JP4201210B1

JP4201210B1 - 透明ジェル状石鹸およびその製造方法

Info

Publication number: JP4201210B1
Application number: JP2008024872A
Authority: JP
Inventors: 明日香大王; 聖裕萩原; 翔太二川; 一輝益山; 賢一朗蓑輪
Original assignee: 明日香大王; 聖裕萩原; 翔太二川; 一輝益山; 賢一朗蓑輪
Priority date: 2008-02-05
Filing date: 2008-02-05
Publication date: 2008-12-24
Anticipated expiration: 2028-02-05
Also published as: JP2009185139A

Abstract

【課題】自然界にある天然植物油を使用し、泡立ち、洗浄力に優れ、皮膚刺激がなく、手洗い後のさっぱり感があり、ゲル化剤を加えなくても低温で長期間維持できる安定性の良好な透明ジェル状石鹸を提供する。
【解決手段】（Ａ）オリーブ油３０〜１００重量％と、（Ｂ）パーム油０〜２５重量％と、（Ｃ）ひまし油０〜２５重量％と、（Ｄ）ココナッツ油０〜３０重量％を含むことを特徴とする透明ジェル状石鹸。また、透明化、ジェル化するため、(E)エタノール２０〜８０体積％を含有することを特徴とする。

【選択図】なし

Description

本発明は、透明ジェル状石鹸とその製造方法に関する。

従来の技術としては、目的別に分類すると、洗顔用や浴用などに使われる化粧石鹸、手洗いなどに使われる薬用石鹸、衣類の洗濯などに使われる洗濯石鹸に分類される。さらに、形状ごとに分類すると、固形、粉末、液状、ジェル状（ゲル状）に分類される。その中でもジェル状は携帯性に優れる。さらに透明のジェル状石鹸は独特の高級感があり、商品価値及び市場性も高いと考えられる。
透明ジェル状石鹸に関する技術の一例が、特許文献１、２に記載されている。

特開平１１−１８９７８８号公報特開２００７−２５４４９３号公報

しかし、特許文献１、２に記載のものでは、自然界にない多種多様な薬品を使用している。そのため環境に色々な影響を及ぼす可能性が考えられる。また、コスト的に高くつくという問題点もある。さらに製造方法が複雑であり、理解しにくい問題点もある。また、今までのジェル状石鹸は低温で不安定であるという問題点もある。

本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、自然界にあるものを使用し、低温な場所でも安定しており、洗浄力、泡立ち、使用感に優れた透明ジェル状石鹸を提供することを目的とする。

以上の課題を解決するために、本発明の透明ジェル状石鹸は、オリーブ油３０〜１００重量％、パーム油０〜２５重量％、ひまし油０〜２５重量％、ココナッツ油０〜３０重量％を含有することを特徴とする。さらに、本発明においてはけん化反応終了時後にエタノールを透明になるまで適量を加えることを特徴とする。また、オリーブ油３０〜１００重量％、パーム油０〜２５重量％、ひまし油０〜２５重量％、ココナッツ油０〜３０重量％と水酸化カリウム、水２０〜５０重量％を混合し７０〜９０℃に保ちながら撹拌する工程と、けん化反応終了時に６０〜７０℃に保ちながらエタノールを加え撹拌する工程を有することを特徴とする。さらに、本発明においてはエタノールを加え透明ジェル状にした後に常温まで自然冷却する工程を有することを特徴とする。

本発明によると、低温で固化しにくく、全く結晶化しないなど安定しており、ゲル化剤を加えなくてもゲル化し、透明のジェル状（ゲル状）石鹸を製造することができるという効果を得ることができる。さらに泡立ちや洗浄力がよく、皮膚刺激が少なく、手洗い後のさっぱり感があるというという効果を得ることができる。

以下に、本発明をその実施形態に基づいて説明する。

まず、オリーブ油、パーム油、ひまし油、ココナッツ油、水酸化カリウム、水を量り取る。

オリーブ油は３０〜１００重量％が好ましい。さらに好ましくは４０〜９０重量％がよい。４０重量％未満の場合、低温で不安定になる可能性があり、泡立ちが悪くなる可能性もある。また、９０重量％を超えると、低温で不安定になり、手洗い感が悪くなる可能性がある。

パーム油は０〜２５重量％が好ましい。さらに好ましくは５〜２５重量％がよい。５重量％未満の場合、低温で不安定になる可能性がある。また、２５重量%を超えると、手洗い感が悪くなる可能性がある。

ひまし油は０〜２５重量％が好ましい。さらに好ましくは５〜２５重量％がよい。５重量％未満の場合低温で不安定であり、手洗い感が悪くなる可能性がある。また、２５重量％を超えると、常温で不安定になり、泡立ちが悪くなる可能性がある。

ココナッツ油は０〜３０重量％が好ましい。さらに好ましくは、５〜１２重量％未満がよい。５重量％未満の場合、常温・低温で不安定になり、硬くなる可能性がある。また、１２重量％以上になると、皮膚刺激がでる可能性がある。

水酸化カリウムは油の当量（けん化率１００％）分を量り取り水に溶かす。水酸化カリウムを溶かす際に必要な水の量は油の量に対して３０〜４０重量％が好ましい。３０質量％未満の場合、硬くなる可能性があり、４０重量％を超えると、軟らかくなる可能性がある。２０重量％以下では硬くなりすぎ、５０重量％以上では、軟らかくなりすぎる。また、５０重量％以上では低温で固くなり、復元性に劣る。

量り取ったオリーブ油、パーム油、ひまし油、ココナッツ油の混合油を準備する。７０〜８０℃に予熱した混合油に、水酸化カリウム水溶液を加えて、７０〜９０℃に保温しながらかき混ぜ棒で撹拌する。混合直後は白濁しているが、次第に細かい白い粒子が綿状の塊となり液状のものとに分離してくる。完全に分離した時点をけん化反応終了とする。

けん化反応終了後、透明のジェル状石鹸にするため６０〜７０℃に保温しながら、徐々にエタノール２０〜８０体積％を透明になる量まで加えて撹拌する。透明ジェル状になったら攪拌をやめ、常温まで自然冷却する。

本発明で用いられる油はオリーブ油、パーム油、ひまし油、ココナッツ油のように、自然界に存在するものを使用している。エタノールは糖類のアルコール発酵によって容易に生成され、飲料や医薬品の原料になるものであるため、人体に悪影響を与えることがない。また、加熱によるけん化反応のため短時間で製造できる。さらに、本発明の製造方法はけん化反応の終了を目視でき、製造工程を可視化できるため、製造工程の管理がしやすい。

以下に、本発明を具体的に説明する。また、以下の試験の目的は、低温な場所でも安定した透明ジェル状石鹸を使用でき、洗浄力、泡立ち、使用感に優れ、チューブ状の容器に入れても容易に取り出すことが出来ることを実証することである。実施例に先立ち、実施例で用いた評価法を説明する。

ａ）安定性試験
−1℃の氷を入れてあるバケツ中に１時間から５時間ほど製造後の透明ジェル状石鹸を充填したチューブ状の容器を入れて、製造後（常温）と低温での透明ジェル状石鹸の安定性を見た目で判断し、次のような評価をした。
○・・・安定性良好透明ジェル状である
△・・・安定性やや良好一部結晶化が見られる
×・・・安定性不良透明ジェル状ではない

ｂ）洗浄力試験
３ｃｍ×６ｃｍの白い綿布に油の染みを付け、定量の透明ジェル石鹸で汚れを洗浄し、染みの取れ具合で洗浄力を調べ、次のような評価をした。
○・・・洗浄力良好
×・・・洗浄力不良

ｃ）泡立ち試験
５００ｍｌペットボトルの中に１００ｍｌの水と定量の透明ジェル状石鹸を入れ、フタを閉め３０秒間上下によく振った後に１時間ほど放置し、泡立ちを泡の高さで調べ、次のような評価をした。
◎・・・泡立ち優秀液面からの泡立ちの高さ１０ｃｍ以上
○・・・泡立ち良好液面からの泡立ちの高さ５〜１０ｃｍの範囲
△・・・泡立ちやや良好液面からの泡立ちの高さ２．５〜５ｃｍの範囲
×・・・泡立ち不良液面からの泡立ちの高さ０〜２．５ｃｍの範囲

ｄ）使用感試験
透明ジェル状石鹸を少量手に取り、水道水で洗い流したときのさっぱり感や皮膚刺激があるかないか、ぬめり感、べたつき感を調べ、次のような評価をした。
◎・・・使用感良好
○・・・使用感やや良好
△・・・使用感やや不良
×・・・使用感不良

ｅ）固さ試験
透明ジェル状石鹸をチューブ状の容器に詰め、手に取り出す時の出しやすさで固さを調べ、次のような評価をした。
○・・・固さ良好
△・・・固さやや良好
×・・・固さ不良

実施例１〜２１
表１に記載の配合組成によりなる透明ジェル状石鹸をけん化法により製造し、ジェル状の安定性・固さ、洗浄力、泡立ち、使用感を評価し、その結果を表１に示した。

表１に示す結果から明らかなように、本発明の配合組成よりなる透明ジェル石鹸は、安定性・固さ、洗浄力、泡立ち、使用感に優れた性能を示すことが実証されている。

本発明は、自然界にある天然植物油を使用し、泡立ち、洗浄力に優れ、皮膚刺激がなく、手洗い後のさっぱり感があり、ゲル化剤を加えなくても低温で長期間維持できる安定性の良好な透明ジェル状石鹸を提供することができる。

Claims

オリーブ油３０〜１００重量％、パーム油０〜２５重量％、ひまし油０〜２５重量％、ココナッツ油０〜３０重量％からなる使用油と、水酸化カリウム、水２０〜５０重量％を混合して、７０〜９０℃に保温しながら撹拌し、混合直後の白濁状態を経て綿状の塊と液状のものとが完全に分離した状態となったときをけん化反応終了時と判定し、けん化反応終了後６０〜７０℃に保温しながら透明になるまでエタノールを加えて撹拌し、透明ジェル状になった後に常温まで自然冷却することを特徴とする透明ジェル状石鹸の製造方法。