JP4202175B2 - 断熱コンクリート壁構造とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は断熱コンクリート壁構造に関し、さらに詳しくは、2つのコンクリート層間に断熱材層を形成した断熱コンクリート壁構造において、断熱性能の低下を抑制しながらしかも両コンクリート層同士を強固に連結できる、断熱コンクリート壁構造とその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第1コンクリート層と第2コンクリート層との間に断熱材層を形成し、上記の第1コンクリート層内と第2コンクリート層内とに亘って、上記の断熱材層を貫通するファスナーを配設し、このファスナーを介して上記の両コンクリート層を互いに連結した断熱コンクリート壁構造としては、例えば、端部にフックを備えるとともに中間部に偏平状のプレートを備えた金属製ファスナーを用いるものがある(例えば特許文献1参照、以下、従来技術1という)。上記のファスナーは、上記のフックをコンクリート壁内の鉄筋に係止させ、上記のプレートを上記の断熱材層に沿わせることで、このファスナーを介して断熱材層を上記の鉄筋に所定の間隔を設けて固定してある。そして、上記の断熱材層の両側に生コンクリートを打設してこれを固化させることで、断熱コンクリート壁構造が形成される。
【0003】
また、他の断熱コンクリート壁構造として、第1コンクリート層が固化する前に、断熱材層の一方の面をこのコンクリート層に沿わせて配置し、熱伝導抵抗が大きい材料で形成したファスナーをこの断熱材層に刺通して、このファスナーの先端を上記の第1コンクリート層内に突入させ、上記の断熱材層の他方の面に第2コンクリート層を、上記のファスナーの他端が包み込まれる状態に形成するものがある(例えば特許文献2参照、以下、従来技術2という)。このファスナーのコンクリート層内に位置している部分には、太さの細い狭幅部が形成され、この狭幅部とこれよりも端部側に形成された広幅部との間に、断熱材層に向いた保持面が形成され、この保持面によりコンクリート層が断熱材層に固定される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−322752号公報
【特許文献2】
特開平8−49318号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術1にあっては、ファスナーにより断熱材層をコンクリート層に確りと固定できるものの、このファスナーが金属製であるうえ、端部のフックがコンクリート層内の鉄筋に係止又は緊結されるため、このファスナーを介して両コンクリート層間で熱が伝わり易く、壁構造の断熱性能が低下する問題がある。
【0006】
一方、上記の従来技術2にあっては、熱伝導抵抗の大きな材料でファスナーを形成するため、個々のファスナーを介して両コンクリート間を伝わる熱量は少なく抑えることができる。しかしながら、このファスナーには上記の狭幅部が形成されるためファスナーの強度がこの狭幅部に制限される。ファスナー全体を太くすることも考えられるが、断熱材層を刺通又は貫通するためにはファスナーを過剰に太くすることができない。一方、上記の保持面は上記の狭幅部とファスナーの太い部分との段差で構成されるが、刺通操作又は貫通操作の観点からファスナーを過剰に太くできず、強度の観点から狭幅部を過剰に細くできないことから、この段差部を大きくしてコンクリート層と断熱材層との結合力を高めることが容易でない。この結果、コンクリート層を断熱材層に確り固定するためには多数のファスナーが必要となり、高価につくうえ刺通操作又は貫通操作が煩雑であるだけでなく、このファスナーを介してコンクリート層間を伝わる熱量が多くなり、壁構造の断熱性能が全体として低下する問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題点を解消し、2つのコンクリート層間に断熱材層を形成した断熱コンクリート壁構造において、断熱性能を良好に保ちながら又は断熱性能の低下を抑制しながらしかも両コンクリート層同士を強固に連結できる、断熱コンクリート壁構造とその施工方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1から図4に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1は断熱コンクリート壁構造に関し、第1コンクリート層(2)と第2コンクリート層(3)との間に断熱材層(4)を形成し、上記の第1コンクリート層(2)内と第2コンクリート層(3)内とに亘って、上記の断熱材層(4)を貫通するファスナー(9)を配設し、このファスナー(9)を介して上記の両コンクリート層(2・3)を互いに連結した断熱コンクリート壁構造であって、上記のファスナー(9)を、連続繊維(10)に合成樹脂を含浸させてロッド状に形成し、このロッド状ファスナー(9)の外面に多数の凹凸(11)を形成したことを特徴とする。
【0009】
また本発明2は断熱コンクリート壁構造の施工方法に関し、あらかじめ複数の貫通孔(8)を形成した板状の断熱材(7)を一対の壁型枠(12・12)間に配置し、連続繊維(10)に合成樹脂を含浸させてロッド状に形成したファスナー(9)を上記の貫通孔(8)に挿通して、このファスナー(9)の両端をそれぞれ上記の断熱材(7)の表面から突出させ、上記のファスナー(9)には外面に多数の凹凸(11)を形成しておき、上記の1対の壁型枠(12・12)間に生コンクリートを打設して上記のファスナー(9)の両端をそれぞれこの生コンクリートで包み込み、この生コンクリートが固化した後に上記の壁型枠(12)を除去することを特徴とする。
【0010】
【作用】
上記のファスナーは、連続繊維に合成樹脂を含浸させてほぼ一定太さのロッド状に形成されるので、ファスナー全体が高い強度を備えている。そしてこのファスナーの外面に形成された上記の凹凸が、周囲のコンクリート内に埋入されてこのコンクリート層に物理的に固定される。
この結果、このファスナーを介して上記の第1コンクリート層と第2コンクリート層とが確りと連結され、固定される。このとき、上記の凹凸はファスナーの外面全体に形成できるので、このファスナーのコンクリート層内に突入する部分を太くしたり長くすることにより、上記の凹凸が多く形成され、コンクリート層への固定強度が高くなることもある。なお、上記の断熱材層は上記の2つのコンクリート層に挟まれて固定されるので、上記のファスナーはこの断熱材層に必ずしも支持されたり固定されたりする必要はない。
【0011】
なお、本発明にいう連続繊維は、細い連続した繊維の総称であり、短繊維と対をなす概念である。この連続繊維はファスナーとしての機能を十分に発揮できる太さと強度があればよく、例えば約1〜30μm程度、好ましくは約3〜20μm程度のものが用いられる。またこの連続繊維としては、例えばガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維を用いることができるが、有機繊維を用いた場合には、この有機連続繊維を組紐などに編組したり、螺旋状に捲回することにより上記の凹凸を形成できるので、より好ましい。なお、上記の組紐としては、例えば製紐機を用いて丸打ち、角打ち、平打ちなど所望の形状にすることができる。
ここで上記の有機繊維としては、例えば、全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維、特にパラ系アラミド繊維)、全芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環芳香族繊維(例えばポリフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維等)、ビニロンなどを挙げることができる。
【0012】
ファスナーの形状としては、組紐などに編組したり、螺旋状に捲回することが上記の凹凸を形成できるので、より好ましい。なお、上記の組紐としては、例えば製紐機を用いて丸打ち、角打ち、平打ちなど所望の形状にすることができる。
また、上記の凹凸は、例えば上記のロッド状ファスナーの表面に粒状物を固定することで形成してもよい。この場合に用いる粒状物としては、具体的には例えば砂やシリカなどを挙げることができる。この粒状物の粒径は、本発明の目的を損なわない限りどのような大きさであってもよいが、例えば、約0.1〜5mm程度が好ましい。
【0013】
上記の合成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、メチルメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明で用いる合成樹脂は上記の連続繊維に含浸してこの繊維をロッド状に固化できるものであればよく、特定の種類に限定されない。又、合成樹脂は熱硬化性樹脂が好ましい。
【0014】
上記のファスナーはロッド状に形成されるが、コンクリート層との結合力を高めるため、少なくとも一方のコンクリート層内で、このファスナーに、軸心と交差する方向へ延びる固定部を形成してもよい。この固定部としては、例えばロッド状のファスナー自体を折り曲げて形成してもよく、あるいは上記の連続繊維を広げて幅広部を形成してもよく、さらにはプレート状や棒状などの別の部材をこのロッド状ファスナーに固定してもよい。
【0015】
なお、上記の断熱材層は、断熱性能が高く、上記のファスナーを挿通できる貫通孔を形成できるものであればよく、例えば発泡ポリスチレン板やフェノールフォーム板などの合成樹脂製断熱材や、あるいはセメントとシラスバルーンと発泡有機樹脂粉粒体とからなる断熱材など、任意の材質で形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態を示し、図1は断熱コンクリート壁構造の説明図であり、図1(a)は断熱コンクリート壁構造の要部の断面図、図1(b)は図1(a)のB部の拡大図、図2は断熱コンクリート壁構造の施工を説明する要部の断面図である。
【0017】
図1(a)に示すように、この断熱コンクリート壁構造(1)は、建物の躯体壁又は躯体層を構成する第1コンクリート層(2)と、これに平行に配置された室外側の第2コンクリート層(3)と、両コンクリート層(2・3)間に配置された断熱材層(4)とを備える。第2コンクリート層(3)は保護層として機能してよい。上記の第1コンクリート層(2)は、厚さが例えば150〜180mm程度あり、内部に躯体壁用の鉄筋(5)が配置してある。これに対し上記の第2コンクリート層(3)は厚さが例えば50mm程度で、内部にワイヤーメッシュ(6)が配置してある。
【0018】
上記の断熱材層(4)は、例えば30〜50mmの厚さに、シラスバルーンを主材とした断熱材(7)で形成してある。即ち、この断熱材(7)は、例えばセメント100重量部と、シラスバルーン30〜60重量部と、発泡ウレタン20〜30重量部とからなり、表面にシラン系やウレタン系、フッ素樹脂系などの給水防止材を塗布してある。この断熱材(7)は、例えば1枚の大きさが幅600mm、長さ1800mmの板状に成形され、複数箇所(例えば6〜10箇所)に貫通孔(8)が形成されていてもよい。
なお、この実施形態では断熱材層(4)としてシラスバルーンを主材とする板状の断熱材(7)を用いたが、本発明では他の断熱材を用いてもよい。
【0019】
図1(a)及び図1(b)に示すように、上記の貫通孔(8)にはファスナー(9)が挿通又は挿入してあり、このファスナー(9)の両端はそれぞれ上記の第1コンクリート層(2)内と第2コンクリート層(3)内とに位置させてある。
このファスナー(9)は、例えばパラ系アラミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名「ケブラー49」)などの連続繊維(10)にポリイミド樹脂を含浸させてロッド状に形成してあり、表面に多数の凹凸(11)を形成してある。
即ち、上記のパラ系アラミド繊維(10)を製紐機等で丸打ちして直径約7mmの組紐に形成し、この組紐にエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を含浸させ、余分な樹脂を絞りとったのち、これを加熱硬化処理してロッド状に形成してあり、このロッド状ファスナー(9)の表面には上記の組紐形状による多数の凹凸(11)が形成されている。
【0020】
上記のファスナー(9)の両端部外面に形成された上記の凹凸(11)は、それぞれコンクリート層(2・3)内に埋め込まれているため、このコンクリートに物理的に確りと固定されており、これによりこのファスナー(9)を介して上記の第1コンクリート層(2)と第2コンクリート層(3)とが強固に連結されている。
【0021】
なお、この実施形態では上記のファスナー(9)にアラミド繊維とポリイミド樹脂を用いたが、本発明では連続繊維として他の有機繊維や無機繊維を単独で、あるいは組み合わせて用いてもよく、合成樹脂も他の種類のものを用いてもよい。
またこの実施形態では、上記のファスナー(9)が直径約7mmの円柱状に形成されるが、本発明に用いるファスナー(9)はこの太さに限定されず、断面形状も矩形や他の多角形、楕円形、長円形など、任意の形状に形成することができる。
【0022】
また上記の凹凸(11)は、例えば連続繊維を螺旋状に捲回させることで形成してもよい。このように組紐状や螺旋状に加工する場合、無機繊維を芯材に用いてその周囲に有機繊維を編組などすることも可能である。
また上記の凹凸(11)は、上記の樹脂が硬化する前に、上記のファスナー(9)の表面に砂などの粒状物を付着させて、この粒状物と上記の組紐形状とで上記の凹凸(11)を形成してもよい。このように粒状物を付着させる場合は組紐形状にしなくともファスナー(9)の表面に凹凸(11)を形成できる。そのため、連続繊維は長さ方向を揃えて束ねるだけでもよく、剛性の高い無機繊維を用いることも可能である。
【0023】
次に、上記の断熱コンクリート壁構造を形成する施工方法を説明する。
図2に示すように、駆体用の鉄筋(5)とワイヤーメッシュ(6)との間に板状の断熱材(7)を配置して、これらの外側に一対の壁型枠(12・12)を配置し、この壁型枠(12・12)をセパレータ(固定具)(13)で相互に固定する。なお、上記の鉄筋(5)と断熱材(7)とワイヤーメッシュ(6)とは、相対的な位置が移動しないように任意の固定手段で互いに固定してもよい。
【0024】
上記の断熱材(7)にはあらかじめ複数の貫通孔(8)を形成してあり、この貫通孔(8)に前記のロッド状ファスナー(9)を、その両端がそれぞれ断熱材(7)の表面から突出する状態に挿通しておく。このとき、このファスナー(9)の端部を上記の鉄筋(5)やワイヤーメッシュ(6)に針金などで固定しておいてもよい。
【0025】
次に、上記の壁型枠(12)と断熱材(7)との間に生コンクリートを打設して、上記の鉄筋(5)やワイヤーメッシュ(6)とともに、上記のファスナー(9)の両端をそれぞれこの生コンクリートで包み込む。そしてこの生コンクリートが固化したのち、上記の壁型枠(12)を除去して断熱コンクリート壁構造(1)を完成する。
【0026】
さらに好ましい実施の態様は、下記のとおりである。
上記の断熱コンクリート壁構造を形成する施工方法を図2に従い説明する。
鉄筋(5)を配筋する。
室内側の型枠(12)を建て込む。
断熱材を配置(7)し、貫通孔(8)をあける。
セパレーター(13)、ファスナー(9)を屋外側から取り付ける。
ワイヤーメッシュ(6)をセパレーター(13)及びファスナー(9)に固定する。
屋外側の型枠(12)を建て込む。
型枠(12),(12)とセパレーター(13)を固定する。
コンクリートを打設する。
コンクリート硬化後、型枠(12),(12)を撤去する。
【0027】
上記のロッド状のファスナー(9)は、その外面に形成される凹凸(11)がコンクリートに包み込まれることで第1及び第2コンクリート層(2・3)に固定される。このため上記の第2コンクリート層(3)のようにコンクリート層が薄い場合は、このファスナー(9)とコンクリート層との結合力を高めることが容易でない。
そこで、例えば図3に示す第1変形例や図4に示す第2変形例のように、このファスナー(9)の端部に、このファスナー(9)の軸心(14)と交差する方向へ延びる折り曲げ固定部(15)を形成してもよい。
【0028】
上記のロッド状のファスナー(9)は、その外面に形成される凹凸(11)がコンクリートに包み込まれることでコンクリート層(2・3)に固定される。このため、上記の第2コンクリート層(3)のようにコンクリート層が薄い場合は、このファスナー(9)とコンクリート層との結合力を高めることが容易でない。
そこで、例えば図3に示す第1変形例や図4に示す第2変形例のように、このファスナー(9)の端部に、このファスナー(9)の軸心(14)と交差する方向へ延びる固定部(15)を形成してもよい。
【0029】
即ち、図3に示す第1変形例では、ロッド状ファスナー(9)の一端を折り曲げ、この折曲部で上記の固定部(15)を形成したものである。
また、図4に示す第2変形例では、ファスナー(9)の端部に固定したプレート状の部材で上記の固定部(15)を形成したものである。
これらの固定部(15)は、いずれも断熱材層(4)から離隔した位置でコンクリート層(3)内に埋入してあり、これによりファスナー(9)とコンクリート層(3)との結合力を高めてある。なお、本発明に用いる上記の固定部(15)はファスナー(9)の両端に形成してもよく、形状や構造も上記の変形例のものに限定されないことはいうまでもない。
【0030】
【効果】
ロッド状のファスナーは連続繊維と合成樹脂で形成されるので熱伝導抵抗が大きい。しかもこのファスナーは一定の太さを備えるため、前記の従来技術2と異なって強度が高く、また、外面に形成した多数の凹凸によりコンクリート層に確りと固定されるので、コンクリート層同士の連結に必要なファスナーが少なく済む。この結果、断熱性能の低下を抑制しながら又は断熱性能を良好に保ちながら、しかも第1コンクリート層と第2コンクリート層とを確りと連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断熱コンクリート壁構造の説明図であり、図1(a)は断熱コンクリート壁構造の要部の断面図、図1(b)は図1(a)のB部の拡大図である。
【図2】本発明の実施形態を示し、断熱コンクリート壁構造の施工を説明する要部の断面図である。
【図3】本発明の第1変形例を示す、図1(a)相当図である。
【図4】本発明の第2変形例を示す、図1(a)相当図である。
【符号の説明】
1…断熱コンクリート壁構造
2…第1コンクリート層
3…第2コンクリート層
4…断熱材層
7…断熱材
8…貫通孔
9…ファスナー
10…連続繊維(パラ系アラミド繊維)
11…凹凸
12…壁型枠
14…ファスナー(9)の軸心
15…折り曲げ固定部

Claims (7)

  1. 第1コンクリート層(2)と第2コンクリート層(3)との間に厚さ30〜50mmの断熱材層(4)を形成し、上記の第1コンクリート層(2)内と第2コンクリート層(3)内とに亘って、且つ、その両端部が第1コンクリート層(2)及び第2コンクリート層(3)内に位置するように、上記の断熱材層(4)を貫通するファスナー(9)を配設し、このファスナー(9)を介して上記の両コンクリート層(2・3)を互いに連結した断熱コンクリート壁構造であって、上記のファスナー(9)を、無機繊維よりなる芯材の周囲に連続有機繊維を編組した又は螺旋状に捲回した連続繊維(10)に合成樹脂を含浸させてロッド状に形成し、このロッド状ファスナー(9)の外面に多数の凹凸(11)を形成したことを特徴とする、断熱コンクリート壁構造。
  2. 上記の有機繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環芳香族繊維、及びビニロンからなる群から選ばれた、少なくとも一種の繊維であることを特徴とする、請求項に記載の断熱コンクリート壁構造。
  3. 上記のファスナー(9)の表面に粒状物を固定することにより上記の凹凸(11)を形成した、請求項1又は2記載の断熱コンクリート壁構造。
  4. 上記の合成樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である、請求項1から3のいずれか1項に記載の断熱コンクリート壁構造。
  5. 少なくとも一方のコンクリート層(2・3)内で、上記のファスナー(9)に、このファスナー(9)の軸心(14)と交差する方向へ延びる固定部(15)を形成した、請求項1から4のいずれか1項に記載の断熱コンクリート壁構造。
  6. 上記の断熱材層(4)がシラスバルーンを主材とする断熱材(7)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の断熱コンクリート壁構造。
  7. あらかじめ複数の貫通孔(8)を形成した厚さ30〜50mmの板状の断熱材(7)を一対の壁型枠(12・12)間に配置し、無機繊維よりなる芯材の周囲に連続有機繊維を編組した又は螺旋状に捲回した連続繊維(10)に合成樹脂を含浸させてロッド状に形成したファスナー(9)を上記の貫通孔(8)に挿通して、このファスナー(9)の両端をそれぞれ上記の断熱材(7)の表面から突出させ、上記のファスナー(9)には外面に多数の凹凸(11)を形成しておき、上記の1対の壁型枠(12・12)間に生コンクリートを打設して上記のファスナー(9)の両端をそれぞれこの生コンクリートで包み込み、この生コンクリートが固化した後に上記の壁型枠(12)を除去することを特徴とする、断熱コンクリート壁構造の施工方法。
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