JP4207666B2 - 静電気機械素子、光回折変調素子、及び画像表示装置 - Google Patents

静電気機械素子、光回折変調素子、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電気機械素子、それを用いた光回折変調素子、および画像表示装置に関し、例えば、光を回折又は反射させる回折格子型光バルブなどの光回折変調素子、及びそれを用いた二次元画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクターやプリンターなどの画像形成装置において、画像の解像度を上げるには、一次元の画像表示素子からの光束を光走査手段で走査しながら画像形成手段に投影し、2次元画像を形成する方法が知られている(米国特許第5982553号)。一次元の画像表示素子として、米国Silicon Light Machine社により開発された回折ライトバルブ(GLV: grating light valve)が知られている(特許第3164824号、米国特許第5841579号)。
GLVは光の回折現象を利用したマイクロマシン位相反射型回折格子より構成されている。GLVは光スイッチングの作用を有し、光のON/OFF制御を電気的にコントロールして、デジタル画像を表示することができる。
一次元アレイ化されたGLVをスキャンミラーで走査して2次元画像が得られる。そのため、通常の2次元表示装置と比較して、GLVを用いた場合は、縦方向の画素数は同じになるが、横方向は少なくとも1個あれば良いので、2次元画像表示に必要な画素(ピクセル)数は少ない。また、GLVのリボン素子と呼ばれている電極部分は、サイズが非常に小さいので、高い解像度、高速なスイッチング及び広い帯域幅の表示を可能にする。さらに、低い印加電圧で動作されるので、非常に小型化された表示装置を実現することが期待されている。
【0003】
このような一次元画像表示素子GLVを用いた二次元画像表示装置は、通常の二次元画像表示装置、例えば、液晶パネルなどを用いた投射型表示装置と比べて、GLV自体に画素間の境界が存在しないため、極めて滑らかで自然な画像表現を可能にする。さらに、三原色である赤色、緑色、青色のレーザを光源とし、これらの光を混合することで、極めて広い、自然な色再現範囲の画像が表現できるなど、従来にない優れた表示性能を有している。
【0004】
GLVのリボン素子は、静電気力で駆動され変位または変形するマイクロマシンであり、微細な静電気機械素子の一例である。
図10(a)と(b)は、GLVにおいて、静電気機械素子の構造と動作を説明する図である。
図10(a)は、従来の技術にかかる静電気機械素子の構造を模式的に示した概略断面図である。図10(a)に示すように、静電気機械素子100は、下部構造として、例えば、シリコン、又は、ガラスからなる基板101上に、ポリシリコンからなる下部電極102が形成され、下部電極102上に、下部電極102を保護し、酸化シリコン(SiO)からなる誘電体膜103が形成されている。さらに、上部構造としてたとえば、窒化シリコン(SiN)からなる誘電体膜104上に、例えばアルミニウムからなる上部電極105が形成されている。誘電体膜104と上部電極105は、1つのリボン素子を構成する。図10(a)に示す状態は、上部および下部電極102,105の間に電圧が印加されず、静電気機械素子100はOFF状態となっている。
図10(b)は、静電気機械素子の構造を模式的に示した概略断面図である。図10(b)に示すように、上部電極105と下部電極102の間に一定の駆動電圧を印加すると、上部電極105と下部電極102の間に静電気力(クーロン力)を生じる(これをON状態と呼ぶ)。それによって、例えば、上部電極105が下部電極102側に機械的に変形(撓む)あるいは変位する。その変形(撓み)あるいは変位量(移動量)aは、nmレベルで駆動電圧の値に対応している。複数の静電気機械素子100が平行に並べられた場合は、その撓みあるいは移動量aにより、反射型回折格子が形成され、回折光を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図11(a)は、時刻tにおける静電気機械素子を示す断面図であり、図11(b)は、時刻tにおける静電気機械素子を示す断面図である。
静電気機械素子100のような、誘電体膜を介して対向電極が形成され、静電気力で駆動を行なうマイクロマシンデバイスにおいて、図11(a)と(b)に示すように、上部電極105に高電位、下部電極102に低電位となる駆動電圧を印加し、ON状態にする。上部電極105は下部電極102の方向に距離aで変位する。しかし、時間が経つにつれて、上部電極105の位置は徐々にOFF状態の位置の方向に変化する現象が観察されている。
具体的には、図11(a)においては、時刻tに、図10(b)と同様な駆動電圧を印加して、上部電極105を下部電極102側に距離a変位させる。時間が経って、時刻tになると、図11(b)に示すように上部電極105は下部電極102と反対の方向に戻り、駆動電圧を印加する前と比較した距離は距離aより小さい距離aとなっている。
【0006】
これは、上部電極105と下部電極102間の静電力が弱くなったことに起因すると考えられる。
図10(a)に示すように、高真空の雰囲気において、低い密度で存在する例えば水分などの分子が誘電体膜103と104に付着している。図10(b)と図11(a)に示すように、上部電極105と下部電極102の間に、例えば20Vの駆動電圧を印加すると、誘電体膜103と104の間の距離は1μm程度しかないので、上部電極105と下部電極102の間に、約20V/10−4cm=2×10V/cmの高電界が形成される。
水分子のように常温において定常的に電離する分子が誘電体膜103や104に付着している場合や電極間を浮遊している場合、上記の電離している分子(荷電粒子)は誘電体膜103,104の表面に付着するあるいは電極間に浮遊する状態で、定常的に電離、結合を繰り返し、分子の平衡が保たれている。この状態に上記のような高電界を加えても、これらの電離した荷電粒子は、誘電体膜103と104の付着力に束縛されているので、すぐには誘電体膜103と104から離脱できない。そして、時間の経過と共に、誘電体膜103と104から離脱し、図11(b)に示すように、電界の方向に沿って、誘電体膜103と104の間に移動する。
具体的には、上記のように上部電極105を高電位、下部電極102を低電位にしたので、上部電極105の誘電体膜104に付着した正電荷は下部電極102の誘電体膜103に移動し、下部電極102の誘電体膜103に付着した負電荷は上部電極105の誘電体膜104に移動する。
【0007】
上記のような、上部電極105と下部電極102間の電荷の移動により、上部電極105と下部電極102は、全体としてそれぞれ負電荷と正電荷を持つ。誘電体膜103と104の表面に付着している正電荷と負電荷は、上部電極105と下部電極102間の空間に駆動電圧による電界と逆方向の電界を生じる。その結果、上部電極105と下部電極102間の有効な電界が小さくなる、いわゆる静電遮蔽効果が生じる。この遮蔽効果によって、上部電極105と下部電極102間の静電力が弱まって、上部電極105を距離aの位置に維持できなくなり、その結果、上部電極105が徐々にもとの位置に戻る。この静電遮蔽効果は、チャージング現象(charging)と呼ばれている。
【0008】
図12は、このチャージング現象によって、上部電極105の移動量の変化を例示するグラフである。図12において、横軸は駆動電圧の相対値であり、縦軸は、上部電極105の移動量であり、単位はμmである。また、実線は、チャージングが発生していない場合の想定移動量を示し、破線は、チャージングが発生した場合の移動量を示す。
図12から分るように、チャージングが発生した場合の電極の移動量を表わすグラフは、チャージングが発生していない場合の電極の想定移動量を表わすグラフより高電圧側にシフトしている。また、同じ駆動電圧を印加したにもかかわらず、チャージングが発生した場合の移動量は、チャージングが発生していない場合の想定移動量より大幅に減少している。
上部電極を所定の移動量だけ移動させるために、チャージングが発生した場合に必要な駆動電圧とチャージングが発生していない場合に必要な駆動電圧の差をチャージング電圧と呼ぶ。図12は、チャージング電圧の一例を示している。
【0009】
図13は、静電気機械素子100から構成されたGLV素子において、上記のチャージング現象によって、GLV素子から発生した回折光の光量の変化を例示するグラフである。図13において、横軸は駆動電圧の相対値であり、縦軸は、回折光量の相対値である。また、実線は、チャージングが発生していない場合の想定回折光量、破線は、チャージングが発生した場合の回折光量をそれぞれ示す。
図13から分るように、チャージングが発生していない場合の想定回折光量を表わすグラフは、駆動電圧がゼロとなる直線に関して対称となっている。しかし、チャージングが発生した場合の回折光量を表わすグラフは、駆動電圧がゼロとなる直線より右にシフトしている。また、同じ駆動電圧を印加していても、チャージングが発生した場合の回折光量は、チャージングが発生していない場合の想定回折光量より大幅に減少している。
図12と同じように、所定量の回折光を発生するために、チャージングが発生した場合に必要な駆動電極とチャージングが発生していない場合に必要な駆動電極の差はチャージング電圧と呼ぶ。図13は、チャージング電圧の一例を示している。
【0010】
この問題を解決する方法として、駆動電圧の極性を短期間で交互に反転させることによりこの現象を緩和する(米国特許第6144481号)などの方法が知られている。しかし、実際のデバイスにおいては、デバイスに交互にかかる電圧が時系列的に変化するため、例えば駆動電圧の極性を交互に変化させても、影響を完全に中和することができない。したがって、長い駆動時間の後には上部電極と下部電極間に蓄積された電荷が不均一に累積され、上部電極と下部電極に意図した静電気力を及ぼせなくなる現象が発生する。
また、蓄積する電荷を中和する方法として上部電極と下部電極間の誘電体膜103と104をなくす、などの方法も考えられているが、素子の信頼性などに影響を及ぼすため実用上問題があった。
また上部電極と下部電極内の電荷を欠乏させる方法も考えられるが、実用とされるレベルまで移動性イオンなどの移動電荷種を欠乏させることは事実上難しかった。
【0011】
本発明は、このような課題を鑑みてなされ、その第1の目的は、静電遮蔽効果による電極間の実効的静電気力の低下を抑制し、電極動作の不安定を防ぐことができる静電気機械素子を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記静電気機械素子を用いた光回折変調素子を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、上記光回折変調素子を用いた画像表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の静電気機械素子は、変位又は変形可能な第1の電極と、前記第1の電極と対向して配置された第2の電極と、前記第1の電極の前記第2の電極と対向する一方の面に形成された第1の誘電体膜と、前記第2の電極の前記第1の電極と対向する一方の面に形成された第2の誘電体膜とを有し、前記第1の電極は、前記第1と第2の電極間に電圧が印加された時に前記第2の電極と直交する方向に変位または変形し、前記第2の誘電体膜は、前記第1と第2の電極間の電界により前記第2の誘電体膜表面に存在する電荷が前記第2の誘電体膜の表面から離脱して移動する程度を示す移動度が電荷の前記極性に依存する誘電体材料を含む。
【0013】
本発明の静電気機械素子においては、第2の誘電体膜が、第1と第2の電極間に電圧が印加された時に、第2の誘電体膜表面に存在する電荷の移動度がその電荷の極性に依存する誘電体材料で形成されていることにより、第2の誘電体膜表面の電荷を電極間の電界により比較的容易に第1の誘電体膜まで移動できる。
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の光回折変調素子は、共通電極と、前記共通電極と対向して配置された、複数の第1の電極と、前記共通電極の前記第1の電極と対向する一方の面に形成された共通誘電体膜と、前記第1の電極の前記共通電極と対向する一方の面に形成された第1の誘電体膜とを有し、隣接する前記第1の電極の一方と前記共通電極の間に電圧が印加された時に、前記第1の電極の一方が前記共通電極と直交する方向に変位または変形し、第1の状態において、前記複数の第1の電極の他方の面に入射された入射光に対して奇数次回折光を生じさせず、第2の状態において、奇数次回折光を生じさせ、前記共通誘電体膜は、前記第1の電極と前記共通電極間の電界により、前記共通誘電体膜表面に存在する電荷が前記共通誘電体膜の表面から離脱して移動する程度を示す移動度が電荷の極性に依存する誘電体材料を含む。
【0015】
本発明の光回折変調素子においては、第2の誘電体膜が、隣接する第1の電極の一方と共通電極との間に電圧が印加された時に、第2の誘電体膜表面に存在する電荷の移動度がその電荷の極性に依存する誘電体材料で形成されていることにより、第2の誘電体膜表面の電荷を電極間の電界により比較的容易に第1の誘電体膜まで移動できる。
【0016】
また、前記課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、光源からの照射光を、光回折変調素子に照射し、前記光回折変調素子からの射出光を表示手段上に表示して画像を形成する画像表示装置であって、前記光変調素子は、共通電極と、前記共通電極と対向して配置された、複数の第1の電極と、前記共通電極の前記第1の電極と対向する一方の面に形成された共通誘電体膜と、前記第1の電極の前記共通電極と対向する一方の面に形成された第1の誘電体膜とを有し、隣接する前記第1の電極の一方と前記共通電極の間に電圧が印加された時に、隣接する前記第1の電極の一方が、前記共通電極と直交する方向に変位または変形し、第1の状態において、前記複数の第1の電極の他方の面に入射された入射光に対して奇数次回折光を生じさせず、第2の状態において、奇数次回折光を生じさせ、前記共通誘電体膜は、前記第1の電極と前記共通電極間の電界により、前記共通誘電体膜表面に存在する電荷が前記共通誘電体膜の表面から離脱して移動する容易さを示す移動度が電荷の極性に依存する誘電体材料によって形成される。
【0017】
本発明の画像表示装置においては、第2の誘電体膜が、第1と第2の電極間に電圧が印加された時に、第2の誘電体膜表面に存在する電荷の移動度がその電荷の極性に依存する誘電体材料で形成されていることにより、第2の誘電体膜表面の電荷を電極間の電界により比較的容易に第1の誘電体膜まで移動できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して述べる。
図1は、本実施形態の画像表示装置の構成の一例を示す概略図である。
図1に示されている画像表示装置20は、光源21、照明光学系22、一次元画像素子GLV素子23、レンズ24、空間フィルタ25、スキャンミラー26、及びスクリーン27を有する。
光源21は、例えば、半導体レーザのようなデバイスであり、三原色である赤、緑、及び青色の光束を射出する光源をそれぞれ含む。
照明光学系22は、光源21からの光ビームを平行光に変換して一次元画像素子GLV素子23に照射する。
【0019】
一次元画像素子GLV素子23は、例えば1080画素が一次元に配列されている。また、一次元画像表示素子GLV素子23は、表示する画像に対応する駆動電圧を印加することによってON状態あるいはOFF状態となり、入射した照明光を反射又は回折し、反射光、又は、回折光を射出し、射出光の階調を制御する。以下、一次元画像素子GLV素子23をGLV素子、あるいはGLV23という。
本実施形態においては、GLV素子23がON状態の場合に、回折作用により±1次回折光28a、28cを射出して、0次光28bと異なる各方向に進行させる。
レンズ24は、GLV素子23から射出された反射光28b、又は、回折光28a、28cによって形成される一次元の像を拡大し、スキャンミラー26へ投影する。
【0020】
GLV素子23により射出された0次光28b、±1次光28a、28cは、レンズ24により拡大され、空間フィルタ25に入射する。
空間フィルタ25は、レンズ24から射出された±1次回折光28a、28cを通過させ、スキャンミラー26に到達させる。また、空間フィルタ25は、レンズ24から射出された反射光又は0次光28bを遮蔽する。
スキャンミラー26は、GLV素子23からの一次元の画像情報を含む反射回折光をスキャンしてスクリーン27上に反射し、スクリーン27上に2次元の画像を形成する。スキャンミラー26は、例えば、ガルバノミラーである。
【0021】
図2は、本実施形態にかかる画像表示装置20に用いられたGLV素子23の構造を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、GLV素子23において、例えばポリシリコンからなる第2の電極12の上に、第2の電極12と所定の間隔を保って、たとえば条帯状(ストリップ)の第1の電極(リボン)10a、11a、10b、11b、10c、11c、10dが設けられており、それらの上面が反射面として機能する。
なお、図面を簡潔するため、図2では、第2の電極12の上面と第1の電極10a、11a、10b、11b、10c、11c、10dの各々の下面にそれぞれ形成されている誘電体膜は図示を省略されている。また、第1の電極の形状は上記に限定されない。なお、以下、第2の電極を共通電極とも言う。
第1の電極10a、10b、10c、10dは、駆動電圧に応じて共通電極12と直行する方向に変位可能であり、それら上部の反射面の共通電極に対する距離が変えられる。一方、第1の電極11a、11b、11cは変位せず、それらの反射面の高さは不変である。
ここで、移動可能な第1の電極10a、10b、10c、10dは可動電極、移動しない第1の電極11a、11b、11cは固定電極と呼ぶ。
【0022】
第1の電極の代表的な寸法の一例として、例えば、幅は3〜4μm、長さは200〜400μm程度であり、隣接する第1の電極間ギャップは約0.6μmである。しかし、上記の形状に限定されない。
複数の第1の電極を1セットとして1つの画素(ピクセル)に用いる。例えば、図2に示す隣接する6本の第1の電極10a、11a、10b、11b、10c、11cを1セットとして1つの画素を表わすことができる。この場合、1画素分の幅は約25μmである。
例えば、実用化されつつある1080画素を表示するGLVにおいては、図2の横方向に沿って、1080画素分の第1の電極が多数配置している。
【0023】
GLV素子23の動作は、第1の電極10a、11a、10b、11b、10c、11c、10dと共通電極12との間に印加する駆動電圧のON−OFFで制御される。図3は、図2に示されたGLV素子23の横方向の断面図である。可動電極10a、10b、10c、10dへの電圧は印加されておらず、第1の電極と共通電極12とが同電位となっている。即ち、GLV素子23はOFF状態である。固定電極11a、11b、11cが共通電極12と接続されて、常に同電位に保たれるようになっている。
なお、図3において、共通電極12の上面、つまり第1の電極と対向する面には、例えば酸化シリコンからなる第2の誘電体膜13が形成されている。また、各第1の電極10a、11a、10b、11b、10c、11c、10dの下面、つまり共通電極と対抗する面には、例えば、窒化シリコンからなる第1の誘電体膜14が形成されている。
可動電極10a、10b、10c、10dに対して駆動電圧は印加されていないので、可動電極10a、10b、10c、10dは移動せず、すべての第1の電極が共通電極12から一定の距離を保ち、ほぼ同じ平面に位置する。
この状態で照明光束が入射すると、各第1の電極10a、11a、10b、11b、10c、11c、10dにおいて反射された各反射光束は全光路差を生じず(λの0倍)に、第1の電極の配置される間隔を周期とする回折光のみを生じる。回折した光はすべて図1の空間フィルタ25の開口部25a、25bに比べ広い角度に回折するためにフィルタ25の両端にて遮蔽される。上記の状態を第1の状態(OFF状態)とする。なお、第1の状態は、上記のほかに、各反射光の光路差がλの整数倍になるように隣接する第1の電極を配置してもよい。λは、入射光の波長である。
【0024】
図4においては、可動電極10a、10b、10c、10dに所定の駆動電圧が印加され、固定電極11a、11b、11cが共通電極12と接続されている。つまり、共通電極に対し、第1の電極のうち可動電極は電位差を有し、固定電極は同電位となっている。
図4に示すように、駆動電圧が印加された可動電極10a、10b、10c、10dは、静電気力で共通電極12側に引き下げられる。例えば、可動電極10a、10b、10c、10dがλ/4引き下げられる。一例として、λ=532nmの場合は、可動電極の移動量はλ/4=133nmである。
この状態で照明光束が入射すると、可動電極10a、10b、10c、10dで反射される光束と固定電極11a、11b、11cで反射される光束間の全光路差は半波長(λ/2)となる。これにより、GLV素子23が反射型回折格子として作用することとなり、反射光束(0次光)同士は干渉して打ち消し合い、±1次光、±3次光など奇数次数の回折光が生じる。
各次の回折光は、照明光束の波長とGLV素子23のピッチにより決定される角度方向に回折されて、0次光、及び±1次回折光などの回折光光束がそれぞれ異なる各方向に進行し、図1に示す空間フィルタ25の反射部25c、開口部25a、25bに入射し、±1次回折光が開口部25a、25bを透過する。上記の状態を第2の状態(ON状態)という。なお、第2の状態は、上記のほかに、各反射光の光路差がλ/2の奇数倍となるように第1の電極を配置してもよい。
【0025】
各々の可動電極とそれに対応する共通電極とからなる静電気機械素子において、可動電極と共通電極の間の静電遮蔽効果により、可動電極の位置は、時間と共に徐々に元の位置に戻る現象、いわゆるチャージング現象を生じる。
本実施形態においては、チャージング現象を防ぐために、可動電極と共通電極のそれぞれに設けられた誘電体膜として、誘電体膜に帯電する電荷に対して非対称な性質を有する材料を用いる。そして、本発明をGLV素子に適用する一例として、開放されている可動電極が低電位、共通電極が高電位となるように駆動電圧を印加することによって、可動電極に電荷が蓄積しないようにする。これによって、静電遮蔽効果を抑えることができる。ここで、本実施形態において、静電気機械素子は、各可動電極とそれに対応する共通電極とから構成され、可動電極と共通電極との間に電圧を印加することにより、静電気力で可動電極が変位する。また、光回折変調素子は、上記の静電気機械素子を含み、可動電極と共通電極との間に電圧を印加することにより可動電極が変位し、可動電極と固定電極とにより回折格子を形成し、入射される光を変調する。さらに、画像表示装置は、上記の光回折変調素子を含み、光回折変調素子に入射された光が変調され、所定の回折光のみを選択的に表示する。
【0026】
図5(a)と(b)は、本発明にかかる静電気機械素子の構造と動作を説明する図である。
図5(a)に示すように、静電気機械素子6は、下部構造として、例えば、シリコン、又は、ガラスからなる基板1上に第2の電極2が形成され、第2の電極2上に第2の電極2を保護する第2の誘電体膜3が形成されている。ここで、第2の電極2は、たとえばポリシリコンなどの導電性材料などから形成され、第2の誘電体膜3は、たとえば、酸化シリコン(SiO)から形成されている。また、上部構造として、窒化シリコン(SiN)からなる第1の誘電体膜4と、アルミニウムからなる第1の電極5とを有する。
【0027】
図5(b)に示すように、第1の電極5に低電位、第2の電極2に高電位となるように駆動電圧を印加する。この状態をON状態と呼ぶ。そのとき、第1の電極5と第2の電極2の間に静電気力(クーロン力)を生じ、それによって、例えば、第1の電極5が第2の電極2側に機械的に変形あるいは変位する。その変形(撓み)あるいは変位量(移動量)dは、駆動電圧の値に依存する。GLV素子においては、固定電極と、可動電極におけるその撓みあるいは移動量dにより、反射型回折格子が形成され、入射される光を回折光に変調する。
なお、図5(a)に示された駆動電圧が印加されていない状態はOFF状態と呼ぶ。OFF状態では、可動電極および固定電極の上面は、入射光を反射する。
【0028】
このように動作する静電気機械素子6の、第1の電極5と第2の電極2の間の静電遮蔽効果の影響について説明する。
図6は、駆動電圧の変化に対するチャージング電圧を示すグラフである。具体的には、第1の電極5と第2の電極2に印加した駆動電圧(破線)の極性を時間と共に変化したときの、チャージング電圧の変化(a、b、c、d、e)を示す。また、チャージング電圧は、図12と図13において定義されているのと同様に、チャージングが発生した場合に必要な駆動電圧と、チャージングが発生していない場合に必要な駆動電圧との差とする。
図6において、横軸は時間軸であり、単位は秒である。左側の縦軸は駆動電圧の大きさ、右側の縦軸はチャージング電圧の大きさを示し、単位はVである。縦軸に示す駆動電圧において、正電圧は、第1の電極に高電位、第2の電極に低電位になるように電圧を印加し、負電圧は第1の電極に低電位、第2の電極に高電位になるように電圧を印加することを意味する。
【0029】
図6に示すように、はじめに、駆動電圧を0Vから+40Vまで上げると、時間に伴って、例えば測定結果eに示すチャージング電圧は徐々に大きくなり、約3500秒後、チャージング電圧は約7Vまで増大する。これは図10〜図13を参照して述べた従来のGLV素子の場合と同様の結果である。約7Vのチャージング電圧は、上記のように第1の電極の位置に大きな影響を与え、また、回折光量にも大きな変動を生じる。このようなGLV素子を用いた画像表示装置の表示画面上において、光の明るさの強度は、最大40%も変動する。
次に、駆動電圧は+40Vから一旦0Vに下げて、さらに、−40Vまで下げると、チャージング電圧も急に下がる。負の駆動電圧が印加された途端、チャージング電圧が急に下がり、しかも、短い時間内に安定し、時間の依存性が小さくなっている。測定結果eの場合、この安定したチャージング電圧の値は1V程度であり、正の駆動電圧の場合の7Vと比べれば非常に小さい。これによって、光回折変調素子のON状態において、第1の電極の位置の変動(チャージング現象)を低減させ、回折光量の変動も大幅に低減させる。その結果、表示画面上の光の明るさの強度の変動も非常に低いレベルに抑えることができる。
次に、駆動電圧は0Vにし、OFF状態になると、チャージング電圧も0V程度に下がる。
測定結果a、b、c、dも同じ傾向を示している。また、多数の測定も同じ傾向となっている。
【0030】
図7は、駆動電圧とチャージング電圧の関係を示すグラフである。
図7において、横軸は時間軸であり、縦軸は駆動電圧、または、チャージング電圧の大きさを示している。正電圧と負電圧の定義は、図6と同様である。
図7に示すように、正と負の駆動電圧のいずれも、大きなチャージング電圧を生じている。
しかし、チャージング電圧の測定技術は今まで十分確立されていなかった。
本実施形態において、現実の駆動電圧値(約20V)より大きい電圧でGLV素子を駆動し、高温の環境で、高度な測定技術により、比較的短い測定期間内(数時間)に、顕著なチャージング電圧の変化を精確に測定することに成功し、再現性の極めて高い測定結果を得た。
以上の本実施形態での措置を採らない場合は、チャージング電圧の顕著な変化が現れるのに、非常に長い測定時間(例えば、本実施形態より数十倍長い)が必要となり、通常条件では、精確な測定は非常に困難であると考えられる。
【0031】
次に、図6の測定結果に基づいて静電気機械素子の動作を説明をする。
図8(a)と(b)は、以上に説明した静電気機械素子6の動作を説明する図である。
図8(a)に示すように、高真空の環境において、例えば水分などの付着物の分子が誘電体膜3と4に付着している。図8(a)は、静電気機械素子6のOFF状態を示す。
図8(b)に示すように、時刻Tにおいて、第1の電極5に低電位、第2の電極2に高電位となるように、例えば20Vの駆動電圧を印加し、静電気機械素子6をON状態にする。これにより、第1の電極5が下部第2の電極2側に機械的に変形あるいは変位し、その撓みあるいは変位量(移動量)d1は、駆動電圧の値に対応している。
【0032】
誘電体膜3と4の間の距離は1μm程度しかないので、第1の電極5と第2の電極2の間に、約2×10V/cmの高電界が形成される。
水分子のように常温において定常的に電離する分子は図9(a)に示すように、時刻Tにおいて、定常的に電離、結合を繰り返し、平衡が保たれ、分子の一部が、誘電体膜3と4の表面に付着している荷電粒子(イオン)となる。
これらの荷電粒子が誘電体膜3と4の付着力によって束縛されている。本実施形態においては、第2の誘電体膜3に、荷電粒子の移動度が荷電粒子の電荷の極性に依存するものを用いる。そのため、第2の誘電体膜3に付着されているイオンが、第1の電極5と第2の電極2間の高電界によって、比較的短い時間で第2の誘電体膜3から離脱し、電界の方向に沿って、誘電体膜3と4の間に移動する。
具体的には、第1の電極5が低電位であり、第2の電極102が高電位となるように電圧を印加しているので、第1の電極5に形成された第1の誘電体膜4に付着した負電荷は第2の電極2に形成された第2の誘電体膜3に移動し、第2の誘電体膜3に付着した正電荷は第1の誘電体膜4に移動する。
例えば、付着物が水分イオンである場合には、正電荷を有する粒子Hの移動度は、負電荷を有する粒子(OH)より非常に高い。そのため、第2の誘電体膜3の材料として、シリコン酸化膜、窒化シリコン膜などの親水性の誘電体が有効となる。ここで、一例として、シリコン酸化膜を用いる。
【0033】
また、図9(b)に示すように、第2の電極2が基板1に形成されており、第2の電極2の下面が基板1に被覆されているのに対して、第1の電極5の縁部及び上面は開放されている。これによって、イオンが電極間の高電界により第1の誘電体膜4から第1の電極5に移動できるようになっている。そのため、第2の誘電体膜3の表面から移動したイオンは、第1の誘電体膜4に到達したあと、第1の誘電体膜4の縁部を経由して、電極間の高電界により第1の誘電体膜4から第1の電極5に移動し、第1の電極5の上面に蓄積する。
その結果、高電位の第2の誘電体膜3に付着されている電荷は主に負電荷であり、第1の誘電体膜4に付着されている電荷は数の少ない負電荷と正電荷である。そのため、これらの付着電荷により第1の電極5と第2の電極2の間において形成される電界は小さいものとなり、駆動電圧により形成された電界に大きな影響を与えない。
また、第2の誘電体膜3からは、正電荷が離脱して移動しやすいので、荷電粒子は比較的速く安定状態に達成できる。
これによって、顕著な静電遮蔽効果、あるいは、チャージング現象が生じず、時間が経っても第1の電極5は距離d1に位置し、変動することはない。
【0034】
本実施形態の静電気機械素子によれば、第2の電極上の誘電体膜に、荷電粒子の移動度が電荷の極性によって異なる材料を用い、移動しやすいイオンが第2の電極上に形成された第2の誘電体膜表面から第1の誘電体膜表面に移動させるように駆動電圧を印加する。例えば、第2の電極又は共通電極の誘電体膜において、正電荷に対する移動度が高い場合は第2の電極又は共通電極に高電位、対向する電極に低電位となるように駆動電圧を印加する。具体的には、GLV素子において、水分分子が付着された場合は、シリコン酸化膜などの親水性の誘電体膜を用い、第1の電極に低電位、第2の電極に高電位を印加する。
そのため、第2の誘電体膜の表面に付着したイオン(荷電粒子)の一部は、電極間の高電界により比較的容易に第2の誘電体膜から離脱され、第1の誘電体膜まで移動する。第1の誘電体膜に到達したイオンは、第1の電極の周辺(縁部と上面)が開放されているので、電極間の高電界により、第1の誘電体膜の縁部を経由して、さらに第1の誘電体膜から第1の電極に移動し、第1の電極の上面に分布する。
これにより、対向する誘電体膜に付着されている電荷により形成される電界の形成が抑えられ、顕著な静電遮蔽効果を抑え、電極の位置の変動を低減する。
また、荷電粒子は比較的速く安定状態に達成できるので、静電気機械素子の状態は時間と共に徐々に変化することはない。
【0035】
以上、本発明を好ましい実施の形態に基づき説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変が可能である。
たとえば、各リボン素子をブレーズ化(ブレーズ角を持つように傾ける)してもよい。それによって、射出される回折光を+あるいは−のどちらか一方に集約することが可能となり、ダークレベルの向上および光利用効率の向上が可能となる。
本発明の静電気機械素子は光回折変調素子に限られるものではなく、他のマイクロマシンデバイスにも応用できる。
また、付着された粒子の種類が変わった場合、その粒子の移動度に応じて、駆動電圧の極性を変更することができる。
上記実施形態で説明した画像表示装置、光回折変調素子は、一例であり、その構成の各種の変更が可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、静電気機械素子において電極内の電荷移動に伴う電極間の実効的静電気力の減少を抑制し、高温、高電圧、長時間駆動下のいずれの状況においても、素子挙動の安定性、動作再現性の実現を可能とする。
また、本発明によれば、光回折変調素子において、上記の静電気機械素子を用いることにより、発生する回折光の光量を安定にし、再現性良く動作することができる。
さらに、本発明によれば、画像表示装置において、上記光回折変調素子を用いることにより、表示する光量を安定にし、再現性良く動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる画像表示装置の構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる光回折変調素子の構造の一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる光回折変調素子の動作を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる光回折変調素子の動作を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる静電気機械素子の動作を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる静電気機械素子において、駆動電圧の変化に伴うチャージング電圧の変化を示すグラフである。
【図7】従来の静電気機械素子において、駆動電圧の変化に伴うチャージング電圧の変化を説明するグラフである。
【図8】本発明の実施形態にかかる静電気機械素子の動作の原理を示す概略断面図である。
【図9】図8に続いて、本発明の実施形態にかかる静電気機械素子の動作の原理を模式的に示す概略断面図である。
【図10】従来の技術にかかる静電気機械素子の動作を示す概略断面図である。
【図11】従来の技術にかかる静電気機械素子において、チャージング現象を説明する概略断面図である。
【図12】従来の技術にかかる静電気機械素子において、チャージング現象による電極移動量の変化を説明するグラフである。
【図13】従来の技術にかかる静電気機械素子において、チャージング現象による回折光量の変化を説明するグラフである。
【符号の説明】
1…基板、2…第2の電極、3…第2の誘電体膜、4…第1の誘電体膜、5…第1の電極、6…静電気機械素子、10a、10b、10c、10d、11a、11b、11c…第1の電極(固定電極および可動電極)、12…共通電極(第2の電極)、13…第2の誘電体膜、14…第1の誘電体膜、20…画像表示装置、21…光源、22…照明光学系、23…GLV、24…レンズ、25…空間フィルタ、25a、25b…光透過部、25c…光反射部、26…スキャンミラー、27…スクリーン、28a、28c…回折光、28b…反射光、100…静電気機械素子、101…基板、102…下部電極、103…誘電体膜、104…誘電体膜、105…上部電極

Claims (8)

  1. 一方の面に親水性界面を持つ誘電体材料で形成された第1の誘電体膜が設けられている平板状のの電極と、
    前記第1の誘電体膜と対向する面に第2の誘電体膜が設けられ、前記第1の電極と対向して配置された、変位又は変形可能な条帯状のの電極と
    を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧が印加された時、前記第の電極が前記第の電極と直交する方向に向かって変位または変形するように構成されており
    前記第2の電極及び前記第2の誘電体膜は、
    前記第1の電極に第1の電圧、前記第2の電極に前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加されることにより、前記第2の誘電体膜における荷電粒子が、前記第2の誘電体膜の縁部を経由して前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の前記第2の電極に移動し、前記第2の電極が前記第1の電極と直交する方向に向かって変位または変形した状態において、前記第2の電極の変動を低減させるように形成されている
    静電気機械素子。
  2. 前記第1の誘電体膜は、二酸化珪素膜、または、窒化珪素膜で形成される
    請求項に記載の静電気機械素子。
  3. 一方の面に親水性界面を持つ誘電体材料で形成された第1の誘電体膜が設けられている平板状の第1の電極と
    前記第1の誘電体膜と対抗する面に、第2の誘電体膜が設けられ、前記第1の電極と対向して配置された、変位又は変形可能な条帯状の複数の第の電極と
    を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧が印加されない時、前記第2の電極における前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光が奇数次回折光を生じず、
    前記第1の電極と隣接する前記第の電極の一方との間に電圧が印加された時、前記第の電極の一方が前記第1の電極と直行する方向に向かって変位または変形し、前記第2の電極における前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光が奇数次回折光を生じさせるように構成されており、
    前記第2の電極及び前記第2の誘電体膜は、
    前記第1の電極に第1の電圧、前記第2の電極の一方に前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加されることにより、前記第2の電極の一方に設けられた前記第2の誘電体膜における荷電粒子が、前記第2の誘電体膜の縁部を経由して前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の前記第2の電極の一方に移動し、前記第2の電極の一方が前記第1の電極と直交する方向に向かって変位または変形した状態において、前記第2の電極の一方の変動を低減させるように形成されている
    光回折変調素子。
  4. 前記第1の誘電体膜は、二酸化珪素膜、または、窒化珪素膜で形成される
    請求項に記載の光回折変調素子。
  5. 前記第1の電極と前記第2の電極の一方との間に電圧が印加された時、前記第2の電極の一方における、前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光と、前記第2の電極の他方における、前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光との間の光路差が、前記入射光の半波長の奇数倍となるように、隣接する前記第2の電極の一方が前記第1の電極と直交する方向に変位または変形するように構成されている
    請求項3に記載の光回折変調素子。
  6. 光源からの照射光を、光回折変調素子に照射し、前記光回折変調素子からの射出光を表示手段上に表示して画像を形成し、
    前記光変調素子は、
    一方の面に親水性界面を持つ誘電体材料で形成された第1の誘電体膜が設けられている平板状の第1の電極と
    前記第1の誘電体膜と対抗する面に、第2の誘電体膜が設けられ、前記第1の電極と対向して配置された、変位又は変形可能な条帯状の複数の第の電極と を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧が印加されない時、前記第2の電極における前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光が奇数次回折光を生じず、
    前記第1の電極と隣接する前記第の電極の一方との間に電圧が印加された時、前記第の電極の一方が前記第1の電極と直行する方向に向かって変位または変形し、前記第2の電極における前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光が奇数次回折光を生じさせるように構成されており、
    前記第2の電極及び前記第2の誘電体膜は、
    前記第1の電極に第1の電圧、前記第2の電極の一方に前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加されることにより、前記第2の電極の一方に設けられた前記第2の誘電体膜における荷電粒子が、前記第2の誘電体膜の縁部を経由して前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の前記第2の電極の一方に移動し、前記第2の電極の一方が前記第1の電極と直交する方向に向かって変位または変形した状態において、前記第2の電極の一方の変動を低減させるように形成されている
    画像表示装置。
  7. 前記第1の誘電体膜は、二酸化珪素膜、または、窒化珪素膜で形成される
    請求項に記載の画像表示装置。
  8. 前記第1の電極と前記第2の電極の一方との間に電圧が印加された時、前記第2の電極の一方における、前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光と、前記第2の電極の他方における、前記第2の誘電体膜が設けられた面とは反対側の面に入射された入射光との間の光路差が、前記入射光の半波長の奇数倍となるように、隣接する前記第2の電極の一方が前記第1の電極と直交する方向に変位または変形するように構成されている
    請求項6に記載の画像表示装置。
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