JP4198484B2 - 復調器および方法、受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は復調器および方法、受信装置に関し、半導体電子回路に用いられる変調波、例えばFSK、ASK、OOK、MSK、GMSKなどの無線方式全般に適応可能である。
【0002】
【従来の技術】
ダイレクトコンバージョン方式の受信装置の機能を数式で表現すると以下のようになる。
fBBRX=fLORX−fRF (1)
fRF=fLOTX±fBBTX (2)
ゆえに
Figure 0004198484
fBBRX 受信ベースバンド信号スペクトル
fLORX 受信LO周波数
fRF 受信周波数
fLOTX 送信LO周波数
fBBTX 送信ベースバンド信号スペクトル
ΔfLO 送受LO周波数ずれ
【0003】
以上の式からダイレクトコンバージョン方式の受信装置は、送信側の送信周波数と受信側のLO周波数が合わないとベースバンドに変換される信号は所望の周波数からオフセットを持った周波数となることがわかる。
【0004】
ダイレクトコンバージョン方式のトランシーバのアプリケーションが
ΔfLO<<fBBTX (4)
とみなせる場合はfBBTXとfBBRXがほぼ等しいとみなせるため、受信復調器の受信特性に大きな影響を与えない。
【0005】
しかしながら、式(4)のようにみなせない場合、具体的にΔfLOがfBBTXに近い大きさになった場合はfBBTXとfBBRXは明らかに異なるため、受信特性に大きな影響を与える。現象を説明すると、fBBRXの周波数がデータレート周期に近接することで受信できる変調指数を超えるために受信特性が悪化する。なお変調指数Mの定義は下式の通りである。
M=2*Δf/(Data_Rate) (5)
【0006】
この問題を解決するために、例えば特許文献1、特許文献2は、RF信号を中間周波数帯に変換してからAD変換を行い、中間周波数帯以降を全てデジタルで処理し、周波数補正も併せて行っている。一方、特許文献3、特許文献4はベースバンド信号に変換してからAD変換を行い、ベースバンド以降をデジタルで処理し、周波数補正もベースバンド処理部で行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−286826号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−286910号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2000−49763号公報
【0010】
【特許文献4】
特開2000−174677号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方式はいずれも、ダウンコンバート以降にAD変換してデジタルで処理を行っているため、少なくともデジタルフィルタやAPC(Automatic Power Control)を必要とする。ベースバンド帯を扱う場合、フィルタの周波数特性は非常に急峻な特性が求められるため、回路規模は大きくなる傾向にある。APCをデジタルで構成する場合、さらに演算部が必要になるので回路規模はアナログ構成と比べて大きくなる傾向にある。加えてデジタル回路規模が大きくなるとデジタルのノイズパワーが大きくなるので、アナログ特性に及ぼす影響が大きくなる。このようにAD変換器を内蔵しデジタル処理を行うことで、回路規模の増大及びデジタルノイズの増大を招いている。
【0012】
本発明の目的は、デジタル回路の規模を大きくすることなく、受信周波数の周波数補正を行うことができ、受信特性を向上させた復調器および方法、受信装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明では、周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号が変換手段によりベースバンドに変換されたベースバンド信号を復調する復調器であって、前記ベースバンド信号を復調する復調手段と、前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出手段と、前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正手段とを備え、前記周波数ずれ検出手段は、前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタと、前記平均値を量子化する量子化手段と、前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定し、且つ、該スライスレベルを重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成する手段とからなり、前記デジタルフィルタは、直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とする形態の復調器を実施した。
【0014】
また上記の目的を達成するために本発明では、周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号が変換手段によりベースバンドに変換されたベースバンド信号を復調する復調器であって、前記ベースバンド信号を復調する復調手段と、前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出手段と、前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正手段とを備え、前記周波数ずれ検出手段は、前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタと、前記平均値を量子化する量子化手段と、前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定する手段と、前記ベースバンド信号のI/Q信号の周期を測定する手段と、その測定値を重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成する手段とからなり、前記デジタルフィルタは、直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とする形態の復調器を実施した
【0017】
また上記の目的を達成するために本発明では、上記のいずれかの形態における受信信号を同変換手段によりベースバンドに変換して復調する受信装置であって、該変換手段により得られたベースバンド信号を所定の低域通過特性によってフィルタするフィルタ手段と、該フィルタ手段により得られた信号を2値化して上記のいずれかの形態における復調器に供給する手段とを備えた形態を実施した。
【0018】
上記の目的を達成するために本発明ではさらに、周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号を変換手段によりベースバンドに変換し、ベースバンド信号を復調する復調方法であって、前記ベースバンド信号を復調する復調ステップと、前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出ステップと、前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正ステップとを含み、前記周波数ずれ検出ステップは、前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタリングステップと、前記平均値を量子化する量子化ステップと、前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定し、且つ、該スライスレベルを重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成するステップとを含み、前記デジタルフィルタリングステップは、直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有するデジタルフィルタを用い、前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とする形態の復調方法を実施した。
【0019】
また上記の目的を達成するために本発明では、周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号を変換手段によりベースバンドに変換し、ベースバンド信号を復調する復調方法であって、前記ベースバンド信号を復調する復調ステップと、前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出ステップと、前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正ステップとを含み、前記周波数ずれ検出ステップは、デジタルフィルタを用いて前記復調信号の偏移の平均値を求め、該平均値に従って量子化時のスライスレベルを決定し、該スライスレベルで前記平均値を量子化するステップと、前記ベースバンド信号のI/Q信号の周期を測定し、その測定値を重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成するステップとを含み、前記デジタルフィルタは、直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とする形態の復調方法を実施した
【0022】
【発明の実施形態】
本発明の受信回路はダイレクトコンバージョン方式のダウンコンバージョンミキサ12、ベースバンドフィルタ13、リミッタ回路14、復調器15、復調器15内の周波数ずれ検出回路、および局部発振信号を生成するPLLシンセサイザ17を含んで構成されている(実施形態1の図1)。周波数ずれ検出回路は、デジタルフィルタ22と量子化器24と量子化器24のスライスレベルを決定する回路24を含んでいる(実施形態1の図2参照)。
【0023】
通常復調回路はリミッタ回路の出力を受けて復調を行うが、送信周波数と受信周波数に差があると、S/Nが良好な環境下でも復調誤りが発生してしまう。これは復調回路のデータ検出法の問題である。一般にI/Qの直交復調データの変化点で互いのデータをサンプルし、サンプルしたデータがすべて変化しない限り復調結果はトグルしない構成になっている(図3の復調器構成例を参照)。図3において、34は4入力NOR、35は3入力NORである。
【0024】
そのため周波数差が大きい状況下ではサンプルしたデータの変化をとりきれないことが原因となって、データの取りこぼしが発生してしまう。このデータの取りこぼしは先に説明したように、復調器が復調できる限界変調指数を超えてしまうことで発生している。このデータの取りこぼしがS/Nが良好な環境下でも復調誤りを起こす主な要因である。
【0025】
前述のデータの取りこぼしを改善するために、本発明ではサンプルしたデータが1つでも変化したらパルスを発生させる方式を採用した(図4参照)。図4において、40はDフリップフロップ、41は排他的論理和回路、42はセレクタである。
【0026】
この構成を採ることで受信信号の変化点が増えるため、等価的に式(5)のΔfが大きくなるので変調指数Mが大きくなるため復調できる限界変調指数を上げることができる。さらにIQのゼロクロスしている位相面を検出し、その信号がどの程度正方向に偏っているか、または負方向に偏っているかを計算することで復調信号を生成する構成にした。
【0027】
以上の構成を採ることで周波数ずれを検出することが可能になる。すなわち、位相面の偏りは積分すると周波数情報としても使用できるので、これを周波数補正信号とすることで、データの取りこぼしがなく、周波数ずれにも強い構成とすることができる。具体的に説明すると、周波数ずれがない場合は、位相面信号は正負いずれの方向にも偏りのない信号となるが、周波数ずれがある場合は、周波数ずれの方向に応じて正または負方向に偏る信号となる。具体的な回路で説明すると、図2の構成において、フィルタ出力の動作点のずれとして周波数ずれが現れる。その動作点を検出するためにスライスレベル検出器23(図5参照)がある。
【0028】
受信信号のパワーが弱くなり受信S/Nが低下してくると、復調器はノイズにより誤った信号を発生してしまう。復調器は周波数ずれだけではなくS/Nの低下によってもビットエラーレート特性が悪化するので、本発明ではデータ誤りを改善するために復調データを平滑化して出力を決定する方法を採用した。しかし、ただ単に積分して平均化するだけだと過去の誤ったデータの影響を受けてしまい、S/Nが悪い環境下では期待するほど効果が上がらない場合がある。本発明では過去の誤ったデータの影響を受けない工夫を平均化回路(スライスレベル検出器23)に施し、S/Nが悪い環境下でも良好な特性を得られるようにした。
【0029】
図6において説明したように、S/Nの良し悪しに依らず、過渡的なばたつきを打ち消す構成を採り、耐ノイズ性を持たせた。
【0030】
本発明では復調信号の立ち上がりで正パルス、立下りで負パルスと定義しており、それらのパルスの総和で最終的な復調結果を判定している。この方式を一般化して説明する。復調信号がゼロクロスでn回ばたついた後、最終値に到達した場合を考察する。
【0031】
1)信号の初期値:0、信号の最終値:1の場合
0〜1の変化 (n−1)/2+1回 :正パルス
1〜0の変化 (n−1)/2 回 :負パルス
加算結果:((n−1)/2 +1)−(n−1)/2=1
2)信号の初期値:1、信号の最終値:0の場合
0〜1の変化 (n−1)/2 回 :正パルス
1〜0の変化 (n−1)/2+1回 :負パルス
加算結果:((n−1)/2)−((n−1)/2 +1)=−13)初期値と最終値が同じである場合は0〜1、1〜0の変化の回数は同じになるので、加算結果はゼロとなる。
【0032】
以上説明したように、ゼロクロスのばたつきは加算結果に影響しない。
【0033】
さらに本発明では復調信号の移動平均をとることでデータを平滑化している。具体的に、移動平均長がmビットの場合、期待される結果は以下のようになる。
mビットall"1"の場合 加算結果=n
mビットall"0"の場合 加算結果=0
"1"の発生確率がαの場合 加算結果=m*α
この特性を利用して"1"の発生確率が1/2以上である場合は"1"が確からしいとして"1"を復調結果とし、"1"の発生確立が1/2未満の場合は"0"が確からしいとして"0"を復調結果として採用する。
【0034】
以上の特性を本発明の復調器と組み合わせることで、ノイズ環境下でも良好な復調特性を達成できた。さらに、先に述べたように本発明は、周波数ずれがある場合は周波数ずれの方向に応じて正または負方向に偏る信号を生成する。この信号の偏りを利用することで周波数補正が可能になる。すなわち信号の偏りを打ち消す方向に帰還をかけることによって周波数ずれをゼロに近づけることができる。この偏りの大きさは前述した正負パルスの積分結果から得ているため、回路構成よりも、データレート、周波数偏移といった無線規格に依存している。具体的にデータレートが1.2kbps、周波数偏移が2.4kHzの場合を例にとって、パルスの偏りと周波数の偏りの関係を説明する。周波数ずれがない場合、1シンボル区間(1/1.2k)IQ信号は2周期存在する。この場合、以下のようになる。
正パルス 8個
負パルス 8個
(I、Qから発生するパルスの和)
【0035】
周波数ずれがないので正負パルスの数が一致する。この8パルスは周波数偏移と等価であることに着目すると、2400Hz/8パルス=300Hz/パルスとなり、1パルスあたり300Hz周波数解像度を持つことが分かる。すなわち、周波数補正を行った結果は−300〜+300Hzの誤差を持ってしまう。
【0036】
しかしながら本発明では、さらにI/Q周期測定回路を備えることで、周波数解像度を上げている。本回路は、I・Qリミッタ出力は周波数情報と位相情報の両方を併せ持つことに着目して設けられたもので、IまたはQの周期を検出し、期待値との差を求め、その差を周波数補正分に変換する機能を有する。この回路を併せ持つことで、周波数ずれを理論上ゼロにすることができる。
【0037】
以上説明した補助回路の構成を実施形態3の図11に示す。図11の制御回路116は、全体を制御する信号を発生する。レジスタ及び積分器117は、入力信号I_Qの周期を測定し、その測定結果を積算する。判定回路118は、積分結果から周波数ずれの大きさを判定する。レジスタ119は、判定された結果を格納する。以上説明したように復調前のI/Q信号周期を直接測定するので、式(3)のΔfLOを正確に求めることができる。
【0038】
以上、周波数補正の具体的な構成について述べた。周波数補正信号の制御先はシステム構成によって様々に選択できる。本発明ではTCXOとフラクショナルNシンセサイザを選択しており、詳細については以下の発明の実施形態に記載の通りである。
【0039】
本発明によって、デジタル回路を大きくすることなく信号S/Nが悪い環境下においても復調が可能になり、さらに送受信の周波数のずれに対しても非常に耐性のある受信装置を構成することができる。
【0040】
以下、本発明に係る受信装置の実施形態について詳細に説明すると、本発明に係る受信装置は、ダイレクトコンバージョン方式のダウンコンバージョンミキサ12、PLLシンセサイザー17、ベースバンドフィルタ13、リミッタ14、復調器15、そして復調器15内のデジタルフィルタ22すべてを1チップに内蔵して実施したものである。
【0041】
(実施形態1)
本発明の構成は図1に示すように、受信信号はLNA(Low Noise Amplifier)11で増幅され、その増幅された信号は、ダイレクトコンバージョンミキサー12でベースバンド周波数にダウンコンバートされる。ベースバンド周波数にダウンコンバートされた受信信号はフィルタ13で高域を除去され、リミッタ14で2値化され、その2値化信号が復調器15に入力される。
【0042】
本発明の復調器15の構成は図2に示す通りである。最初に復調部21に入りIQ信号から1/0判定を行う。しかしながら、この復調出力はS/Nや送受信の周波数ずれのためノイズを含んでいる。そのため次段のデジタルフィルタ22で帯域を制限することでノイズを低減し、さらにデジタルフィルタ22の動作点をスライスレベル検出器23で求めることで、周波数ずれがあっても最適な量子化が可能になっただけなく、スライスレベル自体が周波数ずれの情報を具備しているため、周波数補正も可能になった。
【0043】
この点は前述した通り、復調部21から出力されるパルスの積分結果から求めることができる。本発明では、当該信号に重み付けの係数をかけ合わせ、その結果をDA変換してTCXO16へ帰還してやることで周波数補正機能を実現した。本発明の機能を一般式で表すと以下のようになる。(3)式より
Figure 0004198484
ゆえに
fBBRX=(fLORX´−fLOTX)±(fBBTX+fAFC)(7)
fLORX´=(fTCXO/N)*M
fAFC =(Δ/N)*M
Δ:TCXOの周波数補正量
【0044】
式(7)に示したように周波数補正機能を実現できる。なお、デジタルフィルタ22の構成は、図7の各段の遅延素子73のフィルタゲインが1である移動平均フィルタとした。移動平均のサンプリング速度は最適化を行った結果、データレートの80倍サンプリングを選択した。移動平均のサンプリング速度が高いほどフィルタ効果が高くなる傾向があるが、あるところから効果が飽和してしまう。本発明では前述のフィルタの効果が飽和しない最適なサンプリング速度を選択している。
【0045】
さらに、スライスレベル検出器23を図5に、量子化器24の構成を図8に示す。
【0046】
図5において、サーチ回路50で入力データをサーチして最大値(Maxレベル51)と最小値(Minレベル52)を検出し、これらから加算器53およびアンプ54によって相化平均を求める。
【0047】
図8において、減算器80によって、デジタルフィルタ22の出力とスライスレベル検出器23の出力の差を求め、計算結果の符号ビットを量子化器24の出力とする。
【0048】
本発明では、TCXO16の中心周波数は14.4MHzで±10ppmの補正が可能なものを採用した。TCXO16に補正をかけるDA変換器は8ビットを採用している。その結果、TCXO16の周波数調整は0.5625Hzピッチで調整可能になるが、本発明では必要十分な周波数分解能である。
【0049】
一般に周波数補正は常に動作しており、PLLシンセサイザ17の過渡現象を小さくするためにTCX16Oへのループフィルタの時定数を大きくしている。しかしながら、TCXO16へ周波数補正をかけるとPLLシンセサイザループにも小さいながらも過渡現象が現れ、VCO19の再引き込みが起こる。再引き込みに時間がかかると通信時間が長くなるため、低消費電力化が難しい。
【0050】
本発明では通常の周波数補正と低消費電力化のため、再引き込みを極力少なくするモードを併せ持つ。具体的には、プリアンブル期間に周波数ずれ量を検出し、周波数補正をかけ、プリアンブル終了前に周波数補正を完了し、周波数補正回路を停止させるという機能である。この機能は特に、連続通信ではなく、パケット通信時に有効な機能となる。
【0051】
(実施形態2)
本発明の構成を図9に示す。TCXO16への帰還、PLLシンセサイザの構成以外は実施形態1と同じである。
【0052】
周波数補正は実施形態1とは異なり、TCXO16に帰還をかけることなく行っている。実施形態2ではPLLシンセサイザをフラクショナルNシンセサイザ97で構成し、その分周比を変えることで周波数補正を行っている。周波数補正機能を一般式で表すと以下のようになる。
Figure 0004198484
【0053】
式(8)のように分周を分数分周することにより、チャネル周波数よりも小さな周波数間隔で周波数を調整することが可能になるため、周波数補正することができる。
【0054】
本発明では1チャネル幅を12.5kHzとしてフラクション数を256とした。これで周波数分解能は〜50Hzを実現した。周波数補正信号の大きさによって1チャネル内で(0/256)〜(255/256)のフラクションチャネルに割り当てられる。具体例を示すと、周波数補正信号を64とすると、シンセサイザ97の設定が既存設定値+64/256チャネルとなるためVCO19の周波数は、
12.5KHz*64/256=3.125KHz
だけずれることになる。この機能で周波数補正を可能とすることができる。
【0055】
実施形態1と同様に、本発明では通常の周波数補正と低消費化のため、再引き込みを極力少なくするモードを併せ持つ。具体的には、プリアンブル期間に周波数ずれ量を検出し、周波数補正をかけ、プリアンブル終了前に周波数補正は完了し、周波数補正回路は停止するという機能である。この機能は特に連続通信ではなく、パケット通信時に有効な機能となる。
【0056】
(実施形態3)
実施形態1の変形として、図2の復調器15にI/Q周期測定回路100を追加し、その測定結果に重み付けすることで周波数解像度を上げている例を図10に示す。I/Q周期測定回路100は図11に示す通りである。図11の回路100は、I・Qリミッタ出力が周波数情報と位相情報の両方を併せ持つことに着目して設けられたもので、IまたはQの周期を検出し、期待値との差を求め、その差を周波数補正分に変換する機能を有する。この回路100を併せ持つことで、周波数ずれを理論上ゼロにすることができる。
【0057】
レジスタ及び積分器117は、入力信号I_Qの周期を測定し、その測定結果を積算する。判定回路118は、積分結果から周波数ずれの大きさを判定する。レジスタ119は、判定された結果を格納する。以上説明したように復調前のI/Q信号周期を直接測定するので、送受信LO周波数ずれΔfLO(式(3))を正確に求めることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によって、回路規模を大きくすることなく、信号のS/Nが悪い環境下においても復調が可能になり、さらに送受信の周波数のずれに対しても非常に耐性のある復調器および受信装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信装置の実施形態1のブロック構成図である。
【図2】図1の受信装置の要部である復調器のブロック構成図である。
【図3】図1に示した復調器内の復調部の構成例の回路図である。
【図4】図1に示した復調器内の復調部の別の構成例の回路図である。
【図5】図1に示した復調器内のスライスレベル検出器の構成図である。
【図6】図5に示したスライスレベル検出器の動作の特長を説明する説明図である。
【図7】図1に示した復調器内のデジタルフィルタの構成図である。
【図8】図1に示した復調器内の量子化器24の構成図である。
【図9】本発明に係る受信装置の実施形態2のブロック構成図である。
【図10】本発明に係る受信装置の実施形態3の要部のブロック構成図である。
【図11】図10に示した復調器の要部のブロック構成図である。
【符号の説明】
11 ローノイズアンプ
12 ダウンコンバージョンミキサ
13 ベースバンドフィルタ
14 リミッタ回路
15 復調器
21 復調部
22 デジタルフィルタ
23 量子化器のスライスレベルを決定する回路
24 FIRフィルタの結果を2値化する量子化器
25 DA変換器
26 復調器出力信号
27 フィルタ出力
28 量子化器のスライスレベル信号
29 反転器
34 4入力NOR
35 3入力NOR
40 Dフリップフロップ
41 排他的論理和
42 セレクター
73 遅延素子
100 I/Q周期測定回路
116 補助回路の制御部
117 レジスタ及び積分器
118 判定回路
119 DA変換器用レジスタ

Claims (5)

  1. 周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号が変換手段によりベースバンドに変換されたベースバンド信号を復調する復調器であって、
    前記ベースバンド信号を復調する復調手段と、
    前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出手段と、
    前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正手段と
    を備え、
    前記周波数ずれ検出手段は、
    前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタと、
    前記平均値を量子化する量子化手段と、
    前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定し、且つ、該スライスレベルを重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成する手段と
    からなり、
    前記デジタルフィルタは、
    直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、
    前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とすることを特徴とする復調器。
  2. 周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号が変換手段によりベースバンドに変換されたベースバンド信号を復調する復調器であって、
    前記ベースバンド信号を復調する復調手段と、
    前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出手段と、
    前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正手段と
    を備え、
    前記周波数ずれ検出手段は、
    前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタと、
    前記平均値を量子化する量子化手段と、
    前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定する手段と、
    前記ベースバンド信号のI/Q信号の周期を測定する手段と、
    その測定値を重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成する手段と
    からなり、
    前記デジタルフィルタは、
    直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、
    前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とすることを特徴とする復調器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の受信信号を同変換手段によりベースバンドに変換して復調する受信装置であって、
    該変換手段により得られたベースバンド信号を所定の低域通過特性によってフィルタするフィルタ手段と、該フィルタ手段により得られた信号を2値化して請求項1又は請求項2に記載の復調器に供給する手段とを備えたことを特徴とする受信装置
  4. 周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号を変換手段によりベースバンドに変換し、ベースバンド信号を復調する復調方法であって、
    前記ベースバンド信号を復調する復調ステップと、
    前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出ステップと、
    前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正ステップと
    を含み、
    前記周波数ずれ検出ステップは、
    前記復調信号の偏移の平均値を求めるデジタルフィルタリングステップと、
    前記平均値を量子化する量子化ステップと、
    前記平均値に従って前記量子化手段のスライスレベルを決定し、且つ、該スライスレベルを重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成するステップと
    を含み、
    前記デジタルフィルタリングステップは、
    直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有するデジタルフィルタを用い、
    前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とすることを特徴とする復調方法。
  5. 周波数制御される発振手段からの発振出力に基づき受信信号を変換手段によりベースバンドに変換し、ベースバンド信号を復調する復調方法であって、
    前記ベースバンド信号を復調する復調ステップと、
    前記復調手段により復調された復調信号の周波数ずれを検出し、その周波数ずれ量に対応する周波数補正信号を出力する周波数ずれ検出ステップと、
    前記周波数補正信号を前記発振手段に帰還することで前記発振出力を周波数制御してその周波数を調整することで前記ベースバンド信号の周波数を補正する補正ステップと
    を含み、
    前記周波数ずれ検出ステップは、
    デジタルフィルタを用いて前記復調信号の偏移の平均値を求め、該平均値に従って量子化時のスライスレベルを決定し、該スライスレベルで前記平均値を量子化するステップと、
    前記ベースバンド信号のI/Q信号の周期を測定し、その測定値を重み付けした値に従って前記周波数補正信号を生成するステップと
    を含み、
    前記デジタルフィルタは、
    直列接続された複数の遅延素子と、各遅延素子からの信号を加算する加算器と、を有し、
    前記復調信号の値がゼロクロスでばたついたときに、前記復調信号の0から1への変化の数と前記復調信号の1から0への変化の数との総和を加算結果とすることを特徴とする復調方法
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