JP4200455B2 - 農作物栽培用電解還元水生成装置、葉面散布用水、土壌潅水又は土壌潅中用水、及び農作物の栽培方法 - Google Patents

農作物栽培用電解還元水生成装置、葉面散布用水、土壌潅水又は土壌潅中用水、及び農作物の栽培方法 Download PDF

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Description

本発明は、農作物栽培用の電解還元水を生成する農作物栽培用電解還元水生成装置、農作物への葉面散布用水、土壌潅水又は土壌潅中用水、及び農作物の栽培方法に関する。
従来、有隔膜を備えて、塩化カリウムなどを添加し直流電源で電気分解を行い、強酸性で強酸化水(pH2.5〜3.5、ORP:+1000mV以上)と強アルカリ性で強還元水(pH10以上、ORP:−700mV以下)の2種類の機能水を生成する装置で生成された2つの機能水を交互に散布する栽培方法(強電解水農法)がある。(例えば、特許文献1参照)
特許公開2002−335764号公報
しかしながら、上記従来の農法では、隔膜を有する強電解水生成装置によって強酸化水と強還元水の2種類の機能水が生成されることに関連し、次のような問題点がある。すなわち、農業従事者は2つの貯水タンクが必要で、2種類の水を散布する必要があり農作業が煩雑である。
また、強酸化水は雨天、曇天、夜間に散布するとすぐに蒸発せず、酸焼けなどの障害の発生や散布後すぐに散布機の内部を洗浄しないと、金属部が酸化するなどの欠点がある。
さらに、機能水のpH、ORP(酸化還元電位)の値が異常となった場合や、長期間保存した場合には、強酸化水中の水酸化カリウムがカリウム化合物を生成し塩害となり、一方強還元水中に水酸化ナトリウムが発生し、作物の葉焼けや生育障害を発生させる。
本発明は、このような従来あった問題を解決しようとするものであり、貯水や散布水による農作業の煩雑さを低減し、酸化水による金属部の酸化や塩害の発生、或いは、還元水による作物の葉焼けや生育障害の発生を防止しうる農作物栽培用電解還元水生成装置、葉面散布用水、土壌潅水又は土壌潅中用水、及び農作物の栽培方法を提供することを課題とする。
本発明は、下記手段を採用することで上記問題を解決するものである。すなわち、本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置は、陽極側電極および陰極側電極を備える無隔膜の電解槽1を具備し、前記電解槽1で水を電気分解して電解還元水を生成することを特徴とする。
或いは、本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置は、水を電気分解して電解還元水を生成する農作物栽培用電解還元水生成装置であって、貯水タンク5と、陽極側電極および陰極側電極を備えて槽内の保留水を電気分解する無隔膜の電解槽1と、貯水タンク5及び電解槽1の間を連結してこれら相互の水を循環させる循環機構とを具備してなり、貯水タンク5から電解槽1を経て貯水タンク5に戻るまでの循環経路を、循環機構によって連続的又は断続的に循環させることで、貯水タンク5内の水を繰り返し電気分解することを特徴とする。
また、上記いずれか記載の農作物栽培用電解還元水生成装置は、合成化合物からなる添加剤6を注入する添加剤6注入手段を備えたものとしてもよい。
或いは、本発明の農作物への葉面散布水、土壌潅水又は土壌潅中用水は、上記いずれか記載の農作物栽培用電解還元水生成装置によって得られることを特徴とする。
或いは、農作物の栽培方法は、上記いずれか記載の農作物栽培用電解還元水生成装置によって得られる電気還元水を、水散布工程、灌水工程、または灌中工程のいずれかひとつ又は複数の工程で使用することを特徴とする。
上記手段を採用することで、酸化水が同時に生成されることなく還元水のみが生成される。これにより、貯水や散布水による農作業の煩雑さを低減し、酸化水による金属部の酸化や塩害の発生、或いは、還元水による作物の葉焼けや生育障害の発生を防止しうる農作物栽培用電解還元水生成装置、葉面散布用水、土壌潅水又は土壌潅中用水、及び農作物の栽培方法を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、実施例として示す図面と共に説明する。図1ないし図3は、本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置の構成例として、それぞれ第一の構成、第二の構成、第三の構成を示す図である。図4及び図5は、20lの密閉容器に入れた電解還元水を常温放置した時の試験結果に関し、それぞれpHの経時変化、及びORP(酸化還元電位)を示す図である。
本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置は、陽極側電極および陰極側電極を備える無隔膜の電解槽を具備してなる。この電解槽で水を電気分解して、中性かつ還元系の電解還元水を生成することを特徴とする。
本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置の基本的な構成として、貯水タンクと、陽極側電極および陰極側電極を備えて槽内の保留水を電気分解する無隔膜の電解槽と、貯水タンク及び電解槽の間を往路管及び復路管で連結して、これら相互の水を循環させる循環機構とを具備してなる。またさらに、合成化合物からなる添加剤を注入する添加剤注入手段を備えることが好ましい。
循環機構は、貯水タンクから電解槽を経て貯水タンクに戻るまでの循環経路内へ、水を連続的又は断続的に循環させる。これにより、貯水タンク内の水を繰り返し電気分解する。これにより、酸化系の水は還元系の水となり、還元系の水は更に還元性の強い(すなわちORP(酸化還元電位)の低い)強還元系の水となることで、ORP(酸化還元電位)−100mV以下の電解還元水が生成される。
本発明は直流電圧を無隔膜電解槽1の陽極側電極および陰極側電極に供給し、電気分解を行い、還元水を生成する機能を有し、酸化系の原水を電気分解し、還元水のみを生成する機能としたものである。また、直流電源、電解槽1など充電露出部は全て装置内に内蔵し、人に触れない安全対策を行っている。電解還元水の生成手段として、装置内に循環ポンプ2を備え、吸水・吐水の2つのホースを設け、水を循環して電気分解を行い、貯水タンク5内の酸化系の水を還元系の電解還元水にする装置です。そして、貯水タンク5の電解還元水を動力噴霧器などで作物の葉面に散布しながら灌水を行うか、又は葉面散布を行い、一種類の水で、貯水タンク5も1個で場所もとらず、簡単に農作業が行える。電解還元水のpHは7前後の中性水で、作物に対し強酸・強アルカリのストレスをかけず、酸化還元電位は0mV以下の還元系の還元水で還元力を有する機能水である。本発明の栽培方法は、作物の生育を良くし、糖度を上げる、味覚向上、収量の増加、収穫期間を延ばすなどの効果がある。
なお従来、貯水タンク5の水に各種ミネラル分の多い鉱石や有機肥料などを混入させ、高周波交流低電圧および高周波交流高電圧を貯水タンク5の電極板に加え電気分解を行い、その還元水を利用する栽培方法がある(例えば、特許公開2000−262147号公報記載)。これは、利用目的に応じて、電解する水に混入する添加物を変え、電解電圧を可変するなどの操作で酸化還元電位を変えた還元水(ORP=+200〜−700mV)を生成するものである。このような装置は高周波交流電圧を利用し、電極版が露出した状態であり安全性に問題がり、さらに、水に鉱石、トルマリン、各種有機ミネラル、キトサンなどの色々な添加物を入れた混合水を利用しており、農業従事者にとっては非常に作業が煩雑であると共に添加物の容量、濃度などの管理が難しいものとなる。
これに対して本発明では、隔膜を設けない無隔膜の電解槽1としており、電極は電解槽1に内蔵し、金属部が露出しない構造としているため、安全で簡素化した直流電源を有する装置となっている。さらに、生成される電解水は還元系を示すORP(酸化還元電位)−100mV以下の還元水で、農作物などの利用はこの電解還元水を作物に葉面散布並びに灌水および葉面散布を行う簡単な栽培方法を実現しうる。
実施例1の農作物栽培用電解還元水生成装置による電解還元水を生成する手段は、次の通りである。すなわち、循環経路内に循環機構の循環ポンプ2を備え、又同じく循環機構の循環往路・循環復路としてそれぞれ吸水・吐水の2つのホースを設け、貯水タンク5の水を吸水し、電解槽1で電気分解した電解水を貯水タンク5に吐水し、繰り返し電気分解を行い、貯水タンク5内の酸化系の水をpH(水素イオン指数)は中性で、還元系の還元水にするものである。
実施例2の農作物栽培用電解還元水生成装置による電解還元水を生成する手段は、次の通りである。水道水、井戸水などの蛇口から酸化系の原水を直流電源、電解槽1などを備えた装置に供給し、電気分解してpH(水素イオン指数)は中性で、還元系の還元水を連続的に生成し、貯水タンク5に給水するものである。
本発明の装置で生成した電解還元水は作物に対し、強酸性や強アルカリ性の電解水の葉面散布で発生する酸焼けなどの障害の発生がなく、pHが7前後(具体的には6.5以上8以下)の中性水で、酸化還元電位が−100mV以下の還元力を有する機能水である。本発明の装置で生成した電解還元水はまた、農作物への葉面散布用水として、或いは、土壌潅水又は土壌中用水として、特に顕著な効果を有する。
そして、本発明の農作物の栽培方法は、貯水タンク5に供給された電解還元水を動力噴霧器などで作物の葉面に散布しながら灌水を行うか、又は葉面散布を行うものであり、一種類の水で、貯水タンク5も1個で場所もとらなく、簡単に農作業が行える電解還元水による栽培方法である。
上述したように本発明は強電解水生成装置に有する隔膜を無くした無隔膜電解槽1で、塩化カリウム等の添加ポンプも不要で、その他機構が簡単で、低コストの設計であるとともに、直流電源、電解槽1など充電露出部は全て装置内に内蔵され、人にふれない安全対策を行った装置を提供できる。
また、一種類の電解還元水を動力噴霧器などで作物に葉面散布、土壌灌水、土壌灌中または、養液栽培の培養液として使用するシンプルな栽培方法を提供できる。なお、電解還元水の散布および土壌灌水、土壌灌中の手段としては手動又は自動で行っても良い。
本発明の栽培方法により、電解還元水が作物の根の生育を旺盛にするため、土壌の水分や養分吸収を良くし、植物の生育が促進され、光合成により多くの同化養分が生産されるため、作物の生育を良くし、糖度を上げる、味覚向上、収量の増加、収穫期間を延ばすなどの効果がある。
本発明の電解還元水による農作物への栽培には酸化還元電位が0mV以下の電解還元水を利用すると効果がある。実用的には電解還元水の生成日から5日以内の電解還元水を利用すると良い。
また、本発明の電解還元水による農作物への栽培において、ORP(酸化還元電位)の低い電解還元水を利用することにより糖度を上げることができる。実用的には電解還元水の生成当日又は翌日に生成された電解還元水を利用するのが最適である。
<農作物栽培用電解還元水生成装置>
図1は、本発明の実施例1の農作物栽培用電解還元水生成装置の構成を示す図である。
本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置は、図1に示すように、少なくとも無隔膜の電解槽1及び循環ポンプ2を備えた装置本体3と、外部に配置した貯水タンク5とを具備して構成ざれる。そして、外部に配置した貯水タンク5に、貯水タンク5内に貯水した酸化系の原水を装置本体3内の電解槽1に供給する供給路中に循環ホンプの供給手段を備え、電気分解する無隔膜の電解槽1を備えた農作物栽培用電解還元水生成装置である。
ここで、図1に示す農作物栽培用電解還元水生成装置A1は、外部貯水タンク5の貯水した原水11に供給する供給路を備える供給手段として、フィルター4と、第一の循環往路1aと、循環ポンプ2と、第二の循環往路1bと、循環復路1cと、を備えている。また実施例1の農作物栽培用電解還元水生成装置の電解槽1は、第二の循環往路1bと循環復路1cとの間に備えている。なお、装置本体3は、前記電解槽1や循環ポンプ2の他に、直流電源と、その他制御装置などが内蔵されている。
電解槽1は、無隔膜の密閉型の槽本体と、この槽本体の内部に露出した一組の電極と、一組の電極に電気的に繋がれた直流電源とを具備する。一組の電極は、陰極側電極板及び陽極側電極板からなり、共にチタン白金メッキ等の金属部を有すると共に、いずれもこの金属部が露出しないよう、槽本体の内側面又は底面に沿うようにして設けられる。また電解効率をあげるため、一組の電極は、槽本体の平面視対角位置に設けられることが望ましい。直流電源は、トランス式又はスイッチング式の電源であり、数十ボルトの電圧を一組の電極に印加する。電解槽1はまた、帯電防止材からなる帯電防止カバーを備える。
実施例1の循環機構は、貯水タンク5及び電解槽1の間を循環往路(第一の循環往路1a、第二の循環往路1b)及び循環復路1cによって連結する循環路と、この循環路内に水を循環させる循環ポンプ2とから構成される。
また図1には、外部の貯水タンク5と、貯水した原水11と、電解水の流れの方向の循環路1fとを併せて記載している。
図2は、実施例2の農作物栽培用電解還元水生成装置の構成を示す図である。実施例2の農作物栽培用電解還元水生成装置は、図2に示すように、合成化合物からなる添加剤6を注入する添加剤6注入手段を備えたものである。
添加剤6注入手段による添加剤6の具体的な注入方法は、特に限定されず、任意の公知の手段を用いることができる。具体例としては、容器内に貯蔵された固形又は粉末状の添加剤6を、自動あるいは手動により、自然溶出または一定量投入することができる手段であることが望ましい。
また、本発明で用いる添加剤6は、電気分解を促進させ、ORP(酸化還元電位)を下げることで、作物の生長を促進させたり、糖度を向上させるという効果がある。添加剤6は、前記効果のある有効成分量を容易に調節しうる合成化合物であることが好ましく、また、カルシウム、カリウム、マグネシウムのうち少なくともいずれかを主成分とする化合物であることが好ましい。具体的には、亜硫酸カルシウム等の塩素除去剤が挙げられる。中でも、農作物の塩害が発生しないよう、塩化物を含まない合成化合物であることが望ましい。
ここで、図2に示す装置本体3は、外部の貯水タンク5に貯水した原水11に供給する供給路を備える供給手段として、水の流れる順番に、フィルター4と、第一の循環往路1aと、循環ポンプ2と、第二の循環往路1bと、第一の循環復路1dと、を備えている。実施例2の電解槽1は、第二の循環往路1bと第一の循環復路1dとの間に備えられる。また、添加剤6は、第一の循環復路1dと第二の循環復路1eとの間に備えられる。実施例2の装置本体3は、前記電解槽1、循環ポンプ2、及び添加剤6注入手段の他に、直流電源と、その他制御装置などが内蔵されている。
また図2には、装置本体3とは外部に設置した貯水タンク5と、貯水した原水11と、電解水の流れの方向の循環路1fとを併せて記載している。
図3は、実施例3の農作物栽培用電解還元水生成装置の構成を示す図である。実施例3の農作物栽培用電解還元水生成装置は、図3に示すように、水道水や地下水など原水を電解槽1に供給し、酸化系の原水を電気分解し、還元系の電解還元水を外部貯水タンク5に供給する手段を備えたものである。
なお、図3に示す農作物栽培用電解還元水生成装置は、水道水や地下水など酸化系の原水を原水供給部から供給し、電気分解を行い、外部貯水タンク5に供給する供給路を備える。供給手段として、第一の流路3aと、第二の流路3bと、添加剤6供給手段により添加される添加剤6と、第三の流路3cと、を備えている。装置本体3が備える電解槽1は、第一の流路3aと第二の流路3bとの間に備えられる。また、添加物供給手段による添加剤6は、第二の流路3bと第三の流路3cとの間に備えられる。なお、装置本体3は、前記電解槽1、添加剤6を備える他に、直流電源と、その他制御装置などが内蔵されている。
また、水道水、井戸水などの原水が強い酸化系、すなわち酸化還元電位が非常に高い原水の場合は、添加剤6供給手段による添加剤6を、第一の水路3aと電解槽1との間に備えることが好ましい。このようにすると。添加剤6が電解促進剤として働き、ORP(酸化還元電位)を低下させ、より還元力の強い還元系の水質に改善させることができる。
本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置が上述の構造を有する場合は、水道水、井戸水など酸化系の原水を、原水供給部7から直接に電解槽1に供給して連続して電気分解することができる。
<農作物栽培用電解還元水>
農作物栽培用電解還元水は原水(pH=7.2,ORP=470mV)のpH値とほとんど同じ7前後(具体的には6.5以上8以下)の中性水で、作物に対し強酸・強アルカリ性による酸焼けや水酸化ナトリウム障害などのストレスのない酸化還元電位ORP=0mV以下の還元系の中性還元水を利用する。ただし、最適なORP(酸化還元電位)は−100〜−200mVである。
農作物栽培用電解還元水は図4に示すように、密閉した貯水タンク5に保存した場合において、pH値は多少アルカリ性に向かうがほとんど変化しない。
農作物栽培用電解還元水は図5に示すように、密閉した貯水タンク5に保存した場合において、ORP(酸化還元電位)が時間経過すると徐々に上昇し、還元系から酸化系に向かう。
よって、農作物栽培用電解還元水は酸化還元電位ORP=0mV以下、すなわち農作物栽培用電解還元水装置で生成後5日以内の電解還元水を利用することが望ましい。添付資料の農作物の電解水栽培試験結果で、一週間常温放置した電解還元水(ORP=62mV)と散布時に生成した電解還元水(ORP=−162mV)の栽培比較試験で分かるように、一週間以上経過した電解還元水を利用すると作物などの生育や糖度が低下するなどの効果が低下する。すなわち、水道水などの酸化系用水を使用した通常の栽培結果に近づくことになる。
添付資料の農作物の電解水栽培試験結果のハウストマト(地床栽培)と、ハウスナス(地床栽培)と、で分かるように、一週間常温放置した電解還元水より散布時に生成した電解還元水の栽培において、平均糖度が0.3〜0.7度高くなっている。
<栽培用電解還元水を用いた農作物の栽培方法>
農作物栽培用電解還元水生成装置で生成された貯水タンク5の電解還元水をジョロ、動力噴霧器、その他散布器で手動または自動で作物の葉および作物全てに散布する。
農作物栽培用電解還元水生成装置で生成された電解還元水は、電解還元水を葉面散布しながら、潅水又は潅水中用水として土壌へ灌水しても良い。又、潅水用水として土壌に灌水だけでも良い。
電解還元水を利用して栽培するものは野菜、果物などの全ての作物および盆栽、植木などの全ての植物で、通常栽培より効果がある。
電解還元水の作物などへの散布、灌水は季節、天候にもよるが3〜10日間隔とする。ただし、最適な間隔は一週間が望ましい。
電解還元水の作物、植物への散布、灌水する量は通常の農作業で行っている散布・灌水量を基準とすれば良いが、散布量は10〜20m/l、灌水量は1〜2m/lを目安とする。ただし、散布量、灌水量は多少多くても、多雨量期を除き作物、植物の生育などの障害の発生はほとんどない。
電解還元水に液肥や生薬などを添加して葉面散布用水として葉面散布を行うと、さらに作物の収量増加や品質向上が期待される。
上述のことから、作物の糖度を高くするにはORP(酸化還元電位)の低い、還元系の電解還元水を利用するとより効果的である。
次に、発明者が実施した農作物の電解水栽培試験結果について、概要を下記に述べる。35mのビニールハウスで品種:桃太郎93Tのトマトを対照区(水道水)と電解還元水区(AとB)で、地床栽培による栽培比較試験を行った。水道水(ORP=432〜487mV)を電解還元水区と対照区に毎日灌水し、電解還元水(AとB)を電解還元水区に一週間に一回、平成17年4月13日〜7月20日の期間に15回葉面散布を行った結果を表1に示す。その結果、数量、総果重、平均果重は対照区より電解還元水区の方が多い。詳細には対照区より電解還元水区の方が、数量で20〜29%、総果重で33〜41%、平均果重で約10%増加した結果が得られた。さらに、平均糖度は対照区より電解還元水区の方が0.5〜0.8度高く、放置時間が短く、ORPが低い電解還元水Bの方が電解還元水Aより糖度を高い。上記の結果から電解還元水でトマトを栽培すると、収量が増加し、更に甘くて、美味しいトマトが栽培されることが確認された。
Figure 0004200455
35mのビニールハウスで品種:桃太郎93Tのトマトを対照区(水道水)と電解還元水区(AとB)で、プランタ栽培による栽培比較試験を行った結果を表2に示す。水道水(ORP=432〜487mV)を電解還元水区と対照区に毎日灌水し、電解還元水(AとB)を電解還元水区に一週間に一回、平成17年6月1日〜7月27日の期間に9回葉面散布を行った。その結果、数量は対照区と電解還元水区には有意さはないが、電解還元水B区の方が対照区より23%多く、平均果重は電解還元水の方が対照区より、14〜17%重い結果が得られた。さらに、平均糖度は対照区より電解還元水区の方が0.5〜1.0度高く、なお、放置時間が短く、ORPが低い電解還元水Bの方が電解還元水Aより糖度が0.5度高い結果が得られた。上記の結果から電解還元水でトマトを栽培すると、大玉のトマトの栽培と収量の増加、更に甘くて、美味しいトマトが栽培されることが確認された。
Figure 0004200455
35mのビニールハウスで品種:黒陽のナスを対照区(水道水)と電解還元水区(AとB)で、地床栽培による栽培比較試験を行った。水道水(ORP=432〜487mV)を電解還元水区と対照区に毎日灌水し、電解還元水(AとB)を電解還元水区に一週間に一回、平成17年4月13日〜7月13日の期間に14回葉面散布を行った結果を表3に示す。その結果、数量は対照区と電解還元水区には有意さはないが、平均糖度は対照区より電解還元水区の方が0.8〜1.6度高く、なお、放置時間が短く、ORPが低い電解還元水Bの方が電解還元水Aより糖度が0.8度高い結果が得られた。上記の結果から電解還元で栽培すると、収量変化はないが糖度の高いナスが栽培されることが確認された。
Figure 0004200455
ピーターコーン、女王蜂、サニーテイスト3品種のスイートコーンを対照区(水道水)と電解還元水区で、露地栽培による栽培比較試験を行った。水道水(ORP=432〜487mV)を電解還元水区と対照区に毎日灌水し、電解還元水(ORP=−150〜−173mV)を電解還元水区に一週間に一回、合計9回葉面散布を行った結果を表4に示す。その結果、糖度は品種により異なるが、対照区より電解還元水区の方が1.0〜2.0度高いスイートコーンが栽培され、さらに、収穫期は対照区より電解還元水区の方が7〜10日早くなることが確認された。
Figure 0004200455
5品種のダイコン、マクワウリ、プチトマト、枝豆、キュウリを対照区(水道水)と電解還元水区で、露地栽培による栽培比較試験を行った。水道水(ORP=432〜487mV)を電解還元水区と対照区に毎日灌水し、電解還元水(ORP=−150〜−173mV)を電解還元水区に一週間に一回、合計6回葉面散布を行った結果を表5に示す。その結果、糖度は対照区より電解還元水区の方が、ダイコンで1.0度、マクワウリで2度、プチトマトで1.5度、枝豆で2.0度高いが、キュウリは対照区と電解還元水区には有意差がない結果が確認された。
Figure 0004200455
発明者の家庭菜園で品種:青力節成のキュウリを対照区(水道水)と電解還元水区で、プランタ栽培による栽培比較試験を行った。プランタに2株のキュウリ苗を定植し、水道水(ORP=432〜487mV)をプランタに毎日灌水し、電解還元水(ORP=−150〜−173mV)を1本のキュウリの葉面に噴霧器で3〜7日間隔に細霧散布を、他の1本は無散布とする栽培を行った結果を表6に示す。その結果、電解還元水を散布したキュウリは無散布より数量で2.1倍、総果重で、2.7倍、平均果重で26%の増収結果を得られ、さらに、無散布より電解還元水の散布したキュウリの方が着果率が高く、異形や曲がりの異常果実が少なく、収穫期間が24日長く収穫できた。しかし、糖度は電解還元水の散布と無散布による有意差はなかった。
Figure 0004200455
上述した、農作物の電解水栽培試験結果を基に、電解還元水の作物への作用、効果の理論について以下に述べる。電解還元水のORP(酸化還元電位)は−100〜−200mVの電位を有する水で、還元力が有る。太陽光線の紫外線等により傷つけられた葉は酸化ストレスなどの障害を受けており、この還元力のある水が作物の葉面に触れることにより、その酸化ストレスの葉を電解還元水が還元しているものと想定される。すなわち、酸化され損傷した作物や植物の葉の酸化ストレスを軽減することにより、光合成も活発になり作物や植物の生育にも有効に作用し、生育の向上、糖度の上昇、味覚向上、増収、収穫期の増進などに効果をもたらしているものと推定する。
本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置の一例の概略を示す図である。 本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置の一例の概略を示す図である。 本発明の農作物栽培用電解還元水生成装置の一例の概略を示す図である。 20リットルの密閉容器に入れた電解還元水を常温放置した時のpHの経時変化を示す図である。 20リットルの密閉容器に入れた電解還元水を常温放置した時のORP(酸化還元電位)の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 電解槽
11 貯水された電解還元水
1a 第一の循環往路
1b 第二の循環往路
1c 循環復路
1d 第一の循環復路
1e 第二の循環復路
1f 循環流
2 循環ポンプ
3 装置本体
3a 第一の流路
3b 第二の流路
3c 第三の流路
4 フィルター
5 貯水タンク
6 添加剤
7 原水供給部

Claims (4)

  1. 貯水タンクと、陽極側電極および陰極側電極を備えて槽内の保留水を電気分解する無隔膜の電解槽と、貯水タンク及び電解槽の間を連結してこれら相互の水を循環路内に循環させる循環機構と、電解槽より先の循環路間に設けられ、カルシウム、カリウム、マグネシウムのうち少なくともいずれかを主成分とする塩化物を含まない化合物からなる塩素除去剤を自然溶出によって注入する添加剤注入手段とを具備してなり、電解槽は、無隔膜の密閉型の槽本体と、この槽本体の内部に露出した一組の電極とを具備し、前記一組の電極は、共にチタン白金メッキの金属部を有すると共に槽本体の内側面又は底面に沿うようにして槽本体の平面視対角位置に設けられたものであって、貯水タンクから電解槽を経て貯水タンクに戻るまでの循環経路を、循環機構によって連続的又は断続的に繰り返し循環させ、貯水タンク内の水を繰り返し電気分解すると共に、添加剤が電気分解を促進させ、酸化還元電位を繰り返し下げることで、pHは中性でありながら酸化還元電位が−100mV以下の電解還元水を生成することを特徴とする農作物栽培用電解還元水生成装置。
  2. 請求項記載の農作物栽培用電解還元水生成装置の繰り返し電気分解によって酸化水を同時生成すること無く得られた、pH6.5以上8以下かつ酸化還元電位−100〜−200mV農作物への葉面散布用水。
  3. 請求項記載の農作物栽培用電解還元水生成装置によって繰り返し電気分解して得られた生成後5日以内の電気還元水を、葉面への水散布工程で使用することを特徴とする農作物の栽培方法。
  4. 請求項記載の農作物栽培用電解還元水生成装置によって繰り返し電気分解して得られた生成当日又は翌日の電気還元水を、作物の葉面に3〜10日間隔で散布することを特徴とする農作物の栽培方法。
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