JP4201384B2 - 遊技機の基板被覆ボックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に取り付けられ且つ該遊技機を制御する制御回路基板を複数の被覆部材によって被覆する遊技機の基板被覆ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ玉を遊技媒体として遊技する弾球遊技機やコインを遊技媒体として遊技するスロットマシン等の遊技機には、多くの回路基板が設けられている。特に、遊技動作を制御する遊技制御回路基板には、マイクロコンピュータを構成するMPU、ROM、RAM等の電子素子が多数実装されている。そして、例えば、遊技動作を制御するプログラムが格納されるROMを交換したり、あるいは不正な回路基板を遊技制御回路基板に接続したりすることにより、多くの場合、当初の遊技内容と異なる遊技内容を実現することが可能である。このため、遊技制御回路基板は、不正行為が行われたか否かが容易にわかる方形状をなす樹脂製のボックス内に収納して設けられていた。具体的には、基板被覆ボックスは、回路基板を取り付けたボックス本体と、その上方を被覆する被覆部材と、から構成され、該被覆部材がワンウェイネジでボックス本体に固着されることにより、ボックスの一部を破壊しない限り開放できないようにし、ボックスの一部が破壊されていれば、回路基板に対する不正が行われた蓋然性が高いというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の基板被覆ボックスでは、その方形状の四隅を個々にワンウェイネジを含む複数のネジで固着しなければならず、組付け作業が面倒であるという欠点があった。また、上記従来の基板被覆ボックスは、内部に被覆される回路基板の電子部品の実装面を透視し得るように、被覆部材だけを透明にしていたため、回路基板の実装面と反対側のハンダ面における不正行為(例えば、ジャンパー配線等)が発見しづらいという欠点があった。本発明は、上記した欠点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、回路基板を被覆する複数の被覆部材の組付け作業を簡単に行うことができると共に回路基板のすべての個所における不正を発見することが容易な遊技機の基板被覆ボックスを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が採用した解決手段を図面を参照して説明すると、請求項1の発明は、図1,図3,図4,図5,及び図7に示すように、遊技機(弾球遊技機1)に取り付けられ且つ該遊技機1を制御する制御回路基板(遊技制御回路基板100)複数の被覆部材81,120,150によって被覆する遊技機の基板被覆ボックス80において、前記複数の被覆部材は、前記制御回路基板100を被覆する方形状の被覆主体(ボックス状被覆主体81)と、該被覆主体1に被覆される前記制御回路基板100の電子部品実装領域101を少なくとも被覆するための方形状の被覆枠体120及び被覆カバー体150と、から構成されると共に、前記被主体81と前記被覆枠体120及び被覆カバー体150のすべてを内部が視認し得る透明合成樹脂で形成する一方、前記被覆枠体120には、その上面に方形状の開口部121が形成されると共に、該開口部121の対向する開口縁に沿って適宜間隔を置いて切欠部(嵌め込み用切欠部142)と係合部(コ字状係合部141)とが形成されると共に、前記対向する開口縁とは異なる開口縁に対応する一辺に挿通穴(貫通穴131)が形成され、前記被覆カバー体150には、前記被覆枠体120の前記開口部121を閉塞するために、対向する辺に所定間隔を置いて前記切欠部142に挿入した後スライドさせることにより前記係合部141と係合する被係合部(L字型被係合部162)が形成されると共に、前記係合部141と前記被係合部162とを係合させた状態で、前記挿通穴131に対応する挿入穴を有した固定片部156〜159が切断部160を介して一体的に複数個並列状に形成され、さらに前記固定片部156が形成される辺と対向する辺に前記被覆主体81と係止する係止部(係止突片154)が形成され、前記被覆主体81には、前記被覆枠体120を取り付けた状態で前記挿通穴131に対応する止着穴(取付穴95)が形成されると共に、前記被覆カバー体150の係止部154と係止する被係止部(係止切欠93)が形成され、前記係合部141を、溝部(コ字型係合部141)と該溝部に嵌合するレール状突起(L字型被係合部162)のいずれか一方とし、前記被係合部162を、いずれか他方とし、前記被覆主体81に前記被覆枠体120を取り付けた後に前記被覆カバー体150の被係合部162を前記被覆枠体120の切欠部142に挿入した後一方向にスライドさせて前記被覆カバー体150の被係合部162及び係止部154と前記被覆枠体120の係合部141及び被係止部93とをそれぞれ係合及び係止させた状態で、前記複数個の固定片部156〜159のいずれか一箇所の固定片部156の挿入穴よりネジ138を挿入し、該ネジ138が前記挿通穴131を挿通して前記止着穴95に止着することにより前記被覆枠体120、前記被覆カバー体150及び前記被覆主体81とが固着され、該固着された固定片部156の前記切断部160を切断しない限り前記係合部141と前記被係合部162とによる係合状態及び前記被覆主体81と前記被覆枠体120の取り付け状態を解除できないようにする一方、前記切断部160を切断破壊したときに、前記ネジ138が固定片部156に固着された状態で残存することを特徴とするものである。このように構成することにより、被覆枠体120を被覆主体81に取り付けた状態で被覆カバー体150を組み付けるには、係合部141を切欠部142に挿入した後被係合部162係合するようにスライドさせた後、固着部156の挿入穴に固着手段138を固着するだけであるため、極めて簡単に組み付けることができる。また、被覆主体81と被覆枠体120被覆カバー体150のすべてが透明合成樹脂によって形成されているので、回路基板100の実装面だけでなく反対側のハンダ面も外部から視認できるので、回路基板のすべての個所における不正を容易に発見することができる。
【0005】
また、図5及び図6に示すように、前記係合部141を、溝部(コ字型係合部141)と該溝部に嵌合するレール状突起(L字型被係合部162)のいずれか一方とし、前記被係合部162を、いずれか他方としたことにより、係合状態が外れることがなく、例えば、被覆カバー体150に外圧を加えて変形させても係合状態が外れることがない
【0006】
また、図5に示すように、前記被覆カバー体150に、前固定片部156が形成される辺と対向する辺に前記被覆主体81と係止する係止部(係止突片154)を形成したことにより、被カバー体150の四辺が固着片部156、被係合部162、係止部154によって被覆主体81及び被覆枠体120に止着されるので、いずれの個所からも被覆カバー体150を上方に持ちあげることはできず、被覆主体81及び被覆枠体120と被覆カバー体150との間に隙間を形成して行う不正な行為を防止することができる。
【0007】
【0008】
また、図5及び図6に示すように、前記固定片部156は、複数個並列状に形成されて、その複数個の固定片156〜159のいずれか一箇所だけ前記固着手段138で固着することにより、前記被覆枠体120と前記被覆カバー体150との係合状態を保持するように構成することにより、検査のために最初の固着部156の切断部160を切断破壊しても、再度2番目の固部157に固着手段138を固着することにより、再度被覆枠体120と被覆カバー体150との係合状態を保持することができる。つまり、検査を複数回行うことができる。
【0009】
更に、図8に示すように、前記切断部160を切断破壊したときに、前記ネジ138が固定部156に固着された状態で残存するように構成することにより、正規な検査履歴を確認することができると共に、基板被覆ボックス80を回収したときにネジ138を再利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して遊技機の一例としての弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、弾球遊技機1の正面図であり、図2は、弾球遊技機1の背面図である。
【0011】
弾球遊技機1は、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つ弾球遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる枠基体3と、該枠基体3の前面上部に開閉自在に設けられるガラス板保持枠4と、から構成されている。枠基体3に設けられる主要構成部としては、ガラス板保持枠4、遊技盤40、上皿12、灰皿21を含む下皿18、操作ハンドル22、機構板50、打球発射装置71がある。また、図示の実施形態では、弾球遊技機1の側方に遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてのカードユニット装置30が付設されている。
【0012】
ガラス板保持枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域をほぼ透視し得る円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面からガラス板が装着されている。また、ガラス板保持枠4には、円形透視窓5の外周に沿って、その上部に装飾LED7が、その左右両側方に装飾蛍光灯6a,6bが設けられている。この装飾LED7や装飾蛍光灯6a,6bは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。また、ガラス板保持枠4の軸支側上部には、払い出すべく景品玉が不足したことを報知する玉切れLED8や、入賞玉の発生に基づいて所定個数の景品玉が払い出されたことを報知する払出LED9が設けられ、更に、ガラス板保持枠4の上部左右に遊技の進行に応じた効果音を発生するスピーカ10a,10bが設けられている。なお、上記した構成のうち、装飾LED7や玉切れLED8及び払出LED9は、複数のLEDがプリント配線基板上に実装されるように構成されるものであるが、このプリント配線基板を金属ベースプリント配線基板で構成することにより、LEDから発生される熱の放熱効果を高めることができる。
【0013】
次に、ガラス板保持枠4の下部で開閉自在に取り付けられる上皿12の構成について説明すると、上皿12は、合成樹脂製の上皿開閉板11の表面に複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿開閉板11には、その開放側の上端に玉抜き操作レバー16が設けられている。この玉抜き操作レバー16は、左右方向に移動可能に設けられ、図示しないスプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿12に貯留されていた玉を上皿開閉板11の裏面に形成される玉抜き路(図示しない)を流下させて下皿18に誘導するものである。また、上皿12には、その内部に圧電ブザー17が内蔵されている。この圧電ブザー17は、遊技玉の貸出異常が生じたとき(例えば、ピッ、ピッ、ピッという連続音)、あるいは遊技玉の貸出時(例えば、100円相当の遊技玉が払い出される毎にピーという音)に、その旨を報知する報知音が発生されるものである。
【0014】
上記した上皿12について、さらに詳細に説明すると、上皿12は、その上流側に形成される賞球払出口14とその下流側に形成される打球供給口15とを連絡するように貯留整列路13が形成されており、その貯留整列路13の中程底面裏面に上皿玉検出器(図示しない)が設けられている。この上皿玉検出器は、上皿12に残留する打玉を検出するものである。また、上皿12には、弾球遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置30を介して遊技玉を借り受ける際に操作する操作部が設けられている。なお、この操作部は、玉貸スイッチ、返却スイッチ、自動玉貸スイッチ、度数表示LED、及び自動玉貸表示LED(共に図示しない)から構成されている。玉貸スイッチは、カードユニット装置30によって遊技玉を借り受ける際に操作するものである。返却スイッチは、遊技終了の際にカードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードを返却するためのものである。度数表示LEDは、カードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードの残額が表示されるものである。また、自動玉貸スイッチは、借り受けるべき遊技玉を前記玉貸スイッチを操作して行うマニュアルモードと、上皿12の打玉の残量が前記上皿玉検出器によって検出されなくなったときに自動的に遊技玉を払い出す自動モードと、のいずれかのモードに設定するものであり、自動モードが選択設定されているときには、自動玉貸表示LEDが点灯している。
【0015】
しかして、後述する遊技盤40の遊技内容において大当り遊技状態が発生すると、短時間に多量の入賞玉を獲得するチャンスがある。このように大当り遊技状態という遊技者にとって極めて大きなチャンスは、上皿12の残留玉がほとんどなくなった時点で発生する場合もあり、このような場合、続けて打玉を発射させて打玉を可変入賞球装置42の特定入賞領域に入賞させる必要があるにも拘らず、打玉が上皿12に残存しないので、慌てて玉貸スイッチを操作して遊技玉を借り受けなければならない。しかし、玉貸スイッチを操作してから遊技玉が払い出され、しかもその玉が発射されて可変入賞球装置42の特定入賞領域に到達するまでに多少の時間がかかるため、その時間の間に有利なチャンス(継続権の成立)を逃してしまうという不都合があるが、本実施形態においては、自動玉貸スイッチを自動モードに設定しておけば、上皿玉検出器が打玉の不存在を検出した時点で自動的に遊技玉を上皿12に払い出すので、上記したような不都合は生じない。なお、上皿12として上記した制御を行わないならば、上皿玉検出器及び自動玉貸スイッチを省略したものでも良い。
【0016】
また、枠基体3の下部に取り付けられる下皿18は、前記上皿12から溢れた賞球であって余剰玉通路(図示しない)を介して余剰玉払出口19から排出される余剰の賞球を貯留するものであり、その下皿18の前面壁には、玉抜き操作レバー20がスライド可能に取り付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー20を操作することにより、下皿18に貯留されていた賞球を下方に玉抜きして持ち運び可能な玉箱に移し替えることができる。また、下皿の左側には、灰皿21が設けられ、右側には、操作ハンドル22が設けられている。操作ハンドル22は、後述する打球発射装置72の発射装置モータ73の駆動を開始せしめるメインスイッチ及びタッチアンテナ(共に図示しない)を内蔵していると共に、弾発力を調節するものである。
【0017】
弾球遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、図示の実施形態では、弾球遊技機1にカードユニット装置30が隣接されている。このカードユニット装置30は、前記上皿12の上面に設けられる前述した操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置30は、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器31と、当該カードユニット装置30がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器32と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード投入口33とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置30は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、上皿12に設けられる玉貸スイッチ、返却スイッチ、及び度数表示LEDや、後述する制御基板ボックス67内に収納された賞球払出制御基板66と接続されている。なお、カードユニット装置30を弾球遊技機1に内蔵しても良い。また、本実施形態においては、遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてカードユニット装置30を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
【0018】
次に、遊技盤40の正面構造について説明すると、遊技盤40は、前記枠基体3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠(図示しない)に収納固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成され、その表面には、円形うず巻き状に誘導レール(図示しない)が取り付けられ、該誘導レールの内側が遊技領域とされて発射された打玉が落下するものである。遊技領域には、図示の場合、ドラム式可変表示装置41や可変入賞球装置42やドラム式可変表示装置41の可変表示を許容する始動入賞口43が設けられると共に、単に打玉を入賞とする入賞口44,45、打玉の流下方向及び速度を変化せしめる風車又は多数の障害釘が設けられ、また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打玉が取り込まれるアウト口46が設けられている。
【0019】
一方、弾球遊技機1の裏面側には、図2に示すように、機構板50が開閉自在に設けられている。機構板50の中央には、窓開口51が開設され、該窓開口51からは、前記遊技盤40の裏面に取り付けられた入賞玉集合カバー体52が臨んでいる。入賞玉集合カバー体52には、その裏面一側に中継基板53が取り付けられており、また、前記前記ドラム式可変表示装置41の後方突出部が貫通されている。中継基板53には、遊技盤40上の各種電気部品が接続されると共に、後述する遊技制御回路基板100が接続されている。また、ドラム式可変表示装置41の後方突出部の下面には、ドラム表示制御回路基板54が一体的に取り付けられているが、そのドラム表示制御回路基板54には、ドラム式可変表示装置41に含まれる各種電気部品(ドラムモータ、ドラムランプ、ドラムセンサ等)が接続されると共に、遊技制御回路基板100にも接続されている。
【0020】
また、前記機構板50には、多数の賞球を貯留する玉タンク55と、発生した入賞玉に基づいて所定個数の賞球を払い出す賞球払出装置56と、玉タンク55内の玉を賞球払出装置56に送る玉整列レール57、カーブ樋58、及び通路体59と、玉止め部材61と入賞玉排出ソレノイド62と入賞玉検出器63とを備えた入賞玉処理装置60と、遊技制御回路基板100を収納した基板被覆ボックス80と、賞球払出制御基板66を収納した制御基板ボックス67と、ユニット中継基板65を収納した中継基板ボックス兼用カバー64と、ターミナル基板68を収納したターミナル基板ボックス69と、が設けられている。
【0021】
遊技制御回路基板100は、CPU、RAM、及びROMを備えてドラム式可変表示装置41や可変入賞球装置42等の遊技装置の遊技動作を制御するものである。賞球払出制御基板66は、賞球払出装置56の動作を制御するものである。ユニット中継基板65は、弾球遊技機1とカードユニット装置30との配線を中継するものである。ターミナル基板68は、主として遊技制御回路基板100に電源を供給するものである。また、弾球遊技機1の裏面には、上記した機構板50以外の領域に、装飾制御基板70を収納した装飾制御基板ボックス71と、発射装置モータ73を備えた打球発射装置72とが設けられている。装飾制御基板70は、遊技制御回路基板100からの指令又はデータに基づいて弾球遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(前記装飾蛍光灯6a,6bや装飾LED7等)の動作を制御するものである。
【0022】
なお、上記した各種基板及び装置には、所定の配線を接続するためのコネクタが設けられており、特に、ターミナル基板ボックス69に収納されるターミナル基板68は、遊技制御回路基板100に電源を供給するだけでなく、弾球遊技機1に設けられる各種電気的装置、例えば、上記した各基板及び打球発射装置72にも電源を供給すると共に、弾球遊技機1の内部での信号線の中継、あるいは弾球遊技機1と外部との信号線の中継を行うための端子も設けられている。
【0023】
以上、弾球遊技機1の概略の構成について説明してきたが、次に本実施形態の要部を構成する基板被覆ボックス80の構成について図3乃至図9を参照して説明する。図3は、基板被覆ボックス80と機構板50に止着される取付台170との関係を示す斜視図であり、図4は、基板被覆ボックス80を構成するボックス状被覆主体81と回路基板100との関係を示す斜視図であり、図5は、基板被覆ボックス80を構成する被覆枠体120と被覆カバー体150との関係を示す分解斜視図であり、図6は、基板被覆ボックス80の平面図であり、図7は、被覆枠体120と被覆カバー体150との取り付けを説明するための部分平面図であり、図8は、被覆枠体120から被覆カバー体150を一旦分離して再度取り付ける場合を説明するための部分平面図であり、図9は、被覆カバー体150を固着するためのワンウェイネジ138の作用を説明するための説明図である。なお、基板被覆ボックス80として、遊技動作を制御する遊技制御回路基板100を被覆するものを例示して説明するが、以下に説明する構造の基板被覆ボックスによって被覆される制御回路基板としては、遊技制御回路基板100に限られるものではなく、不正行為がされる可能性のある制御回路基板、例えば、前記した賞球払出制御基板66、装飾制御基板70等であっても良い。
【0024】
図3において、基板被覆ボックス80は、複数の被覆部材を組み付けることにより構成されており、その複数の被覆部材として、遊技制御回路基板100(図4参照)を被覆支持する第1の被覆部材としてのボックス状被覆主体81と、該ボックス状被覆主体81に被覆支持される遊技制御回路基板100の電子部品実装領域101を少なくとも被覆する第2の被覆部材としての被覆枠体120及び被覆カバー体150と、から構成されている。そして、ボックス状被覆主体81被覆枠体120及び被覆カバー体150は、すべて内部が視認し得る透明合成樹脂で形成されている。以下、基板被覆ボックス80を構成する各被覆部材81,120,150と遊技制御回路基板100について、詳細に説明する。
【0025】
まず、ボックス状被覆部材81について図4を参照して詳細に説明する。図4において、ボックス状被覆部材81は、上面が開放した直方体状に形成され、その底面板82の裏面側のやや内側には、一対の底面垂直リブ83が所定間隔を開けて形成され、その底面垂直リブ83の一部に後述する取付台170の係合レール171と係合する係合片84が内側に向かって突設されている。また、底面板82の外周にも一側短辺を除いて周囲リブ85が突設されている。周囲リブ85が突設されていない短辺中央の裏面には、取付台170の係合突起174と係合する係合凹部86が形成されている。また、底面板82の内側(上面)の四隅のやや内側には、遊技制御回路基板100を止着支持するための位置決めボス87と取付ボス88が突設されている。位置決めボス87は、遊技制御回路基板100の電子部品実装領域101側に対応する長辺の両端部に突設され、その頭部に突起が形成され、取付ボス88には、遊技制御回路基板100のコネクタ実装領域102側に対応する長辺の両端部に突設され、その中心に取付穴が形成されている。しかして、位置決めボス87には、遊技制御回路基板100の電子部品実装領域101の長辺側の両端に形成される取付穴108が嵌合され、取付ボス88には、遊技制御回路基板100のコネクタ実装領域102の長辺側の両端に形成される取付穴108が対応せしめられて後述するビス115によって止着されるようになっている。
【0026】
また、ボックス状被覆主体81の側壁であって電子部品実装領域101側の長辺に対応する側壁には、多数の放熱穴89が穿設されると共に、そのほぼ中央に係合穴90が形成されている。この係合穴90は、被覆枠体120の一側側壁に垂下される係合爪123が内側から係合するものである。また、コネクタ実装領域102側の長辺に対応する側壁のほぼ中央内側には、遊技制御回路基板100を前記位置決めボス87及び取付ボス88に止着した状態で遊技制御回路基板100の上面と当接して遊技制御回路基板100の反りを矯正する基板押え突片91が突設形成されると共に、その側壁の高さが他の側壁の高さよりも低くなるように形成されている。この低く形成される部分がコネクタ107に接続される配線の接続作業が行い易いように配線接続用切欠92を構成している。
【0027】
更に、ボックス状被覆主体81の側壁であって短辺側の一方には、そのほぼ中央に逆さT字状の係止切欠93が形成されていると共にその係止切欠93の両側に所定の間隔を置いて一対の円筒状部材が側壁内側に一体的に形成されている。そして、その円筒状部材の上面に被覆枠体120をネジ止めするための取付穴94が形成されている。また、短辺側の他方の側壁の内側には、更に多数(図示の場合には、6本)の円筒状部材が一体的に形成され、そのうちの両端部の円筒状部材の上面に被覆枠体120をネジ止めするための取付穴94が形成されており、残りの4本の円筒状部材の上面に後述する固着手段としてのワンウェイネジ138を止着するための取付穴95〜98が形成されている。ただし、取付穴96〜98は、遊技場に設置した後の検査後にワンウェイネジ138を止着する場合の取付予備穴として使用されるものである。
【0028】
上記のように構成されるボックス状被覆主体81に装着される遊技制御回路基板100は、図4に示すように、長方形状のプリント配線基板によって構成されており、その上面の大部分はROM103、CPU104、RAM105、電源部106等の電子部品を実装する電子部品実装領域101として形成される一方、長辺一側の領域が複数のコネクタ107を実装するコネクタ実装領域102として形成されている。また、遊技制御回路基板100には、その四隅に取付穴108が形成され、前述したようにボックス状被覆主体81の底面板82の内側四隅に突設される位置決めボス87と取付ボス88に係合又はビス115で止着されるようになっている。なお、遊技制御回路基板100には、遊技内容に応じて大当りとなる確率を複数段階に調節する確率調節スイッチ109(図6参照)が設けられることがあるが、この場合には、後述する被覆枠体120の突出板部139に対応する位置に設けられることが望ましい。何故なら、確率調節スイッチ109は、営業中に操作できるようにその頭部が少なくとも基板被覆ボックス80の上面と同一高さとなるようにする必要があり、この場合に、検査時等にスライド移動する必要のある被覆カバー体150に対応する位置に設けた場合には、確率調節スイッチ109の頭部が被覆カバー体150のスライド移動を邪魔することになるからである。つまり、確率調節スイッチ109を設ける場合、突出板部139に確率調節スイッチ109用の穴を設けることとなる。
【0029】
ところで、取付ボス88にビス115を止着する際には、コネクタ周辺被覆部材110も同時にビス115で止着されるようになっている。コネクタ周辺被覆部材110は、透明な合成樹脂によって形成される細板状のものであり、その中央に前記コネクタ107が貫通するコネクタ貫通穴111が形成され、その前端縁に係合立てリブ112が突設され、その両端に規制片113が下方に向けて突設されている。また、両端部にビス115が挿通される取付穴114が形成されている。しかして、上記のように構成されるコネクタ周辺被覆部材110をコネクタ実装領域102を被覆するように取り付けてビス115で取付ボス88に止着したときには、コネクタ107周辺の配線パターンを完全に被覆した状態となり、また、規制片113が遊技制御回路基板100とボックス状被覆主体81の側壁内面との間に挿入され、且つ係合立てリブ112が被覆枠体120の後述する仕切り壁126の下辺内側に入った状態で当接するので、被覆枠体120をボックス状被覆主体81から外さないとコネクタ周辺被覆部材110も取り外せないので、コネクタ107周辺の配線パターンに不正な配線のハンダ付け等を行うことを防止することができると共に、遊技制御回路基板100とボックス状被覆主体81の側壁内周面との間及び遊技制御回路基板100の上面と被覆枠体120の仕切り壁126の下端との間から配線を含む異物を挿入することができず、いずれにしても遊技制御回路基板100に対する不正な行為が行えないようになっている。
【0030】
次に、上記のようにボックス状被覆主体81に被覆支持された遊技制御回路基板100の実装面側を覆う被覆枠体120と被覆カバー体150について図5を参照して説明する。まず、被覆枠体120の詳細な構造について説明すると、被覆枠体120は、その上面にほぼ長方形状の開口部121が開設されるとともに、長手方向の一側辺には、ボックス状被覆主体81の側壁内周と当接する内接壁122が下方に向けて突設され、他側辺には、仕切り壁126が下方に向けて突設されている。内接壁122は、前記放熱穴89と重複しないように両端部と中央部を除いて垂下幅が短く形成されている。そして、中央部の垂下幅の長い部分の下端には、外側に向けて係合爪123が形成されており、被覆枠体120をボックス状被覆主体81に装着したときに前記係合穴90に係合するようになっている。なお、内接壁122は、被覆枠体120の端辺よりも僅かに内側に突設形成され、被覆枠体120の端辺のやや両サイドよりの部分に下方に向かって突設される2つの係合片124と内接壁122とでボックス状被覆主体81の長手方向側壁上端部を挟持するようになっている。また、係合爪123が形成される部分の端辺には、透明な合成樹脂で係合爪123を成型する際に必要となる係合爪形成凹部125が形成されている。
【0031】
一方、仕切り壁126には、多数の放熱穴127が形成されている。しかして、被覆枠体120をボックス状被覆主体81に装着したときには、仕切り壁126によって遊技制御回路基板100のコネクタ実装領域102と電子部品実装領域101とが仕切られるようになっており、したがって、仕切り壁126とボックス状被覆主体81の前記配線接続用切欠92が形成される側壁との間は、外部に露出した接続空間143(図3及び6参照)を構成している。そして、前述したようにコネクタ周辺被覆部材110によって接続空間143から遊技制御回路基板100の電子部品実装領域101への隙間及び遊技制御回路基板100の裏面(ハンダ面)への隙間がすべて閉塞されているため、不正配線を含む異物をいかなる形でも遊技制御回路基板100に接続することができないようになっている。
【0032】
また、被覆枠体120の上面の四隅であってボックス状被覆主体81の前記取付穴94に対応する位置には、取付穴128が形成され、該取付穴128に取り外し可能な第1の止着手段としての皿ビス129が止着されるようになっている。皿ビス129は、通常のドライバー工具で締着したり緩めたりすることができるものである。また、被覆枠体120の短辺一側(図5の右側)のほぼ中央端縁には、被覆カバー体150の後述する係止突片154が嵌め込まれる切欠凹部130が形成され、反対側(図5の左側)の前記取付穴128の間には、複数の貫通穴131〜134と各貫通穴131〜134の中間位置に装備穴135〜137が形成されている。貫通穴131〜134は、被覆カバー体150の後述する固定片部156〜159にワンウェイネジ138が止着された場合に貫通するための穴であり、ボックス状被覆主体81の前記取付穴95〜98に対応するものである。また、装備穴135〜137には、予備のワンウェイネジ138が挿通装備されるものである。なお、被覆枠体120の短辺他側(図5の左側)の取付穴128の裏面側には、一対のボスによって凹部130aが形成され、該凹部130aにボックス状被覆主体81の前記取付穴94が形成される円筒状部材が嵌挿されて位置決め手段として機能するものである。
【0033】
更に、被覆枠体120の開口部121は、遊技制御回路基板100の電子部品実装領域101よりやや小さい大きさで形成され、その一隅が開口されることなく突出板部139として残され、全体としてほぼ長方形状に開設されるものである。しかして、開口部121の長手方向開口縁に沿って案内溝140が適宜間隔を置いて形成され、その各案内溝140の間が切り欠けられてコ字状係合部141と嵌め込み用切欠部142とが形成されている。コ字状係合部141は、下側に向かって開放する断面コ字状の溝部が形成されており、また、嵌め込み用切欠部142には、被覆カバー体150の後述するL字型被係合部162が嵌め込まれるようになっている。また、開口部121の短辺他側(図5の左側)は、テーパー面144として構成され、後述するように被覆カバー体150が横方向からスライドされたときに被覆カバー体150の進行先端下面をスムーズに被覆枠体120上に誘導するようになっている。
【0034】
上記のように構成される被覆枠体120は、遊技制御回路基板100が止着支持されたボックス状被覆主体81の上方から、内接壁122とボックス状被覆主体81の長手方向側壁の内側面とが当接するように挿入され、係合爪123と係合穴90とが係合した状態で皿ビス129を取付穴128に挿入して取付穴94に螺着することによりボックス状被覆主体81に組付け固定される。しかし、皿ビス129を緩めて外した後に、係合穴90に係合している係合爪123を外側から内側に向かって押し付けながら被覆枠体120を上方に引っ張ることにより簡単にボックス状被覆主体81と被覆枠体120とを分離することができる。そこで、ボックス状被覆主体81と被覆枠体120とが簡単に分離できないようにするために次に説明する被覆カバー体150が被覆枠体120の開口部121を閉塞するように取り付けられる。
【0035】
被覆カバー体150は、被覆枠体120の開口部121の形状に沿ったほぼ長方形状に形成され、その上面に多数の放熱穴151が形成されると共に機種名シールを貼付する機種名シール貼付用凹部152と遊技制御回路基板100を検査した際に書き込む「検査者」「検査日」の各項目を記した検査履歴シールを貼付する検査履歴シール貼付用凹部153が形成されている。また、短辺一側(図5の右側)のほぼ中央には、逆さT字状の係止突片154が垂下されている。この係止突片154は、ボックス状被覆主体81の前記係止切欠93に合致するようになっており、係止突片154と係止切欠93が合致したときには、基板被覆ボックス80の側面と同一平面となって被覆カバー体150を横方向(図5の右側方向)にスライドしないかぎり上方向に外し難い係止構造となっている。
【0036】
また、短辺他側(図5の左側)の両端部には、前記取付穴128に螺着されて露出している皿ビス129の上面を覆う皿ビス被覆突片155となっており、その皿ビス被覆突片155の間に複数の固着部が形成されている。固着部としては、第2の止着手段としてのワンウェイネジ138を挿通係止する固定片部156〜159と各固定片部156〜159と被覆カバー体150の短辺側端縁とを連結するコ字状切断部160とから構成されるものである。固定片部156〜159は、被覆枠体120の前記貫通穴131〜134に対応する位置に設けられるものであってワンウェイネジ138の頭部が完全に中に入るように凹状に形成されている。このため、ワンウェイネジ138の頭部を切断してネジ止めを破壊して基板被覆ボックス80を開放する不正行為が防止できる。なお、固定片部156〜159にネジ止めした後にその凹部に紫外線硬化樹脂で覆ったり、あるいは凹部に埋め込む凸状の合成樹脂を接着剤や溶着技術で接着したりして、ネジに触れることができないようにしてもよい。
【0037】
また、固定片部156〜159のうち、出荷時にワンウェイネジ138が螺着される固定片部156を除く固定片部157〜159には、側方に向かってネジ押え片157a〜159aが突設され、そのネジ押え片157a〜159aの裏面に押え凸部157b〜159bが一体的に形成されている。このネジ押え片157a〜159aは、被覆枠体120の前記装備穴135〜137に装備される予備のワンウェイネジ138の頭部を押さえ付けて当該ワンウェイネジ138が装備穴135〜137から脱落しないようにするためのものである。
【0038】
また、コ字状切断部160は、被覆カバー体150の上面からやや突出した形状となっている。そして、コ字状切断部160の上面には、図6に示すように、それぞれ基板被覆ボックス80の開放手順を示唆するための刻印「1〜4」が施されている。具体的には、固定片部156に対応する切断部160には「1」の刻印が施され、固定片部157に対応する切断部160には「2」の刻印が施され、固定片部158に対応する切断部160には「3」の刻印が施され、固定片部159に対応する切断部160には「4」の刻印が施されている。なお、コ字状切断部160は、突出しているが、固定片部156〜159が基板被覆ボックス80の外周面に出ていないように構成されている。また、切断部160の構造も、必ずしもコ字状でなくてもよく、切断し易い形状(例えば、肉厚が薄い等)であればよい。ただし、本実施形態のように切断部が僅かでも突出した構造の方が切断し易いというメリットはある。
【0039】
一方、被覆カバー体150の長手方向の端縁には、適宜間隔を置いてL字型被係合部162と切欠部被覆突片164とが隣接し且つ上下方向に段差状に外側に向かって突設されている。L字型被係合部162は、被覆枠体120の前記コ字型係合部141の溝部に係合するレール状突起がその先端に上向きに突設されるものであり、被覆枠体120のコ字型係合部141の長さとほぼ同じであって前記嵌め込み用切欠部142に嵌め込まれる長さに形成されている。なお、レール状突起の先端部は、図5の左上の円内に拡大して示すようにテーパー面163となっており、レール状突起がコ字型係合部141の溝部にスムーズに侵入するようになっている。また、切欠部被覆突片164は、被覆カバー体150を横方向にスライドさせたときに被覆枠体120の前記嵌め込み用切欠部142を完全に被覆するものである。なお、被覆枠体120の前記突出板部139に対応する被覆カバー体150の位置には、対応切欠部165が形成され、その対応切欠部165にも切欠部被覆突片164とL字型被係合部162に代わる当接片166が突設形成されている。更に、被覆カバー体150の長手方向の両端縁下方には、被覆枠体120の前記案内溝140と係合する案内突起161が突設されている。
【0040】
しかして、上記のように構成される被覆カバー体150を被覆枠体120を止着したボックス状被覆主体81に固定するには、図7(A)に示すように、まず、予め装備穴135〜137に予備のワンウェイネジ138を装着した状態で、被覆枠体120の上方からL型被係合部162を嵌め込み用切欠部142に嵌挿すると同時に案内突起161と案内溝140とが一致するように被覆カバー体150を載置する。この状態においては、図7(B)に示す状態となっており、その後、図7(B)に示す矢印方向に被覆カバー体150をスライド移動させてコ字型係合部141の溝部とL字型被係合部162のレール状突起とを係合させる。そして、完全に係合させた状態では、図6に示すように、被覆カバー体150の係止突片154がボックス状被覆主体81の係止切欠93に係止され、被覆カバー体150の長手方向の両サイドがコ字型係合部141とL字型被係合部162とによって複数箇所で係合されると共に嵌め込み用切欠部142が切欠部被覆突片164で密着被覆され、更に、四隅に位置する皿ビス129が被覆カバー体150の皿ビス被覆突片155及び短辺一側部によって完全に被覆された状態となる。また、装備穴135〜137に装着されたワンウェイネジ138の上方もネジ押え片157a〜159aの押え凸部157b〜159bによって脱落しないように押え付けられている。そして、この状態で、固定片部156にワンウェイネジ138を挿入して取付穴95に螺着することにより、被覆カバー体150を被覆枠体120及びボックス状被覆主体81に固定する作業を終了する。
【0041】
ここで、ワンウェイネジ138について説明する。ワンウェイネジ138は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けるとネジを破壊しない限り取り外すことができない。具体的には、図9(A)(B)に示すように、その頭部180に形成されたネジ溝が当接面部181と凹部182と中心穴部183とから構成されている。そして、図9(C)(D)に示す特殊マイナスドライバー184でネジ締めを行う場合には、ドライバー184の中心軸部185を中心穴部183に差し込み、この状態からドライバー184の当接片部186を当接面部181に当接させて一方向(図9(A)の時計回り方向)に頭部180を回転させることでネジ締めを行う。一方、ドライバー184で頭部180を他方向(図9(A)の反時計回り方向)に回転させてネジ138を取り外そうとした場合には、ドライバー184が凹部182に入り込んで滑ってしまい頭部180を回転させることができずにネジ138の取り外しが行えない。なお、通常のマイナスドライバーでも頭部180を一方向に回転させてネジ締めすることは可能であるが、特殊マイナスドライバー184のように、中心軸部185をワンウェイネジ138の中心穴部183に差し込んでワンウェイネジ138との位置決めを行った方が締め付け作業が容易に行える。
【0042】
以上のようにして遊技制御回路基板100を基板被覆ボックス80の内部に被覆することができ、そのように被覆された基板被覆ボックス80は、弾球遊技機1の機構板50の背面に取付台170を介して取り付けられる。取付台170は、図3に示すように、合成樹脂(金属でもよい)によって形成された長方形板からなり、その基板中央には断面逆L字状をなす一対の係合レール171が所定間隔を置いて条設されている。なお、係合レール171の条設方向は、取付台170の長辺部に沿った左右方向となっている。取付台170の各長辺部には、基板面に対して直交するガイド片172が突設されている。取付台170の右側端部には、弾性変形する解除レバー173が形成されており、該解除レバー173の基部には、ボックス状被覆主体81の係合凹部86と係合する係合突起174が突設されている。また、取付台170の基板面には、機構板50側の取付ボス(図示しない)に取付台170をビス止めするための止め穴175が穿設されている。
【0043】
しかして、上記した取付台170は、止め穴175を介して機構板50にビス止めされることで機構板50上の所定部位に固定される。また、この取付台170に基板被覆ボックス80を取り付けるときには、取付台170に対してボックス80を左側方からスライド装着させる。このとき、取付台170側の係合レール171は、ボックス80側の係合片84と係合した状態にあり、ガイド片172は、ボックス80のスライド移動を案内する。そして、このようなボックス80のスライド移動によって取付台170側の解除レバー173が下方に弾性変形し、遂には、ボックス80側の係合凹部86が取付台170側の係合突起174と係合してボックス80の装着が完了する。一方、基板被覆ボックス80を取付台170から取り外すときには、解除レバー173を下方に押して係合凹部86と係合突起174との係合を解除し、この状態からボックス80を左側方にスライドさせることで簡単に取り外すことができる。即ち、基板被覆ボックス80は、機構板50にビス止め固定された取付台170に対して着脱自在な構成となっている。
【0044】
次に、遊技場等で基板被覆ボックス80を遊技制御回路基板100の検査(出荷納入後にROMが正規のものか否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を説明する。先ず、基板被覆ボックス80の閉塞状態において、刻印「1」の目印の切断部160をニッパー等の切断工具で切断する。これにより、固定片部65は、図8(B)に示すように、被覆カバー体150から完全に分離され、固定片部65及びワンウェイネジ138は、ボックス状被覆主体81側に残存した状態となる。そして、被覆カバー体150を図8(B)の矢印方向にスライド移動してL字型被係合部162を嵌め込み用切欠部142に一致させて被覆カバー体150を上方に持ちあげることにより、基板被覆ボックス80が開放され、遊技制御回路基板100の検査を行うことができる。また、このような被覆カバー体150の取り外し(切断部160の切断)によって、各装備穴135〜137に挿通されたワンウェイネジ138は、取り出し可能な状態となり、このうち装備穴135に挿通された予備のワンウェイネジ138をボックス80の復元用に取り出す。その後、基板被覆ボックス80を閉塞するときには、L字型被係合部162を嵌め込み用切欠部142に一致させた状態で被覆カバー体150を被覆枠体120に被せ、次に取り出したワンウェイネジ138を刻印「2」を目印に固定片部157に螺着する。これにより、図8(C)に示すように、固定片部157とこれに対応するボックス状被覆主体81の取付穴96とがワンウェイネジ138によって共締めされて基板被覆ボックス80が再度閉塞状態に復元される。以下、同様にして複数回(本実施形態の場合には、4回だが、4回目は、ワンウェイネジ138で止めることができないので、実質的には3回)の再検査を行うことができるものである。
【0045】
ところで、上記した基板被覆ボックス80の閉塞状態においては、切断部160を切断して固定片部156〜159と被覆カバー体150との連結(固着状態)を解除しない限り、被覆枠体120のコ字型係合部141と被覆カバー体150のL字型被係合部162との係合が解除できず、基板被覆ボックス80が開放できないようになっている。従って、遊技制御回路基板100の検査以外で切断部160が切断されるような場合は、この切断により遊技制御回路基板100に不正が行われたことが即座に且つ確実に判別できるため、基板被覆ボックス80の防犯効果を高めることができる。また、上記した係合部(係合部141及び被係合部162)を設けることにより、ボックス80の防犯性を低下させることなくボックス状被覆主体81及び被覆枠体120と被覆カバー体150との固着箇所を必要最小限に抑えることができ、ひいては基板被覆ボックス80の組み付け作業性を向上することができる。特に、本実施形態の場合には、複数のL字型被係合部162を複数の嵌め込み用切欠部142に嵌め込んで僅かな距離だけスライドさせれば良いので、組付け作業性の迅速化も図ることができる。
【0046】
なお、上記した実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、締まる方向にしか回らないワンウェイネジ138で固定片部156〜159を締め付ける構成となっているが、これに代えて破断取付ネジやリベット等の締結部材で固定片部156〜159を締め付ける構成としてもよく、さらには固着部を接着剤で接着したり、溶着したりする構成であってもよい。また、ワンウェイネジ138等で固着する個所は、必要最小限にした方がコストが低減できてよいが、複数箇所でも良い。また、装備穴135〜137に装備されるワンウェイネジ138は、必ずしも基板被覆ボックス80に装備させる必要はなく、検査時に支給するものであってもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本実施形態によれば、被覆枠体120を被覆主体81に取り付けた状態で被覆カバー体150を組み付けるには、係合部141を切欠部142に挿入した後被係合部162係合するようにスライドさせた後、固着部156に固着手段138を固着するだけであるため、極めて簡単に組み付けることができる。また、被覆主体81と被覆枠体120及び被覆カバー体150のすべてが透明合成樹脂によって形成されているので、回路基板100の実装面だけでなく反対側のハンダ面も外部から視認できるので、回路基板のすべての個所における不正を容易に発見することができる。
【0048】
また、前記係合部141を、溝部(コ字型係合部141)と該溝部に嵌合するレール状突起(L字型被係合部162)のいずれか一方とし、前記被係合部162を、いずれか他方としたことにより、係合状態が外れることがなく、例えば、被覆カバー体150に外圧を加えて変形させても係合状態が外れることがない。なお、被覆枠体120にレール状突起162を形成し、被覆カバー体150に溝部141を形成してもよい。
【0049】
また、前記被覆カバー体150に、前固定片部156が形成される辺と対向する辺に前記被覆主体81と係止する係止部(係止突片154)を形成したことにより、被カバー体150の四辺が固着片部156、被係合部162、係止部154によって被覆主体81及び被覆枠体120に止着されるので、いずれの個所からも被覆カバー体150を上方に持ちあげることはできず、被覆主体81及び被覆枠体120と被覆カバー体150との間に隙間を形成して行う不正な行為を防止することができる。
【0050】
また、前記係合部141及び被係合部162が所定間隔を置いて複数形成されていることにより、係合間隔が短くなるため係合を確実に行うことができ、被覆枠体120と被カバー体150との間に隙間を形成して行う不正な行為を防止することができる。
【0051】
また、前記固定片部156は、複数個並列状に形成されて、その複数個の固定片156〜159のいずれか一箇所だけ前記固着手段138で固着することにより、前記被覆枠体120と前記被覆カバー体150との係合状態を保持するように構成することにより、検査のために最初の固着部156の切断部160を切断破壊しても、再度2番目の固部157に固着手段138を固着することにより、再度被覆枠体120と被覆カバー体150との係合状態を保持することができる。つまり、検査を複数回行うことができる。
【0052】
更に、前記固定部156に固着される固着手段は、ネジ(ワンウェイネジ138)であり、前記切断部160を切断破壊したときに、前記ネジ138が固定部156に固着された状態で残存するように構成することにより、正規な検査履歴を確認することができると共に、基板被覆ボックス80を回収したときにネジ138を再利用することができる。
【0053】
なお、上記した実施形態においては、検査後に再度組付け得るように固定片部156〜159を複数設けたものを示したが、再度組み付けることができないものでもよいし、1回だけしか再組付けができない構造のものでも良い。また、係合部141及び被係合部162を複数設けたものを示したが、両サイドに一箇所だけ設けたものでも良い。
【0054】
また、実施形態中では、本発明の基板被覆ボックスを弾球遊技機用の遊技制御回路基板を収納する基板被覆ボックスとしているが、これに限定するものではない。例えば、賞球払出制御基板などを収納する基板被覆ボックスでもよい。即ち、内部の制御回路基板に対する不正行為を防止する必要がある基板被覆ボックスであればよい。また、遊技機としては、弾球遊技機以外の遊技機(例えば、スロットマシンやコインゲーム、又は映像式パチンコ遊技機等)であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明は、被覆枠体を被覆主体に取り付けた状態で被覆カバー体を組み付けるには、係合部を切欠部に挿入した後被係合部に係合するようにスライドさせた後、固着の挿入穴に固着手段を固着するだけであるため、極めて簡単に組み付けることができる。また、被覆主体と被覆枠体及び被覆カバー体のすべてが透明合成樹脂によって形成されているので、回路基板の実装面だけでなく反対側のハンダ面も外部から視認できるので、回路基板のすべての個所における不正を容易に発見することができる。
【0056】
また、前記係合部を、溝部と該溝部に嵌合するレール状突起のいずれか一方とし、前記被係合部を、いずれか他方としたことにより、係合状態が外れることがなく、例えば、被覆カバー体に外圧を加えて変形させても係合状態が外れることがない。
【0057】
また、前被覆カバー体に、前固定片部が形成される辺と対向する辺に前記被覆主体と係止する係止部を形成したことにより、被カバー体の四辺が固着片部、被係合部、係止部によって被覆主体及び被覆枠体に止着されるので、いずれの個所からも被覆カバー体を上方に持ちあげることはできず、被覆主体及び被覆枠体と被覆カバー体との間に隙間を形成して行う不正な行為を防止することができる。
【0058】
【0059】
また、前固定片部は、複数個並列状に形成されて、その複数個の固定片部のいずれか一箇所だけ前記固着手段で固着することにより、前記被覆枠体と前記被覆カバー体との係合状態を保持するように構成することにより、検査のために最初の固着部の切断部を切断破壊しても、再度2番目の固部に固着手段を固着することにより、再度被覆枠体と被覆カバー体との係合状態を保持することができる。つまり、検査を複数回行うことができる。
【0060】
更に、前記切断部を切断破壊したときに、前記ネジが固定部に固着された状態で残存するように構成することにより、正規な検査履歴を確認することができると共に、基板被覆ボックスを回収したときにネジを再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遊技機の一例としての弾球遊技機を示す正面図である。
【図2】 弾球遊技機を示す背面図である。
【図3】 基板被覆ボックスと機構板に止着される取付台との関係を示す斜視図である。
【図4】 基板被覆ボックスを構成するボックス状被覆主体と回路基板との関係を示す斜視図である。
【図5】 基板被覆ボックスを構成する被覆枠体と被覆カバー体との関係を示す分解斜視図である。
【図6】 基板被覆ボックスの平面図である。
【図7】 被覆枠体と被覆カバー体との取り付けを説明するための部分平面図である。
【図8】 被覆枠体から被覆カバー体を一旦分離して再度取り付ける場合を説明するための部分平面図である。
【図9】 同図(A)(B)はそれぞれワンウェイネジを示す説明図であり、同図(C)(D)はそれぞれ特殊マイナスドライバーを示す説明図である。
【符号の説明】
1 弾球遊技機(遊技機)
80 基板被覆ボックス
81 ボックス状被覆主体(被覆主体)
100 遊技制御回路基板(制御回路基板)
120 被覆枠
138 ワンウェイネジ(固着手段)
141 コ字型係合部(係合部の溝部)
150 被覆カバー
154 係止突片(係止部)
156〜159 固定片部(固定部)
160 コ字状切断部(切断部)
162 L字型被係合部(係合部のレール状突起)

Claims (1)

  1. 遊技機に取り付けられ且つ該遊技機を制御する制御回路基板を複数の被覆部材によって被覆する遊技機の基板被覆ボックスにおいて、
    前記複数の被覆部材は、前記制御回路基板を被覆する方形状の被覆主体と、該被覆主体に被覆される前記制御回路基板の電子部品実装領域を少なくとも被覆するための方形状の被覆枠体及び被覆カバー体と、から構成されると共に、前記被覆主体と前記被覆枠体及び被覆カバー体のすべてを内部が視認し得る透明合成樹脂で形成する一方、
    前記被覆枠体には、その上面に方形状の開口部が形成されると共に、該開口部の対向する開口縁に沿って適宜間隔を置いて切欠部と係合部とが形成されると共に、前記対向する開口縁とは異なる開口縁に対応する一辺に挿通穴が形成され、
    前記被覆カバー体には、前記被覆枠体の前記開口部を閉塞するために、対向する辺に所定間隔を置いて前記切欠部に挿入した後スライドさせることにより前記係合部と係合する被係合部が形成されると共に、前記係合部と前記被係合部とを係合させた状態で、前記挿通穴に対応する挿入穴を有した固定片部が切断部を介して一体的に複数個並列状に形成され、さらに前記固定片部が形成される辺と対向する辺に前記被覆主体と係止する係止部が形成され、
    前記被覆主体には、前記被覆枠体を取り付けた状態で前記挿通穴に対応する止着穴が形成されると共に、前記被覆カバー体の係止部と係止する被係止部が形成され、
    前記係合部を、溝部と該溝部に嵌合するレール状突起のいずれか一方とし、前記被係合部を、いずれか他方とし、
    前記被覆主体に前記被覆枠体を取り付けた後に前記被覆カバー体の被係合部を前記被覆枠体の切欠部に挿入した後一方向にスライドさせて前記被覆カバー体の被係合部及び係止部と前記被覆枠体の係合部及び被係止部とをそれぞれ係合及び係止させた状態で、前記複数個の固定片部のいずれか一箇所の固定片部の挿入穴よりネジを挿入し、該ネジが前記挿通穴を挿通して前記止着穴に止着することにより前記被覆枠体、前記被覆カバー体及び前記被覆主体とが固着され、該固着された固定片部の前記切断部を切断しない限り前記係合部と前記被係合部とによる係合状態及び前記被覆主体と前記被覆枠体の取り付け状態を解除できないようにする一方、前記切断部を切断破壊したときに、前記ネジが固定片部に固着された状態で残存することを特徴とする遊技機の基板被覆ボックス。
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