JP4209749B2 - 高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金 - Google Patents

高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金 Download PDF

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本発明は、リードフレーム、端子、コネクタ、ばねなどの電気電子部品として好適な高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金に関する。
電子機器に用いられる半導体装置の大容量、小型、高機能化にともない、半導体装置に使用される銅合金の小断面積化が進み、強度、導電性の向上が要求されている。このような要求を満たす高強度銅合金として、例えばC64710(Cu−3.2%Ni−0.7%Si−0.3%Zn)やC70250(Cu−3.0%Ni−0.65%Si−0.15%Mg)をはじめ、その他多くの銅合金が提供されている。これらの合金は、主としてNi、Siを添加し、必要に応じてSn、Mg、Al等の微量元素を添加することにより、主としてNi−Si系化合物を析出させることによって合金を強化したものである。
一般的に、合金の強度を向上させると、曲げ加工性(延性)が低下する。しかし、リードフレーム及びコネクタ等では単に強度のみならず、曲げ加工性にも優れていることが必要であり、高強度のみならず優れた曲げ加工性も要求される。
これらの相反する要求を満足させるには、従来のように単に成分設計を工夫するだけでは限界がある。このため、近年、内部組織や析出状態を制御したNi−Si系銅合金が種々提案されている。例えば、特開平6−184680号公報(特許文献1)には、Ni−Si系析出物のサイズと分布密度を制御することにより、強度、導電率、曲げ加工性を向上させた銅合金が提案されている。また、特開平6−41660号公報(特許文献2)では、平均結晶粒径とNi−Si系析出物の最大径を規定することにより、曲げ加工性を向上させた銅合金が記載されている。なお、関連技術として、特開平10−219374号公報(特許文献3)には、強度とせん断加工性を向上させるために、0.03μm 未満のNi−Si系化合物と、0.03μm 〜100μm のNi−Si系化合物の数比率および粒径比率を制御した銅合金が記載されている。
特開平6−184680号公報(特許請求の範囲) 特開平6−41660号公報(特許請求の範囲) 特開平10−219374号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、これらの技術によっても、強度および曲げ加工性が十分満足する程度には達しておらず、更なる向上が望まれている。なお、前記特許文献1および3の技術は、非常に微細な析出物の制御を行う必要があり、電子顕微鏡等を用いた非常に微小な領域での評価を伴うことから、安定的に制御することが難しく、成分偏析等による特性のばらつきが考慮されていない。また、特許文献2の技術では、時効処理の前に750℃以上での溶体化処理を必要とするため、酸化皮膜の除去工程の導入が必要であり、製造コストや生産性の観点から好ましくない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、高強度かつ優れた曲げ加工性を備えた銅合金を提供することを目的とする。
Cu−Ni−Si系銅合金の強度を向上させるには、Niを含む析出物のサイズを微細に、多く析出させることが有効であり、そのためには焼鈍の際にCuマトリックス中に固溶しているNi量が多いことが必要である。しかしながら、従来の銅合金では、添加されたNi量の多くがCuマトリックス中に固溶しているわけではなく、実際には溶解・鋳造時に生成した酸化物、晶出物および鋳塊の均熱から熱間圧延にかけて生成した粗大な析出物にNi量の大部分が取られている。これらの粗大な化合物は、破壊の起点となり、曲げ加工性を低下させる。本発明はかかる点に鑑み、強度の向上に有効なNiを含む微細な酸化物、晶出物および析出物を、添加したNi量に応じて多く残存させ、同時に粗大な酸化物、晶出物および析出物の量を少なく制御することによって、高強度および優れた曲げ加工性をバランスよく得られるとの知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明の銅合金は、mass%(以下同様)で、Ni:1.0〜8.0%、Si:0.1〜2.0%を含み、残部Cuおよび不可避的不純物からなり、銅合金のマトリックスのみを溶解し、目開き0.1μm のメッシュによって銅合金中の酸化物、晶出物および析出物を抽出分離したときに、抽出分離された抽出残渣のNi量がNi添加量の80%以下とされたものである。合金成分として、前記NiおよびSiの他、さらにZn:0.05〜5.0%、Sn:0.01〜5.0%の範囲で、これらの元素を単独で、あるいは複合して添加することができる。
本発明の銅合金によれば、特に目開き0.1μm のメッシュによって分離抽出された抽出残渣のNi量がNi添加量の80%以下とされ、主に強度の向上に寄与する微細な生成物として、焼鈍段階で生成する析出物のみならず、鋳造段階で生成する酸化物および晶出物、さらに鋳塊の加熱から熱延終了までに生成する析出物をも微細化して用いるので、添加したNi量に応じて、高強度かつ優れた曲げ加工性をバランス良く備えることができ、例えば半導体装置のリードフレーム用銅合金として好適である。
本発明の実施形態にかかる銅合金は、Ni:1.0〜8.0%、Si:0.1〜2.0%を必須合金元素として含有し、残部不純物およびCuによって形成される。さらに、Zn:0.05〜5.0%、Sn:0.01〜5.0%の範囲で、これらの元素を単独で、あるいは複合して添加することができる。まず、前記銅合金の成分限定理由について説明する。
Ni:1.0〜8.0%
NiはSiとともに化合物を形成し、その化合物を微細に分散させることにより、合金の強度及び導電率を向上させる。しかし、その含有量が1.0%未満では、微細な化合物の生成量が不十分となるため所望の強度が得られない。一方、8.0%を超えると、粗大な酸化物、晶出物および析出物が生成して熱間圧延時の加工性が低下し、熱延中に割れが生じるだけでなく、これらの粗大化合物が破壊の起点となって最終製品(例えば、リードフレーム)の曲げ加工性が低下するようになる。このため、Ni量の下限を1.0%、好ましくは2.0%とし、その上限を8.0%、好ましくは6.0%とする。
Si:0.1〜2.0%
SiはNiとともに化合物を生成して強度および導電率を向上させる。Si含有量が0.1%未満の場合は、化合物の生成量が不十分となるため強度向上への寄与が低下する。一方、Si量が2.0%を超えると、Niの場合と同様に粗大な酸化物、晶出物および析出物が生成し、熱間圧延時の加工性や最終製品の曲げ加工性の低下を招来するため好ましくない。したがって、Si量の下限を0.1%、好ましくは0.4%とし、その上限を2.0%、好ましくは1.6%とする。
Zn:0.05〜5.0%
Znは銅合金のはんだ及びSnめっきの耐熱剥離性を改善する。Zn含有量が0.05%未満ではかかる効果が過小である。一方、Zn量が5.0%を超えるとはんだ、Snの濡れ広がり性を低下させるだけでなく、銅合金自身の導電率の低下を招く。したがって、Zn量の下限を0.05%、好ましくは0.1%とし、その上限を5.0%、好ましくは4.0%とする。
Sn:0.01〜5.0%
Snは強度を向上させる元素であり、より高い強度が要求される場合は添加することが望ましい。Sn添加量が0.01%未満では強度向上効果が過小であり、一方5.0%を超えて含有すると、前記晶出物および析出物の生成を阻害するだけでなく、導電率を大幅に低下させる。このため、Sn量の下限を0.01%、好ましくは0.05%とし、その上限を5.0%、好ましくは4.0%とする。
上記合金元素の他、不純物である微量元素Fe、P、Pb、Mn、Cr、Al、Mg、Ca、Be、Zr、In等については、1種類または2種類以上の合計で0.1%未満に抑えることが好ましく、この程度であれば本発明の銅合金の奏する効果に大きな影響を及ぼさない。
また、本実施形態の銅合金は、その組織中の特定サイズのNiを含む化合物として、析出物のみならず、酸化物および晶出物をも含め、これらの量の割合が以下のように規定される。すなわち、銅合金のマトリックスのみを溶解し、銅合金中の酸化物、晶出物および析出物を目開き0.1μm のメッシュによって抽出分離したときに、抽出分離された抽出残渣のNi量がNi添加量の80%以下とされる。前記酸化物、晶出物、析出物とは、銅合金中に存在する酸化物、晶出あるいは析出した晶出物あるいは析出物、またはこれらの混合物をいい、それらの化学組成を問わない。前記Niを含む化合物の典型例は、NiSi、Ni2Si などのNi−Si系化合物である。
前記メッシュサイズを0.1μm と規定したのは、強度の向上にあまり寄与せず、逆に曲げ加工性を低下させる粗大な酸化物、晶出物および析出物(「粗大生成物」と呼ぶ。)を抽出残渣として把握するためである。このような粗大生成物の全生成物量に対する量的割合は、添加したNi量に対する抽出残渣に含まれるNi量の比(抽出残渣比)を求めることで把握され、本発明ではこの比が百分率で80%以下とされる。言い換えると、合金元素の固溶量はごく少ないので、強度の向上に有効に寄与する、0.1μm 以下の微細な酸化物、晶出物および析出物(「微細生成物」と呼ぶ。)の生成量の割合が20%以上とされる。これによって、Ni添加量に応じて、大きな強度向上効果が得られる。
ここで、銅合金中の酸化物、晶出物および析出物の抽出分離法について説明する。
銅合金中の銅および固溶元素(マトリックス)のみを溶解し、銅合金中の晶出物、析出物、酸化物を溶失させることなく抽出分離するには、銅合金のマトリックスである銅が酸素共存下のアンモニアに溶解するという性質を利用して、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウムの溶液を用いることによって実現可能である。この際、溶媒としてアルコールを用いた、酢酸アンモニウム−アルコール溶液、硝酸アンモニウム−アルコール溶液を用いることで、上記アンモニウム塩による銅合金の溶解反応を促進することができる。
本発明では下記の抽出分離液を用いて下記の要領で抽出残渣を回収することとする。溶液中の酢酸アンモニウム濃度が10mass%であり、水酸化ナトリウム−メタノール溶液を用いてPH8に調整された酢酸アンモニウム−メタノール溶液(抽出分離液)を300ml準備し、これに約10gの銅合金試料を浸漬し、銅合金試料を陽極とし、白金を陰極として用いて、電流密度20mmA/cm2 で定電流電解を行う。試料の溶解状態を観察しながら、マトリックスを溶解させた後、ポリカーボネート製のメンプランフィルター(目開きサイズ0.1μm )を用いて、銅合金溶解後の抽出分離液を吸引ろ過し、未溶解物として残った残渣を回収する。銅合金中には、酸化物、晶出物、析出物が存在し、そのサイズには、数10nmレベル(数0.01μm )から数μm 程度まで様々である。このようにして回収された抽出残渣は、塩酸によって溶解された後、ICP発光分光分析法によって残渣中のNi量が求められる。
次に、実施形態にかかる銅合金(板材)の製造方法について説明する。
実施形態の銅合金板材は、上記成分の銅合金を溶製し、鋳造し、鋳塊を熱間圧延(熱延)し、さらに熱延板を焼鈍し、冷間圧延(冷延)よって目的の板厚に加工される。前記焼鈍と冷間圧延は、最終(製品)板厚に応じて繰り返される場合がある。上記製造工程上、(1) 溶解炉での合金元素添加完了から鋳造開始までの時間管理、および(2) 加熱炉より鋳塊を抽出してから熱延終了までの時間管理が特に重要である。
一般的製造工程においては、鋳造、均熱、熱間圧延、そして冷間圧延と焼鈍の繰り返しにより最終(製品)板が得られ、強度レベル等の機械的特性の制御は主に冷延条件、焼鈍条件により、0.1μm 以下の微細生成物の析出を制御することによってなされる。その際、ほどよく分散した金属間化合物へのNi等の合金元素の拡散がNi等の固溶量および微細生成物の析出量を安定化させる。しかし、熱延以降の冷延条件、焼鈍条件により、前記微細生成物を多く析出させても、強度と曲げ加工性をバランスよく向上させることは困難である。その理由は、添加されたNi量の大部分が、溶解・鋳造時に生じた酸化物、晶出物、および鋳塊の均熱から熱延終了までに生じた粗大析出物に取られてしまい、添加したNi量に応じて生成すべき微細生成物の生成量が意外に少なくなってしまうからである。さらに、粗大な晶出物が多い場合、冷延、焼鈍工程で析出した微細生成物は、粗大生成物にトラップされてしまい、マトリックス中に独立して存在する微細生成物はますます少なくなる。このため、Ni添加量の割には、十分な強度と優れた曲げ加工性を得ることができない。
本発明合金の製造に際しては、溶解・鋳造は、連続鋳造、半連続鋳造などの通常の方法によって行うことができるが、溶解炉での元素添加が完了してから1200秒以内、好ましくは1100秒以内に鋳造を行い、冷却・凝固速度を0.1℃/秒以上、好ましくは0.2℃/秒以上とすることが望ましい。これにより、酸化物や晶出物の生成や成長・粗大化を抑制し、これらを微細に分散させることができる。酸化物の生成抑制の観点からは、真空溶解・鋳造、または酸素分圧の低い雰囲気下での溶解・鋳造を行うことがより好ましい。
従来、添加元素を含むCu−Pなどの母合金を確実に溶解し、固溶した添加元素を溶湯中に均一に分散させるため、かつ原料追装後の再分析が必要なため、鋳造を開始するまでに1500秒程度以上の時間を要していた。しかし、このように鋳造までに時間をかけると、酸化物の生成・粗大化を促進し、添加元素の歩留りを低下させることが分かった。このような酸化物の生成・粗大化を避けるため、本発明の銅合金の製造の際には、上記のように溶解炉での元素添加完了から鋳造までの時間を1200秒以内、好ましくは1100秒以内となるように短縮する。このような鋳造までの時間の短縮は、過去の溶製実績を基に原料追装後の組成を予測し、再分析に要する時間を短縮すること等によって達成することができる。
鋳塊を加熱炉にて加熱後、炉から取り出された鋳塊は熱延開始まで待ち時間が生じるが、本発明の銅合金を製造するには、前記溶解から鋳造開始までの時間および冷却・凝固速度の制御を行うと共に、鋳塊を加熱炉より抽出した時点から熱延終了までの総経過時間を1200秒以下、好ましくは1100秒以下に制御することが推奨される。熱間圧延については、常法に従えばよく、熱間圧延の入り側温度は1000〜600℃程度、終了温度は600〜850℃程度とされる。
従来、この様な加熱炉抽出から熱延終了までの時間を管理することは検討されておらず、加熱炉から熱延ラインへの運搬や、生産性向上を狙ったスラブの大型化に伴う熱延時間の延長によって、1500秒を超える時間が費やされるのが一般的であった。この様に時間がかかると、その間にNi系およびSi系の粗大析出物が析出し、また溶解・鋳造中に生じた晶出物や酸化物を核としてNi、Siが析出することが分かった。このような固溶Ni、固溶Siの減少作用を回避するため、本発明合金の製造に際しては、上記のように積極的に加熱炉抽出から熱延終了までの時間を1200秒以内に管理するのである。このような時間管理は、加熱炉から熱延ラインへ鋳塊を迅速に運搬したり、熱延時間が長くなる大型スラブの使用を避け、あえて小型スラブを使用することなどによって達成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
表1に示す化学成分を有する銅合金をそれぞれコアレス炉にて溶解し、同表に示す製造条件にて厚さ50mm×幅200mm×長さ500mmの鋳塊を半連続鋳造法にて造塊した。これら各化学成分の鋳塊を加熱後、熱間圧延にて厚さ16mmまで圧延した。そして更に面削後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、厚さ約0.15mmの銅合金板を製造した。
得られた銅合金板より、試験片を採取し、引張試験、導電率測定を行った。引張試験は、JIS13号B試験片を用いて、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で測定した。
曲げ加工試験は、曲げ軸が圧延平行方向(Bad Way方向)になるように幅10mmの試験片を採取し、島津製作所製万能試験機RH−30を使用して、9.8×103 Nの荷重でW曲げ加工を行った。試験片の表面に割れが発生する最小曲げ半径R(mm)を測定し、このRと試験片の厚さtとの比R/tにて曲げ加工性を評価した。
また、約10gの抽出残渣測定用の試験片を採取し、既述の方法により、目開き0.1μm のメッシュによって抽出分離された抽出残渣に含まれるNi量をICP発光分光分析法によって求めた。これらの測定結果を表2に併せて示す。
Figure 0004209749
Figure 0004209749
表2より、Ni添加量に対して抽出残渣中のNi量が80%未満の発明例は、強度および曲げ加工性が共に優れていることがわかる。具体的に見ると、例えば、添加Ni量が2.9%と同じ試料No. 1とNo. 11では、No. 1の抽出残渣中のNi量が少なく、これに従ってNi添加量に対する割合も小さくなり、Ni、Si化合物が有効に微細化されていることが推測される。このため、発明例のNo. 1は比較例のNo. 11に比して強度、曲げ加工性とも良好な結果が得られている。また、試料No. 1とNo. 13とは、抽出残渣のNi量は1.7〜1.8%とほぼ同等であるが、添加量に対する抽出残渣のNi量の割合は、発明例のNo. 1が59%であるのに対して比較例のNo. 13は90%となっており、やはり発明例のNo. 1に比して比較例のNo. 13は強度、曲げ加工性がともに劣っている。

Claims (3)

  1. Ni:1.0〜8.0mass%、Si:0.1〜2.0mass%を含み、残部Cuおよび不可避的不純物からなる銅合金であって、銅合金のマトリックスのみを溶解し、目開き0.1μm のメッシュによって銅合金中の酸化物、晶出物および析出物を抽出分離したときに、抽出分離された抽出残渣のNi量がNi添加量の80%以下である、高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金。
  2. さらに、Zn:0.05〜5.0mass%を含有する、請求項1に記載した銅合金。
  3. さらに、Sn:0.01〜5.0mass%を含有する、請求項1または2に記載した銅合金。
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