JP4205693B2 - 分布定数型ノイズフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、分布定数型ノイズフィルタに関し、特に広帯域で高周波特性に優れた分布定数型ノイズフィルタに関するものである。
デジタル技術はIT(Information Technology)産業を支える重要な技術である。最近ではコンピュータや通信関連機器だけでなく、家庭電化製品や車載用機器にもLSI等のデジタル回路技術が使用されている。
LSIなどで発生した高周波電流は、LSI近傍にとどまらず、プリント回路基板等の実装回路基板内の広い範囲に広がり、信号配線やグランド配線に誘導結合し、信号ケーブルなどから電磁波として漏洩する。
従来のアナログ回路の一部をデジタル回路に置き換えた回路や、アナログ入出力をもつデジタル回路など、アナログ回路とデジタル回路が混載される回路では、デジタル回路からアナログ回路への電磁干渉問題が深刻になってきている。
この対策には高周波電流の発生源であるLSIを供給電源系から高周波的に分離すること、すなわち電源デカップリングの手法が有効である。従来からデカップリング用素子にはバイパスコンデンサなどのノイズフィルタが使用されてきており、電源デカップリングの動作原理は簡単明瞭だが、デジタル回路の高速化に対応できる低インピーダンスのノイズフィルタの開発は大幅に遅れていた。とくにコンデンサの自己共振現象のため高周波数領域まで低インピーダンスを維持するのは困難であった。
このため、より高速、高周波化されるデジタル回路に対応するためには、高周波数帯域までデカップリングを維持できる、低インピーダンスのノイズフィルタが望まれている。従来の交流回路に用いられるノイズフィルタとしてのコンデンサは、2端子構成の集中定数型ノイズフィルタを構成しており、固体電解コンデンサ及び電気二重層コンデンサやセラミックコンデンサが多く用いられている。
これらのコンデンサを用いて交流回路内における電気的ノイズの除去を広い周波数帯域にわたって行う場合には、複数種類のコンデンサ、例えば自己共振振動数が異なるアルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、セラミックコンデンサ等の異種のコンデンサを交流回路内に複数備えることによって行われていた。
しかしながら、従来のノイズフィルタにおいては、広帯域の周波数の電気的ノイズを除去するために使用する複数のノイズフィルタの選定が煩わしかった。また、異種のノイズフィルタを複数設置するためにコストが高くなるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、一個のノイズフィルタ素子でも、広帯域の周波数を除去するだけでなく、高周波帯域の電子部品から発せられる電気的ノイズを濾波することができるノイズフィルタを提供することにある。
本発明によれば、伝送線路構造を有する3端子コンデンサ形式の分布定数型ノイズフィルタが得られる。
すなわち、分布定数回路形成部の幅、長さ及び厚さを制御することにより、広範囲に連続するインピーダンスを生成しうる分布定数回路を仮想的に備えた分布定数型ノイズフィルタが得られる。
本発明によれば、分布定数型ノイズフィルタにおいて、電源に接続される第1の電極部と電気部品に接続される第2の電極部とを両端に有する第1の導電体と、前記第1の導電体と対向配置され、固定電位に接続される第2の導電体とを備えるとともに、前記第1の導電体と前記第2の導電体との対向配置された領域に形成される分布定数回路形成部を有し、前記分布定数回路形成部は伝送線路構造を形成するように前記分布定数回路形成部の短辺方向の長さ(W)、長辺方向の長さ(L)及び実効厚さ(h)が設定されていることを特徴とする分布定数型ノイズフィルタが得られる。
より具体的には、本発明による分布定数型ノイズフィルタは、略平板形状をなす二つの誘電体が略平板形状をなす金属板を挟んでなる分布定数回路形成部と、この分布定数回路形成部に導通する陰極端子と、金属板の一部が誘電体から突出してなる電極部と、この電極部に電気的に接続された陽極端子とを備える基本構成を有している。そして、分布定数回路形成部の短辺方向の長さW及び分布定数回路形成部の長辺方向の長さL及び分布定数回路形成部の実効厚さhが分布定数回路形成部の誘電率に基づいて設定されたことを特徴とする。
本発明の他の実施態様としては、上記基本構成を有する分布定数型ノイズフィルタは、分布定数回路形成部の短辺方向の長さWと誘電体の実効厚さhとの比、及び分布定数回路形成部の長辺方向の長さLが分布定数回路形成部の誘電率に基づいて設定されたことを特徴とする。
これらの構成とすることにより、広周波数帯域にわたってインピーダンスを低くすることができる。さらに、高周波数側でインピーダンスを低くすることができるため、広帯域、特に高周波数での電気的ノイズの除去を行う分布定数型ノイズフィルタを提供することができる。
本発明のさらに他の実施形態としては、上記の分布定数型ノイズフィルタにおいて、陽極端子の表面積S2が陽極端子と電極部との設置面積S1よりも大に設定されたことを特徴とする。
係る構成とすることにより、S1とS2とが等しい構造よりもインピーダンスを小さくすることができ、高周波における電気的ノイズの除去を実現することができる。
上記分布定数型ノイズフィルタにおいては、電源に接続される電極の短辺方向の長さW2が電子部品に接続された負荷側の電極の短辺方向の長さW1よりも大に設定されたことをも特徴とする。
一般に直流電源のインピーダンスは低く、LSIの電源端子のインピーダンスは高い。従って、係る構成とすることにより、LSI等が接続された負荷側のインピーダンスが高くなり、整合され、電気的ノイズを本発明に係る分布定数型ノイズフィルタに導いて減衰しやすくすることができる。
さらに、これらの分布定数型ノイズフィルタは、分布定数回路形成部の長辺側の側面部に一つ以上の切り欠き部が形成された構成とすることが出来る。このような切り欠き部が形成された構成により、分布定数回路形成部内にインピーダンスの格差を生じさせ、結果として電気的ノイズの減衰を向上させることができる。
また、上記切り欠き部が形成された構成の分布定数型ノイズフィルタにおいて、分布定数回路形成部は、電源に接続される電極部の短辺方向の長さW2及び電子部品が接続された負荷側の電極部の短辺方向の長さW1の何れか一方よりも小に設定された領域を有することをも特徴とする。
係る構成とすることにより、分布定数回路形成部内にインピーダンスが高い領域を形成し、π型フィルタ回路を形成し、電気的ノイズの減衰を向上させることができる。
さらにまた、上記切り欠き部が形成された構成を有する分布定数型ノイズフィルタにおいて、分布定数回路形成部が蛇行形状などの一つ以上の屈曲した形状をなすことを特徴とする。係る構成とすることにより、伝送線路の線路長、すなわち分布定数回路形成部の長辺方向の長さを長くすることにより、電気的ノイズの減衰が向上する。
以上述べた本発明による分布定数型ノイズフィルタは、その分布定数回路形成部が固体電解コンデンサ、電気二重層コンデンサまた二つ以上の電気二重層セルが積層された構成であることをも特徴とする。係る構成とすることにより、分布定数回路形成部における耐電圧を向上させることができる。
また、本発明による分布定数型ノイズフィルタは、各電極部または各陽極端子、及び陰極端子にリード線を接続したことを特徴とする。係る構成とすることにより高周波数でのインピーダンス特性は若干悪くなるものの、実装時の利便性が増す。
以上説明したように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタによれば、従来のように自己共振振動数の異なるノイズフィルタ(コンデンサ)を複数設置することなく、広帯域の周波数のノイズを高精度で除去することができる。すなわち、交流回路内に設置されるコンデンサにノイズ除去のための周波数帯域の設定といった面倒な作業を行う必要がなく、コストを低減することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)乃至図1(c)を参照すると、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタ1は、直方体形状の分布定数回路形成部2の長辺方向に突出した一対の電極部21aを備えた3端子コンデンサ構造を有する。図1(a)のA−A断面およびB−B断面の図1(b)および図1(c)に示すように、分布定数回路形成部2は略平板形状の金属板21を二つの誘電体22を介在して対向金属層41で挟んだストリップ線路と呼ばれる伝送線路構造となっている。金属板21が分布定数回路形成部2の両端から突出した部分は電極部21aである。このような構成の分布定数型ノイズフィルタ素子は、以下に記載するように、その両電極部21aが電源および負荷回路にそれぞれに接続されるとともに、対向金属層41が接地電位等の固定電位に接続されることにより、周波数帯域の広いノイズフィルタとして機能する。
以下、ノイズフィルタ1の長辺方向(X方向)の分布定数回路形成部2の長さをLとし、分布定数回路形成部2の短辺方向(Y方向)の長さをWとして説明する。
本発明に係るノイズフィルタ1は、電源および電子部品に接続される実装基板30に設置される。すなわち、ノイズフィルタ1の両電極部21aは、実装基板30上で、DC電源8に接続された電源端子31とLSIなどの電子部品9に接続された部品端子32にそれぞれ接続される。さらに、分布定数回路形成部2の対向金属層41を接地電位などの固定電位にするための電極端子4が実装基板30に設けられている。
図1に示したノイズフィルタの一例として、図2に示すようなアルミ固体電解コンデンサ6の場合を説明する。このアルミ固体電解コンデンサは、箔状のアルミニウム21の表面にエッチング処理により凹凸をつけ、その表面に沿って誘電体として酸化皮膜22bを形成する。さらにその酸化皮膜の表面に対向電極として導電性高分子層などの固体電解質層22c、グラファイト、銀ペースト層22aを形成したものである。この構成は、図1のノイズフィルタと同様のストリップ線路構造である。すなわち、線路導体が中心のアルミニウムであり、誘電体が酸化皮膜の形成されたエッチング層に相当する。また、接地導体が固体電解質層、グラファイトおよび銀ペースト層に相当する。エッチング層は表面積を大きくする処理が施されているため、同形状では単一の材料を用いるセラミックコンデンサなどよりも大きな静電容量を得ることができ、分布定数型ノイズフィルタに適している。
試作した線路素子の形状は線路幅10mm×線路長20mmで、誘電体の厚みに相当する厚みは約0.15mmである。また、線路全体での静電容量は330μF(定格電圧4V)であった。本素子の特性インピーダンスは下記に述べる式により0.5mΩと計算される。
電極部21aは前述したように、電源端子31および部品端子32にそれぞれ接続されるが、図3に示すように、電源端子31および部品端子32の各表面積S2は、電極部21aと電源端子31および部品端子32との接続領域の各面積S1よりも大に設定されることが望ましい。その理由の一番目は、両者の接触面積をできるだけ大きくして接触抵抗を下げることにある。接触抵抗が大きいと直流分の損失が生じ、発熱するためである。理由の二番目は、電源端子31および部品端子32の面積が小さいとこれら端子のインピーダンスが高くなりノイズ成分である高周波電流を金属板21に導入しにくくなるためである。
ここで、広帯域にわたり、かつ高周波数の電気的ノイズを除去することができる本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの構造決定について以下に説明する。
まず、図4(a)に示すような、内部の金属板21を誘電体20を介して一対の金属板40で挟んだ構成の伝送線路モデルにおいて、単位長さあたりの容量C及びインダクタンスLは、
C=4ε0εrW/d、 L=1/4・μ0・d/W
(ε0:真空の誘電率、εr:誘電体の比誘電率、d:誘電体の厚み、μ0:真空の透磁率)
と、表すことができる。
これにより、この伝送線路モデルの特性インピーダンスZ0は次のようになる。
0=(L/C)1/2
=1/4・(d/W)・(μ0/ε0εr1/2
次に、伝送線路の分布定数回路形成部がアルミ固体電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、セラミックコンデンサの場合について考える。
アルミ固体電解コンデンサの分布定数回路形成部はエッチングにより表面積が拡大されたアルミニウムに酸化皮膜が形成されており、電気二重層コンデンサの分布定数回路形成部は活性炭電極表面と電解液の界面に生じている。これらは複雑な形状をしており、取り扱いを容易にするために、これらの場合については単位長さ当たりの静電容量と実効厚みから等価的比誘電率を定義して取り扱う。単位長さ当たりの静電容量C、分布定数回路形成部の実効厚みをh、等価的比誘電率をεuとすれば
C=4・ε0εu・W/hより
εu=1/(4ε0)・C・h/W
(ε0は真空の誘電率8.85×10-12 F/m)
ここで前述のような一般的なアルミ固体電解コンデンサの場合、単位長さ当たりの静電容量、及び分布定数回路形成部(ここでは酸化皮膜の形成されたエッチング層)の実効厚み、幅は以下のような値であるので
C=1.65×10-2(F/m)
h=1.5×10-4(m)、W=1.0×10-2(m)
等価的比誘電率εuは7.0×106となる。
また、同様に一般的な電気二重層コンデンサの場合、単位長さ当たりの静電容量、及び分布定数回路形成部(ここでは上下の集電体にはさまれた部分)の実効厚み、幅はおよそ以下のような値であるので
u=3.54×101(F/m)
h=1×10-4(m)、W=1×10-2(m)
等価的比誘電率εuは1.0×1010となる。
セラミックコンデンサでは分布定数回路形成部が均一なセラミック材料そのものからなる場合、等価的比誘電率はセラミック材料の比誘電率そのものであり、8.0×103程度である。
前述の特性インピーダンスの式において、誘電体の比誘電率εrに各コンデンサの等価的比誘電率εuを使用し、dに実効厚みhを使用すると特性インピーダンスは次のようになる。
0=1/4・(h/W)・(μ0/ε0εu1/2
また、十分な電気的ノイズの除去を行うためには、特性インピーダンスを0.1Ω以下とすることが望まれているので、特性インピーダンスが0.1Ω以下になる条件は
W/h>2.5(μ0/ε0εu1/2
である。
真空の誘電率ε0を8.85×10-12 (F/m)とし、真空の透磁率μ0を1.
26×10-6(H/m)とし、各コンデンサにおいてのεuの値を代入すると
アルミ固体電解コンデンサでは、W/h>0.36
電気二重層コンデンサでは、W/h>0.009
セラミックコンデンサでは、W/h>11
となる。
さらに、分布定数回路形成部での波長は、誘電体による波長短縮を考慮すると、以下の式で計算できる。
λ=c/fεr 1/2
但し、λ:波長(m)、c:光速3.0×108(m/s)、f:周波数(Hz)
一般に要求されるノイズ規制の周波数範囲を30MHz〜1GHzと設定した場合、最も波長の長くなる30MHzでの波長の値は、εrをεuの値で計算すると、
アルミ電解コンデンサでは3.8mm
電気二重層コンデンサでは0.1mm
セラミックコンデンサでは112mm
である。ここで、減衰を十分に行うためには、ノイズフィルタの長辺方向の長さLを1/4波長以上とすることが望ましい。従って、それぞれを分布定数回路形成部に採用した場合についてみると、
アルミ電解コンデンサの場合 L>0.95mm
電気二重層コンデンサの場合 L>0.025mm
セラミックコンデンサの場合 L>28mm
と設定することによって、広帯域にわたり電気的ノイズを除去できる分布定数型ノイズフィルタを得ることができる。
このようにして得られた本発明に係る分布定数型ノイズフィルタにおける、周波数とインピーダンスとの関係を表したグラフが図4(b)である。
ここでは、従来のノイズフィルタ(0.1μFの積層セラミックチップコンデンサ)を用いた場合における、周波数とインピーダンスとの関係も表している。このグラフは、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタ及び従来のノイズフィルタを実装基板上に設置し、ネットワークアナライザに接続し、Sパラメータを測定することによってそれぞれのインピーダンスを算出したものである。
このグラフによる比較で明らかなように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタは従来に比べ、低周波から高周波までインピーダンスが小さい。また、広帯域にわたってインピーダンスの振幅差が少ないだけでなく、10MHz以上の高周波に対しても従来のノイズフィルタのようにインピーダンスが著しく増加していないため、従来のノイズフィルタより広帯域で安定したノイズフィルタを得ることができる。
次に、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの実施の形態における動作について図1を参照して以下に説明する。
本発明に係る分布定数型ノイズフィルタは、一方の電極部21aに陽極端子3を介して間接的にDC電源8が接続され、他方の電極部21aに陽極を介して間接的にLSI等の電子部品9が接続されて実施される。
次に、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第二の実施の形態における構成ついて説明する。但し、この説明においては、前述した本発明の実施の形態と同様の構成をなす部分については説明を省略する。
図5は、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第二の実施の形態における構成を示す平面図である。図5に示すように、分布定数回路形成部2は、その両短辺の長さが異なるように形成されてもよい。
すなわち、分布定数回路形成部2の長い短辺の長さをW2、短い短辺の長さをW1とすると、分布定数回路形成部2の両短辺から突出した二つの電極部21aのうち、長い短辺側から突出した電極部21aには、陽極端子3を介して電源8が接続される。
また、分布定数回路形成部2の両短辺から突出した二つの電極部21aのうち、短い短辺側から突出した電極部21aには、陽極端子3を介してLSI等の電子部品9が接続される。
次に、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第三の実施の形態における構成について説明する。但し、この説明においては、前述した本発明の実施の形態と同様の構成をなす部分については説明を省略する。
図6は、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第三の実施の形態における構成を示す平面図である。
図6に示すように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第三の実施の形態においては、分布定数回路形成部2の形状はほぼ中心部にくびれた領域を有している。具体的には、分布定数回路形成部2の長辺側面に一つ以上の切り欠き部が設けられ、分布定数回路形成部2の両短辺の長さWに対してW>W3を満たす短辺の長さW3の領域が形成されている。
このとき、分布定数回路形成部2の両短辺の長さは等しくなくてもよく、少なくとも分布定数回路形成部2の両短辺の何れか一方の長さよりもW3が小であればよい。
次に、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第四の実施の形態における構成について説明する。但し、この説明においては、前述した本発明の実施の形態と同様の構成をなす部分については説明を省略する。
図7は、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第四の実施の形態における構成を示す平面図である。
図7に示すように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第四の実施の形態においては、分布定数回路形成部2の長辺側の側面に二つ以上の切り欠きが形成され、分布定数回路形成部2自体が屈曲したジグザグ形状をなしている。このような形状を分布定数回路形成部2に採用することによって、分布定数回路形成部2の線路長が増し、広帯域の周波数にわたって電気的ノイズを濾波することができる。
このようにして得られた本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの実施の形態における周波数とインピーダンスとの関係を表したグラフが図8である。ここでは、従来のノイズフィルタ(0.1μFのチップコンデンサ)を用いた場合における、周波数とインピーダンスとの関係も表している。
このグラフは、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタ及び従来のノイズフィルタを実装基板上に設置し、ネットワークアナライザに接続し、Sパラメータを測定することによってそれぞれのインピーダンスを算出したものである。比較して明らかなように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタは従来に比べ、低周波から高周波までインピーダンスが小さいことがわかる。
また、広帯域にわたってインピーダンスの変化が少ないだけでなく、10MHz以上の高周波に対しても従来のノイズフィルタのようにインピーダンスが著しく増加していないため、従来のノイズフィルタより広帯域で安定したノイズフィルタを得ることができる。
特に、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタのいずれの実施の形態においても、従来のノイズフィルタより高周波数側でインピーダンスが低くなっているため、LSIの技術向上に伴う高周波数の電気ノイズの除去を達成しうる。
以上、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの実施の形態においては、分布定数回路形成部として主に固体電解コンデンサを採用することができるが、特に分布定数回路形成部に電気二重層コンデンサを採用した場合の第五の実施の形態について以下に説明する。
但し、この説明においては、前述した本発明の実施の形態と同様の構成をなす部分については説明を省略する。
図9(a)は、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第五の実施の形態における構成を示す平面図である。
図9(a)に示すように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第五の実施の形態においては、分布定数回路形成部に電気二重層コンデンサを採用するが、絶縁部5内に複数の電気二重層セル71からなる分布定数回路形成部とすることによって、耐電圧をより大とすることができる。
また、図9(b)に示すように、各電気二重層コンデンサ7は、ガスケット27の上下に配置された集電体23が陽極及び陰極を形成し、集電体23と導通する活性炭電極24及び電解液25が、電解液を通過可能なセパレータ26を挟むように形成されている。
図10(a)、(b)は、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第六の実施の形態における構成を示す平面図およびそのC−C断面図である。図10(a)に示すように、本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第六の実施の形態においては、各電極部または各陽極端子にリード線311、321を接続し、陰極端子4にリード線400を一本または複数(図では2本)接続した構成とする。これにより高周波数でのインピーダンス特性は若干悪くなるものの、実装時の利便性が増す。
最後に、本発明の主な特徴を次に列挙する。
(1)分布定数型ノイズフィルタにおいて、電源に接続される第1の電極部と電気部品に接続される第2の電極部とを両端に有する第1の導電体と、前記第1の導電体と対向配置され、固定電位に接続される第2の導電体とを備えるとともに、前記第1の導電体と前記第2の導電体との対向配置された領域に形成される分布定数回路形成部を有し、前記分布定数回路形成部は伝送線路構造を形成するように前記分布定数回路形成部の短辺方向の長さ(W)、長辺方向の長さ(L)及び実効厚さ(h)が設定されていることを特徴とする分布定数型ノイズフィルタ。
(2)前記長辺方向の長さ(L)が前記電子部品から発生する高周波の1/4波長以上の長さとなるように設定されていることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(3)前記短辺方向の長さ(W)と前記厚さ(h)との比が、前記分布定数型ノイズフィルタの伝送線路モデルにおける特性インピーダンスが0.1Ω以下となるように設定されていることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(4)前記陽極端子の表面積(S2)が陽極端子と前記電極部との設置面積(S1)よりも大に設定されていることを特徴とする(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(5)前記第1の電極部の短辺方向の長さ(W2)が前記第2の電極部の短辺方向の長さ(W1)よりも大に設定されていることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(6)前記分布定数回路形成部の長辺側の側面部に一つ以上の切り欠き部が形成されていることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(7)前記第1の電極部の短辺方向の長さW2及び前記第2の電極部の短辺方向の長さ(W1)の何れか一方よりも小に設定されていることを特徴とする上記(5)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(8)前記分布定数回路形成部は、一つ以上の屈曲した形状をなすことを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(9)前記分布定数回路形成部が固体電解コンデンサであることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(10)前記分布定数回路形成部が電気二重層コンデンサであることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(11)前記固体電解コンデンサはアルミ固体電解コンデンサであり、前記短辺方向の長さ(W)と前記厚さ(h)との比が0.36より大きくなるように設定されていることを特徴とする上記(9)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(12)前記短辺方向の長さ(W)と前記厚さ(h)との比が0.
009より大きくなるように設定されていることを特徴とする上記(10)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
(13)前記第1の電極部と前記第2の電極部におのおのリード線が接続され、前記第2の導電体に1本以上のリード線が接続されていることを特徴とする上記(1)記載の分布定数型ノイズフィルタ。
本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第一の実施の形態における構成を示す平面図および断面図。 本発明のノイズフィルタとして、3端子構成の固体電解コンデンサの場合を示す断面斜視図。 図1(a)における電極部の好ましい形態を説明するための平面図。 本発明に係る第一の実施の形態による分布定数型ノイズフィルタの分布定数回路形成部を示す斜視図と、その周波数特性を従来例と比較して示すグラフ。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第二の実施の形態における構成を示す平面図。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第三の実施の形態における構成を示す平面図。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第四の実施の形態における構成を示す平面図。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第一〜第四の実施の形態における周波数特性を従来例と比較して示すグラフ。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第五の実施の形態における構成を示す断面図と、同図に示す電気二重層コンデンサの単一セルの構成を示す断面斜視図。 本発明に係る分布定数型ノイズフィルタの第六の実施の形態における構成を示す平面図およびその断面図。
符号の説明
1 分布定数型ノイズフィルタ
2 分布定数回路形成部
3 陽極端子
4 陰極端子
5 絶縁部
6 固体電解コンデンサ
7 電気二重層コンデンサ
8 電源
9 電子部品
20,22 誘電体
21 金属板
21a 電極部
22a グラファイト、銀ペースト層
22b 酸化皮膜
22c 導電性高分子層などの固体電解質層
23 集電体
24 活性炭電極
25 電解液
26 セパレータ
27 ガスケット
30 実装基板
40 金属板
41 対向金属層
71 電気二重層セル
311,321,400 リード線

Claims (4)

  1. 対向配置された略平板状の第1および第2の導電体と、前記第1および第2の導電体に挟まれた誘電体とを含む平板状のコンデンサを備えるとともに、
    前記コンデンサは、集電体と、活性炭電極および電解液とが、セパレータを挟むように形成され、前記活性炭電極表面と電解液との界面で前記誘電体を構成し、前記集電体で前記導電体を構成する電気二重層コンデンサであって、
    前記第1の導電体の一端は電源に電気的に接続され、
    前記第1の導電体の他端は電子部品に電気的に接続され、
    前記第2の導電体は電源の他の電位に電気的に接続され、
    前記コンデンサは、短辺方向の長さ(W)、長辺方向の長さ(L)、および実効厚さ(h)が、コンデンサの誘電率に基づいて設定され、伝送線路構造を形成することを特徴とする分布定数型ノイズフィルタ。
  2. 前記電気二重層コンデンサは、複数の電気二重層セルを備えたことを特徴とする1記載の分布定数型ノイズフィルタ。
  3. 前記短辺方向の長さ(W)と前記厚さ(h)との比が0.009より大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項2記載の分布定数型ノイズフィルタ。
  4. 分布定数型ノイズフィルタにおいて、電源に接続される第1の電極部と電気部品に接続される第2の電極部とを両端に有する第1の導電体と、前記第1の導電体と対向配置され、固定電位に接続される第2の導電体とを備えるとともに、前記第1の導電体と前記第2の導電体との対向配置された領域に形成される分布定数回路形成部を有し、前記分布定数回路形成部は伝送線路構造を形成するように前記分布定数回路形成部の短辺方向の長さ(W)、長辺方向の長さ(L)及び実効厚さ(h)が設定されていることを特徴とする分布定数型ノイズフィルタ。
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