JP4203417B2 - ナノサイズの金属粒子を含むバリア材料 - Google Patents

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Description

本発明は、改良されたバリア特性を有する材料、ならびにその材料の製造方法に関する。本発明は特に、揮発性物質(特に悪臭)を放出する汚れた使い捨ておむつまたは可洗おむつなどの物品の包装、貯蔵またはラッピング用のバリア材料に関する。本発明はまた、プラスチック瓶またはコート板紙箱などの容器中の飲料または食品などの貯蔵時における異臭または異風味、特に光誘発の異臭および異風味を捕捉または捕集するためのプラスチック系バリア材料に関する。
例えば汚染物に関するバリア特性が向上した材料の開発に注目が集まっている。包装の分野では、多様な材料が用いられる。特に、ポリマー化合物または熱可塑性化合物を含む材料は広く用いられており、例えばフィルム、コーティング、半剛性もしくは剛性のシートまたは容器の形態で用いられる。
バリア特性、特に有機蒸気バリア特性の改善は、材料製造者にとっての重要な目標である。ある主要な利用分野は、液体および固体製品を含む食品、有害物質の侵入から保護しなければならない製品、あるいは貯蔵期間にわたって香り物質や有害および/または望ましくない揮発物を放出する製品等を包装するのに使用されるプラスチック系材料の提供におけるものである。
移動性または揮発性の有機汚染材料または物質は環境に由来するものもあるが、例えば印刷薬品、コーティング薬品またはリサイクル材料中の汚染物などの材料に由来する場合もあり、当然のことながらラッピングまたは包装対象の製品に由来する場合もある。本発明の意味において透過性物、汚染物または揮発性物とは、実質的に検出可能な濃度で大気中に存在し得て、既知の材料を透過し得る物質である。非常に多様な透過性物または揮発物が知られている。
長い間知られている問題は、汚れたおむつ、失禁物、医療用包帯、生理用ナプキンなどを一時的に保管するための材料または容器に関するものである。特に、最終的な廃棄または洗濯前の汚れた使い捨ておむつまたは可洗おむつの一時的保管は、長い間問題となっている。汚れたおむつから発散する悪臭は非常に望ましくないものである。
通常、汚れたおむつは鍵の掛かる容器または再封止可能なゴミ袋に保管され、それは例えば育児室に置かれてから、屋外の保管容器に移動される。汚れたおむつの一時的保管用には気密な蓋を有するプラスチック製のおむつ用バケツを使用するのがごく一般的である。前記の袋またはおむつ用バケツは、密閉すると不快な悪臭の放出を低減するものである。しかしながら、例えば当業界で公知の熱可塑性ゴミ袋のバリア特性には限界があり、満足なものではない。
さらに、袋または容器を開けると、悪臭がその付近に発散し、別の汚れたおむつを同じところに入れようとする者に極めて強い不快感を与えることになる。その上特に、おむつを取り出した後であっても、おむつ用バケツには悪臭が残る傾向がある。すなわち、そのような袋やおむつ用バケツの製造に一般的に使用されるプラスチック材料は、おむつから放出される臭気や揮発性物質を一時的に吸着する傾向がある。従って、おむつが入っているか否かとは無関係に、ゴミ袋や容器自体が悪臭源となる。
おむつは通常、非常に有効な吸水性を有し得るが、汚れたおむつから発散する不快臭に
関するバリア性は全くないか非常に低いことから、おむつ自体に関しても同様の問題が認められる。従って先行技術における問題は、幼児の皮膚と接触するおむつ表面から水分を遠ざけ、臭気を有する揮発性物質の放出を少なくとも部分的に回避する可能性がある好適な構造を提供できないという点にある。
使い捨ておむつは近年、商業的にますます受け入れられるようになっており、多くの異なる構造が提案・使用されている。通常、吸水機能は、幼児の皮膚と接触することになる繊維性の接面層、例えば高多孔性で圧縮性の低いセルロース系材料としての吸収材料層および水分不透性の裏材シートを有する多層のおむつによって得られる。
接面層は多くの場合多孔質材料製であり、それの繊維は吸収材料の繊維より水についての濡れ性が低いことから、液体は接面層から吸収ユニット内に流れる傾向を有する。放出時に(流れが速い場合)吸収ユニットを通過する液体は、吸収が起こり得る十分な時間にわたって不透性の裏材シートまたはフィルムによって止められる。しかしながら、外側層または裏材層は、揮発性物質や臭気がその層を透過するのを防止するものではない。
汚れたおむつに関して前述した問題は、例えば失禁製品、医療用包帯、生理用ナプキンまたは他の揮発性物質を発散する物品を一時的に保管するための他の材料または容器にも同様に当てはまる。同様の問題は、飲料や食品を保管するための材料または容器にも関係する。理想的には、前記材料または容器は容器の内容物の香りや味に影響を与えると考えられる物質が、容器内の食品や飲料の質を低下させるのを防止すべきである。さらに、バリア材料が容器または包装の内容物に影響を与え得るそれ自体の香りを有していたり、放出したりするものであってはならないことは明らかである。容器内容物の味の変化は、多くの場合光誘発による香りの変化によるものである。
特に、食品包装業界では頂部切妻の箱およびプラスチック瓶が広く用いられている。液体包装箱ストック( 板紙) は代表的には、両側がポリエチレンでコーティングされている。食品箱用途の場合、食品接触ポリマー( 例:LDPEおよびLLDPE、場合によりHDPE) が板紙上に押出コーティングされている。押出コーティングは、単一押出層であることができる。現在の頂部切妻箱は簡単な箱形状を保持しているが、60年間の開発と市場での使用で獲得された技術的改善が含まれている。今日その箱は、非晶質ナイロンまたはEVOHの内側バリア層および熱封止性オレフィン系ポリマーの外側層を含む特別に設計された複数の層を有することができる。LDPEは非常に多くの場合、優れた封止特性、低コストおよび軽微な異風味への寄与により、製品接触層として用いられる。
乳製品は特有の滑らかさ、刺激のない味そしてソフトな香りを有するために、異風味や異臭があれば容易に知覚され得ることから、乳製品保管用の材料または容器には重大な問題が関係する。光誘発の異風味は、牛乳を消費者にとって許容できないものにしてしまう。透明プラスチック牛乳瓶およびそれほどではないが頂部切妻のポリエチレンコート板紙箱は、光および天然リボフラビンもしくはシステインが存在すると、酸素と反応して一連の含硫黄化合物(メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルスルフィドおよびジメチルジスルフィド)を形成する。
特許文献1には、剛性または半剛性セルロースシートでのシクロデキストリンの使用が開示されている。シクロデキストリンは、汚染物に対するバリアまたはトラップとして働く。特許文献1に開示の材料のバリア特性は、シクロデキストリン分子の内側疎水性空間での個々の透過性物の捕捉に基づくものである。シクロデキストリン材料は一般に、適合性の誘導体化シクロデキストリンの形態で用いられる。特許文献1によれば、好ましいシクロデキストリンは、シクロデキストリン分子に結合した少なくとも1個の置換基を有する誘導体化シクロデキストリンである。
さらに、特許文献2から、ポリマー中に分散した適合性シクロデキストリン誘導体を有するバリア層を形成することで、熱可塑性ポリマーのバリア特性を改善することが可能であることが知られている。
特許文献3は、アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、亜鉛粉末およびマンガン粉末から選択される1以上の金属粉末を含む熱可塑性フィルムに関するものである。
この出願は、熱可塑剤および充填剤の混合物の総重量基準で、フィルムが少なくとも0.1重量%、好ましくは0.5〜6重量%のアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、マンガン粉末およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の金属粉末を含むことを特徴とする熱可塑性フィルムに関するものである。特許文献3によれば、金属粉末の平均粒径は5〜20μmの範囲である。
先行技術の上記文書のいずれにおいても、相当するバリア材料中に組み込まれた別の反応性もしくは捕捉性物質と組み合わせて変性シクロデキストリンを含むバリア材料は開示されていない。
驚くべきことに、シクロデキストリン含有材料にナノサイズ金属粒子を組み込むことで、優れたバリア特性を有する「反応性」バリア材料となることが認められている。より具体的には、バリア材料、好ましくは熱可塑性材料、より好ましくは熱可塑性フィルムであって、シクロデキストリン誘導体を含む材料中に、ナノサイズの金属または金属合金粒子が存在することは、優れたバリア特性を得る上で有利であることが認められている。現在好ましい金属は亜鉛である。
国際出願国際公開第97/33044号 国際出願国際公開第97/30122号 国際出願国際公開第93/10174号
本発明の目的は、改良されたバリア特性を有する材料、ならびにその材料の製造方法を提供することである。
本発明によれば、改良されたバリア特性を有する材料が提供され、その材料は
(a)基材材料;ならびに
(b)前記基材材料中に分散させた、
有効吸収量のシクロデキストリン材料であって、前記シクロデキストリンは包接錯体化合物を含まず、かつ該シクロデキストリンを基材材料と適合性とするペンダント基または置換基を有するα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンまたはそれらの混合物からなる、シクロデキストリン材料、および
亜鉛または同様の反応性を有する金属もしくは金属合金のナノサイズ粒子
を含む。
本発明の意味において「ナノサイズ粒子」とは好ましくは、平均直径が10〜250nmの範囲、より好ましくは40〜120nmの範囲、最も好ましくは60〜100nmの範囲である粒子である。本発明においては、平均直径が1000nmを超える粒子の使用は不利であることが認められている。例えば、厚さが10〜20μmの範囲である熱可塑性フィルムに微細粒子を組み込むことで、フィルムの穿孔が生じ、表面欠陥や小ピンホールの原因となる。
本発明によれば、亜鉛粒子、すなわち実質的に未反応型の金属亜鉛からなる粒子を用いることが特に好ましい。しかしながら本発明によれば、同様の反応性を有する金属または金属合金粒子を亜鉛粒子に代えてまたはそれに加えて用いることも想到される。亜鉛その他の金属粒子は相当する酸化物を実質的に含まないことが好ましい。
本発明によれば、使用されるシクロデキストリン材料は、ともかく低含水率を有し、好ましくはシクロデキストリン材料基準で約1重量%の含水率を有するべきである。
本発明においては、シクロデキストリン誘導体およびナノサイズ金属粒子を含む本発明のバリア材料は、その材料が透過性物、特には例えば汚れたおむつから発散される反応性透過性物に対する効果的バリアとして機能することから、汚れたおむつ、失禁製品、医療用包帯、生理用ナプキンなどを一時的に保管するための材料または容器としての使用にあるいはそれらの製造に特に好適であることが認められている。
例えば汚れたおむつから発散される揮発物または透過性物は、低分子の有機酸、有機スルフィドおよびチオール、アミン類、アンモニアならびに芳香族アルコールを含む。これら化合物のほとんどは、数ppbのヒト感覚閾値を有する。
本発明のバリア材料は、不快臭または揮発物が拡散したりバリアを透過するのを防止し、しかも拡散性の透過性物を少なくとも一部は永久的に固定または錯体化することができる。従って、相当するバリアフィルム、ゴミ袋または容器自体は悪臭を発散しないことが好ましい。
さらに本発明においては、瓶または箱の好適な食品接触層、特には牛乳接触層中に分散したナノサイズ金属粒子およびシクロデキストリンを含む本発明のバリア材料またはバリア層は、牛乳中に形成される光誘発異風味化合物を捕捉することで、風味を改善し、貯蔵寿命を長くすることができることが認められている。牛乳の異風味が接触ポリマー層中に溶解するに連れて、金属反応性異風味(例:硫化水素、ジメチルスルフィドおよびジメチルジスルフィド)がナノサイズ金属と反応してシクロデキストリンと錯形成されることで、貯蔵期間の後期における接触ポリマー層から牛乳への前記異風味の逆戻りが防止される。
本発明によるバリア材料は例えば、フィルム、コーティング、半剛性もしくは剛性シートあるいは容器、例えば改良されたバリア特性を有する本発明の材料からなる少なくとも1つの層もしくはコーティングを有するおむつバケツとしての容器であることができる。改良されたバリア特性を有する本発明の材料は、他の材料と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明のバリア材料を、ポリマーと共押出または積層して、2層フィルム、片面または両面に1以上のコーティングを有するコーティング単層、2層もしくは多層フィルムを提供することができる。改良されたバリア特性を有する材料は熱可塑性材料であることが好ましく、より好ましくは熱可塑性フィルム、封止ライナー、熱可塑性キャップまたは剛性容器の形態の熱可塑性材料である。
本発明による基材材料は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレンその他のものなどのモノマーから製造されるポリマー等の熱可塑性材料でありうる。さらにそのような熱可塑性ポリマー材料には、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コスチレン)ポリマー類、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸)、ポリ(エチレン−コ−メタクリレート)などのアクリル酸系ポリマー類;セロファン、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロースおよび三酢酸セルロースなどのセルロース化合物;ポリテトラフルオロエチレン(テ
フロン(登録商標))、ポリ(エチレン−コ−テトラフルオロエチレン)コポリマー類、(テトラフルオロエチレン−コ−プロピレン)コポリマー類、ポリフッ化ビニルポリマー類などのフルオロポリマー類、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド類;ポリカーボネート類;ポリ(エチレン−コ−テレフタレート)、ポリ(エチレン−コ−1,4−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ(ブチレン−コ−テレフタレート)などのポリエステル類;ポリイミド材料;低密度ポリエチレンなどのポリエチレン材料;直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高分子量高密度ポリエチレンなど;ポリプロピレン、二軸配向ポリプロピレン;ポリスチレン、二軸配向ポリスチレン;ポリ塩化ビニル、(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル)コポリマー類、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、(塩化ビニル−コ−二塩化ビニリデン)コポリマー類などのビニルフィルム類、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリエステル類、ポリエーテルケトン類、ポリビニルブチラールなどの特殊フィルムなどがある。
本発明の好ましい実施形態によれば、基材材料は熱可塑性材料であり、より好ましくは熱可塑性フィルムであり、その材料は高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および/または直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)ならびにポリエステル、ポリアミド類およびエチレン−ビニルアルコール−コポリマー類を含む群から選択される化合物を含む。特に好ましいポリアミドはナイロン(登録商標)である。
本発明の別の実施形態によれば、前記基材材料はセルロース系材料、好ましくはランダムに配向したセルロース繊維が連続的に並んだものからなる網状物または層を含む。
セルロース系材料は、結合した小さい個別のセルロース系繊維からなる。そのような繊維は代表的には、ほぼ恐らくは水素結合である二次結合によって合体している。セルロース系シートを形成するには、繊維を繊維添加剤、顔料、結合剤材料、二次結合剤材料その他の成分と組み合わせた繊維の水懸濁液または分散液から、微細スクリーン上で粗い網状物またはシートへと成形する。セルロース系材料は、一次繊維源と二次もしくはリサイクル繊維性材料の両方から製造することができる。リサイクル材料は固有の性質として、インク、溶媒、コーティング材、接着剤、繊維源が接触した材料由来の残留物および他の材料源などのリサイクル有機材料を含有する。
本発明のある特に好ましい実施形態によれば、「反応性」バリアフィルムが提供され、そのフィルムは平均直径が40〜100nmの範囲のナノサイズ亜鉛粒子と、有効吸収量のシクロデキストリン材料と、好ましくはアセチル化シクロデキストリン材料とを含み、前記基材材料はLDPE、LLDPEおよびHDPEを含む。前記「反応性」バリアフィルムは優れたバリア特性を提供し、例えば汚れたおむつの一時保管用のゴミ袋などの袋の製造に特に好適である。得られるバリアフィルムの厚さは好ましくは、5〜65μmの範囲、より好ましくは10〜50μmの範囲である。
本発明の意味において、フィルムは別のフィルムシートまたは材料に積層されたコーティングであることもできる。本発明の別の実施形態によれば、本発明のバリア材料のみで構成されるか、同バリア材料でできた少なくとも1つのフィルムもしくは層でコーティングされている容器、好ましくは汚れたおむつの一時保管用の気密蓋を有するプラスチックおむつバケツが提供される。
本発明の別の実施形態によれば、本発明のバリア材料を有する使い捨ておむつが提供される。本発明のバリア材料のコーティングまたはフィルムを、使い捨ておむつの外側層または裏材層上に設けて、悪臭の発散を防止または低減することが好ましい。
本発明によれば、本発明のバリア材料を有する食品接触包装材、特にはプラスチックコート板紙箱もしくは瓶も提供される。本発明のバリア材料のコーティングまたはフィルム
を瓶または箱の内側面に設けて、異風味や異臭を捕捉することが好ましい。
本発明のバリア材料の別の効果は、基材材料中に分散した亜鉛粒子が抗微生物性を有することから、材料やフィルムに抗微生物性が与えられるという点である。
本発明のバリア材料は、各種の透過性物および/または不純物に対する改良されたバリア耐性を提供する。バリア材料を通過しての揮発性物質の拡散は、使用される材料に適合性の誘導体化シクロデキストリンおよびナノサイズ金属粒子を加えることで防止される。従って本発明の材料は、食品接触包装、成人および乳児用おむつ廃棄用、失禁製品、病院および家庭での廃棄物の可撓性包装、さらには医薬品、医療機器および歯科材料の包装などの多くの利用分野にも好適である。
好ましいシクロデキストリン誘導体は、基材材料との官能基適合性、シクロデキストリン材料の熱安定性およびシクロデキストリンが揮発性物質と包接錯体を形成する能力に基づいて選択される。そのシクロデキストリン誘導体は、単一の1級炭素ヒドロキシルに1個の置換基および/または2級炭素ヒドロキシルの一方もしくは両方に1個の置換基を有することができる。
シクロデキストリンは一般に、非常に選択性の高い酵素合成によって製造される。通常それは、ドーナツ型環状に配置された6個、7個または8個のグルコースモノマーからなり、それぞれα−、βまたはγ−シクロデキストリンと称される。グルコースモノマーの特異的結合によって、シクロデキストリンには、固有の容量の中空内部を有する剛性で切断された円錐形分子構造が与えられる。この内腔部がシクロデキストリンの重要な構造的特徴であり、分子(例:芳香族、アルコール類、ハロゲン化物およびハロゲン化水素類、カルボン酸およびそれらのエステルなど)を錯体化する能力を提供するものである。錯体化された分子は、少なくとも部分的にシクロデキストリン内腔部にはめ込まれる大きさの基準を満たし、包接錯体となるものでなければならない。
本発明によれば、前記シクロデキストリンはα−シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン(β−CD)、δ−シクロデキストリン(δ−CD)またはそれらの混合物に基づいたものである。特に、好ましいシクロデキストリン誘導体は一方で基材材料との官能基適合性に基づいて、他方ではシクロデキストリンの標的物質との包接錯体形成能力に基づいて選択される。
従って第1の要件は、熱可塑性もしくはセルロース系材料との適合性ならびに製造工程での熱安定性である。「適合性」とは、好ましくは前記シクロデキストリン材料が基材材料中に均一に分散可能で、透過性材料またはポリマー不純物を捕捉またはそれと錯形成する能力を保持することができ、バリア特性をほとんど低下させることなくポリマー中に存在し得ることを意味している。
第2に、前記シクロデキストリンの内腔部の大きさ(すなわち、α、β、γ)を考慮しなければならない。誘導体官能基修飾は、標的揮発物または不純物との包接錯体形成に好適でなければならない。特有の結果を得るには、複数の腔部サイズおよび官能基を提供することが必要となる可能性がある。例えば、γ−シクロデキストリンを含むαおよび/またはβの混合物は、γ−シクロデキストリンを含有しない混合物より、一部の揮発性物質について高い錯形成効率を有する。計算モデルから、環上の官能基の種類および数が特異的配位子(すなわち、錯形成物質)に対して異なる錯形成エネルギーを提供することがわかる。その錯形成エネルギー(ΔEstericおよびΔEelectrostatic)は、特定の誘導体、腔部サイズおよび配位子について計算することができる。従って、包接錯体形成はある程度予測可能である。例えば本発明者らは、アセチル化α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびアセチル化γ−シクロデキストリンが、本発
明のバリア材料のバリア特性改善に非常に効果的なシクロデキストリン誘導体であることを認めている。
本発明による適合性シクロデキストリン誘導体は、実質的に包接錯体を含まない化合物である。本発明の場合、「実質的に包接錯体を含まない」という用語は、基材材料中に分散したシクロデキストリン材料の量がシクロデキストリン分子内部に汚染物、透過性物その他の包接化合物を含まないシクロデキストリンを有する大部分を含むことを意味する。シクロデキストリン化合物は代表的には、包接化合物を含まない基材中に添加および混合されるが、製造時にある程度の錯形成は生じ得る。
基本的に、好ましいシクロデキストリン誘導体は単一の1級炭素ヒドロキシルに1個の置換基および2級炭素ヒドロキシルの一方もしくは両方に1個の置換基を有することができる。シクロデキストリン分子の幾何形状ならびに環置換基の化学的性質のため、そのヒドロキシル基は反応性が等価ではない。しかしながら、注意を払い、有効な反応条件とすることで、そのシクロデキストリン分子を反応させて、単一種類の置換基で誘導体化された一定数のヒドロキシル基を有する誘導体化分子を得ることができる。2つの異なる置換基または3つの異なる置換基を有する誘導体化分子をさらに指向して合成することも可能である。それらの置換基は、ランダムにまたは特定のヒドロキシル基に対して設けることもできる。本発明に関しては、広い範囲のペンダント置換基部分を分子上に用いることができる。それらの誘導体化シクロデキストリン分子には、アルキルエーテル、シリルエーテル、アルキルエステルなどが可能であり、トシレート、メシレートおよび他の関連するスルホ誘導体などのシクロデキストリンエステル類、ヒドロカルビル−アミノシクロデキストリン、アルキルホスホノおよびアルキルホスファトシクロデキストリン、イミダゾイル置換シクロデキストリン、ピリジン置換シクロデキストリン、ヒドロカルビル含硫黄官能基シクロデキストリン、含ケイ素官能基置換シクロデキストリン、カーボネートおよびカーボネート置換シクロデキストリン、カルボン酸および関連する置換シクロデキストリンその他等がある。
適合化官能基として使用可能なアシル基には、アセチル、ピロピオニル、ブチリル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルおよびアクリロイル基などがある。シクロデキストリン分子のヒドロキシル基上でのそのような基の形成には、公知の反応が関与する。そのアシル化反応は、適切な酸無水物、酸塩化物ならびに公知の合成プロトコールを用いて行うことができる。
シクロデキストリン材料はまた、アルキル化剤と反応させてアルキル化シクロデキストリンを製造することもできる。アルキル化シクロデキストリンを形成する上で有用なアルキル基の代表的な例には、メチル、プロピル、ベンジル、イソプロピル、第三ブチル、アリル、トリチル、アルキル−ベンジルおよび他の一般的なアルキル基などがある。そのようなアルキル基は、適切な条件下でハロゲン化アルキルと、あるいはアルキル化能を有する硫酸アルキル反応物とヒドロキシル基を反応させる等の従来の製造方法を用いることで形成することができる。
トシル(4−メチルベンゼンスルホニル)、メシル(メタンスルホニル)その他の関連するアルキルもしくはアリールスルホニル形成試薬も、適合化シクロデキストリン分子の製造において用いることができる。
スルホニル含有官能基を用いて、シクロデキストリン分子中のいずれかのグルコース部分の2級ヒドロキシル基または1級ヒドロキシル基のいずれかを誘導体化することができる。その反応は、1級または2級ヒドロキシル基と効率良く反応し得るスルホニルクロライド反応物を用いて行うことができる。そのスルホニルクロライドは、置換を必要とする
分子中の標的ヒドロキシル基の数に応じて適切なモル比で用いる。スルホニル基は、アシル基またはアルキル基と組み合わせることができる。
スルホニル誘導体化シクロデキストリン分子を用いて、アジドイオンによるスルホネート基の求核置換を介し、スルホニル基置換シクロデキストリン分子からアミノ誘導体を形成することができる。そのアジド誘導体を次に、還元によって置換アミノ化合物に変換する。かなりの数のそれらアジドまたはアミノシクロデキストリン誘導体が製造されている。本発明で使用可能な含窒素基の例には、アセチルアミノ基(−−NHAc)、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、イソプロピルアミノ、ヘキシルアミノおよび他のアルキルアミノ置換基などのアルキルアミノなどがある。アミノまたはアルキルアミノ置換基はさらに、その窒素原子と反応してアミン基をさらに誘導体化させる他の化合物を反応することができる。
前記シクロデキストリン分子はまた、イミダゾールのペンダント基、ヒスチジン、イミダゾール基、ピリジノおよび置換ピリジノ基などの複素環核で置換することができる。
シクロデキストリン誘導体を含硫黄官能基で修飾して、シクロデキストリン上に適合化置換基を導入することができる。上記のスルホニルアシル化基は別として、スルフヒドリルの化学的性質に基づいて製造される含硫黄基を用いて、シクロデキストリンを誘導体化することができる。そのような含硫黄基には、メチルチオ(−−SMe)、プロピルチオ(−−SPr)、t−ブチルチオ(−−S−−C(CH)、ヒドロキシエチルチオ(−−S −−CHCHOH)、イミダゾリルメチルチオ、フェニルチオ、置換フェニルチオ、アミノアルキルチオ等がある。上記のエーテルまたはチオエーテルの化学的性質に基づいて、ヒドロキシルアルデヒドケトンまたはカルボン酸官能基を末端とする置換基を有するシクロデキストリンを製造することができる。ケイ素の化学的性質を用いて形成された誘導体を有するシクロデキストリンは、適合化官能基を有することができる。
本明細書においてケイ素エーテルと称するシリコーンを含有する官能基を有するシクロデキストリン誘導体を製造することができる。シリコーン基とは通常、単一の置換ケイ素原子を有する基あるいは置換基を有する繰り返しシリコーン−酸素骨格を指す。代表的には、シリコーン置換基におけるかなりの割合のシリコーン原子がヒドロカルビル(アルキルまたはアリール)置換基を有する。シリコーン置換材料では通常、熱安定性および酸化安定性ならびに化学的不活性性が高い。さらに、シリコーン基は耐候性を高め、絶縁耐力を付与し、表面張力を向上させる。シリコーン基がシリコーン部分に単一のケイ素原子または2〜20個のケイ素原子を有することができ、直鎖または分岐であることができ、多数の繰り返しシリコーン−酸素基を有し、各種官能基によってさらに置換可能であることから、シリコーン基の分子構造を変化させることができる。本発明に関しては、置換基部分を有する簡単なシリコーンが好ましく、それにはトリメチルシリル基、混合メチル−フェニルシリル基などがある。
本発明の好ましい実施形態では、前記シクロデキストリン材料はシリルエーテル基、アルキルエーテル基および/またはアルキルエステル基を有する置換基を含む。本発明によれば、前記アルキルエステル置換基は好ましくは、アセチル部分、プロピル部分および/またはブチル部分を有し、アルキルエーテル置換基は好ましくはメチル部分、エチル部分および/またはプロピル部分を有し、シリルエーテル置換基は好ましくはメチル部分、エチル部分、プロピル部分および/またはブチル部分を有する。
本発明によれば、基材材料中のシクロデキストリン誘導体の量は好ましくは、基材材料基準で約0.01〜5重量%、好ましくは約0.1〜1重量%の範囲である。
本発明によれば、基材材料中の亜鉛または同様の反応性を有する金属もしくは金属合金の量は好ましくは、基材材料基準で約0.01〜5重量%、好ましくは約0.025〜0
.50重量%の範囲である。
本発明で使用されるポリマーおよびセルロース系材料に、触媒、安定剤、加工助剤、充填剤、顔料、色素および酸化防止剤などのシクロデキストリンの性能に悪影響を与えない他の添加剤を含めることもできる。
フィルムは通常、厚さが0.25ミリメートル(mm)以下、代表的には0.01〜0.20mmであると見なされる。シートは、厚さ約0.25mmから数cm、代表的には0.3〜3mmの範囲であることができる。フィルムまたはシートは、積層によって他のシート、構造単位などと組み合わせて使用することができる。重要な特性には、引張り強度、伸度、堅牢性、引裂き強度および耐性;曇り、透明性などの光学特性;水蒸気および他の透過性物などの各種透過性材料の水吸収および透過などの耐薬品性;誘電率などの電気特性;ならびに収縮、割れ、耐候性などの性能特性などがある。
本発明によれば、本発明のシクロデキストリン誘導体およびナノサイズ亜鉛粒子を含む基材材料を含有するコーティング組成物を付与することでコーティング品のバリア特性を改善することも想到される。コーティング機械は一般に、フィルム形成材料、有効量の置換シクロデキストリン材料およびナノサイズ金属粒子を含めたコーティング組成物を形成および維持する上で役立ち得る添加剤を含む液体組成物を塗布するものである。
本発明の別の実施形態によれば、修飾シクロデキストリンおよびナノサイズの亜鉛もしくは同様の反応性を有する金属を熱可塑性材料中に分散させる。得られるバリア材料は、単一の層からなる均一材料であることができる。本発明においては、例えば共押出または積層によって構造バリア材料を提供または製造することで、2層フィルム、片面または両面に1以上のコーティングを有するコート単層、2層もしくは多層フィルムあるいは板紙−箔−プラスチック複合材料を提供することも想到される。
基材材料が熱可塑性材料である場合、少なくとも1種類の熱可塑性ポリマー、修飾シクロデキストリンおよびナノサイズの亜鉛または同様の反応性を有する金属を含む本発明のバリア材料は、例えば下記の手順によって作製することができる。
第1段階では、例えば押出によって少量成分、すなわち修飾シクロデキストリンを主要成分、すなわちポリマー中に物理的に混合および分散させることでシクロデキストリン含有熱可塑性材料を製造する。好適な押出技術には、いわゆる「直接取り込み」および「マスターバッチ添加」などがある。いずれの方法においても、二軸型共回転分割式バレル押出機を用いることが好ましい。当然のことながら、シクロデキストリン材料をポリマー材料中に混合または分散させるのに、逆回転式または単軸型押出機を用いることも可能である。修飾シクロデキストリンは個別にまたは他の好適な添加剤もしくは補助剤と組み合わせて加えることが可能であることは明らかであろう。
シクロデキストリン材料をポリマー材料中に混合または分散させた後、得られた溶融プラスチックにナノサイズ亜鉛粒子を分散させる。添加される反応性亜鉛粒子は通常、亜鉛を酸素および水分から保護するために鉱油中に分散させたものである。その鉱油は、例えば熱および減圧を用いて押出機中でプラスチックから除去する。得られた材料は、例えば押出機から排出し、ペレットとする。
しかしながら、亜鉛または金属粒子を基材材料に加え、次にシクロデキストリン材料を加えて、本発明によるバリア材料を得ることも可能である。
当然のことながら、熱可塑性材料は吹出し(ブロー)熱可塑剤押出、直線2軸延伸フィルム押出および溶融した熱可塑性樹脂、モノマーまたはポリマー(水系または有機溶媒系
)分散液からの鋳造などの各種方法を用いて、バリアフィルムに成形することができる。これらの方法は公知の製造手順である。
以上の議論は本願の各種実施形態ならびに本発明の封止化合物および密閉要素のバリア特性を説明するものである。以下の実施例およびデータは、本発明のさらなる例を示すものである。
(ミクロサイズおよびナノサイズ亜鉛マスターバッチ配合)
分割式バレル(9バレル)共回転配合押出機(ワーナー・プフライデラー社(Warner Pfleiderer Corporation )ZSK -30mm)を、フィルム用高密度ポリエチレン(HDPE)
およびトリアセチルα−シクロデキストリン用の上流供給領域を設けて構成した。減量式供給装置を用いて、第1バレルにHDPEを送る。第2の微小減量式供給装置によって、第1バレルに約0.83kg(1.82ポンド)/時でシクロデキストリンを送り込む。次に、その2つの材料を溶融させ、分散・分配混合によって混和し、次に溶融シールを施す。配合した材料を融点270℃で23.6kg/時で押し出した。スクリューを90%トルクで400rpmにて回転させた。次に、亜鉛混合物を低注入速度ポンプ(マノスタティック(Manostatic)製のミニスタティック(Ministatic)ポンプ)を用いて注入ノズルから、バレル4で下流のスクリューの低充填個所に導入する。亜鉛注入前の溶融シールは、注入領域を大気から分離することで、溶融材料のみが亜鉛混合物と接触するようにするものである。Znを鉱油1mLあたり0.467g含有する亜鉛混合物(82.5g/時でポンプ送り)を、ギア混合要素を用いて導入する。材料は、揮発分除去領域(660mmHgの減圧で操作)を通過してから、4穴ストランドダイを通って排出される。そのストランドは水浴と2個の空気ワイプを通過してから、ストランドカッターに入る。バッグ・シーラーで熱封止することで用時まで大気による汚染を防止した窒素パージしたMylar(登録商標)/箔複合材袋に最終ペレットを入れる。この配合方法を用いて、2つのマスターバッチ(亜鉛とシクロデキストリン)を製造した。
マスターバッチ配合物#1は、95.15%のHDPE、0.35%のナノサイズ粒子の亜鉛(80〜100nm)および3.5%トリアセチルα−シクロデキストリンを含有していた。マスターバッチ配合物#2は95.15%のHDPE、0.35%のミクロサイズ粒子の亜鉛(平均粒子径9790nm)および3.5%トリアセチルα−シクロデキストリンを含有していた。ミクロ−およびナノ−亜鉛材料は、アルドリッチケミカル(Aldrich Chemical)から入手し、トリアセチルα−シクロデキストリンはワッカー・バイオケム社(Wacker Biochem Corporation)製造によるものである。ナノ亜鉛材料のヘキサン溶媒は、軽鉱油(アルドリッチ)と交換した。
第3のマスターバッチ配合物は、亜鉛を用いずにトリアセチルα−シクロデキストリンを用いて製造した。この押出機スクリューの設計では23.5kg/時および融点265℃で配合材料が製造された。スクリューは400rpmおよび90%トルクで回転させた。次に、材料を揮発分除去領域(660mgHgの減圧で動作)に通過させてから、4穴ストランドダイを通って排出した。ストランドは、水浴および2個の空気ワイプを通過させてから、ストランドカッターに進入させる。最終ペレットを、窒素パージしたMylar(登録商標)/箔複合材袋に入れ、熱封止する。
Figure 0004203417
(フィルム作製)
高密度ポリエチレン樹脂および表1の3つのマスターバッチ配合物を用いた一連のフィルムを、インフレート法(blown film extrusion)によってフィルム(表2)に変換した。これらのフィルムは、キリオン(Killion )の実験室スケールのブロー(インフレート)フィルムラインでブロー成形した。押出機に、厚さ20μmフィルムの場合1.8kg/時の出力で72rpmにて、厚さ50μmフィルムの場合3.6kg/時の出力で122rpmにて作動させる直径19mm(L/D比24:1)のスクリューを取り付ける。バージンフィルム用HDPEのみを対照として用いて押出機を十分に作動させ、使用前に機械的回転によって予め混合しておいた(バージン樹脂/マスターバッチの重量比10:1)マスターバッチ配合物#1、#2および#3を用いる。
ブローフィルムラインの環状フィルムダイは、直径31.75mmであり、270℃で作動させる。押出ポリマーチューブバブルはいずれのフィルム厚についても直径23cmを有する。2つの押出機領域はそれぞれ238℃および240℃で作動させる。フィルムダイアダプターへの押出機は238℃で作動させる。
Figure 0004203417
(フィルム表面分析)
ブローフィルム表面を、エクセレレイティング(excellerating )電圧20Kvで作動させた圧力可変型の走査電子顕微鏡(SEM)を用いて包含亜鉛粒子について調べた。図1および2は、倍率2500倍でのフィルム#3(ミクロ亜鉛)表面およびフィルム#2(ナノ亜鉛)表面のSEM顕微鏡写真である。次に、SEMによってミクロ亜鉛フィルムで認められた包含粒子をエネルギー分散型スペクトル測定によって分析した。図1に示した亜鉛粒子のX線スペクトルを図3に示してある。
ミクロ亜鉛とナノ亜鉛のフィルム表面においてかなりの差がSEMによって認められ、それらの差は図1および2における顕微鏡写真を比較することで容易に肉眼で認められる。ミクロ亜鉛含有フィルムは、フィルム表面に多くの包含亜鉛粒子を示した。図1に示した粒子は、約6μm(6000nm)の直径を有する。ナノ亜鉛フィルム表面では亜鉛粒子は検出されなかった。この所見の重要性は、フィルム表面に包含されるミクロメートル
サイズの亜鉛粒子がピンホールやフィルム全厚にわたる完全な穴などの欠陥の原因となり得るという点である。フィルム表面に粒子があると、薄い高バリアフィルムにおける望ましくない特徴である毛細管流動が発生し得る。
(静的透過試験)
バリアを通っての透過は、時間ゼロ(t)での膜が最初に透過性物の蒸気を含まない場合に説明することができる。膜の上流面での浸透圧pが上昇して、表面層cに濃度を与える。拡散とは、透過性物が濃度勾配方向に膜内を移動する速さおよびそれが定常状態に到達する時間の尺度である。下流圧pは測定可能であるが、短い時間では上流圧pに対して無視できる。定常状態に達したら、フィルムを透過する蒸気の量は時間とともに直線的に増加する。時間が長くなると、上流圧pは下流圧pと等しくなる。
気体または蒸気(透過性物)が膜中のポリマーと相互作用しない場合、透過係数Pは通常はその透過性物−ポリマー系に特有である。それは、水素、窒素および酸素などの多くの気体が多くのポリマーを通って透過する場合にあてはまる。有機透過性物の場合のように透過性物がポリマー分子と相互作用する場合はPはもはや一定ではなく、圧力、フィルム厚および他の条件によって変わり得る。そのような場合、単一のP値はその膜の特徴的透過性を表していない。等式(1)は、Pを決める要因(dimensions)を示すものである。
P=(透過性物の量)(フィルム厚)/(面積)(時間)(フィルム厚方向の圧力の落差)
(1)
上記の場合に、所定温度での透過性物の蒸気圧がフィルム厚方向に加わる場合実際には透過速度Qが用いられることが多い。
水および有機化合物に対する膜の透過性は、多くの場合下記のように表現される。等式(2)は、Qを決める要因を示している。
Q=(透過性物の量)(フィルム厚)/(面積)(時間) (2)
透過係数を決定する上での主要な変数は、フィルム厚方向での圧力の落差である。透過速度Qは透過性物の圧力もその容積内での濃度も含まないことから、測定条件下での蒸気圧または透過性物濃度のいずれかを知ることがQをPに相関させる上で必要である。下記の閉鎖容積透過試験法では、上流側セル中に導入される透過性物の量はごくわずかであることから、フィルムの上流面でのpは一定ではない。下流側圧力pは、経時的な質量流量[百万分の一(ppm)すなわちμl/L(体積比)]として測定および報告される。
図1に示したように、フィルムを透過する蒸気の量は、定常状態に達すると直線的に増加する。長時間になると、上流圧力pは下流圧力pと等しくなる。
定常状態の直線部分をQ=0に外挿すると切片はt=θ(遅延時間)となり、等式(3)はDを決める要因を示す。
D=l/6θ (3)
ある実験から、透過率は漸近線の傾きから計算することができ、拡散速度は遅延時間θから計算することができ、平衡濃度は長時間ではp=pである。
(有機性蒸気の透過)
閉鎖容積透過法では、静的濃度勾配を用いて、ポリマーフィルム構造を通過する有機分子輸送を測定する実験技法を行う。炎イオン化検出(FID)または電子捕獲検出(ECD)を伴って作動する高分解能ガスクロマトグラフィー(HRGC)を用いて、下流側の
累積透過性物濃度を測定する。
この方法では、単一透過性物または共透過性物の試験フィルム厚方向の流れを測定するよう設計された実験技法を行う。FIDまたはECDを伴って作動するHRGCを用いて、下流側セルにおける経時的な累積透過性物濃度の変化を測定する。下流側透過性物は、下流側セルから固相マイクロ抽出(SPME)によって定量的に回収され、HRGC/FIDまたはECDによって分析される。個々の透過性物濃度を較正標準線から求め、気体法則を用いてμL/Lまたはppm(体積比)で測定する。
(装置条件)
透過性物の標準濃度液を、1%トリトン(Triton)X100水溶液で調製した試験透過性物を含む原液を希釈することにより調製した。作業用希釈液は、希釈した原液1μL〜20μLを加えることで、1200mLの上流側セルへの透過性物量を与えるようにした。分析に使用した下記のSPME HRGC/ECDおよびHRGC/ECD装置条件を表3に示してある。
Figure 0004203417
フィルムサンプル(厚さ約20μmおよび約50μm×直径13.5cm)を閉鎖容積蒸気透過装置(図5参照)で調べる。この実験的閉鎖容積透過法では、被験フィルム(有効フィルム面積=143cm)によって分離された2つのガラス区画(すなわち、セル)を用いる。上流側セルは、1200mLの容積を有し、下流側セルは280mLの容積を有する。試験フィルムを上流側および下流側のセルの間に配置する。これらのセルは、ガラスセルフランジの間に試験フィルムを密封固定するための柔らかいアルミニウム製封止リングと、2個のセルを一体でしっかりと締め付けるためのネジとを用いて組み立てる。2つの透過標準液を調製する。第1の透過標準液はクロロ酢酸を含む。第2の透過性物標準液は、ヘキサナール、酪酸およびイソ吉草酸を含む。個々の透過性物の物理的および
化学的パラメータを表1に示してある。これらの透過性物を脱イオン水/界面活性剤(トリトン(Triton)X100)混合物に分散させる。透過性物、水/界面活性剤混合物を大きい方の上流側セルに注入して、表6および表7で示したtでの濃度pを得る。下流側セルでの透過性物濃度pは、気体法則を用いてppm−μL/L(体積比)で表してある。
Figure 0004203417
(亜鉛フィルム能力の定量的評価)
亜鉛含有フィルムを湾曲させて円筒形にし、それをガラス製のジャーに入れ、次にそのジャーを密閉して、反応性試験蒸気で満たすことにより、フィルムの反応性および能力を測定した。蒸気は、フィルムの両面に分配する。この試験では、ガラス製ジャーのヘッドスペースで時間の関数として蒸気濃度を測定する。そのデータを用いて、それらの反応性バリアがどの程度の性能を有するかを定量的に評価する。この実験でのナノ−およびミクロ−亜鉛フィルムは同じ重量(1.664g)であり、ナノ亜鉛フィルムとミクロ亜鉛フィルムの面積は約384cmである。クロロ酢酸蒸気とフィルム中の亜鉛の間の化学反応の効果は、ジャー内の蒸気濃度低下である。HDPEポリマーが同一であることから、両方の試験フィルムにおいて分配係数および拡散係数は同じである。長時間試験(>60分)で、ナノ−およびミクロ−亜鉛フィルム間の反応程度と反応速度がわかる。その化学反応の効果は、亜鉛含有フィルム中へのクロロ酢酸の取り込み増加による、それに応じたヘッドスペース内での減少である。ゴム製セプタムを介してガラス製ジャー内にメタノールに溶かしたクロロ酢酸(4.84μg/μL)を4回順次1μLずつ注入した。時間ゼロで初回注入を行い、その後に3回の追加注入をそれぞれ60分、85分、110分で行った。4分で開始し6分で終了する2分間のSPMEサンプリング期間を用いて、60分での2回目のクロロ酢酸注入後5分ごとに時間複合(time composite)サンプルを採取することで、ヘッドスペースを測定した。下流側SPMEサンプルを、HRGC/ECD(方法条件は表3)によって分析する。結果を表5に示し、図6にプロットしている。
Figure 0004203417
この実験では、ナノ−およびミクロ亜鉛バリアについての機能上の能力の評価が得られる。時間の関数としてのクロロ酢酸濃度に対する最小自乗直線回帰により、ナノ亜鉛について0.0070μg/分、ミクロ亜鉛について0.0176μg/分の勾配が示される。クロロ酢酸濃度勾配は、60分〜130分の経過時間においてミクロ亜鉛フィルムの方がナノ亜鉛フィルムの2.5倍である。驚くべきことに、4.84μgの各順次注入後のヘッドスペースにおけるクロロ酢酸蒸気の減少量は、ミクロ亜鉛と比較してナノ亜鉛の方が有意に大きかった(図6参照)。クロロ酢酸がポリマー基材中での蛇行した拡散行程中に亜鉛粒子と衝突する確率が高くなると、単位時間当たりの減少が大きくなる。それは、拡散係数が大きい反応性透過性物の場合には特に重要である。本実施例は、フィルム容積内部で両方の亜鉛粒子が同じ質量を有する場合、ある一定の薄いフィルム容積中でより小さい粒子の数が多ければ、大きい粒子が多い場合より有効であることを明瞭に示している。化学反応速度がより大きいということの効果は、拡散時の透過性物取り込みの増加と、次に膜を通過する輸送が大きく遅延されるという点である。
(遅延拡散)
この方法では、短時間での20μm試験フィルムを通過するトリクロロ酢酸流量を測定するよう設計された実験技法を行う。ECDとともに作動させるHRGCを用いて、22℃の上流側セルにおける累積クロロ酢酸濃度の変化を測定する。1分後およびそれ以降の5分ごとに、下流側セルから時間複合サンプルをSPMEによって採取し、4分で開始し6分で終了する2分間のSPMEサンプリング期間を用いて(方法条件は表3)、HRGC/ECDによって分析する。クロロ酢酸濃度を較正標準線から求める。表6にはt=0での上流側セルにおけるクロロ酢酸の濃度pを示してあり、遅延拡散は、フィルム#1(対照)、フィルム#2(ナノ亜鉛)、フィルム#3(ミクロ亜鉛)およびフィルム#4(トリアセチルα−シクロデキストリン)について時間軸に対して外挿した定常状態クロロ酢酸透過の直線部分に基づいたものである。
Figure 0004203417
表6から、ミクロ亜鉛についてのクロロ酢酸の遅延拡散はフィルム#1(対照)の4.8倍であり、フィルム#2(ナノ亜鉛)はフィルム#1(対照)の8.3倍というかなり大きい遅延時間を示したことがわかる。クロロ酢酸に関してフィルム#2の遅延時間は、フィルム#3の遅延時間の1.7倍である。ナノサイズ亜鉛の効果は、遅延拡散の大幅な増加である。
実施例3は、実施例1および2で得られた結果を他の拡散特性と組み合わせて、ナノ亜鉛を用いてどの程度良好なバリアフィルムを作製可能であるかを示す方法を明らかにするものである。この方法では、50μm試験フィルムの厚さ方向での3種類の共透過性物(ヘキサナール、酪酸およびイソ吉草酸)の流量を測定するよう設計された実験技法を行う。FIDとともに作動させるHRGCを用いて、上流側セルにおける経時的な累積共透過性物濃度の変化を測定する。30分ごとに、時間複合サンプルを下流側セルからSPMEによって採取し、90分で開始し105分で終了する15分間のSPMEサンプリング期間(サンプリング期間の中間点は97.5分である)を用い、その後は240分まで30分ごとにサンプリングし、最終サンプリング中間点期間を1440分としてHRGC/FIDによって分析する。ヘキサナール、酪酸およびイソ吉草酸濃度を較正標準線から求め、気体法則を用いてμL/Lまたはppm(体積比)で測定する。表7には、t=0での下流側セルにおける各共透過性物濃度pおよび表7における各共透過性物の下流側での累積浸透物濃度を示してある。表7での累積透過性物濃度を、図7、8および9で時間の関数としてプロットしている。
Figure 0004203417
表7の4種類のフィルムの機能的性能を、フィルムが漏れを開始したばかりの短時間期に集中して評価する。平衡濃度p=pとなっている長時間期には、バリアはもはや有効ではない。拡散の速度は、バリアポリマーの透過性と拡散透過性物の拡散の屈曲性の両方に支配される。遅延時間は、これらの特性およびバリアの反応性の両方によって影響を受ける。従って、バリアの透過性、屈曲性または反応性を変えることでより良好なバリアが開発される。表7には、HDPEフィルムを通る有機透過性物の透過速度を低下させるか、あるいは有機透過性物がHDPEフィルムを通過するのに要する遅延時間を延長することによるこれらの原理を示す試験結果が得られている。
第1の共透過性物であるヘキサナールは、亜鉛に関して非反応性の透過性物であるが、シクロデキストリンによって捕捉(錯形成)される。図7から、フィルム#4(TA−α−CD)では遅延時間がより長く、定常状態における透過勾配がより小さく、長時間期の
平衡状態ではかなりの低値を有することが明らかである。フィルム#2およびフィルム#3は、同様の短時間期および長時間期における機能性を有する。いずれの場合も、フィルム#2、3および4は全て、フィルム#1(対照)と比較して良好なバリア性能を有する。
第2の共透過性物である酪酸は、反応性亜鉛に関して反応性を有する透過性物であるが、シクロデキストリンによっては捕捉(錯形成)されない。酪酸は、3種類の透過性物の中で最も速く拡散し、それの解離定数(pK=4.81)は、イソ吉草酸(pK=4.81)およびクロロ酢酸(pK=2.85)より大きい。図8に示したように、フィルム#2(ナノ亜鉛)の反応性における差は、フィルム#3(ミクロ亜鉛)より有意に大きい。フィルム内部で新たな非移動性透過性物を形成する透過性物と亜鉛との間の反応速度(すなわち、時間当たりの化学変化の量)が非常に重要である。透過性物が急速に拡散し、反応が遅い場合は、透過プロファイルにおける変化はごくわずかであるかまたは認められない。フィルム#3(ミクロ亜鉛)のバリア性能はフィルム#1(対照l )より低いが、フィルム#2(ナノ亜鉛)はかなり改良されたバリア性能を示す。フィルム#3(ミクロ亜鉛)の場合での酪酸バリア性能が低いのは、ピンホール、表面欠陥およびHDPE本来のバリア特性を変えるブローフィルムの他の欠陥に関係するものである。
第3の共透過性物であるイソ吉草酸は、亜鉛に関して反応性を有する透過性物であり、シクロデキストリンによってある程度捕捉(錯形成)される。イソ吉草酸は3種類の透過性物の中で最も遅く拡散し、その解離定数(pK)は酪酸より小さいが、クロロ酢酸より大きい。図9に示したように、フィルム#2(ナノ亜鉛)の反応性における差はこの場合もフィルム#3(ミクロ亜鉛)より有意に大きい。イソ吉草酸の拡散速度が相対的に遅く、解離定数(pK)が相対的に小さいことで、酪酸と比較してフィルム#3(ミクロ亜鉛)との反応性が高くなっている。フィルム#3(ミクロ亜鉛)のバリア性能は、フィルム#2(ナノ亜鉛)より有意に低い。いずれの場合も、フィルム#2、3および4は全てフィルム#1(対照)より良好なバリア性能を有する。
(フィルム悪臭透過の感覚的評価)
合成おむつ悪臭濃縮物(Bush Bake Allen, Ltd.製造)を用いて、表1のブローフィルムの臭気バリア性能を評価した。ガスクロマトグラフィー質量分析による「無希釈の」悪臭濃縮物の分析で、ほぼ15種類の主要化合物のあることがわかった(表8)。その合成悪臭中に含まれる化学物質の一般的分類は、有機酸類、硫黄化合物、窒素化合物および芳香族アルコール化合物である。表7に示す化合物のほとんどが、数ppbのヒト感覚閾値を有するものであり、ある化合物3−メチルインドール(スカトール)の場合には、数pptの閾値である。
Figure 0004203417
合成おむつ悪臭化合物についてのヒト感覚閾値は機器分析法によるこれら化合物の検出
限界よりかなり低いことから、現実の不快感覚値を代表する濃度での標準的な静的透過試験における該化合物の検出は実施が困難である。静的透過についての機器分析法はあきらめ、感覚法(すなわち、ヒトの鼻)をそれに代えて行った。
実験的なフィルムのおむつ悪臭低減性能を、商品名メーソン(Mason )のガラス製充填ジャーから構成された静的透過セル中で測定した。各ジャーは約450mLの容量を有する。2個のネジ蓋をエポキシ系接着剤で頂部同士貼り付けて、2個のジャーを図10に示すように取り付ける。これらのジャーの一方はおむつ悪臭用貯留槽として用い、ジャーの口部上にフィルムを延ばし、そのフィルム上に蓋をねじ込むことでフィルムを取り付ける。他方のジャーは、透過する悪臭化合物用の回収貯留槽として用いる。このジャーは反対側の蓋にねじ込み、臭気を評価するために試験中は定期的に外す。テフロン(登録商標)テープをガラス製ジャー上に施してから組立を行うことで、試験中のジャーの密閉を確実に行う。悪臭感覚評点を経時的にプロットして、悪臭透過プロファイルを得る。
おむつ悪臭濃縮物を脱イオン水で1500倍に希釈した。その悪臭希釈液5mLを悪臭貯留槽側の円錐形濾紙に移す。次に、試験フィルムをジャーの開口端上に乗せ、ジャーの蓋からフィルムが約3.5cmはみ出すようにする。次に、両面キャップをしっかりねじ込み、次に臭気評価ジャーを取り付ける。フィルムをネジキャップによって密閉した後、ジャーの外側にネジキャップからはみ出ているフィルムを切り取る。希釈液5mLは、活性悪臭化合物重量約650μgに相当する。注入する活性悪臭化合物の重量は、この方法で使用する試験フィルムの能力を超えている。多量の悪臭脱イオン水希釈液を調製して、悪臭貯留槽側で高水蒸気濃度となるようにして、おむつ保管袋内部の環境をシミュレーションした。臭気評価ジャーの蓋を開け、臭気を評価してから直ちに蓋を再度取り付ける。悪臭強度について、24時間の試験期間中に8回の臭気評価を行う。フィルムの評価は最初の3時間では高頻度で行って(1時間に1回)遅延拡散について推定し、その後は6時間後、8時間後、14時間後、18時間後および24時間後に評価を行った。0=悪臭なし〜8=非常に強い悪臭という8点のカテゴリースケールを用いた。4種類のフィルムサンプルについてのフィルム悪臭感覚評点およびグラフ化した経時プロファイルを図11にプロットしている。
Figure 0004203417
表11の試験結果は、遅延拡散(5倍を超える改善)ならびに26時間後の平衡透過率(約1.8倍の改善)のいずれにおいても、フィルム#1(対照)と比較して、フィルム
#2(ナノ亜鉛)において大幅な改善のあることを示している。単なる悪臭軽減ではなく悪臭透過の遅延が、例えばおむつ保管袋が保管バケツや生活区域を汚染する臭気を経時的に発散し得る確率が低くなることを意味することから、遅延拡散が最も重要である。図11におけるフィルム悪臭感覚プロファイルは、フィルム#1(対照)と比較してフィルム#3(ミクロ亜鉛)は遅延時間および平衡プロファイルが悪いことを示している。その結果は実施例3よりもこの試験でより明瞭に示されており、透過性物の種類ならびに機器検出よりヒトによる検出の方が透過性物の検出が低値であることの両方に関連している。フィルム#3(ミクロ亜鉛)についての悪臭性能が低いことは、ピンホール、表面欠陥およびHDPE固有のバリア特性を低下させるブローフィルムでの他の欠陥に関係するものであると考えられる。反応性ナノ亜鉛バリアと活性シクロデキストリンバリアの組み合わせが、シクロデキストリン単独またはミクロ亜鉛とシクロデキストリンの場合と比較して、有機透過性物の拡散をかなり良好に遅延させることが明らかになった。
フィルム#3(ミクロ亜鉛)のSEM顕微鏡写真。 フィルム#2(ナノ亜鉛)のSEM顕微鏡写真。 図1の亜鉛粒子(フィルム#3)のエネルギー分散X線スペクトルを示すグラフ。X軸:エネルギー(keV);Y軸:カウント数。 遅延時間θ、定常状態および平衡濃度p=pを有する代表的な透過プロファイルを示すグラフ。 アルミニウム封止リングおよびフィルムを有する閉鎖容積のガラス製透過セルを示す図。 最小自乗直線回帰および回帰直線式を付した、フィルム#2(ナノ亜鉛)およびフィルム#3(ミクロ亜鉛)についてジャーヘッドスペースのクロロ酢酸濃度を時間に対しプロットしたグラフ。 フィルム#1、フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4についてのヘキサナールの閉鎖容積内透過プロファイルを時間の関数として示すグラフ。透過温度22℃および全フィルム厚50μm。 フィルム#1、フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4についての酪酸の閉鎖容積内透過プロファイルを時間の関数として示すグラフ。透過温度22℃および全フィルム厚50μm。 フィルム#1、フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4についてのイソ吉草酸の閉鎖容積内透過プロファイルを時間の関数として示すグラフ。透過温度22℃および全フィルム厚50μm。 悪臭蒸気透過感覚試験における閉鎖容積の静的透過セル。 フィルム#1、フィルム#2、フィルム#3およびフィルム#4についての閉鎖容積内悪臭透過プロファイルを時間の関数として示すグラフ。透過温度22℃および全フィルム厚50μm。

Claims (33)

  1. 改良されたバリア特性を有する材料であって、
    (a)基材材料;ならびに
    (b)前記基材材料中に分散した、
    有効吸収量のシクロデキストリン材料であって、前記シクロデキストリンが包接錯体化合物を含まず、かつ該シクロデキストリンを基材材料と適合性とするペンダント基または置換基を有するα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンまたはそれらの混合物からなる、シクロデキストリン材料、および
    鉛のナノサイズ粒子
    を含むことを特徴とする材料。
  2. 鉛のナノサイズ粒子が10〜250nmの範囲の平均直径を有する請求項1に記載の材料。
  3. 鉛のナノサイズ粒子が40〜120nmの範囲の平均直径を有する請求項1に記載の材料。
  4. 鉛のナノサイズ粒子が60〜100nmの範囲の平均直径を有する請求項1に記載の材料。
  5. 前記亜鉛粒子が酸化亜鉛を含まない亜鉛粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 前記基材材料が熱可塑性材料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
  7. 前記熱可塑性材料が、熱可塑性フィルム、封止ライナー、熱可塑性キャップまたは剛性容器の形態の熱可塑性材料である請求項6に記載の材料。
  8. 前記熱可塑性材料が、ポリオレフィン類、ポリエステル、ポリアミド類、エチレン−ビニルアルコール−コポリマー類、エチレン−酢酸ビニルコポリマー類、ポリスチレン、ポ
    リスチレンコポリマー類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル)コポリマー類、ポリエーテルケトン類またはそれらの混合物を含む群から選択される請求項6または7に記載の材料。
  9. 前記熱可塑性材料が、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む群から選択されるポリオレフィンと、ポリエステル、ポリアミド類およびエチレン−ビニルアルコール−コポリマー類を含む群から選択される化合物とを含む請求項6〜8のいずれか1項に記載の材料。
  10. 前記基材材料がセルロース系材料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
  11. 前記セルロース系材料が、ランダムに配向したセルロース繊維からなる網状物またはシートである請求項10に記載の材料。
  12. 前記基材材料中のシクロデキストリン誘導体の量が、前記基材材料基準で0.01〜5重量%の範囲である請求項1〜11のいずれか1項に記載の材料。
  13. 前記基材材料中のシクロデキストリン誘導体の量が、前記基材材料基準で0.1〜1重量%の範囲である請求項1〜12のいずれか1項に記載の材料。
  14. 前記シクロデキストリン材料が、前記シクロデキストリン材料基準で1重量%の含水率を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の材料。
  15. 前記基材材料中の亜鉛のナノサイズ粒子の量が、前記基材材料基準で0.01〜5重量%の範囲である請求項1〜14のいずれか1項に記載の材料。
  16. 前記基材材料中の亜鉛のナノサイズ粒子の量が、前記基材材料基準で0.025〜0.50重量%の範囲である請求項1〜15のいずれか1項に記載の材料。
  17. 前記シクロデキストリン材料がシリルエーテル基、アルキルエーテル基およびアルキルエステル基のうち少なくともいずれかを有する置換基を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載の材料。
  18. 前記アルキルエステル置換基がアセチル部分、プロピル部分およびブチル部分のうち少なくともいずれかを有する請求項17に記載の材料。
  19. 前記アルキルエーテル置換基がメチル部分、エチル部分およびプロピル部分のうち少なくともいずれかを有する請求項17に記載の材料。
  20. 前記シリルエーテル置換基がメチル部分、エチル部分、プロピル部分およびブチル部分のうち少なくともいずれかを有する請求項17に記載の材料。
  21. 前記材料が少なくとも2層を有するものであって、少なくとも1層が基材材料、シクロデキストリン材料および亜鉛のナノサイズ粒子を含む請求項1〜20のいずれか1項に記載の材料。
  22. 前記シクロデキストリン材料を含む前記層がコーティング層または積層フィルム層である請求項21に記載の材料。
  23. 前記材料がコーティングされた単層、2層もしくは多層フィルム、片面もしくは両面に
    1以上の押出コーティングを有する金属箔もしくは板紙、コーティングされたセルロース系網状物またはセルロース系網状物/フィルム積層物の形態であり、前記シクロデキストリン材料が前記網状物、前記フィルムおよび前記コーティングのうち少なくともいずれかの一部であることができる請求項1〜22のいずれか1項に記載の材料。
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の材料の製造方法であって、
    a)前記基材材料に修飾シクロデキストリンを物理的に混和および分散させる工程;ならびに
    b)亜鉛の前記ナノサイズ粒子を前記シクロデキストリン含有基材材料中に分散させる工程
    を有する方法。
  25. 前記工程a)が押出によって行われることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 前記シクロデキストリン材料に添加しようとする亜鉛の前記ナノサイズ粒子を鉱油中に分散させる請求項24または25に記載の方法。
  27. 容器におけるバリア材料としての請求項1〜9または12〜23のいずれかに記載の材料の使用。
  28. 前記容器が気密蓋を有するプラスチック製おむつバケツである請求項27に記載の使用。
  29. 前記容器が前記バリア材料のみで構成されるか、または同バリア材料でできた少なくとも一つのフィルムもしくは層でコーティングされることを特徴とする請求項27または28に記載の使用。
  30. 使い捨ておむつにおけるバリア材料としての請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料の使用。
  31. 前記バリア材料が前記おむつの外側層または裏材層上へのコーティングまたはフィルムとして付与される請求項30に記載の使用。
  32. 包装材料における請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料の使用。
  33. 前記包装材料が食品接触包装材料である請求項32に記載の材料の使用。
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