JP4204112B2 - 光干渉計の干渉位相検出方式 - Google Patents

光干渉計の干渉位相検出方式 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光の位相干渉を用いた光干渉計を用いて磁気ディスクなどの表面欠陥を正確に検出する光干渉計の干渉位相検出方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ではパーソナルコンピュータの情報記憶媒体としてハードディスク装置が標準装備されるようになり、その容量も数Gバイト程度のものが主流である。また、ノート型パソコンにおいては、小さな容積に対して高密度のハードディスク装置を内蔵可能にすることが望まれている。
【0003】
ハードディスク装置の記憶密度を上げるためには磁気ヘッドの磁気ディスク表面からの浮上量を20〜50nm程度と極めて小さくしなければならない。このようなハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの表面欠陥を検査する場合、その浮上量に応じた検出精度で行わなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、磁気ディスクの表面欠陥の検査は、グライドテスタと呼ばれる装置で行っていた。グライドテスタは、予め設定された浮上量で磁気ディスクを回転させ、そのときに磁気ヘッドがディスク表面の異常突起に何回衝突したかを検出し、その衝突回数に基づいてその磁気ディスクのグライドレベル(磁気ディスク表面の突起高さ)を判定している。
【0005】
ところが、浮上量が20〜50nm程度の極めて小さな値になると、磁気ヘッドが異常突起に衝突する回数も増加し、衝突によって磁気ヘッドがディスク表面に接触し、磁気ヘッドが頻繁に破損することとなり、その交換や位置合わせなどに多大の時間を要するようになるため問題であった。
【0006】
そこで、最近では、異常突起の高さを光学的に検出し、グライドテスタと同じような試験を行っている。このような装置を光学式グライドテスタと呼ぶ。図5は従来の光学式グライドテスタの概略構成を示す図である。光学式グライドテスタの基本構成は光干渉計である。レーザ装置31は波長532nmのレーザ光f1を出射する。レーザ光f1は変調手段32によって変調される。変調手段32は、ビームスプリッタ33及び34、光学音響素子(AOM:Accusto−Optic Modulator)35及び36、反射鏡37及び38から構成される。レーザ光f1は、ビームスプリッタ33によって反射レーザ光f4と透過レーザ光f2に分岐される。透過レーザ光f2は光学音響素子35に入射し、そこで周波数fmの変調が加えら、レーザ光f3(=f2+fm)として出射される。一方、反射レーザ光f4は反射鏡37によって再び反射し、光学音響素子36に入射し、そこで周波数fnの変調が加えられ、レーザ光f5(=f4+fn)として出射される。光学音響素子35から出射するレーザ光f3は反射鏡38で反射され、ビームスプリッタ34に入射する。一方、光学音響素子36から出射するレーザ光f5もビームスプリッタ34に入射する。ビームスプリッタ34に入射したレーザ光f3とレーザ光f5は合成されて、分岐手段39に入射する。
【0007】
分岐手段39はビームスプリッタ34からのレーザ光f3とf5の合成レーザ光f3+f5を進行方向及び光路長が同じで所定距離だけ離れた2つのレーザ光f31+f51及びf32+f52に分岐し、それらを偏光ビームスプリッタ3Aに出射する。偏光ビームスプリッタ3Aは2つのレーザ光f31+f51及びf32+f52の一部(所定方向の直線偏光f31及びf32)を反射して、参照面3Bに照射し、残りのレーザ光f51及びf52を透過して、それを測定面3Cの各地点A及びBに照射する。なお、参照面3Bと偏光ビームスプリッタ3Aとの間、及び測定面3Cと偏光ビームスプリッタ3Aとの間には直線偏光を円偏光に変換する4分の1波長板3D及び4分の1波長板3Eが設けられている。参照面3Bで反射したレーザ光f31及びf32は、直線偏光から円偏光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3Aを透過して受光素子3F及び3Gに入射する。測定面3Cで反射したレーザ光f51及びf52も同じく直線偏光から円偏光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3Aで反射して受光素子3F及び3Gに入射する。
【0008】
受光素子3F及び3Gは、参照面3Bで反射したレーザ光f31及びf32と、測定面3Cで反射したレーザ光f51及びf52の合成されたレーザ光f6及びf7を入射し、それに応じた電気信号を位相差測定回路3Hに出力する。位相差測定回路3Hは受光素子3F及び3Gからの電気信号に基づいて測定面3Cの突起高さを測定する。
【0009】
図6及び図7は、突起の高さがどのようにして測定されるのか、その検出原理を示す図であり、図6は測定面に突起又は段差等がない場合を示し、図7は測定面に高さΔδの突起又は段差等が存在する場合を示す。図6及び図7には、図5における偏光ビームスプリッタ3A、参照面3B、測定面3C、受光素子3F及び3Gのみが示されている。レーザ光f6及びf7の入射によって受光素子3F及び3Gからは、図6及び図7の右側に示すような干渉出力信号がそれぞれ出力される。レーザ装置31からは波長532nmのレーザ光が出力し、それを変調手段32で変調周波数fm=150MHz、変調周波数fn=140MHzのように約10MHzの周波数差となるように変調する。これによって、受光素子3F及び3Gは周波数10MHz(周期100nsec)の干渉出力信号を出力するようになる。この干渉出力信号の1周期がレーザ光の波長の約2分の1である266nmに相当するので、この受光素子3F及び3Gから出力される干渉出力信号の位相差を測定することによって、測定面における地点A及びBの高さ、すなわち突起の場合にはその突起の高さ、段差の場合にはその段差間距離を測定することができる。
【0010】
図6の場合、測定面3Cには突起又は段差等が存在しないので、測定面3Cの地点A及び地点Bで反射した光は同じ光路長を経由して受光素子3F及び3Gに入射する。従って、受光素子3F及び3Gの干渉出力信号の位相は同じである。一方、図7の場合、測定面3Cには段差が存在するので、図示のように受光素子3F及び3Gの干渉出力信号は段差間距離Δδに相当するΔtの位相差を有する。この位相差Δtが測定面3Cの地点A及びB間の段差間距離に相当する。従って、この位相差Δtを測定することによって、段差間距離Δδを検出することができる。この位相差Δtの測定は、測定面の地点Aの干渉出力信号を所定のスライス電圧でパルス化して得られた基準パルスPAと、測定面3Cの地点Bの干渉出力信号を同じく所定のスライス電圧でパルス化して得られた測定パルスPBとの位相を比較することによって行われる。
【0011】
ところが、従来のように2本のレーザ光の一方を測定用とし、他方を基準用とした場合、欠陥の周辺に他の欠陥や、欠陥でなくても微少凹凸が存在する場合には、それらの影響を基準用のレーザ光も受けることになり、正確な測定を行うことができないという問題がある。また、測定用センサ系(受光素子3G)と基準用センサ系(受光素子3F)で発生するノイズ成分が自乗和平均され、トータルのS/Nが低下するという問題もある。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、1本のレーザ光を被測定面に照射することによって、被測定面の段差間距離又は突起物の高さに相当する位相差を測定することのできる光干渉計の干渉位相検出方式を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
求項1に記載された発明に係る光干渉計の干渉位相検出方式は、レーザ光を分岐し、分岐されたレーザ光を異なる周波数で変調し、各変調レーザ光を参照面と測定面に個別に照射し、前記参照面及び前記測定面からのそれぞれの反射光を合成し、合成された反射光の干渉成分を生成する光学手段と、前記反射光の干渉成分を受光するライン型センサで構成され、前記参照面と測定面とで兼用される複数の画素からなる第1の画素群と、前記第1の画素群の両側に設けられた参照面専用の複数の画素からなる第2の画素群とを有する受光素子手段と、前記第1の画素群の中の測定点の画素に対する参照面位相信号を、前記測定点の画素を中心に左右対称に位置する所定数の画の信号の平均値に基づいて算出する参照面位相算出手段と、前記測定点の画素の信号に基づいて前記測定点の画素に入射した前記反射光の測定点位相信号を算出する測定点位相算出手段と、前記測定点位相信号から前記参照面位相信号を減算することによって前記測定面における前記測定点の高さに相当する信号を算出する高さ算出手段とを設けたものである。
【0014】
レーザ光はビームスプリッタによって互いに偏光面が直交するように分岐される。分岐されたレーザ光に対して周波数変調が加えられ、参照面と測定面に照射される。参照面と測定面で反射したレーザ光同士の干渉波形を観察することによって、参照面までの距離と測定面までの距離の差に相当する位相差を検出することができ、これにより測定面に存在する段差間距離又は突起物の高さなどを検出することができる。従来は、この干渉波形を基準点用と測定点用の2つに分岐してそれぞれ参照面及び測定面に照射し、それぞれの干渉波形を2つの受光素子で検出し、その検出信号に基づいて基準点と測定点の位相差すなわち測定面の段差間距離又は突起物の高さを検出していたのであり、つまり、基準の高さが点として把握されていた。この発明では、干渉波形を分岐することなく、1つの干渉波形を1つの受光素子で受光することによって、測定面の段差間距離又は突起物の高さを検出する。そこで、この発明では、受光素子を、前記参照面と測定面とで兼用される複数の画素からなる第1の画素群と、この第1の画素群の両側に設けられた参照面専用の複数の画素からなる第2の画素群とを有するライン型センサで構成する。測定点の画素の位相信号は、測定点の画素の信号に基づいて直接求める。一方、参照準面の画素の位相信号は、参照面位相算出手段によって、その測定点の画素を中心に左右対称に位置する所定数の画の信号の平均値に基づいて求める。これを測定面兼用の画素に対して行う。これによって、微少凹凸が存在する場合でも、予め参照面用の画素を特定したものに比べて、参照面位相のノイズは著しく低減され、再現性が向上するという効果がある。
【0016】
請求項2に記載された本発明に係る光干渉計の干渉位相検出方式は、前記請求項1に記載の光干渉計の干渉位相検出方式の一実施態様として、前記参照面位相算出手段は、算出された参照面位相信号の所定時間分の平均値を算出することによって、前記測定点位相信号を中心とする参照面位相信号を生成し、前記測定点位相算出手段は、前記測定点の画素の信号を前記所定時間の半分だけ遅延した前記測定点位相信号に基づいて前記測定点の画素に入射した前記反射光の測定点位相信号を算出するようにしたものである。これによって、測定点の画素位置を基準面全体の中心に配置できる。
【0017】
請求項3に記載された本発明に係る光干渉計の干渉位相検出方式は、前記請求項1に記載の光干渉計の干渉位相検出方式の一実施態様として、前記測定面兼用の画素群を所定数のグループに分割し、そのグループ毎に前記参照面位相算出手段によって参照面位相信号を算出し、算出された参照面位相信号及び前記グループ内に属する画素信号に基づいて前記グループ内の測定点の高さに相当する信号を算出するようにしたものである。基準面位相信号を当該グループ毎に算出することによって、演算を簡略化できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に従って説明する。図1は、本発明の光干渉計の干渉位相検出方式の実施の形態に係る概略構成を示す図である。レーザ装置31は波長532nmのレーザ光f1を出射する。ビームスプリッタ33は、2つの偏光レーザ光(透過レーザ光f2と反射レーザ光f3)を光学音響素子35及び36に出力する。光学音響素子35は、透過レーザ光f2に周波数fmの変調を加え、それをレーザ光f4(=f2+fm)として反射鏡38に出射する。光学音響素子36は反射レーザ光f3に周波数fnの変調を加え、それをレーザ光f5(=f3+fn)として反射鏡37に出射する。光学音響素子35から出射するレーザ光f4は反射鏡38で反射し、ビームスプリッタ34に入射する。一方、光学音響素子36から出射するレーザ光f5も反射鏡37で反射し、ビームスプリッタ34に入射する。ビームスプリッタ34に入射したレーザ光f4とレーザ光f5は合成されて、偏光ビームスプリッタ3Aに入射される。
【0019】
偏光ビームスプリッタ3Aはレーザ光f4を反射して4分の1波長板3Dを介して参照面3Bに照射し、またレーザ光f5を透過して4分の1波長板3Eを介して測定面3Cに照射する。4分の1波長板3D及び3Eを通過した直線偏光は円偏光に変換される。参照面3Bで反射したレーザ光f4は、直線偏光から円偏光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3Aを透過して偏光板2を介して受光素子3Mに入射する。一方、測定面3Cで反射したレーザ光f5も同じく直線偏光から円偏光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ3Aで反射して偏光板2を介して受光素子3Mに入射する。すなわち、4分の1波長板3D及び3Eは入射光と戻り光の偏光を直交させ、戻り光を偏光板2へ導く。偏光板2は参照面3Bで反射したレーザ光f4と測定面3Cで反射したレーザ光f5とから干渉成分を取り出し、それを受光素子3Mに出力する。
【0020】
受光素子3Mは、図2に示すように測定面兼用画素群M1と参照面専用画素群M2,M3とからなるライン形センサで構成されている。測定面兼用画素群M1は長手方向に並んだ64個の画素で構成されている。測定面兼用画素群M1を構成する64個の画素は8個を1グループとする画素グループA〜Hに分割される。各グループA〜Hの画素はA0〜A7,B0〜B7,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E7,F0〜F7,G0〜G7,H0〜H7の符号で区別することとする。各画素グループA〜Hの各画素は連続的に配置されている。参照面専用画素群M2は、測定面兼用画素群M1の画素グループA〜Hの1画素の8個分の大きさの画素からなる4つの画素L0〜L3で構成されており、全体として画素グループA〜Hの画素数に換算して32画素分のサイズからなる。同じく、参照面専用画素群M3も、測定面兼用画素群M1の画素グループA〜Hの1画素の8画素分の大きさの画素からなる4つの画素R0〜R3で構成されている。これは参照準面専用画素群M2,M3を磁気ディスクの半径方向におけるレーザ光の入力信号を平均化するための用いるためである。
【0021】
このライン型センサの受光素子3Mの長手方向と被測定面である磁気ディスクの半径方向とが一致するように配置される。測定面兼用画素群M1の64個の各画素から高さ信号を得るために、この実施の形態では、図1の信号処理回路1を用いている。すなわち、従来は測定点用と基準点用の2つの受光素子を用いて各画素における高さ信号を得ていた。この実施の形態では、1つの受光素子3Mを用いて各画素に対応した高さ信号を得るようにしている。
【0022】
図3は図1の信号処理回路1の詳細構成の一部を示す図であり、図2の画素グループA及びBの各画素A0〜A7,B0〜B7の高さ信号を出力する部分の回路構成を示す図である。画素グループC〜Hも同様の構成なので、図示は省略してある。図1では、図3の信号処理回路1の主要な部分のみが示されている。
【0023】
図3の信号処理回路の中の半径方向平均回路1A、位相検出器2A、移動平均回路4A、位相検出器50〜57、遅延回路60〜67及び減算回路70〜77が画素グループAの各画素A0〜A7の高さ信号を出力するものであり、半径方向平均回路1B、位相検出器2B、移動平均回路4B、位相検出器58〜5F、遅延回路68〜6F及び減算回路78〜7Fが画素グループBの各画素B0〜B7の高さ信号を出力するものである。
【0024】
半径方向平均回路1Aは、測定点である画素グループAを中心として対称とみなせる区間(例えば左右に32画素相当分)の画素出力を平均化するものである。すなわち、半径方向平均回路1Aは、画素グループAの左側に位置する32画素相当分の画素L0〜L3の画素出力と、その右側に位置する32画素分の画素B0〜B7,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E7の画素出力とを入力し、これらの出力の平均値を算出するものであり、磁気ディスクの半径方向における画素出力を平均化するものである。
【0025】
位相検出器2Aは、この半径方向平均回路1Aから出力される画素出力の平均値に基づいた位相信号を出力する。位相検出方式は従来と同様の処理にて行われるので、ここでは省略する。
【0026】
移動平均回路4Aは、遅延回路の組み合わせから構成されるものであり、測定点である画素グループAが平均エリアの中心に位置するように、各画素出力(画素L0〜L3の画素出力と、その右側に位置する32画素分の画素B0〜B7,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E7の画素出力)の平均値に基づいて算出された位相信号を磁気ディスクの円周方向における位相信号の平均値として算出するものである。すなわち、移動平均回路4Aは、図4に示すように位相検出器2Aから出力された各時刻t1〜t7における位相信号を記憶しておき、その平均値を算出することによって、画素グループAの位相信号が図4(A)のように平均エリアの中心(時刻t4における画素グループA)に位置するように設定するものである。図4(B)は、画素グループEの位相信号が平均エリアの中心に位置する場合の様子を示したものである。なお、移動平均回路4Aの平均化に際して、フィルタ特性を持たせるために各時刻の信号に重み付けを行ってもよい。
【0027】
位相検出器50〜57は画素グループAの各画素A0〜A7の画素出力を入力し、それに基づいた位相信号を出力する。遅延回路60〜67は各位相検出器50〜57からの位相信号を移動平均回路4Aの遅延時間の半分だけ遅延するものである。これは、移動平均回路4Aが測定点を平均エリアの中心に位置するために所定時刻遅延しているものに対応させたものであり、測定点についてみれば所定時刻の半分だけ遅延することによって対応つけることができる。減算回路70〜77は、各遅延回路60〜67の出力から移動平均回路4Aの出力を減算することによって各画素A0〜A7の入射光に対応する地点の高さ信号T0〜T7を出力するようになる。他の画素グループB〜Hについても同様の処理にて、高さ信号を出力する。
【0028】
なお、上述の実施の形態では、測定点を含む画素グループの隣接する画素グループから所定領域内の画素群の信号を平均化することによって参照面における位相信号を得る場合について説明したが、これに限らず、測定点を含む画素グループから所定領域離れた画素グループから所定領域内の画素群の信号を平均化するようにしてもよい。これは、測定点の画素に隣接する画素は測定点の画素の影響を受ける割合が高いので、参照面における位相信号としてはノイズを含むからである。また、上述の実施の形態では、画素グループの画素数を8画素の場合について説明したが、これは一例であり、これ以外の画素数でよいことはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】
本発明の光干渉計の干渉位相検出方式によれば、1本のレーザ光を被測定面に照射することによって、被測定面の段差間距離又は突起物の高さに相当する位相差を測定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光干渉計の干渉位相検出方式の実施の形態に係る概略構成を示す図である。
【図2】 図1の受光素子の詳細構成を示す図である。
【図3】 図1の信号処理回路1の一部分の詳細構成を示す図である。
【図4】 図1の信号処理回路1の動作概念を示す図である。
【図5】 従来の光学式グライドテスタの概略構成を示す図である。
【図6】 測定面に突起又は段差等がない場合に突起又は段差の高さがどのようにして測定されるのか、その検出原理を示す図である。
【図7】 測定面に高さΔδの突起又は段差等が存在する場合に突起又は段差の高さがどのようにして測定されるのか、その検出原理を示す図である。
【符号の説明】
1…信号処理回路、2…偏光板、31…レーザ装置、32…変調手段、33,34…ビームスプリッタ、35,36…光学音響素子、37,38…反射鏡、3A…偏光ビームスプリッタ、3B…参照面、3C…測定面、3D,3E…4分の1波長板、3F,3G…受光素子、3H…位相差測定回路、3M…ライン型受光素子、1A,1B…半径方向平均回路、2A,2B,A0〜A7,B0〜B7…位相検出器、4A,4B…位相平均回路、60〜6F…遅延回路、70〜7F…減算回路

Claims (3)

  1. レーザ光を分岐し、分岐されたレーザ光を異なる周波数で変調し、各変調レーザ光を参照面と測定面に個別に照射し、前記参照面及び前記測定面からのそれぞれの反射光を合成し、合成された反射光の干渉成分を生成する光学手段と、
    前記反射光の干渉成分を受光するライン型センサで構成され、前記参照面と測定面とで兼用される複数の画素からなる第1の画素群と、前記第1の画素群の両側に設けられた参照面専用の複数の画素からなる第2の画素群とを有する受光素子手段と、
    前記第1の画素群の中の測定点の画素に対する参照面位相信号を、前記測定点の画素を中心に左右対称に位置する所定数の画の信号の平均値に基づいて算出する参照面位相算出手段と、
    前記測定点の画素の信号に基づいて前記測定点の画素に入射した前記反射光の測定点位相信号を算出する測定点位相算出手段と、
    前記測定点位相信号から前記参照面位相信号を減算することによって前記測定面における前記測定点の高さに相当する信号を算出する高さ算出手段と
    を備えたことを特徴とする光干渉計の干渉位相検出方式。
  2. 前記参照面位相算出手段は、算出された参照面位相信号の所定時間分の平均値を算出することによって、前記測定点位相信号を中心とする参照面位相信号を生成し、
    前記測定点位相算出手段は、前記測定点の画素の信号を前記所定時間の半分だけ遅延した前記測定点位相信号に基づいて前記測定点の画素に入射した前記反射光の測定点位相信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の光干渉計の干渉位相検出方式。
  3. 前記測定面兼用の画素群を所定数のグループに分割し、そのグループ毎に前記参照面位相算出手段によって参照面位相信号を算出し、算出された参照面位相信号及び前記グループ内に属する画素信号に基づいて前記グループ内の測定点の高さに相当する信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の光干渉計の干渉位相検出方式。
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