JP4208834B2 - アンカーボルト用継手 - Google Patents

Description

本発明は、雌ネジを有するスリーブ、及び雄ネジを有しかつ両側からスリーブ内にねじ込まれる２本のアンカーパイプを有するドリルアンカー用継手に関する。

これら継手は知られている。

これら継手における問題点は次のとおりである。即ち、穿孔中にアンカーパイプの空洞部を通って流れるフラッシング用媒体（空気又は水）及びボーリング孔の完成後にボーリング孔内に保持されるアンカーパイプの前端に向かってアンカーパイプの空洞部を通過させられる設置用物質（例えばセメントモルタル）が、この公知の継手の区域において逃げ出し得ることである。この方法においては、フラッシング用媒体の損失が逸出を発生し、またこれからの設置用物質の漏れによる継手の詰まりのある設置用物質の場合は、ドリルアンカー周囲のボーリング孔の完全な充填を防止する。

本発明の目的は、穿孔（ドリルアンカーの回転衝撃運動）中に生ずる負荷があるときでも最初に説明した形式の継手を利用可能とし、かつ信頼し得る気密を維持することである。

この目的は、本発明において請求されたような請求項１の特徴を有する継手により達成される。

本発明で請求される継手の好ましくかつ有利な実施例が、従属請求項の主題である。

本発明で請求される継手においては、スリーブ内にねじ込まれたアンカーパイプの端部は、スリーブに設けられた環状リブ内に適合してシールを形成するため、継手区域におけるフラッシング用媒体及び／又は設置用物質の逸出が防止される。

本発明において請求される継手の好ましい一実施例によれば、アンカーパイプの端部はこれらの前面が互いに直接隣接してスリーブ内に保持されることが提供され、また外側パイプの前面はシールを形成するように互いに隣接し、継手内に置かれたアンカーパイプの端部間でフラッシング用媒体及び／又は設置用物質が逃げ出し得ないので継手の区域における追加のーリングが確立されることも提供する。加えて、本発明のこの方法は、岩石に穴を空ける際にドリルアンカーを歪ませる回転衝撃力を、アンカーパイプからアンカーパイプに直接伝達するため問題が少ない。

本発明において請求される継手のその他の詳細、特徴及び利点は、例示として図面に示された実施例の以下の説明から得られる。

図１に示されるように、継手は、スリーブ１及びスリーブ１内に端部８が保持される２本のアンカーパイプ２より構成される。

スリーブ２は、２個の雌ネジ部分５を有し、これらは、内側に突き出た環状リブ４により互いに分離され、雌ネジ部分のネジは同じ方向で走る。アンカーパイプ２は、その外面上に、スリーブ１の雌ネジ５と適合する雄ネジ３が設けられる。

アンカーパイプ２は、好ましくは２個の端部８に、アンカーパイプ２の前面６から離れるように伸びる雌ネジなしの部分を持つ。この実施例のこの雌ネジなしの部分は、円筒状外面１２に作られる。環状に作られたアンカーパイプ２の前面６は、内側及び／又は外側の面取り部２２及び２０を持つことができる（図６）。

スリーブ１の長手方向中央に置かれた環状リブ４は、円筒状の内面１０及びスリーブ１の軸線７に対して本質的に直角な２個の側面１６を有し、これら側面は、環状リブ４の両側にあり、かつスリーブ２の内側面の部分１４、即ち雌ネジのない部分に達する半径（曲率）を持つ。

この継手の組み立てられた状況が図７に示される。ネジなしの端部８を有するアンカーパイプ２が環状リブ４内に置かれ、アンカーパイプ２の端部８の円筒状の面１２が環状リブ４の内部端面１０と隣接し、シールを形成していることが明らかである（図７において示される面１０と１２との間の間隙は事実上は存在せず、分かり易くするためにのみ示される）。

図７は、アンカーパイプ２の端部８の環状の前面６が、シールを形成するように互いに直接隣接していることを示す。

環状リブ４の幅Ｂ、従ってスリーブ１の軸線の方向で測定した環状リブ４の円筒状の内部端面１０の長さは、軸線の方向で、即ちアンカーパイプ２の長さ方向で測定されたアンカーパイプ２の端部８のネジなし部分１２の長さＡの和の大きさとほぼ等しい。このため、このアンカーパイプ２の前面６がリブ４の長さ方向の延長のほぼ中央に置かれたとき、アンカーパイプ２の円筒状の面１２の端部のショルダーが環状リブ４の側面１６に当たるので、スリーブ１をアンカーパイプ２上でねじ込み過ぎることがない。これにより、スリーブ１及びこの中に保持された（ねじ込まれた）２本のアンカーパイプ２よりなる本発明で請求される継手は、本質的に対称的な構造であることが保証される。

図８に示される本発明で請求される継手の実施例においては、環状リブ４の内側に向いた円筒面に環状の溝２０があり、この中に弾性材料の環状シール２１（Ｏリング）が挿入される。

この実施例においては、アンカーパイプ２は、互いに隣接する前面６の外側エッジの面取り２０がシール２１と隣接した状態でスリーブ１内にねじ込まれ、このため、継手の区域における２本のアンカーパイプ２間の封鎖が更に改善される。

図８においては、環状シール２１は理想化され、従ってその本来の円形断面を有して示されていることに注意すべきである。事実、継手が組み立てられた状態においては、これは部分的に変形し、アンカーパイプ２の前面（６）の外側の面取り部２０に従った三角形の断面形状になるように環状リブ４の内側面上方に突き出るであろう。

環状シール２１の断面形状は円形である必要はない。例えば、多角形断面形状（長方形又は正方形）とすることができる。環状シール２１の部分が、半径方向内側に先細となるクサビ状断面形状を有するように環状リブ４の内側面の上方に突き出ることも考えることができる。

まとめれば、本発明の好ましい一実施例は次のように記述することができる。

ドリルアンカーの継手は、雌ネジ５を有するスリーブ１、及び雄ネジ３が設けられかつスリーブ１内にねじ込まれる端部８を有する２本のアンカーパイプ２を備える。スリーブ１は、その長さ方向の中央に環状リブ４を支持し、このリブは円筒状の内部端面１０を持つ。アンカーパイプ２の端部８はシールを形成するようにこの環状リブ４内に適合し、このためこれらは円筒状でネジのない外周面を有するように作られる。継手の緊密性を改善しかつ少ない損失でアンカーパイプ２からアンカーパイプ２への衝撃エネルギーの伝達を行うために、アンカーパイプ２の環状の前面６は環状リブ４の区域において互いに隣接しシールを形成する。そこで、漏れがなくかつフラッシング用媒体及び／又は設置用物質の逸出を防ぐドリルアンカー用の継手を利用可能とする。

継手を部分的に断面で示す。 隣接しているアンカーパイプの端部（スリーブなし）を拡大しかつ部分的に断面で示す。 スリーブを長手方向断面で示す。 図３のＩＶ部分の詳細を示す。 アンカーパイプを特に断面で示す。 図５のＶＩ部分の詳細を示す。 スリーブの環状リブの区域における継手の詳細を拡大して示す。 スリーブを有する本発明に請求された継手の別の実施例を示す。

Claims (9)

1. 雌ネジ（５）のあるスリーブ（１）、及び雄ネジ（３）を持ちかつスリーブ（１）内に両側からねじ込まれる２本のアンカーパイプ（２）を有し、本質的にスリーブ（１）の長さ方向中央に、内側に突き出た環状リブ（４）及びアンカーパイプ（２）の端部（８）の前面（６）があり、これら端部がスリーブ（１）内に保持され、環状リブ（４）の区域内に置かれかつ互いに直接隣接しているドリルアンカーの継手において、
   環状リブ（４）が円筒状の内部端面（１０）を有し、アンカーパイプ（２）の円筒状に形成されたネジなし端部（８）の外側面（１２）が環状リブ（４）の内部端面（１０）に隣接してシールを形成し、アンカーパイプ（２）の前面（６）が外側に面取り部（２０）を有し、少なくとも１つの環状のシール（２１）が環状リブ（４）及びアンカーパイプ（２）にあって、前面（６）の外側の面取り部（２０）が環状のシール（２１）に隣接していることを特徴とする継手。
2. アンカーパイプ（２）の前面（６）が、シールを形成するように互いに隣接する請求項１に記載の継手。
3. スリーブ（１）内で環状リブ（４）の両側に雌ネジのない区域（１４）がある請求項１又は２に記載の継手。
4. 環状リブ（４）の側面（１６）がスリーブ（１）の軸線（７）と直角方向に整列される請求項１乃至３のいずれか１に記載の継手。
5. 環状リブ（１）の側面（１６）が、スリーブ（１）の内側面内に、特にネジのない部分（１４）内に半径方向に通過する請求項１乃至４のいずれか１に記載の継手。
6. アンカーパイプ（２）の前面（６）が、内側に面取り部（２２）を有する請求項１乃至５のいずれか１に記載の継手。
7. スリーブ（１）の軸線（７）の方向で測定された環状リブ（４）の幅（Ｂ）が、アンカーパイプ（２）の長手方向において測定されたアンカーパイプ（２）の円筒状にされたネジなし端部（８）の長さの和と本質的に同じ寸法である請求項１乃至６のいずれか１に記載の継手。
8. 環状シール（２１）が、環状リブ（４）の円筒状の内部端面（１０）の内側に開かれた環状の溝内に挿入される請求項１乃至７のいずれか１に記載の継手。
9. 環状リブ（４）の内部端面（１０）上方に突き出る環状シール（２１）の部分が、アンカーパイプ（２）の前面（６）、特に前面（６）の面取り部（２０）により変形される請求項８に記載の継手。

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