JP4203275B2 - 連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続熱間圧延用の鋼材を加熱するための連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。特に、鋼材毎に所定の加熱温度が異なる鋼材群を連続的に加熱する場合に、加熱に必要な燃料の量を最小限にとどめ、かつ、加熱に要する時間を所定の時間に制御することができる連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
操業中の連続鋼材加熱炉内部の温度は加熱炉の壁面から炉内部に挿入した熱電対によって測定されている。この熱電対によって計測された温度は一般に炉温とよばれている。通常、加熱炉には複数の燃焼制御帯が設けられており、燃焼制御帯ごとに1つ以上の熱電対が設置されている。そして、これら熱電対が示す炉温に基づいて、炉内の各鋼材の加熱温度を差分法や重みつき残差法などの算法により計算している。従来の加熱炉の燃焼制御方法は、将来的な特定の時刻における炉内の各鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の温度になるような炉温の最適値を試行錯誤法により求めて、現時刻から将来のある時刻までの間の最も望ましい炉温設定値を燃焼制御帯ごとに算出している。この最適炉温に制御するために、自動又は手動により、燃料流量を増減させることで燃焼制御を行うとともに、燃焼用空気の流量も燃料流量に対応させて増減させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の加熱炉の燃焼制御方法では、現時刻の炉温から最適炉温に到達するまでに要する時間、及び炉温制御に要する燃料流量と燃焼用空気流量の値は知ることができない。そのため、従来法において算出される最適炉温設定値に変更しても鋼材の加熱温度は所定の値にならないことがある。
【0004】
現在の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業では、鋼材種別に装入温度や目標抽出温度が数100℃の範囲で異なるため、鋼材毎の炉温設定値の変更頻度が増大している。炉温変更に要する時間を考慮していない従来の燃焼制御方法では、所定の加熱温度及び加熱時間で鋼材を加熱することが困難になってきており、鋼材の加熱温度が目標値から乖離することによる材質不良や表面品質上の欠陥や加熱に要する燃料原単位の悪化が問題となっている。
【0005】
本発明は、目標とする加熱温度が鋼材毎に異なる連続熱間圧延用の鋼材群をそれぞれ所定の温度に加熱するための連続鋼材加熱炉において、加熱に要する時間を所定の時間としながら、炉内に存在する各鋼材を所定の加熱温度に加熱して表面品質欠陥の発生を抑制するとともに、燃料原単位を向上させることができる連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法は、計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御方法であって、加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算する工程と、前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求める工程と、前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する工程と、を繰り返し実行することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法は、炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の計測値と、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算によって計算された該熱電対の指示値の計算値とが一致するように、炉内ガスの熱及び物質収支計算に修正を施す工程を有してもよい。
【0008】
本発明に係る連続鋼材加熱炉の燃焼制御装置は、計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御装置であって、前記計算機は、加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算し、前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求めて、前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する操作を繰り返し実行することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る燃焼制御プログラムは、計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御を行うための燃焼制御プログラムであって、前記計算機に、加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算する処理と、前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求める処理と、前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する処理と、を繰り返し実行させることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る燃焼制御プログラムは、前記計算機に、炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の計測値と、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算によって計算された該熱電対の指示値の計算値とが一致するように、炉内ガスの熱及び物質収支計算に修正を施す処理を実行させてもよい。
【0011】
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上述のいずれかの燃焼制御プログラムを記録している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図1〜図4を用いて説明する。
【0013】
図1に、本発明の実施形態に係る連続鋼材加熱炉の燃焼制御プログラムにおける最適燃料流量及び燃焼用空気流量の計算処理手順の全体フロー図の一例を示す。但し、本発明は、図1に示す形態に限られるものではない。
【0014】
(1)プログラム起動
先ず、本燃焼制御プログラムを起動して処理を開始する。
【0015】
(2)計算条件、加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、燃料ガス情報の読みこみ(ステップS1)
続いて、計算条件、加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報及び燃料ガス情報を読みこむ。計算条件には、非定常的な炉内の各部の物理量を計算する時間刻み、収束計算における収束判定値などの計算制御変数が含まれる。加熱炉の形状情報には、加熱炉及び各燃焼制御帯の長さ、幅、高さ、スキッドビームの位置並びに仕切壁の位置などが含まれる。炉体断熱構造情報には、炉体断熱構造物(天井、炉床、側壁、仕切壁、スキッドビーム、装入扉及び抽出扉など)の断熱材単位の厚さ並びにその熱物性値が含まれる。燃焼装置情報には、燃焼バーナの燃焼容量、燃焼装置の形式が含まれる。燃料ガス情報には、燃料ガスの化学組成及び発熱量が含まれる。通常、これらの情報は計算処理の途中で値が変化することはなく、変化してもわずかな量である。
【0016】
(3)計算格子の生成(ステップS2)
続いて、炉内の燃焼ガス空間、炉体断熱構造物及び鋼材の計算格子を生成する。炉内の燃焼ガス空間の計算格子は先に読みこんだ加熱炉の形状情報に基づいて生成する。本明細書では、炉内の燃焼ガス空間の計算格子を特にガスゾーンと称し、断熱構造物及び鋼材の計算格子と区別して表す。炉体断熱構造物の計算格子はガスゾーン毎に先に読みこんだ炉体断熱構造物情報に基づいてそれぞれ生成する。例えば非燃焼帯、予熱帯、加熱帯及び均熱帯のそれぞれの燃焼制御帯に個別の天井や炉床を設定することができる。鋼材の計算格子は加熱する鋼材群の寸法に基づいて生成するが、加熱する鋼材群の各鋼材の寸法がそれぞれ異なる場合は、各鋼材の厚み、幅、長さによって規格化された計算格子を生成し、これに基づいて種々の寸法に対応した計算格子を生成することができる。なお、鋼材内部の温度分布計算は1〜3次元のいずれでもよく、任意に選ぶことができる。
【0017】
(4)物理量など各種変数の初期化(ステップS3)
続いて、物理量などの各種変数を初期化する。初期化は本燃焼制御プログラムが加熱操業の開始前に起動された場合、又は開始後に起動された場合別に行うことが望ましい。例えば、本プログラムが加熱操業前に起動された場合は、炉内各部の物理量は大気雰囲気条件で初期化すればよく、全ての温度は常温、各ガスゾーンのガス組成は空気の組成、各ガスゾーンを出入りするガス流量はゼロとすればよい。なお、各ガスゾーンのガス組成は、操業中に変動する場合のみ計算対象とすればよく、例えば空気比が一定値で操業される場合には、加熱操業の初期を除いて各ガスゾーンのガス組成は一定であるため計算する必要はなく、予め燃料組成と空気比から求められるガス組成を初期値(かつ一定値)として与えればよい。
【0018】
また、加熱操業開始後に本プログラムが起動された場合は、炉内各部の温度としては、炉内に挿入された熱電対の指示値に基づいた推定値を用い、ガス組成は燃料組成及び設定空気比から推定されるガス組成とみなし、各ガスゾーンを出入りするガス流量としては、各帯に供給される燃料流量及び空気流量から推定される値を用いればよい。
【0019】
なお、この初期化処理には、上述の物理量のほかに、計算で用いる変数のすべて又は一部を初期化する処理も含まれる。さらに、加熱操業開始後に本プログラムが起動され、かつ、鋼材が炉内に存在する場合には、本プログラムの起動後に鋼材情報を読み込み、鋼材に関する変数も合わせて初期化する。ここで、鋼材情報とは、炉内に存在する各鋼材の装入温度、寸法、鋼材の種類、炉内位置及び目標加熱温度範囲を意味するが、これに限られるものではなく、本発明の一実施形態に係る燃焼制御方法を実施するために直接的には必要でない情報(例えば装入時刻)や製品管理上含めておくと便利な情報(例えば製品番号など)を含んでいてもよい。
【0020】
前記(1)〜(4)の処理は、本燃焼制御プログラム起動後一度だけ行えばよい処理であるが、これより後の処理は計算終了の命令が入力されるまで時間進行をともなって繰り返し行われる。
【0021】
以下に、時間進行を伴う処理の説明をするが、その前に、本プログラムの繰り返し処理内容の説明に用いられる時刻及び時間に関する用語について図2を用いて説明する。図2は、本燃焼制御プログラムの時刻及び時間の用語を説明するための図である。
【0022】
本発明では、加熱炉の炉況を計算する所定の時刻を炉況計算時刻とよぶ。炉況とは、該加熱炉内部の温度やガス組成、ガスゾーンを出入りするガス流量、鋼材の位置など、ある時刻の加熱炉の状態を意味する。図2の例では、時間の進行方向の軸上に×印をつけた時刻t1〜t22が炉況計算時刻である。
【0023】
また、本発明では、炉況計算時刻の間隔を時間刻みとよぶ。例えば、図2では、tn+1−tn(n=1〜22)が時間刻みである。この時間刻みは、先に説明した計算条件の読み込み処理段階において一定値に設定するのが一般的であるが、一定値である必要はなく、任意の値に設定することもできる。時間刻みの大きさは任意に選ぶことができるが、10〜60秒程度にする。時間刻みが小さいほど計算精度は向上するが、計算時間が長くなる。そのため、本計算に要求する計算精度と本計算を実施する計算機の処理速度に応じて時間刻みを設定することが望ましい。
【0024】
また、本発明では、現在時刻tpよりも先の時間を将来時間とよび、現在時刻tpよりも過去の時間を実績時間とよぶ。また、将来時間の範囲にある炉況計算時刻を将来炉況計算時刻とよび、実績時間の範囲にある炉況計算時刻を実績炉況計算時刻とよぶ。すなわち、図2の例では、t1〜t11が実績炉況計算時刻であり、t12〜t22が将来炉況計算時刻である。そして、現在時刻tpに最も近い実績炉況計算時刻を最新実績炉況計算時刻とよび、図2の例では、t11が最新実績炉況計算時刻である。本発明の一実施形態に係る燃焼制御方法は、将来炉況計算時刻における炉況計算値に基づいて実施するが、この将来炉況計算時刻のうち、燃焼制御に反映させる最も先の時刻を最終将来炉況計算時刻とよび、図2の例では、t20を最終将来炉況計算時刻に設定している。
【0025】
また、本発明では、各燃焼制御帯に供給された燃料流量及び燃焼用空気流量の実績値を取得する時刻を実績流量取得時刻とよび、図2の例では、時間の進行方向軸上に○印をつけた時刻trj1〜trj3が実績流量取得時刻である。そして、実績流量取得時刻の中で現在時刻tpに最も近い時刻を最新実績流量取得時刻とよぶ。図2の例では、trj3が最新実績流量取得時刻である。この実績流量取得時刻の間隔は操業条件の変更周期よりも短く設定する。一般的には、1〜10分間隔に設定する。操業条件の変更が頻繁に行われる場合には、この間隔を短くし、操業条件が安定している場合には、間隔を長くすることが望ましい。
【0026】
この実績流量取得時刻は、各燃焼制御帯に供給された燃料流量及び燃焼用空気流量の実績値とともに本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体に記憶され、この記憶媒体のデータを読み込むことによって実績流量取得時刻を知ることができる。この記憶媒体に記録されている実績流量に関するデータを総称して実績流量情報とよぶ。
【0027】
また、本発明では、炉内に存在する各鋼材の鋼材情報を取得する時刻が実績時間の範囲にあるものを実績鋼材情報取得時刻とよび、該時刻が将来時間の範囲にあるものを将来鋼材情報取得時刻とよぶ。図2の例では、時間の進行方向の軸上に▽印をつけた時刻tkj1〜tkj3が実績鋼材情報取得時刻であり、△印をつけた時刻tks4〜tks6が将来鋼材情報取得時刻である。そして、実績鋼材情報取得時刻の中で現在時刻tpに最も近い時刻を最新実績鋼材情報取得時刻とよび、図2の例では、tkj3が最新実績鋼材情報取得時刻である。
【0028】
この実績鋼材情報取得時刻及び将来鋼材情報取得時刻は、鋼材情報とともに本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体に記憶され、この記憶媒体を読み込むことによって実績鋼材情報取得時刻又は将来鋼材情報取得時刻を知ることができる。該記憶媒体に記録されている鋼材に関するデータを総称して実績鋼材情報又は将来鋼材情報とよぶ。これら実績鋼材情報取得時刻又は将来鋼材情報取得時刻は、炉内に存在する各鋼材の鋼材情報が変更される時刻であり、その間隔は操業中に変動する。すなわち、鋼材が搬送される時刻、新しく鋼材が装入される時刻、炉内の鋼材が抽出される時刻などが実績鋼材情報取得時刻又は将来鋼材情報取得時刻となる。
【0029】
また、本発明では、炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の実績値を取得する時刻を実績炉温取得時刻とよび、図2の例では、時間の進行方向の軸上に◎印をつけた時刻toj1及びtoj2が実績炉温取得時刻である。そして、実績炉温取得時刻の中で現在時刻tpに最も近い時刻を最新実績炉温取得時刻とよび、図2の例では、toj2が最新実績炉温取得時刻である。この実績炉温取得時刻の間隔は操業条件の変更周期よりも短く設定する。一般的には、1〜10分間隔に設定する。操業条件の変更が頻繁に行われる場合には、この間隔を短くし、操業条件が安定している場合には、間隔を長くすることが望ましい。
【0030】
この実績炉温取得時刻は炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の実績値とともに本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体に記憶され、この記憶媒体のデータを読み込むことによって実績炉温取得時刻を知ることができる。この記憶媒体に記録されている実績炉温に関するデータを総称して実績炉温情報とよぶ。
【0031】
以上が本燃焼制御プログラムを説明するために必要な時刻及び時間の用語の説明である。
【0032】
以下、再び図1に基づいて計算終了の命令が入力されるまで時間進行をともなって繰り返し行われるステップS4以降の処理について説明する。
【0033】
(5)実績炉況計算時刻の更新(ステップS4)
先ず、実績炉況計算時刻を更新する。
【0034】
(6)実績流量情報の読みこみ(ステップS5)
続いて、実績流量情報を読みこむ。
【0035】
(7)実績鋼材情報の読みこみ(ステップS6)
続いて、実績鋼材情報を読みこむ。
【0036】
(8)実績炉況計算(ステップS7)
実績炉況計算を行う。炉況計算の詳細は後述する。
【0037】
(9)修正計算処理実施の判定(ステップS8)
続いて、修正計算処理を実施するかどうかを判定する。修正計算処理とは、炉内に挿入された熱電対による炉温の実績値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の実績値に基づいて、炉内ガスの熱及び物質収支計算に修正を施す処理をいう。
【0038】
修正計算処理を実施するか否かの判定は、修正計算処理を実施する時間周期を予め設定しておき、最新実績炉況計算時刻がその周期に合致しているか否かで判定すればよい。修正計算処理を実施する時間周期は任意に選定することができる。しかし、必要以上に短い周期とすると一連の計算処理に時間がかかり、燃焼制御周期内に計算が完了しないことがある。また、長い周期にすると、その間の誤差蓄積が大きくなり修正計算処理に計算負荷がかかる可能性があり、さらに誤差蓄積が大きくなりすぎると、修正計算処理で解が収束しなくなる可能性がある。そのため、この周期は数分オーダーにすることが望ましい。
【0039】
修正計算処理を実施する場合は次のステップS9の処理に移り、修正計算処理を実施しない場合は後述するステップS14の将来炉況計算実施の判定処理に移る。
【0040】
(10)実績炉温情報の読みこみ(ステップS9)
修正計算処理を実施する場合には、まず実績炉温情報を読みこむ。
【0041】
(11)実績炉温情報に対応する温度の予測値の算出(ステップS10)
続いて、実績炉温情報に対応する炉温の予測値を算出する。
【0042】
(12)燃料流量と燃焼用空気流量の修正(ステップS11)
続いて、上記炉温の予測値と読みこんだ実績炉温情報の実績値との差又は比に基づいて、各燃焼制御帯に供給される燃料流量及び燃焼用空気流量の実績値を修正する。修正の方法は、これら流量の繰り返し計算の過程で上記炉温の予測値と読みこんだ実測値とが一致するように修正される方法であればどのような手法を用いてもよい。例えば、上記炉温の予測値と読みこんだ実測値の比を燃焼制御帯ごとに算出し、その比を実績の燃料流量に乗じて修正する方法がある。このとき、燃焼用空気流量は実績の空気比に基づいて修正すればよい。なお、上記炉温の予測値と読みこんだ計測値とは完全に一致する必要はなく、所定の燃焼制御の精度に応じて一致したとみなせる予測値と計測値の温度差を任意に設定することができる。ただし、この許容できる温度差を大きく設定すると鋼材加熱温度が所定の温度から乖離するので、一般的にはこの許容できる温度差を10℃以下とすることが望ましい。
【0043】
(13)実績炉況計算(ステップS12)
続いて、実績炉況計算を行う。この処理は先に述べた(8)実績炉況計算と同一であり詳細は後述する。
【0044】
(14)炉温情報の計測値と対応する炉温の予測値が一致するか否かの判定(ステップS13)
続いて、再計算された上記炉温の予測値と読みこんだ実測値とを再度比較し、これらの差又は比が許容範囲内にあればこれらが一致したとみなし修正計算処理を完了し、次のステップS14の処理に移る。また、これらの差又は比が許容範囲外であれば、再びステップ11の各燃焼制御帯に供給される燃料流量及び燃焼用空気流量の実績値を修正する処理に戻り、これらの差又は比が許容範囲内に収まるまで、ステップS11〜ステップS13の一連の処理を繰り返す。
【0045】
ここまでの処理で最新実績炉況計算時刻までの炉況計算が完了する。この最新実績炉況計算時刻における炉況に関するデータは必要に応じてファイルに出力したり画面に表示したりすることができる。
【0046】
なお、ステップS8〜ステップS13の修正計算処理は、必ずしも実行する必要がある処理ではない。しかし、一般に、加熱炉は経時的に炉体断熱構造が劣化することがあり、この場合、修正計算処理を実施しないと本燃焼制御プログラムが入力データとして採用している炉体断熱構造情報が実際の値から乖離し、燃焼制御の精度が悪化してくることがある。また、実績流量情報や実績炉温情報は計測機器の瞬時値であることが多く、実測値の不安定性や計測誤差を伴っており、燃焼制御の精度を悪化させる要因となる。したがって、これらを防止する観点からも修正処理を施すことが望ましい。
【0047】
(15)将来炉況計算実施の判定(ステップS14)
続いて、将来炉況計算時刻における炉況計算を実施するか否かを判定する。将来炉況計算時刻における炉況計算を実施するか否かの判定は、将来炉況計算処理を実施する時間周期を予め設定しておき、最新実績炉況計算時刻がその周期に合致しているか否かで判定すればよい。また、将来炉況計算を実施するか否かの情報が記録された本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体を読みこんで判定してもよい。将来炉況計算を行わない場合は、再びステップS4の処理に戻り、実績炉況計算時刻を更新して該実績炉況計算時刻における炉況計算を繰り返す。
【0048】
将来炉況計算時刻の間隔は流量制御間隔となる。そのため、この間隔は鋼材を抽出する時間間隔よりも短いほうが望ましい。すなわち、一般的な連続鋼材加熱炉においては、1〜10分の時刻間隔で将来炉況計算時刻を設定することが望ましい。
【0049】
(16)最終将来炉況時刻の設定(ステップS15)
先ず、最終将来炉況計算時刻を設定する。これは最新実績炉況計算時刻に対して何分先の炉況まで予測するかを予め設定しておいてもよいし、本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体を読みこむことによって設定してもよい。
【0050】
(17)将来炉況計算時刻の初期化(ステップS16)
続いて、将来炉況計算時刻を初期化する。この将来炉況計算時刻の初期値は最新実績炉況計算時刻である。
【0051】
(18)最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの燃料流量及び燃焼用空気流量の仮設定(ステップS17)
続いて、最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量を仮設定する。一般に、一回目の将来炉況計算では、最新実績炉況計算時刻におけるそれぞれの流量を用いればよい。二回目以降の将来炉況計算では、最終将来炉況計算時刻における鋼材の加熱温度が所定の温度に対して過剰か不足かを比較することで再設定しなおせばよい。加熱温度が過剰である鋼材と不足である鋼材が炉内に混在する場合は、どの鋼材の加熱温度の焼き上げ温度精度を優先するかを予め決めておき、その優先度にしたがって判断すればよい。
【0052】
(19)将来炉況計算時刻の更新(ステップS18)
続いて、将来炉況計算時刻を更新する。
【0053】
(20)将来鋼材情報の読みこみ(ステップS19)
続いて、将来鋼材情報を読みこむ。この将来鋼材情報は実績鋼材情報に準ずる項目からなるが、鋼材の炉内位置については、加熱炉による加熱工程の後工程である圧延工程のスケジュールを考慮して本燃焼制御プログラムとは別の手段によって予測される。この予測された将来鋼材情報は本燃焼制御装置を構成する計算機の記憶媒体に記録され、この記憶媒体を通して本プログラムは将来鋼材情報を知ることができる。
【0054】
(21)将来炉況計算(ステップS20)
続いて、将来炉況計算を実施する。ここでの処理は、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量について実績流量情報ではなく、最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量の仮設定値を用いること以外は、前述の実績炉況計算と同じである。
【0055】
(22)最終将来炉況計算時刻に到達したか否かの判断(ステップS21)
上記将来炉況計算は、将来炉況計算時刻が最終将来炉況計算時刻に達するまで繰り返され、到達していない場合は再びステップS18の処理に戻り、到達した場合は次のステップS22の処理に移る。
【0056】
(23)仮設定した燃料流量及び燃焼用空気流量が妥当か否かの判定(ステップS22)
続いて、最終将来炉況計算時刻における炉内の各鋼材の加熱温度の計算値と、該時刻における各鋼材の目標加熱温度範囲とを比較して、仮設定した燃料流量及び燃焼用空気流量の妥当性を判定する。加熱温度の計算値が目標加熱温度範囲内であれば次のステップS23の処理に移り、計算値が目標加熱温度範囲外であれば、再びステップS17の処理に戻り、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量を変更して、再び最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの炉況計算を実施する。この繰り返し処理を加熱温度の計算値が目標加熱温度範囲内になるまで行う。加熱温度の計算値が目標加熱温度範囲内となるような各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量が、最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までに設定すべき最終的な設定流量となる。
以上が、全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度になるような燃料流量及び燃焼空気流量を燃焼制御帯ごとに求める手法である。
【0057】
(24)設定流量の出力(ステップS23)
続いて、上記処理によって得られた設定流量を出力する。出力先はファイルでも流量制御機器への信号でもよい。この出力に基づいて流量制御弁を調整し燃焼制御を実施する。
【0058】
(25)計算を終了するか否かの判定(ステップS24)
続いて、本燃焼制御プログラムの計算を終了するか否かを判定する。計算を継続する場合は、再びステップS4の処理に戻る。計算終了の命令を受けるまでこの処理を繰り返し、加熱炉の燃焼制御を連続的に行う。
【0059】
なお、最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの時間の計算では、先ず、鋼材の抽出端に最も近い燃焼制御帯(一般には均熱帯)における燃料流量及び燃焼用空気流量の設定すべき流量を上記手順で算出し、この値を確定値として、順次、装入側の燃焼制御帯の燃料流量及び燃焼用空気流量の設定すべき流量を算出していくこともできる。このように、抽出側の燃焼制御帯から一つずつ設定すべき流量の算出を順次行っていくと、各燃焼制御帯での加熱条件の影響が分離できるため、設定すべき流量の算出処理時間を短縮することができる。この場合、装入側の燃焼制御帯の条件が変更されることにより抽出側の燃焼制御帯での設定すべき流量の値がわずかに変化するものの、炉内のガスは抽出側から装入側に向かって流れており、抽出側の燃焼制御帯から順次計算を進めて行くことによる影響は小さい。
【0060】
次に、炉況計算の内部処理について図3に基づいて説明する。図3に、前記ステップS7及びステップS12の実績炉況計算並びにステップS20の将来炉況計算の内部処理のフロー図を示す。
【0061】
(1)ガス質量の算出(ステップS31)
先ず、格子分割されたガスゾーンごとにゾーン内に存在するガス質量を算出する。炉内の圧力(一般的には大気圧)、ガスゾーンの体積、ガス組成は予め設定されているか、又は算出されており、このガス質量は理想気体の状態方程式から求められる。
【0062】
(2)ガスゾーンを出入りするガス流量の算出(ステップS32)
続いて、各ガスゾーンを出入りするガス流量を算出する。このガスゾーンを出入りするガス流量は各燃焼制御帯への燃料流量及び燃焼用空気流量を用いて、物質収支式を解くことで算出することができる。
【0063】
(3)ガス組成の算出(ステップS33)
続いて、ガスゾーンごとのガス組成を算出する。このガス組成は燃料及び燃焼用空気の組成、燃料流量及び燃焼用空気流量から化学種保存則より算出できる。一般的には、対象とするガスの成分は水蒸気、二酸化炭素、酸素及び窒素である。ガス組成を算出する理由は燃焼ガスの比熱や燃焼ガスの放射吸収係数などの物性値を求めるためである。したがって、空気比が一定の操業条件が保証される場合、又は、これら物性値の変動量が燃焼制御の精度に及ぼす影響が小さいと判断される場合は、各ガスゾーンでのガス組成は時間的にも空間的にも一定として、予め値を求めることができ、ここで処理する必要はなくなる。
【0064】
(4)鋼材群、炉体断熱構造物及びガス間の放射熱伝達量の算出(ステップS34)
続いて、鋼材群、炉体断熱構造物及びガス間の放射熱伝達量を算出する。ここでは放射伝熱解析手法が必要であり、該手法としては、ゾーン法(H. C. Hottel and E. S. Cohen, AIChE Journal, vol.4, pp.3-14, 1958)、READ法(H. Taniguchi, et. al., Proceedings of 8th Int. Heat Transfer Conference, San Francisco, pp.757-762, 1986)、Discrete Transfer法(T. M. Shah and A. L. Ren, Numerical Heat Transfer, vol.8, no. 2, pp.149-167, 1985) 、Discrete Ordinate法(J. S. Truelove, J. Heat Transfer, vol.109, no.4, pp.1048-1051, 1987)などがある。本発明は、加熱炉の燃焼制御方法に関するものであり、燃焼制御時間内に解を得る必要があるため、できるだけ本燃焼制御プログラムの内部処理の負荷が小さい手法が望ましい。そのような観点から、ゾーン法やREAD法のような形態係数を用いた算出手法が望ましい。
【0065】
(5)ガス温度の算出(ステップS35)
続いて、各ガスゾーンのガス温度を算出する。これは熱収支式を解くことで求めることができる。
【0066】
(6)煙道内のガス温度、ガス組成及びガス流量の算出(ステップS36)
続いて、煙道内のガス温度、ガス組成及び煙道を通過するガス流量を算出する。ここでは煙道につづくレキュペレータに導入されるガス温度を算出することが目的である。一般にレキュペレータに導入されるガス温度には設備保全の観点から上限値が設けられており、この上限値を超える場合にはガス温度を低下させるために希釈用の空気が導入される。ここでの処理は希釈用の空気の導入も考慮される。
【0067】
(7)レキュペレータ前後のガス温度及び燃焼用空気の温度の算出(ステップS37)
続いて、レキュペレータ前後のガス温度及び燃焼用空気の温度を算出する。予め熱交換器の熱効率を与えておくことによってエネルギー保存則から燃焼用空気の温度が算出される。
【0068】
(8)燃焼バーナに導入されるときの燃焼用空気の温度の算出(ステップS38)
続いて、レキュペレータを通過した燃焼用空気が最終的に燃焼バーナに導入されるときの燃焼用空気の温度を算出する。一般に、レキュペレータと燃焼バーナは配管によって結ばれているが、設備配置の問題から数十mも離れていることがある。そのため、燃焼バーナに導入される燃焼用空気の温度はレキュペレータ出口での温度に比べて低いのが普通である。ここでは、配管搬送中での熱損失を考慮して燃焼バーナに導入される燃焼用空気の温度を算出する。配管搬送中での熱損失量は実際の設備での燃焼用空気の温度の測定値から知ることができる。
【0069】
(9)蓄熱器前後のガス温度及び燃焼用空気の温度の算出(ステップS39)
続いて、蓄熱式切り替え燃焼バーナを適用している加熱炉においては、蓄熱器前後のガス温度及び燃焼用空気の温度を算出する。算出手法はレキュペレータ前後のガス温度及び燃焼用空気の温度の算出方法と同じである。
【0070】
(10)炉体断熱構造物内部の温度分布の算出(ステップS40)
続いて、すべての炉体断熱構造物内部の温度分布を算出する。有限差分法、有限体積法、有限要素法などの手法を用いて熱伝導方程式を解くことによってこの温度分布は求められる。このときの境界条件は、炉内側では先に求めた放射熱伝達量であり、炉外側では自然対流と放射による熱伝達である。
【0071】
(11)炉内に存在する各鋼材の内部温度分布の算出(ステップS41)
最後に、炉内に存在する各鋼材の内部温度分布を算出する。炉体断熱構造物の内部温度分布の計算と同様に熱伝導方程式を解くことにより求めることができる。
【0072】
以上の処理を解が収束するまで繰り返し行うことで本発明による加熱炉の燃焼制御方法を実現するための炉況計算を実施することができる。解の収束は、ガスゾーンの熱及び物質収支、炉体断熱構造物内部の熱収支並びに鋼材内部の熱収支がすべて保存則を満たしているか否かで判定できる。このときの判定条件は厳密に保存則を満たしている必要はなく、保存則を満たしたとみなせるある許容誤差をもって保存則を満たしたか否かの判定をすればよい。計算精度の観点から、誤差の定義として離散化方程式の相対誤差を採用した場合は、許容誤差は1000分の1以下とすることが望ましい。
【0073】
以上が本発明の一実施形態に係る燃焼制御方法を実現する燃焼制御プログラムの処理内容である。
【0074】
本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムは、上述の処理内容をコンピュータ言語によって記述したプログラムファイルとして具体化され、前記コンピュータ言語としては、例えば、C言語、C++言語、フォートランなどのコンピュータ言語が挙げられる。
【0075】
本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムを記憶した記録媒体は、前記コンピュータ言語によって記述されたプログラムファイル及び/又は実行形式ファイルにコンパイルされたファイル及び/又はコンパイルの過程で出力される中間ファイルを記憶した記録媒体(例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、ハードディスク、光磁気ディスクなど)である。
【0076】
本発明の一実施形態に係る燃焼制御装置について、図4に示す燃焼制御装置の構成図を用いて説明する。ただし、本発明に係る燃焼制御装置は、図4の形態に限られるものではなく、各燃焼制御帯の設定すべき燃料流量及び燃焼用空気流量を計算する計算機から出力された各燃焼制御帯の設定すべき燃料流量及び燃焼用空気流量が、実際の加熱炉に供給される燃料流量及び燃焼用空気流量に反映される機構を備えている燃焼制御装置であればよい。
【0077】
本発明の一実施形態に係る燃焼制御装置では、上述した本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムを格納した記録媒体を搭載した計算機2を用いて実施する。計算機2はデータ通信網Nを介して流量制御弁3に信号を出力するための計算機4と接続されており、計算機2で算出された各燃焼制御帯の設定すべき燃料流量及び燃焼用空気流量の値を計算機4は認識することができる。図4では、流量制御弁3は燃焼制御帯ごとに1つのみ記載しているが、実際には流量制御弁3は燃焼制御帯ごとに燃料流量制御用と燃焼用空気流量制御用との2つがあり、加熱炉1に燃料及び燃焼用空気を供給するための配管にそれぞれが接続されている。流量制御弁3はデータ送信用ケーブルCを介して計算機4から出力された各燃焼制御帯の設定すべき燃料流量及び燃焼用空気流量の値を認識して、流量制御弁3は自動的に加熱炉1に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量を調節する。
【0078】
【実施例】
(実施例1)
燃焼制御プログラムの内部処理において、放射解析手法にはゾーン法を、熱伝導方程式の解法には有限体積法をそれぞれ適用した。燃焼制御プログラムはフォートランで記述した。燃焼制御装置は図4に示す装置構成とし、本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムをコンパイルした実行形式のファイルを計算機2に搭載されるハードディスクに記憶させた。
【0079】
連続鋼材加熱炉には、鋼材の搬送ラインを間に挟んで上下にそれぞれ予熱帯、加熱帯及び均熱帯を有する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉を用いた。該加熱炉の上部均熱帯の燃焼バーナはルーフバーナであり、これ以外の燃焼バーナは全てサイドバーナであり、蓄熱式切り替え燃焼バーナは配備されていない。燃料にはコークス炉ガスと燃焼用空気を供給した。
【0080】
加熱される鋼材は、長さが5.5m〜12m、幅が0.8m〜2.0m、厚みが220mm〜250mmのスラブ群であり、それらの装入温度の範囲は常温〜600℃、目標とする抽出時の加熱温度の範囲は1120℃〜1240℃であった。
【0081】
修正計算処理を施した本発明の一実施形態に係る燃焼制御方法を実施した。修正計算を施すための温度の計測値には炉内の各燃焼制御帯に挿入された熱電対の値を用いた。
【0082】
加熱炉の立ち上げ後、約10時間後に、本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムを起動した。その約10時間後に一本目の鋼材が装入され、約50時間の間に620本の鋼材を加熱、抽出した。修正処理計算は6分間隔で行い、燃焼制御は4分間隔で行った。
【0083】
その間の燃料原単位は0.95MJ/kgであった。また、抽出後の圧延工程でのトラブルもなく、表面品質はすべて許容範囲内であり、傷が発生したスラブは1本(全体の0.16%)であった。目標とする加熱時間内に抽出温度が目標温度に達しなかったことにより加熱時間の延長を強いられた鋼材は全体の6%であった。
【0084】
(実施例2)
実施例1と同様のプログラム、燃焼制御装置、連続鋼材加熱炉及び燃料を用いた。加熱される鋼材は、実施例1と同じ寸法範囲をもつスラブ群であり、それらの装入温度は常温〜600℃、目標とする抽出時の加熱温度の範囲は1120℃〜1240℃であった。
【0085】
修正計算処理を施さない本発明の一実施形態に係る燃焼制御方法を実施した。加熱炉の立ち上げ後、約16時間後に、本発明の一実施形態に係る燃焼制御プログラムを起動した。その約5時間後に一本目の鋼材が装入され、その後、本発明による燃焼制御方法及び燃焼加熱装置を用いて燃焼制御を行い、約40時間の間に490本の鋼材を加熱、抽出した。燃焼制御は4分間隔で行った。
【0086】
その結果、その間の燃料原単位は0.98MJ/kgであった。また、抽出後の圧延工程でのトラブルもなく、表面品質はすべて許容範囲内であり、傷が発生したスラブは1本(全体の0.20%)であった。目標とする加熱時間内に抽出温度が目標温度に達しなかったことにより加熱時間の延長を強いられた鋼材は全体の7%であった。
【0087】
(比較例)
一方、実施例と同様のスラブ群条件で同一の加熱炉において従来技術による燃焼制御方法を実施した。従来技術による燃焼制御方法では、各燃焼制御帯に挿入されている熱電対が示す炉温に基づいて、炉内の全鋼材の加熱温度を重みつき残差法で計算した。そして、将来炉況計算時刻において炉内に存在する各鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の温度になるような炉温を試行錯誤法により求めて、最新実績炉況計算時刻から最終将来炉況計算時刻までの間の最も望ましい炉温設定値を燃焼制御帯ごとに算出した。そして、この算出した炉温設定値になるような流量調整を自動的に行う流量制御弁により燃料流量及び燃焼用空気流量を増減させて燃焼制御を実施した。
【0088】
従来技術による燃焼制御方法を実施した結果、燃料原単位は1.05MJ/kgであった。抽出後の圧延工程でのトラブルは発生しなかったが、圧延後の鋼板の搬送がやや不安定であった。また、従来技術による燃焼制御方法により加熱した290本のスラブのうち、3本(全体の1.03%)に傷が発生した。また、抽出温度が目標温度に達しなかったために加熱時間を所定の加熱時間から延長した鋼材は27%あった。
【0089】
本発明によって、所定の加熱時間を確保しつつ燃料原単位の向上と表面品質の向上とを同時に達成した。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、目標とする加熱温度が鋼材毎に異なる連続熱間圧延用の鋼材群をそれぞれ所定の温度に加熱するための連続鋼材加熱炉において、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量の最適値を求めて燃焼制御を実施するので、加熱に要する時間を所定の時間としながら、炉内に存在する各鋼材を所定の加熱温度に加熱して表面品質欠陥の発生を抑制するとともに、燃料原単位を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼制御プログラムの内部処理を示す全体フロー図である。
【図2】本発明の実施形態に係る燃焼制御プログラムの時刻及び時間の用語を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態に係る燃焼制御プログラムの内部処理である炉況計算処理を示すフロー図である。
【図4】本発明の実施形態に係る燃焼制御装置の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1;加熱炉
2;計算機
3;流量制御弁
4;計算機
C;データ送信用ケーブル
N:データ通信網

Claims (6)

  1. 計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御方法であって、
    加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算する工程と、
    前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求める工程と、
    前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する工程と、
    を繰り返し実行することを特徴とする連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法。
  2. 炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の計測値と、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算によって計算された該熱電対の指示値の計算値とが一致するように、炉内ガスの熱及び物質収支計算に修正を施す工程を有することを特徴とする請求項1に記載の連続鋼材加熱炉の燃焼制御方法。
  3. 計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御装置であって、前記計算機は、
    加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算し、
    前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求めて、
    前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する操作を繰り返し実行することを特徴とする連続鋼材加熱炉の燃焼制御装置。
  4. 計算機を利用して鋼材の内部温度を予測する機能を備え、連続熱間圧延用鋼材を所定の温度に加熱する連続多帯式のウォーキングビーム加熱炉の燃焼制御を行うための燃焼制御プログラムであって、前記計算機に、
    加熱炉の形状情報、炉体断熱構造情報、燃焼装置情報、各燃焼制御帯に供給する燃料流量及び燃焼用空気流量、炉内に存在する全鋼材の鋼材情報並びに燃料ガス情報に基づいて、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算を併用して各燃焼制御帯のガス温度、炉体断熱構造物の内部温度分布及び炉内に存在する全鋼材の内部温度分布を計算する処理と、
    前記全鋼材の内部温度分布の計算値に基づいて評価される全鋼材の加熱温度がそれぞれ所定の加熱温度となるような燃料流量及び燃焼用空気流量を燃焼制御帯ごとに求める処理と、
    前記燃料流量及び前記燃焼用空気流量に供給流量を変更する処理と、
    を繰り返し実行させることを特徴とする燃焼制御プログラム。
  5. 前記計算機に、炉内に挿入された熱電対による炉温の計測値及び/又は炉体断熱構造物内部に埋設された熱電対による炉体断熱構造物内部温度の計測値と、放射伝熱解析手法、熱伝導解析手法並びに炉内ガスの熱及び物質収支計算によって計算された該熱電対の指示値の計算値とが一致するように、炉内ガスの熱及び物質収支計算に修正を施す処理を実行させることを特徴とする請求項4に記載の燃焼制御プログラム。
  6. 請求項4又は5に記載の燃焼制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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