JP4211286B2 - 樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品と製造方法と連続生産方法と金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、肉厚分布とスリット(3)を有する樹脂成形品(1)は、その肉厚分布とスリット(3)の為に反りが発生しやすい特性を備えていた。図52で示すように、剛性の弱いスリット(3)の部分を反り屈曲点として反りが発生するのである。
【0003】
このものは、肉厚分布を持っていることで既に反りやすく、加えてスリット(3)によって屈曲点が確定されるので、成形直後の樹脂成形品(1)の大部分が反ってしまうという問題を生じていた。
【0004】
そこで、この反りを解消するため、成形加工直後に反り矯正治具で樹脂成形品(1)を挟み込み反りを強制的に減少させる方法が用いられていた。
【0005】
もしくは、炉の中で樹脂成形品(1)の反りを矯正した状態でガラス転移温度以上に温度を上げ、その後冷却するアニール処理により反りを矯正する方法などが存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、成形加工後に反り矯正用の工程が必要とされる為、生産効率が低く、改善が強く望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、反りにくく尚且つ生産性の高い樹脂成形品と、製造方法と、連続生産方法と、金型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の樹脂成形品にあっては、請求項1に記載したように、平面形状が略長方形であって、一部分に複数個の凸部が設けられて肉厚分布を有し、前記凸部と前記凸部との間に前記長方形の長辺と直交するスリットを設け、以降の工程でこのスリットに沿って切断される平板状の樹脂成形品において、当該スリット内に、前記樹脂成形品の前記凸部以外の部分の肉厚よりも肉厚の薄い薄肉部を設けたことを特徴としている。
【0009】
これにより、成形後に反りが発生しにくい樹脂成形品を創出することができる。
【0010】
更に、この樹脂成形品は次工程において加熱処理されることがあっても、従来の技術で説明した樹脂成形品と異なり、反りが発生しにくい。即ち、従来の樹脂成形品は、射出成形工程における樹脂の残留応力の解放により反りが発生し、それを治具によって強制的に矯正している為、再度加熱したりすると容易に反ってしまう。これに対して本発明の樹脂成形品は、薄肉部によって、反りを生じせしめるモーメントを相殺する為、再加熱しても反りが発生する可能性は極めて低いものとなるのである。
【0011】
このように従来の技術が矯正であるのに対し、本発明は形状バランスの適正化を行うことで反りを軽減するようにしているといえる。
【0012】
又、本発明の製造方法にあっては、請求項2に記載したように、型内へ成形材料を射出充填することで前記薄肉部を一体成形する、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法において、成形材料を射出する際には薄肉部となる部位が所定の厚みより厚くなるようにした型を用い、成形に際して上記型内へ成形材料を射出する段階と、薄肉部となる部位に成形材料を充填する段階と、前記薄肉部となる部位にあたる型の一部分を駆動して所定の厚みにする段階を経て、型内の成形材料を固化することを特徴とする。
【0013】
この場合、流動性の悪い成形材料であっても薄肉部を容易に成形することができる。即ち、成形材料の流入のネックとなる薄肉部となる部位を、射出の際には所定の厚みより厚くなるようにしている為、流動性が悪くても成形材料を充填することができるのである。
【0016】
この為、薄肉部の厚さが極めて薄い場合でも成形材料を充分に充填することができる。
【0017】
又、本発明の製造方法にあっては、請求項3に記載したように、成形材料の固化に際し、薄肉部となる部位を他の部位よりも急冷することで、薄肉部となる部位の固化を早めたことを特徴としている。
【0018】
この場合、薄肉部となる部位を他の部位よりも急冷することで、薄肉部の固化を早め、樹脂の収縮によるモーメントを確実に相殺することができる。
【0019】
又、本発明の連続生産方法にあっては、請求項4に記載したように、請求項2又は請求項3に記載の製造方法を1つのサイクルとし、このサイクルを連続させた連続生産方法において、各サイクル終了時又は任意のサイクル終了時に製造された樹脂成形品の反り量を測定し、この反り量に基づいて、次サイクルの薄肉部の位置を調整することを特徴としている。
【0020】
この場合、連続生産における樹脂成形品の反りのばらつきを小さくすることができる。即ち、サイクル終了時に製造された樹脂成形品の反り量を測定し、この反り量に基づいて、次サイクルの薄肉部の位置を調整するので、適正な薄肉部の位置でもって樹脂成形品を製造することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1乃至3は、本発明の請求項1に対応する一実施の形態の樹脂成形品を示す説明図である。
【0045】
本実施の形態の樹脂成形品(1)は立体基板に用いるもので、図1に示すように平面外形が略長方形で肉厚分布を有してなる。肉厚分布は片面の一部分に設けた凸部(2)によって形成される。
【0046】
凸部(2)は3箇所に設けてあり、各凸部(2)の間には長辺と略直交するスリット(3)が設けてある。このものは次工程以降の工程でスリット(3)に沿って切断され、各々1つの凸部(2)を有する立体基板が製造される。
【0047】
又、この樹脂成形品(1)はスリット(3)内に板状の薄肉部(4)が平面外形と略並行に設けられている。薄肉部(4)は凸部(2)側に寄せて設けてある。
【0048】
以上説明した樹脂成形品(1)によると、図2、3に示すようにスリット(3)に集中する反りの応力を薄肉部(4)で抗することができる為にバランスのとれた樹脂成形品(1)となり、反りを小さくすることができる。
【0049】
又、成形後の反り矯正用の冷やし治具などによる反り矯正の工程をなくすことができる。
【0050】
又、次工程において前記樹脂成形品(1)に熱エネルギーが加わる場合、成形工程中の成形ひずみが緩和され、樹脂成形品(1)の反りが増大する可能性があるが、これを防止することが出来る。
【0051】
[第2の実施の形態]
図4乃至8は本発明の請求項2に対応する一実施の形態の製造方法を示す説明図である。
【0052】
この製造方法においては、図4に示すように固定側型部(5)と可動側型部(6)とからなる本体型部(19)と、薄肉部(4)を形成する特定型部(7)を有する型を用いて行うものである。尚、本実施の形態の場合、特定型部(7)を駆動型部(7’)と称して説明する。固定側型部(5)は上側に配され、可動側型部(6)は下側に配され、駆動型部(7’)は固定側型部(5)と可動側型部(6)各々に配されてなる棒状のものを指す。駆動型部(7’)には成形材料(8)が充填されると共に、薄肉部となる部位を押圧して、樹脂成形品(1)の薄肉部(4)を形成する。
【0053】
図5、6は型内へ成形材料(8)を射出する段階を示し、薄肉部(4)となる部位に成形材料(8)が充填された段階で図7に示すように駆動型部(7’)を駆動して、図8に示すように薄肉部(4)を形成する。
【0054】
このように、この製法は、薄肉部(4)となる部位の厚みを成形材料(8)の充填状態によって変化させるようにしている。即ち、射出の際には流路を広く設け、充填した後には狭くして薄肉部(4)を形成するようにしている。
【0055】
以上説明した、製造方法によると、流動性の悪い成形材料(8)でも、成形性を損なうことなく薄肉部(4)を成形することができ、反り対策が可能となる。
【0056】
[第3の実施の形態]
図9乃至12は本発明の請求項2に対応する他の実施の形態の製造方法を示す説明図である。この製造方法は第2の実施の形態と樹脂圧力センサ(9)において異なる。この製造方法においては、型に樹脂圧力センサ(9)を95%充填に相当する位置に設け、樹脂圧力センサ(9)の測定圧力の出力タイミングによって駆動型部(7’)を制御し、薄肉部(4)を形成する。
【0057】
以上説明した製造方法によると、第2の実施の形態と同様の効果に加え、薄肉部(4)の肉厚を成形工程中で自動的に調整可能なものとすることができる。
【0058】
[第4の実施の形態]
図9乃至12は本発明の請求項2に対応する他の実施の形態の製造方法も示している。この製造方法は第2の実施の形態と温度センサ(10)において異なる。即ち、型に樹脂圧力センサ(9)の代りとなる温度センサ(10)を設け、温度センサ(10)の測定温度の出力タイミングによって駆動型部(7’)を制御し、薄肉部(4)を形成するのである。
【0059】
以上説明した製造方法によると、第2の実施の形態と同様の効果に加え、温度センサ(10)の測定温度の出力タイミングによって駆動型部(7’)を適切に制御でき、薄肉部(4)の形成を確実なものとすることができる。
【0060】
[第5の実施の形態]
図9乃至12は本発明の請求項2に対応する他の実施の形態の製造方法も示している。この製造方法は第2の実施の形態と静電容量センサ(11)において異なる。この製造方法においては、型に樹脂圧力センサ(9)の代りとなる静電容量センサ(11)を設け、静電容量センサ(11)の測定した静電容量の出力タイミングによって駆動型部(7’)を制御し、薄肉部(4)を形成する。
【0061】
以上説明した製造方法によると、第2の実施の形態と同様の効果に加え、静電容量センサ(11)の測定した静電容量の出力タイミングによって駆動型部(7’)を適切に制御でき、薄肉部(4)の形成を確実なものとすることができる。
【0062】
[第6の実施の形態]
図13乃至15は本発明の請求項3、4に対応する実施の形態の製造方法を示す説明図である。この製造方法は薄肉部となる部位(15)に成形材料(8)を射出する段階においては薄肉部(4)を形成する型部(13)を加熱し、充填した段階に薄肉部となる部位(15)を急冷する。
【0063】
尚、加熱については前記型部(13)にヒーター(12)を設けることで成し、急冷については前記型部(13)に冷却媒体経路(14)を設けることで成すものとする。又、この時の加熱についてはガラス転移点温度以上とする。これは図15に示すように成形材料の流れ長さと、温度とがおよそ比例関係にあるという特徴を用いたものである。
【0064】
以上説明した製造方法によると、ガラス転移点温度以上に保ちながら成形することにより、薄肉部(4)での成形材料(図示せず)の固化による流動性の低下を防止することができ、反り防止用の薄肉部(4)の厚さが薄い場合でも、薄肉部(4)の成形材料の充分な充填を確保することができる。
【0065】
[第7の実施の形態]
図16は本発明の請求項5に対応する実施の形態の連続生産方法を示す説明図である。この方法は図16に示すように、成形材料射出段階、成形材料固化段階、樹脂成形品取出段階、を1サイクルとし、各サイクル又は任意のサイクル終了時に樹脂成形品の反りを測定し、反り量が規定外であれば薄肉部の位置を調整し、規定内であれは薄肉部の位置を調整することなく再び成形材料を射出する。
【0066】
以上説明した連続生産方法によると、成形加工の変動による反り量の変化を検知し、調整することが出来、樹脂成形品の反り量を小さく保つことができる。
【0067】
[第8の実施の形態]
図17乃至19は本発明の請求項6に対応する実施の形態の連続生産方法を示す説明図である。この方法は反り量の測定について特徴がある。図18のように、型から取出した樹脂成形品(1)を上側で凸形状となるように、略水平な測定台(16)に載置し、上側から測定ゲージ(17)を押付けることによって、押付量又は押付反力を計測する。これは図19に示すように、反り量と薄肉部(4)の位置が一定の関係であることに着眼したものである。この図に示すように、薄肉部(4)が樹脂成形品(1)の凸部(図示せず)と略同一平面にあるときは、反り量が最大となり、中程に移るに従って反り量は減少し、特定の位置でバランスのとれたものとなる。又、この図は概ねの関係を示すものであり、反り量を更に制御する為に、各サイクル毎に微調整することで、一層良質な樹脂成形品(1)を創出するようにしている。
【0068】
以上説明した連続生産方法によると、第7の実施の形態と同様の効果の他に、樹脂成形品(1)の反り量が定量的に把握できるので、薄肉部(4)の位置決定が容易となる。即ち、図19のように、樹脂成形品(1)の反りと薄肉部(4)の位置との因果関係をグラフとすることができるので、回数を重ねてゆくごとに適切な薄肉部(4)の位置を設定することができる。
【0069】
[第9の実施の形態]
図20は本発明の請求項7に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。
【0070】
この金型(18)は、図20に示すように、樹脂成形品(図示せず)の外形を形成する本体型部(19)と、薄肉部となる部位(15)を形成する特定型部(7)とを有している。とりわけ、特定型部(7)は薄肉部となる部位(15)の位置と厚みを調整することができるよう昇降自在なものとしている。
【0071】
特定型部(7)は、押圧部材(21)と、肉厚調整用ブロック(22)とからなり、肉厚調整用ブロック(22)を適宜交換することで樹脂成形品の厚さ方向に対する薄肉部の位置と厚みを調整するようにしている。
【0072】
特定型部(7)は成形材料を挟む形で押圧する。
【0073】
以上説明した金型(18)によると、成形条件、成形材料、成形機が変わることにより、反り量の状態が変化しても成形加工現場で反り対策が可能となる。
【0074】
[第10の実施の形態]
図21乃至22は本発明の請求項8に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。この金型(18)は図21に示すように、特定型部(7)の駆動源として駆動手段(23)を備えている。特定型部(7)は一対の棒材からなっており、駆動手段(23)は各々の棒材を駆動してなる。
【0075】
以上説明した金型(18)によると、金型(18)を成形機に取付けたまま薄肉部(4)の位置と肉厚の変更をすることができる。又、棒材は駆動手段(23)によって無段階に動くので、薄肉部(4)の位置と肉厚を無段階に調整することができる。
【0076】
[第11の実施の形態]
図23乃至29は本発明の請求項9に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。この金型(18)は図23に示すように、第9の実施の形態と同様に本体型部(19)と特定型部(7)とを備えている。特定型部(7)は駆動手段(23)によって駆動される。又、上記の他にも樹脂圧力センサ(9)を95%充填相当位置に備え、駆動手段(23)は樹脂圧力センサ(9)によって制御される。
【0077】
本実施の形態においては、95%充填に相当する位置に樹脂圧力センサ(9)を備えており、この樹脂圧力センサ(9)によって充填のタイミングを検出し、これにより駆動手段(23)が特定型部(7)を駆動せしめるようにしている。特定型部(7)は一対の棒材からなり、薄肉部(4)となる部位を挟み込むことで薄肉部(4)を形成する。又、各棒材は上下に配されており、上下方向に押圧せしめてなる。
【0078】
又、この金型(18)は、図24に示すような流れでもって樹脂成形品(1)が製造される。型閉めと型閉め完了の後に、特定型部(7)の一方の棒材を所定位置まで降下させ、次いで、成形材料(8)を射出し、型内の所定容積まで充填する。すると樹脂圧力センサ(9)がこれを検知測定し、測定した測定圧力の出力タイミングに基づいて駆動手段(23)が起動し、他方の棒材を上昇せしめ、薄肉部(4)となる部位を押圧する。
【0079】
このようにして成形材料(8)を充填した後、型開きし、樹脂成形品(1)を取出す。
【0080】
又、図25が特定型部(7)の一方の棒材を所定位置まで降下させる段階を示し、図26が成形材料(8)の射出段階を示し、図27が成形材料(8)が所定容積充填された状態を示し、この状態を樹脂圧力センサ(9)が検知し、図28のように特定型部(7)が駆動手段(23)によって動き、薄肉部(4)を形成する。
【0081】
最後に図29に示すように型開きを行って樹脂成形品(1)を取出す。
【0082】
以上説明した金型によると、成形工程中で薄肉部(4)を特定型部(7)を移動させ、成形材料(8)射出開始から充填完了までは薄肉部(4)となる部位の型の隙間を広げておき、成形材料(8)充填直前に所定の肉厚まで変化させることにより、薄肉部(4)における成形材料(8)の流動性を確保すると同時に、薄肉部(4)の位置調整、肉厚調整を可能としている。
【0083】
[第12の実施の形態]
図23乃至29は本発明の請求項10に対応する実施の形態の金型(18)も示している。この金型(18)は図23に示すようなもので、第11の実施の形態と温度センサ(10)について異なる。このものは樹脂圧力センサ(9)の代りに温度センサ(10)の測定した測定温度の出力タイミングに基づいて駆動手段(23)が動き、特定型部(7)を駆動せしめる。
【0084】
このものの、製造の流れについては図31に示すように、第11の実施の形態と同様で、第11の実施の形態が樹脂圧力センサにより測定圧力を測定するのに対して、本実施の形態は温度センサ(10)により測定温度を測定し、測定温度の出力タイミングに基づいて駆動手段(23)を制御する。
【0085】
以上説明した金型(18)によると第11の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、温度センサ(10)によって、特定型部(7)を適切な状態に制御することができる。
【0086】
[第13の実施の形態]
図23乃至29は本発明の請求項11に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは第11の実施の形態と静電容量センサ(11)について異なるもので、樹脂圧力センサ(9)の代りに静電容量センサ(11)で測定された静電容量の出力タイミングに基づいて駆動手段(23)を制御する。
【0087】
以上説明した金型(18)によると第11の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、静電容量センサ(11)によって、特定型部(7)を適切な状態に制御することができる。
【0088】
[第14の実施の形態]
図30乃至32は本発明の請求項12に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは第11の実施の形態と棒材の先端の形状が異なる。このものは、図31に示すように薄肉部(4)形成面近傍を成形材料の流れに対して両隅部(24)に傾斜を有し、尚且つ先端部(25)がおよそ平らな面となる凸形状で形成している。本実施の形態では断面外形を台形としているが、この他にもだ円形としても良い。
【0089】
以上説明した金型(18)によると、薄肉部(4)を形成するために特定型部(7)を駆動するに際し、薄肉部(4)形成面の先に存在する成形材料(8)が、傾斜に沿って逃げることができ、平面型部を押すよりも、駆動手段(23)の出力を小さくすることができる。又、樹脂成形品(1)においては、薄肉部(4)とその周辺の境界をなだらかにつなぐことが出来るため、境界での応力集中を避けることが出来、樹脂成形品(1)の強度向上を図ることが出来る。
【0090】
[第15の実施の形態]
図33乃至38は本発明の請求項13に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは第11の実施の形態と特定型部(7)について異なる。このものの特定型部(7)は複数に分割された棒材からなり、その先端が揃えて並設される。分割された各部材には其々駆動手段(23)が設けられ、独立した動きをすることができる。
【0091】
例えば、型閉じ後に特定型部(7A乃至7C)、及び特定型部(7D乃至7F)を駆動して型の外寄りに配しておき、成形材料(8)の充填がほぼ完了した時、中央の特定型部(7B)及び特定型部(7E)を駆動して型の内側に移動させる。次いで、その周りの特定型部(7A)、(7C)及び特定型部(7D)、(7F)を駆動して型の内側に移動させ、薄肉部(4)全体を形成する。
【0092】
以上説明した金型(18)によると、薄肉部(4)を形成するに際し、成形材料(8)の充填初期段階においては広めの流路を確保しておき、圧縮段階において薄肉部(4)の中心から外側に向って順に駆動することにより、成形材料(8)が薄肉部(4)の中心から外側に向って逃げることが出来るため、駆動手段(23)の出力を小さくすることができる。
【0093】
[第16の実施の形態]
図39は本発明の請求項14に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは、第9の実施の形態と特定型部(7)の肉厚調整用ブロックが異なり、肉厚調整用ブロックの変わりに、調整螺子(26)である肉厚調整用ネジブロック(26’)が設けてある。
【0094】
以上説明した金型(18)によると、第9の実施の形態と同様の効果の他に、調整螺子(26)である肉厚調整用ネジブロック(26’)により薄肉部(4)の厚さと位置を簡単に調整することができる。
【0095】
[第17の実施の形態]
図40乃至45は本発明の請求項15に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは、第9の実施の形態の金型とスペーサーが異なり、第9の実施の形態でいう肉厚調整ブロックの代りに、ブロック(27)とスペーサー(28)のコンビネーションで形成される。
【0096】
これにより、ブロック(27)の方は1種類のもので事が足り、スペーサー(28)によって薄肉部(4)の位置と厚さを調整することができる。スペーサー(28)は一対からなり、各々の厚みを変えることで薄肉部(4)の位置と厚さを変えることができる。又、図40に示すように、各々の厚みが異なっても良い。
【0097】
又、図42、43は薄肉部(4)を下側、つまり樹脂成形品(1)の凸部(2)と反対側に設けた例を示す。又、図44、45は薄肉部(4)を上側、つまり樹脂成形品(1)の凸部(2)側に設けた例を示す。
【0098】
[第18の実施の形態]
図46乃至51は本発明の請求項16に対応する実施の形態の金型(18)を示す説明図である。このものは第17の実施の形態の金型(18)とスペーサー(28)の形状が異なり、このもののスペーサー(28)はくさび形をして成る。
【0099】
以上説明した金型(18)は、スペーサー(28)をくさび形にしたことで、無段階に薄肉部(4)の位置と厚さを調整することができる。
【0100】
又、このものも、図48乃至51に示すように、薄肉部(4)を樹脂成形品(1)の凸部(2)側若しくは反対側に配することができる。このように、薄肉部(4)を凸部(2)と反対側に配することで、バランスを良くし反りにくい樹脂成形品(1)を創出しても良い。
【0101】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、成形後に反りが発生しにくい樹脂成形品を創出することができる。
【0102】
そして、請求項2記載の発明によれば、流動性の悪い成形材料であっても容易に成形することができる。
【0104】
そして、請求項3記載の発明によれば、薄肉部を簡単に成形することができる。
【0105】
そして、請求項4記載の発明によれば、樹脂成形品の反りを一層小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態である樹脂成形品を示す斜視図である。
【図2】同樹脂成形品を示す斜視図である。
【図3】同樹脂成形品を示す拡大図である。
【図4】本発明の第2の形態である樹脂成形品の製造方法を示す断面図である。
【図5】同製造方法を示す断面図である。
【図6】同製造方法を示す断面図である。
【図7】同製造方法を示す断面図である。
【図8】同製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第3、4、5の実施の形態である樹脂成形品の製造方法を示す断面図である。
【図10】同製造方法を示す断面図である。
【図11】同製造方法を示す断面図である。
【図12】同製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態である樹脂成形品の製造方法に用いる型を示す断面図である。
【図14】同製造方法に用いる型を示す説明図である。
【図15】同製造方法の原理を示すグラフである。
【図16】本発明の第7の実施の形態である樹脂成形品の連続生産方法のフローチャートである。
【図17】本発明の第8の実施の形態である樹脂成形品の連続生産方法のフローチャートである。
【図18】同連続生産方法に用いる測定ゲージを示す説明図である。
【図19】同連続生産方法の薄肉部位置による反り補正量を示すグラフである。
【図20】本発明の第9の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図21】本発明の第10の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図22】同金型を示す断面図である。
【図23】本発明の第11、12、13の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図24】同金型を用いた製造方法のフローチャートである。
【図25】同金型を示す断面図である。
【図26】同金型を示す断面図である。
【図27】同金型を示す断面図である。
【図28】同金型を示す断面図である。
【図29】同金型を示す断面図である。
【図30】本発明の第14の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図31】同金型を示す断面図である。
【図32】同金型を示す断面図である。
【図33】本発明の第15の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図34】同金型を示す断面図である。
【図35】同金型を示す断面図である。
【図36】同金型を示す断面図である。
【図37】同金型を示す断面図である。
【図38】同金型を示す断面図である。
【図39】本発明の第16の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図40】本発明の第17の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図41】同金型を示す断面図である。
【図42】同金型を示す断面図である。
【図43】同金型で製造された樹脂成形品を示す断面図である。
【図44】同金型を示す断面図である。
【図45】同金型で製造された樹脂成形品を示す断面図である。
【図46】本発明の第18の実施の形態である樹脂成形品の金型を示す断面図である。
【図47】同金型を示す断面図である。
【図48】同金型を示す断面図である。
【図49】同金型で製造された樹脂成形品を示す断面図である。
【図50】同金型を示す断面図である。
【図51】同金型で製造された樹脂成形品を示す断面図である。
【図52】本発明の従来の技術である樹脂成形品を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 樹脂成形品
3 スリット
4 薄肉部
7 特定型部
8 成形材料
9 樹脂圧力センサ
10 温度センサ
11 静電容量センサ
18 金型
23 駆動手段
24 両隅部
26 調整螺子
28 スペーサー

Claims (4)

  1. 平面形状が略長方形であって、一部分に複数個の凸部が設けられて肉厚分布を有し、前記凸部と前記凸部との間に前記長方形の長辺と直交するスリットを設け、以降の工程でこのスリットに沿って切断される平板状の樹脂成形品において、当該スリット内に、前記樹脂成形品の前記凸部以外の部分の肉厚よりも肉厚の薄い薄肉部を設けたことを特徴とする樹脂成形品。
  2. 型内へ成形材料を射出充填することで前記薄肉部を一体成形する、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法において、成形材料を射出する際には薄肉部となる部位が所定の厚みより厚くなるようにした型を用い、成形に際して上記型内へ成形材料を射出する段階と、薄肉部となる部位に成形材料を充填する段階と、前記薄肉部となる部位にあたる型の一部分を駆動して所定の厚みにする段階を経て、型内の成形材料を固化することを特徴とする製造方法。
  3. 成形材料の固化に際し、薄肉部となる部位を他の部位よりも急冷することで、薄肉部となる部位の固化を早めたことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の製造方法を1つのサイクルとし、このサイクルを連続させた製造方法において、各サイクル終了時又は任意のサイクル終了時に製造された樹脂成形品の反り量を測定し、この反り量に基づいて、次サイクルの薄肉部の位置を調整することを特徴とする製造方法。
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