JP2008145614A - 空間位相変調素子および投影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の簡素化を可能にすると共に0次回折光の影響を回避できる投影装置を提供することを課題とする。また、装置として効率化や最適化がなされる空間位相変調素子を提供することも本発明の課題である。
【解決手段】光源から出射される光を集光する集光光学系と、空間位相変調素子と、0次回折光を遮蔽する遮蔽部材を含んで構成される投影装置を提供する。また、2次元に複数配置されている位相変調を行う区画部分の全てで形成される位相変調部の輪郭形状が縦横比の等しい正方形とし、投影される画像の縦横比に依存しない空間位相変調素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、投影装置に利用可能な新規な空間位相変調素子に関する。また、この空間位相変調素子を利用した投影装置を提供する。
一般的な投影装置には、透過型液晶(Liquid Crystal:LC)や反射型液晶(Liquid Crystal On Silicon:LCOS)、またはDMD(Digtal Micro-mirror Device)などを用いたものがある。
従来のLCやLCOSを用いた投影装置では、LCやLCOSの液晶に投影したい画像を表示し、照射光で液晶を照らし、液晶からの透過光または反射光を投影レンズを介してスクリーンに拡大投影することで画像を表示していた。一方で、DMDを用いた投影装置では、投影したい画像に従ってDMDのミラー素子を構成しているマイクロミラーに対応する電極への電圧の印加をON/OFFのバイナリー制御をすることでマイクロミラーの状態を切り替え、入射光を投影光路に反射して投影レンズを介して画像をスクリーンに投影していた。
上記のような液晶やDMDを用いた投影装置は、光源と、照明光学系と、投影レンズとを有しており、光源からの照明光を液晶などにいったん画像表示し、透過あるいは反射した画像光を投影レンズによって拡大表示をするという方法を採用していた。また、このような投影装置において、画像のカラー表示を行う為に色順次式を採用した場合、光源の色を切り替えるカラーフィルタを用いていた。一方で、色毎に複数の素子を用いる多板方式を採用した場合は、色分離・合成光学系が必要になる。
また、従来の投影装置では、一般的に光源として高圧水銀ランプなどのインコヒーレント光源を用いていた。この場合、液晶等の画像表示素子に効率良く、かつ、均一に光源からの光を照明する為に複雑な照明光学系を必要としており、その結果、照明光学系が複雑かつ大型化すると言う技術的問題があった。さらに、高精細な画像を投影する場合には、より高精度の投影レンズが必要であり、投影レンズが大型化し、それにともない投影装置自体も大型化すると言う技術的問題があった。その上、高品質画像をカラー表示することに伴い、カラーフィルタを設けたり、複雑な色合成・分離光学系が必要となり、投影装置がさらに大型になると言う技術的問題があった。したがって、これら投影装置における光学構成の大型化や複雑化に伴い、生産コストも高くなってしまうという問題があった。
これらの技術的問題の一つの解決手段として、例えば、特許文献1において図20に示すような空間位相変調素子(Spatial Phase Modulater:SPM)を用いた簡単な照明光学系を使用し、簡易的な投影レンズで済ますことができる小型の投影装置を開示している。
以下において、回折光で画像を投影する投影装置の一つの従来例として、図20の投影装置200の原理を簡単に示す。
図20では、光源(レーザー)201で射出した直線偏光の光をPBS(偏光ビームスプリッタ)203に入射させ、PBS203内で反射させて空間位相変調素子としてのLCOS202に入射させる。このPBS203とLCOS202の間には図示されていないλ/4板が設けられている。ここで、投影される画像情報に従ってLCOS202で位相変調を受けた回折光204は、λ/4板を再び通過し、さらにPBS203を透過して投影レンズ205を介しスクリーン206に画像を投影して表示する。なお、図20においては、LCOS202の位相変調の有無により位相差がπのバイナリー変調を得ることができる。
しかし、図20のような投影装置200では、LCOS202を使用している為に光が液晶内を往復する事で光量の低下が生じ、光の利用効率が低く、表示される画像が暗くなったり、あるいは表示される画像の明るさを確保するためには光源の大型化が必要になると言う技術的問題があった。さらには、装置としての効率化や最適化についても何らの考慮もなされていなかった。また、0次回折光207の除去も不十分である為にスクリーン206の画像内に0次回折光207が混入して影響が残ることで画像の鮮明さに欠けると言う問題もあった。
以上のように、従来の空間位相変調素子を用いた投影装置には、いくつかの技術的問題があった。
国際公開第WO/2005/059881パンフレット
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、構成を簡素化できる投影装置を実現できるのみならず、効率的な構成の空間変調素子を提供できることにある。また、0次回折光の影響をも巧みに回避できる新規な投影装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の空間位相変調素子として、光源からの光を経由させ位相変調を行った回折光を出射させることによって映像の投影表示を行わしめるための空間位相変調素子であって、この空間位相変調素子における位相変調を行うための区画部分が2次元に複数配置されており、この区画部分の全てで形成される位相変調部における輪郭形状が、縦横比の等しい正方形であり、投影されて表示される画像の縦横比に依存しない空間位相変調素子を提供する。
また、本発明の第1の空間位相変調素子における第1の形態として、光源からの光を反射する際に位相変調を行う為のミラー面を有し、ミラー面上に設けられた位相変調を行う為の各区画部分に対応して配置された弾性部材と、弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで弾性部材の復元力に抗してミラー面を移動または変形させるための電極と、電極が配置される基板を備えるように構成してもよい。
また、本発明の第1の形態の空間位相変調素子は、第1の態様として、ミラー面が、電極への電圧の印加に対応して移動し、その移動量または変形量に応じて位相変調量が決定されるようにしてもよい。
さらに、本発明の第1の形態の空間位相変調素子における第1の態様は、第2の態様として、ミラー面の移動制御または変形制御が、前記電極への電圧の印加の有無のみで決定されるようにしてもよい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子における第2の態様は、第1の制御として、ミラー面の移動量または変形量は、入射する光源の光の1/4波長相当分であり、出射する回折光において1/2波長分の位相差を形成するとしてもよい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子における第1の態様の空間位相変調素子において、第3の態様として、ミラー面の移動量または変形量の制御は、電極に印加される電圧値に依存して決定されると共に、印加される電圧の変化量は連続的に順次増加または減少されるべく制御されるとしてもよい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子における第3の態様の空間位相変調素子において、第2の制御として、ミラー面の最大移動量または変形量が、入射する光源の光の1/2波長相当分以内であり、出射する回折光において形成される位相差は1波長分以内であることが好ましい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子または第1の態様から第3の態様のいずれか一つの空間位相変調素子または第1もしくは第2の制御ができる空間位相変調素子において、ミラー面は、一体型のミラーから形成され、一体型のミラーにおけるミラー面の位相変調を行う為の各区画部分に対応してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されるように構成してもよい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子または第1の態様から第3の態様のいずれか一つの空間位相変調素子または第1もしくは第2の制御ができる空間位相変調素子において、ミラー面は、位相変調を行うための各区画部分において、それぞれ個別のミラーとして形成され、各ミラーに対してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されるようにしてもよい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子においてミラー面の面精度が、50nm以下であることが好ましい。
本発明の第1の形態の空間位相変調素子においてミラー面の面粗さが、5nm以下であることが望ましい。
さらに、本発明の第1の投影装置は、光源と、光源から出射される光を集光する集光光学系と、光源から出射された光が集光光学系を経由して集光される集光位置までの途中位置に配置され、位相変調を行うための区画部分が2次元に複数配置されており区画部分の全てで形成される位相変調部の輪郭形状が縦横比の等しい正方形に形成された空間位相変調素子と、空間位相変調素子から回折されずに出射して集光する0次回折光をその集光位置で遮蔽する遮蔽部材と、を備える投影装置を提供する。
本発明の第1の投影装置は、第1の形態として、空間位相変調素子の各区画部分は、投影されて表示される画像情報に対応して生成される空間位相情報に基づいて変調する位相が制御され、投影されて表示される画像の各画素はそれぞれ空間位相変調素子のすべての各区画部分から出射される回折光によって形成されるようにすることが好ましい。
本発明の第1の投影装置は、第2の形態として、光源は集光光学系の光軸上から離間した位置に配置されており、且つ、遮蔽部材は空間位相変調素子から出射されて投影される画像を形成する回折光の光束外に配置されることが望ましい。
本発明の第1の投影装置は、第3の態様として、空間位相変調素子を、光源からの光を反射する際に位相変調を行う為のミラー面を有し、ミラー面上に設けられた位相変調を行う為の各区画部分に対応して配置された弾性部材と、弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで弾性部材の復元力に抗してミラー面を移動または変形させるための電極と、電極が配置される基板と、で構成するとしてもよい。
本発明の第3の態様の投影装置において、第1の様態として、空間位相変調素子におけるミラー面が、電極への電圧の印加に対応して移動し、その移動量または変形量に応じて位相変調量が決定されることが好ましい。
本発明の第3の態様の投影装置の第1の様態における、第2の様態として、空間位相変調素子におけるミラー面の移動制御または変形制御が、電極への電圧の印加の有無のみで決定されるとしてもよい。
本発明の第3の態様の投影装置の第2の様態における、第1の制御として、空間位相変調素子におけるミラー面の移動量または変形量が、入射する光源の光の1/4波長相当分であり、出射する回折光において1/2波長分の位相差を形成するとしてもよい。
本発明の第3の態様の投影装置の第3の様態として、前記空間位相変調素子におけるミラー面の移動量または変形量の制御が、前記電極に印加される電圧値に依存して決定されると共に、印加される電圧の変化量は連続的に順次増加または減少されるべく制御されるとしてもよい。
本発明の第3の態様の投影装置の第3の様態における、第2の制御として、空間位相変調素子におけるミラー面の最大移動量または変形量が、入射する光源の光の1/2波長相当分以内であり、出射する回折光において形成される位相差は1波長分以内であることが好ましい。
本発明の第3の態様の投影装置または第1から第3の様態のいずれか一つの投影装置または第1または第2の制御のできる投影装置において、空間位相変調素子におけるミラー面は、一体型のミラーから形成され、一体型のミラーにおけるミラー面の位相変調を行う為の各区画部分に対応してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されることが望ましい。
本発明の第3の態様の投影装置または第1から第3の様態のいずれか一つの投影装置または第1または第2の制御のできる投影装置において、空間位相変調素子におけるミラー面は、位相変調を行うための各区画部分において、それぞれ個別のミラーとして形成され、各ミラーに対してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されることが望ましい。
本発明の第3の態様の投影装置において、空間位相変調素子におけるミラー面の面精度が、50nm以下であることが望ましい。
本発明の第3の態様の投影装置において、空間位相変調素子におけるミラー面の面粗さが、5nm以下であることが望ましい。
本発明の投影装置は、λ板を不要とできるような簡単な光学系で投影装置自体の構成を簡素化し、さらに装置として効率化や最適化がなされる空間位相変調素子を提供できる。また、集光レンズなどの集光光学系を用いて0次回折光を遮蔽部材で遮蔽する構成とする事でスクリーンに投影表示される画像への0次回折光の混入もなく、画像コントラストの低下を防ぐことができる。また、本発明の投影装置は、従来の投影装置よりも簡素な構成ですむことで廉価とすることが可能である。
一方で、本発明の新規の反射型の空間位相変調素子は、簡単な構成であり、生産コストが廉価で、且つ、ミラーを備えており光量損失がほとんどない為に光の利用効率が良い。さらに、弾性部材と電極を用いてミラー面の移動または変形量を電極に印加される電圧値に依存して、連続的に制御することで不要な回折次数を抑えることができ回折効率を向上させることができる。
本発明では、装置の構成を簡素化すると共に装置として効率化や最適化がなされる空間位相変調素子を提供できる。投影画像への0次回折光の影響をも回避できる空間位相変調素子を備えた投影装置を提供する。また、本発明の投影装置に用いられる新規な空間位相変調素子の一つとして、簡易的な構成で光の利用効率および回折効率を高め、最適な回折パターンを得ることのできる反射型の空間位相変調素子(SPM)であるMMD(Magic Mirror Device)素子を提供する。
以下では、図面を参照しながら本発明の実施形態の例について説明する。
[実施形態1]
実施形態1では、本発明の投影装置およびこの投影装置に使用される新規な空間位相変調素子の詳細を明らかにする。光源から出射される光を集光する集光光学系と、光源から出射された光が集光光学系を経由して集光される集光位置までの途中の位置に配置された
空間位相変調素子と、空間位相変調素子から回折されずに出射して集光する0次回折光をその集光位置で遮蔽する遮蔽部材とを備えている。
本明細書においては、空間位相変調素子上に複数の区画部分を設けている。この区画部分は空間位相変調素子上の領域を細かな多数の区画に区切ったもので、そのそれぞれの区画部分の物理的な状態を独立に制御することによって、そのそれぞれが所望の位相を持った回折光を出射することができる。この区画部分はCCD等の光電変換素子や液晶等の画像表示素子で言えば画素に相当するような概念ではあるが、CCDや液晶の画素がそれ単独で可視画像の一部となりその画素情報はそのまま1対1で投影画像の画素になるのに対し、それぞれの区画と実際に表示される画像との関係はCCDや液晶のそれとは全く異なっている。即ち、本願においては、投影表示されている画像はスクリーン上において可視画像に変換されている状態であり、この時にスクリーン上に再現されている表示画像の画素に着目してみると、この各画素のそれぞれは空間位相変調素子上のすべての区画から出射された回折光の総和で形成されている。即ち、表示される画素1つを形成するのにすべての区画からの回折光が必要ということである。同様に、表示されているすべての個々の画素はそのそれぞれがすべての区画から出射された回折光の総和で形成されている。また、本願に言う位相変調部はこの区画が設けられている全体の輪郭を意味している。
なお、実施形態1では、光源から出射される光を集光する集光光学系として集光レンズを用い、さらに空間位相変調素子として透過型の空間位相変調素子を用いるとする。
図1は、集光レンズと透過型の空間位相変調素子、遮蔽部材を備えた本発明の投影装置の一つの実施形態を示している。
図1では、不図示の光源から発した照明光の照明光束15を集光レンズ11によって集光した上で透過型の空間位相変調素子12に入射させている。透過型の空間位相変調素子12において位相変調かつ回折された回折光17をスクリーン14に投影する投影装置10を示している。図1中のθは回折角をあらわしている。
本発明の投影装置では、空間位相変調素子から出射される回折光をスクリーンに投影表示することによって画像を形成するようにしている。空間位相変調素子の各区画部分では、投影表示される画像情報に対応して生成される空間位相情報に基づいてその位相が制御される。また、本発明の投影装置における光源は、集光光学系の光軸上から離間した位置に配置されており、且つ、遮蔽部材を空間位相変調素子から出射されて投影される画像を形成する回折光の光束外に配置するような構成としている。
このように構成することで、図1における投影装置では、照明光束15を集光レンズ11で集束光とすることにより、0次回折光16を遮蔽部材13で補足でき、スクリーン14に0次回折光が投影されないようにすることで画像のコントラストを低下させるのを防ぐことができる。図1においてスクリーン14は、透過型の空間位相変調素子12の近辺に描かれているが、実際は、透過型の空間位相変調素子12の十分遠方にある。
また、図1のように投影装置を構成した際には、基本的には投影レンズを必要としないが、スクリーン14との距離を調節する場合や回折光17の広がり角を変えたい場合には、投影レンズを設けてもよい。投影レンズを設ける場合でも、表示素子に描かれた画像を投影する従来の投影装置とは違い、位相変調された回折光を投影する構成であるため、簡易的な投影レンズで済ます事ができる。
図2は、本発明の投影装置における空間位相変調素子に入力される信号の信号処理のフローチャート図を示している。
以下に、信号の種類と信号が空間位相変調素子に入力されるまでの処理の流れを詳述する。
始めに、投影したい画像の画像データ21を取得する。画像データ(画像)21は、フーリエ変換されて空間位相分布の情報となるが、しかし、このままでは空間位相分布とともに強度分布が生じるので、予め画像データ21にランダムな位相情報22を重畳しておく。そして、ランダムな位相情報を画像データに重畳した後にフーリエ変換23を行う。このランダム位相情報を重畳する方法は、キノフォームとして知られている技術であり、例えば、W. H. Lee : "Computer-generated holograms: techniques and applications," in Progress in Optics, E. Wolf, ed., (North-Holland, Amsterdam, 1978),Vol.16, pp.119-232 などに詳しく述べらている。このようにランダム位相情報を画像データ21に重畳することで空間位相分布上の強度が平均化され、位相情報だけで画像情報を満たす空間分布を得ることができる。このようにランダム位相を重畳され、フーリエ変換された画像データは、位相だけの空間位相情報となる。そして、この位相だけの空間位相情報に対して光学配置に基づく補正処理24を施した後に、SPMドライバ25に入力する。この時の画像情報は、通常の画像情報と同様に2次元マトリックスデータとなっている。SPMドライバ25では、空間位相変調素子(SPM)を駆動させる駆動信号を作成する。次いで、この駆動信号を空間位相変調素子に与えて空間位相変調素子(SPM)上に投影したい画像に対応した空間位相情報を位相分布として出現させる事ができる。
ここで信号処理の一例として、光源からの光を反射する際に位相変調を行う為のミラーと、ミラーのミラー面における位相変調を行う為の各区画部分に対応して配置された弾性部材と、弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで弾性部材の復元力に抗してミラー面を移動するための電極と、電極が配置される基板とで構成される後述する本発明の反射型の空間位相変調素子の区画が3×3であると仮定し、信号の入力による空間位相変調素子の動作を簡単に説明する。なお、図3では、3×3の区画の空間位相変調素子に対応して基板に設けられたスイッチ回路30であるトランジスタ回路を2×2だけを示した。図3において、空間位相変調素子の駆動回路では、各区画の信号線31のY1からY3まで順次、駆動信号を送り、一方で各区画の走査線32のX1からX3まで順次、走査信号を送るような通常のX−Y走査を行うものとする。ここで、信号線Y1から駆動信号を送り、走査線X1からONの走査信号を送ると、区画(X1、Y1)のトランジスタ33がONとなり、信号線Y1の信号に従い電極34に電圧が印加される。この時、空間位相変調素子の弾性部材36と電極34の間には、キャパシター35となっている事で電荷が蓄積され、電荷に応じてクーロン力が生じる。この電荷は、次の信号が来るまで維持される。次に、信号線Y2から駆動信号が送られ、走査線X1からONの走査信号を送られると区画(X1、Y2)の電極34に電圧が印加される。同様に、区画(X1、Y3)に信号線Y3から駆動信号が送られ走査線X1で走査された後に、区画(X2、Y1)に信号線Y1から駆動信号が送られ、次いで走査線X2からONの走査信号が送られることで次々駆動信号の情報を空間位相変調素子に反映してゆく。このようにして随時、空間位相変調素子全体に空間位相情報が表現されることで光の位相変調をできるようになる。以上のような動作を制御する事で空間位相変調素子(SPM)上に投影したい画像の空間位相分布情報を表現する事ができる。なお、ここでの弾性部材36は、スイッチ回路に接続されている電極34に電圧が印加されて電荷がキャパシター35に蓄積される事で生じるクーロン力が解放された場合にミラーを元の状態に復帰するために設けられている。
また、ここでの光学配置に基づく補正処理24とは、例えば、図1に示している光学配置の場合において、集光レンズ11によって透過型の空間位相変調素子12上に照射される光が、スクリーン14に向けて回折角θで回折されるように空間位相変調素子上に出現される空間位相情報を補正することを意味する。
なお、この一連のデータ処理は、画像が実時間で表示できるように投影装置内に設けられた回路上で高速で実行される。回路としては、例えば、FPGAやASICが用いられる。
次に、集光光学系と、空間位相変調素子と、遮蔽部材とを備えた本発明の投影装置で色順次の光源制御をして画像をカラー表示する為の手順を記載する。
図4は、本発明の投影装置において色順次の光源制御をして画像をカラー表示する際における空間位相変調素子の動作と赤色光源、緑色光源、青色光源の発光動作との関係を同一時間軸tとして表しているタイミングチャートである。以下、実施形態の一つとして図4を参照して、時間tの進行に基づく赤色光源、緑色光源、青色光源と空間位相変調素子の動作を示す。
初めに、時間t0からt1まで赤色光源をON状態として空間位相変調素子に入射させているものとする。この時に、空間位相変調素子は、素子上に再現されている空間位相情報に基づいて赤色光源を回折させ、適切な画像を得る為の赤色光源に対応した赤色の回折光を生じている。このようにして、投影したい画像の赤色部分を表示する事ができる。
次に、時間t1からt2において、空間位相変調素子は、赤色光源に対応した空間位相情報から緑色光源に対応した空間位相情報への書き換えを行う。この時、本実施形態のように1つの空間位相変調素子を用いて色順次方式で画像を投影する場合、各色の光源に対して空間位相情報が異なる為に空間位相変調素子の空間位相情報の書き換え時間幅41では、投影したい画像情報とは全く異なる回折パターンが得られ、この書き換え途中の回折パターンに対して光が入射すると一般の拡大投影とは異なり表示される表示画面すべてがカラーノイズ画面となってしまい表示画像品位を著しく低下させることになる。従って、このタイミングでは光の入射を避ける必要がある。したがって、空間位相変調素子が空間位相情報の書き換えを行っている時間幅41では、全ての光源をOFF状態とする必要がある。このようにする事でノイズ画面を表示する瞬間がなく、表示画像が動画であればコントラストの高い画像を表示することができる。
そして、空間位相変調素子が、完全に緑色光源に対応した空間位相情報への書き換えを終えた後に、時間t2からt3まで緑色光源をON状態にする。このようにして緑色の回折光を生成し、投影したい画像の緑色部分を表示する事ができる。
また、同様に、時間t3からt4において、空間位相変調素子は、緑色光源に対応した空間位相情報から青色光源に対応した空間位相情報への書き換えを行う。赤色光源に対応した空間位相情報から緑色光源に対応した空間位相情報への書き換えの時と同様に、この時間幅においても全ての光源をOFF状態にする。そして、空間位相変調素子が、完全に青色光源に対応した空間位相情報への書き換えを終えた後に、時間t4からt5まで青色光源をON状態にする。このようにして青色の回折光を生成し、投影したい画像の青色部分を表示する事ができる。
以上の動作を短時間で順次、繰り返し行う事で1つの空間位相変調素子を用いて投影したい画像のカラー表示を高い品位で行う事ができる。
なお、本実施形態における光源としては、レーザーダイオード(LD)が好ましい。
また、図4においては、各色の光源においてON期間を示しているが、レーザーダイオード(LD)においては、このON期間にパルス発光させるとしても良い。
次に、一つの実施形態として図5に示されている透過型の空間位相変調素子に表示された空間位相情報に読み出し光を入射することで回折光を生成して画像をスクリーンに投影する方法について述べる。
図5は、透過型の空間位相変調素子で読み出し光が回折される様子を示している。
図5においては、簡単のために空間位相変調素子に回折格子51が表示されている場合を考える。ここでの空間位相変調素子には、投影したい画像の空間位相情報、例えばフーリエ変換情報、を表示している。この空間位相変調素子に表示されている回折格子51に読み出し光(reference light)、すなわち照明光束52を入射させると、信号光、すなわち回折光(diffraction light)53が射出される。この回折光53を適切な距離に配置したスクリーン54に投影することで画像を得ることができる。
以下では、この回折光をスクリーンに投影する為の数学的な原理を簡単に説明するために、例として透過型の空間位相変調素子51に一定の格子間隔dを有する単純な回折格子が表示された場合において図5を参照しながら説明してゆく。
表示される回折格子の間隔をdとした場合には、図5における読み出し光の照明光束52の入射角θRと回折光53の射出角θSとの間には、
の関係がある。例えば、ここで簡単の為にθR=0度とすると、
と表すことができる。この場合、射出角θSは、入射角がθR=0°の場合であるので回折角と同義になる。ここで読み出し光52の波長λを0.5μmとした場合、回折格子51の間隔dと回折光53の射出角即ち回折角θSの間には、図6のような対応関係が得られる。
図6は、透過型の空間位相変調素子に表示された格子間隔dを有する回折格子51への読み出し光52の入射角θR=0°および波長λ=0.5μmとした時の回折光53の射出角即ち回折角θSと回折格子51の間隔dとの対応関係を表した図である。
図6からも明らかであるように、回折格子51の格子間隔dを小さくすると回折光53の射出角即ち回折角θSを大きくすることができる。この関係を好適に用いる事により、画像を投影する回折光53と画像表示に不必要な空間位相変調素子によって回折されない0次回折光とを分離する事が可能となる。
次に、実際に画像データ、すなわち画像をスクリーン54に投影表示する場合を考える。空間位相変調素子の位相情報再現面、すなわち空間位相変調素子の位相変調を行う為の区画部分の全てで形成される位相変調部の幅をDとすると、波長λの照明光束52を空間位相変調素子の回折格子51に照射した時の、回折光53による広がり角θδは、
で表される。これは、位相変調部の幅がDである空間位相変調素子が、スクリーン53に投影できる画像の精細度を表している。ここで例として、位相変調部の幅D=0.6inchであり、各区画部分の縦横比が4/5である空間位相変調素子を考える。この時の空間位相変調素子における位相変調部の幅Dは、0.6×4/5×25.4=12.2mmであり、読み出し光の波長λを0.5μmとして、その回折による広がり角θδは、2.35×10-3度となる。すなわち、この位相変調部の幅D=0.6inchの透過型の空間位相変調素子で表示できる画像の精細度は、角度分解能で、2.35×10-3度であることを意味している。
次に、投影する画像の画素数を表現するために必要な空間位相変調素子に課される条件を検討する。ここで、投影したい画像がNTSC(National Television Standard Committee)の場合、すなわち投影したい画像の画素の横方向の列数を720とすると、回折光の回折角の変化は、最低2.35×10-3×720=1.7度必要となる。HDTV(High Definition Television)の場合、すなわち投影したい画像の画素の横方向の列数が1920とすると、最低4.5度の回折角の変化が必要となる。スーパーハイビジョンの場合は、投影したい画像の画素の横方向の列数は7680であり、必要な回折角の変化は18度に達する。これらの画像を投影するには、(2)式より、空間位相変調素子においてそれぞれ間隔d=17、6.4、1.6μmの回折格子を表示することが必要になる。したがって、空間位相変調素子には、それだけ細かい格子間隔dの空間位相情報を表示する能力が必要となる。
ここで、格子間隔dの回折格子の空間位相情報を表示するには、空間位相変調素子を構成する各区画部分間のピッチをPとして、
を満たす空間位相変調素子が必要となる。ここで、NTSC、HDTV、スーパーハイビジョンのそれぞれに対応する空間位相変調素子の一つの区画部分の幅は、8.5μm、3.2μm、0.8μm程度が好ましい。
各区画部分間のピッチがPである空間位相変調素子は、(4)式よりも小さな格子間隔dの回折格子を表示できないので、(2)式で表される回折角が、画像を投影できる最も大きな回折角となる。簡単のため、回折光の回折角がそれほど大きくないと仮定すると、(2)式は、
と、近似することができる。さらに、ここで投影表示したい画像の画素の横方向の列数をNとして、0次回折光を避けて画像を表示するためには、投影したい画像の画素の横方向の列数Nを表示するのに必要な回折光の広がり角N・θδが回折角θSより小さいことが必要である。従って、0次回折光を避けて画像を投影表示するためには、
の条件を満たすことが必要となる。この条件式に、(3)〜(5)式を代入すると、
が得られる。ここでのD/Pは、投影表示したい画像に対応する空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数Mであり、その投影表示したい画像に対応する空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数M=D/Pとすると、
となる。これが投影表示したい画像の画素の横方向の列数Nに対応した空間位相変調素子の区画部分の横方向に必要な列数Mであり、空間位相変調素子において空間位相情報を表示する為の必要な条件となる。
また、空間位相変調素子を構成する各区画部分間のピッチPは、(7)より
と表すこともできる。
以上より、空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数Mを、投影表示したい画像の画素の横方向の列数Nに対して、
とすることにより、高精細、高画質の優れた投影装置を提供できる。
さらに、空間位相変調素子の位相変調部の幅D、投影表示したい画像の画素の横方向の列数Nとして、空間位相変調素子を構成する各区画部分間のピッチPを
とした空間位相変調素子を用いることにより、高精細、高画質の画像表示を最適に行うことができる。
次に、集光光学系と上述した空間位相情報を具現化する為の必要な条件を満たした空間位相変調素子と遮蔽部材を備えた投影装置について述べる。
図7は、光源からの照明光を集光して空間位相変調素子に入射させる集光光学系と、上述した空間位相情報を位相分布として具現化する為の必要な条件を満たした透過型の空間位相変調素子と、空間位相変調素子から回折されずに出射して集光する0次回折光を遮蔽する遮蔽部材とを備えた投影装置の平面図を示している。
図7における透過型の空間位相変調素子を備えた投影装置70は、光源71と、照明光のノイズを除く為の空間フィルタ72、そしてコリメータ73、集光レンズ74と、透過型の空間位相変調素子75と、遮蔽部材76とを含んで構成される。このような構成は、λ板やPBSなどを省いた構成を行えることで簡単な光学構成で済み、投影レンズも不要である。
図7において、光源71、例えばレーザー、からの照明光は、空間フィルタ72およびコリメータ73を通り、照明光束となり、集光レンズ74によって集光された後に透過型の空間位相変調素子75に入射する。そして、透過型の空間位相変調素子75に入射した照明光は、位相変調がなされ、回折光79を射出する。空間位相変調素子75は、画像データに基づいて生成された空間位相情報を位相分布として素子上に具現化して位相変調を行う。透過型の空間位相変調素子75からの回折光79は、スクリーン77に投影され、スクリーン77上に所望の画像を表示する事ができる。本投影装置では、集光レンズ74を通り空間位相変調素子75から回折されずに出射して集光する0次回折光を集光して集光位置における遮蔽部材76で遮蔽することで投影表示される画像に悪影響を及ぼさない工夫をしている。また、図7では、空間位相変調素子75から出射される回折光79の光束内に遮蔽部材76が配置されているが、実際には、スクリーン77は遮蔽部材76の位置から十分遠方にあるので、スクリーン上に表示される画像にほとんど悪影響を及ぼさない。
スクリーン77上には、空間位相変調素子75から出射された回折光79が投影される。この一連の動作処理中で行われる図2に示した補正処理94は、各光学要素の配置位置に対応して行われるものであり、空間位相変調素子上に具現化される空間位相分布が、スクリーン77に向かって回折するようにフーリエ変換で得られる空間位相分布を補正することを意味する。
次いで、図7の構成において所望の画像を得る為の透過型の空間位相変調素子75に課される条件を以下で検討する。
図7のような構成の場合は、回折光79が0次回折光を挟んで生じていることでプラス1次だけでなく、マイナス1次の回折光も考慮した条件が必要となる。
実施形態1における図1の実施形態では、プラス1次またはマイナス1次の片方だけの回折光に基づいて所望の画像を得る為の透過型の空間位相変調素子12に課される条件を導出した。図7のような構成の場合は、図1における回折角θsが2倍になると考えればよいので、(6)式は、
と表すことができ、図7の透過型の空間位相変調素子75に課される条件は、
となる。ここで、例えばHDTVの画像信号を表示する場合、透過型の空間位相変調素子75の区画部分の横方向の列数Mは、1920以上が好ましい。この時に、空間位相変調素子の位相変調部の幅Dが0.6インチであり、各区画部分の縦横比が4/5である場合、透過型の空間位相変調素子75の1つの区画部分の大きさは6.4μmである。つまり、図7の区画部分の大きさが、図1で示される空間位相変調素子の1つの区画部分の大きさの2倍で構わないことになる。同様に、NTSCの場合ならば、透過型の空間位相変調素子75における1つの区画部分の大きさは、17μmであり、スーパーハイビジョンの場合は、透過型の空間位相変調素子75の1つの区画部分の大きさは、1.6μmとなる。
また、ここで図7の場合における透過型の空間位相変調素子75の各区画部分間のピッチPでは、
という条件が課される。
以上より、透過型の空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数Mを、投影したい画像の画素の横方向の列数Nに対して、
とすることにより、高精細で高画質の表示を行うことができる。
さらに、空間位相変調素子75の位相情報表示面、すなわち位相変調部の横幅D、投影したい画像の横方向の画素列数N、透過型の空間位相変調素子75の区画部分ピッチPを
とすることにより、比較的に大きな区画で高精細、高画質の画像を投影することができ、空間位相変調素子75に対する負担を軽減できる。好ましくは、空間位相変調素子75の各区画部分間のピッチPを6.4μm〜3.2μmとする事によって最適な投影装置用の空間位相変調素子を提供することができる。
[実施形態2]
図8および図9A、図9B、図9Cでは、投影表示したい画像におけるリアルドメインと本発明の投影装置に用いられる空間位相変調素子の空間位相情報におけるフーリエドメインの対応関係を例示している。
ここで、リアルドメインとは、例えば、表示したい画像データ、あるいは表示されたスクリーン上の画像である。例として図8では、リアルドメイン80を横N×縦Q=16×9の画素として示している。ここで、投影される1つの画素81として表される部分をリアルドメインの陰影部分で示している。HDTVフォーマットの場合は、リアルドメイン80は横の列数N×縦の列数Q=1920×1080の画素が必要である。このリアルドメイン80をフーリエ変換することで空間位相情報の基礎データを作ることになる。投影したい画像の最大空間周波数は縦と横で等しいので、フーリエドメインの空間位相変調素子における位相変調部の縦の長さKと横の長さJは等しくするのが効率的である。投影して表示する画像の縦横比がどのような比であってもその比には依存しない。従って、形状として正方形を採用できる。
図9Aでは、図8のリアルドメイン80をフーリエ変換したフーリエドメイン90において空間位相変調素子の位相変調部の縦の長さKと横の長さJが等しい場合を示している。この場合においても実施形態1で述べたように空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数Mもしくは縦方向の列数Lは、投影したい画像の画素の横方向の列数Nもしくは縦方向の列数Qに等しいか、あるいはそれ以上である事が望ましい。ここで、例えば、空間位相変調素子の区画部分の横方向の列数Mもしくは縦方向の列数Lが、投影したい画像の画素の横方向の列数Nもしくは縦方向の列数Qに等しいとすると、図9Aで示したように、空間位相変調素子の横方向の区間部分の間隔が縦方向の区間部分の間隔よりも小さくなる。図9Aにおけるこの時の空間位相変調素子の区間部分93の列数は、横の列数M×縦の列数L=16×9の区画数になっている。また、図9Bは、空間位相変調素子の区間部分の縦方向の列数を横方向の列数と同じ列数、すなわち横の列数M×縦の列数L=16×16として、図9Aより小さくしたフーリエドメイン91を示している。そして、図9Cでは、図9Bとは反対に空間位相変調素子の区間部分の横方向の列数を縦方向の列数と同じ列数、すなわち横の列数M×縦の列数L=9×9として、図9Aより大きくしたフーリエドメイン92を示している。ただし、この図9Cの場合、空間位相変調素子の区画数が少なくてすむと言う利点とともに、横方向の低周波像の再現性が、理論上若干劣化する。ゆえに、空間位相変調素子における位相変調を行う為の区画部分が、2次元に複数配置されていると共に、各区画部分の区画数が、投影される画像の画素数に等しいか、または多いことが望ましい。
以下では、図8から図9A、図9B、図9Cへのフーリエ変換について述べる。
図8において表示したい画像をg(x,y)とすると、そのフーリエ変換G(u,v)は、
と表すことができるが、実際の投影装置では、フーリエ変換は、デジタル計算によって高速に行われる為に、式(13)で表されるような連続的フーリエ変換ではなく、以下の式(14)で表されるような離散的フーリエ変換が用いられる。
ここで、
は表示したい画像であり、k、lは画像における画素の番地と考えると理解しやすい。また、式(14)における画素数は、N×P個あることになる。
は、
のフーリエ変換であり、この時、
とおくと、式(14)の離散的フーリエ変換は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いることができる。この高速フーリエ変換を用いることで、投影したい画像
を実時間において短時間でフーリエ変換することができ、動画の速度に対応させることができる。したがって、投影表示したい画像の画素の横の列数×縦の列数=N×Pと空間位相変調素子の位相変調用の区画部分の横の列数×縦の列数=M×Lとを等しくしておく、即ち、NとM、PとLを等しくしておくと都合がよい。このようにする事により、フーリエ変換によっても情報量を保つことができる必要十分条件を満たすことが出来るため、表示される画像を形成するのに十分な情報量が確保され、解像度等が確保された高品位の画像を表示することができる。もちろん投影表示したい画素の列数より区画部分の列数が多ければさらに情報量の増大化が可能である。加えて、N、Pにおいては、それぞれの2のべき乗の計算がしやすいと言う利点がある。したがって、空間位相変調素子における区画部分の縦の列数および横の列数は、2のべき乗とすることで演算処理の高速化が実現できる。
以上、第2実施形態より、本発明では、空間位相変調素子において、また、空間位相変調素子における位相変調を行う為の区画部分の縦の列数および横の列数が、スクリーン上に表示する投影される画像の画素の縦の列数および横の列数に等しいか、または多くすることでスクリーン上に表示する画像の解像本数を十分に満たした画像投影に最適な空間位相変調素子とすることができる。そして、空間位相変調素子の縦横の長さを等しくする事で、画像における縦横の空間周波数(解像度)を等しく表示することができる。なお、表示する画像の縦横の長さが異なる場合でも空間位相変調素子の縦横の長さを等しいままで必要最小限の空間周波数を出力できる。また、縦横の長さを等しくした空間位相変調素子を備えた投影装置で光を回折することで画像を投影できる。したがって、空間位相変調素子の位相変調を行う為の区画部分の全てで形成される位相変調部における輪郭形状が、縦横比の等しい正方形であり、投影される画像の縦横比に依存せずにスクリーン上に画像を投影できる。さらに、スクリーン上に表示する画像の画素の縦横の列数と空間位相変調素子の位相変調用の区画部分の縦横の列数とを等しくした空間位相変調素子を備える投影装置で光を回折することで高い品位の画像を投影できる。
図10Aおよび図10Bでは、さらなる理解を助けるために、例として投影したい画像g(x)を一次元フーリエ変換することでG(u)としたグラフを示す。
投影したい画像g(x)の画素数をNとした場合、離散的フーリエ変換をおこなった結果、G(u)の数値の個数はN個となる。ここで図10Aでは、投影したい画像をg(x)として示しており、図10Bでは、図10Aの投影したい画像g(x)をフーリエ変換して、画像周波数に座標変換したG(u)を示している。図10Bでは、G0が周波数0を示しており、GN-1は、画像周波数を表示できる最大周波数を示している。
[実施形態3]
図11は、光源からの照明光を集光して空間位相変調素子に入射させる集光光学系と、反射型の空間位相変調素子と、空間位相変調素子から回折されずに出射して集光する0次回折光をその集光位置で遮蔽する遮蔽部材とを備えた投影装置を示している。
図11における投影装置110は、光源111、反射型の空間位相変調素子113、遮蔽部材114、集光光学系として集光レンズ112とを含んで構成される。図11で図示している光学構成においては、空間フィルタを省略してある。この光学構成は、λ板を用いなくともよい照明光学系であって非常に簡単であり、低コストで済む上に、小型化も可能である。
この投影装置110では、図1で用いられている透過型の空間位相変調素子とは異なり、反射型の空間位相変調素子113によって位相変調がなされた回折光118を出射させ、集光レンズ112を介してスクリーン115に回折光を投影する。図11の反射型の空間位相変調素子113では、0次回折光117も反射されるが、反射された0次回折光117を遮蔽部材114によって遮蔽されるように構成し、スクリーン115上に投影される画像に何らの悪影響も及ぼさないようにしている。0次回折光117は回折角が0度であり直進するため、図11に示すように光源111を回折光の光路外に配置し、空間位相変調素子113の表面に対して斜め方向から入射させることにより、遮蔽部材114の配置位置をスクリーンに向けて投影される回折光の光束外に配置できるので、図7に示す投影装置とは異なり、回折光の光束内から遮蔽部材を排除でき、遮蔽部材によって発生する回折光の影をゼロとすることができる。
なお、図11の光学配置においても各光学要素の配置位置に対応した補正を必要とし、この補正は、空間位相変調素子に照射される照射光が、スクリーン115に向かって回折されて投影されるようにフーリエ変換で得られる空間位相変調素子に表示される空間位相分布を補正することを意味する。
次に、図12では、反射型の空間位相変調素子を備えた投影装置のさらに異なる実施形態を示している。
図12における投影装置120は、光源121、集光光学系としての集光レンズ122、反射型の空間位相変調素子123、遮蔽部材124、回折光128を投影するスクリーン125とを含んで構成される。図12の構成においては、空間フィルタを省略してある。この光学構成においても、λ板を用いなくともよい照明光学系とすることで非常に簡単であり、低コストで済む上に、小型化も可能である。
図12の投影装置では、光源121、例えばレーザー、からの照明光を集光光学系の集光レンズ122により照明光束126とし、反射型の空間位相変調素子123に入射するようにする。そして、反射型の空間位相変調素子123によって、位相変調された回折光128が射出されてスクリーン125に投影され、スクリーン上に画像が表示される。この反射型の空間位相変調素子123では、0次回折光127も反射され、回折光128の光束内に射出される事になるが、遮蔽部材124によって遮蔽されるように構成することでスクリーン125上に表示される画像に実用上の悪影響を及ぼさないようにしている。
なお、図12の光学配置においても各光学要素の配置位置に対応した補正を必要とし、この補正は、空間位相変調素子に照射される照射光が、スクリーン125に向かって回折されるようにフーリエ変換で得られる空間位相分布を補正することを意味する。
以上、図11および図12では、集光光学系と、反射型の空間位相変調素子と、遮蔽部材とを備える投影装置の一つの実施形態を示したが、投影レンズを設けなくとも投影レンズを設けても構わない。即ち、空間位相変調素子の大きさに対してスクリーンまでの投影距離が長い場合は、焦点調節する必要がない為に投影レンズをなくすことができる。一方で、空間位相変調素子の大きさに対してスクリーンまでの投影距離が近い場合は、焦点調節の為に投影レンズが必要な場合がある。また、投影装置としてズーム機能を付加したい場合は、ズーム機能を担う投影レンズが必要になる。しかしながら、この時に付加される投影レンズにおいても、従来の投影装置に用いられている投影レンズよりも廉価で小型な物を使用する事ができる。
さらに、図11、図12のいずれの実施形態においても図4において説明したように赤色光源R、緑色光源G、青色光源Bのから照明光、例えば赤色光源R、緑色光源G、青色光源Bからのレーザー、を用いて時分割で各色を色順次方式で照明する事でフルカラーの表示が可能である。ここで、通常の一色の画像表示は、60Hzなので、三色の切り替えを行う場合には、180Hzが最低限必要となる。また、カラーブレイク現象を低減する為には540Hz以上の三色の切り替えが好ましい。よって、フルカラー表示を行う場合の空間位相変調素子の画像に対応する空間位相分布の切換え速度は、最低でも180Hz以上が必要とされ、好ましくは540Hz以上がよい。
次に、図13Aおよび図13Bは、複数の反射型の空間位相変調素子と、遮蔽部材とを備え、多板式の構成とし、画像のフルカラー表示を行う投影装置130を示している。
図13Aは投影装置130の平面図であり、図13Bは、図13Aの青色光源に対応する空間位相変調素子133bを含んでいる部分を視線方向Iから見た時の側面図を示している。
図13Aにおける投影装置130は、赤色光源R、緑色光源G、青色光源Bの各色の光源と、各色の光源に対応したコリメータ131r,131g,131bと、各色の光源に対応した全反射プリズム132r,132g,132bと、各色の光源に対応した反射型の空間位相変調素子133r、133g、133bと、各色の光源に対応した遮蔽部材136r,136g,136bと、各色の回折光を合成する為の色合成プリズム137と、投影レンズ138を含んで構成される。
ここで、図13Aで図示している投影レンズ138は凹レンズであるが、凸レンズであっても構わない。
ここでは、図13Aにおいて回折光でフルカラー画像を投影する為の原理として、まず、簡単の為に図13Bの青色の空間位相変調素子133bに対応する部分のみに着目し、青色の回折光を射出する原理を述べる。
図13Bにおいて青色光源134bから発した青色照明光、例えば青色のレーザー、は、全反射プリズム132bで反射された後に、コリメータ131bを通過し、青色光源134bに対応する反射型の空間位相変調素子133bに入射する。そして、反射型の空間位相変調素子133bに対応した青色画像用の空間位相情報によって変調され、射出した青色の回折光は、コリメータ131bを再び通過し、略平行な光束となり、色合成プリズム137に入射する。また、ここでの青色の0次回折光は、空間位相変調素子133bから出射した後に、再びコリメータ131bを通って、全反射プリズム132bで全反射し、遮蔽部材136bに到達することで遮蔽される。
ここで図13Aにおける緑色光源、赤色光源の空間位相変調素子133g、133rに対応する部分においても、青色光源134bの空間位相変調素子133bに対応する部分と同様の構成で赤色、緑色の回折光を得ることができ、各色に対応する空間位相変調素子から射出した回折光が色合成プリズム137に入射する。なお、ここにおける赤色光源、緑色光源の0次回折光は、青色光源の0次回折光と同様に遮蔽部材136g,133rによって取り除かれる。図13Aにおいて、青色光源に対応する空間位相変調素子133b、赤色光源に対応する空間位相変調素子133r、緑色光源に対応する空間位相変調素子133gから生じた青色、赤色、緑色の回折光は、色合成プリズム137に入射し、各色の回折光が合成されてフルカラーの回折光となり、投影レンズ138を介してスクリーン139に投影されることでフルカラーの画像を映し出す事ができる。
この多板式構成においては、常時、各照明光を照らしており、図4における色順次式のような各色の光源の切り替えの必要がない為にカラーブレイク現象の心配はない。
以上のような構成で、小型で廉価かつ0次回折光の影響をも回避できる画像のフルカラー表示を行う投影装置を提供できる。
なお、実施形態1から実施形態3に示した投影装置では、透過型の空間位相変調素子としてLCやLCOSを適用できる。一方、DMDは反射型の空間位相変調素子としては利用できないが、空間位相を振幅回折素子として具現できる空間強度変調素子として利用できる。しかしながら、この場合、回折効率は大きくできない。
[実施形態4]
本発明では、さらに簡易的な構成で光の利用効率および回折効率を高め、最適な回折パターンを得ることのできる反射型の空間位相変調素子(Spatial Phase Modulater:SPM)であるMMD(Magic Mirror Device)素子を提供する。なお、本発明のMMD素子を上述した投影装置に用いることで画像を投影することができる。
図14Aおよび図14Bは、MMD素子150、160を示す斜視図である。
MMD(Magic Mirror Device)素子のミラー151,161は、光源からの光を位相変調するための区画部分と、この各区画部分に対応して配置された弾性部材と、弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで前記弾性部材の復元力に抗して前記ミラーを移動するための電極と、電極が配置される基板とを有している。図14Aおよび図14Bでは、MMD素子150,160における位相変調を行う為の区画部分93を陰影をつけて示している。本発明の光源からの光から位相変調した回折光を出射させる空間位相変調素子であるMMD素子は、位相変調を行うための区画部分93が、2次元に複数配置されていると共に、各区画部分93の区画数が、投影される画像の画素数に等しいか、または多くなるようにしている。さらに、MMD素子における区画部分93の縦の列数および横の列数が、投影される画像の画素の縦の列数および横の列数に等しい、または多いことが好ましい。また、MMD素子における区画部分93の縦の列数および横の列数が、2のべき乗であるとさらに良い。そして、MMD素子の位相変調を行うための区画部分93の全てで形成される位相変調部における輪郭形状が、縦横比の等しい正方形であり、投影される画像の縦横比に依存しない。
図14Aおよび図14Bのように、MMD素子150、160は不図示の電極、不図示の弾性部材、不図示の支柱、ミラー151、161を基板157上に配置している。例えば、MMD素子に用いられるミラーは、一体型のミラー面としても良く、または一体型を複数に分割したミラー面としても良い。一体型のミラーに対して複数の電極で制御する場合には、ミラーに柔軟性が必要である。図14Aでは、一つの一体型のミラー151に対して複数の電極を対応させている様子を示している。図14Aでは、一体型のミラー151において位相変調を行うための各区画部分93毎に一つの弾性部材を対応させている。一方で、図14Bでは、一つの略方形のミラー161に対して一つの電極を対応させ、縦横にミラーの間隔、いわゆるピッチを一定にしながら複数のミラー161を配置してMMD素子160を構成している様子を示している。図14Aおよび図14Bでは、MMD素子160における位相制御を行うための区画部分93を陰影をつけて示している。図14Bにおいて、ミラー161のピッチは一定でなくても良い。また、このミラー間の間隔は、互いのミラー同士が動作時に干渉しない程度に極限まで近づける事が望ましい。例えば、横×縦で1980×1080の画素数の投影画像を表示するのに必要な区画数は、上記各実施例ですでに述べたように所望の解像度を確保するために画素数と同数とした場合には、縦の列数×横の列数=1920×1080=2,073,600個である。また、このMMD素子は、位相変調が行える機能があれば良いので、光の波長の数分の一程度の高さ位置の差を形成できる制御を行うことで所望の機能を発揮できる。したがって、MMD素子のミラー面の面精度は、十分の一波長程度が必要である。また、光の利用効率や画像のコントラストを考えると、MMD素子のミラーの表面の面粗さは、波長の100分の1程度が望ましい。よって、可視光で使用する場合、MMD素子のミラー面の面精度は50nm以下で、ミラー面の面粗さは5nm以下が好ましい。ここでの精度はrmsで達成されていても、ピークトゥピークで達成されていてもよい。ミラーの面精度を50nm以下にする事により、忠実度の高い画像を表示することができる。また、ミラーの面粗さを5nm以下とすることにより、散乱光を減らすことができ、コントラストの高い画像を表示することができる。
以下では、図14Aおよび図14Bの線XV−Aおよび線XVI−Aで示されるMMD素子の断面図を参照しながら本発明のMMD素子の詳細を述べる。
図15Aは、図14AのMMD素子150の線XV−Aにおける断面図を示している。
MMD素子150の基板157上には、絶縁層156が重ねられており、その絶縁層156の上に各区画部分93に対応して配置された導電性の弾性部材154が設けられている。そして、各弾性部材154の下方には、絶縁層上部に各区画に対応して配置され、スイッチ回路に接続された電極155が設けられている。一方で、弾性部材154の上部には支柱153が結合しており、その支柱153の上部は、さらに薄膜152と結合しており、薄膜152上にはミラー151が配置されている。図15Aでは、ミラー151が一体型に繋がっており、一つのミラー151の各区画部分に対して支柱153、弾性部材154、電極155が対応して配置されている。ここでのミラー151は柔軟性を有し、容易に湾曲するように変形する事ができる。好ましくは、ミラー151は、反射率の高い金属または誘電体多層膜で形成する。また、薄膜152は、柔軟性と耐久性に富む材料で形成することができる。薄膜152には、好ましくは、柔軟性のある有機フィルムやSi23などを用いる。薄膜152は無くても良い。また、支柱153は、SiやSiO2など製造プロセスにおいて都合が良いものを用いることができる。そして、弾性部材154には、柔軟金属や導電性有機フィルムを用いることができる。また、この有機フィルムに導電性素材をコーティングした物を用いても良い。電極155には、伝導体としてAl、Cu、W等を用いることができる。そして、絶縁層156には、SiO2やSiCなどを用いる事ができ、基板157には、Siを用いる事ができる。
したがって、図15Aにおけるミラー面は、一体型のミラーから形成され、一体型のミラーにおけるミラー面の位相変調を行う為の各区画部分に対応してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されるようにしており、ミラーを用いている事で入射光をほぼ100%利用できる光の利用効率の良い空間位相変調素子を提供する事ができる。
図15Bは、図15AのMMD素子の光の位相変調時における断面図を示している。
図15Bでは、図15Aの初期状態から電極155に電圧を印加する事で対応する区画部分93における弾性部材154と電極155との間にクーロン力が作用し、弾性部材154が電極155に近づき、柔軟性を有する一体型のミラー151の表面が窪むように湾曲し、ミラー面の移動量Δh1が生じる。ここで、他の湾曲していないミラー面で反射される入射光と湾曲しているミラー面で反射される入射光とでミラー面の移動量Δh1の違いによる光路差が生じる事で位相の変調を可能とする。そのミラー面が湾曲して窪んでいる量、すなわちミラー面の変形量Δh1が、1/4波長分である場合は、湾曲しているミラーで反射される入射光は、往復で1/2波長、すなわち他の湾曲していないミラー面で反射される反射光と比べてπの位相差を作り出す事ができる。このように本発明のMMD素子において、電極に電圧をON/OFFするバイナリー動作によって位相を反転させる事が可能となる。また、同様にして、ミラー面の変形量Δh1が最大1/2波長分湾曲するようにすると、湾曲しているミラー面で反射される反射光は、他の湾曲していないミラー面で反射される反射光と比べて往復で最大1波長分の位相差を作り出す事ができる。
このようにして、ミラー面は、電極への電圧の印加に対応して湾曲することで、その変形量に応じて作り出すことのできる位相差が決定される。また、ミラー面の湾曲即ち変形の制御は、電極への電圧の印加の有無のみで決定できる為に制御も単純である。なお、制御はバイナリー制御に限定されない。例えば、ミラー面の最大変形量を、入射する光源の光の1/2波長相当分以内としておき、この最大変形量を生成できる場合の電圧値を最大値としてその範囲内の電圧を印加することでミラー面の変形量を任意の量に設定することができる。制御はアナログ的な制御としても良く、あるいはゼロから最大電圧値までをいくつかの電圧ステップに予め分割しておき、制御はこのステップを1つずつ順次連続的に増減させるようにしても良い。もちろん最大変形量は1/4波長分としても良い。ミラー面の最大変形量を、入射する光源の光の1/2波長相当分以内としても、出射する回折光において形成される位相差は1波長分となり、全ての位相差を作り出すことができる。もちろん1波長以上でも良い。
さらに、弾性部材154の弾性定数を適切に選択する事で弾性部材154の窪み、すなわちミラー面の湾曲によるミラー面の変形量Δh1を制御する事が可能である。また、ミラー面の変形量Δh1を順次連続的に増減させるように制御し、連続的且つ緩やかに一体型のミラー151の変形量を変化させることで、バイナリー動作によるバイナリー位相変調で生じる不要な回折次数を抑える事が可能である。
なお、弾性部材154は、電圧を印加されて窪んだ後に、電圧をゼロにする事によって弾性部材154の復元力により初期状態まで戻る事ができる。
以上に述べたように特定の電極155に電圧を印加し、一体型に繋がったミラー151の特定部分を選択的に湾曲させることで位相変調をすることができる。ミラー151の高さの変化を連続的且つ緩やかに行う事で不要な回折次数の発生が抑えられ、さらに、バイナリー変調よりも高い回折効率を得られる。
図16Aでは、図14BのMMD素子の線XVI―Aにおける断面図を示している。
図16AのMMD素子160では、図15Aや図15Bで示したような一体型のミラーを複数に分割することで複数のミラー161とし、分割した各ミラー161に一対一の対応となるように支柱153、弾性部材154、電極155を配置した。それ以外は、図15Aと図15BにおけるMMD素子150と同様の構成である。この構成において薄膜162をミラー161の下部分に用いる場合には、薄膜162に固い有機フィルムやSiなどを用いても良い。なお、本図ではミラー161と薄膜162を略方形にしたとして以下に詳細を述べる。この構成においても、図15Aと図15Bと同様にミラーを用いているので、光をほぼ100%で利用でき、光の利用効率の良い空間位相変調素子を提供する事ができる。図16Aでは、位相変調を行うための各区画部分93はそれぞれ1つのミラーとしているものである。
図16Bは、図16AのMMD素子の光の位相変調時における断面図を示している。
図16Bでは、図16Aの状態から電極155に電圧を印加する事で各弾性部材154と各電極155との間にクーロン力が作用し、弾性部材154が電極155と近づく。ここで弾性部材154が基板157に近づく事に伴い、支柱153を介して弾性部材154上にあるミラー161が下方に移動する。このミラー161が下方に移動することにより、ミラー161に入射する光に対し、電圧が印加されていない他のミラーと電圧が印加されている下方に移動しているミラーとでミラー面の移動量Δh2、すなわち光路差が生じる事で光の位相変調を可能とする。そのミラーが下方に移動しているミラーの高さの変化量即ち移動量Δh2が、入射光の位相の1/4波長分である場合は、往復で1/2波長、すなわち電圧が印加されていない他のミラーと電圧が印加されて下方に移動しているミラーとの入射光において往復でπの位相差を作り出す事ができる。このように、電極に電圧をON/OFFするバイナリー制御をすることで位相を反転させる事が可能となる。なお、制御はバイナリー制御に限定されない。例えば、ミラー面の最大移動量を、入射する光源の光の1/2波長相当分以内としておき、この最大移動量を生成できる場合の電圧値を最大値としてその範囲内の電圧を印加することでミラー面の移動量を任意の量に設定することができる。制御はアナログ的な制御としても良く、あるいはゼロから最大電圧値までをいくつかの電圧ステップに予め分割しておき、制御はこのステップを1つずつ順次連続的に増減させるようにしても良い。ミラー面の最大移動量を、入射する光源の光の1/2波長相当分以内としても、出射する回折光において形成される位相差は1波長分となり、全ての位相差を作り出すことができる。もちろん1波長以上でも良い。
さらに、弾性部材154の弾性定数を適切に選択する事で弾性部材154の窪み、すなわちミラー面の移動量Δh2を制御する事が可能である。また、ミラー面の移動量Δh2を順次連続的に増減させるように制御し、連続的且つ緩やかにミラー161の移動量を変化させることで、バイナリー動作によるバイナリー位相変調で生じる不要な回折次数を抑える事が可能である。
なお、弾性部材154は、電圧を印加されて窪んだ後に、電圧をゼロにする事によって弾性部材154の復元力により初期状態まで戻る事ができる。
以上に述べたように特定の電極155に電圧を印加し、特定のミラー161を選択的に移動させることで位相変調をすることができる。ミラー161の高さの変化を連続的且つ緩やかに行う事で不要な回折次数の発生が抑えられ、さらに、バイナリー変調よりも高い回折効率を得られる。
上述の図15Aおよび図15Bならびに図16Aおよび図16Bに示したMMD素子では、実施形態1の図4の色順次の光源制御シーケンスにおける空間位相変調素子の空間位相情報の書き換え時間41が、各MMD素子の区画部分の移動または変形動作を行っている最中の時間に相当する。
なお、本発明に用いる弾性部材の構造やバイナリー制御に関しては、US-patent5,835,255やUS-patent6,040,937などを参考にすることができる。但し、これらの文献は、ファブリペローエタロンの原理を用いて、カラー表示を行う素子に関する技術について述べられており、その点では本発明とは異なるものである。
図17Aは、図15Aおよび図15BのMMD素子における電極の配置が異なる例を示している。
図17Aでは、図15A、図15Bの絶縁層内156上方に設けられている電極155を絶縁層156上に設けた構成を表している。絶縁層内上部の電極155の配置を絶縁層156上の電極171の配置に変えた以外は全て同じである。
図17Bでは、図16A、図16BのMMD素子における電極の配置が異なる例を示している。
図17Bでは、図16A、図16Bの絶縁層内上方に設けられている電極155を絶縁層156上に設けた構成を表している。絶縁層156内上部の電極155の配置を絶縁層上の電極171の配置に変えた以外は全て同じである。
図18は、本発明の反射型の空間位相変調素子におけるMMD素子の基板157上での支柱153と弾性部材154の全体配置を示している模式図である。
本図では、図15Aおよび図15Bならびに図16Aおよび図16Bに示されているMMD素子150、160における弾性部材154および支柱153を、基板157上に二次元的に縦横に配置している様子を模式的に示している。
次に、図19Aおよび図19Bを参照とし、MMD素子150、160における支柱153の形状の具体例について述べる。
図19Aでは、MMD素子における支柱153の断面を円形状としている。
図19Bでは、MMD素子における支柱153aの断面を方形としている。
もちろん、MMD素子における支柱の断面形状はこれ以外の形状であっても良く、楕円状や長方形等の任意の断面を適宜選択しても良い。
なお、弾性部材154は、図15A等に示されるように基板157上に対して支柱を中心とした対象な形状としているが、非対称な形状であっても良く、また、基板157との接触部が支柱を中心とした片側のみに存在する形状とすることもできる。
以上、各実施形態において、装置の構成を簡素化すると共に、0次回折光の影響をも回避できる空間位相変調素子を備えた投影装置、および光の利用効率および回折効率を高める事ができ、光学系を簡素化できる反射型の空間位相変調素子を記載した。
本発明の各実施例、変形例を任意に組み合わせたものも本発明に属する。
さらに、本発明は、上述の実施形態としての例に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
透過型の空間位相変調素子を用いた投影装置の一つの実施形態である。 本発明の一つの実施形態における、空間位相変調素子に入力される信号における信号処理のフローチャート図である。 本発明の一つの実施形態として、空間位相変調素子の基板に設けられたスイッチ回路の模式図である。 色順次の光源制御によって画像をカラー表示する為の一つの例として、空間位相変調素子の動作と赤色光源、緑色光源、青色光源の各発光動作との関係を同一時間軸tとして表しているタイミングチャートを示した図である。 空間位相変調素子で表示されている空間位相情報によって読み出し光が回折され、その回折光がスクリーンに投影される様子を示している模式図である。 本発明の一つの実施形態として、図5の透過型の空間位相変調素子に表示されている格子間隔dの回折格子に入射する読み出し光の照明光の入射角をθR=0°とし、照明光の波長λ=0.5μmとした時の回折光の回折角θSと回折格子の間隔dとの対応関係を表した図である。 本発明の一つの実施形態において、集光光学系と透過型の空間位相変調素子と遮蔽部材を備えた投影装置の平面図である。 投影したい画像に相当するリアルドメインの模式図である。 図8のリアルドメインを空間位相変調素子において縦横の長さを等しくしてフーリエ変換したフーリエドメインの模式図である。 図9Aのフーリエドメインを縦方向の区画部分の列数を横方向の区画部分の列数と同じ列数にしたフーリエドメインの模式図である。 図9Aのフーリエドメインを横方向の区画部分の列数を縦方向の区画部分の列数と同じ列数にしたフーリエドメインの模式図である。 投影したい画像をg(x)としたグラフを示している図である。 投影したい画像をg(x)を1次元フーリエ変換してG(v)に座標変換したグラフを示している図である。 本発明の別の実施形態において、集光光学系と反射型の空間位相変調素子と遮蔽部材を備えた投影装置の平面図である。 本発明のさらに異なる実施形態として、図11とは異なる構成した投影装置の平面図である。 本発明の一つの実施形態において、反射型の空間位相変調素子と遮蔽部材とを備えた構成とし、画像のフルカラー表示を行う投影装置の平面図である。 図13Aの投影装置を視線方向Iから見た側面図である。 本発明の一つの実施形態として、一体型のミラー面で構成されるミラーを基板上に配置したMMD素子の斜視図である。 本発明の別の実施形態において、略方形状のミラーを基板上に二次元に複数個配置したMMD素子の斜視図である。 本発明の一つの実施形態として、図14Aで示したMMD素子の線XV―Aにおける断面図である。 図15AにおけるMMD素子の光の位相変調時における断面図である。 本発明の別の実施形態として、図14Bで示したMMD素子の線XVI−Aにおける断面図である。 図16AにおけるMMD素子の光の位相変調時における断面図である。 本発明の一つの実施形態において、図15Aおよび図15Bで示したMMD素子の電極の配置が異なっている図である。 本発明の一つの実施形態において、図16Aおよび図16Bで示したMMD素子の電極の配置が異なっている図である。 一つの例として、基板上における本発明のMMD素子の支柱と弾性部材の全体配置を示している模式図である。 一つの実施形態において、本発明のMMD素子に用いられる支柱の形状を示している図である。 別の実施形態として、図19Aとは異なる本発明のMMD素子に用いられる支柱の形状を示している図である。 空間位相変調素子としてLCOSを用いた従来の投影装置の模式図である。
符号の説明
10、70、110、120、130、200・・・投影装置
11、74、112、122・・・集光レンズ
12、51、75・・・透過型の空間位相変調素子
13、76、114、124、136b、136g、136r・・・遮蔽部材
14、54、77、115、125、139、206・・・スクリーン
15、116、126・・・照明光束
16、78、117、127、207・・・0次回折光
17、53、79、118、128、204・・・回折光
30・・・スイッチ回路
31、Y1、Y2、Y3・・・信号線
32、X1、X2、X3・・・走査線
33・・・トランジスタ
34、155、171・・・電極
35・・・キャパシター
36・・・弾性部材
41・・・空間位相変調素子の空間位相情報の書き換え時間
52・・・読み出し光(照明光束)
71、111、121、134b、201・・・光源
72・・・空間フィルタ
73、131b、131g、131r・・・コリメータ
80・・・リアルドメイン
90、91、92・・・フーリエドメイン
93・・・区画部分
113、123、133b、133g、133r、134、135・・・反射型の空間位相変調素子
132b、132g、133r・・・全反射プリズム
137・・・色合成プリズム
138、205・・・投影レンズ
150、160・・・MMD素子
148、149・・・ミラー素子
151、161・・・ミラー
152、162・・・薄膜
153、153a・・・支柱
154・・・弾性部材
156・・・絶縁層
157・・・基板
202・・・LCOS
203・・・偏光ビームスプリッタ(PBS)
θδ・・・空間光変調素子の開口の大きさによる回折光の広がり角
θR・・・読み出し光(照明光束)の入射角
θS・・・回折光の回折角
d・・・回折格子の間隔
g(x)・・・投影したい画像の関数
G(v)・・・g(x)の一次元フーリエ変換関数
Δh1、Δh2・・・ミラーの移動量

Claims (24)

  1. 光源からの光を経由させ位相変調を行った回折光を出射させることによって映像の投影表示を行わしめるための空間位相変調素子であって、
    前記空間位相変調素子における位相変調を行うための区画部分が、2次元に複数配置されており、前記区画部分の全てで形成される位相変調部の輪郭形状が縦横比の等しい正方形であり、投影されて表示される画像の縦横比に依存しないことを特徴とする空間位相変調素子。
  2. 光源からの光を反射する際に位相変調を行う為のミラー面を有し、
    前記ミラー面上に設けられた位相変調を行う為の前記各区画部分に対応して配置された弾性部材と、
    前記弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで前記弾性部材の復元力に抗して前記ミラー面を移動または変形させするための電極と、
    前記電極が配置される基板と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の空間位相変調素子。
  3. 前記ミラー面は、前記電極への電圧の印加に対応して移動し、その移動量または変形量に応じて位相変調量が決定されることを特徴とする請求項2記載の空間位相変調素子。
  4. 前記ミラー面の移動制御または変形制御が、前記電極への電圧の印加の有無のみで決定されることを特徴とする請求項3記載の空間位相変調素子。
  5. 前記ミラー面の移動量または変形量は、入射する光源の光の1/4波長相当分であり、出射する回折光において1/2波長分の位相差を形成することを特徴とする請求項4記載の空間位相変調素子。
  6. 前記ミラー面の移動量または変形量の制御は、前記電極に印加される電圧値に依存して決定されると共に、印加される電圧の変化量は連続的に順次増加または減少されるべく制御されることを特徴とする請求項3記載の空間位相変調素子。
  7. 前記ミラー面の最大移動量または変形量が、入射する光源の光の1/2波長相当分以内であり、出射する回折光において形成される位相差は1波長分以内であることを特徴とする請求項6記載の空間位相変調素子。
  8. 前記ミラー面は、一体型のミラーから形成され、当該一体型のミラーにおけるミラー面の位相変調を行う為の各区画部分に対応してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の空間位相変調素子。
  9. 前記ミラー面は、位相変調を行うための各区画部分において、それぞれ個別のミラーとして形成され、前記各ミラーに対して弾性部材及び電極がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の空間位相変調素子。
  10. 前記ミラー面の面精度が、50nm以下であることを特徴とする請求項2記載の空間位相変調素子。
  11. 前記ミラー面の面粗さが、5nm以下であることを特徴とする請求項2記載の空間位相変調素子。
  12. 光源と、
    前記光源から出射される光を集光する集光光学系と、
    前記光源から出射された光が前記集光光学系を経由して集光される集光位置までの途中位置に配置され、位相変調を行うための区画部分が2次元に複数配置されており前記区画部分の全てで形成される位相変調部の輪郭形状が縦横比の等しい正方形に形成された空間位相変調素子と、
    前記空間位相変調素子から回折されずに出射して集光する0次回折光をその集光位置で遮蔽する遮蔽部材と、
    を備えることを特徴とする投影装置。
  13. 前記空間位相変調素子の各区画部分は、投影されて表示される画像情報に対応して生成される空間位相情報に基づいて変調する位相が制御され、投影されて表示される画像の各画素はそれぞれ前記空間位相変調素子のすべての各区画部分から出射される回折光によって形成されることを特徴とする請求項12記載の投影装置。
  14. 前記光源は前記集光光学系の光軸上から離間した位置に配置されており、且つ、前記遮蔽部材は前記空間位相変調素子から出射されて投影される画像を形成する回折光の光束外に配置されることを特徴とする請求項12記載の投影装置。
  15. 前記空間位相変調素子が、
    光源からの光を反射する際に位相変調を行う為のミラー面を有し、
    前記ミラー面上に設けられたにおける位相変調を行う為の前記各区画部分に対応して配置された弾性部材と、
    前記弾性部材にそれぞれ対応して配置され、電圧を印加することで前記弾性部材の復元力に抗して前記ミラー面を移動または変形させるための電極と、
    前記電極が配置される基板と、
    を備えることを特徴とする請求項12記載の投影装置。
  16. 前記空間位相変調素子におけるミラー面が、前記電極への電圧の印加に対応して移動し、その移動量または変形量に応じて位相変調量が決定されることを特徴とする請求項15記載の投影装置。
  17. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の移動制御または変形制御が、前記電極への電圧の印加の有無のみで決定されることを特徴とする請求項16記載の投影装置。
  18. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の移動量または変形量が、入射する光源の光の1/4波長相当分であり、出射する回折光において1/2波長分の位相差を形成することを特徴とする請求項17記載の投影装置。
  19. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の移動量または変形量の制御が、前記電極に印加される電圧値に依存して決定されると共に、印加される電圧の変化量は連続的に順次増加または減少されるべく制御されることを特徴とする請求項16記載の投影装置。
  20. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の最大移動量または変形量が、入射する光源の光の1/2波長相当分以内であり、出射する回折光において形成される位相差は1波長分以内であることを特徴とする請求項19記載の投影装置。
  21. 前記空間位相変調素子におけるミラー面は、一体型のミラーから形成され、当該一体型のミラーにおけるミラー面の位相変調を行う為の各区画部分に対応してそれぞれ弾性部材及び電極が配置されることを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか一項に記載の投影装置。
  22. 前記空間位相変調素子におけるミラー面は、位相変調を行うための各区画部分において、それぞれ個別のミラーとして形成され、前記各ミラーに対して弾性部材及び電極がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか一項に記載の投影装置。
  23. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の面精度が、50nm以下であることを特徴とする請求項15記載の投影装置。
  24. 前記空間位相変調素子におけるミラー面の面粗さが、5nm以下であることを特徴とする請求項15記載の投影装置。
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