JP4205252B2 - 銅または銅合金溶湯の脱ガス方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅または銅合金溶湯(以下、溶銅と称す)中の酸素ガスおよび水素ガスを長時間安定して良好に除去できる脱ガス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銅中に含まれる酸素や水素は、鋳塊に芯割れを発生させたり、鋳塊にピンホールやブローホールを形成して製品の品質や特性を阻害したりする。
このため溶銅の脱ガス方法には、次のような種々の方法が適用されている。
▲1▼溶銅表面に木炭または松丸太を浮かべる方法。▲2▼溶銅中に木炭を浸漬する方法(特開昭63−108946号公報)。▲3▼溶銅中にアンモニアガス、アンモニア分解ガス、水素含有ガスをバブリングする方法。▲4▼溶銅中に酸素との親和力の高い元素(P、Mg、Zr、Si、Ca、Alなど)を微量添加する方法。▲5▼溶銅中に不活性ガスをバブリングする方法。▲6▼溶銅を減圧または真空雰囲気下に保持する方法(特願昭60-61667号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来法▲1▼〜▲6▼には、それぞれ次のような問題がある。
即ち、▲1▼〜▲4▼の方法では酸素ガスのみが除去され、水素ガスは除去されないか若しくは増加する。さらに▲2▼の方法では脱ガスに伴い木炭表面が灰化して脱ガス効果が経時的に低下し、また0.5ton/hr程度の小量の溶銅か低酸素溶銅にしか適用できない。▲4▼の方法では過剰に添加した場合は導電率の低下を招く。
また▲5▼▲6▼の方法では酸素ガスが除去され難い。さらに▲6▼の方法では雰囲気保持に多大のメンテナンス費が掛かる。
このように従来方法では酸素ガスおよび水素ガスを長時間に渡り安定して良好に除去することが困難であった。
本発明は、溶銅中の酸素ガスおよび水素ガスを長時間安定して良好に除去できる溶銅の脱ガス方法および前記脱ガス方法を実施する装置が組み込まれた銅または銅合金の連続溶解鋳造設備の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、固定炭素を90wt%以上、灰分を1wt%未満(0wt%を含む)含有する炭素部材を銅または銅合金溶湯中に浸漬し、前記炭素部材と前記溶湯中の酸素ガスとの間で炭酸ガス気泡を生成させ、前記炭酸ガス気泡中に水素ガスを吸収させて前記溶銅中の酸素ガスと水素ガスとを除去することを特徴とする銅または銅合金溶湯の脱ガス方法である。
【0005】
請求項2記載の発明は、前記炭素部材に多数の微細孔を有するポーラスな炭素部材を用い、前記炭素部材の微細孔から不活性ガスを溶銅中に吹き込むことを特徴とする請求項1記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法である。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記炭素部材の表面に沿って不活性ガス気泡を浮上させることを特徴とする請求項1記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法である。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記溶湯または前記炭素部材の少なくとも一方に振動を付与しつつ脱ガスすることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明では、溶銅中の酸素ガスは、炭素部材表面で、炭素部材の炭素と反応して炭酸ガス気泡を生成する。この炭酸ガス気泡は炭素部材表面で成長して臨界サイズを超えると炭素部材表面から離脱して溶銅中を浮上し大気中に放出される。溶銅中の水素ガスは前記炭酸ガス気泡に吸収され、酸素ガスと一緒に放出される。
前記炭素部材表面には熱流により常に新しい溶銅が供給されるため良好な脱ガス効果が長時間維持される。
この発明では、前記炭素部材の固定炭素を90wt%以上に規定し、かつ灰分を1wt%未満に規定するので、前記炭素部材表面は灰分で覆われることなく、固定炭素が十分供給され、従って炭酸ガス気泡は長時間良好に生成される。
なお、前記固定炭素とは、炭素部材から水分、揮発分、灰分を除去した残部である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の脱ガス方法において、炭素部材に多数の微細孔を有するポーラスな炭素部材を用い、前記炭素部材の微細孔から不活性ガスを溶銅中に吹き込む脱ガス方法である。
前記炭素部材表面に生成した炭酸ガス気泡は、前記微細孔から吹き込まれる不活性ガスに吸着されて小サイズのうちに炭素部材表面を離脱するため溶銅中の酸素ガスの除去が促進される。また溶銅中の水素ガスは炭酸ガス気泡の他、不活性ガス気泡中にも吸収されるので水素ガスもより効率良く除去される。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の脱ガス方法において、溶銅中に浸漬させた炭素部材の表面に沿って不活性ガス気泡を浮上させる脱ガス方法で、炭素部材表面に生成した炭酸ガス気泡は、前記浮上する不活性ガス気泡に吸着されて小サイズのうちに炭素部材表面を離脱するため溶銅中の酸素ガスの除去が促進される。また溶銅中の水素ガスは炭酸ガス気泡の他、不活性ガス気泡中にも吸収されるので水素ガスもより効率良く除去される。
【0012】
請求項4記載の発明は、溶銅または炭素部材の少なくとも一方に振動を付与して、炭素部材表面上での炭酸ガス気泡の生成と、前記炭酸ガス気泡の炭素部材表面からの離脱と、前記炭素部材表面への溶銅の供給を促進させた脱ガス方法である。溶銅および炭素部材の両方を振動させるとより大きな効果が得られる。
振動方法には、機械的振動、超音波振動など任意の振動方法が適用される。
振動と不活性ガスの吹き込みとを併用することにより脱ガス効果はさらに向上する。
【0013】
本発明において、炭素部材の表面を粗面にする、炭素部材の形状を表面積の大きい形状にするなどの方法により、脱ガス効果をより高めることができる。
本発明は、無酸素銅、低酸素銅、希薄銅合金を始め、任意の銅および銅合金の溶湯の脱ガスに適用して優れた効果が得られる。
【0014】
以下に本発明方法を図を参照して具体的に説明する。
図1(イ)は本発明方法の第1の実施形態を示す側面説明図である。
溶銅保持炉と鋳造機を繋ぐラウンダBに、板状の炭素部材1を複数枚、前記炭素部材1の面が溶銅の流動方向に並行になるように縦に配置して脱ガス装置2を構成し、この脱ガス装置2の前記炭素部材1間に溶銅3を流して脱ガスを行う。
この脱ガス方法では、前述のように溶銅3がこの脱ガス装置2内を移動する間に、溶銅3中の酸素が炭素部材1と反応して炭酸ガス気泡を生成し、この炭酸ガス気泡は臨界サイズに成長すると炭素部材1表面から離脱し、溶銅3中を浮上して大気中に放出される。溶銅3中の水素は前記炭酸ガス気泡中に吸収され、炭酸ガスと一緒に除去される。図で矢印は溶銅お流れる方向である。
【0015】
図1(ロ)は本発明の第2の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、炭素部材に、多数の貫通孔4を設けた板状炭素部材5を用いた他は図1(イ)に示した方法と同じである。
この方法は、炭素部材5の溶銅3との接触面積が大きいので、図1(イ)に示した方法より脱ガス効果に優れる。
【0016】
図1(ハ)は本発明の第3の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、炭素部材に粒状炭素部材6を用いた他は、図1(イ)に示した脱ガス方法と同じである。粒状炭素部材6は、ラウンダBの上部に設けた止め枠7により流出が阻止されている。
この方法は、炭素部材6が粒状なので、板状炭素部材1より表面積が大きく、従って図1(イ)に示した方法に較べて脱ガス効果に優れる。
【0017】
図1(ニ)は本発明の第4の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、止め枠7をラウンダBの下部にも設けた他は、図1(ハ)に示した脱ガス方法と同じである。
この方法は、図1(ハ)に示したものに較べて、粒状炭素部材6を多数配置することができるので、図1(ニ)に示した方法に較べて脱ガス効果に優れる。
【0018】
図1(ホ)は本発明の第5の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、ラウンダB内に、微細孔を多数有するポーラスなブロック状炭素部材8を、ラウンダBの長さ方向に所定間隔を開けて複数個配置したもので、炭素部材間およびその上方を流れる溶銅3に、前記炭素部材8の微細孔から不活性ガス(図では小丸で示す)を吹き込んで脱ガスする方法である。
この方法では、不活性ガスにより炭酸ガス気泡の前記炭素部材8からの離脱が促進され、また溶銅中の水素ガスは前記炭酸ガス気泡の他、不活性ガス気泡にも吸収されるので、脱ガス効果が一段と向上する。
【0019】
図1(ヘ)は本発明の第6の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、ラウンダBの上方にポーラスなブロック状炭素部材8を配置した他は、図1(ホ)に示した脱ガス方法と同じである。
この方法は、図1(ホ)に示した方法に較べて、ブロック状炭素部材8の設置および交換が容易に行える。
【0020】
図2(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ本発明の第7、8、9の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、ラウンダBの床部にポーラスプラグ製ガス吹込み具9を取付け、前記吹込み具9から不活性ガス(図示せず)を溶銅中に吹き込みつつ脱ガスする他は、それぞれ図1(イ)(ロ)(ハ)に示した脱ガス方法と同じである。
この図2(イ)(ロ)(ハ)に示した方法では、炭酸ガス気泡の炭素部材からの離脱が不活性ガスにより促進され、また溶銅中の水素ガスは炭酸ガス気泡のみならず、不活性ガス気泡にも吸収されるので、図1(イ)(ロ)(ハ)に示した方法に較べて脱ガス効果が一段と向上する。
【0021】
図2(ニ)は本発明の第10の実施形態を示す脱ガス方法の説明図である。
この方法は、縦断面が直角三角形の炭素部材10を傾斜面11が上流且つ下方に向くようにラウンダB上部に複数個取り付け、前記炭素部材10の傾斜面11に開口する複数のガス吹き込み孔12から溶銅3中に不活性ガスを吹き込みつつ脱ガスする方法である。
溶銅3中の酸素は前記炭素部材10の傾斜面11で炭酸ガスを形成し、前記炭酸ガス気泡は小さいうちに、前記傾斜面11に沿って上昇する不活性ガス(図では小丸で示す)に吸着されて前記炭素部材10表面から離脱し、溶銅3中を浮上して大気中に放出される。この間、溶銅3中の水素ガスは炭酸ガス気泡のみならず、不活性ガスにも吸収される。従って脱ガス効果は極めて大きい。
【0022】
次に、本発明の脱ガス方法を実施するための連続溶解鋳造設備を図を参照して具体的に説明する。図3(イ)は、本発明の脱ガス方法を実施するための連続溶解鋳造設備の第1の実施形態を示す側面説明図である。この連続溶解鋳造設備は、シャフト炉(溶解炉)21、ラウンダA、保持炉22、ラウンダB、および連続鋳造機23を主要部とし、前記ラウンダA、保持炉22、およびラウンダBに、本発明の脱ガス方法を実施する脱ガス装置2がそれぞれ組み込まれたものである。
【0023】
図3(ロ)は、本発明の脱ガス方法を実施するための連続溶解鋳造設備の第2の実施形態を示す側面説明図である。この連続溶解鋳造設備は、反射炉(溶解炉)25、ラウンダA、保持炉22、ラウンダB、および連続鋳造機23を主要部とし、反射炉25、ラウンダA、保持炉22、およびラウンダBに、本発明の脱ガス方法を実施する脱ガス装置2がそれぞれ組み込まれたものである。
【0024】
図3(ハ)は、本発明の脱ガス方法を実施するための連続溶解鋳造設備の第3の実施形態を示す側面説明図である。この連続溶解鋳造設備は、電気炉(溶解炉)26、ラウンダA、保持炉22、ラウンダB、および連続鋳造機23を主要部とし、ラウンダA、保持炉22、およびラウンダBに、本発明の脱ガス方法を実施する脱ガス装置2がそれぞれ組み込まれたものである。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
図3(イ)に示す連続溶解鋳造設備を用いて銅鋳塊(インゴット)を半連続鋳造法により連続鋳造した。
シャフト炉21で電気銅を溶解して溶銅3とし、これをラウンダAを通して保持炉22に移送し、保持炉22にて異物を沈降または浮上分離し、また溶銅3温度を1120℃に調節したのち、保持炉22中の溶銅3をラウンダBを通して、縦型連続鋳造機23に供給して純銅のインゴット25を連続鋳造した。
脱ガスはラウンダBでのみ行った。脱ガスは図1(イ)(ハ)(ホ)、図2(イ)(ハ)(ニ)に示したいずれかの方法により行った。炭素部材の組成は本発明で規定する組成とした。脱ガス装置はラウンダBの幅方向全体に位置させた。脱ガス装置の長さは4mである。、
【0026】
(比較例1)
木炭粒、コークスなどを用いた従来法によっても脱ガス処理を行った。
【0027】
実施例1、比較例1(従来法)において、溶銅中の酸素量および水素量を脱ガス処理前後で測定し、各々の脱ガス効果を調べた。
酸素量および水素量は、真空吸引用ガラスサンプラーを用いて急冷採取したサンプルをLECO社製の分析計により分析した。
結果を、脱ガス処理条件を併記して表1、2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
表1、2より明らかなように、本発明例のNo.1〜21では、いずれも脱ガス処理により酸素量および水素量が大幅に低減した。
これに対し、比較例1(従来法)では、用いた炭素部材の固定炭素が少ない(No.26,27) か、灰分が多いか(No.25) 、固定炭素が少なくかつ灰分が多い(No.22〜24) ため、いずれも脱ガス効果が十分に得られなかった。
【0031】
溶銅中の酸素量の経時変化を表2に示した本発明例のNo.19 と従来法のNo.23 について図4に示した。本発明例のNo.19 では、脱ガス開始直後から酸素量は低位に安定しているのに対し、従来法のNo.23 では酸素量が低いのは脱ガス開始の極く初期のみで、その後漸増して60分を超えてからは脱ガス効果は認められない。
【0032】
また本発明例のNo.1〜21と従来法の No.22〜27についてそれぞれ初期(10分後)の酸素除去量F=(脱ガス前水素量−脱ガス後の水素量)×溶銅量、と60分後の酸素除去量G=(脱ガス前水素量−脱ガス後の水素量)×溶銅量を求めて両者の関係を図5(イ)に示した(Fを横軸、Gを縦軸にプロットしてある)。
本発明例は60分経過後も初期と同程度の酸素除去量が認められるが、比較例では60分経過後には酸素除去量が著しく低下している。
水素量についても初期(10分後)と60分後の除去量を求めた。図5(ロ)に示すように、本発明例では60分経過後も初期と同程度の多量の水素除去量が認められるが、従来法では60分経過後には水素量はむしろ増加している。
【0033】
(実施例2)
炭素部材または溶銅に超音波振動を付与した他は、実施例1と同じ方法により鋳造を行い、実施例1と同じ方法により溶銅中の酸素量および水素量を脱ガス処理前後で測定した。脱ガス装置には図1(イ)、図2(ハ)に示したものを用いた。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
表3より明らかなように、振動付与により酸素量の大幅減少が認められた。水素量も低減したが、酸素量ほどは減少しなかった。水素量は表示を割愛した。
【0036】
(実施例3)
図3(イ)〜(ハ)に示した連続鋳塊設備を用いて純銅のインゴットを半連続鋳造した。
脱ガスは、ラウンダA、保持炉22、ラウンダBのうちの少なくとも2箇所で行った。炭素部材には固定炭素99wt%、灰分0.5wt%のものを用いた。
【0037】
(比較例2)
脱ガスを保持炉中に木炭(固定炭素82wt%以上、灰分2.2wt%)を浸漬させる従来法により行った他は、実施例3と同じ方法により純銅のインゴットを連続鋳造した。
【0038】
実施例3および比較例2(従来法)における脱ガス効果を、実施例1と同じ方法により調べた。但し、分析サンプルは、鋳造開始60分後に溶解炉出口と鋳型内で採取した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
表4より明らかなように、本発明例の No.41〜44は、酸素量、水素量とも大幅に低減した。
これに対し、従来法では酸素量が20〜30%減少したが、水素量は逆に増加した。
なお、本発明方法により製造された鋳塊はいずれも、芯割れ、ピンホール、ブローホールなどがなく高品質なものであった。
【0041】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明では、固定炭素を90wt%以上、灰分を1wt%未満(0wt%を含む)含有する炭素部材を銅または銅合金溶湯中に浸漬し、前記炭素部材と溶銅中の酸素ガスとの間で炭酸ガス気泡を生成させ、前記炭酸ガス気泡中に水素ガスを吸収させるので、酸素ガスと水素ガスが長時間安定して良好に除去される。さらに不活性ガスを吹き込んだり、炭素部材或いは溶銅の少なくとも一方を振動させたりすることにより、炭酸ガス気泡の炭素部材表面からの離脱、水素ガスの気泡への吸収などが促進され、脱ガス効果が向上する。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ヘ)はそれぞれ本発明の脱ガス方法の第1〜6の実施形態を示す側面説明図である。
【図2】(イ)〜(ニ)はそれぞれ本発明の脱ガス方法の第7〜10の実施形態を示す側面説明図である。
【図3】(イ)〜(ハ)はそれぞれ本発明の脱ガス方法を実施するための連続溶解鋳造設備の第1〜3の実施形態を示す説明図である。
【図4】溶銅中の酸素量の経時変化を示す図である。
【図5】(イ)は初期と60分後における酸素除去量の関係図、(ロ)は初期と60分後における水素除去量の関係図である。
Claims (4)
- 固定炭素を90wt%以上、灰分を1wt%未満(0wt%を含む)含有する炭素部材を銅または銅合金溶湯中に浸漬し、前記炭素部材と前記溶湯中の酸素ガスとの間で炭酸ガス気泡を生成させ、前記炭酸ガス気泡中に水素ガスを吸収させて前記溶銅中の酸素ガスと水素ガスとを除去することを特徴とする銅または銅合金溶湯の脱ガス方法。
- 前記炭素部材に多数の微細孔を有するポーラスな炭素部材を用い、前記炭素部材の微細孔から不活性ガスを溶銅中に吹き込むことを特徴とする請求項1記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法。
- 前記炭素部材の表面に沿って不活性ガス気泡を浮上させることを特徴とする請求項1記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法。
- 前記溶湯または前記炭素部材の少なくとも一方に振動を付与しつつ脱ガスすることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の銅または銅合金溶湯の脱ガス方法。
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