JP4198518B2 - 樹脂成形用モールド、それの製造方法および使用方法 - Google Patents

樹脂成形用モールド、それの製造方法および使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写装置、画像記録装置、プリンタその他のオフィスオートメション(以下「OA」という)機器の、画像記録形成装置に各種ロールとして使用される樹脂成形品の成形に用いて好適な樹脂成形用モールド、それの製造方法および使用方法に関するものであり、とくには、ロール表面に形成される微細な凹凸等の形状および配列を制御することでロール性能を高めることができる技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
OA機器のトナー供給ロール、転写ロール、現像ロール等の樹脂成形ロールにあっては、ロール表面に、微細な多数の凹凸等を規則的に設けることが、ロール性能を高める上で好適であり、これがため、出願人は先に、ロール成形用の筒型モールドの内面に、円形、楕円形、レーストラック形、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの一定形状の繰返しパターンを形成してなるモールドをもって成形した性能良好なOAロールを、特願2002−147128号として提案している。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−147128号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、筒型モールドの内面の、一定形状の規則的な繰返しパターンを、たとえば、紫外線(UV)によるUV硬化樹脂加工、電子ビーム(EB)によるEB硬化樹脂加工、光造形加工、電子ビーム加工、プラズマ加工、プラズマエッチング加工、イオンビーム加工、レーザ加工、フォト・エッチング加工、ウェット・エッチング加工、機械加工などの加工方法によってモールドに直接的に形成する場合には、加工が極めて困難であり、たとえそれが可能であっても、形成されたパターンの加工精度が低いという問題があった。
【0005】
そこでこの発明は、モールドの成形表面に、微細にして規則的な繰返しパターンを、所要の高精度で簡易に形成することができる樹脂成形用モールド、それの製造方法および使用方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の樹脂成形用モールドは、成形品の表面に転写される、所要に応じた微細な凹凸および孔の少なくとも一種類を、規則的に複数形成した薄膜体を、たとえば、ニッケル、アルミニウム等の金属材料または、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料製とすることができるモールド本体の成形面側の表面に、接着剤その他によって接合させて、その薄膜体をもって成形表面を形成したものであって、その樹脂成形用モールドを、ウレタンフォームからなるトナー供給ロール用のモールドとし、かつ、前記凹凸および孔の、円相当径の平均値を50〜500μmとするとともに、相互に隣接する凹凸および孔のそれぞれの中心間の平均距離を50〜600μmとしてなることを特徴とするものである。
【0007】
ここでは、たとえば平坦面形状とした薄膜体に対する、UV硬化樹脂加工、EB硬化樹脂加工、光造形加工、電子ビーム加工、プラズマ加工、プラズマエッチング加工、イオンビーム加工、レーザ加工、フォト・エッチング加工、ウェット・エッチング加工、機械加工などの一以上の加工によってそこに所要の凹凸等を形成することにより、それらの凹凸等を、簡単かつ容易に、しかも、十分高い精度で形成することができる。従って、その薄膜体をモールド本体の成形面側の表面に接合させてそれをモールドの成形表面とすることで、モールド成形面の、微細にして規則的な凹凸パターン等の形成精度を所期した通りに高めることができる。
【0008】
ところで、このような樹脂成形用モールドは、上下もしくは左右等に分割される分割型とすることもできるが、樹脂成形品が上述したロールのように、全体としてほぼ円柱状をなすものである場合には、その樹脂成形用モールドを、モールド本体の成形面側の表面にて囲繞される空間が円柱形状となる、いわゆる筒形モールドとして、モールドからパーティングラインを取り除くことが、成形品の品質を高める上で好ましい。なお筒形モールドの断面外輪郭形状は、円形、多角形等の適宜の形状とすることができる。
【0009】
ここで、薄膜体に形成した凹凸および孔の輪郭形状は、たとえば、円形、楕円形、長円形等の他、三角形、四角形、六角形、その他の幾何学的図形形状もしくはそれに近似する形状とし、また、それらの凹凸および孔のそれぞれを、各中心が、たとえば正方形、長方形、正三角形、二等辺三角形等の多角形の頂点に位置する規則的な配置とすることが好ましい。
【0010】
これによれば、ロール表面に、それらの輪郭形状を正確に反転させた、形状精度および寸法精度にすぐれた凹凸等を簡易に付与することができる。
また、それらの凹凸等を、中心が多角形の頂点に位置する規則的な配置としたときは、ロール表面の性状を、その表面の全体にわたって十分均質なものとすることができる。従って、製造したロールを、たとえば現像ロールとして用いて鮮明にして均質な画像を得ることができる。
【0011】
この一方で、凹凸中心が多角形の頂点に重ならない場合等には、凹凸がイレギュラな配置となってトナーが偏在化すること等により、画質が低下するおそれがある。
【0012】
またここでは、このようなモールドにおいて、凹凸および孔の、円相当径の平均値を50〜500μmとするとともに、相互に隣接する凹凸および孔のそれぞれの中心間の平均距離を50〜600μmとする。
ここで円相当径とは、一の凹部、凸部および孔部の面積と等しい面積を有する円の直径をいい、また、中心間の平均距離とは、隣り合う凹部、凸部および孔部の相互間の中心間距離の平均値をいう。
【0013】
たとえば樹脂成形品を、画像形成装置のトナー供給ロールとする場合には、円相当径の平均値を50〜500μmとすることにより、適正な量のトナーを、現像ロールに均一に供給することができる。すなわち、平均値が50μm未満では、凹部等の目づまりや、トナー供給不足による画像不良を惹起するおそれがあり、一方、500μmを越えると、トナーの、現像ロールへの供給量が不均一になって、これも画像不良を生じるおそれがある。
【0014】
そしてこれらのことは、凹部、凸部等の中心間の平均距離に関してもほぼ同様であり、その平均距離が50μm未満では、目づまりや、トナーの供給不足による画像不良が、そして、600μmを越えると、トナーの、現像ロールへの供給が不均一になることによる画像不良が生じるおそれがある。
【0015】
この一方で、樹脂成形品を現像ロールとする場合には、円相当径の平均値および、中心間の平均距離のそれぞれをともに、5〜100μmとすることが好ましく、10〜50μmとすることがより好ましい。これによれば、より鮮明にして緻密な画像を得ることができる。
【0016】
以上のような樹脂成形用モールドの製造に当っては、薄膜体への微細な凹凸および孔の少なくとも一種類の規則的な形成を、たとえば平坦姿勢としたその薄膜体に対するエッチング加工、機械加工、レーザ加工、電子加工および電鋳法の一以上の方法よって行い、しかる後、薄膜体を、モールド本体の成形面側の表面に接合させる。
【0017】
これによれば、薄膜体に直接的に凹凸パターン等を形成することにより、モールドの成形表面への所要の凹凸パターン等の形成を、極めて容易に行うことができ、また、その凹凸パターン等の形成精度を十分に高めることができる。
またここで、薄膜体への凹凸パターン等の形成に際して、上述した特定の加工方法を選択することにより、凹凸パターン等の形状および寸法精度を十分に高めることができ、トナーのより均一な塗布、画像品質の一層の向上等を実現することができる。
【0018】
そして,このような樹脂成形用モールドの使用方法、いいかえれば、それを用いた樹脂成形品の製造方法は、樹脂成形用モールドで囲繞される成形空間の中央部に芯金を配置し、次いで、その成形空間へ液状樹脂材料を注入するとともに硬化させて、芯金と一体化した樹脂成形品を成形するにある。
【0019】
これによれば、薄膜体に高精度に形成した凹凸パターン等が、樹脂成形品の外面に正確に転写されるので、芯金と一体をなすその成形品を、OA機器用のロールとして適用してすぐれた性能を発揮させることができる。
ここで、液状樹脂を、ウレタンフォームの原料としたときは、樹脂成形品を、トナー供給ロールとして好適に用いることができる。
【0020】
またここで、樹脂成形用モールドの成形表面に予めの表面処理、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂コート、スキンレス離型剤コート等の被膜形成、または、プラズマ処理等の表面加工を施して、成形表面のぬれ性を低下させた場合には、たとえば発泡成形体等の表面への、高密度のスキン層の形成を防止して、樹脂成形品それ自体に、表面研磨等の必要なしに、所期した機能を十分に発揮させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る樹脂成形用モールドの実施形態を示す図であり、図中1は筒形モールドを示す。
この筒形モールドは、モールド本体2と、それの成形面側の、横断面形状が円形をなす表面に接合させた薄膜体3とを具えてなる。
【0022】
ここで、横断面外輪郭形状を、円形の他、多角形形状等とすることができるモールド本体2は、ニッケル、アルミニウム等の金属材料または、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料その他をもって構成することができ、それの肉厚は、0.5〜5mmの範囲、なかでも1〜3mmの範囲とすることが好ましい。
【0023】
また薄膜体3は、ニッケル、アルミニウム等の金属材料の他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂材料により構成することができ、このような薄膜体3の厚みは1〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0024】
モールド本体2の円形内表面に接合されるかかる薄膜体3は、図1(b)に展開図で例示するように、筒形モールド1の軸線方向長さとほぼ等しい一辺Aと、所要のモールド成形面の周長、いいかえれば、モールド本体の内表面周長とほぼ等しい一辺Bとを有しており、このような薄膜体3への、微細な凹凸および孔の少なくとも一種類、図では円形形状をなす複数の凹部4の規則的な形成を、たとえば、エッチング加工、機械加工、レーザ加工、電子ビーム加工および電鋳法の一以上をもって行う。
【0025】
なおここで、エッチング加工、機械加工、レーザ加工、電子ビーム加工等は、薄膜体それ自体に対して直接的に施すことができる。一方、電鋳法は、剥離皮膜を表面につけた母型に、金属塩からの析出金属を電着させた後、その析出金属を母型から剥離させて母型の表面の凹凸とは反対の凹凸を有する薄膜体を得ること、または、これに加えて、その膜体上に剥離皮膜をつけた後、その上に金属を電着させて母型と同じ凹凸のある薄膜体を作ることによって行うことができる。
【0026】
そしてこの電鋳法の母型としては、永久型及び消耗型のいずれの母型も用いることができる。永久型としては、ステンレス鋼、鋼、銅あるいは黄銅にニッケル又はクロムのフラッシュメッキを施した電気メッキ金属、銅や黄銅、ニッケル、エポキシ樹脂やビニル樹脂等の合成樹脂からなるものを用いることができ、消耗型としては、ビスマス、鉛、スズ及びカドミウム等の低融点金属、合成樹脂、アルミニウム合金等の溶融金属、ワックス、石膏や木材からなるものを用いることができる。
【0027】
ところで、図では、薄膜体3に円形凹部4だけを形成する場合を示すが、一の薄膜体に、凹部、凸部および孔部の二種類以上を混在させることもでき、また、凹凸部および孔部の輪郭形状は、円形の他、楕円形、長円形、各種多角形形状等の幾何学的図形形状もしくはそれに近時した形状から適宜に選択することができる。
【0028】
加えてここでは、このようにして形成される凹凸部および孔部のそれぞれを、各中心が、たとえば正方形、長方形、正三角形、二等辺三角形等の多角形の頂点に位置する規則的配置とすることが好ましい。
【0029】
これがため、図1(b)に示す円形凹部4を、凹部中心が正三角形の頂点に位置するように、また図2(a)に示すところでは長円形凹部5を、凹部中心が二等辺三角形の頂点に位置するように、そして、図2(b),(c)のそれぞれでは、正方形凹部6の中心が、それぞれ正三角形および正方形の頂点に位置するように配置している。なおこれらの図に示すところにおいて、それぞれの凹部4,5,6を凸部または孔部とすること、または凹凸部および孔部の二種以上が混じったものとすることも可能である。
【0030】
そしてまたここでは、凹凸部および孔部の、円相当径の平均値は50〜500μmとし、隣接する凹凸部および孔部の相互の中心間の平均距離を50〜600μmとする。
その理由は先に述べた通りである。
【0031】
そこで、トナー供給ロールを例にとって示す図1(b)では、円形凹部4の直径を50〜500μmとし、隣接凹部の間隔aを1〜100μmとしている。また図2(a)に示す長円形凹部5では、長径を66〜663μm、短径を33〜332μmとするとともに、間隔aを1〜100μmとし、図2(b),(c)に示す正方形凹部6では、一辺を44〜443μmとするとともに、間隔aを1〜100μmとしている。
ここで、これらのいずれにあっても、凹部4,5,6の深さは5〜500μmとすることが好ましく、なかでも10〜300μmとすることがより好適である。
【0032】
以上のような凹部は、たとえば平坦姿勢とした薄膜体に対するエッチング加工、機械加工等により、または、前述したような電鋳法による薄膜体の作成により、簡単かつ容易にしかも高い精度で形成することができる。従って、微細な凹部4,5,6の複数個を上述したように規則的に形成した薄膜体3を、モールド本体2の成形面側の表面2aに、たとえば接着剤をもって接合させて、その凹部形成面をもって筒形モールド1の成形表面7を形成することで、その成形表面7の形成精度を所期した通りの高精度とすることができる。
【0033】
このように構成してなる樹脂成形用モールド、図では筒形モールド1の使用、ひいては、それを用いた樹脂成形品の成形に当っては、成形表面7にて囲繞される成形空間の中央部に、多くは、図示しない端部成形型との協働下で芯金を位置決め配置し、次いで、その成形空間内へ液状樹脂材料を注入して、端部成形型の閉止状態でその液状樹脂材料を硬化させて、芯金と一体化した成形品とする。
これによれば、外周面に、モールド成形表面7の凹部4,5,6と正確に対応する凸部が形成された樹脂成形ロールが製造されることになり、そのロールはOA機器用のロールとして直ちに適用することができる。
【0034】
なおここで、液状樹脂材料として、ウレタンエラストマもしくはウレターンフォームの原料を注入した場合には、成形品ロールを、トナー供給ロール、転写ロール、現像ロール等として好適に用いることができ、なかでも、その成形品ロールが発泡体ロールである場合には、モールドの成形表面7に、液状樹脂材料の注入に先だつ予めの表面処理を施して、そこに、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂コート、スキンレス離型剤のコート等の被膜形成または、プラズマ処理等の表面加工を行い、これによって成形表面7のぬれ性を低下させることが好ましく、これによれば、発泡体ロールの表面へのスキン層の形成を有効に防止することができる。
【0035】
ところで、ウレタンフォームロールは、たとえば、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、整泡剤、および必要であればその他の配合剤、添加剤などを攪拌混合した後、それを上記のような筒形モールド1に注入して発泡成形することにより得られる。
この場合、ポリオールとしてはエチレンオキサイドを2〜25%付加させた末端1級OH%が50〜100%である分子量2000〜10000の2〜4官能ポリオールが好ましく用いられるが、このようなポリオールと他の種類のポリオールをブレンドして用いることも可能である。
【0036】
図3,4は、これもトナー供給ロールのための薄膜体への凹部の他の形成例を示す展開図であり、図3(a),(b)はそれぞれ、短辺が31〜313μm、長辺が63〜626μmの複数の長方形凹部を、それらの中心がそれぞれ、長方形および二等辺三角形の頂点に位置するように配置して、隣接凹部8の間隔aを1〜100μm、凹部深さを5〜500μmとしたものである。
そして図3(c)に示す例は、円形凹部4の中心が正方形の頂点に位置するように配置したものであり、凹部4の寸法、間隔等は図1に示すところと同様としたものである。
【0037】
また、図4(a),(b)はそれぞれ、短径が35〜71μm、長径が71〜707μmの楕円形凹部9の複数個を、それらの中心がそれぞれ、長方形および二等辺三角形の頂点に位置するよう配置するとともに、凹部相互の間隔aを1〜100μm、凹部深さを5500μmとしたものである。
図4(c)は、上述したと同様の楕円形凹部9を、相互に極く近接させて、それらの中心が二等辺三角形の頂点に位置するように配置したものである。
【0038】
ところで、図3および4に示すところにおいて、それぞれの凹部4、8、9を凸部もしくは孔部とすることもでき、また、それらの二種類以上を混在させることもできる。
【0039】
これらの薄膜体3もまた、前述したと同様にしてモールド本体の成形面側の表面に接合させることにより、所要の成形表面を有するモールドを構成することができ、そのモールドは樹脂成形品の表面に、所定の凹凸を正確に転写することができる。
【0040】
【実施例】
実施例1
微細な孔を形成した薄膜体を、筒形のモールド本体の内表面に貼り付けて筒形モールドを構成し、それによって製造したトナー供給ロールを、電子写真装置に組み込んで、得られた画像を評価した。その詳細は以下の通りである。
【0041】
200μm厚さの金属薄膜体に、直径が250μmの円形の孔を、50μmの間隔で形成するとともに、孔の中心が正三角形の頂点に位置する孔配置とした。この金属薄膜体を、内径が16.2mmの金属パイプの内表面に接着剤で貼り付けて筒形モールドを構成し、そのモールドの中央部に芯金をセットした状態で、そこへウレタンフォーム原料を注入して発泡成形させて、外周面に微細凸部が規則的に整列したトナー供給ロールを製造した。
得られたロールの表面は、モールド内面の規則的な凹凸形状を反転させた凹凸形状を有しており、ウレタンフォームのセル径は均一で、その配列は規則的であった。
【0042】
このトナー供給ロールを画像形成装置に組み込んで、灰色、白色および黒色の画像を印刷したところ良好な画像が得られた。
さらに、A−4サイズの青色べた焼き画像をマクベス濃度計で測定したところ、九個所の濃度の平均値は1.087であり、濃度の最大値と最小値の差は0.024であって、画像濃度のばらつきを小さく抑えることができた。
【0043】
実施例2
微細な凹凸加工を施したエッチング加工板を用い、電鋳法によって、エッチング加工板と同一の凹凸を形成した金属薄膜体を作成した後、実施例1の場合と同様にして、ウレタンフォームトナー供給ロールを作成して画像を評価した。以下にその内容を詳述する。
【0044】
筒形モールドの内表面寸法に合わせた長方形の金属板を用い、その表面にエッチング加工によって微細な凹部を形成した。この場合の凹部は、直径が250μmの円形凹部とし、隣接する凹部の間隔を20μmとするとともに、凹部中心が正三角形の頂点に位置する配置とした。
【0045】
このエッチング加工板を母型とし、シリコーン樹脂により、微細凹部を転写した元型を作成し、この元型をもとに電鋳法によって厚さが200μmの薄膜体を作成し、それを金属パイプの内表面に接着剤で貼り付けて筒形モールドを構成した。
【0046】
その筒形モールドを用い、実施例1の場合と同様にしてウレタンフォームトナー供給ロールを製造した。
この場合もまた、得られたロールの表面は、モールド内面の規則的な凹凸形状を反転させた凹凸形状を有しており、ウレタンフォームのセル径は均一で、その配列は規則的であった。
このトナー供給ロールを画像形成装置に組み込み、灰色、白色および黒色の画像を印刷したところ良好な画像が得られた。
【0047】
また、A−4サイズの青色べた焼き画像をマクベス濃度計で測定したところ、九個所の濃度の平均値は1.028であり、濃度の最大値と最小値の差は0.027であって、濃度のばらつきは小さかった。
【0048】
比較例
内表面に微細凹凸加工を施していない平滑な成形表面を有する筒形のモールドを用いた以外は、実施例1と同様の方法でウレタンフォームロールを作製した。作製したロールはロール表面のセル形状が不均一で、セルの配列も不規則な外観であり、ロール表面のセル径は280μmであった。
このロールを電子写真装置のトナー供給ロールとして使用し、黒、グレー、白の画像を印刷したところ、画像の濃度のむらが多かった。
【0049】
また、A−4サイズの青色べた焼き画像をマクベス濃度計で測定したところ、九箇所の濃度の平均値は1.008であり、濃度の最大値と最小値の差は0.065であって、濃度のばらつきが大きかった。
【0050】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、モールドの成形表面に、微細にして規則的な繰返しパターンを、所要の高精度で簡易に形成することができ、結果として、すぐれた性能を発揮し得るロールを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す筒形モールドの断面斜視図および薄膜体の展開図である。
【図2】 凸部の形成態様の他の例を示す薄膜体展開図である。
【図3】 凸部他の形成態様を示す薄膜体展開図である。
【図4】 さらに他の凸部の形成態様を示す薄膜体展開図である。
【符号の説明】
1 筒形モルード
2 モールド本体
2a 表面
3 薄膜体
4,5,6,8,9 凹部
7 成形表面
a 間隔

Claims (7)

  1. 成形品の表面に転写される、微細な凹凸および孔の少なくとも一種類を規則的に複数形成した薄膜体を、モールド本体の成形面側の表面に接合させてなる樹脂成形用モールドであって、
    その樹脂成形用モールドを、ウレタンフォームからなるトナー供給ロール用のモールドとし、かつ、前記凹凸および孔の、円相当径の平均値を50〜500μmとするとともに、相互に隣接する凹凸および孔のそれぞれの中心間の平均距離を50〜600μmとしてなることを特徴とする樹脂成形用モールド。
  2. モールド本体の成形面側の表面にて囲繞される空間を円柱形状としてなる請求項1に記載の樹脂成形用モールド。
  3. 薄膜体に形成した凹凸および孔の輪郭形状を幾何学的図形形状もしくはそれに近似した形状とするとともに、それらの凹凸および孔のそれぞれを、各中心が多角形の頂点に位置する配置としてなる請求項1もしくは2に記載の樹脂成形用モールド。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂成形用モールドを製造するに当り、
    薄膜体への微細な凹凸および孔の少なくとも一種類の規則的な形成を、エッチング加工、機械加工、レーザ加工、電子ビーム加工および電鋳法から選ばれる一以上の方法により行う樹脂成形用モールドの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂成形用モールドで囲繞される成形空間の中央部に芯金を配置し、次いで、その成形空間内へ液状樹脂材料を注入するとともに硬化させて、芯金と一体化した樹脂成形品を成形する、樹脂成形用モールドの使用方法。
  6. 液状樹脂材料をウレタンフォームの原料とする請求項に記載の樹脂成形用モールドの使用方法。
  7. 樹脂成形用モールドの成形表面に表面処理を施して、その成形表面のぬれ性を低下させる請求項もしくはに記載の樹脂成形用モールドの使用方法。
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