JP4199858B2 - 半田ボール供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半田ボール供給装置、さらに詳しくはICパッケージ等の電子部品の実装に使用する半田ボール供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、ICパッケージの実装を説明するための斜視図であり、図3において、100は実装基板、101はICパッケージ、102はICリード、103は実装基板上のランド、104は半田ボールである。
図3に示すようにICパッケージを基板に実装する場合、各ICリード102にそれぞれ半田ボール104を1個づつ供給し、供給した半田ボール104を溶融してそれぞれのICリード102とランド103とが半田付けされるが、半田ボール104の供給は各ICリードの位置に1個づつ半田ボールが自動的に配給されるように、半田ボール供給装置が使用される。
【0003】
図4は、従来の半田ボール供給装置の一例を示す断面図である。
この半田ボール供給装置は吸着ヘッド21とガス噴出トレー22とで構成され、トレー22の下部から不活性ガスを噴出することで半田ボール104を吸着ヘッド21付近まで浮遊させる。一方、吸着ヘッド21には専用のスルホールが設けられており、内部の空気が吸引されることで各スルホールが半田ボールを吸引し、各スルホールに1個づつ半田ボール104が吸着される。
スルホールの数および位置は実装するICパッケージのリードに合わせて設けられており、従って各スルホールに半田ボールを吸着させた状態で基板100上の実装位置へヘッド21を移動させて位置合わせし、エアーの吸引を停止して半田ボールをヘッド21から離して、所定位置に各半田ボールを整列させる。
【0004】
図5は、従来の他の半田ボール供給装置の一例を示す断面図である。
図5の半田ボール供給装置は、図4と同様に専用のスルホールが設けられた吸着ヘッド21と、トレー23とで構成され、吸着ヘッド21をトレー23に嵌合し(A)、嵌合させた状態で反転し且つ吸着ヘッド内部の空気を吸引することで各スルホールに1個づつ半田ボール104を吸着させる(B)。
そして吸着ヘッド21の吸引を継続しながら再反転することで余分な半田ボール104を離し(C)、半田ボール104を吸着させた状態で吸着ヘッド21をトレー23から離して基板100上の実装位置へ移動させて位置合わせし、吸引を停止して半田ボールをヘッド21から離して、所定位置に各半田ボールを整列させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半田ボール供給装置はボールピックアップ方式と呼ばれ、上述のように構成され動作するが、実装する各電子部品専用にスルホールが設けられた吸着ヘッドが必要となるためコスト高で汎用性に乏しく、多品種の電子部品を少量づつ実装したいような場合に対応できない。
またボール浮遊機構や反転機構が必要なため装置が大型化する。さらにボール浮遊機構を用いる装置では余った浮遊ボールの飛び出しも多く、供給効率も悪い等の問題点があった。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、汎用性が高く多品種の電子部品の実装に適し、効率良く半田ボールの供給が可能な小型で安価な半田ボール供給装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子部品実装用の半田ボールを供給する半田ボール供給装置において、気体が流通する吸引孔が長手方向に設けられ、当該吸引孔に気体を流通させると共に長手方向の軸を回転軸として回転するシャフトと、前記シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記吸引孔に通じる複数の半田ボール整列孔が設けられた金属板マスクであって、当該複数の半田ボール整列孔が電子部品のリードの配置に基づいて配置された金属板マスクと、複数の前記半田ボール整列孔が配列される領域より広い領域に及ぶ窪みが形成されるよう前記シャフトの先端に設けられ、各半田ボール整列孔から前記吸引孔へと気体を導く吸引溝と、椀形状をなし凹面側が上方向を向くよう設けられ、前記吸引溝が設けられた端を上に向けて前記シャフトが底部を貫通し、前記シャフトの長手方向に上下移動する半田ボール溜め部と、前記半田ボール溜め部の内部にエアーを吹き付けるエアブローと、を備え、前記半田ボール溜め部に溜められた複数の半田ボールが前記シャフトの先端より下方に位置するよう前記半田ボール溜め部を下方に位置させる初期制御と、前記初期制御を実行した後に、前記半田ボール溜め部に溜められた複数の半田ボールが前記金属板マスク上に流れ込むよう前記半田ボール溜め部を上昇させる上昇制御と、前記上昇制御を実行した後に、前記半田ボール溜め部を下降させる下降制御と、前記上昇制御を実行した後に、前記吸引孔に気体を流通させ、各半田ボール整列孔に半田ボールを吸引すると共に、前記シャフトをその長手方向の軸を回転軸として回転させるシャフト回転制御と、前記金属板マスク上面にエアーが吹き付けられるよう、前記エアブローからエアーを吹き付けるエアー吹きつけ制御と、を実行することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る半田ボール供給装置においては、電子部品を前記金属板マスクの位置に移動させる手段を備え、前記下降制御、前記シャフト回転制御および前記エアー吹きつけ制御を実行した後に、前記電子部品を前記金属板マスクの位置に移動させる制御を実行することが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(A)は本発明の半田ボール供給装置の一実施形態を示す断面図、図1(B)はそのM部拡大図、図1(C)はM部上面図である。
図1において、1はその形状が略椀状の半田ボール溜め部で、矢印S方向に上下運動する。2はその形状が円柱状の回転シャフトで、矢印T方向に回転運動する。3は回転シャフト上面に設けられた半田ボール位置決めマスク、4は回転シャフト軸芯に設けられた吸引孔、5は半田ボール溜め部1に取り付けられたエアブロー、6はマスク3上に開けられた半田ボール整列孔、7は吸引孔4を使って整列孔6から空気を吸引させるための吸引溝、8はマスク3の位置決めを行うための位置決めピン、9は作業テーブルである。
【0012】
次に動作について説明する。
図2は、本発明の半田ボール供給装置の動作を説明するための図である。
図1,図2(A)に示すように、半田ボール溜め部1はその形状が略椀状をなし回転シャフト2に同心円状に嵌着されている。
そして椀状底部には半田ボール104が多数入れられており、回転シャフト2が突出した状態となっている。
また回転シャフト2の上面には、実装すべき電子部品のリードに合わせた(本数及びその位置,大きさに合わせた)半田ボール整列孔6が開けられた半田ボール位置決めマスク3が位置決めピン8で位置決めされて装着されている。
この状態において図2(B)に示すように、矢印S1方向に半田ボール溜め部1を上昇させ、回転シャフト2でエアーの吸引を開始する。
半田ボール溜め部1が上昇し、半田ボール104が多数入れられた椀底が回転シャフト2の上面以上に上昇すると、半田ボールがこの上面に流れ込み、エアーの吸引が行われている半田ボール整列孔6に多方向から半田ボールが接近する。
【0013】
次に図2(C)に示すように回転シャフト2を矢印T方向に回転させる。エアーの吸引を行いながら回転シャフト2が回転することで、半田ボール整列孔6に半田ボールが吸着され、また余分な半田ボールが遠心力で周囲に飛ばされる様になる。
そしてエアーの吸引および回転シャフト2の回転を継続しながら半田ボール溜め部1を矢印S2に示すように徐々に下降させていくことで回転シャフト2の回転によって飛ばされた半田ボールが椀底に戻され、未だ半田ボール104を吸着していない整列孔6にも半田ボール104が吸着され、さらに半田ボール溜め部1が下降することによって回転シャフト2の上面にエアブロー5の先端が接近した位置まで来ると、図2(D)に示すようにエアブロー5が動作して回転シャフト2の上面にエアーが吹き付けられる様になる。
【0014】
そして回転シャフト2の上面にエアーが吹き付けられると、上面に残存していた半田ボール104が吹き飛ばされ、半田ボール位置決めマスク3上は各半田ボール整列孔6にそれぞれ1個づつ半田ボールが吸着された状態となる。
従って図2(E)に示すように、ここへ実装を行う電子部品101を移動させるだけで、この電子部品101の各リードへそれぞれ1個づつ半田ボールを供給することができる様になる。
【0015】
なお実装すべき電子部品の種類が変わった場合、新たに実装する電子部品101のリード102に合わせた半田ボール整列孔6を有する半田ボール位置決めマスク3を用いるだけで良く、製作の容易なメタルマスクを使用できるため汎用性に富み、多品種の電子部品を少量づつ実装するような場合でもコストの高騰を防げる。
また移動部分が半田ボール溜め部1の上下だけで済むので、装置の小型化が可能となる。
さらに椀状の半田ボール溜め部1内だけで半田ボールの吸着や余った半田ボールの除去を行い、ヘッドが半田ボールを吸着したまま移動する動作を必要としないので供給効率を向上させることができる。
【0016】
また上記実施形態では、シャフト2は回転し半田ボール溜め部1にはエアブロー5が取り付けられているものとして説明しているが、これらが無い装置でも本発明を実施できることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、汎用性が高く多品種の電子部品の実装に適し、効率良く半田ボールの供給が可能な小型で安価な半田ボール供給装置が提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半田ボール供給装置の一実施形態を説明するための図である。
【図2】図1に示す装置の動作を説明するための図である。
【図3】ICパッケージの実装を説明するための斜視図である。
【図4】従来の半田ボール供給装置の一例を説明するための図である。
【図5】従来の半田ボール供給装置の他の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 半田ボール溜め部
2 回転シャフト
3 半田ボール位置決めマスク
4 吸引孔
5 エアブロー
6 半田ボール整列孔
7 吸引溝
8 位置決めピン
9 作業テーブル
101 ICパッケージ
104 半田ボール
Claims (2)
- 電子部品実装用の半田ボールを供給する半田ボール供給装置において、
気体が流通する吸引孔が長手方向に設けられ、当該吸引孔に気体を流通させると共に長手方向の軸を回転軸として回転するシャフトと、
前記シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記吸引孔に通じる複数の半田ボール整列孔が設けられた金属板マスクであって、当該複数の半田ボール整列孔が電子部品のリードの配置に基づいて配置された金属板マスクと、
複数の前記半田ボール整列孔が配列される領域より広い領域に及ぶ窪みが形成されるよう前記シャフトの先端に設けられ、各半田ボール整列孔から前記吸引孔へと気体を導く吸引溝と、
椀形状をなし凹面側が上方向を向くよう設けられ、前記吸引溝が設けられた端を上に向けて前記シャフトが底部を貫通し、前記シャフトの長手方向に上下移動する半田ボール溜め部と、
前記半田ボール溜め部の内部にエアーを吹き付けるエアブローと、
を備え、
前記半田ボール溜め部に溜められた複数の半田ボールが前記シャフトの先端より下方に位置するよう前記半田ボール溜め部を下方に位置させる初期制御と、
前記初期制御を実行した後に、前記半田ボール溜め部に溜められた複数の半田ボールが前記金属板マスク上に流れ込むよう前記半田ボール溜め部を上昇させる上昇制御と、
前記上昇制御を実行した後に、前記半田ボール溜め部を下降させる下降制御と、
前記上昇制御を実行した後に、前記吸引孔に気体を流通させ、各半田ボール整列孔に半田ボールを吸引すると共に、前記シャフトをその長手方向の軸を回転軸として回転させるシャフト回転制御と、
前記金属板マスク上面にエアーが吹き付けられるよう、前記エアブローからエアーを吹き付けるエアー吹きつけ制御と、
を実行することを特徴とする半田ボール供給装置。 - 請求項1に記載の半田ボール供給装置において、
電子部品を前記金属板マスクの位置に移動させる手段を備え、
前記下降制御、前記シャフト回転制御および前記エアー吹きつけ制御を実行した後に、前記電子部品を前記金属板マスクの位置に移動させる制御を実行することを特徴とする半田ボール供給装置。
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