JP4203286B2 - ベルト伝動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に間隔を置いて配設された第1及び第2プーリ間に巻き掛けられたVリブドベルトを押圧して張力を付与するオートテンショナを備えるベルト伝動装置に関し、特に、そのオートテンショナに設けられたテンションプーリのミスアラインメントによるベルト異音の発生を防止するための対策に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のベルト伝動装置として、基部と、この基部に揺動可能に支持されたアーム部と、このアーム部に回転自在に支持されたテンションプーリと、このテンションプーリがVリブドベルトを押圧するようにアーム部を回動付勢するばね等の付勢手段とを有するオートテンショナを備えたものが一般によく知られており、このオートテンショナに用いられるテンションプーリは通常フラットな外周面を有し、その外周面にVリブドベルトが背面にて接触するようになっている。このようなオートテンショナの基部は、例えば自動車のエンジンの取付面に取付固定されており、アーム部の揺動により、テンションプーリに対するベルトの巻付角を増大させ、また適当な張力を与えるようになっている。
【0003】
このようなテンションプーリでは、その外周面の幅方向中央(一般的にはそのテンションプーリを支持する軸受の中央)がテンションプーリに巻き付いたVリブドベルトの巻付部分の半分となる位置におけるベルト幅方向中央(以下、単にベルト幅方向中央という)と一致すれば安定状態となって理想的であるが、通常、オートテンショナの基部が取り付けられるエンジンの取付面の傾き、アーム部の傾き、又はテンションプーリ自身の軸支部でのガタ等のために、テンションプーリの幅方向中央とベルト幅方向中央とがずれてミスアラインメントが生じてしまい、このベルトのずれが大きくなるとベルトの異音が発生するという問題がある。
【0004】
そこで、従来、ベルトの異音が低減できる安定状態でのプーリの幅方向中央とベルト幅方向中央とのずれを調べ、予めその安定状態の位置にテンションプーリの幅方向中央をずらすことによってベルトの異音発生の低減を図ることが知られている。
【0005】
しかし、上記従来のものでは、テンションプーリの幅方向中央位置が完全に上記安定状態での位置と一致し、かつテンションプーリに取付面に対する幅方向の傾きがない場合は有効であるが、この安定状態ではベルトがテンションプーリ外周面で微妙な力の釣り合い位置(以下、この位置を変曲点という)にあって安定しているため、製作誤差等が大きくてテンションプーリにミスアラインメントが生じると、上記釣り合い関係が崩れて依然としてベルトの走行位置が不安定となり、ベルト幅方向中央がテンションプーリの幅方向にずれ、ベルトの異音の発生が顕著に現れるという問題がある。
【0006】
そこで、ベルト幅方向中心とテンションプーリのベアリング幅方向中央とをオフセットさせ、ベアリングにモーメント荷重を作用させてベアリングの異音の発生を防止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−178022号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1のようにベルト幅方向中央とベアリング幅方向中央とをオフセットさせていても、第1プーリのベルト退出位置での幅方向中央と第2プーリのベルト進入位置での幅方向中央とを結ぶベルト駆動ラインから、ベルト幅方向中央が離れている場合には、第2プーリに対するベルト進入角のずれにより、依然としてベルトの異音が改善されないという問題がある。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルトが不安定となる変曲点の位置とベルト駆動ラインとの関係に着目することにより、ベルトのずれを防止して異音の発生を低減しようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、予め上記変曲点の位置をベルトの通常の走行位置から移動させておくようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、相互に間隔を置いて配設されたVリブドプーリからなる第1及び第2プーリと、第1及び第2プーリに順に巻き掛けられたVリブドベルトと、第1及び第2プーリ間のVリブドベルトを押圧してベルト張力を自動的に調整するオートテンショナとを備え、上記Vリブドベルトは上記第1プーリから第2プーリに向かって走行し、オートテンショナは、エンジンの取付面に取付固定された基部と、この基部に移動可能に支持されたアーム部と、このアーム部に回転自在に支持され、ベルトが巻き掛けられるテンションプーリと、このアーム部をテンションプーリがVリブドベルトを押圧するように移動付勢する付勢手段とを備えるものを対象とする。
【0012】
そして、上記テンションプーリの外周面に、上記第1プーリのベルト退出位置での幅方向中央と第2プーリのベルト進入位置での幅方向中央とを結ぶベルト駆動ラインから、上記テンションプーリに巻き付いたVリブドベルトの巻付部分の半分となる位置におけるベルト幅方向中央に向かうに連れて外径が小さくなる小さくなるテーパ面が設けられており、このテーパ面の大径側端部が、上記ベルト駆動ラインから、Vリブドベルトのベルト幅方向中央より離れる方向に0mmを越えて2.0mm未満だけオフセットされるように構成する。
【0013】
上記の構成によると、ベルトが背面にて接触するテンションプーリの外周面にベルト駆動ラインから、ベルト幅方向中央に向かうに連れて外径が小さくなるテーパ面が設けられているため、製作誤差や取付誤差等によりテンションプーリの取付面に対する傾きが生じてVリブドベルトのベルト幅方向中央がベルト駆動ラインから、テンションプーリの小径部側にずれようとしても、テーパ効果によりVリブドベルトをその幅方向中央がテンションプーリの大径側の端部に強制的に近づくいて戻るように移動させてVリブドベルトのずれを抑えることができる。
【0014】
さらに、このテーパ面の大径側端部がベルト駆動ラインからVリブドベルトのベルト幅方向中央と反対側に0mmよりも大きくオフセットされているため、Vリブドベルトが不安定となる変曲点をVリブドベルトのベルト幅方向中央と反対側、すなわちテーパ面の大径側の端部側に常にずらしておくことができ、テンションプーリのミスアラインメントの発生によりVリブドベルトのずれが顕著に現れることはない。
【0015】
一方、大径側端部のベルト駆動ラインからのオフセット量をVリブドベルトのベルト幅方向中央と反対側に2.0mm未満に抑えているため、ベルトのずれを補正されたVリブドベルトのベルト幅方向中央が逆にテンションプーリの幅方向中央(ベアリング幅方向中央)から離れすぎてしまうことでベアリングの寿命を短くしてしまうこともない。従って、ベルトの異音の低減を効果的に行うことができる。
【0016】
請求項2の発明では、テンションプーリの外周面は非対称クラウニング形状とする。この構成によると、Vリブドベルトが通常ずれる方向とは逆の方向にずれた場合であっても、Vリブドベルトをベルト駆動ラインに近づけるようにすることができる。従って、上記請求項1発明の効果が顕著に発揮できる最適なベルト伝動装置が得られる。
【0017】
請求項3の発明では、第2プーリはプーリ径89mm以上の補機プーリであり、かつ第1プーリ及びテンションプーリ間又は第2プーリ及びテンションプーリ間の少なくとも一方のベルトスパン長さが80mm以下とする。この構成によると、第2プーリのプーリ径が大きいときには、Vリブドベルトのベルト駆動ラインからのずれによるベルトの第2プーリに対する進入角のずれの影響を受けて異音を発生しやすいため、特に本発明の作用効果が顕著に発揮できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図3及び図4は本発明の実施形態に係るベルト伝動装置Aの一部を示し、このベルト伝動装置Aは、第1プーリとしてのクランクプーリ2及び第2プーリとしてのパワステプーリ6の間に巻き掛けられたVリブドベルトBを押圧して張力を付与するオートテンショナ10に設けられるテンションプーリ1とを有し、その他にベルト伝動装置Aは、空調機用コンプレッサの回転軸に回転一体に取付固定されたコンプレッサプーリ3と、ウォータポンプの回転軸に回転一体に取付固定されたウォータポンププーリ4と、オルタネータの回転軸に回転一体に取付固定されたオルタネータプーリ5とを有する。
【0019】
上記クランクプーリ2、コンプレッサプーリ3、オルタネータプーリ5及びパワステプーリ6はいずれもVリブドプーリからなる一方、上記テンションプーリ1及びウォータポンププーリ4は平プーリからなる。これらのプーリ1〜6間にVリブドベルトBが巻き掛けられており、自動車エンジンEの運転に伴うクランクプーリ2の回転によりVリブドベルトBをクランクプーリ2→コンプレッサプーリ3→ウォータポンププーリ4→オルタネータプーリ5→パワステプーリ6→テンションプーリ1→クランクプーリ2の順に図2で時計回り方向に走行させて、各補機を駆動するようにしている。
【0020】
尚、パワステプーリ6はプーリ径89mm以上であり、かつクランクプーリ2及びテンションプーリ1間又はパワステプーリ6及びテンションプーリ1間の少なくとも一方のベルトスパン長さが80mm以下となっている。
【0021】
そして、図3に示すように、上記テンションプーリ1は、自動車エンジンEの取付面Pに設置される上記オートテンショナ10の基部11に設けられたアーム部12の先端に回転自在に保持されており、その位置を調整されることにより、VリブドベルトBの巻付角を増大させ、また図示しない付勢手段としての捩りコイルばねにより適当な張力を与えるようになっている。そして、テンションプーリ1には中央に玉軸受15が嵌合され、外周面16に上記VリブドベルトBの背面が接触するようになっている。
【0022】
図1〜図4に示すように、本実施形態では玉軸受15の幅方向中央とテンションプーリ1の幅方向中央zとは一致している。また、テンションプーリ1の幅方向中央zと、上記クランクプーリ2のベルト退出位置(p1)での幅方向中央とパワステプーリ6のベルト進入位置(p2)での幅方向中央とを結ぶベルト駆動ラインx0とは一致している。
【0023】
そして、本発明の特徴として、図1に示すように、上記テンションプーリ1の外周面16には、その幅方向の略中央部に他の部分よりも大径の大径部16aが形成され、この大径部16aから上記テンションプーリ1に巻き付いたVリブドベルトBの巻付部分の半分となる位置、すなわち巻付角αが半分α/2の位置(p3)におけるベルト幅中央xに向かうに連れて外径が小さくなるテーパ面16cが設けられ、このテーパ面16cの取付面P側の端部は小径部16bとされている。このテーパ面16cの大径部16a側の端部と、上記ベルト駆動ラインx0との幅方向のずれwは、上記ベルト幅中央x(取付面P)と反対側に0mmを越えて2.0mm未満(0<w<2.0)とされている。
【0024】
上記テンションプーリ1の外周面16に、上記大径部16aに対しテーパ面16cと反対側に大径部16aから取付面Pと離れる方向に徐々に外径が小さくなるもう一つの逆側テーパ面16dが設けられており、この逆側テーパ面16dと上記テーパ面16cとで外周面16全体として非対称クラウニング形状とされている。そして、上記大径部16aの端部がクラウニングの頂点となっている。
【0025】
次に、本発明の実施形態の作動を説明する。エンジンEの運転によりクランクプーリ2が回転し、その駆動力がVリブドベルトBを介してパワステプーリ6等のプーリに伝達されてパワーステアリング装置(図示せず)等の補機が駆動される。
【0026】
また、オートテンショナ10おいては、アーム部12が回動可能に支持され、このアーム部12が捩りコイルばねの捩りトルクによりベルト押圧方向に回動付勢され、この回動付勢によりテンションプーリ1がVリブドベルトBを押圧してベルト張力が付与される。そして、このベルトの張力が低下すると、捩りコイルばねの回動付勢力により、テンションプーリ1がVリブドベルトBを押圧するようにアーム部12がベルト押圧方向に回動する一方、VリブドベルトBの張力が増大すると、テンションプーリ1がVリブドベルトBにより押されてアーム部12が捩りコイルばねの回動付勢力に抗して反ベルト押圧方向に回動する。このようにアーム部12のベルト押圧方向及び反ベルト押圧方向の各回動が図示しない3つの減衰手段により減衰される。
【0027】
このとき、オートテンショナ10における基部11の取付面Pの傾き、アーム部12の傾き、又はテンションプーリ1自身のガタがある場合、テンションプーリ1の幅方向中央zとベルト駆動ラインx0とがずれるというミスアラインメントが生じ、VリブドベルトBの外周面16上におけるベルト幅中央xがベルト駆動ラインx0からずれ、このベルト幅中央xのベルト駆動ラインx0からのずれyが大きくなると、VリブドベルトBの異音が発生しようとする。
【0028】
しかし、本発明の実施形態に係るテンションプーリ1によると、上記ミスアラインメントがあっても、VリブドベルトBが接触する外周面16にベルト幅方向中央x(取付面P)に向かうに連れて大径部16aから小径部16bに向かって外径が小さくなるテーパ面16cが設けられているため、VリブドベルトBの外周面16上におけるベルト幅中央xがテンションプーリ1の小径部16b側(取付面P側)にずれようとしても、テーパ効果によりベルト幅中央xを大径部16a側の端部(クラウニングの頂点)に強制的に近付く方向に戻るような力を発生させてVリブドベルトBのずれyを抑えることができる。
【0029】
また、テーパ面16の大径部16a側端部がベルト駆動ラインx0から取付面Pと反対側に0mmよりも大きくオフセットされているため、VリブドベルトBが不安定となる変曲点i(図7〜9に示す)を取付面Pと反対側に移動させることができ、テンションプーリ1のミスアラインメントの発生によりVリブドベルトBのずれyが顕著に現れることはない。
【0030】
一方、大径部16a側端部のベルト駆動ラインx0からのオフセット量wが取付面Pと反対側に2.0mm未満に抑えられているため、ベルト幅中央xがテンションプーリ1の幅方向中央z(ベアリングの幅方向中央)から離れすぎてしまってベアリングの寿命を短くしてしまうことはない。従って、VリブドベルトBの異音の低減を効果的に行うことができる。
【0031】
また、テンションプーリ1の外周面16を非対称クラウニング形状とし、逆側テーパ面16dを設けることにより、VリブドベルトBが仮にエンジンEの取付面P側から大径部16aを超えて取付面Pと反対側にずれるようなことがあっても、逆側テーパ面16dによってVリブドベルトBに大径部16a側に戻るような力を作用させることができる。
【0032】
さらに、クランクプーリ2及びテンションプーリ1間又はパワステプーリ6及びテンションプーリ1間の少なくとも一方のベルトスパン長さが80mm以下であって、パワステプーリ6のプーリ径が89mm以上のときには、VリブドベルトBのベルト駆動ラインx0からのずれによるVリブドベルトBのテンションプーリ6に対する進入角のずれの影響を受けて異音を発生しやすいため、特に本発明の作用効果が顕著に発揮できる。
【0033】
尚、本実施形態では、玉軸受15の幅方向中央とテンションプーリ1の幅方向中央zとが一致しているが、必ずしも一致させる必要はなく、玉軸受15の幅方向中央をテンションプーリ1の幅方向中央zから取付面P側又はその反対側に移動させることでVリブドベルトBの異音の低減及び玉軸受15の寿命の向上を図っても良い。
【0034】
また、本実施形態では、オートテンショナ10は、アーム部12の先端部に玉軸受15を介して支持されたテンションプーリ1を有するものとしているが、玉軸受の外輪自体をテンションプーリとしたものでもかまわない。
【0035】
さらに、本実施形態では、テンションプーリ1の外周面16に逆側テーパ面16dが設けられているが、この逆側テーパ面16dは必ずしも必要ではない。
【0036】
また、本発明の実施形態では、VリブドベルトBのベルト幅中央xが自動車エンジンEの取付面P側にずれるものとしたが、ベルト幅中央がこの取付面Bと反対側にずれるような場合であっても本発明は適用できる。要は、テンションプーリ1の外周面16に、ベルト駆動ラインx0からずれた位置にあるVリブドベルトBのベルト幅中央xに向かうに連れて外径が小さくなるテーパ面が設けられており、このテーパ面の大径側端部が、ベルト駆動ラインx0から、ベルト幅中央xより離れる方向に0mmを越えて2.0mm未満だけオフセットされていればよい。
【0037】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。実施例のオートテンショナ10として上記実施形態と同じ構造のものを使用し、テーパ面16cの大径部16a側の端部と、ベルト駆動ラインx0とのずれwを取付面Pと反対側に1.0mm(大径部16a側の端部がテンションプーリ1の幅方向中央zすなわち玉軸受15の中央から取付面P側に1.0mm)とした。
【0038】
また、比較例1として、図5に示すように、上記実施例とはテンションプーリ1の外周面16の形状が異なり、その形状がクラウニング形状ではなくフラット形状のものを使用した。
【0039】
さらに、比較例2として、図6に示すように、テンションプーリ1の外周面16の形状はクラウニング形状であるが、クラウニングの頂点である大径部16aがテンションプーリ1の幅方向中央z(玉軸受15の幅方向中央)と一致するものを使用した。
【0040】
図3に示すように、上記実施例、比較例1及び2のテンショナ10をエンジンEのクランクプーリ2及びパワステプーリ6間の取付面Pにそれぞれ取付固定し、これらのプーリ2,6とテンションプーリ1との間にVリブドベルトBを掛けた。このとき、テンションプーリ1のプーリ径に対し、クランクプーリ2のプーリ径は1.9倍であり、またパワステプーリ6のプーリ径は1.5倍(89mm以上)であった。そして、テンションプーリ1とクランクプーリ2とのベルトスパン長さは186.2mmとし、またテンションプーリ1とパワステプーリ6とのベルトスパン長さは57.3mmとした。
【0041】
上記構成において、ベルト駆動ラインx0を基準にエンジンEの取付面P側をマイナスとし、その反対側をプラスとし、テンションプーリ1の幅方向中央zを−2mmから+2mmまで移動させ、それぞれの場合にエンジンEによってVリブドベルトBを介して補機(パワステポンプ)等を駆動した。このときのVリブドベルトBの外周面16上におけるベルト幅中央xのベルト駆動ラインx0からのずれyを実施例、比較例1及び2のテンションプーリ1それぞれについて測定した。その結果を図7に示す。
【0042】
図7に示すように、比較例1によると、VリブドベルトBのずれyが極端に大きくなる変曲点iの位置がテンションプーリ1の幅方向中央zの−0.5mmのところにある。また、比較例2によると、変曲点iの位置がプーリの幅方向中央の0.2mmのところにある。これに対し、実施例では、変曲点iの位置がプーリの幅方向中央の0.8mmのところにある。
【0043】
すなわち、比較例1及び2では、変曲点iの位置がプーリの幅方向中央が0の位置から若干ずれることで、VリブドベルトBのずれyが極端に大きくなってVリブドベルトBの鳴きが発生することが判った。一方、実施例では、0.8mmまでの誤差が許容され、従来のように予めプーリの幅方向中央をベルト駆動ラインx0から離す(例えば比較例1では約1.2mm)ことなくベルトの異音の発生を防止できることが判った。
【0044】
さらに、取付面Pの傾きによるVリブドベルトBのずれyの変化を測定するために、比較例1及び実施例のテンションプーリ1をその全周にわたりベルト駆動ラインx0に対して取付面P側及びその反対側にそれぞれ0.2deg傾けた。このときに発生したVリブドベルトBのずれyのエンジンE側及びその反対側の最大値を調べた。その結果を図8及び図9に示す。
【0045】
これら図8及び図9に示すように、VリブドベルトBのずれyの範囲が比較例1に比べ、実施例の方が明らかに小さくなっていることが判った。つまり、テーパ面16cを設けることで取付面Pの傾き等によりテンションプーリ1の傾きが発生したときにも異音の発生を抑えることができることが判った。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、ベルト伝動装置におけるオートテンショナのテンションプーリの外周面に、第1プーリのベルト退出位置での幅方向中央と第2プーリのベルト進入位置での幅方向中央とを結ぶベルト駆動ラインから、テンションプーリに巻き付いたVリブドベルトの巻付部分の半分となる位置におけるベルト幅方向中央に向かうに連れて外径が小さくなるテーパ面を設け、このテーパ面の大径側端部をベルト駆動ラインからVリブドベルトのベルト幅方向中央より離れる方向に0mmを越えて2.0mm未満だけオフセットしたことにより、テンションプーリのミスアラインメントが発生していてもベルトのずれが顕著に現れることはなく、ベルトの異音の低減を効果的に行うことができる。
【0047】
請求項2の発明によると、テンションプーリの外周面を非対称クラウニング形状としたことにより、請求項1発明の効果が顕著に発揮できる最適なベルト伝動装置が得られる。
【0048】
請求項3の発明によると、第2プーリをプーリ径89mm以上の補機プーリとし、かつ第1プーリ及びテンションプーリ間又は第2プーリ及びテンションプーリ間の少なくとも一方のベルトスパン長さを80mm以下としたことにより、特に本発明の作用効果が顕著に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートテンショナの要部をテンションプーリが一部破断された状態で示す拡大断面図である。
【図2】オートテンションナの全体構造を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るベルト伝動装置を示す正面図である。
【図4】ベルト伝動装置の要部を示す平面図である。
【図5】比較例1を示す図1相当図である。
【図6】比較例2を示す図1相当図である。
【図7】Vリブドベルトのずれを比較した結果を示す図である。
【図8】実施例に係るオートテンショナのテンションプーリに傾きを与えたときのベルトのずれの範囲を示す図である。
【図9】比較例1に係るテンションプーリに傾きを与えたときのベルトのずれの範囲を示す図8相当図である。
【符号の説明】
1 テンションプーリ
2 クランクプーリ(第1プーリ)
6 パワステプーリ(第2プーリ)
10 オートテンショナ装置
11 基部
12 アーム部
16 外周面
16c テーパ面
A ベルト伝動装置
E 自動車エンジン
B Vリブドベルト
P 取付面
x0 ベルト駆動ライン

Claims (3)

  1. 相互に間隔を置いて配設されたVリブドプーリからなる第1及び第2プーリと、
    上記第1及び第2プーリに順に巻き掛けられたVリブドベルトと、
    上記第1及び第2プーリ間のVリブドベルトを押圧してベルト張力を自動的に調整するオートテンショナとを備え、
    上記Vリブドベルトは上記第1プーリから第2プーリに向かって走行し、
    上記オートテンショナは、エンジンの取付面に取付固定された基部と、該基部に移動可能に支持されたアーム部と、該アーム部に回転自在に支持され、Vリブドベルトが巻き掛けられるテンションプーリと、上記アーム部をテンションプーリがVリブドベルトを押圧するように移動付勢する付勢手段とを備え、
    上記テンションプーリの外周面に、上記第1プーリのベルト退出位置での幅方向中央と第2プーリのベルト進入位置での幅方向中央とを結ぶベルト駆動ラインから、上記テンションプーリに巻き付いたVリブドベルトの巻付部分の半分となる、巻付角が半分の位置におけるベルト幅方向中央に向かうに連れて外径が小さくなるテーパ面が設けられており、
    上記テーパ面の大径側端部が、上記ベルト駆動ラインから、上記Vリブドベルトの幅方向中央より離れる方向に0mmを越えて2.0mm未満だけオフセットされていることを特徴とするベルト伝動装置。
  2. 請求項1のベルト伝動装置において、
    テンションプーリの外周面は非対称クラウニング形状となっていることを特徴とするベルト伝動装置。
  3. 請求項1又は2のベルト伝動装置において、
    第2プーリはプーリ径89mm以上の補機プーリであり、かつ第1プーリ及びテンションプーリ間又は第2プーリ及びテンションプーリ間の少なくとも一方のベルトスパン長さが80mm以下となっていることを特徴とするベルト伝動装置。
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