JP4201779B2 - 新規な没食子酸共役リノール酸脂肪エステル、その製造方法及びそれを含む組成物 - Google Patents

新規な没食子酸共役リノール酸脂肪エステル、その製造方法及びそれを含む組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規な没食子酸共役リノール酸脂肪エステル、その製造方法及びそれを含む組成物に関するものである。
共役リノール酸(conjugated linoleic acid;CLA)は、必須脂肪酸であるリノール酸の幾何学異性体で、リノール酸を含んでいる中性脂質が水素化される時に微量に生成し、反芻動物の胃の中に生息する嫌気性細菌によってリノール酸からも少量生成し、反芻動物由来の肉製品及び乳製品(牛乳、チーズなど)にも少量含有されている。CLAは、韓国ではまだ販売許可が出ていない物質で、1987年にアメリカのウィスコンシン大学のパリジャ教授によって初めて効能が明らかにされて以後、2002年には1000以上の論文が発表されるなど高い関心が持たれている物質である。特に、CLAの主要構成物質であるトランス−10,シス−12異性体が体脂肪を減少させる物質として知られている。CLAは、吸収された脂肪が脂肪細胞に蓄積されることを防いで、筋肉細胞でエネルギーに使われるように誘導することから、このようなメカニズムを通じて体脂肪が減少する効果を有し、さらに、運動を共に行なう場合には、体重減量及び健康増進にもさまざまな効果があることが明らかにされている。
CLAの生理的機能は、肥満抑制、血中コレステロール降下、血中LDL−コレステロール酸化を防ぐ抗酸化効果、糖尿病予防及び治療効果、乳癌、皮膚癌、胃癌に対する抗癌効果、飼料に使う場合の飼料効率改善、家畜の体脂肪減少、脂肉率増加、肉質改善、食肉の脂肪酸化抑制効果など非常に多様である。
しかし、CLA自体は共役(conjugation)の状態であることから、脂肪酸化が急速に進む可能性が大きい。
したがって、本発明の課題は、CLA自体の脂肪酸化を減少させることができる物質を提供することにある。
本発明者らは、CLA自体の脂肪酸化を減少させることができる優れた物質を開発すべく鋭意検討を行う中で、没食子酸とCLAを結合させて製造した脂肪エステルが、抗酸化、抗菌、抗炎症及び肌美白効果が極めて優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記化学式1で示される新規な没食子酸共役リノール酸脂肪エステルに関する。
前記式中、R は、水素であり、R 〜R は、それぞれ独立して、水素、9−シス,11−トランスオクタデク−9,11−ジエノイル、9−トランス,11−シスオクタデク−9,11−ジエノイル、10−シス,12−トランスオクタデク−10,12−ジエノイルまたは10−トランス,12−シスオクタデク−10,12−ジエノイルである(但し、R〜Rがすべて水素の場合は除く)。
また、本発明は、
1) 没食子酸と共役リノール酸をモル比率1:3で有機溶媒に溶解させた後、塩基を添加して反応させる工程、及び
2) 前記工程1)で得られた反応混合物にエチルアセテートを添加して層分離をさせた後、上層液を集めて濃縮する工程
を含む、没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの製造方法に関する。
また、本発明は、前記工程1)において、有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、前記方法に関する。本発明においては、前記有機溶媒はテトラヒドロフランであることが好ましい。
本発明はまた、前記工程1)において、塩基が、トリエチルアミン及びWSCD(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)であることを特徴とする、前記方法に関する。
さらに本発明は、前記の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗酸化用組成物に関する。
また本発明は、前記の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗菌用組成物に関する。
さらにまた本発明は、前記の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗炎症用組成物に関する。また、本発明は、組成物がリューマチ関節炎または骨関節炎の予防及び治療に有用であることを特徴とする、前記の抗炎症用組成物にも関する。
本発明はまた、前記の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、肌美白用組成物に関する。
よって、本発明は、新規な没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを提供する。
また、本発明は、前記没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを有効成分として含む、抗酸化、抗菌、抗炎症及び肌美白用組成物を提供する。
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、電子供与能(ラジカル消去)に優れ、過酸化物価が低く、また脂肪酸の変敗度も低いため、極めて優れた抗酸化効果を有する。
また、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、11種類の微生物のうち、4種類のカビ、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、ムコ・ヒエマリス(Mucor hiemalis)およびペニシリウム・ベルコサム(Penicillium verrucosum)、乳酸菌、ロイコノストク・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ならびに細菌、リステリア・イバノバ(Listeria ivanova)に対して優れた抗菌活性を発揮する。
また、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、COX−1及びCOX−2阻害率が高いため、リューマチ関節炎、骨関節炎及びその他炎症に対して優れた抗炎症効果を有する。
また、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、チロシナーゼ阻害率が高いことから、肌美白効果に優れている。
したがって、本発明の組成物は、抗酸化、抗菌、抗炎症及び肌美白に有用に使用できる。
本発明の組成物は、前記没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの他に、さらに同一または類似の機能を有する有効成分を1種以上含むことができる。
本発明の組成物は、投与のために前記の有効成分以外にさらに薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含んで製造することができる。薬剤学的に許容可能な担体は、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エチルアルコール及びこれら成分のうち1成分以上を混合して使うことができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、抗菌剤など他の通常の添加剤を添加することができる。
また、稀釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。さらに当分野の適正な方法で、またはレミントン製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science)(最近版)、マック出版社(Mack Publishing Company, Easton PA)に開示されている方法を使用して、各疾患に応じ、または成分に応じて好ましく製剤化することができる。
本発明の組成物は、目的とする方法によって非経口投与(例えば静脈内、皮下、腹腔内または局所に適用)または経口投与することができ、投与量は患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度等によりその範囲が多様である。一日投与量としては、化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを約20〜300mg/kgで、好ましくは50〜120mg/kgで、一日一回ないし数回に分けて投与するのがより好ましい。
また、本発明の組成物は、抗酸化、抗菌、抗炎症及び肌美白の改善を目的に健康食品に添加することができる。本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを食品添加物に使う場合、前記没食子酸共役リノール酸脂肪エステルをそのまま添加したり他の食品または食品成分とともに使用したりすることができ、通常の方法によって適切に使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)に応じて決めることができる。一般的に、食品または飲料の製造時、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、原料に対して1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の量で添加する。しかし、健康及び衛生を目的としてまたは健康調節を目的として長期間摂取する場合には、前記量は前記範囲以下であってもよい。安全性面で如何なる問題もないので有効成分は前記範囲以上の量でも使用可能である。
前記食品の種類には、特別な制限はない。本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを添加することができる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデー類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、一般的な意味での健康食品をすべて含む。
本発明の健康飲料組成物は、通常の飲料と一緒にさまざまな香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含むことができる。上述した天然炭水化物は、ブドウ糖、果糖のようなモノサッカライド、マルトース、スクロースのようなジサッカライド、及びデキストリン、シクロデキストリンのようなポリサッカライド、ザイリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、タウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスパルテームのような合成甘味剤などを使うことができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100ml当り一般的に約0.01〜0.04g、好ましくは約0.02〜0.03gである。
前記以外に本発明の組成物は、さまざまな栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸(pectic acid)及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含むことができる。その他に本発明の組成物は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含むことができる。このような成分は、単独でまたは組み合わせて使うことができる。このような添加剤の割合は、限定されないが、本発明の組成物100重量部当り0.01〜0.1重量部の範囲であるのが一般的である。
また、本発明の組成物は、没食子酸共役リノール酸脂肪エステル以外に化粧料組成物分野で通常的に使われる添加剤を配合して製造することができ、その剤形において特別に限定されない。すなわち、本発明による化粧料組成物は、ソフトナー、アストリンゼン、栄養化粧水、アイクリーム、栄養クリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングポム、クレンジングウォーター、パウダー、パックまたはエッセンスなどの形態であってもよい。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例及び実験例を提示する。しかし、下記の実施例及び実験例は本発明をより易しく理解するために提供するだけであり、実施例及び実験例によって本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例
没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの製造
本実施例に使用した没食子酸は、シグマ社(アメリカ)から購入した製品を使用し、共役リノール酸(純度80%、CLA)は、(株)リポゼン社から提供を受けて実験に使用した。
没食子酸及びCLAをモル比1:3でテトラヒドロフランに溶解させた後、トリエチルアミン及びWSCD(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)を添加して24時間撹拌しながら反応させた。反応が終わった後、蒸留水を添加して洗浄した。、洗浄は2回繰り返した。エチルアセテートを添加して層分離をさせた後、上層液を回収して、回収した上層液を薄膜クロマトグラフィー(シリカ薄膜クロマトグラフィー;25DC-Platten、Kiesel gel、60F254、Merk、ドイツ、20x20cm)に展開し、本発明の脂肪エステルの合成の有無を確認した。ここで、展開溶媒にはエチルアルコール:ヘキサンを1:8の割合で使用し、リンモリブデン酸(phosphomolybdic acid;PMA、PMA10gとエチルアルコール120mlを混合)を染色試薬として用いることにより発色させた。
本発明の脂肪エステルの合成が確認された上層液に、NaSOを添加して乾燥した後、窒素気流下で濃縮した。濃縮した没食子酸共役リノール酸脂肪エステル原液3mlを試料固定台に挿入し、赤外線分光光度計(FT IR/FT NIR Spectrophotometer, Tensor 37, Bruker OPTIK GmbH)とOPUS分光法ソフトウェア(バージョン4)を使用して、合成された没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの生成を確認した。
薄膜クロマトグラフィーに展開された結果は、図1に示した。赤外線分光光度計の測定結果は、図2に示した。
図1に示したように、出発物質であるA(没食子酸)とB(共役リノール酸)は、最終生成物であるC(没食子酸共役リノール酸脂肪エステル)と異なる形態に展開されることが分かる。出発物質であるA(没食子酸)の発色点は、最終生成物であるC(没食子酸共役リノール酸脂肪エステル)においては観察されず、最終生成物であるCでは新しく形成された発色点が観察された。
また、図2に示したように、エステル基によるピークである1752.65cm−1においてピークが確認されたことにより、没食子酸と共役リノール酸が結合して没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを形成していることが分かる。
実験例1:本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗酸化効果
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルが、人体内の胃酸条件下で抗酸化能を有するかどうかを調べるために、下記の実験を遂行した。
1.抗酸化試験用試料製造
人体内の胃酸条件とするために、0.1M没食子酸、0.3M共役リノール酸及び前記実施例で製造した没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを、0.1M HClを使用してpH2に調節されたエチルアルコールに溶解し、37℃で1時間反応させた後、抗酸化活性を測定した。
2.電子供与能(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、DPPH)測定
試料は、エチルアルコールに1000ppmの濃度になるように希釈した後、分析用試料として使用した。試料1mlに0.2mM DPPHラジカル1mlを入れて撹拌して、30分間室温で反応させた後、分光光度計(UV−1600PC、シマズ、東京、日本)を使用して517nmにおける吸光度を測定した。
結果は、表1に示した。
※ GA:没食子酸、 CLA:共役リノール酸、
GA−CLA:没食子酸共役リノール酸脂肪エステル
表1に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル(GA−CLA)の電子供与能は、0.1モル没食子酸、0.3モル共役リノール酸よりもラジカル消去能が優れていることが分かる。しかし、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを胃酸の条件下で反応させた場合は、ラジカル消去能が低下することが分かった。
3.過酸化物価(POV)測定
過酸化物価は、AOAC方法によって測定した。試料は、豆油に1000ppmの濃度になるように希釈した後、分析用試料として使用した。
試料1mlにクロロホルムと酢酸の(2:3、v/v)混合溶液35mlを添加して溶解させた後、飽和ヨウ化カリウム(KI)0.5mlを添加して撹拌した後、5分間暗所に保管して反応させた。反応させたサンプルに蒸留水75mlを添加した後、1%澱粉溶液1mlを添加して0.005N Na(チオ硫酸ナトリウム)溶液で滴定した。過酸化物価は、澱粉による着色が消失する時を終結点にして、数式1によって求めた。結果は、表2に示した。
過酸化物価=(A−B)×N×1000/S (数式1)
※ A:試料に対する0.01N Na標準溶液使用量(ml)
B:空試験群に対する0.01N Na標準溶液使用量(ml)
N:0.005N Na標準溶液の力価
S:試料採取量(ml)
※ GA:没食子酸、 CLA:共役リノール酸、
GA−CLA:没食子酸共役リノール酸脂肪エステル
表2に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、保存初期(4.40)から保存期間にわたって終始低い過酸化物価を示した。しかし、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを胃酸の条件下で反応させた場合は、保存期間の経過によって過酸化物価が急激に増加することが分かった。
4.脂肪酸変敗度測定(2-Thiobarbituric acid reactive substances, TBARS)
脂肪酸変敗度は、TBARS値で測定した。試料は、油硫化物に1000ppmの濃度になるように希釈した後、分析用試料として使用した。
油硫化物は、蒸溜水に大豆油(2%)及びTritonX-100(0.2%)を添加した後に試料を添加してホモジナイザーで均質化した後、実験に使用した。試料5mlに蒸溜水15ml及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)(7.2%)50μlを添加した後、ホモジナイザー(DIAX900、Heidolph社、ドイツ)を使用して均質化した。均質化した試料2mlにチオバルビツール酸/卜リクロロ酢酸(thiobarbituric acid/trichloroacetic acid;TBS/TCA)4mlを添加した後、混合した。混合した試料を沸騰した湯で15分間反応させた後、氷水で10分間冷却して遠心分離(698.75xg、15分)した。遠心分離した上清の532nmにおける吸光度を測定した。結果は、表3に示した。
※ GA:没食子酸、 CLA:共役リノール酸、
GA−CLA:没食子酸共役リノール酸脂肪エステル
表3に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのTBARS値が最も低く、保存期間の経過による酸化進行速度も最も遅いことが分かった。しかし、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを胃酸の条件下で反応させた場合、保存初期にはTBARS値が比較的高く測定されたが保存期間の経過に従い酸化進行速度が遅くなることが分かった。0.1モル没食子酸及び0.3モル共役リノール酸の場合、保存6日以後に変敗が急速に進行した。
以上のように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、0.1モル没食子酸、0.3モル共役リノール酸よりラジカル消去能に優れ、過酸化物価が低く、脂肪酸変敗度が低いことから、極めて優れた抗酸化効果を有することが理解される。
また、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、人体の胃の環境でも抗酸化活性を完全に消失しないので、抗酸化効果に優れたものであることが分かる。
実験例2:本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗菌効果
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗菌効果を調べるために、下記のような実験を遂行した。
1.菌株活性
本実験例においては、カビ(4種類)、酵母(1種類)、乳酸菌(1種類)及び病原性微生物(5種類)の計11種類の微生物を使用した。
微生物のうち、細菌は、接種された斜面培地で1イノキュレーションループを取って、同じ液体培地10mlに接種して24時間培養した培養液0.1mlを取り、新しい培地10mlに接種して18時間2次培養を行い、その培養液を実験に使用した。
酵母は、細菌と同じ方法で72時間培養して実験に使用し、カビは平板培地に接種した後、72時間培養して実験に使用した。
実験に使用した菌株と培地を表4に示した。
※ PDB & PDA:ポテトデキストロースブロス&ポテトデキストロース寒天培地(Difco)
MRSB & MRSA:ラクトバシラスMRSブロス&ラクトバシラスMRS寒天培地(Difco)
TSB & TSA:トリプティックソイブロス&トリプティックソイ寒天培地(Difco)
NB & NA:ニュートリエントブロス&ニュートリエント寒天培地(Difco)
2.抗菌活性試験
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗菌活性試験は、ディスク拡散法(disc diffusion method)を使用した。
細菌及び酵母は、活性化させた培養液0.1mlを、室温で一晩乾燥した寒天プレートに落とした後、均一に塗布した。カビは培地で72時間培養して胞子を充分に形成させた後、滅菌された0.1%Tween80溶液を使用して胞子懸濁液を製造した後、懸濁液0.1mlを培地板に均一に塗布した。
本実験に使用した微生物は、各菌株による最適培地を使用し、実験に使用した菌株の初期濃度は、10〜10CFU/mlのレベルであった。
各試験菌株が接種された平板上に前記実施例で製造した没食子酸共役リノール酸脂肪エステル20ulを吸収させたろ紙(直径8.0mm)をおいて菌株に合った最適温度で72時間培養した後、ディスク周囲に形成された透明地帯の大きさ(mm)で抗菌活性を測定した。
結果は、表5に示した。
表5に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗菌効果は、カビ(アスペルギルス・フラバス、アスペルギルス・ウサミ、ムコ・ヒエマリス、ペニシリウム・ベルコサム)、乳酸菌(ロイコノストク・メセンテロイデス)及び細菌(リステリア・イバノバ)等、6種類の菌株で抗菌活性が見られ、その中でカビ及び一部細菌に対して抗菌活性が非常に優れていることが分かった。
3.本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの濃度による抗菌効果
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの濃度による抗菌効果は、前記2のディスク拡散法を使用した抗菌活性試験で没食子酸共役リノール酸脂肪エステルに対して抗菌活性が観察された菌株のみを対象にして測定した。
滅菌された培地に一定濃度の0.1モル没食子酸、0.3モル共役リノール酸及び前記実施例で製造した没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを添加した後、活性化させた微生物培養液をそれぞれの培地に1%(v/v)ずつ接種し、72時間培養して標準寒天培養法を使用して測定した。
酵母、カビ及び細菌の生菌数は、各菌株の最適培地及び最適温度で72時間培養した後、コロニーを計数し、試料1ml当りのコロニー形成単位(colony forming unit;CFU)で現わした。ここで、没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを溶解するために使用したエチルアルコール自体の抗菌力を排除するために、処理濃度と同じ濃度でエチルアルコールのみを添加したものを対照群にし、検出のための最小計数限界サイズは、101CFU/mlであった。
結果は、表6に示した。
※ GA:没食子酸、 CLA:共役リノール酸、
GA−CLA:没食子酸共役リノール酸脂肪エステル
表6に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、1000ppm添加した場合、カビに対して1〜2log程度増殖を抑制し、10000ppm添加した場合、アスペルギルス・ウサミ及びムコ・ヒエマリスに対して増殖を完全に抑制した。また、乳酸菌ロイコノストク・メセンテロイデスに対しては、1000ppm及び10000ppm添加して培養した結果、増殖を完全に抑制した。また、細菌(リステリア・イバノバ)に対しては、10000ppm添加して培養した時、増殖を完全に抑制した。
したがって、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、0.1モル没食子酸及び0.3モル共役リノール酸より抗菌効果が優れていることが分かる。
実験例3:本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗炎症効果
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの抗炎症効果を調べるために、下記の実験を遂行した。
シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素は、アラキドン酸を基質にしてプロスタグラジンを生合成する一番目及び二番目の過程に存在する。本酵素には、二つの形態が存在する。まず、COX−1は、組織的に発現して正常生理機能を維持する役目をし、この酵素によって生産されたプロスタグランジンは保護の役割を果たす。COX−2は、マイトジェン(mitogen)、癌遺伝子、腫瘍プロモーター、成長因子等、外部刺激によって影響を受けて発現する。COX−2は、炎症に関与するアイソフォームで、COX−2の誘導は炎症が発生する部位においてプロスタグランジンの産生を惹起する。したがって、COX−2に対する選択的抑制は、非ステロイド系抗炎症薬のような治療効果をもたらす。セレブレックス(商品名)(Celecoxib)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、パレコキシブ(Parecoxib)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)等のようないくつかの選択的COX−2抑制剤が臨床で使われている。これらは主にリューマチ関節炎または骨関節炎の炎症抑制剤として使われている。また、COX−2抑制剤は、癌防止及び治療剤またはアルツハイマーやパーキンソン病の危険を抑制するのにも使われることがある。しかし、このようなCOX−2抑制剤を使用した市販の薬物は多くの副作用を引き起こす。また、COX−2発現遺伝子を欠損させたマウス(COX−2ノックアウトマウス)も炎症を発現すると報告されていて(Buttar,N.S., Wang,K.K. The "aspirin" of the new millennium: cyclooxygenase-2 inhibitors. Mayo. Clin. Proc. 2000年, 第75巻, P.1027-1038)、また、COX−1とCOX−2の二つの酵素がどちらも炎症作用に関与していて、いずれのCOX酵素がこの作用にさらに寄与するかは、炎症の形態、発現部位そして炎症発現刺激によって変わると報告されている(Hu, K.O. Cyclooxygenase-2(COX-2)-prostanoid pathway and liver diseases. Prostaglandins,Leukotrienes and Essential Fatty acids, 2003年, 第69巻, P.329-337)。
COX−1とCOX−2の抑制効果は、COX阻害剤スクリーニングキット(Catalog No.560131, Cayman Chemicals, Ann Arbor, ミシガン、アメリカ)を使用してプロスタグラジンE(PGE)を測定することにより求めた。
100mMトリス−HCl緩衝液[pH8.0、1μM ヘム及びCOX−1(ヒツジ)または、COX−2(ヒト組換え)含有]を10分間37℃恒温水槽で予めインキュベートした後、10μlのアラキドン酸を注入することにより反応を開始させた。ここで、反応溶液の最終濃度は、100μMであった。2分後、1M HClを注入して反応を終了させ、PGEをELISA法によって定量した。試料は、DMSOと蒸留水に溶解した後、100mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)を使用して濃度を調整した。マウス反応溶液を、抗ウサギIgGがコーティングされた96ウェルプレートに移した後、プロスタグランジンアセチルコリンエステラーゼトレーサーと1次抗体(マウス抗PGE)を添加した。プレートを室温で12時間放置した後、反応溶液を除去して0.05%Tween20を含んだ10mMリン酸塩緩衝液で洗浄した。エルマン試薬(Ellman’s reagent、200μl)を各ウェルに添加した後、遮光した状態で室温で60分間放置して対照群ウェルの412nmにおけるOD値が0.3〜0.8になるようにした。PGEを使用した標準曲線を描いた後、試料が添加されたウェルを使用して定量分析した。結果は、抑制効果として対照群(溶媒だけを含んだ試料)に対する処理群の百分率で示した。また、IC50値も下記の数式2によって求めた。
結果は、表7に示した。
COX−1(またはCOX−2)阻害率(%)=[(Ic−Sc)/Ic]×100
(数式2)
※ Ic:試料処理前PGs(プロスタグラジン)の濃度
Sc:試料処理後PGs(プロスタグラジン)の濃度
COX−1に対する試料処理の前PGsの濃度(Ic)=3.44
COX−2に対する試料処理の前PGsの濃度(Ic)=2.18
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのシクロオキシゲナーゼ阻害効果(抗炎症効果)
表7に示されたように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、10μMの低い濃度でCOX−1酵素阻害率が74%であり、またCOX−2酵素阻害率も32%であり、高い抗炎症効果を有することが明らかになった。このような抗炎症効果は、現在抗炎症剤として使われているセレブレックスより高い効果である。
ムリア(Murias)等によれば、セレブレックスはCOX−1阻害率が50%(IC50)になるために19μM、COX−2の場合には35nMの濃度が必要だと記載している[Murias et al., Resveratrol analogues as selective cycloxygenase-2 inhibitors: synthesis and structure-activity relationship. Bioorganic & Medical Chemistry、2004年、第12巻、 P.5571-5578]。前記セレブレックスのCOX−1及びCOX−2のIC50と本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのCOX−1及びCOX−2のIC50とを比べると、セレブレックスのCOX−1のIC50は19μMであるのに比べて、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのCOX−1のIC50は10nM(0.01μM)であり、900倍以上高い阻害率を示した。また、セレブレックスのCOX−2のIC50は35nM、一方、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのCOX−2のIC50は6.2μMで、900倍以上高い阻害率を示した。
したがって、本発明の新規な没食子酸リノール酸脂肪エステルは、COX−1及びCOX−2阻害作用に優れているため、リューマチ関節炎、骨関節炎及びその他炎症に効果的であることが分かる。
実験例4:本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの肌美白効果
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの肌美白効果を調べるために、チロシナーゼ阻害率を測定した。
チロシナーゼ阻害実験は、100unit/mlのキノコチロシナーゼ0.2ml、基質として10mMのDOPA(L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)0.4ml、リン酸塩緩衝液(0.07M、pH6.8)0.2mlの混合液に試料溶液0.2mlを添加して、37℃、30分間反応させて475nmにおける吸光度を測定した。ドーパクロムの変化を試料溶液無添加群及び試料溶液添加群の吸光度の差から阻害率に換算して表8に示した。
表8に示されたのように、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルのチロシナーゼ阻害率は63.5%と高いことが明らかになった。したがって、本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、肌美白用化粧品の成分として有用である。
本発明の組成物の製剤例を下記に例示する。
製剤例1:薬学的製剤の製造
1.散剤
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合して気密容器に充填して散剤を製造した。
2.錠剤
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 500mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法にしたがって打錠して錠剤を製造した。
3.カプセル剤
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 500mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法にしたがってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
4.注射製剤
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 500mg
クエン酸塩緩衝液 pH3.5に維持
デキストロース アイソトニック
滅菌処理された20ml注射用バイアルに前記実施例で製造した没食子酸共役リノール酸脂肪エステル、クエン酸ナトリウム、クエン酸およびデキストロースを充填した後、アルミキャップを使って密封した。使用時、注射用蒸留水を使用して上の混合物を溶解した後、適当な体積の注射用水溶液になるよう希釈して製造した。
製剤例2:飲料の製造
1.炭酸飲料
砂糖5〜10重量%、クエン酸0.05〜0.3重量%、カラメル0.005〜0.02重量%、ビタミンC0.1〜1重量%の添加物を混合して、ここに79〜94重量%の精製水を混ぜてシロップを作り、前記シロップを化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルと混合し、85〜98℃で20〜180秒間殺菌して、冷却水と1:4の割合で混合した後、炭酸ガスを0.5〜0.82重量%注入して炭酸飲料を製造した。
2.健康飲料
液状果糖(0.5重量%)、オリゴ糖(2重量%)、砂糖(2重量%)、食塩(0.5重量%)、および水(75重量%)と化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを均一に配合して瞬間殺菌をした後、これをガラス瓶、ペットボトル等の小包装容器に包装して健康飲料を製造した。
3.野菜ジュース
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル0.5gをトマトまたはニンジンジュース1000mlに加えて健康増進用野菜ジュースを製造した。
4.果物ジュース
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル0.1gをリンゴまたはブドウジュース1000mlに加えて健康増進用果物ジュースを製造した。
製剤例3:化粧料組成物の製造
1.ソフトナー(含量:重量%)
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 0.01
グリセリン 3.0
ブチレルグリコール 2.0
プロピレングリコール 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
エチルアルコール 10.0
トリエチルアルコールアミン 0.1
防腐剤、微量色素、微量香料、微量精製水残液合計 100.0
2.栄養化粧水(含量:重量%)
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 0.01
蜜蝋 4.0
ポリソルベート60 1.5
セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
流動パラフィン 5.0
スクアレン 5.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5.0
グリセリン 3.0
ブチレングリコール 3.0
プロピレングリコール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
トリエチルアルコールアミン 0.2
防腐剤、微量色素、微量香料、微量精製水残液合計 100.0
3.栄養クリーム(含量:重量%)
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 0.005
蜜蝋 10.0
ポリソルベート60 1.5
セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
流動パラフィン 10.0
スクアレン 5.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5.0
グリセリン 5.0
ブチレングリコール 3.0
プロピレングリコール 3.0
トリエチルアルコールアミン 0.2
防腐剤、微量色素、微量香料、微量精製水残液合計 100.0
4.マッサージクリーム(含量:重量%)
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 0.005
蜜蝋 10.0
ポリソルベート60 1.5
セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
流動パラフィン 40.0
スクアレン 5.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 4.0
グリセリン 5.0
ブチレングリコール 3.0
プロピレングリコール 3.0
トリエチルアルコールアミン 0.2
防腐剤、微量色素、微量香料、微量精製水残液合計 100.0
5.パック(含量:重量%)
化学式1の没食子酸共役リノール酸脂肪エステル 0.005
ポリビニルアルコール 13.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
アラントイン 0.1
エチルアルコール 5.0
ノニルフェニルエーテル 0.3
防腐剤、微量色素、微量香料、微量精製水残液合計 100.0
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルは、電子供与能(ラジカル消去)に優れ、過酸化物価が低く、脂肪酸変敗度が低いので、優れた抗酸化効果を有する。また、カビと細菌に対して抗菌活性が優れており、COX−1及びCOX−2阻害作用に優れているため、優れた抗炎症効果を有するとともに、、さらに、高いチロシナーゼ阻害作用を有するので肌美白効果にも優れている。
したがって、本発明の組成物は、抗酸化、抗菌、抗炎症及び肌美白に有用に使用できることから、化粧料や医薬品として応用が期待される。
本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの薄膜クロマトグラフィーに展開した結果を示した図である。 本発明の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルの赤外線分光光度計測定結果を示した図である。

Claims (9)

  1. 下記化学式1
    式中、
    は、水素であり、
    〜R は、それぞれ独立して、水素、9−シス,11−トランスオクタデク−9,11−ジエノイル、9−トランス,11−シスオクタデク−9,11−ジエノイル、10−シス,12−トランスオクタデク−10,12−ジエノイルまたは10−トランス,12−シスオクタデク−10,12−ジエノイルである(但し、R〜Rがすべて水素の場合は除く)、
    で表される、没食子酸共役リノール酸脂肪エステル。
  2. 1)没食子酸と共役リノール酸を1:3のモル比で有機溶媒に溶解させた後、塩基を添加して反応させる工程、及び
    2)工程1)で得られた反応混合物にエチルアセテートを添加して層分離をさせた後、上層液を回収して濃縮する工程
    を含む、請求項1に記載の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを製造する方法。
  3. 工程1)において、有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 工程1)において、塩基が、トリエチルアミン及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗酸化用組成物。
  6. 請求項1に記載の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗菌用組成物。
  7. 請求項1に記載の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、抗炎症用組成物。
  8. 組成物がリューマチ関節炎または骨関節炎の予防及び治療に有用であることを特徴とする、請求項7に記載の抗炎症用組成物。
  9. 請求項1に記載の没食子酸共役リノール酸脂肪エステルを含む、肌美白用組成物。
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