JP4202846B2 - 切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺の被切断物を切断する為の切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、例えば屋根に配設される雪止め構造を構成する断面L字状のアングル部材(以下、L型アングル)を切断する為の切断装置(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、L型アングルの所定位置に被嵌連結し得る被嵌連結部に、被切断物を係合配設し得る係合部と、この係合部の対向位置に設けられ、該係合部に対して接離移動し得る移動部とを設け、この移動部を係合部に接近移動させた際、移動部と係合部とでL型アングルを挟持切断し得るように構成されたものである。
【0004】
ところで、この従来例は、被嵌連結部をL型アングルに被嵌させる場合、この被嵌連結部に対してL型アングルをその端部から挿入して切断したい所定位置までスライドさせることでセットしなければならないが、これは切断したい位置がL型アングルの端部であればそれ程問題にはならないものの、L型アングルの途中位置(中央位置)を切断しようとする場合には、切断したい所定位置まで被嵌連結部をセットする作業が煩わしくて非常に作業能率が悪く、しかも、作業場所が狭かった場合には尚更厄介である(場所によっては使えない場合もあり得る。)などの問題点がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点に解決する従来にない作用効果を発揮する画期的な切断装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
長尺の被切断物1の所定位置に被嵌連結し得る被嵌連結部2に、被切断物1を係合配設し得る係合部3と、この係合部3の対向位置に設けられ、該係合部3に対して接離移動し得る移動部4とを設け、この移動部4にラチェット機構やリンク機構などの作動機構5を介して作用腕となる腕部6を連設し、この腕部6の往復操作により移動部4を係合部3に接近移動させた際、移動部4と係合部3とで被切断物1を挟持切断し得るように構成された切断装置であって、前記被嵌連結部2は、上下対向位置に配される対向部材7,8を前記被切断物1に対して挟み込んだ状態で被嵌し得るように設けて構成されており、この対向部材7,8の対向する一の部位同士は枢着され、この枢着部9を支点に擺動させることで他の部位同士が開放するように設けて、前記被切断物1の所定位置に対して被切断物1の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得るように前記被嵌連結部2を構成し、上方の前記対向部材7の先端部に垂設される係止部材 12 と、この係止部材 12 の先端係止部 12 aがバネ 14 に付勢された状態で係止し、下方の前記対向部材8の先端部に設けられた係止段部 13 とで、上方の前記対向部材7の開放擺動を阻止する開放阻止機構 11 を有し、前記係止部材 12 は昇降機構を介して前記対向部材7に上下方向に移動自在に設けられていることを特徴とする切断装置に係るものである。
【0008】
また、前記被切断物1はL型アングルであることを特徴とする請求項1記載の切断装置に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0010】
本発明は、例えば長尺の被切断物1を切断する際、この被切断物1の所定位置に被嵌連結部2を被嵌連結して、被切断物1を係合部3に係合配設し、この状態で腕部6を往復操作することで移動部4を係合部3に接近移動させると、移動部4と係合部3とで被切断物1は挟持切断される。
【0011】
従って、腕部6を往復操作させるだけで被切断物1を確実且つ良好に切断することができ、例えば本発明に係る切断装置を現場に持ち込み、その場で良好な切断作業が行えることになる。
【0012】
ところで、本発明は、被嵌連結部2は、対向位置に配される対向部材7,8を前記被切断物1に対して挟み込んだ状態で被嵌し得るように設けて構成されており、この対向部材7,8の対向する一の部位同士は枢着され、この枢着部9を支点に擺動させることで他の部位同士が開放するように設けて、前記被切断物1の所定位置に対して被切断物1の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得るように構成されている。
【0013】
この構成は、従来から取り扱いが困難とされてきた長尺の被切断物1の切断における作業能率の飛躍的な向上と高精度な切断作業の達成に貢献する。
【0014】
即ち、仮に被嵌連結部が開放しない構成であった場合、この被嵌連結部に対して被切断物1をその端部から挿入して切断したい所定位置までスライドさせることでセットしなければならならず、非常に作業性が悪く、作業環境にも影響され易いなどの問題点が生じることになるが、この点、本発明は、被嵌連結部2が被切断物1の所定位置に対して被切断物1の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得るように構成されているから、被切断物1の切断したい所定位置にそのまま被嵌連結部2を被嵌させることができ、よって、被切断物1の切断作業が簡易且つ迅速に行えることになるから、長尺の被切断物1の切断作業における作業能率が飛躍的に向上し得ることになり、しかも、この被嵌連結部2が開放することで、被切断物1の切断する位置の確認が非常に行い易くなるから、切断したい位置を確実に切断し得る高精度な切断作業が達成されることになる。
【0015】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施例は、長尺の被切断物1(L型アングル)を切断する為のものである。
【0017】
尚、本実施例は、長尺の被切断物1を切断する為の切断装置を、L型アングルを切断する専用の切断装置としているが、本実施例の特性を発揮し得る構成であればその適用範囲は多岐に亙るものである。
【0018】
具体的には、図1に図示したように下部に接地部10aを設けた棒状本体10の先端部に被切断物1の所定位置に被嵌連結し得る被嵌連結部2を設けている。
【0019】
この被嵌連結部2は、図1〜4に図示したように上下対向位置に配される対向部材7,8で構成されている。
【0020】
この対向部材7,8のうち、下方対向部材8は、その基端部を棒状本体10の先端位置に付設され、上方対向部材7は、その基端部を下方対向部材8の対向基端部と枢着されて擺動自在に設けられており、この枢着部9を支点に上方対向部材7を擺動させることで、被嵌連結部2の前方、即ち、上方対向部材7の先端部と下方対向部材8の先端部とが開放するように構成されている。
【0021】
従って、被嵌連結部2は、その前方位置が上下に開閉して被切断物1の所定位置を挟み込んだ状態で被嵌し得るように構成されており、実際に被嵌させる場合には、被切断物1の所定位置(切断した位置)に対して被切断物1の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得ることになる。
【0022】
また、被嵌連結部2は、上方対向部材7の開放擺動を阻止する開放阻止機構11が設けられている。
【0023】
この開放阻止機構11は、図1〜5に図示したように上方対向部材7の先端面部に垂設される係止部材12と、この係止部材12の先端係止部12aが係止する下方対向部材8の先端面部に設けられた係止段部13とで構成されており、この係止部材12の先端係止部12aが係止段部13に係止している際には被嵌連結部2は開放方向には開放せず、確実に被切断物1に対する挟み込んだ被嵌連結状態が維持されることになる。また、この係止部材12を回動させて係止段部13に対する係止を解除して、上方対向部材7を上方へ擺動させることで被嵌連結部2は開放し得ることになり、この状態で被切断物1の配設及び取り出しが可能となる。符号14は係止部材12を係止段部13へ係止する方向へ付勢する板バネである。
【0024】
また、係止部材12は、その上端部に連設される昇降機構を介して上下方向(図5中a方向)に移動自在に設けられている。
【0025】
この昇降機構は、上方対向部材7の先端突部7aに貫通するボルト状部材15と、このボルト状部材15に螺着されるナット状部材16とで構成されており、このボルト状部材15は、その下端部には係止部材12が回動自在に枢着されるボックス状の連結部材18が吊り下げ状態に設けられ、その上端部にして先端突部7aの上面から突出する部位には前記ナット状部材16が螺着されるネジ棒部15bが設けられている。符号17は常時下方へ付勢する発条である。
【0026】
従って、ナット状部材16を回動(螺動)させてボルト状部材15を引上げることで、係止部材12は上昇することになり係止段部13への係止度合いを強めることができ、一方、これとは反対方向にナット状部材16を回動させてボルト状部材15を下げることで、係止部材12は降下することになり係止段部13への係止度合いを弱めることができる。
【0027】
この構成は、係止部材12における係止段部13への係止度合いの調整を行えるようにする為の構成であるのは勿論、後述する係合部3と移動部4とで挟持される被切断物1のサイズ(厚み)に対応して該係合部3と移動部4との対向間隔を可変し得るようにするための構成でもあり、実際に切断しようとする際には、常に係合部3に係合配設された被切断物1の上面に移動部4が当接した状態から切断作業を始めることができることになる。
【0028】
また、被嵌連結部2には、被切断物1を係合配設し得る係合部3と、この係合部3の対向位置に設けられ、該係合部3に対して接離移動し得る移動部4とを設け、この移動部4を係合部3に接近移動させた際、移動部4と係合部3とで被切断物1を挟持切断し得るように構成されている。
【0029】
係合部3は、被嵌連結部2に係る下方対向部材8の上面部中央位置にV字状の凹部3を形成して構成されており、断面V字状の被切断物1の外面を係合配設し得るように構成されている。この構成から被切断物1は切断の際において前後方向にスライドすることはなく安定保持されることになる。
【0030】
移動部4は、適宜な金属板製の移動体4を設けて構成されており、この移動体4の下端部は断面V字状の被切断物1の内面に合わせたV字状に形成されている。
【0031】
また、移動体4は、ラチェット機構5から成る作動機構5を介して作用腕となる腕部6が連設され、この腕部6の往復操作により移動部4を係合部3に接近移動し得るように構成されている。
【0032】
具体的には、移動体4は、図5〜10に図示したように上方対向部材7に形成されたスライド凹部7b内を上下方向にスライド移動自在となるように配設されている。
【0033】
また、この移動体4の側部には回転体19が配設されており、この回転体19は上方対向部材7を横断する回転軸20を介して回転自在に設けられ、この回転軸20には該回転軸20の軸芯L1と異なる軸芯L2を有する鍔状の偏心部21が繞設され、この偏心部21は移動体4に設けた正面視方形状の貫通部4a内を左右移動し得るスライド部材22の円形貫通孔22a内で自転回動自在に設けられている。
【0034】
従って、回転体19を回動させることにより回転軸20が回動すると、偏心部21がスライド部材22の円形貫通孔22a内で自転回動し、この回転に伴いスライド部材22が左右方向にスライドしつつ、この偏心部21が偏心している分だけ移動体4は上下方向に強制的に移動することになる(図7〜9参照)。
【0035】
また、この回転体19は、その周面にして放射方向(45°ごと)に複数の凹部19aが形成されると共に、作用椀となる杆状の腕部6の先端連結部6aが被嵌連結されており、この先端連結部6aの内面には各凹部19aに係止し得る突没体23が設けられている。符号6bは腕部6の過度回動を防止する回動阻止突起である。
【0036】
この突没体23は、発条24により常時凹部19aに係止する方向に付勢されており、その先端係止部分はテーパー面に形成されており、よって、腕部6の往復動は回転体19を一方向にのみしか回動できないように構成され(これがラチェット機構5である。)、腕部6の一回の往復動は回転体19を約45°回転させることになる。符号25は腕部6を上方に回動させた際に回転体19が回転するのを防止する回転防止部材、26は回転体19を強制的に回動させる回転ハンドルである。
【0037】
以上の構成から、腕部6の往復動を繰り返し行うことで、移動部4は係合部3に対して接離移動し得るように構成され、腕部6を下方に回動させた際に移動部4は接離移動する。
【0038】
本実施例は上述のように構成したから、例えば長尺の被切断物1を切断する際、この被切断物1の所定位置に被嵌連結部2を被嵌連結して、被切断物1を係合部3に係合配設し、この状態で腕部6を往復操作することで移動部4を係合部3に接近移動させると、移動部4と係合部3とで被切断物1は挟持切断される。
【0039】
よって、本実施例によれば、腕部6を往復操作させるだけで被切断物1を確実且つ良好に(楽に)切断することができ、例えば本発明に係る切断装置を現場に持ち込み、その場で良好な切断作業が行えることになり、しかも、被嵌連結部2が被切断物1の所定位置に対して被切断物1の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得るように構成されているから、被切断物1の切断したい所定位置にそのまま被嵌連結部2を被嵌させることができ、よって、被切断物1の切断作業が簡易且つ迅速に行えることになるから、長尺の被切断物1の切断作業における作業能率が飛躍的に向上し得ることになり、しかも、この被嵌連結部2が開放することで、被切断物1の切断する位置の確認が非常に行い易くなるから、切断したい位置を確実に切断し得る高精度な切断作業が達成されることになる。
【0040】
また、本実施例は、係合部3と移動部4との対向間隔を被切断物1のサイズに合わせて可変自在に設けたから、常に良好な切断作業が行えることになる。
【0041】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、長尺の被切断物の切断における作業能率の飛躍的な向上と高精度な切断作業が達成されるなど極めて商品価値の高い画期的な切断装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の使用状態説明図である。
【図2】 本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図3】 本実施例に係る要部の説明正面図である。
【図4】 本実施例に係る要部の説明正面図である。
【図5】 本実施例に係る要部の説明断面図である。
【図6】 本実施例に係る要部の平面図である。
【図7】 本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図8】 本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図9】 本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図10】 本実施例に係る要部の動作説明図である。
【符号の説明】
1 被切断物
2 被嵌連結部
3 係合部
4 移動部
5 作動機構
6 腕部
7 対向部材
8 対向部材
9 枢着部

Claims (2)

  1. 長尺の被切断物の所定位置に被嵌連結し得る被嵌連結部に、被切断物を係合配設し得る係合部と、この係合部の対向位置に設けられ、該係合部に対して接離移動し得る移動部とを設け、この移動部にラチェット機構やリンク機構などの作動機構を介して作用腕となる腕部を連設し、この腕部の往復操作により移動部を係合部に接近移動させた際、移動部と係合部とで被切断物を挟持切断し得るように構成された切断装置であって、前記被嵌連結部は、上下対向位置に配される対向部材を前記被切断物に対して挟み込んだ状態で被嵌し得るように設けて構成されており、この対向部材の対向する一の部位同士は枢着され、この枢着部を支点に擺動させることで他の部位同士が開放するように設けて、前記被切断物の所定位置に対して被切断物の長さ方向と直交する巾方向から被嵌し得るように前記被嵌連結部を構成し、上方の前記対向部材の先端部に垂設される係止部材と、この係止部材の先端係止部がバネに付勢された状態で係止し、下方の前記対向部材の先端部に設けられた係止段部とで、上方の前記対向部材の開放擺動を阻止する開放阻止機構を有し、前記係止部材は昇降機構を介して前記対向部材に上下方向に移動自在に設けられていることを特徴とする切断装置。
  2. 前記被切断物はL型アングルであることを特徴とする請求項1記載の切断装置。
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