JP4203155B2 - 電極基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、特にIPS (In-Plane Switching) 液晶モードの液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットディスプレイとして、カラーの液晶表示装置が注目されている。カラー液晶表示装置の一例として、ブラックマトリックス、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなるカラーフィルタおよび共通電極を備えたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタ(TFT素子)等の半導体駆動素子と画素電極とを備えた対向電極基板とを所定の間隙をもたせて向かい合わせ、この間隙部にTN(捩れネマティック)液晶を注入して液晶層としたTFT方式のカラー液晶表示装置がある。このようなカラー液晶表示装置では、両基板の対向する電極によって液晶層に電界を印加するので、液晶層に印加される電界の方向は基板の界面にほぼ垂直な方向となる。しかし、このようなTNモードのカラー液晶表示装置は視野角が狭く、表示面に対して斜めの方向から観察すると階調反転や色変化が起こり画質が劣化するという問題がある。
【0003】
一方、近年、IPS (In-Plane Switching) 液晶モードのカラー液晶表示装置が注目されている。これは、酸化インジウムスズ(ITO)の透明薄膜(厚み200〜2000Å)からなる画素電極と共通電極とを基板面と平行に櫛歯状に形成した電極基板を使用することにより、基板の界面とほぼ平行な方向の横電界を液晶層に印加する方式であり、いわゆる広視野角特性を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のIPS液晶モードのカラー液晶表示装置は、上記のように櫛歯状に形成された画素電極と共通電極とにより横電界を液晶層に印加しているので、カラーフィルタ基板、特にブラックマトリックスの導電率や外部電界の影響を受けて電界パターンに乱れが生じやすく、コントラストの低下や色ムラが発生して良好な表示画像が得られないという欠点がある。このため、導電率の低い材料を用いてカラーフィルタ基板を作製したり、カラーフィルタ基板や電極基板の裏面に電界シールドとしての透明導電膜を形成することが必要となり、製造工程が煩雑となったり、製造コストの増大を来すという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、広視野角特性を有し表示ムラのない良好な画像表示を可能とする液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、IPS液晶モードの液晶表示装置に使用する電極基板であって、基板面と平行に凸形状の画素電極と凸形状の共通電極とを有する電極基板の製造方法において、基板上にネガ型の透明感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層を形成する第1工程と、開口部を備えた電極用のフォトマスクを所定のギャップを設けるようにして前記感光性樹脂層上に配置し、該フォトマスクを介して前記感光性樹脂層を露光する第2工程と、前記感光性樹脂層を現像することにより、長手方向に垂直な断面が角部のない緩やかな凸形状の電極基部を前記基板の基板面と平行に形成する第3工程と、前記電極基部を被覆するように導電膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部上に導電膜を設け凸形状の電極とする第4工程と、からなる電極形成工程を有するような構成とした。
【0007】
また、本発明は、IPS液晶モードの液晶表示装置に使用する電極基板であって、基板面と平行に凸形状の画素電極と凸形状の共通電極とを有する電極基板の製造方法において、基板上にレジスト現像液によりエッチング可能な物質からなる基材層と、この基材層上にポジ型のレジスト層を形成する第1工程と、遮光部を備えた電極用のフォトマスクを所定のギャップを設けるようにして前記レジスト層上に配置し、該フォトマスクを介して前記レジスト層を露光する第2工程と、前記レジスト現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成するとともに前記基材層をエッチングして、前記レジストパターンの下方部分に凸形状の基材パターンを形成する第3工程と、前記レジストパターンを剥離除去し、さらに、希釈した前記レジスト現像液により凸形状の前記基材パターンをエッチングすることにより長手方向に垂直な断面が角部のない緩やかな凸形状の電極基部を形成する第4工程と、前記電極基部を被覆するように導電膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部上に導電膜を設け凸形状の電極とする第5工程と、からなる電極形成工程を有するような構成とした。
【0008】
このような本発明では、電極基板の画素電極および共通電極を凸形状とし、例えば、画素電極と共通電極の基板面に垂直な方向の高さを2〜6μmとなるように厚みをもたせることにより、画素電極と共通電極により形成される基板の界面とほぼ平行な方向の横電界の安定性を増すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明のIPS液晶モードの液晶表示装置の1実施形態を示す1画素分の断面図であり、図2は図1に示される液晶表示装置を構成する電極基板の平面図であり、A−A線における縦断面が図1の電極基板の断面に相当する。図1および図2において、液晶表示装置1は電極基板11とカラーフィルタ基板31とを所定の間隔で対向させ、両基板間に液晶物質を挟持して液晶層41を形成したものである。
【0011】
液晶表示装置1を構成する電極基板11は、基板12と、この基板12上に所定のパターンで形成された共通電極13、走査配線14および共通配線15と、絶縁層16を介して所定のパターンで形成された画素電極17、信号配線18と、これらを覆うように形成された保護層19とを備えている。尚、電極基板11の基板12の電極形成面と反対側には偏光板(図示せず)が設けられ、また、保護層19上には配向膜(図示せず)が設けられている。
【0012】
上記の共通電極13は、共通配線15から画素領域内に延在するように基板面上に設けられており、この共通電極13は凸形状に形成されており、その基板面に垂直な方向の高さh1 は2〜6μmの範囲内である。また、画素電極17は、後述する薄膜トランジスタ(TFT)部21のソース電極に接続され、画素領域をほぼ2分するように画素領域内に延在して基板面と平行に形成されており、この画素電極17は凸形状に形成されており、その基板面に垂直な方向の高さh2 は2〜6μmの範囲内である。本発明では、上記のように共通電極13および画素電極17に厚みをもたせているので、共通電極13と画素電極17との間に形成される電気力線がカラーフィルタ基板の導電率や外部電界に影響されることが大幅に減少し、その電界パターンは基板12の界面とほぼ平行な方向の安定した横電界となる。共通電極13および画素電極17の基板面に垂直な方向の高さh1 ,h2 が2μm未満であると、上記の横電界の安定性が不十分で外部電界やカラーフィルタ基板の導電率の影響を受けやすくなり、6μmを超えると、電極基板11とカラーフィルタ基板31との間隔(液晶層41の厚み)の制御に支障を来すことになり好ましくない。
【0013】
尚、共通電極13の幅は2〜10μm、画素電極17の幅は2〜8μmの範囲で設定でき、共通電極13と画素電極17との間隔は10〜30μmの範囲で設定できる。
【0014】
上記の走査配線14の所定位置にはアモルファスシリコンa−Siからなる半導体活性層20が形成されており、この半導体活性層20上には、画素電極17に接続されたソース電極17s と信号配線18から延在して形成されたドレイン電極18dとが若干離間されて配設され薄膜トランジスタ(TFT)部21が形成されている。また、画素電極17の先端部は絶縁層16を介して共通配線15と重畳されて付加容量を形成している。
【0015】
一方、液晶表示装置1を構成するカラーフィルタ基板31は、基板32と、この基板32の一方の面に画素領域を区画するように形成されたブラックマトリックス33と、各画素領域に形成された赤色パターン、緑色パターンおよび青色パターンからなるカラーフィルタ34(図示例では赤色パターン34Rが形成されている)と、これらを覆うように形成された保護層35とを備えている。尚、カラーフィルタ基板31の基板32のカラーフィルタ形成面と反対側には偏光板(図示せず)が設けられ、また、保護層35上には配向膜(図示せず)が設けられている。
【0016】
上述の電極基板11とカラーフィルタ基板31に使用する基板12,32としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、IPS液晶モードのカラー液晶表示装置に適している。
【0017】
基板12上への共通電極13の形成は、次のようにして行うことができる。まず、基板12上にネガ型の透明感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層51を形成する(図3(A))。次に、開口部mを備えた共通電極13用のフォトマスクMを所定のギャップを設けるようにして感光性樹脂層51上に配設し、このフォトマスクMを介して感光性樹脂層51を露光する(図3(B))。この露光においては、フォトマスクMの開口部mを通過して拡散した光により露光部51aが感光性樹脂層51に形成される。その後、現像することにより断面が緩やかな凸形状の電極基部52が形成される(図3(C))。次いで、基板12上にスパッタリング等により酸化インジウムスズ(ITO)等の透明薄膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部52上に透明電極53を形成して共通電極13とする(図3(D))。
【0018】
図4は共通電極13の他の形成方法を示す図であり、まず、基板12上にレジスト現像液によりエッチングできるような物質(例えば、ポリアミック酸等)からなる基材層61と、この基材層61上にポジ型のレジスト層62を形成する(図4(A))。次に、遮光部m´を備えた共通電極13用のフォトマスクM´を所定のギャップを設けるようにしてレジスト層62上に配設し、このフォトマスクM´を介してレジスト層62を露光する(図4(B))。この露光における未露光部62aは、次の現像工程においてレジストパターン62aとして残り、現像工程では、同時に基材層61が現像液によりエッチングされ、レジストパターン62aの下方部分に凸形状の基材パターン61aが形成される(図4(C))。次いで、レジストパターン62aを剥離除去し、さらに、希釈した現像液により凸形状の基材パターン61aをエッチングすることにより断面が緩やかな凸形状の電極基部63が形成される(図4(D))。次いで、基板12上にスパッタリング等により酸化インジウムスズ(ITO)等の透明薄膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部63上に透明電極64を形成して共通電極13とする(図4(E))。尚、レジスト現像液によりエッチングできるようなポリアミック酸等からなる樹脂層61を形成する代わりに、金属薄膜を形成し、レジストパターン(未露光部62a)をマスクとして金属薄膜をエッチングすることにより共通電極13を形成することができる。
【0019】
電極基板11を構成する走査配線14、共通配線15は、上記の共通電極13と同一の工程で形成し、スパッタリング等による金属導電膜の形成、レジストのフォトリソグラフィーによるパターニング、金属導電膜のエッチング、レジスト除去の手順により形成することができる。
【0020】
電極基板11を構成する絶縁層16は、CVD法による窒化シリコン薄膜の成膜等により形成することができる。また、アモルファスシリコンa−Siからなる半導体活性層20は、この絶縁層16と同一の工程で形成することができる。
【0021】
また、電極基板11を構成する画素電極17は、上記の共通電極13と同様にして形成することができる。
【0022】
さらに、電極基板11を構成する信号配線18は、画素電極17と同一の工程で形成し、スパッタリング等による金属導電膜の形成、レジストのフォトリソグラフィーによるパターニング、金属導電膜のエッチング、レジスト除去の手順により形成することができる。
【0023】
カラーフィルタ基板31を構成するブラックマトリックス33は、各画素領域に形成された赤色パターン、緑色パターンおよび青色パターンからなるカラーフィルタ34の画素領域の間およびカラーフィルタ34の形成領域の外側に設けられている。このようなブラックマトリックス33は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングして形成したもの等、いずれであってもよい。
【0024】
また、カラーフィルタ34は、赤色パターン、緑色パターンおよび青色パターンが所望のパターン形状で配列されており、所望の着色材を含有した感光性樹脂を使用した顔料分散法により形成することができ、さらに、印刷法、電着法、転写法、染色法等の公知の方法により形成することができる。また、カラーフィルタ34を、例えば、赤色パターンが最も薄く、緑色パターン、青色パターンの順に厚くすることにより、カラーフィルタ34の各色ごとに最適な液晶層厚み(セル・ギャップ)を設定するようにしてもよい。
【0025】
保護層19,35は、電極基板11やカラーフィルタ基板31の表面を平坦化するとともに、カラーフィルタ基板31ではカラーフィルタ34に含有される成分の液晶層への溶出を防止するために設けられたものである。この保護層19,35の厚みは、使用される材料の光透過率、電極基板11やカラーフィルタ基板31の表面状態等考慮して設定することができ、例えば、0.2〜1.5μmの範囲で設定することができる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
電極基板の作製
(試料1)
IPS液晶モードの電極基板用の基板(コーニング社製7059ガラス)を定法にしたがって洗浄した後、ネガ型のアクリル感光性樹脂(日本合成ゴム(株)製JNPC−33)を塗布して厚み5μmの感光性樹脂層を形成した。
【0027】
次いで、櫛歯状の電極パターンに相当する開口部(開口幅1μm)を有するフォトマスクを、50μmのギャップを設けるようにして感光性樹脂層上に配設し、このフォトマスクを介して感光性樹脂層を露光(露光量1000mJ/cm2 )し、現像した。これにより、高さ3μm、幅8μmの断面が緩やかな凸形状をなす電極基部を形成した。
【0028】
次に、上記基板にスパッタリングにより酸化インジウムスズ(ITO)の薄膜(厚み1000Å)を形成し、その後、パターニングして電極基部上に透明電極を形成した。これにより、図5に示されるような櫛歯状の電極パターン101,102を形成した。この櫛歯状の電極パターン101、102を構成する各電極101a,102aの間隔Pは20μmとした。次いで、ポリイミド樹脂の希釈液を基板上に塗布、乾燥して保護層を形成し、さらに、この保護層上にポリイミド樹脂の希釈液を塗布、乾燥して配向層を形成して電極基板(試料1)を得た。
(試料2)
IPS液晶モードの電極基板用の基板(コーニング社製7059ガラス)を定法にしたがって洗浄した後、ポリアミック酸(日本合成ゴム(株)製AL3046)を用いて基材層(厚み6μm)を形成し、この基材層上にポジ型レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)を塗布してレジスト層(厚み0.4μm)を形成した。
【0029】
次に、櫛歯状の電極パターンに相当する遮光部を備えたフォトマスクを、30μmのギャップを設けるようにしてレジスト層上に配設し、このフォトマスクを介してレジスト層を露光(露光量100mJ/cm2 )した。この露光により、櫛歯状の電極パターンに対応するレジスト層には幅7μmの未露光部が形成された。
【0030】
次いで、現像液(東京応化工業(株)製NMD−3の2.38%水溶液)で90秒現像した。この現像により、レジスト層の露光領域が除去されてレジストパターンが形成されるとともに、ポリアミック酸からなる基材層もエッチングされてレジストパターンの下方部分に凸形状の基材パターンが形成された。
【0031】
次に、アセトンを用いてレジストパターンを除去し、その後、上記の現像液を1000倍に希釈ものを用いて基材パターンを20秒間エッチングした。次いで、230℃で1時間硬化させることにより、高さ5μm、幅4μmの断面が緩やかな凸形状をなす電極基部を形成した。
【0032】
次に、この電極基部上に試料1と同様にしてITO透明電極を形成して、図5に示されるような櫛歯状の電極パターン101,102を形成した。次いで、試料1と同様にして保護層、配向層を形成して電極基板(試料2)を得た。
(比較試料1)
アクリル感光性樹脂層の厚みを1.1μmとし、露光時の露光量を500mJ/cm2 とした他は、試料1と同様にして、高さ1μm、幅5μmの断面がやや凸形状をなす電極基部を形成した。
【0033】
次に、この電極基部上に試料1と同様にしてITO透明電極を形成して、図5に示されるような櫛歯状の電極パターン101,102を形成した。次いで、試料1と同様にして保護層と配向層を形成して電極基板(比較試料1)を得た。
(比較試料2)
IPS液晶モードの電極基板(コーニング社製7059ガラス)に、スパッタリングにより酸化インジウムスズ(ITO)の薄膜(厚み1000Å)を形成し、その後、パターニングして図5に示されるような櫛歯状の電極パターン101,102を形成した。この櫛歯状の電極パターン101、102を構成する各電極101a,102aの間隔Pは20μmとした。次いで、試料1と同様にして保護層と配向層を形成して電極基板(比較試料2)を得た。
カラーフィルタ基板の作製
(試料A)
カラーフィルタ用の基板として厚さ1.1mmのガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリングによりクロム薄膜(厚み1000Å)を形成し、次いでパターニングしてブラックマトリックスを形成した。このブラックマトリックスの導電率は1.3×10-5Ω-1cm-1であった。
【0034】
次に、公知の顔料分散法にしたがって画素領域に赤色パターン、緑色パターン、青色パターンを形成した。次いで、ポリイミド樹脂の希釈液を基板上に塗布、乾燥して保護層を形成し、さらに、この保護層上にポリイミド樹脂の希釈液を塗布、乾燥して配向層を形成してカラーフィルタ基板(試料A)を作製した。
(試料B)
カラーフィルタ用の基板として厚さ1.1mmのガラス基板(コーニング社製7059ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面に下記組成のブラックマトリックス用組成物を塗布し、所定のフォトマスクを介して露光した後、現像してブラックマトリックス(厚み1.2μm)を形成した。このブラックマトリックスの導電率は2×10-8Ω-1cm-1であった。
【0035】
(ブラックマトリックス用組成物)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 100重量部
・コーティングカーボン … 70重量部
・重合開始剤イルガキュア369 … 3重量部
(チバ・ガイギー社製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート (PETA) … 10重量部
次いで、試料Aと同様に赤色パターン、緑色パターン、青色パターンを形成した後、さらに、試料Aと同様にして保護層と配向層を形成してカラーフィルタ基板(試料B)を作製した。
(試料C)
ブラックマトリックスを形成しない点以外は、赤色パターン、緑色パターン、青色パターン、保護層および配向層を試料A、Bと同様に形成してカラーフィルタ基板(試料C)を作製した。
評価
上記のように作製した電極基板(試料1、試料2、比較試料1、比較試料2)と、カラーフィルタ基板(試料A、試料Bおよび試料C)とを、下記表1に示される組み合わせで使用して、櫛歯状の電極パターン101と102により形成される横電界の安定性を外部電界(30Vの電圧を印加した距離3mmの平行電極間に設置する)の存在する条件と存在しない条件にて下記評価方法で評価し、結果を下記の表1に示した。
【0036】
評価方法
各々の横電界セルを2枚の偏光子の間に設置し、赤色、緑色、青色の各色の電圧対透過率特性を調べる。この電圧対透過率特性を、同一電極基板とカラーフィルタ基板(試料C)との組み合わせにおいて外部電界が存在しない場合と比較し、しきい値電圧の差により下記の評価基準にしたがって評価を行う。
【0037】
(評価基準)
〇:同一電極基板とカラーフィルタ基板(試料C)の組み合わせで外部電界なしの場合とのしきい値電圧の差が0.05V未満
△:同一電極基板とカラーフィルタ基板(試料C)の組み合わせで外部電界なしの場合とのしきい値電圧の差が0.05V以上0.1V未
満
×:同一電極基板とカラーフィルタ基板(試料C)の組み合わせで外部電界なしの場合とのしきい値電圧の差が0.1V以上
【0038】
【表1】
表1に示されるように、電極基板として試料1、試料2を使用した場合の横電界は、カラーフィルタ基板のブラックマトリックスの導電率や外部電界の有無にほとんど影響されず、これらの電極基板を使用することにより表示画像品質が良好な液晶表示装置が得られることが確認された。
【0039】
これに対して、電極基板として比較試料1を使用した場合の横電界は、カラーフィルタ基板のブラックマトリックスの導電率や外部電界の影響を受けやすく、この傾向は電極基板として比較試料2を使用した場合に更に顕著であった。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば画素電極と共通電極を凸形状とし、また、それらの基板面に垂直な方向の高さが2〜6μmとなるように厚みをもたせ、画素電極と共通電極とで形成する基板の界面とほぼ平行な方向の横電界の安定性を増大させるので、液晶層に印加される電界がカラーフィルタ基板の導電率や外部電界から受ける影響が大幅に減少し、広視野角特性を有し表示ムラのない良好な画像表示が可能な液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のIPS液晶モードの液晶表示装置の1実施形態を示す1画素分の断面図である。
【図2】図1に示される液晶表示装置を構成する電極基板の平面図であり、A−A線における縦断面が図1の電極基板の断面に相当する。
【図3】本発明の液晶表示装置の電極基板のおける共通電極と画素電極の形成方法を説明するための図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の電極基板のおける共通電極と画素電極の他の形成方法を説明するための図である。
【図5】実施例における電極基板の櫛歯状の電極を示す平面図である。
【符号の説明】
1…液晶表示装置
11…電極基板
12…基板
13…共通電極
17…画素電極
21…薄膜トランジスタ部
31…カラーフィルタ基板
32…基板
33…ブラックマトリックス
34…カラーフィルタ
Claims (2)
- IPS液晶モードの液晶表示装置に使用する電極基板であって、基板面と平行に凸形状の画素電極と凸形状の共通電極とを有する電極基板の製造方法において、
基板上にネガ型の透明感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層を形成する第1工程と、
開口部を備えた電極用のフォトマスクを所定のギャップを設けるようにして前記感光性樹脂層上に配置し、該フォトマスクを介して前記感光性樹脂層を露光する第2工程と、
前記感光性樹脂層を現像することにより、長手方向に垂直な断面が角部のない緩やかな凸形状の電極基部を前記基板の基板面と平行に形成する第3工程と、
前記電極基部を被覆するように導電膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部上に導電膜を設け凸形状の電極とする第4工程と、からなる電極形成工程を有することを特徴とする電極基板の製造方法。 - IPS液晶モードの液晶表示装置に使用する電極基板であって、基板面と平行に凸形状の画素電極と凸形状の共通電極とを有する電極基板の製造方法において、
基板上にレジスト現像液によりエッチング可能な物質からなる基材層と、この基材層上にポジ型のレジスト層を形成する第1工程と、
遮光部を備えた電極用のフォトマスクを所定のギャップを設けるようにして前記レジスト層上に配置し、該フォトマスクを介して前記レジスト層を露光する第2工程と、
前記レジスト現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成するとともに前記基材層をエッチングして、前記レジストパターンの下方部分に凸形状の基材パターンを形成する第3工程と、
前記レジストパターンを剥離除去し、さらに、希釈した前記レジスト現像液により凸形状の前記基材パターンをエッチングすることにより長手方向に垂直な断面が角部のない緩やかな凸形状の電極基部を形成する第4工程と、
前記電極基部を被覆するように導電膜を形成し、その後、パターニングすることにより、電極基部上に導電膜を設け凸形状の電極とする第5工程と、からなる電極形成工程を有することを特徴とする電極基板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP29005898A JP4203155B2 (ja) | 1998-09-28 | 1998-09-28 | 電極基板の製造方法 |
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