JP4210233B2 - 舗装構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、路面の排水性向上や走行車両の騒音低減のための空隙を有する舗装を構築する舗装構築方法に関する。特に、このような空隙を有する舗装の内部にミルク状の材料を充填する工程を含む舗装構築方法に関するものである。
近年、路面の排水機能や車両の騒音低減機能などの各種機能を備えた舗装が注目を集めている。そのような機能を有する舗装は、その表面や内部に形成された空隙によって目的の機能を実現するもので、その機能や強度等を勘案して適当な空隙率が設定される。このような舗装を構築する場合、舗装の強度を高めるとともに、例えば路面の凍結抑制機能や路面の温度上昇を抑制する保水機能などを付加するために、舗装内部にミルク状の材料を充填する手法が広く実施されている。なお、使用されるミルク状の材料としては、セメントミルクが用いられることが多い。
図4は、このような舗装の概略構成を示す断面図である。当該舗装は、下地となる基盤1上に形成されたアスファルト混合物層2を備えている。アスファルト混合物層2には、骨材21が含まれており、所定の空隙率で空隙22を形成するようになっている。このアスファルト混合物層2の下面から所定の厚さの範囲の空隙22には、上記のミルク状の材料であるセメントミルク4が充填されている。セメントミルク4は、例えば、アスファルト混合物層2の厚さに対して、下面から80%程度の厚さの範囲の空隙22に充填される(同図中の斜線部)。このとき、セメントミルク4は、図4に示すように、目的の範囲の空隙22にムラなく平坦に充填されることが好ましい。
このような舗装は、基盤1上にアスファルト混合物層2を舗設した後、その表面3上にセメントミルクを配置し、路面上から振動を加えてセメントミルクをアスファルト混合物層2内部に浸透させることにより目的の領域にセメントミルク4を配置させる方法によって構築されるのが一般的である。なお、セメントミルクの使用量は、目的の厚さで充填されるように、母体となるアスファルト混合物層2の空隙率やその充填厚さ等に基づいてあらかじめ算出され、その量を表面3上に配置するようになっている。
しかし、加振によってセメントミルクを浸透させると、その浸透度合は一定ではないため、所々にムラが生じることが多々ある。十分に浸透していない箇所では、残ったセメントミルクが表面3上に溜まってしまう。このような場合、例えば次の特許文献1、2に示すような対処法を従来は行っていた。
特許文献1には、自走式トラクタに設けられた進行方向前部の板状バイブレータを備えている第1スクリード及び進行方向後部の板状バイブレータを備えている第2スクリードと、アジテータと、該アジテータからのセメントミルクを前記第1スクリードの直前方に吐き出す吐出口と、余剰セメントミルクをかき集め前記アジテータに回収する回収手段とを備えた装置が開示されている。当該文献の装置では、表面3上に溜まった余剰なセメントミルクをかき集めて回収する方法が取られている。
また、特許文献2には、表層に舗設された母体開粒度アスファルト混合物の空隙に、前記表層表面から所定層厚の表面空隙層を形成するようにセメントミルクを浸透させて固化させ、前記表面空隙層の骨材表面に付着した固化セメントを、所定水圧の圧力水を噴射させて除去し、前記表面空隙層の空隙を前記母体開粒度アスファルト混合物の空隙状態まで回復させたことを特徴とする低騒音舗装が開示されている。当該低騒音舗装では、骨材表面に残ったセメントミルクを固化させた後に圧力水を噴射して除去する方法が採用されている。
特許文献3には、上記のような機能性を有する舗装に関するものではないが、充填されたセメントミルクの表層部に硬化遅延剤を塗布し、表層部以外のセメントミルクが硬化し表層部のセメントミルクが硬化していない段階でこの表層部のセメントミルクを除去することを特徴とする舗装方法が開示されている。
更に、舗装の表面に残った余剰なミルク状の材料をバキュームで吸い取ることにより除去することも行われている。
このような従来の方法は、舗装の表面3に残ったミルク状の材料を除去することにより骨材21を露出させ、表面3の空隙22を形成するようになっている。しかし、あらかじめ算出した量のミルク状の材料を使用するため、その一部を除去してしまう従来の方法では、ミルク状の材料が目的の厚さで充填されず、その強度や機能を十分に発揮できないという問題があった。
また、従来の方法によってミルク状の材料を一様に充填することは非常に困難であり、その厚さにムラが生じることが多かった。したがって、完成した舗装は、設計当初における目的の強度を有さず、問題が生じることがあった。
更に、表面3上に残存するミルク状の材料を除去する従来の方法では、除去されたミルク状の材料の費用は無駄になってしまい非効率であった。
また、加振後に表面3上に残存する余剰なミルク状の材料の量を事前に推測することは難しいため、従来の方法では舗装の強度や機能と構築コストとのバランスを取るのが困難であった。すなわち、余剰となるミルク状の材料の量を多めに見積もった場合、多量のミルク状の材料を表面3上に配置することとなる。すると、ミルク状の材料はアスファルト混合物層2内の空隙22に十分に充填されるが、表面3上の余剰分が大量に除去されることから、結果として当該余剰分に対するコストの無駄が大きくなってしまう。一方、余剰となるミルク状の材料を少なく見積もった場合、除去される余剰分に対するコストの無駄は比較的小さくて済むが、加振後において空隙22に十分な量のミルク状の材料が充填されないため、当該舗装は適正な強度や機能を具備しないものとなってしまう。
特開平7−102516号公報(〔請求項1〕) 特開平11−131409号公報(〔請求項1〕) 特開平10−245803号公報(〔請求項3〕)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アスファルト混合物層の空隙にミルク状の材料を目的の厚さにムラなく充填することが可能な舗装構築方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、アスファルト混合物層の空隙に充填されるミルク状の材料を無駄なく使用することが可能な舗装構築方法を提供することを他の目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、アスファルト混合物層の下面から上方の所定の厚さの範囲の空隙をミルク状の材料で充填する舗装構築方法であって、前記アスファルト混合物層の表面上に所定量の前記ミルク状の材料を配置する配置工程と、前記アスファルト混合物層に振動を加えることにより、前記表面に配置された前記ミルク状の材料を前記アスファルト混合物層に浸透させて空隙を充填する加振工程と、前記加振工程後に前記ミルク状の材料が前記表面上に残留しているときに、当該残留している前記ミルク状の材料に対して上方から気体を吹き付けて当該ミルク状の材料を移動させることにより、前記範囲の空隙を前記ミルク状の材料で充填する吹付工程と、を含んでいることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の舗装構築方法であって、前記吹付工程は、コンプレッサ又はブロワを用いて前記気体を前記残留しているミルク状の材料に対して吹き付けることにより実行されることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の舗装構築方法であって、前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対して斜め上方から前記気体を吹き付けることにより実行されることを特徴とする。
なお、表面上に残留している余剰なミルク状の材料に対して斜め上方から気体を吹き付ける場合、表面上にミルク状の材料が残留していない部位(ミルク状の材料の充填が足りない部位)の方向に向けて吹き付けを行うことが好ましい。それにより、余剰なミルク状の材料を当該充填が足りない部位に効率的に移動させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の舗装構築方法であって、前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対する前記気体の吹付方向を変化させながら実行されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の舗装構築方法であって、前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対して、所定配列の複数の吹付口から前記気体を一斉に吹き付けることにより実行されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の舗装構築方法であって、前記ミルク状の材料はセメントミルクであり、Pロートを用いて測定されたフロー値が10秒未満、好ましくは8秒以上10秒未満であることを特徴とする。
ここで、「Pロートを用いた測定」とは、Pロートと呼ばれる漏斗に所定量のセメントミルクを入れ、そのセメントミルクがPロートの下部の穴から全量流下するまでに掛かる時間(秒数)を計ることにより、セメントミルクの流動性を測定する方法である。その測定結果はフロー値と呼ばれる。この測定原理から分かるように、フロー値の小さなセメントミルクは、すなわち流下速度が速く、したがって流動性が優れていることを示す。逆に、フロー値の大きなセメントミルクは、流下速度が遅く、流動性が劣ることを示している。なお、通常用いられるセメントミルクのフロー値は10秒〜14秒程度である。
セメントミルク以外のミルク状の材料を使用する場合には、その材料の種類に応じたロート(例えばJロート、Vロート等)を用いて流動性が測定される。本発明に係る舗装構築方法においてセメントミルク以外のミルク状の材料を使用する場合、適当なロートを用いて流動性の設定を行う。その際、当該材料の通常よりも小さなフロー値のもの、すなわち流動性の優れたものを使用することが好ましい。なお、本発明の舗装構築方法に適用されるミルク状の材料としては、例えば、粘性の低い(すなわち流動性の優れた)セメントモルタルなどのセメント系材料、粘性の低い樹脂モルタルなどの樹脂系材料、アスファルト乳剤や粘性の低いアスファルトなどの瀝青系の材料などがある。
本発明に係る舗装構築方法によれば、加振工程後に表面上に残留したミルク状の材料に対して上方から気体を吹き付けることにより、目的の範囲の空隙を充填するように当該ミルク状の材料を移動させることができる。したがって、アスファルト混合物層の空隙にミルクの材料を目的の厚さにムラなく充填することが可能となる。
また、本発明に係る舗装構築方法によれば、加振工程後に表面上に残留したミルク状の材料を、従来のように除去してしまうのではなく、アスファルト混合物層内に移動させるように構成されているので、ミルク状の材料を無駄なく使用することが可能となる。
以下、本発明に係る舗装構築方法の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。本舗装構築方法では、当該舗装の下地となる基盤上に形成されたアスファルト混合物層の表面上にミルク状の材料をほぼ一様に配置する配置工程と、アスファルト混合物層に振動を加えることにより、表面上に配置されたミルク状の材料をアスファルト混合物層に浸透させる加振工程とについては、従来と同様の手法にしたがって行われる。本発明の特徴は、加振工程の終了後にアスファルト混合物層の表面上に残留しているミルク状の材料を処理する方法に関するものである。
図1は、加振工程の終了時点における舗装の状態を示す概略断面図である。アスファルト混合物層2は、骨材21を含んだアスファルト混合物から構成されており、路面上の雨水等を下方に透過させるための空隙22が所定の空隙率にて形成された多孔質構造を備えている。アスファルト混合物層2の空隙率は、透水性と舗装の強度を勘案して10〜40%程度、通常は20%前後に設定される。空隙率を20%に設定する場合、骨材21に対するアスファルト量は4.8重量%程度とされる。
アスファルト混合物層2を構成するアスファルト混合物としては、アスファルト混合物層2の透水性を向上させるために開粒度(ギャップ粒度)タイプのものが用いられる。また、骨材21の最大粒径は例えば20mmないし5mm程度とする。なお、粗粒度タイプ、密粒度タイプ、細粒度タイプなど、必要に応じて適当なタイプのアスファルト混合物を使用することもできる。ここで、開粒度タイプのアスファルト混合物とは、粗い骨材と細かい骨材とが骨材21の大部分を占めるもので、排水性舗装、透水性舗装などに使用される。また、粗粒度タイプは粗い骨材を多く含むもので、車道の基盤部分などに使用される。また、密粒度タイプは、粗粒度タイプよりも細かい骨材を多く含むもので、車道の表層部分などに使用される。更に、細粒度タイプは細かな骨材を多く含むもので、歩道部分などに使用される。
また、本発明に係る舗装構築方法に用いられるミルク状の材料は、通常よりも流動性の優れたもの、すなわち粘性の低いものを用いることが好ましい。また、本発明のような舗装構築方法におけるミルク状の材料としては、セメントミルクが広く用いられている。以下、本発明に係るミルク状の材料として流動性の優れたセメントミルクを使用したケースを特に採り上げて説明することとする。なお、セメントミルクに代えて、セメントモルタル等のセメント系材料、粘性の低い樹脂モルタル等の樹脂系材料、アスファルト乳剤や粘性の低いアスファルト等の瀝青系の材料などを用いることができることは上述した通りである。
本発明では、セメントミルクの優れた流動性を得るために、流動化剤が通常よりも多く添加される。使用する流動化剤としては、ナフタリン系、メラミン系、ポリカルボン酸系(ポリカルボン酸多元ポリマ)などを適宜使用することができる。本方法では、例えば、Pロートを用いた測定におけるフロー値が10秒未満、好ましくは8秒以上10秒未満のセメントミルクが使用される。なお、通常用いられるセメントミルクのフロー値は、10秒ないし14秒程度である。
配置工程において表面3上に配置されるセメントミルクの使用量は、例えば次のようにして算出される。当該舗装のアスファルト混合物層2の厚さをX(メートル)、当該舗装の路面の面積をY(平方メートル)、アスファルト混合物層2の空隙率をR(%)とする。また、アスファルト混合物層2の下面、すなわちアスファルト混合物層2と基盤1との境界上、アスファルト混合物層2の厚さのS%の厚さの範囲にセメントミルクを充填するものとする。このとき、セメントミルクは目的の範囲内の空隙22を充填するものであり、その使用量は当該目的範囲内の空隙22の総体積に等しいと考えられるので、セメントミルクの使用量Zは、Z=X×Y×(R/100)×(S/100)(立方メートル)に設定される。また、路面1平方メートル当たりの使用量zは、z=X×R×S(立方メートル)とされる。例えば、アスファルト混合物層2の厚さを5(センチメートル)、路面の面積を100(平方メートル)、空隙率を20(%)、セメントミルクの充填厚さをアスファルト混合物層2の厚さの80(%)、すなわち4(センチメートル)とすると、路面1平方メートル当たりの使用量は、0.05×0.2×0.8=0.008(立方メートル)=8(リットル)となり、その総使用量は、0.008×100=0.8(立方メートル)=800(リットル)となる。なお、当該算出方法は、セメントミルクの使用量算出方法の一例であり、各種の条件を勘案して他の方法を用いてその使用量を算出できることはいうまでもない。
骨材21は、アスファルト混合物層2中に完全に一様には分布しておらず、ある程度のばらつきをもって分布している。したがって、アスファルト混合物層2中における空隙22の分布も一様ではない。それにより、加振工程を行ってもセメントミルクはアスファルト混合物層2に一様には浸透されない。
実際、図1に示すように、加振工程終了時におけるセメントミルク4の上面4aは、一般に、図4に示したように平坦ではなく、波打つような形態となっている。より具体的には、加振工程終了時には、セメントミルク4が浸透せず未だに表面3に残っている残留部位41や、セメントミルク4の浸透量が少ない欠乏部位42、43が各所に存在する。なお、セメントミルク4の上面4aが平坦になるまで加振工程を続行すると、時間が掛かってしまうばかりか、途中でセメントミルク4が固化してしまう場合があるため、問題である。
残留部位41は、表面3上に残存するセメントミルク4を視認することによって特定される。また、欠乏部位42、43は、表面3上からは視認できないが、残留部位41の周囲に位置していることが多い。これは、欠乏部位42、43の空隙22を充填すべきセメントミルク4が、空隙22の配置状態等の理由により、当該欠乏部位42、43に浸透せずに残留部位41にとどまってしまうことや、残留部位41の下に移動してしまうことなどに起因するものである。
そこで、本実施形態の舗装構築方法では、図2に示すように、残留部位41の上方から気体(空気)を吹き付ける吹付工程を行う。すなわち、図示しないコンプレッサを用いて空気を圧縮し、その圧縮空気を残留部位41目掛けて上方から吹き付けることにより、残留部位41に位置するセメントミルクの余剰分4Aを欠乏部位42、43に移動させることにより、セメントミルクの欠乏分4B、4Cを埋め合わせる。それにより、図3に示すように、空気の吹付前には平坦でなかったセメントミルク4の上面4aは、吹付工程後には平坦な上面4bとされる。このような空気の吹き付け処理を、表面3上に視認される全ての残留部位に対して行う。なお、図2、3では、骨材21の図示は省略されている。
本実施形態の舗装構築方法によれば、上述のように、アスファルト混合物層2の目的の厚さの範囲の空隙22を充填する量のセメントミルクが表面3上に配置され、更に、加振工程後における残留部位41の余剰分4Aは欠乏分4B、4Cを埋め合わせるように移動されるので、アスファルト混合物層2にセメントミルク4を目的の厚さにムラなく充填することができる。したがって、セメントミルク4は、図4に示したように、アスファルト混合物層2の目的の範囲に好適に充填されることとなる。
また、流動性の優れたセメントミルクを使用しているため、セメントミルク4の余剰分4Aは、空気流の圧力によってアスファルト混合物層2内の空隙22を通じて効率的に移動でき、結果として充填ムラが生じにくくなっている。
更に、流動性の優れたセメントミルクを使用することにより、吹付工程に掛かる時間の短縮が図られている。
その他にも、セメントミルク4の余剰分4Aは、従来のように除去されることなく、欠乏分4B、4Cの補充に利用されるので、セメントミルクが無駄にならないという利点もある。
本発明に係る舗装構築方法は、以上の実施形態に限られるものではなく、以下のような各種の変形例を採用することも可能である。なお、以下の変形例におけるセメントミルクに関する事項については、上述のセメント系材料、樹脂系材料、瀝青系の材料などの他のミルク状の材料を使用する場合も同様である。
まず、残留部位41に位置するセメントミルク4の余剰分4Aに吹き付けるものとして、セメントミルクの材質等を勘案して空気以外の各種の気体を適宜用いることができる。ただし、経済性を考えると、空気を利用することが好ましい。
セメントミルク4の余剰分4Aに吹き付ける空気の温度をヒータ等によって調整可能に構成することができる。例えば、吹き付ける空気流の温度を一時的に高くしてセメントミルク4の流動性を高めてやることにより、セメントミルク4は一時的に空隙2内を移動しやすくなるため、作業の容易化や作業時間の短縮化が図られる。
セメントミルクは、一般的に、温度を高くするとフロー値の変化が大きくなり、硬化のための時間が短くなることから、高い温度の空気流を吹き付けることにより養生時間の短縮を図ってもよい。また、硬化までの時間が短くなると、硬化までの間にセメントミルクが勝手に移動してしまうことを抑制することができるので、特に基盤が斜面を形成している場合などに有効と考えられる。なお、吹き付ける空気流の温度は、アスファルト混合物層2の表面3が固化状態を保持できる範囲の温度とすることが好ましい。
また、空気流の温度を任意に変化させながら吹付工程を行うことも可能である。その際、空気流の温度を、例えば、吹付時間に対応して変化させるように構成してもよいし、表面3上に残るセメントミルクの量を視認しながら手動で変化させるように構成してもよい。
空気流は、残留部位41に対して鉛直上方から吹き付ける必要はなく、斜め上方から吹き付けるようにしてもよい。例えば、残留部位41から欠乏部位42方向に向かって斜めに空気流を吹き付けることができる。それにより、残留部位41に位置するセメントミルク4の余剰分4Aは、欠乏部位42に向かって効率的に移動されるので、吹付工程の作業時間を短縮することができる。なお、その場合、もう一方の欠乏部位43方向にも斜めに空気流を吹き付けて、当該欠乏部位43の欠乏分4Cも埋め合わせる必要がある。なお、空気流を吹き付ける角度は、アスファルト混合物層2の空隙率やセメントミルクの流動性等を考慮して適宜設定される。
このように、吹付工程において、残留部位や欠乏部位の配置などに応じて空気流の吹付方向を適宜変化させてもよい。そのために、例えば、コンプレッサによる空気流の吹付口(ノズル)の向きを変更可能とし、自動的に又は手動でその向きを変化させながら吹付工程を行うことができる。
また、余剰なセメントミルクに対して空気流を吹き付けるための吹付口を、複数個設けてもよい。複数の吹付口によって空気流の吹き付け処理を行う場合、この複数の吹付口の配列を工夫することができる。例えば、複数の吹付口を一列に配置し、各吹付口から一斉に空気流を吹き付けるようにすれば、表面3上の広い範囲に対して一度に吹き付け処理を行うことができ、作業の効率化を図ることができる。なお、複数の吹付口を使用する場合、各吹付口の向き、つまり各空気流の向きは全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
更に、残留部位41に吹き付ける空気流の風圧、すなわちコンプレッサによる空気の圧縮度についても、アスファルト混合物層2の空隙率やセメントミルクの流動性等を勘案して適宜設定することができる。
空気流を吹き付けるための装置としては、上記のコンプレッサ以外にも、例えば、空気を取り込んで吹付口(ノズル)から吹き出すように構成されたブロワなどの装置を用いることが可能である。
以上に詳述した構成は、本発明の実施形態の一例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内における各種の変形を適宜施すことが可能であることは言うまでもない。
アスファルト混合物層を振動させてセメントミルクを浸透させる加振工程の終了後におけるセメントミルクの状態を示す当該舗装の概略断面図である。 本発明に係る舗装構築方法の吹付工程の一例を説明するための当該舗装の概略断面図である。 本発明に係る舗装構築方法の吹付工程の一例の終了後におけるセメントミルクの状態を示す当該舗装の概略断面図である。 アスファルト混合物層にセメントミルクを充填して形成される舗装における、セメントミルクの好適な配置状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基盤
2 アスファルト混合物層
21 骨材
22 空隙
3 表面
4 セメントミルク
4a 吹き付け処理前の上面
4b 吹き付け処理後の上面
41 残留部位
42、43 欠乏部位
4A 余剰分
4B、4C 欠乏分

Claims (6)

  1. アスファルト混合物層の下面から上方の所定の厚さの範囲の空隙をミルク状の材料で充填する舗装構築方法であって、
    前記アスファルト混合物層の表面上に所定量の前記ミルク状の材料を配置する配置工程と、
    前記アスファルト混合物層に振動を加えることにより、前記表面に配置された前記ミルク状の材料を前記アスファルト混合物層に浸透させて空隙を充填する加振工程と、
    前記加振工程後に前記ミルク状の材料が前記表面上に残留しているときに、当該残留している前記ミルク状の材料に対して上方から気体を吹き付けて当該ミルク状の材料を移動させることにより、前記範囲の空隙を前記ミルク状の材料で充填する吹付工程と、
    を含んでいることを特徴とする舗装構築方法。
  2. 前記吹付工程は、コンプレッサ又はブロワを用いて前記気体を前記残留しているミルク状の材料に対して吹き付けることにより実行されることを特徴とする請求項1に記載の舗装構築方法。
  3. 前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対して斜め上方から前記気体を吹き付けることにより実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構築方法。
  4. 前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対する前記気体の吹付方向を変化させながら実行されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の舗装構築方法。
  5. 前記吹付工程は、前記残留しているミルク状の材料に対して、所定配列の複数の吹付口から前記気体を一斉に吹き付けることにより実行されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の舗装構築方法。
  6. 前記ミルク状の材料はセメントミルクであり、Pロートを用いて測定されたフロー値が10秒未満、好ましくは8秒以上10秒未満であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の舗装構築方法。
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