スレッショルド値を求めるようになって
いる。そして、電流スレッショルド値計算部14は、フ
ィラワイヤ昇降判断部10に接続されており、このフィ
ラワイヤ昇降判断部10に対して通電電流変動検出スレ
ッショルド値を出力するようになっている。
は、フィラワイヤ6が溶融池に接触している状態におい
て、フィラワイヤ通電電流検出部16からのフィラワイ
ヤ電流値の最大値IiMAXと最小値IiMINを獲得し、これ
ら両値IiMAX・IiMINの差(IiMAX−IiMIN)に所定値
(3A)を加算することによって、第1比較値となる通
電電流変動検出スレッショルド値を求めるようになって
いる。そして、電流スレッショルド値計算部14は、フ
ィラワイヤ昇降判断部10に接続されており、このフィ
ラワイヤ昇降判断部10に対して通電電流変動検出スレ
ッショルド値を出力するようになっている。
【0016】上記のフィラワイヤ昇降判断部10には、
フィラワイヤ通電電流検出部16および電流スレッショ
ルド値計算部14の他、フィラワイヤ電圧検出部17、
電圧スレッショルド値設定部15、およびフィラワイヤ
位置調整モータ駆動部11が接続されている。フィラワ
イヤ電圧検出部17は、ワイヤチップ7と被溶接材5と
の間に接続されており、ワイヤチップ7と被溶接材5間
の電圧を検出してフィラワイヤ電圧としてフィラワイヤ
昇降判断部10に出力するようになっている。
フィラワイヤ通電電流検出部16および電流スレッショ
ルド値計算部14の他、フィラワイヤ電圧検出部17、
電圧スレッショルド値設定部15、およびフィラワイヤ
位置調整モータ駆動部11が接続されている。フィラワ
イヤ電圧検出部17は、ワイヤチップ7と被溶接材5と
の間に接続されており、ワイヤチップ7と被溶接材5間
の電圧を検出してフィラワイヤ電圧としてフィラワイヤ
昇降判断部10に出力するようになっている。
【0017】また、電圧スレッショルド値設定部15に
は、溶接アーク8と被溶接材5との間の電圧(−1〜−
7V間)の電圧値(例えば−2V)に設定された電圧検
出スレッショルド値がフィラワイヤ昇降判断部10によ
り読み出し可能に格納されている。また、フィラワイヤ
位置調整モータ駆動部11は、ワイヤチップ7を昇降さ
せるフィラワイヤ位置調整モータ12に接続されてお
り、フィラワイヤ昇降判断部10からの上昇信号または
下降信号が入力されたときに、フィラワイヤ位置調整モ
ータ12を信号内容に応じて駆動させることによって、
ワイヤチップ7およびフィラワイヤ6を溶融池に対して
昇降させるようになっている。
は、溶接アーク8と被溶接材5との間の電圧(−1〜−
7V間)の電圧値(例えば−2V)に設定された電圧検
出スレッショルド値がフィラワイヤ昇降判断部10によ
り読み出し可能に格納されている。また、フィラワイヤ
位置調整モータ駆動部11は、ワイヤチップ7を昇降さ
せるフィラワイヤ位置調整モータ12に接続されてお
り、フィラワイヤ昇降判断部10からの上昇信号または
下降信号が入力されたときに、フィラワイヤ位置調整モ
ータ12を信号内容に応じて駆動させることによって、
ワイヤチップ7およびフィラワイヤ6を溶融池に対して
昇降させるようになっている。
【0018】上記の構成を有するフィラワイヤ送給制御
系の動作を通じて非消耗電極式アーク溶接制御方法につ
いて説明する。
系の動作を通じて非消耗電極式アーク溶接制御方法につ
いて説明する。
【0019】先ず、図示しないフィラワイヤ下降スイッ
チが作業員により押圧されることによって、フィラワイ
ヤ6が溶融池方向に下降されることになる。そして、作
業員によりフィラワイヤ6と溶融池との接触が確認され
ると、フィラワイヤ6の下降が停止され、図1のフィラ
ワイヤ送給制御手順が実行されることになる。
チが作業員により押圧されることによって、フィラワイ
ヤ6が溶融池方向に下降されることになる。そして、作
業員によりフィラワイヤ6と溶融池との接触が確認され
ると、フィラワイヤ6の下降が停止され、図1のフィラ
ワイヤ送給制御手順が実行されることになる。
【0020】即ち、フィラワイヤ昇降判断部10の指示
によりフィラワイヤ通電電源3が作動されることにな
り、ワイヤチップ7に通電される電流が通電電流計測部
13を介してフィラワイヤ通電電流検出部16により検
出されることになる。通電電流検出部16は、検出した
電流をフィラワイヤ電流値としてフィラワイヤ昇降判断
部10および電流スレッショルド値計算部14に出力す
ることになる。そして、電流スレッショルド値計算部1
4は、基準となるフィラワイヤ電流値の変動幅を求める
ように、フィラワイヤ電流値の最大値IiMAXと最小値I
iMINを求めた後(S1)、最大値IiMAXと最小値IiMIN
との差(IiMAX−IiMIN)に所定値(3A)を加算する
ことによって、通電電流変動検出スレッショルド値(I
iMAX−IiMIN+3A)を求めることになる。溶接電流や
フィラワイヤ電流の大きさによって、フィラワイヤ電流
値の変動幅が若干異なるが、このように、或る溶接電流
およびフィラワイヤ通電電流が流れている状態における
フィラワイヤ電流値の変動幅を計測して、その値に所定
値(3A)を加えることによって適切な通電電流変動検
出スレッショルド値が得られる(S2)。
によりフィラワイヤ通電電源3が作動されることにな
り、ワイヤチップ7に通電される電流が通電電流計測部
13を介してフィラワイヤ通電電流検出部16により検
出されることになる。通電電流検出部16は、検出した
電流をフィラワイヤ電流値としてフィラワイヤ昇降判断
部10および電流スレッショルド値計算部14に出力す
ることになる。そして、電流スレッショルド値計算部1
4は、基準となるフィラワイヤ電流値の変動幅を求める
ように、フィラワイヤ電流値の最大値IiMAXと最小値I
iMINを求めた後(S1)、最大値IiMAXと最小値IiMIN
との差(IiMAX−IiMIN)に所定値(3A)を加算する
ことによって、通電電流変動検出スレッショルド値(I
iMAX−IiMIN+3A)を求めることになる。溶接電流や
フィラワイヤ電流の大きさによって、フィラワイヤ電流
値の変動幅が若干異なるが、このように、或る溶接電流
およびフィラワイヤ通電電流が流れている状態における
フィラワイヤ電流値の変動幅を計測して、その値に所定
値(3A)を加えることによって適切な通電電流変動検
出スレッショルド値が得られる(S2)。
【0021】次に、フィラワイヤ昇降判断部10におい
て、フィラワイヤ電流値の変動幅(IMAX −IMIN )が
測定されることになる(S3)。その後、電流スレッシ
ョルド値計算部14から通電電流変動検出スレッショル
ド値がフィラワイヤ昇降判断部10に読み取られ、変動
幅と通電電流変動検出スレッショルド値とが比較される
ことになる。そして、変動幅が通電電流変動検出スレッ
ショルド値未満であると判定された場合には、フィラワ
イヤ昇降判断部10から上昇信号がフィラワイヤ位置調
整モータ駆動部11に出力されることによって、フィラ
ワイヤ6が溶融池から離隔する方向に所定量上昇される
ことになる(S5)。その後、S4において変動幅が通
電電流変動検出スレッショルド値以上であると判定され
るまで、上述のS3からS5によるフィラワイヤ6の上
昇が繰り返されることになる。
て、フィラワイヤ電流値の変動幅(IMAX −IMIN )が
測定されることになる(S3)。その後、電流スレッシ
ョルド値計算部14から通電電流変動検出スレッショル
ド値がフィラワイヤ昇降判断部10に読み取られ、変動
幅と通電電流変動検出スレッショルド値とが比較される
ことになる。そして、変動幅が通電電流変動検出スレッ
ショルド値未満であると判定された場合には、フィラワ
イヤ昇降判断部10から上昇信号がフィラワイヤ位置調
整モータ駆動部11に出力されることによって、フィラ
ワイヤ6が溶融池から離隔する方向に所定量上昇される
ことになる(S5)。その後、S4において変動幅が通
電電流変動検出スレッショルド値以上であると判定され
るまで、上述のS3からS5によるフィラワイヤ6の上
昇が繰り返されることになる。
【0022】次に、フィラワイヤ電流値が大きく変動す
ることによって、S4において変動幅が通電電流変動検
出スレッショルド値以上であると判定されると、フィラ
ワイヤ6への通電が停止されることになる(S6)。そ
して、フィラワイヤ電圧に影響を与えない程度にまで通
電電流が低下する50msecの待ち時間の経過後(S
7)、フィラワイヤ電圧検出部17および電圧スレッシ
ョルド値設定部15からフィラワイヤ電圧値および電圧
検出スレッショルド値(−2V)がフィラワイヤ昇降判
断部10にそれぞれ読み取られ、これらのフィラワイヤ
電圧値と電圧検出スレッショルド値とが比較されること
になる(S8)。
ることによって、S4において変動幅が通電電流変動検
出スレッショルド値以上であると判定されると、フィラ
ワイヤ6への通電が停止されることになる(S6)。そ
して、フィラワイヤ電圧に影響を与えない程度にまで通
電電流が低下する50msecの待ち時間の経過後(S
7)、フィラワイヤ電圧検出部17および電圧スレッシ
ョルド値設定部15からフィラワイヤ電圧値および電圧
検出スレッショルド値(−2V)がフィラワイヤ昇降判
断部10にそれぞれ読み取られ、これらのフィラワイヤ
電圧値と電圧検出スレッショルド値とが比較されること
になる(S8)。
【0023】この際、図3に示すように、例えば一次側
電源の急激な電圧変動等のノイズによって、フィラワイ
ヤ電流値の変動幅(IMAX −IMIN )が大きくなった場
合には、フィラワイヤ6が溶融池に接触した状態である
ため、フィラワイヤ電圧が被溶接材5の影響を受けて0
Vとなっている。従って、この場合には、S8において
フィラワイヤ電圧値が電圧検出スレッショルド値(−2
V)以上であると判定されるため、フィラワイヤ6への
通電が開始された後(S9)、上述のS5によるフィラ
ワイヤ6の上昇が再び開始されることになる。これによ
り、フィラワイヤ電流値の変動幅が大きくなった原因が
ノイズによる場合には、S9における判定によって、通
電が一時的に停止されるが、通電が停止されてから約1
50ms程度の経過後に再開されることになるため、通
電の停止が溶接施工上の問題になることはない。
電源の急激な電圧変動等のノイズによって、フィラワイ
ヤ電流値の変動幅(IMAX −IMIN )が大きくなった場
合には、フィラワイヤ6が溶融池に接触した状態である
ため、フィラワイヤ電圧が被溶接材5の影響を受けて0
Vとなっている。従って、この場合には、S8において
フィラワイヤ電圧値が電圧検出スレッショルド値(−2
V)以上であると判定されるため、フィラワイヤ6への
通電が開始された後(S9)、上述のS5によるフィラ
ワイヤ6の上昇が再び開始されることになる。これによ
り、フィラワイヤ電流値の変動幅が大きくなった原因が
ノイズによる場合には、S9における判定によって、通
電が一時的に停止されるが、通電が停止されてから約1
50ms程度の経過後に再開されることになるため、通
電の停止が溶接施工上の問題になることはない。
【0024】一方、図4に示すように、フィラワイヤ6
が溶融池から離隔することによって、フィラワイヤ電流
値の変動幅が大きくなった場合には、フィラワイヤ電圧
がアーク電圧(−1〜−7V)と同電圧となる。従っ
て、S8において、フィラワイヤ電圧が電圧検出スレッ
ショルド値(−2V)未満であると判定されるため、フ
ィラワイヤ6への通電が停止された後、フィラワイヤ6
が溶融池方向に下降されることになる(S10)。そし
て、このフィラワイヤ6の下降は、S8における変動幅
と通電電流変動検出スレッショルド値との比較によっ
て、フィラワイヤ6が溶融池に接触したと判定されるま
で、実行されることになる。この後、上述のS9により
フィラワイヤ6への通電が再開された後、S5からのフ
ィラワイヤ送給制御が繰り返されることになる。
が溶融池から離隔することによって、フィラワイヤ電流
値の変動幅が大きくなった場合には、フィラワイヤ電圧
がアーク電圧(−1〜−7V)と同電圧となる。従っ
て、S8において、フィラワイヤ電圧が電圧検出スレッ
ショルド値(−2V)未満であると判定されるため、フ
ィラワイヤ6への通電が停止された後、フィラワイヤ6
が溶融池方向に下降されることになる(S10)。そし
て、このフィラワイヤ6の下降は、S8における変動幅
と通電電流変動検出スレッショルド値との比較によっ
て、フィラワイヤ6が溶融池に接触したと判定されるま
で、実行されることになる。この後、上述のS9により
フィラワイヤ6への通電が再開された後、S5からのフ
ィラワイヤ送給制御が繰り返されることになる。
【0025】以上のように、本実施例の非消耗電極式ア
ーク溶接制御方法は、被溶接材5に対して正極として通
電されるフィラワイヤ6を溶接アーク8中に送給し、フ
ィラワイヤ6の送給位置を溶融池に対する接触と離隔と
で制御するように、下記の第1処理と第2処理とを繰り
返して実行するようになっている。
ーク溶接制御方法は、被溶接材5に対して正極として通
電されるフィラワイヤ6を溶接アーク8中に送給し、フ
ィラワイヤ6の送給位置を溶融池に対する接触と離隔と
で制御するように、下記の第1処理と第2処理とを繰り
返して実行するようになっている。
【0026】即ち、第1処理は、図1のS1〜S5に相
当し、溶融池に接触されたフィラワイヤ6を溶融池から
離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ電流の変
動幅(IMAX −IMIN )を求め、この変動幅が第1比較
値である通電電流変動検出スレッショルド値(IiMAX−
IiMIN+3A)以上になるまで移動を継続するものであ
る。
当し、溶融池に接触されたフィラワイヤ6を溶融池から
離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ電流の変
動幅(IMAX −IMIN )を求め、この変動幅が第1比較
値である通電電流変動検出スレッショルド値(IiMAX−
IiMIN+3A)以上になるまで移動を継続するものであ
る。
【0027】そして、第2処理は、図1のS6〜S10
に相当し、変動幅が通電電流変動検出スレッショルド値
以上になったときに、フィラワイヤ6への通電を停止し
た後、溶接アーク8の電位と被溶接材5の電位との間の
電圧値に設定された第2比較値である電圧検出スレッシ
ョルド値(−2V)とフィラワイヤ電圧とを比較し、フ
ィラワイヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイ
ヤ6への通電を再開する一方、フィラワイヤ電圧が第2
比較値未満であると、フィラワイヤ6を溶融池に接触さ
せるように、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になる
までフィラワイヤ6を溶融池方向に移動させるものであ
る。
に相当し、変動幅が通電電流変動検出スレッショルド値
以上になったときに、フィラワイヤ6への通電を停止し
た後、溶接アーク8の電位と被溶接材5の電位との間の
電圧値に設定された第2比較値である電圧検出スレッシ
ョルド値(−2V)とフィラワイヤ電圧とを比較し、フ
ィラワイヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイ
ヤ6への通電を再開する一方、フィラワイヤ電圧が第2
比較値未満であると、フィラワイヤ6を溶融池に接触さ
せるように、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になる
までフィラワイヤ6を溶融池方向に移動させるものであ
る。
【0028】これにより、フィラワイヤ6と溶融池とが
接触および離隔すると、フィラワイヤ電流およびフィラ
ワイヤ電圧が大きく変動することから、第1処理におい
て、フィラワイヤ電流の変動幅が第1比較値以上になる
ことを確認することによって、フィラワイヤ6が溶融池
から離隔したことを検知することが可能になる。
接触および離隔すると、フィラワイヤ電流およびフィラ
ワイヤ電圧が大きく変動することから、第1処理におい
て、フィラワイヤ電流の変動幅が第1比較値以上になる
ことを確認することによって、フィラワイヤ6が溶融池
から離隔したことを検知することが可能になる。
【0029】この後、第2処理において、フィラワイヤ
6への通電を停止すると、フィラワイヤ通電電源3によ
る印加電圧が解除されてフィラワイヤ6が外部電圧の影
響を受けるため、フィラワイヤ6が溶融池から離隔して
いると、フィラワイヤ電圧が溶接アーク8の電圧の影響
を受けることになる一方、フィラワイヤ6が溶融池に接
触していると、フィラワイヤ電圧は0Vとなる。従っ
て、第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較することに
よって、第1処理におけるフィラワイヤ6と溶融池との
離隔の検知がノイズ等よる誤検知である否かを確認する
ことが可能になる。
6への通電を停止すると、フィラワイヤ通電電源3によ
る印加電圧が解除されてフィラワイヤ6が外部電圧の影
響を受けるため、フィラワイヤ6が溶融池から離隔して
いると、フィラワイヤ電圧が溶接アーク8の電圧の影響
を受けることになる一方、フィラワイヤ6が溶融池に接
触していると、フィラワイヤ電圧は0Vとなる。従っ
て、第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較することに
よって、第1処理におけるフィラワイヤ6と溶融池との
離隔の検知がノイズ等よる誤検知である否かを確認する
ことが可能になる。
【0030】従って、第1処理および第2処理を実行す
ることによって、一次側配線の長距離化による電気的抵
抗や線間の電気的容量が増大した場合や、一次側電源が
小さな容量である場合等のように、ノイズが多発する環
境下においても、高い信頼性でもってフィラワイヤ6の
送給位置を制御することが可能になっている。
ることによって、一次側配線の長距離化による電気的抵
抗や線間の電気的容量が増大した場合や、一次側電源が
小さな容量である場合等のように、ノイズが多発する環
境下においても、高い信頼性でもってフィラワイヤ6の
送給位置を制御することが可能になっている。
【0031】さらに、フィラワイヤ6の送給位置を制御
する際に、フィラワイヤ6が溶融池から離隔したとき
に、フィラワイヤ6への通電が停止されるため、溶接ア
ーク8により磁界が発生していても、フィラワイヤ6先
端の溶滴が溶接アーク8の外へ飛ばされることがない。
従って、ビードの外観がフィラワイヤ6の溶滴により悪
化することがないと共に、溶接継ぎ手性能が溶接欠陥に
より低下することもない。
する際に、フィラワイヤ6が溶融池から離隔したとき
に、フィラワイヤ6への通電が停止されるため、溶接ア
ーク8により磁界が発生していても、フィラワイヤ6先
端の溶滴が溶接アーク8の外へ飛ばされることがない。
従って、ビードの外観がフィラワイヤ6の溶滴により悪
化することがないと共に、溶接継ぎ手性能が溶接欠陥に
より低下することもない。
【0032】また、本実施例の非消耗電極式アーク溶接
制御方法は、第1比較値が、フィラワイヤが溶融池に接
触している状態におけるフィラワイヤ電流またはフィラ
ワイヤ電圧の変動幅に所定値を加算したものである。こ
れにより、溶接電流やフィラワイヤ電流の大小に関係な
く適切な第1比較値を設定することができるため、常に
一定の基準でもって第1処理におけるフィラワイヤと溶
融池との離隔を検知することが可能である。
制御方法は、第1比較値が、フィラワイヤが溶融池に接
触している状態におけるフィラワイヤ電流またはフィラ
ワイヤ電圧の変動幅に所定値を加算したものである。こ
れにより、溶接電流やフィラワイヤ電流の大小に関係な
く適切な第1比較値を設定することができるため、常に
一定の基準でもって第1処理におけるフィラワイヤと溶
融池との離隔を検知することが可能である。
【0033】尚、本実施例においては、フィラワイヤ電
流を用いてフィラワイヤ6と溶融池との離隔の有無を判
定するようになっているが、これに限定されることはな
く、フィラワイヤ電圧を用いて判定するようになってい
ても良い。この理由は、フィラワイヤ6が溶融池に接触
した通電状態においては、フィラワイヤ電圧V≒0.0
5×フィラワイヤ電流Aの関係があるため、フィラワイ
ヤ電圧の変動幅(ViMAX−ViMIN)を用いて電圧変動検
出スレッショルド値(ViMAX−ViMIN+0.15V)を
求め、上述のS2の通電電流変動検出スレッショルド値
に置き換えることができるからである。そして、この場
合には、フィラワイヤ電圧の変動幅(VMAX −VMIN )
と電圧変動検出スレッショルド値(ViMAX−ViMIN+
0.15V)とを比較することによって、フィラワイヤ
6と溶融池との離隔の有無を判定することができる。
流を用いてフィラワイヤ6と溶融池との離隔の有無を判
定するようになっているが、これに限定されることはな
く、フィラワイヤ電圧を用いて判定するようになってい
ても良い。この理由は、フィラワイヤ6が溶融池に接触
した通電状態においては、フィラワイヤ電圧V≒0.0
5×フィラワイヤ電流Aの関係があるため、フィラワイ
ヤ電圧の変動幅(ViMAX−ViMIN)を用いて電圧変動検
出スレッショルド値(ViMAX−ViMIN+0.15V)を
求め、上述のS2の通電電流変動検出スレッショルド値
に置き換えることができるからである。そして、この場
合には、フィラワイヤ電圧の変動幅(VMAX −VMIN )
と電圧変動検出スレッショルド値(ViMAX−ViMIN+
0.15V)とを比較することによって、フィラワイヤ
6と溶融池との離隔の有無を判定することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上のように、被溶接材に対
して正極として通電されるフィラワイヤを溶接アーク中
に送給し、該フィラワイヤの送給位置を溶融池に対する
接触と離隔とで制御する非消耗電極式アーク溶接制御方
法において、上記溶融池に接触されたフィラワイヤを溶
融池から離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ
電流またはフィラワイヤ電圧の変動幅を求め、該変動幅
が第1比較値以上になるまで上記移動を継続する第1処
理を実行し、上記変動幅が第1比較値以上になったとき
に、上記フィラワイヤへの通電を停止した後、溶接アー
クの電位と被溶接材の電位との間の電圧値に設定された
第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較し、該フィラワ
イヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイヤへの
通電を再開する一方、該フィラワイヤ電圧が第2比較値
未満であると、フィラワイヤを溶融池に接触させるよう
に、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になるまでフィ
ラワイヤを溶融池方向に移動させる第2処理を実行した
後、上記第1処理を再実行する構成である。
して正極として通電されるフィラワイヤを溶接アーク中
に送給し、該フィラワイヤの送給位置を溶融池に対する
接触と離隔とで制御する非消耗電極式アーク溶接制御方
法において、上記溶融池に接触されたフィラワイヤを溶
融池から離隔する方向に移動させながら、フィラワイヤ
電流またはフィラワイヤ電圧の変動幅を求め、該変動幅
が第1比較値以上になるまで上記移動を継続する第1処
理を実行し、上記変動幅が第1比較値以上になったとき
に、上記フィラワイヤへの通電を停止した後、溶接アー
クの電位と被溶接材の電位との間の電圧値に設定された
第2比較値とフィラワイヤ電圧とを比較し、該フィラワ
イヤ電圧が第2比較値以上であると、フィラワイヤへの
通電を再開する一方、該フィラワイヤ電圧が第2比較値
未満であると、フィラワイヤを溶融池に接触させるよう
に、フィラワイヤ電圧が第2比較値以上になるまでフィ
ラワイヤを溶融池方向に移動させる第2処理を実行した
後、上記第1処理を再実行する構成である。
【0035】これにより、第1処理におけるフィラワイ
ヤと溶融池との離隔の検知がノイズ等よる誤検知である
否かが、第2処理における第2比較値とフィラワイヤ電
圧との比較により確認することが可能であることから、
一次側配線の長距離化による電気的抵抗や線間の電気的
容量が増大した場合や、一次側電源が小さな容量である
場合等のように、ノイズが多発する環境下においても、
高い信頼性でもってフィラワイヤの送給位置を制御する
ことが可能である。
ヤと溶融池との離隔の検知がノイズ等よる誤検知である
否かが、第2処理における第2比較値とフィラワイヤ電
圧との比較により確認することが可能であることから、
一次側配線の長距離化による電気的抵抗や線間の電気的
容量が増大した場合や、一次側電源が小さな容量である
場合等のように、ノイズが多発する環境下においても、
高い信頼性でもってフィラワイヤの送給位置を制御する
ことが可能である。
【0036】さらに、フィラワイヤの送給位置を制御す
る際に、フィラワイヤが溶融池から離隔したときに、フ
ィラワイヤへの通電が停止されるため、溶接アークによ
り磁界が発生していても、フィラワイヤ先端の溶滴が溶
接アークの外へ飛ばされることがない。従って、フィラ
ワイヤの溶滴によるビードの外観の悪化を防止すること
が可能であると共に、溶接欠陥による溶接継ぎ手性能の
低下を防止することが可能であるという効果を奏する。
る際に、フィラワイヤが溶融池から離隔したときに、フ
ィラワイヤへの通電が停止されるため、溶接アークによ
り磁界が発生していても、フィラワイヤ先端の溶滴が溶
接アークの外へ飛ばされることがない。従って、フィラ
ワイヤの溶滴によるビードの外観の悪化を防止すること
が可能であると共に、溶接欠陥による溶接継ぎ手性能の
低下を防止することが可能であるという効果を奏する。
【図1】フィラワイヤ送給制御手順を示すフローチャー
トである。
トである。
【図2】フィラワイヤ送給制御系のブロック図である。
【図3】フィラワイヤ送給制御系の信号状態を示す説明
図である。
図である。
【図4】フィラワイヤ送給制御系の信号状態を示す説明
図である。
図である。
【図5】フィラワイヤ送給制御を実施している状態を示
す説明図である。
す説明図である。
【図6】図5の一部を拡大して示す説明図である。
1 タングステン電極 2 溶接電源 3 フィラワイヤ通電電源 5 被溶接材 6 フィラワイヤ 7 ワイヤチップ 8 溶接アーク 10 フィラワイヤ昇降判断部 11 フィラワイヤ位置調整モータ駆動部 12 フィラワイヤ位置調整モータ 13 通電電流計測部 14 電流スレッショルド値計算部 15 電圧スレッショルド値設定部 16 フィラワイヤ通電電流検出部 17 フィラワイヤ電圧検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−238172(JP,A) 特開 昭62−110874(JP,A) 特開 昭58−86982(JP,A) 特開 昭58−122178(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/095,9/12,9/127 B23K 9/167
Claims (1)
- 【請求項1】 被溶接材に対して正極として通電される
フィラワイヤを溶接アーク中に送給し、該フィラワイヤ
の送給位置を溶融池に対する接触と離隔とで制御する非
消耗電極式アーク溶接制御方法において、 上記溶融池に接触されたフィラワイヤを溶融池から離隔
する方向に移動させながら、フィラワイヤ電流またはフ
ィラワイヤ電圧の変動幅を求め、該変動幅が第1比較値
以上になるまで上記移動を継続する第1処理を実行し、 上記変動幅が第1比較値以上になったときに、上記フィ
ラワイヤへの通電を停止した後、溶接アークの電位と溶
融池の電位との間の電圧値に設定された第2比較値とフ
ィラワイヤ電圧とを比較し、該フィラワイヤ電圧が第2
比較値以上であると、フィラワイヤへの通電を再開する
一方、該フィラワイヤ電圧が第2比較値未満であると、
フィラワイヤを溶融池に接触させるように、フィラワイ
ヤ電圧が第2比較値以上になるまでフィラワイヤを溶融
池方向に移動させる第2処理を実行した後、上記第1処
理を再実行することを特徴とする非消耗電極式アーク溶
接制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17814895A JP2918148B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 非消耗電極式アーク溶接制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17814895A JP2918148B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 非消耗電極式アーク溶接制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091334A JPH091334A (ja) | 1997-01-07 |
JP2918148B2 true JP2918148B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=16043483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17814895A Expired - Fee Related JP2918148B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 非消耗電極式アーク溶接制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2918148B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8440935B2 (en) | 2006-10-27 | 2013-05-14 | Panasonic Corporation | Automatic welding equipment |
JP2020069521A (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | 株式会社Ihi | 溶接装置及び溶接方法 |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP17814895A patent/JP2918148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH091334A (ja) | 1997-01-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |