JP4309638B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射する光に対して射出する光を空間的、時間的に制御する光制御装置を用いた光学装置に関し、より具体的には、光の回折を利用した光制御装置を用いた光学装置、例えば画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
入射する光に対して射出する光を空間的、時間的に制御する装置は、空間光変調器あるいはライトバルブ(光弁)と称される場合もあり、画像表示装置等に利用されている。従来より、この種の装置としては、液晶を利用したもの、形状可変反射鏡を利用したもの、あるいは、傾動可能な微小反射鏡を多数配列したもの等が知られている。
【0003】
また、回折格子を利用した方法も知られている。特許文献1によれば、複数の梁状反射素子が基板上に、基板から所定の高さをもって並列的に配列され、これら梁状反射素子に形成された電極と基板に形成された電極との間に所定の電圧を印加することで、これら梁状反射素子と基板との距離を所定の値に制御し、以って、入射光に対し0次反射回折光のみが生ずる場合と、1次以上の反射回折光が生ずる場合を切り換えることが可能とされる。言うまでもなく、回折光は回折次数によって回折方向が異なるので、適当な開口を設けて特定方向のみの反射光、例えば1次反射回折光のみを取り込むようにすれば、梁状反射素子の高さを電気的制御で切り換えることで、光の明状態、暗状態を切り換えられる。本特許文献では、また、これら梁状反射素子をその長手方向を軸として傾動可能とし、これら梁状反射素子が傾いたときブレーズ型回折格子を形成する方法も開示されている。なお、このような回折格子を利用した光変調器はグレーティングライトバルブと称されることもある。
【0004】
また、特許文献1には、このような光変調器をカラー画像表示装置に用いる方法が示され、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれに対応する上記のような光変調器を備え、白色光で照明してカラー画像を得ることができるとされている。
【0005】
また、特許文献2や特許文献3には、上記と同様の光変調器を、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれに対応して備え、白色光又はR、G、Bそれぞれ独立の光源で照明して、カラー画像を得る方法が示されている。
【0006】
【特許文献1】
特表2002−503351号公報
【0007】
【特許文献2】
米国特許第5,808,797号明細書
【0008】
【特許文献3】
米国特許第6,219,015号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
空間光変調器を画像表示装置、プリンター等に用いる場合、動作の高速性が必須要件である。特許文献1や、特許文献2、3においては、動作は高速で、画像表示装置等に用いることは十分可能である。しかしながら、梁状反射素子が基板に対して平行に上下する構成の場合、回折格子としてはいわゆる矩形回折格子になり、プラス又はマイナス1次回折光の回折効率は高々40%程度である。プラス及びマイナス1次回折光の両方を取り込むようにすれば、光の利用効率は80%程度まで可能となるが、言うまでもなくプラスとマイナス1次回折光の方向は異なるので、両方を取り込むには自ずと光学系が複雑化する。一方、0次回折光を取り込む構成とすると、1次以上の反射回折光が生ずる状態のときであっても実際上相当の0次回折光が発生し、開口で見たとき、明と暗のコントラストが悪い。また、梁状反射素子が傾いてブレーズ型回折格子を構成する場合、プラス又はマイナスどちらか一方の回折光が強く発生し、しかも、特定波長に対しては100%に近い回折効率が得られるので望ましいが、製造するのが極めて困難で、また制御も難しい。
【0010】
また、上記特許文献に示される光変調器あるいはライトバルブを用いてカラー画像表示装置に用いる場合、これら特許文献に示されるように、R(赤)、G(緑)、B(青)にそれぞれ対応する光変調器を備えることは可能であり、この場合、R、G、Bにそれぞれ対応する独立の光変調器を設けるいわゆる3板式、又は、微小なR、G、B対応領域を隣接させて多数配置したいわゆる単板式とすることができる。何れの場合も、R、G、Bにそれぞれ対応して光変調器を最適設計できるのは好ましい。しかしながら、3板式は各々の光変調器の製造は比較的容易で、画質的にも好ましいが、光学系が複雑化し、カラー画像表示装置として大型化、高価格化することは避けられない。また、単板式は、カラー画像表示装置として小型化しやすいが、光変調器の製造が難しく、解像の点でも3板式に比べ不利である。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の利用効率が高く、制御が容易であり、さらに、製造が容易かつ安価な光制御装置(光変調器)を含み、それを用いた光学装置として光学系が簡素で、小型かつ解像の高いカラー画像表示装置等の光学装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の光学装置は、回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置を含むことを特徴とするものである。
【0013】
本発明のもう1つの光学装置は、回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置、該光制御装置の回折面を物体面とするレンズ、該レンズの焦平面に置かれた開口を含むことを特徴とするものである。
【0014】
この場合に、白色光を発する光源を有する照明系によってその光制御装置の回折面が照明され、その光制御装置に波長帯に応じた情報が時間的に分離して送られ、その波長帯に対応した位置に開口の位置が制御されるようにすることが望ましい。
【0015】
以上のような光学装置は、例えばカラー画像表示装置として構成することができる。
【0016】
本発明においては、回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置を含み、その光制御装置の回折面を物体面とするレンズと、そのレンズの焦平面に置かれた開口を含むので、光制御装置の各区分の回折角を画素情報等に応じて制御することにより、各区分を画素として1次元あるいは2次元の画像を表示することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による光学装置の好適な実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の光学装置に用いる光制御装置をモジュールの斜視図を示し、支持基板1上に、光制御部本体2、それを駆動するのに必要な電子回路3、3’、また、図示はしないが本モジュールの駆動に必要な電源に接続するための電気接点、本モジュールを利用した光学装置、例えば画像表示装置に本モジュールを組み込む際に必要となる外部回路との電気接点等が配置されている。光制御部本体2は、複数の区分4を有し、各区分が2次元的に配置されている。場合によっては、各区分を1次元配列としてもよい。各区分4は、本モジュールを画像表示装置に応用する場合、1画素に相当する。
【0019】
図2は、区分4の1つの区分5を拡大して上面から見た状態を示す図であり、光学要素6が複数並列に配置される。
【0020】
図3(a)、図4は、区分5の断面図(図2の直線A−A’に沿う断面図)である。図3(a)において、符号7は光制御部本体2の基板であり、その上に光学要素6として短冊状の素片61、62が、所定の間隙を置いて、また基板7に対して所定の角度φをもって配置される。短冊状素片61と62の幅は等しくとり、基板7に垂直に見た幅(投影した幅)をdとする。図示はしないが、短冊状素片61、62は、それら両端部で基板7上に支持される。基板7の1面には電極層8が、必要により絶縁層9を介して形成される。また、図3(b)により詳しく示すように、短冊状素片61の上面には、電極層10、さらにその上面に光反射層11が形成され、短冊状素片62の上面には、光反射層11が形成される。電極層10は、光反射層11を兼ねて、金属、例えば、アルミニウム、クロム、金等の層としてもよい。また、短冊状素片61、62は板バネのように弾性変形可能に構成され、材料としては、例えばポリイミド、シリコン、窒化シリコン等を用いることができる。さらに、基板7上には、短冊状素片61の基板に近い側の辺に対応する位置にリブ12が形成される。
【0021】
このような構造は、一般的に公知の、半導体集積回路(IC)や、微小機械(マイクロマシンあるいはMEMS)の製造技術を用いて実現が可能であり、この場合、基板7にはシリコンウェハーを用い、絶縁層9は、シリコン酸化膜層、電極層8、10は、金属膜とすることができる。なお、電極層10と光反射層11を兼ねて金属膜を蒸着等で形成する場合、短冊状素片62には電極は不要なので、短冊状素片62上に形成された金属蒸着膜は、短冊状素片61上に形成された金属蒸着膜と電気的に絶縁させる処置を施す。
【0022】
次に、このような構造の光制御部の各区分4(5)の動作について説明する。図4は、電極層8と短冊状素片61の電極層10の間に所定の電圧を印加した状態を示す。すなわち、図3(a)の状態で、電極層8と電極層10に所定の電圧を印加すると、これら電極8、10間に静電引力が働いて、弾性変形可能な短冊状素片61は、その両端部を除いて基板7の方向に移動し、基板7に近い側の辺がリブ12に当たって停止する。このとき、短冊状素片61は短冊状素片62と繋がり実質的に1つの面を構成する。
【0023】
図3(a)の状態を状態I、図4の状態を状態IIとすると、状態Iの場合、区分5の中にある短冊状素片61、62は格子間隔dのブレーズ型回折格子を構成する。一方、状態IIの場合、一組の短冊状素片61、62が実質的に1つの面を構成するから、他の短冊状素片の組と共に格子間隔2dのブレーズ型回折格子を構成することになる。一般に、格子間隔Dの回折格子に波長λの光が垂直に入射すると、回折角をψ、回折次数をmとして次式が成り立つ。
【0024】
D・sinψ=mλ ・・・(1)
今、0次を除き回折角が一番小さい回折次数が1の場合について考えると、状態Iの場合、m=1に対して、そのときの回折角をθ1 とすると、
sinθ1 =λ/d ・・・(2)
となるのに対し、状態IIの場合、m=1に対して、そのときの回折角をθ2 とすると、
sinθ2 =λ/2d ・・・(3)
となるから、
sinθ1 =2sinθ2 ・・・(4)
となり、θ1 、θ2 が小さい場合は、
θ1 ≒2θ2 ・・・(5)
となる。
【0025】
したがって、状態Iの場合、最小の回折角であっても、θ2 の約2倍である。そこで、その後に続く光学系に光を取り込む開口として、θ2 方向のみの回折光を取り込むような開口13を設ければ、状態Iの場合、どのような次数の回折光もθ2 方向には出ないから、開口13に光は入らない。言うまでもなく、状態IIの場合は、1次回折光が開口13を通過する。しかも、ブレーズ型回折格子となっているから、図4に示す格子深さh2 をλ/2にとると、極めて高い1次回折効率、理想的には100%に近い回折効率となる。このとき、マイナス次数を含めその他の次数の回折光は殆ど発生しないので、この開口13に回折光の大部分が集中し、光の利用効率が高くなる。同時に、開口13として光制御部本体2に続く光学系に1つを設ければよいので、この後に続く光学系の構成が容易になる。
【0026】
なお、状態Iの場合、格子深さh1 はλ/4となるので、0次を含め1次以外の回折光も強く発生するが、図3(a)では1次回折光のみを示した。
【0027】
このように、光制御部本体2に入射した光は各区分4毎に、状態I、すなわち暗状態と、状態II、すなわち明状態の何れかの状態に制御される。
【0028】
なお、上記の説明では、格子の周期の数が十分多いと仮定しているが、ある回折次数の回折光について、その角度分布は格子の周期の数に依存し、数が多い程狭い角度範囲にその次数の回折光が集中する。図4では3周期分としているが、さらにこれを増やせば、ある幅をもつ開口13を通過する光の強度が増すことになって好ましい。ただし、画像表示装置に応用する場合等、実用上は3周期分あれば十分である。
【0029】
また、図4では、格子1周期を2つの短冊状素片で構成するよう示しているが、3つ以上の短冊状素片で構成することも可能である。例えば3つの短冊状素片で構成する場合、状態Iにおける1次回折角は状態IIの回折角の約3倍となって明暗コントラスト比の点で好ましいが、中間の短冊状素片の高さ制御が難しく、また、製造的にも複雑になり、したがってコスト高になる。実用的には、2つの短冊状素片で構成すればよい。
【0030】
次に、本発明の光学装置を上記の光制御装置を含む画像表示装置等として実施した形態を、図5、図6、図7、図8を参照しつつ説明する。図5において、符号20は上記の光制御装置であり、側面から見た状態を示す。また、光制御部本体2の各区分4の回折格子としての溝の方向は、紙面に対し垂直になるよう配置される。
【0031】
なお、以下においては、光制御部本体2を光変調器2と称する。符号21、22は光変調器2を照明する照明系を構成し、21は白色光源、22は集光を兼ねたコリメートレンズである。光源21としては、発光部の大きさがなるべく小さいもの、例えば尖端放電電極を持つようなランプが好ましい。あるいは、R、G、Bに発振ラインを持つマルチラインのレーザーを用いてもよいが、この場合、必要な光束径とするため、ビーム拡大光学系(図示せず)が用いられる。コリメートレンズ22は、図5では1枚レンズのように示されているが、収差補正されていることが望ましいので、一般的には複数枚のレンズ素子よりなる。この照明系の光軸23は、後述する結像レンズ24の光軸25に対しθの角度をなす。
【0032】
このように照明された光変調器2は、表示すべき画像情報に基づいて、各区分(画素)4毎に時間的に制御され、図4で示した状態IIのとき、所定次数(通常は1次)の回折光26が強く発生する。なお、図4では分かりやすさのため、入射光は垂直に入るとしたが、回折格子の作用としてはこれに限られるものではなく、一般的に、図8に示すように、入射角θと回折角θ’には、格子間隔をD、回折次数をm、光の波長をλとして次の関係がある。
【0033】
D(sinθ+sinθ’)=mλ ・・・(6)
ただし、ここでは、角度θとθ’は、回折面の法線91に対し右回りをプラスにとるとする。
【0034】
したがって、ある波長λ、0ではない入射角θに対し、回折角θ’を0にとることも可能で、図5はこの状態を示している。状態IIにある区分4から発した回折光26は、結像レンズ24に入射し、開口27を経て、像面28で像を結ぶ。結像レンズ24は、図では1枚レンズのように示されているが、収差補正のため一般的には複数枚のレンズ素子よりなる。開口27は、その中心が光軸25上にあり、結像レンズ24の後側焦平面に配置される。また、開口27は開口移動装置29に繋がれ、光軸25に対し垂直に移動させることができる。
【0035】
次に、図5の状態にある光学系の動作について説明する。今、分かりやすさのため、白色光源21は点光源と見なせる程十分小さいとすると、白色光源21を発した光がコリメートレンズ22によって平行光束となって光変調器2を照明する。2dsinθ=λG となるよう入射角θと波長λG を選べば、波長λG に対しては、状態IIにある区分4から発した回折光26の1次回折角θ’は0になる。一方、図3(a)で示した状態Iにある区分4からは、いかなる次数の回折光もθ’=0の方向には出ない。波長λG は白色光源21が発する光の波長の中のある特定の波長であり、カラー画像表示装置に本発明を用いる場合では、G(緑)帯域の中心波長とする。波長λG 以外の光については、回折角θ’は光軸25に対しある傾きを持つ。しかしながら、結像レンズ24の後側焦平面に置かれた開口27により、一定以上の傾きを持った回折光は制限される。すなわち、開口27を通過できる光は波長λG 近傍の光に限られる。開口27の開口を大きくすると、通過する光の波長帯域が拡がり、同時に明るくなるが、大きすぎると、カラー画像を表示する際の色再現性が劣化する。さらに、結像レンズ24の後側焦平面に置かれた開口27は、図3(a)、図4で示した開口13の機能を全ての区分4に対して果たしており、開口として大きすぎると、状態Iのときに発生する回折光を取り込んでしまう可能性がある。白色光源21が点光源ではなく、ある大きさを持つ場合、仮に光源21が単色光源であったとしても、開口27は明るさ絞りとして作用するので、明るさと色再現性のバランスも考慮して開口27の大きさは決められる。
【0036】
以上の説明から分かるように、開口27を適当な大きさに設定したとすれば、光変調器2の各区分4(画素)の中、状態II(明状態)にある区分からは、開口27を通過する波長がλG 近傍の回折光が発生し、像面28に像を結ぶ。このとき、各区分について、単位時間内での状態I(暗)と状態II(明)の時間割合を制御すれば、明暗の階調が得られる。
【0037】
図6は、図5が波長λG に対応する状態であったのに対し、波長λB に対応する状態を示す。波長λB は、白色光源21が発する光の波長の中のある特定の波長であり、カラー画像表示装置に本発明を用いる場合では、B(青)帯域の中心波長である。λB <λG であるから、λB に対する1次回折角θ’はマイナスとなり、それに対応して開口27を開口移動装置29により概ね|fsinθ’|だけ、図6では上方に、移動させる。ただし、f は結像レンズ24の焦点距離である。それ以外の構成、動作、作用については、図5と同様である。
【0038】
また、図7は、波長λR に対応する状態を示す。波長λR は白色光源21が発する光の波長の中のある特定の波長であり、カラー画像表示装置に本発明を用いる場合では、R(赤)帯域の中心波長である。λG <λR であるから、λR に対する1次回折角θ’はプラスとなり、それに対応して開口27を開口移動装置29により概ねfsinθ’だけ、図7では下方に、移動させる。それ以外の構成、動作、作用については図5と同様である。
【0039】
以上のように、R、G、Bに対応する状態が、開口27を移動させることで実現される。すなわち、光変調器2にRの信号を送っているときは、開口27が図7の状態、光変調器2にGの信号を送っているときは、開口27が図5の状態、光変調器2にBの信号を送っているときは、開口27が図6の状態となるよう、開口移動装置29を制御する。この開口27の移動は、圧電素子やボイスコイル等を用いて実現できる他、円板の中心から異なる3種類の距離に3つ以上の開口を開け、この円板をモーターで回転させることによっても実現できる。また、機械的手段によらず、例えば液晶パネル、エレクトロクロミック素子等で開口を構成し、電気的に移動可能としてもよい。何れの場合も、この3状態を高速に切り換えることで、カラー画像表示が可能になる。
【0040】
本発明を、カラーではなくモノクロームの画像表示装置や、プリンターに応用する場合は、図5の状態のみでよく、言うまでもなく開口移動装置29は不要である。ただし、波長はλG に限らず、適宜設定する。
【0041】
また、像面28は、最終像面、例えば表示スクリーンである必要はなく、像面28を中間像面として、この後にズームレンズ光学系等を配置して像面をリレーするようにしてもよい。
【0042】
さらに、光変調器2の各区分4が2次元的に配列されている場合は、上記構成で2次元画像が得られるが、光変調器2の各区分4が1次元的に配列されている場合は、高速遥動鏡(ガルバノミラー)等を上記光学系に付加して、2次元画像を得るようにしてもよい。また、プリンターに用いる場合は、像面28の位置に置かれる感光体を移動若しくは回転させることで、2次元画像とすることもできる。
【0043】
以上のように構成したので、本発明によれば、簡易な光学系で、小型かつ安価な高解像画像表示装置あるいはプリンター等の光学装置を実現することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の光学装置によると、回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置を含み、その光制御装置の回折面を物体面とするレンズと、そのレンズの焦平面に置かれた開口を含むので、光制御装置の各区分の回折角を画素情報等に応じて制御することにより、各区分を画素として1次元あるいは2次元の画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置に用いる光制御装置をモジュールの斜視図である。
【図2】図1の1つの区分を拡大して上面から見た状態を示す図である。
【図3】図1の光制御装置の1つの区分の構成を示す断面図(a)と、その区分内の電気的制御可能な短冊状素片の断面図(b)である。
【図4】図1の光制御装置の各区分における電気的制御可能な短冊状素片に電圧を印加した状態の図3(a)と同様の断面図である。
【図5】本発明の光学装置を図1の光制御装置を含む画像表示装置等として実施した形態の光路図である。
【図6】図5の場合とは異なる波長について用いるときの図5と同様の図である。
【図7】図5、図6の場合とは異なる別の波長について用いるときの図5と同様の図である。
【図8】回折格子の垂直以外の角度で入射する場合の入射角と回折角の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1…支持基板
2…光制御部本体(光変調器)
3、3’…電子回路
4…区分
5…1つの区分
6…光学要素
7…光制御部本体の基板
8…電極層
9…絶縁層
10…電極層
11…光反射層
12…リブ
13…開口
20…光制御装置
21…白色光源
22…コリメートレンズ
23…照明系の光軸
24…結像レンズ
25…結像レンズの光軸
26…回折光
27…開口
28…像面
29…開口移動装置
61、62…短冊状素片
91…回折面の法線
Claims (5)
- ブレーズ型回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置、該光制御装置の回折面を物体面とするレンズ、該レンズの焦平面に置かれた開口を含み、
前記光制御装置が、基板を有し、
前記基板上には、リブが形成され、
前記ブレーズ型回折格子が、可動な光学素片を含み、
前記可動な光学素片が、前記基板の方向に平行移動することで、前記リブに当たって停止することを特徴とする光学装置。 - ブレーズ型回折格子の格子間隔を整数倍変化させるようにして、所定回折次数の回折角が変化するように構成された光制御装置、該光制御装置の回折面を物体面とするレンズ、該レンズの焦平面に置かれた開口を含み、
前記ブレーズ型回折格子が、可動な光学素片を含み、
前記可動な光学素片が、平行移動し、
白色光を発する光源を有する照明系によって前記光制御装置の回折面が照明され、該光制御装置に波長帯に応じた情報が時間的に分離して送られ、該波長帯に対応した位置に前記開口の位置が制御されることを特徴とする光学装置。 - カラー画像表示装置として構成されたことを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
- 光制御装置を含む光学装置であって、
該光制御装置は、光制御部本体と、該光制御部本体を駆動させる電気回路を備え、
前記光制御部本体は、基板と複数の光学要素を含み、
前記基板上には、リブが形成され、
該光学要素の各々は複数の光学素片を有すると共に、該基板と対向する位置に配置され、
前記複数の光学素片は、常に位置が固定の光学素片と、該固定の光学素片に対して可動な光学素片で構成され、
前記固定の光学素片と同じ高さの位置と、該位置とは異なる高さの位置との間で、前記可動な光学素片は、一方の位置から他方の位置へ可動であり、
前記複数の光学要素が、ブレーズ型回折格子を構成し、
前記可動な光学素片が、平行移動し、かつ、
前記一方の位置では、前記リブと離間しており、
前記他方の位置では、前記リブに接触していることを特徴とする光学装置。 - 前記固定の光学素片と前記可動な光学素片によって形成される周期構造が、
前記同じ高さの位置においては、1つの前記固定の光学素片、または1つの前記可動な光学素片を1つの周期とする構造であり、
前記異なる高さの位置においては、1つの前記固定の光学素片と少なくとも1つの前記可動な光学素片の組を1つの周期とする構造であることを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
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