JP4200678B2 - 焦点調節装置を備えるカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一眼レフレックス方式のカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一眼レフレックス方式のデジタルスチルカメラの自動合焦システムは、これまでに実績のある銀塩一眼レフレツクスカメラの自動合焦システムをほぼそのまま流用したものが多かった。一般的に、銀塩カメラに搭載されている合焦システムは位相差方式と呼ばれるものであって、結像予定面と結像面とのずれ量が算出でき、合焦動作が高速であることが特徴である。
【0003】
一方、一眼レフレックス方式でないデジタルスチルカメラでは、コントラスト方式と呼ばれる合焦システムが採用されている。コントラスト方式では、撮像素子で撮像された画像データに基づいて、空間周波数から、すなわち画像の「ぼけ」から焦点調整状態を判断する。コントラスト方式では、自動合焦に要する時間に関しては位相差方式に及ばないものの、上述したように撮像画像の「ぼけ」から焦点調整状態を判断しているため、搭載された撮像素子に見合った合焦精度を得ることができる。
【0004】
また、位相差方式に比べて合焦速度が遅いという点に関しては、次のような理由で合焦動作量が小さくなることからかなり軽減されている。すなわち、一眼レフレックス方式でないデジタルスチルカメラに搭載されている撮像素子の大きさは、一眼レフレックス方式のデジタルスチルカメラのものに比べてかなり小さいため、それに応じて撮影レンズの焦点距離は短くなる。像面移動量は焦点距離の二乗に比例して小さくなるので、例えば、画像サイズが1/4になれば、合焦動作量は1/16にまで小さくなる。
【0005】
ところで、撮像素子においては、画素の規則的配列や画素サイズの一様さという銀塩フィルムには見られない特性を有している。その結果、デジタルスチルカメラでは画面のざらつきが見られず、ぼけやコントラストが非常に目立つようになってきている。言い換えると、光学的な分解能に対する鋭敏さや微細コントラストが急峻化し、それらが強調されるようになった。また、電子画像では、画像がモニタ上で最大限まで引き延ばされて観察されることが多い。そのため、デジタルスチルカメラに要求される品質は、電子画像への移行しつつあった時期において一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラに対して想像されていた画像品質よりも遙かに厳しいことがわかってきた。そのため、より高い合焦精度を得るためには、一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラにおいてもコントラスト方式による自動焦点が望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一眼レフレックス方式のデジタルスチルカメラでは、フォーカルプレーンシャッタのように機械的なシャッタ機構であることや、クイックリターンミラーの構造的な理由などから、撮像素子を直接利用したコントラスト方式を採用するのが困難であった。すなわち、オートフォーカス(AF)のためにクイックリターンミラーを光路から退避させてしまうと、ファインダで被写体像を確認することができなくなる。また、AF時のデータ取り込みの度に、例えば、秒当たり数十回もシャッタ開閉を行っていたのでは、時間的にも耐久性の面でもさらに使用者の感触面においても実用からほど遠いものとなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、コントラスト方式により合焦動作を行う一眼レフレックス方式のカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカメラは、撮影レンズを透過した被写体光束の少なくとも一部を、観察用光束としてファインダ光学系に導く一眼レフレックス方式のカメラに適用され、ファインダ光学系中に配置されて観察用光束からRGB三色にそれぞれ対応した一部の波長の光を回折する三層の回折格子と、三層の回折格子による像を撮像する撮像素子と、撮像素子の撮像情報に基づいて三層の回折格子による像のコントラストを演算する演算手段と、演算手段の演算結果に基づいてコントラスト方式による撮影レンズの自動合焦動作を行わせる制御手段とを備え、観察用光束のうち回折格子で回折された光を除く光をファインダ光学系により観察可能としたことにより上述の目的を達成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明によるカメラの第1の実施の形態を示す図であり、一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラ1の焦点検出関係の構成を示す図である。撮影レンズ2は、通過した被写体光束を撮像素子5の撮像面上に結像するように焦点位置の調節を行うフォーカスレンズ(不図示)と、撮影レンズ2の焦点距離を変えるためのズームレンズ(不図示)とを備えている。
【0010】
撮影レンズ2および絞り11を通過した被写体光束の一部は、ハーフミラーで構成されるメインミラー3によってファインダスクリーン4方向に反射される。ファインダスクリーン4は被写体像が結像される撮像素子5と光学的に共役な位置に配設されており、ファインダスクリーン4上には被写体像が結像される。なお、カメラがレリーズ操作されるとメインミラー3が上方に跳ね上げられ、撮影レンズ2を通過した光束はシャッタ10を介して撮像素子5上に結像する。なお、撮像素子5には、CCD撮像素子の代わりにMOS型撮像素子やCIDなどを用いてもよい。
【0011】
図2に示すように、ファインダスクリーン4を透過した光束Lはペンタプリズム6のダハ面6aで反射されて、ペンタプリズム6の面6bに到達する。本実施の形態では、ペンタプリズム6の面6bに反射型の回折格子であるホログラム7が貼り付けられており、そのホログラム7の背面側に銀蒸着した反射板12が密着して設けられている。図2では、ホログラム7および反射板12を第3反射面6bから離して図示したが、実際には面6bに密着して設けられている。そして、反射板12が、被写体光束をファインダ接眼レンズ9へと反射する第3反射面を構成している。
【0012】
ところで、従来のペンタプリズムでは第3反射面を構成する面6bは銀蒸着され、面6bに入射した光束はファインダ接眼レンズ9へと反射される。一方、本実施の形態のペンタプリズム6では面6bに到達した光束Lは、面6bを通過してホログラム7に入射する。ホログラム7は、所定波長の光L1が所定方向に導かれるように回折し、かつ、光束L1を結像する結像作用を有している。AF用撮像素子8は、ホログラム7により結像される被写体像の結像位置に配設されている。すなわち、光束Lの一部(所定波長の光)L1はホログラム7の回折作用によってAF用撮像素子8方向に導かれ、その撮像面に被写体像を結像する。また、所定波長以外の波長を有する光L2はホログラム7を透過し、第3反射面である反射板12によりファインダ接眼レンズ9方向へと反射される。
【0013】
AF用撮像素子8には、エリア型のCCD撮像素子やCMOS素子などが用いられる。AF用撮像素子8の受光面(撮像面)はファインダスクリーン4のスクリーン面とと光学的に共役になっており、結像倍率は異なるが撮像素子5に結像される被写体像と共役な被写体像が撮像面に投影される。なお、図1、2では図示を省略したが、ファインダスクリーン4の散乱光をペンタプリズム6を介して受光するAE用測光素子15(図3参照)も設けられている。
【0014】
図3は、図1に示すカメラのブロック図である。信号処理回路21は、撮像素子5から読み出されたアナログ画像信号に対してゲイン調整や雑音除去などの処理を行った後、A/D変換し、さらにホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正などの処理を行う。圧縮伸長回路22は、画像データを所定の圧縮形式(例えば、JPEG方式)により原画像の圧縮と圧縮画像の伸長を行う。
【0015】
バッファーメモリ23は、撮像後の原画像データおよび圧縮後の画像データを一時的に記憶するメモリであり、SRAM、VRAM、SDRAMなどを用いることができる。メモリカード24は画像を記録するための着脱可能な記録媒体であり、フラッシュメモリなどを用いることができる。シャッタ駆動装置25はアクチュエータによりシャッタ10の開閉を行い、絞り駆動装置26はアクチュエータにより絞り11の開閉を行う。また、レンズ駆動装置27はアクチュエータにより撮影レンズ2を駆動する。
【0016】
信号処理回路31はAF用撮像素子8に関する信号処理回路であって、上述した信号処理回路21と同様の機能を有している。すなわち、AF用撮像素子8から読み出されたアナログ画像信号に対してゲイン調整や雑音除去などの処理を行った後、A/D変換し、さらにホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正などの処理を行う。信号処理回路31で処理された信号は、一旦バッファーメモリ23に格納される。
【0017】
コントローラ28は、マイクロコンピュータとROM、RAM、A/Dコンバータなどの周辺部品を備え、焦点調節制御、露出制御、閃光発光制御、撮像制御などを行う。コントローラ28は、AF用撮像素子8の出力信号に関してバンドパスフィルタ32、積算回路33およびAF制御回路34を備えている。また、コントローラ28には、シャッタボタン(不図示)の半押し時にオンする半押しスイッチ29と、シャッタボタンの全押し時にオンするレリーズスイッチ30などが接続されている。
【0018】
信号処理回路31からバッファーメモリ23に記憶された画像データのうち、焦点検出用のデータすなわちAFエリア内のデータがバッファーメモリ23から読み出され、バンドパスフィルタ32に入力される。バンドパスフィルタ32では、焦点検出用の画像データが有する空間周波数から所定の高周波成分が抽出される。積算回路33では、抽出された高周波成分の絶対値に関して積算が行われる。この積算値は、焦点調節の際に焦点評価値として使用される。
【0019】
図4は、撮影レンズ2内に設けられたフォーカスレンズ(不図示)の位置と焦点評価値との関係の一例を示す図である。図4において、横軸はフォーカスレンズの位置を表し、縦軸は焦点評価値を表している。焦点評価値が最大となるレンズ位置Pは、フォーカスレンズの合焦位置に対応している。AF制御回路34は、積算回路32で算出された焦点評価値が最大となるように、すなわち、AF用撮像素子8により撮像された被写体像のエッジのボケをなくしてコントラストが最大となるように、レンズ駆動装置27を制御してフォーカスレンズを光軸方向に移動させる。
【0020】
このようなAF制御は、一般的に「コントラスト方式」によるAF動作と呼ばれている。コントラスト方式による合焦動作では、撮影データを取り込んで焦点評価値を算出し、その算出値を直前の算出値と比較しながら焦点評価値が最大とるレンズ位置に徐々に近づけるため、合焦速度が遅いという欠点を有している。一方、より高精度な合焦を行わせることができる。
【0021】
なお、上述したようにバンドパスフィルタ32を通した後に積算をして評価値としたが、窓関数フーリエ変換や、ウェーブレット変換などで局所的な周波数成分を算出して評価値としても良い。
【0022】
AF制御回路34は、フォーカスレンズを図4の至近方向に駆動して焦点評価値が減少すると、フォーカスレンズを∞方向に駆動する。逆に、フォーカスレンズを∞方向に駆動して焦点評価値が減少すると、フォーカスレンズを至近方向に駆動する。つまり、フォーカスレンズは、焦点評価値を最大にする位置(合焦位置P)を挟んで至近方向と∞方向に交互に駆動され、焦点評価値が最大となった位置Pでフォーカスレンズの駆動を停止する。
【0023】
ところで、被写体像観察のためのファインダ光束L2には、明るく、かつ、実際の被写体像をクリアに再現することが要求される。一方、AFの精度を高めるためにはAF用撮像素子8に導かれる光束L1の光量が多い方が良い。そのためには、光束を分割する際の光学的な損失をできるだけ小さく抑えることが望まれる。
【0024】
ホログラム7を用いて光束Lを光束L1,L2に分割する場合、特定波長の光のみがAF用撮像素子8へと導かれるという波長選択性がある。すなわち、反射板12で反射されてファインダ接眼レンズ9へと向かう光束L2は、ホログラム7が作用しない光である。そのため、ホログラム7により光束Lの内のA%が光束L1としてAF用撮像素子8へと導かれるとすると、光束L2は(100−A)%となり、原理的には分割の際の損失を避けることができる。
【0025】
上述したカメラ1では、図1に示したようにペンタプリズム6の面6bにホログラム7を貼り付けることによって、ファインダ光学系に導かれた観察用光束Lを2つの光束L1,L2に分割した。以下では、光束分割の変形例について説明する。
【0026】
(第1変形例)
図5は第1の変形例を示す図であり、図2の場合と同様にペンタプリズム部分の拡大図である。ペンタプリズム6の第3反射面6bには、特定波長の光だけを通過させる帯域通過コーティングが施されている。第3反射面6bの後方には、所定の焦点距離を持つ凹面鏡40が光軸から所定量だけ偏心させた状態で配設されている。凹面鏡40を偏心させることにより生じるプリズム効果によって、反射角度を所定量だけ傾けることができる。その結果、凹面鏡40により反射された特定波長の光束L1によって、ファインダスクリーン4上の被写体像がAF用撮像素子8上に結像される。特定波長以外の光は第3反射面6bで反射されて、光束L2としてファインダ接眼レンズ9に導かれる。
【0027】
光束Lを2つの光束L1,L2に分割する際の「光の損失」に関しては、第1変形例においても上述した実施の形態と同様に損失を避けることができる。すなわち、凹面鏡40で反射された特定波長の光は、影響を受けることなく第3反射面の帯域通過コーティングを透過する。そのため、光束Lの内のA%が帯域通過コーティングを透過すると仮定すれば、AF用撮像素子8に導かれる光束L1はA%となり、ファインダ接眼レンズ9に導かれる光束L2は(100−A)%となる。
【0028】
従来、光束を分割する代表的なものとしては、ハーフミラーを用いて光分割を量的に行う方法がある。第1変形例においても、帯域通過コーティングに代えて、第3反射面6bがハーフミラーとして機能するようなコーティングを施しても良い。この場合、第3反射面6bで反射された光束L1はAF用撮像素子8に導かれ、第3反射面6bを透過して凹面鏡40で反射された光束L2はファインダ接眼レンズ9に導かれる。しかしながら、ハーフミラーを用いる方法は色彩面での再現性が確保できるという利点があるが、ハーフミラーを透過する際に必ず光の分割が行われるため、分割による光の損失が必ず生じてしまうという欠点がある。
【0029】
例えば、ペンタプリズム6の第3反射面6bを、50%の光を反射して、残りの50%を透過するハーフミラーとした場合を考える。この場合、光束Lの50%は、光束L2としてファインダ接眼レンズ9ヘと導かれる。一方、第3反射面6bを透過した50%の光は、凹面鏡40で反射されて再び第3反射面6bを透過する際にさらに50%に減少する。すなわち、AF用撮像素子8に導かれる光束L1は光束Lの25%(=50%×50%)になり、25%の損失が生じる。ところが、上述したような帯域通過コーティングとした場合には損失が無いため、AF用撮像素子8に導かれる光束L1を50%とすれば、ファインダ接眼レンズ9に導かれる光束L2は残りの50%となる。
【0030】
(第2変形例)
上述した第1変形例と同様に、第3反射面6bに特定波長の光だけを通過する帯域通過コーティングを形成する。第3反射面6bの背面にはホログラム7を貼り付ける。この場合、第3反射面6bを通過する帯域を、ホログラム7により回折される所定波長に設定する。第2変形例では、ペンタプリズム6の第3反射面6bで反射された光束L2がファインダ接眼レンズ9へと導かれるので、図2に示したような反射板12は必要ない。第3反射面6bを通過した光はホログラム7の回折効果によりAF用撮像素子8に導かれ、撮像面上に被写体像を結像する。
【0031】
第2変形例の場合には、帯域通過コーティングによってホログラム7で回折される所定波長の光だけを通過させるようにできれば、第1変形例と同様に光分割の際の損失を避けることができる。しかし、所定波長に対して通過帯域に幅がある場合には、ホログラム7によってAF用撮像素子8方向へと回折されない光が生じ、その分は損失となる。
【0032】
(第3変形例)
図6は第3変形例を示す図であり、光学ガラス製ペンタプリズム6に代えて中空式のペンタプリズム50を用いている。中空式ペンタプリズムは光学ガラスから成るプリズムではなく、反射鏡をプリズム反射面に用いるものであって複数の反射鏡51,52および53で構成されている。反射鏡51および52は第1,第2反射面であるダハ面を構成しており、反射鏡53は第3反射面を構成している。第3変形例では、第3反射面を構成する反射鏡53の反射面側に第1の実施の形態と同様のホログラム7を貼り付ける。
【0033】
光束Lの内の所定波長を有する光L1はホログラム7の回折効果によりAF用撮像素子8へと導かれ、撮像面上に被写体像を結像する。一方、ホログラム7を透過した光L2は、反射鏡53によりファインダ接眼レンズ9方向に反射される。第3変形例の場合には、ホログラム7を透過した光は反射鏡53により全てファインダ接眼レンズ9に導かれるので、光分割の際の損失をさけることができる。
【0034】
(第4変形例)
図7は第4変形例を示す図である。第4変形例では、分割した光束L1をペンタプリズムの上方に導くようにした。図7において、(a)は中空式ペンタプリズムの場合を示し、(b)は光学ガラス製ペンタプリズムの場合を示す。AF用撮像素子8は、ペンタプリズム50,6の上部に配設されている。ホログラム57は、所定波長の光(L3)を上部に設けられたAF用撮像素子8方向へ回折し、撮像面上に被写体像を結像するように設定されている。光束L3は反射鏡51,52と反射鏡51との隙間を抜けてAF用撮像素子8に達する。一方、ホログラム57を透過して反射鏡53で反射された光束L4は、ファインダ接眼レンズ9へと導かれる。
【0035】
図7(b)のように光学ガラス製ペンタプリズム6を用いる場合には、光束L3がペンタプリズム6の出射面を抜ける際にプリズム効果が発生する。そのため、プリズム効果を補正するための補正用プリズム58を出射部分に挿入している。第4変形例では、AF用撮像素子8およびファインダ接眼レンズ9をペンタプリズム6,50に関して異なる部位にそれぞれ配設することができるため、配置スペースの点で有利である。ただし、結像させる光学部材(ホログラム57)から撮像面までの距離が小さくなるため、スクリーン像の投影倍率が小さくなる。そのため、図7に示すような配置構成の場合には、AF用撮像素子8としてより高い画素密度を有するものが必要とされる。
【0036】
上述したように、第1の実施の形態では、ファインダ光学系に導かれた観察用光束Lを2つの光束(L1,L2)または(L3,L4)に分割し、光束L1,L2を用いたコントラスト方式により焦点調節を行うようにしたので、位相差方式で焦点調節を行う従来のカメラに比べてより高精度なAFを行うことができる。
【0037】
なお、ホログラムや帯域通過コーティングを利用して特定の帯域の光を分離し、その光をAF用光束として用いる場合には、特定周波数の光が除かれてしまうためにファインダに再現される像の色が実際の被写体と違う色に変化してしまうという問題がある。これを防ぐためには、AFヘの波長選択性を狭帯域として、できるだけ色の変化を目立たないようにする方法が最も現実的である。例えば、540nmを中心として30nm前後の帯域の光を抜いたとしても、実用上目立った変化は感じられない。
【0038】
別の方法としては、RGBの三色に対応してホログラム7,57を三層構造とし、RGB三色に対応した各狭帯域の光を三層の各ホログラムで反射して使用する方法も考えられる。その結果、ファインダ像の色彩変化を防ぐと同時に、AFの波長依存性をなくすことができる。
【0039】
一方、第1変形例で述べたように、第3反射面6bをハーフミラーで構成した場合には、光の損失という問題があるが、ファインダ像の色彩変化やAFの波長依存性という問題がない。そのため、光損失が受容できるレベルであれば、光分割を帯域分割ではなくハーフミラー式にすることも十分実用的である。
【0040】
また、デジタルスチルカメラでは、可視光を含む600nm以上の長波長光を赤外カットフィルタで除去しているので、600nm以上の波長の光をAF用に使用すことは、光量面から望ましいことであるといえる。ただし、この場合には600nm以上の波長の光しか用いていないので、AFの際に波長補正が必要となる。
【0041】
−第2の実施の形態−
図8は本発明によるカメラの第2の実施の形態を示す図である。図8は、第1の実施の形態の図1と同様に一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラの焦点検出関係の構成を示したものである。なお、図8では図1と同一の部分には同一の符号を付し、以下では異なる部分を中心に説明する。
【0042】
図8において、メインミラー3の裏面側にはサブミラー60が設けられている。サブミラー60は、メインミラー3を透過した光束を反射してカメラ底部に設けられた焦点検出装置61に導く。焦点検出装置61の詳細は後述するが、第2の実施の形態のカメラでは、焦点検出装置61の検出結果を利用した位相差方式による第1のAF動作と、上述したAF撮像素子8の撮像データを利用したコントラスト方式による第2のAF動作との両方を用いることによって、合焦動作が速く、かつ、高精度に合焦させることができるようにした。
【0043】
図9は焦点検出装置61の構成を示す斜視図である。焦点検出装置61は、視野マスク62、フィールドレンズ63、セパレータレンズ64、およびAFセンサ65を備えている。このカメラ1の場合には、図10に示すように被写界中に一つのAFエリアFを有しており、AFセンサ65はAFエリアFに対応して一対のラインセンサ65a,65bを備えている。
【0044】
視野マスク62の中央に形成された開口62aによって矩形状に制限された光束は、水平方向に並べて配設されたセパレータレンズ64aおよび64bによって2つに分割され、ラインセンサ対65a,65b上にそれぞれ結像される。
ラインセンサ対65a,65b上に結像された一対の被写体像は、撮影レンズ2が一次結像面よりも前(被写体側)に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに近づき、逆に一次結像面よりも後に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる後ピン状態では互いに遠ざかる。
【0045】
そして、ラインセンサ対65a,65b上に結像された被写体像が所定の間隔となるとき、被写体の鮮鋭像が一次結像面に位置する。したがって、この被写体像をラインセンサ対65a,65bで光電変換して電気信号に換え、これらの信号を演算処理して一対の被写体像の相対距離を求めることにより、撮影レンズ2の焦点調節状態、つまり撮影レンズ2により鮮鋭な像が形成される位置が、一次結像面に対してどの方向にどれだけ離れているか、つまり、焦点ずれ量が求められる。
【0046】
次に、一対の被写体像の相対距離の検出動作について説明する。図11は、ラインセンサ対65a,65bによる出力信号例を示す図である。図11において、横軸はラインセンサ対の画素番号であり、縦軸は出力信号レベルである。ラインセンサ対65a,65bは、被写界のほぼ同じ領域の被写体像を撮像するので、各センサ65a,65bから各々出力される信号波形はほぼ等しくなる。例えば、各センサ65a,65bによる出力が最大となる画素番号を求めると、センサ対の画素サイズから換算して一対の被写体像の間隔が求められる。これにより、焦点ずれ量を求めることができる。ここで、ラインセンサ対65a,65bに対する電荷蓄積時間は、センサ対の出力信号を8ビット分解能(0〜255)のA/D変換器を用いてA/D変換する場合に換算して表すと、出力信号の最大値が128程度になるように調節される。
【0047】
図12は図8に示したカメラのブロック図であり、図3と同様の部分には同一の符号を付した。コントローラ28には、コントラスト方式によるAF制御を行うAF制御回路34とは別に、焦点検出装置61の検出結果に基づいて上述した位相差方式によるAF制御を行うAF制御回路66が設けられている。半押しスイッチ29がオンされると、コントローラ28は以下のような手順でAF動作を行わせる。
【0048】
最初に、(1)焦点検出装置61の検出結果に基づく位相差方式による合焦動作を行わせる。この段階では、高精度な焦点調節は行わず、精度は粗いが素早い焦点調節を行わせる。次いで、(2)AF用撮像素子8の撮像データに基づくコントラスト方式による合焦動作を行わせる。コントラスト方式による合焦動作は位相差方式による合焦動作に比べて合焦動作速度が遅いが、第1段階の合焦動作により粗い焦点調節が完了しているので、コントラスト方式だけで合焦を行わせる場合に比べて合焦時間は格段に短くなる。
【0049】
前述したように、位相差方式の場合には合焦速度が速く、一方、コントラスト方式の場合には合焦精度が高い。第2の実施の形態では、位相差方式およびコントラスト方式を併用することによって両方式の長所を生かすことができる。すなわち、合焦精度が高く、かつ、合焦速度の速いAF動作を実現することができる。
【0050】
上述した実施の形態では、一眼レフ方式のデジタルスチルカメラを例に説明したが、本発明は、銀塩フィルムを用いる一眼レフカメラにも適用することができる。また、従来のAE用の測光素子にCCDのようなエリア型の撮像素子を使用し、測光素子の撮像データに基づいて、AEだけでなく上述したようなコントラスト方式のAFを行わせるようにしても良い。
【0051】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、光束Lは観測用光束を、AF用撮像素子8は撮像素子を、バンドパスフィルタ32および加算回路33は請求項1の演算手段を、AF制御回路34は制御手段をそれぞれ構成する。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一眼レフレックス方式のカメラにおいて、コントラスト方式による自動合焦動作を行わせるようにしたので、従来よりも高精度に合焦させることができる。
さらに、位相差方式の合焦動作およびコントラスト方式の合焦動作を順に実行して自動合焦動作を行わせるようにしたので、高速かつ高精度な自動合焦動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの第1の実施の形態を示す図であり、一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラの焦点検出関係の構成を示す図である。
【図2】図1のペンタプリズム部分の拡大図である。
【図3】カメラ1のブロック図である。
【図4】撮影レンズ2内に設けられたフォーカスレンズの位置と焦点評価値との関係の一例を示す図である。
【図5】第1の変形例を示す図であり、ペンタプリズム部分の拡大図である。
【図6】第3変形例を示す図である。
【図7】第4変形例を示す図であり、(a)は中空式ペンタプリズムの場合を示し、(b)は光学ガラス製ペンタプリズムの場合を示す。
【図8】本発明によるカメラの第2の実施の形態を示す図である。
【図9】焦点検出装置61の構成を示す斜視図である。
【図10】被写界中のAFエリアFを示す図である。
【図11】ラインセンサ対65a,65bによる出力信号例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態のカメラのブロック図である。
【符号の説明】
1 一眼レフレックス方式デジタルスチルカメラ
2 撮影レンズ
3 メインミラー
4 ファインダスクリーン
5 撮像素子
6 ペンタプリズム
7,57 ホログラム
8 AF用撮像素子
9 ファインダ接眼レンズ
10 シャッタ
12 反射板
28 コントローラ
32 バンドパスフィルタ
33 積算回路
34,66 AF制御回路
40 凹面鏡
50 中空式ペンタプリズム
51〜53 反射鏡
60 サブミラー
L,L1〜L4 光束
Claims (3)
- 撮影レンズを透過した被写体光束の少なくとも一部を、観察用光束としてファインダ光学系に導く一眼レフレックス方式のカメラにおいて、
前記ファインダ光学系中に配置されて前記観察用光束からRGB三色にそれぞれ対応した一部の波長の光を回折する三層の回折格子と、
前記三層の回折格子による像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像情報に基づいて前記三層の回折格子による像のコントラストを演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいてコントラスト方式による前記撮影レンズの自動合焦動作を行わせる制御手段とを備え、前記観察用光束のうち前記回折格子で回折された光を除く光を前記ファインダ光学系により観察可能としたことを特徴とするカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、
前記撮像素子の撮像情報に基づいて前記撮影レンズによる像の測光を行う測光手段を備えたことを特徴とするカメラ。 - 請求項1または2に記載のカメラにおいて、
前記被写体光束の少なくとも一部に基づいて位相差方式により前記撮影レンズの焦点調節状態を求める焦点検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記焦点検出手段によって求めた焦点調節状態に基づいて前記撮影レンズの第1合焦動作を行った後に、前記演算手段で演算された前記コントラストに基づいて第2合焦動作を行うことを特徴とするカメラ。
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