JP4202427B2 - ホットブリケット化された、直接還元された海綿鉄の制御された冷却のための装置 - Google Patents
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Description
冷却装置は、独国特許明細書第29 28 501号により公知である。この装置は、急冷タンクと、この急冷タンク内に配置されたコンベヤと、を備えている。コンベヤは、連結されたブリケットを搬送するために、傾斜状態とされている。
鉄の直接還元のための他のプロセスにおいては、固体酸化物投入材料が、還元ガスによって、鉄へと還元される。この還元によって形成されたペレット状の、または塊状の鉱石は、微小多孔性のために、周囲環境中の酸素と発熱反応を起こす可能性があることにより、特殊な保護環境下においてしか貯蔵することができない。したがって、ホットブリケット化プラントは、還元材料をコンパクト化し、これにより表面積を減少させて再酸化の可能性を低減し得るよう、いくつかのプロセスの下流側に連結されている。
ホットブリケット化時に形成されたブリケットは、約750℃の温度を有しており、自然発火の防止のために約50℃にまで冷却される。しかしながら、冷却されたブリケット内に蓄えられたエネルギーは、なおもブリケットの乾燥を行わなければならない。
冷却は、急冷タンク内において行われる。すなわち、水が張られたタンク内において行われる。急冷タンク内には、ワイヤメッシュベルトコンベヤすなわちエプロンコンベヤが配置されており、このエプロンコンベヤ上に、ホットブリケットが落下するようになっている。エプロンコンベヤは、互いに連結された複数の穴開きプレートから構成されていて、これらプレートには、レール上を走行する車輪がピンを介して連結されている。プレートどうしは、継ぎ目板ブッシュによる連結によって、互いに連結されている。コンベヤは、車輪軸に対してコンベヤチェーンによって、駆動される。
ブリケットに付随した微粒子は、タンクの底部上へと落下し、また、プレートの穴を通してレール上へと落下する。水中での活性物質、車輪のうちの、レールに対しての支持面上に作用する大きな圧力、及び発生する径方向応力に相まって、主に車輪とピンとが、大いに摩耗する。車輪は、ブリケット供給の前にはドライ環境下で走行することにより、ドライ環境とウェット環境とが交互に繰り返されることとなって、事態はさらに悪化する。
本発明の目的は、コンベヤ部材の摩耗を低減させ、これにより、維持費を低減させることによって冷却システムの利用率を向上させ得るよう、冷却システムを改良することである。プレートおよび駆動機構の構成が、高応力領域内に侵入する微粒子量を低減させるように、改良される。
本発明は、プレートの各々が、コンベヤトラフとして構成され、少なくとも1つのスライドプレートが、エプロンコンベヤの2つの外側部を形成しているコンベヤトラフの2つの対向する側端部に配置され、コンベヤトラフは、スライドプレートを介してスライド路上に移動可能に支持されているとともに、少なくとも1つのチェーンを媒介として連結されている。
本発明の新規なところは、コンベヤトラフがスライドプレートを介して支持されていることにより、かつ、駆動機構が少なくとも1つのチェーンを介してコンベヤトラフに対して直接的に作用することにより、駆動機能と負荷対抗機能とを分離できることである。
伝達部材がスライドプレートおよびスライド路として構成されていることにより、面圧力を、レール上を走行する車輪の場合と比較して、100分の1以下に低減することができる。その結果、伝達部材の摩耗が低減される。スライドプレートは、スライド路を、材料流から部分的にカバーする。そのため、スライド路上に直接的に到達する微粒子の量を減少させることができ、摩耗をさらに低減させることができる。
本発明の他の特徴点は、エプロンコンベヤの2つの外側部を形成しているコンベヤトラフの長さ方向に延びる対向する側端部に、取付プレートが配置されていて、この取付プレートの上面および下面に、スライドプレートが取り付けられていることである。コンベヤトラフ上へのスライドプレートのこのタイプの取付により、スライドプレートが摩耗した場合には、スライドプレートを容易に交換することができる。
本発明の他の特徴点は、エプロンコンベヤの2つの外側部を形成しているコンベヤトラフの長さ方向に延びる対向する側部においてコンベヤトラフの各々に2つのスライドプレートが設けられる場合には、上側スライドプレートは、搬送方向から見て、下側スライドプレートよりも薄いことである。この特徴は、下側スライドプレートの方が、コンベヤトラフの設置のためにまた微粒子の直接的な作用のために、より大きな摩耗を受けることを考慮している。そのため、上側スライドプレートと下側スライドプレートとを、同時に交換することができる。これにより、プレートの利用率が向上することとなる。
本発明の他の特徴点は、個々のコンベヤトラフが、好ましくは環状のスチールチェーンとされた少なくとも1つのチェーンを介して駆動され、コンベヤトラフとチェーンとの間の連結が、着脱可能な連結とされていることである。チェーンを介しての駆動は、コンベヤトラフの案内をチェーンへのプレストレス付与によって確保できるという利点がある。コンベヤトラフとチェーンとが着脱可能に連結されていることにより、プラントのメンテナンスが容易なものとされる。
本発明は、さらに、個々のコンベヤトラフが、好ましくは環状のスチールチェーンとされた少なくとも1つのチェーンを介して駆動され、チェーンには、プラグインプッシャーが設けられ、プラグインプッシャーは、各コンベヤトラフの底面上に配置された継ぎ目板に対して着脱可能に連結されている。コンベヤトラフの底面上に継目板を設けることは、コンベヤトラフが、コンベヤトラフに対して係合しているチェーンを、海綿鉄ブリケットまたは微粒子の直接的な作用から保護するという利点を有している。さらに、環状のスチールチェーンを使用することは、自己クリーニング性があることにおいて有利である。
本発明の他の特徴点は、コンベヤトラフが径方向の応力に抗する、折畳スチールプレートからから形成されており、側部係止体に対して衝突した際にコンベヤトラフが変形してしまう可能性を低減することができる。
コンベヤトラフの対向する側部に側部係止体を配置したという特徴点は、一方においては、コンベヤトラフに対しての負荷搭載に起因して側方移動が起こった場合にコンベヤトラフを緊急的に案内するように機能し、他方においては、コンベヤトラフがタンク壁を損傷してしまうことを側部係止体によって防止できることにより、タンクを保護するように機能する。
本発明の本質的な特徴点は、上側スライドプレートと側部係止体との間の水平距離が、海綿鉄ブリケットの平均直径の半分であることである。これは、海綿鉄ブリケットが、スライドプレートと側部係止体との間に落下してしまい、そこに引っかかり、コンベヤトラフをロックしてしまったり、あるいは、摩耗を引き起こしてしまったりすることを避けるためである。
本発明の最後の特徴点は、スライド路のうちの、水面よりも上方に位置した領域に、水噴霧口が設けられていることである。スライドプレートのスライド条件を一様にすることができ、堆積した微粒材料を、スライド路からタンク内へと、洗い流すことができる。
本発明は、実施形態を通して説明される。添付の図1〜図3は、この実施形態を概略的に示している。
図1は、タンクを示す鉛直方向の断面図であって、このタンク内には、エプロンコンベヤが配置されている。
図2は、図1におけるエプロンコンベヤを詳細に示す図である。
図3は、図2におけるA−A線矢視断面図である。
図1は、水が張られたタンク2内に配置されたエプロンコンベヤ1とドラッグコンベヤ3とを示している。ドラッグコンベヤ3は、ここでは詳細には図示されていない。高温の海綿鉄は、エプロンコンベヤ1上へと、エプロンコンベヤ1の水中に浸漬している左側部分上に供給される。供給された高温の海綿鉄は、水中で冷却を受けつつ、矢印に沿って右側へと搬送され、タンク2の右側において放出される。ドラッグコンベヤ3は、タンク2の底部上に堆積した微粒材料を放出させるよう機能するだけである。
図2は、図1におけるエプロンコンベヤ1の左側部分を示しており、コンベヤトラフ4のための偏向デバイスが示されている。エプロンコンベヤ1をなす個々のプレートは、コンベヤトラフ4として構成されている。コンベヤトラフ4は、好ましくは、径方向応力に耐えるように、折畳スチールプレートから形成されており、とりわけいわゆるブレースプレートから形成されている。コンベヤトラフの移動方向が、矢印によって示されている。コンベヤトラフ4は、駆動を行うためのチェーン9に対して固定されている。さらに、スライド路7が設置されている梁8が示されている。
図3は、図2におけるA−A線矢視断面を示している。上側に示されているコンベヤトラフ4は搬送方向に移動し、下側に示されているコンベヤトラフ4は反対方向に移動する。コンベヤトラフ4の側壁は、前壁および後壁よりも高いものとされている。エプロンコンベヤ1の2つの側面をなす、コンベヤトラフ4の2つの長さ方向に延びる対向する側部には、それぞれ耐磨耗性スチールから形成された2つのスライドプレート5,6が取り付けられている。各側における2つのスライドプレート5,6は、一方のものが他方の上方に位置している。そのため、コンベヤトラフ4が搬送方向に移動しているときには、下側のスライドプレート5が動作状態となり、コンベヤトラフ4が反対方向に移動しているときには、搬送方向においては上部に位置していたスライドプレート6が動作状態となる。スライドプレート5,6の各々は、コンベヤトラフ4に対して恒久的に連結された取付プレート10に対して固定されている。
コンベヤトラフ4は、梁8上に設置されている摩耗耐性スライド路7上に位置したスライドプレート5,6を使用して移動する。スライド路7は、梁8と協働して、スライドプレート5,6のためのスライドベースとして機能し、ベルト移動に起因する長さ方向力および径方向応力を吸収する。
コンベヤトラフ4は、摩耗耐性プラグインプッシャーが設けられているチェーン9によって駆動される。各コンベヤトラフ4の底面上には、継ぎ目板12が、チェーン9のプッシャーと継ぎ目板12とが係合するようにして、設けられている。プラグインプッシャーは、クランプ用スリーブに対して、固定されている。
チェーン9とコンベヤトラフ4との間の連結は、着脱可能とされている。張力は、チェーン9を通してコンベヤトラフ4に対して伝達される。コンベヤトラフ4どうしは、互いに連結されていない。よって、コンベヤトラフ4は、チェーンの張力を一切吸収することがない。チェーン9のプレストレスは、コンベヤトラフ4の案内を支持する。
チェーン9は、好ましくは、環状のスチールチェーンとして形成されている。チェーン9は、スライド路8どうしの間において、かつ、コンベヤトラフ4の直下において、案内される。よって、チェーン9は、汚染を受けないよう、コンベヤトラフ4によって大いに保護されている。
コンベヤトラフ4の両側部には、側部係止体11が配置されている。海綿鉄という負荷のために、コンベヤトラフ4は、側方へと変位させるような瞬時パルスを受ける可能性がある。この場合でも、側部係止体によって保護されることにより、タンク2の壁が、保護される。
スライド路7のうちの、水面よりも上方に位置した部分のために、スライド路7のスライド条件がすべての箇所において同一であることを確保するよう、水噴霧口が設けられている。
Claims (11)
- 複数のプレートから形成されかつ急冷タンク内に配置されたエプロンコンベヤを有する、ホットブリケット化された、直接還元された海綿鉄の制御された冷却のための装置であって、
前記プレートの各々が、コンベヤトラフ(4)として構成され、
少なくとも1つのスライドプレート(5,6)が、前記エプロンコンベヤの2つの外側部を形成している前記コンベヤトラフの2つの対向する側部に配置され、
複数の前記コンベヤトラフ(4)は、前記スライドプレート(5,6)を介してスライド路(7)上に移動可能に支持されているとともに、少なくとも1つのチェーン(9)を介して連結されていることを特徴とする装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記コンベヤトラフ(4)の前記2つの対向する側部には、取付プレート(10)が配置されており、
この取付プレートの上面および下面に、前記スライドプレート(5,6)が取り付けられていることを特徴とする装置。 - 請求項1または2記載の装置において、
前記対向する側部において前記コンベヤトラフ(4)の各々に2つのスライドプレート(5,6)が設けられる場合には、前記上側スライドプレート(6)は、搬送方向から見て、前記下側スライドプレート(5)よりも薄いことを特徴とする装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、
前記個々のコンベヤトラフ(4)が、少なくとも1つのチェーンを介して駆動され、
前記コンベヤトラフ(4)と前記チェーン(9)との間の連結が、着脱可能な連結とされていることを特徴とする装置。 - 請求項4に記載の装置において、
前記チェーンが、好ましくは環状のスチールチェーン(9)とされていることを特徴とする装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、
前記個々のコンベヤトラフ(4)が、少なくとも1つのチェーン(9)を介して駆動され、
該チェーンには、各コンベヤトラフ(4)の底面上に配置された継ぎ目板(12)に前記チェーンを着脱可能に連結するプラグインプッシャーが設けられていることを特徴とする装置。 - 請求項6に記載の装置において、
前記チェーンは、環状のスチールチェーンとされていることを特徴とする装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、
前記コンベヤトラフ(4)が、径方向の応力に抗する、折畳スチールプレートから形成されていることを特徴とする装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の装置において、
前記コンベヤトラフ(4)の両側方に、側部係止体(11)が配置されていることを特徴とする装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の装置において、
前記上側スライドプレート(6)と前記側部係止体(11)との間の水平距離が、海綿鉄ブリケットの平均直径の半分以下であることを特徴とする装置。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の装置において、
前記スライド路(7)のうちの、水面よりも上方に位置した領域に、水噴霧口が設けられていることを特徴とする装置。
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