JP4198363B2 - 反射型カラーフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタに関し、詳しくは、緑色顔料、C.I.ピグメントイエロー138を含有する緑色画素を有し、高色純度および高透過率を両立したな反射型カラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ゲーム機などの携帯端末に搭載されるディスプレイは、低消費電力であることが要求される。このことから、携帯端末のディスプレイとしては、バックライトが不要な反射型液晶装置が適している。低消費電力化を実現するためには、カラーフィルタの着色画素に含有される顔料濃度を低くすればよいが、顔料濃度を低くすると色純度が低下するという問題がある。逆に、顔料濃度を高くすると、色純度は向上するものの、透過率が低くなるという問題がある。
【0003】
また、従来、カラーフィルタの着色画素(通常は、赤色画素、緑色画素、青色画素)のうち、緑色画素の着色成分としては、緑色顔料である、C.I.ピグメントグリーン36と黄色顔料とを適当な比率で混合したものが使用されている。
上記黄色顔料としてはPY−139、PY−150などが主流であるが、かかる黄色顔料を反射型カラーフィルタに用いた場合、低消費電力化と高色純度の達成との両立を図ることが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、コントラストが高く鮮明な色調および高い光透過率を有し、かつ、低消費電力を実現し、色純度の高い緑色画素を有する反射型カラーフィルタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1>基板上に色相が相互に異なる2種以上のパターン化された着色画素を有する反射型カラーフィルタにおいて、前記着色画素の少なくとも1種が、緑色顔料、C.I.ピグメントイエロー138、および樹脂を含んでなる顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤と、を含有する着色感光性組成物を用いて形成された緑色画素であって、前記C.I.ピグメントイエロー138の前記着色感光性組成物全固形分における含有量が2.13重量%以上2.66重量%以下であり、前記緑色画素の色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値が0.37以上であり、かつCIE1931表色系におけるY値が87以上であることを特徴とする反射型カラーフィルタである。
<2>前記y値が0.37〜0.40であることを特徴とする上記<1>に記載の反射型カラーフィルタである。
【0006】
<3>前記樹脂が、酸性基を有するポリマーであることを特徴とする上記<1>または<2>の反射型カラーフィルタである。
【0007】
<4>前記酸性基を有するポリマーの酸価が、60〜130であることを特徴とする上記<3>に記載の反射型カラーフィルタである。
【0008】
<5>前記顔料分散組成物が分散剤を含み、前記分散剤がアゾ色素骨格を有することを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかの反射型カラーフィルタである。
【0009】
<6>前記分散剤が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかの反射型カラーフィルタである。
【0010】
【化1】
Figure 0004198363
【0011】
前記一般式(I)において、Aは、アゾ色素を形成しうる基を表す。Xは、単結合または下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式 (II) で表される基を表す。
【0012】
【化2】
Figure 0004198363
【0013】
【化3】
Figure 0004198363
【0014】
前記一般式 (II) において、Zは、低級アルキレン基を表す。−NR 2 は、低級アルキルアミノ基または窒素原子を含む、5員または6員の飽和ヘテロ環を表す。aは、1または2を表す。
【0015】
<7>前記着色感光性組成物の膜厚が、0.7μm〜3.0μmであることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれかの反射型カラーフィルタである。
<8>前記緑色顔料、前記C.I.ピグメントイエロー138および前記分散剤は、ソルトミング処理をされた状態で前記顔料分散組成物に含有されることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれかの反射型カラーフィルタである。
【0016】
<9>前記C.I.ピグメントイエロー138の粒径が100nm以下であることを上記<1>〜<8>のいずれかの反射型カラーフィルタである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反射型カラーフィルタについて詳細に説明する。
本発明の反射型カラーフィルタは、基板上に色相が相互に異なる2種以上のパターン化された着色画素を有し、前記着色画素の少なくとも1種が、緑色顔料とC.I.ピグメントイエロー138とを含有する緑色画素であって、前記緑色画素の色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値が0.37以上であり、かつCIE1931表色系におけるY値が87以上であることを特徴とする。
また、前記緑色画素は、緑色顔料、C.I.ピグメントイエロー138、および樹脂を含んでなる顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤と、を含有する着色感光性組成物からなることが好ましい。
【0018】
<顔料分散組成物>
ここでは、本発明の反射型カラーフィルタを構成する着色感光性組成物に含有される顔料分散組成物について説明する。
本発明において、前記顔料分散組成物は、緑色顔料、C.I.ピグメントイエロー138、および樹脂を含んでなる。
【0019】
−緑色画素に含有される顔料−
黄色顔料であるC.I.ピグメントイエロー138は、本発明の反射型カラーフィルタの緑色画素において必須成分として使用され、緑色顔料と併用することにより、緑色画素における緑色着色剤として用いられる。前記緑色顔料としては、特にC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントグリーン37が好適に用いられる。
前記C.I.ピグメントイエロー138、前記緑色顔料、および樹脂を含んだ顔料分散組成物を用いることにより、膜厚が薄く、高光透過率を有し、かつ低消費電力および高色純度を両立した緑色画素を得ることが可能となる。
顔料分散組成物中の緑色顔料の含有量は、顔料分散組成物の全質量に対して5〜20質量%が好ましく、8〜18質量%がさらに好ましい。また、上記C.I.ピグメントイエロー138の顔料分散組成物中の含有量は、顔料分散組成物の全質量に対して5〜20質量%が好ましく、8〜18質量%がさらに好ましい。
【0020】
本発明において、前記C.I.ピグメントイエロー138以外の黄色顔料も併用することは可能だが、併用するC.I.ピグメントイエロー138以外の黄色顔料の含有量に対して、C.I.ピグメントイエロー138の含有量としては、99〜10質量%が好ましく、90〜50質量%がより好ましい。C.I.ピグメントイエロー138以外の黄色顔料の割合が多くなると、カラーフィルタの光透過性が低下する場合がある。
【0021】
前記C.I.ピグメントイエロー138以外の併用可能な黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー87、C.I.ピグメントイエロー90、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー99、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー123、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.Iピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー152、C.Iピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー165、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー193等が好適に挙げられる。
その中でも、C.I.C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180がより好ましい。
【0022】
前記黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー138およびそれ以外の併用する黄色顔料の合計)に対して前記緑色顔料の含有量としては、90〜10質量%であることが好ましく、80〜20質量%であることがより好ましい。
【0023】
−樹脂−
前記顔料分散物に含まれる樹脂としては、酸性基を有するポリマーが好ましい。前記樹脂として酸性基を有するポリマーを使用すると、立体反発性を付与することができ、顔料の分散安定性が向上するとともに、着色感光性組成物として用いた際のアルカリ現像性が向上するので好ましい。前記酸性基を有するポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、およびスチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、顔料分散性に優れ、着色感光性組成物として用いた際に、多官能モノマー、光重合開始剤との相溶性に優れ、アルカリ現像液溶解性、有機溶剤溶解性、強度、軟化温度等が適当であるものが好ましく、具体的には(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(例えば、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体)が好ましい。
【0024】
前記酸性基を有するポリマーの酸価としては、60〜130であるのが好ましく、90〜120であるのがより好ましい。酸価が前記範囲であると、分散安定性が良好であり、粘度が低く抑えられるので好ましい。尚、酸価の単位は、前記ポリマー1gを中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラムで表される。また、前記ポリマーの酸価は、ポリマーを構成するモノマーのモル比によって、調整することができる。
【0025】
前記酸性基を有するポリマーの重量平均分子量としては、5000〜200000が好ましい。前記重量平均分子量が、5000未満であると、着色感光性組成物として用いた際に、塗布膜の形成上問題があることがあり、200000を超えると、着色感光性組成物の粘度が高くなることがある。
【0026】
顔料分散組成物における前記樹脂の含有量としては、用いる種類によって、その好ましい範囲も変動するが、一般的には、前記顔料100質量部に対し、通常、10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。前記含有量が前記範囲であると、立体反発効果が得られるとともに、分散液の粘度過度に上昇するのを防止できるので好ましい。
【0027】
−分散剤−
本発明における顔料分散組成物としては、さらに分散剤を含有することが好ましい。本発明において用いられる分散剤としては、顔料骨格を有する化合物が好ましく、アゾ色素骨格を有する化合物がより好ましい。特に、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
前記分散剤を用いると、分散剤の窒素原子により顔料粒子の表面に分散剤が吸着し、顔料粒子の表面は前記分散剤で覆われた状態になり、顔料粒子同士が互いに吸着するのを抑制し、顔料同士は凝集し難くなる。その結果、顔料粒子は微細化した状態のまま均一に分散され、顔料の分散性が特に良化される。
【0028】
【化7】
Figure 0004198363
【0029】
前記一般式(I)において、Aは、アゾ色素を形成しうる基を表す。前記Aは、ジアゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる基であれば、任意に選択することができる。
以下に、前記Aの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
【0030】
【化8】
Figure 0004198363
【0031】
【化9】
Figure 0004198363
【0032】
前記一般式(I)において、Xは、単結合(Yが−N=N−に直結していることを意味する。)、または下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。
【0033】
【化10】
Figure 0004198363
【0034】
前記一般式(I)において、Yは、下記一般式(II)で表される基を表す。
【0035】
【化11】
Figure 0004198363
【0036】
前記一般式(II)において、Zは、低級アルキレン基を表す。Zは、−(CH2b−と表されるが、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2または3を表す。
前記一般式(II)において、−NR2は、低級アルキルアミノ基、または窒素原子を含む5員または6員の飽和ヘテロ環を表す。該−NR2は、低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(Cn2n+12と表され、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1または2を表す。一方、該−NR2は、窒素原子を含む5員または6員の飽和ヘテロ環を表す場合、下記構造式で表されるヘテロ環が好ましい。
【0037】
【化12】
Figure 0004198363
【0038】
前記一般式(II)における、ZおよびNR2は、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換基として有していてもよい。
前記一般式(II)において、aは1または2を表し、好ましくは2を表す。
【0039】
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例(1〜22)を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
【0040】
【化13】
Figure 0004198363
【0041】
【化14】
Figure 0004198363
【0042】
【化15】
Figure 0004198363
【0043】
【化16】
Figure 0004198363
【0044】
前記一般式(I)で表される化合物とともに、特開2000−239554号公報の第0038欄〜第0043欄に記載の一般式(III)で表されるアミン化合物、および/または一般式(IV)で表されるアミン化合物を併用するのが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物は、特開2000−239554号公報の第0033欄〜第0035欄に記載の方法に従って合成することができる。
また、前記一般式(I)で表される化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、アビンア社の「ソルスパース 22000」が挙げられる。
【0045】
本発明における顔料分散組成物における前記分散剤の含有量は、用いる分散剤の種類によってその好ましい範囲も変動するが、一般的に、顔料100質量部に対し、0.1〜100質量部であるのが好ましく、1〜30質量部であるのがより好ましい。前記含有量が前記範囲であると、顔料分散組成物の粘度が過度に上昇するのを防止しつつ、カラーフィルター等の作製の際において、色度の調整が容易となるので好ましい。
【0046】
−その他の成分−
本発明に係る顔料分散組成物としては、所望により界面活性剤等の他の成分を含有していてもよい。界面活性剤を含有していると顔料の分散安定性がより向上するので好ましい。前記界面活性剤としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、燐酸エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、アミン塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカルボン酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤等が挙げられる。
【0047】
−緑色画素以外の着色画素に含有される顔料−
緑色画素以外の着色画素に使用可能な顔料としては、下記有機顔料が挙げられる。例えば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が挙げられる。
尚、分散剤がアゾ顔料骨格を有する化合物(例えば、前記一般式(I)で表される化合物)である場合、組み合わせて使用する顔料もアゾ色素骨格を有する顔料であるのが好ましい。
【0048】
緑色画素以外の着色画素においても黄色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー138を用いるのが好ましい。前記C.I.ピグメントイエロー138以外に併用可能な黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー87、C.I.ピグメントイエロー90、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー99、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー123、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.Iピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー152、C.Iピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー165、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー193等が好適に挙げられる。
【0049】
前記オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ71等が挙げられる。
【0050】
前記赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピクメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド207等が挙げられる。
【0051】
前記バイオレット顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピクメンドバイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット50等が挙げられる。
【0052】
前記青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー22、C、I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー64、等が挙げられる。
【0053】
前記緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピクメントグリーン36、等が挙げられる。
前記ブラウン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、等が挙げられる。前記黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7、等が挙げられる。
【0054】
これらの顔料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の反射型カラーフィルタにおいては、これらの中でも、赤色画素にはピグメントレッド209およびピグメントレッド207が好ましく、青色画素にはピグメントブルー15等が特に好ましい。
【0055】
本発明における顔料分散組成物に含有される顔料の含有量としては、用いる種類によってその好ましい範囲も変動するが、一般的には、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。前記含有量が前記範囲であると、着色力を高く維持しつつ、粘度が過度に上昇するのを防止できるので好ましい。
【0056】
−顔料分散組成物の調製−
前記顔料分散組成物は、前記顔料、樹脂、および分散剤を、溶剤とともにサンドミル等の分散機で分散することにより、調製することができる。
このとき、顔料と分散剤とを予め混合し微細化処理した後、この混合物を有機溶剤(またはビヒクル)に分散してもよいし、顔料と分散剤等を予め別々に微細化処理した後、有機溶剤(またはビヒクル)に分散または溶解し、得られた分散物や溶液を混合してもよいし、微細化処理した顔料および分散剤を有機溶剤(またはビヒクル)に別々に添加して分散してもよい。特に、予め顔料および分散剤を同時にまたは個々に微細化処理するのが好ましい。
ここで、ビヒクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、有機溶剤以外に、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める成分(バインダ樹脂)も含まれる。
【0057】
微細化処理された顔料および分散剤を有機溶剤に分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。
【0058】
本発明における顔料分散組成物において、前記分散剤、顔料および樹脂を分散させる有機溶剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルおよびこれらの酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、およびその酢酸エステル類、酢酸エステル類、メチルエチルケトン、等が好ましい。
【0059】
前記有機溶剤の前記顔料分散組成物における含有量としては、前記顔料100質量部に対し、通常、10〜1000質量部であり、20〜500質量部が好ましい。前記含有量が前記範囲であると、顔料分散組成物の粘度が過度に上昇するのを防止することができ、また、貯蔵時のスペース確保等が困難とならないので点で好ましい。
【0060】
本発明において、前記顔料、および前記分散剤としては、平均粒径が100nm以下のものが好ましい。前記顔料、および分散剤の平均粒径をこの範囲とするには、前記顔料および分散剤を高速のサンドミル等で長時間分散することにより、前記顔料および分散剤を分散するのと同時に、一次粒子を細かくすることも可能であるが、多大なエネルギーを要すること、および、このような方法で得られた微細な顔料粒子および分散剤は一般にフロキュレーションと呼ばれる弱い凝集を起こしやすく、分散体が高粘度でかつチキソトロピックになる傾向があり、均一なカラーフィルタの塗膜が得にくいという問題がある。従って、前記顔料および分散剤ともに、一次粒子を微細化した後に、分散を行う方が好ましい。
【0061】
前記顔料および前記分散剤の微細化処理は、同時に行ってもよいし、個々に行ってもよい。顔料および分散剤が共存した状態で同時に微細化処理を行うのが、製造性がよいので好ましい。前記微細化処理としては、顔料および分散剤を機械的に粉砕して粒径を細かくする方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して粒径の細かい顔料および分散剤を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に粒径の細かい粒子を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等が挙げられる。使用する顔料および分散剤の合成法や化学的性質等により、適当な方法を選択して行うことができる。2種以上の方法を組み合わせて微細化処理を実施してもよい。また、顔料と分散剤との微細化処理を個々に行う場合は、各々微細化処理は異なっていてもよい。
【0062】
前記磨砕法は顔料および/または分散剤をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩などの磨砕剤とともに磨砕した後、磨砕剤を除去して、一次粒子を細かくする方法で、比較的均一な顔料粒子および/または分散粒子が得られる。
【0063】
前記析出法は、顔料および/または分散剤を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、微細な結晶粒子を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子の大きさが制御できる。使用する溶媒としては、濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが挙げられる。
【0064】
前記析出法のうち、特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、微細な顔料および分散剤を析出させることができる。
【0065】
前記合成析出法は、顔料および/または分散剤を合成すると同時に微細な結晶粒子として析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料および/または微細分散剤を溶媒中から取り出す場合、粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
【0066】
前記微細化処理には、前述のいずれの方法を用いてもよいが、これらの方法のうち比較的材料が限定されないので磨砕法が好ましい。粉砕法について以下に詳しく述べる。本法は、顔料および分散剤を、食塩等の水溶性の無機塩およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を除去し、水洗し、乾燥することにより一次粒子の細かな顔料および分散剤を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料および分散剤が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
【0067】
顔料および分散剤と無機塩の比率は無機塩の比率が多くなると顔料および分散剤の微細化効率は良くなるが、顔料および分散剤の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料および分散剤が1質量部に対して無機塩が1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部用いるのがよい。また、上記湿潤剤は、顔料および分散剤と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料および分散剤と無機塩との配合比にもよるが、通常、顔料の50質量%〜300質量%の量が用いられる。
【0068】
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料および分散剤と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、一次粒子が微細化された顔料および/または分散剤を得ることができる。
【0069】
本発明における顔料分散組成物は、塗料、印刷インキ等として用いることができる。また、例えば、該顔料分散組成物を含む塗布液を支持体上に塗布、乾燥して該顔料分散組成物の層を形成し、あるいは仮支持体上に形成されたこの顔料分散組成物の層を支持体上に転写し、その上に公知のポジ型またはネガ型の感光性樹脂組成物の層を形成し、露光、現像し、次いで未露光の前記感光性樹脂組成物の層と共に同じ領域の前記顔料分散組成物の層を除去する方法等により画像形成を行なうことができる。また、感光性組成物と混合することにより、光照射により画像形成可能な着色感光性組成物として画像形成に供することができる。これについては後述する。
【0070】
<着色感光性組成物>
本発明の反射型カラーフィルタは、前記顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤と、を含有する着色感光性組成物からなることを特徴とする。
本発明における着色感光性組成物は、前記顔料分散組成物を含有しているので、色調に優れると共に、顔料の分散安定性にも優れている。特に、カラーフィルタの作製に利用した場合に、鮮明な色調を有しコントラストが高く、膜厚が薄く、かつ高色純度および高透過率を両立したカラーフィルタを安定的に作製することができる。
【0071】
−多官能モノマー−
前記エチレン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマーとしては、例えば、特開昭60−258539号公報に記載されているような公知の(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0072】
前記エチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーの前記着色感光性組成物における含有量としては、全固形分に対し、10〜60質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲であると、露光時における硬化力を充分に維持しつつ、他の素材の能力が発揮されるのを抑制しないので好ましい。
【0073】
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、波長が約300〜500nmに少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を少なくとも1種使用するのが好ましく、このような化合物としては、例えば、特開平2−48664号公報、特開平1−152449号公報、および特開平2−153353号公報に記載されているような、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体との組み合わせ、および4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)-2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]が好ましい。
【0074】
前記光重合開始剤の前記着色感光性組成物における含有量としては、着色感光性組成物の全固形分に対し、0.2〜10質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲であると、露光感度を高く維持しつつ、露光感度が高くなり過ぎて制御が困難になるのを防止できるので好ましい。
【0075】
前記着色感光性組成物は、前記顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤とを混合することによって調製することができる。尚、調製の際には、樹脂をさらに添加してもよく、前記樹脂としては、顔料分散組成物に使用可能な前記酸性基を有するポリマーが好ましく、顔料分散組成物を調製した際に使用した樹脂と同一の樹脂を用いるのがより好ましい。
本発明における着色感光性組成物において、樹脂(特に酸性基を有するポリマー)の含有量としては、全固形分に対し20〜80質量%程度が好ましい。前記含有量が前記範囲であると塗布膜の強度を高く維持しつつ、他の素材の能力が発揮され難くなるのを防止できるので好ましい。
【0076】
前記着色感光性組成物は、光照射による画像形成に供することができる。前記着色感光性組成物を用いた着色画像の形成は、基本的に下記(1)〜(3)の工程により行うことができる。
(1)前記顔料分散組成物を調製した後、これを用いて前記着色感光性組成物を調製する工程
(2)得られた着色感光性組成物を基板上に塗布し乾燥して、または、別の仮支持体上に塗布し乾燥して形成した層を基板上に転写して、着色感光性組成物による層を形成する工程
(3)基板上に形成された着色感光性組成物による層を露光、現像し、パターンを形成する工程
【0077】
前記基板としては、ガラス板や透明プラスティック板等の透明材料が一般に用いられる。前記基板と前記着色感光性組成物との密着力を向上させるために、市販の各種シランカップリング剤等を前記着色感光性組成物に添加するか、あるいはあらかじめ前記基板をカップリング処理しておいてもよい。
【0078】
前記着色感光性組成物の塗布液の前記基板への塗布は、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、カーテンコータ等の公知の塗布手段を用いて行うことができる。
【0079】
前記仮支持体上に形成された前記着色感光性組成物による層を、前記基板上に転写する方法としては、常圧下または減圧下でヒートロールラミネータを用いる方法が好適に挙げられる。
【0080】
前記現像の際に使用される現像液の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、炭酸水素塩、アシモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液、等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
【0081】
<緑色画素の色度>
本発明の反射型カラーフィルタは、基板上に色相が相互に異なる2種以上のパターン化された着色画素を有し、前記着色画素の少なくとも1種が、前述した緑色画素であって、かつ該緑色画素の色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値が0.37以上であることを特徴とする。そして、該y値としては、0.37〜0.40の範囲であることが好ましい。該y値が0.37未満であると、透過率は向上するものの緑色が薄くなることとなり、カラーフィルタとしたときに色純度が低下する。尚、「D65光源で測定した」とは基準となる白色の色度を標準昼光の国際標準であるCIE D65(6504K)において測定したことを意味する。
ここで、「色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値」とは、CIE1931表色系(XYZ表色系)における三刺激値X,Y,Zを求め、下記式に当てはめることにより得ることができる値である。
x=X/(X+Y+Z)
y=Y/(X+Y+Z)
【0082】
具体的には、測定装置として、OSP−SP100(オリンパス社製)を用いて、測定を行うことにより、色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値を求めることができる。
【0083】
<反射型カラーフィルタ>
本発明の反射型カラーフィルタは、基板上に色相が相互に異なる2種以上のパターン化された着色画素を有し、前記着色画素の少なくとも1種が、前述した緑色画素であって、かつ前記緑色画素の色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値が0.37以上であることを特徴とし、前記緑色画素以外に、一般的には赤色画素、および青色画素を有するのが好ましい。また、本発明の反射型カラーフィルタは、CIE1931表色系(XYZ表色系)に基づく三刺激値X,Y,Zのうち、緑色画素の視覚反射率を示す値(明度と相関する値)であるY値が87以上であることを特徴とする。該Y値が87未満であると、明るさを増すためには、消費電力を高くする必要があり、低消費電力化を図ることができない。
【0084】
本発明の反射型カラーフィルタは、前記着色感光性組成物を用いた着色画像の形成方法における(2)および(3)の工程を繰り返し行い、複数色(通常はR、G、Bの3色)のパターンを組み合わせることにより作製することができる。
本発明の反射型カラーフィルタは、転写法を利用して作製することもできる。転写法を利用したカラーフィルタの製造方法については、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−72724号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報等に詳細が記載され、本発明の反射型カラーフィルタにも適用することができる。
【0085】
本発明の反射型カラーフィルタには、ガラス等の透明基板上に直接前記着色層を形成した態様、および、TFT等の能動素子が形成された基板上に前記着色層を形成した態様(カラーフィルタ・オン・アレイ:COAの態様)等が含まれる。
【0086】
本発明の反射型カラーフィルタにおいて、前記着色感光性組成物による層(着色層)の膜厚としては、0.7〜3.0μmが好ましく、0.8〜2.0μmがより好ましい。膜厚が上記範囲内にあることが平坦性を確保する観点から好ましい。
【0087】
本発明の反射型カラーフィルタは、携帯電話、ゲーム機などの携帯端末に搭載されるディスプレイ等の表示素子に広く利用できる。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0089】
−顔料分散組成物(1)の調製−
下記組成の黄色の顔料分散組成物(1)を調製した。
〔組成〕
・C.I.ピグメントイエロー138 6.4g
・下記に示す顔料分散剤1 0.6g
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 15.8g
(モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、酸価105)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 57.2g
【0090】
前記顔料、および顔料分散剤1は、下記のソルトミリング処理(微細化処理)を施した後、調製に用いた。
塩化ナトリウム500g、水素化ロジンエステル(荒川化学社製、商品名 エステルガムHP)5g、C.I.ピグメントイエロー138 50g、下記顔料分散剤1 50g、およびポリエチレングリコール 300gを、オーブンニーダー(森山製作所製、商品名S1−1)で5時間混練した。その混練物を2リットルの温水に投入し、約70℃でディゾルバーで2時間激しく攪拌した。その後、得られた分散物をろ過し、フィルター上の残さを水洗して、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールを除去し、約40℃のドライオーブンにて2日間乾燥させた。
【0091】
【化17】
Figure 0004198363
【0092】
前記組成の黄色の顔料組成物をモーターミルM−50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散し、黄色の顔料分散組成物(1)を調製した。
【0093】
−顔料分散組成物(2)の調製−
上記顔料分散組成物(1)の調製において、前記顔料分散剤1を下記顔料分散剤2に代えた以外は、上記顔料分散組成物(1)の調製と同様にして黄色の顔料分散組成物(2)を調製した。
【0094】
【化18】
Figure 0004198363
【0095】
−比較用顔料分散組成物(1)の調製−
上記顔料分散組成物(1)の調製において、C.I.ピグメントイエロー138を、C.I.ピグメントイエロー139に代えた以外は、上記顔料分散組成物(1)の調製と同様にして黄色の比較用顔料分散組成物(1)を調製した。
【0096】
−比較用顔料分散組成物(2)の調製−
上記顔料分散組成物(1)の調製において、ソルトミング処理を施さないこと以外は、上記顔料分散組成物(1)の調製と同様にして黄色の比較用顔料分散組成物(2)を調製した。
【0097】
−顔料分散組成物の評価−
得られた黄色の顔料分散組成物(1)〜(2)および比較用顔料分散組成物(1)〜(2)について下記の測定および評価を行った。測定結果を表1に示す。
−粘度測定−
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いてその粘度を測定し、増粘の程度を評価した。
【0098】
−コントラスト測定−
得られた顔料分散組成物をガラス基板上に厚みが6μmになるように塗布し、サンプルを作製した。2枚の偏光板の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルター、植木、小関、福永、山中」を参考にした)。
【0099】
【表1】
Figure 0004198363
【0100】
表1の結果から、顔料分散組成物(1)〜(2)は、粘度が低く、分散安定性に優れているとともに、高いコントラストが得られることがわかった。
【0101】
尚、上記顔料分散組成物(1)の調製において、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体として、酸価50の共重合体(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体のモル比が14/86)を使用した以外は、同様にして顔料分散組成物を調製したところ、粘度が顔料分散組成物(1)よりも若干高くなり、分散性が劣っていた。同様に、上記顔料分散組成物(1)の調製において、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体として、酸価145の共重合体(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体のモル比が37/63)を使用した以外は、同様にして顔料分散組成物を調製したところ、粘度が顔料分散組成物(1)よりも若干高くなり、分散性が劣っていた。
【0102】
[実施例1]
下記組成を混合し、カラーフィルター作製用の着色感光性組成物Aを調製した。
〔組成〕
・上記黄色の顔料分散組成物(1) 6.01g
・C.I.ピグメントグリーン36分散液 8.01g
(富士フイルムオーリン(株)製、GT−2)
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 25.52g
(モル比28/72、重量平均分子量3万、30%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 6.62g
・4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−5−トリアジン 0.33g
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.06g
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 65.0g
【0103】
得られたカラーフィルタ作製用の着色感光性組成物Aについて、下記のようにして反射型のカラーフィルタを作製した。
【0104】
まず、ガラス基板上に前記カラーフィルタ作製用の着色感光性組成物Aを、スピンコーターを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥させて、約1.1μmの厚みの膜を形成した。次いで、窒素気流下、超高圧水銀灯で露光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。得られた反射型カラーフィルタについて、緑色画素の反射率および色度を下記方法により測定した。測定結果を表2に表す。
【0105】
−反射率および色度の測定−
反射型カラーフィルタの反射率および色度は、OSP−SP100(オリンパス社製)を用いて測定した。測定値のYは、CIE1931表色系(XYZ表色系)に基づく3刺激値X,Y,Zのうち、視覚反射率を表す値(明度と相関する値)である。xおよびyは、3刺激値X,Y,Zから前述した式を用いて算出した値(色度座標を表す値)である。
【0106】
[実施例2]
実施例1において、黄色の顔料分散組成物(1)を、上記黄色の顔料分散組成物(2)に代えた以外は、実施例1と同様にして着色感光性組成物Bを調製し、実施例1と同様にして評価した。
【0107】
[実施例3]
実施例1において、カラーフィルタ作製用着色感光性組成物Aを下記組成のカラーフィルタ作製用着色感光性組成物Cに代えた以外は、実施例1と同様にして評価した。
【0108】
〔組成〕
・上記黄色の顔料分散組成物(1) 4.72g
・C.I.ピグメントグリーン36分散液 6.29g
(富士フイルムオーリン(株)製、GT−2)
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 26.76g
(モル比28/72、重量平均分子量3万、30%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 6.62g
・4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−5−トリアジン 0.33g
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.06g
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 65.0g
【0109】
[比較例1]
実施例1において、黄色の顔料分散組成物(1)を、上記黄色の比較用顔料分散組成物(1)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較用の着色感光性組成物Dを調製し、実施例1と同様にして評価した。
【0110】
[比較例2]
実施例1において、黄色の顔料分散組成物(1)を、上記黄色の比較用顔料分散組成物(2)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較用の着色感光性組成物Eを調製し、実施例1と同様にして評価した。
【0111】
【表2】
Figure 0004198363
【0112】
表2の結果から、C.I.ピグメントイエロー138の添加により、反射率を表すY値が大きく、カラーフィルタの色純度が高く光透過率にも優れていることが確認された。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、コントラストが高く鮮明な色調および高い光透過率を有し、かつ、低消費電力を実現し、色純度の高い緑色画素を有する反射型カラーフィルタを提供することができる。

Claims (9)

  1. 基板上に色相が相互に異なる2種以上のパターン化された着色画素を有する反射型カラーフィルタにおいて、
    前記着色画素の少なくとも1種が、緑色顔料、C.I.ピグメントイエロー138、および樹脂を含んでなる顔料分散組成物と、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤と、を含有する着色感光性組成物を用いて形成された緑色画素であって、前記C.I.ピグメントイエロー138の前記着色感光性組成物全固形分における含有量が2.13重量%以上2.66重量%以下であり、前記緑色画素の色度をD65光源で測定したxy表示系で表したときのy値が0.37以上であり、かつCIE1931表色系におけるY値が87以上であることを特徴とする反射型カラーフィルタ。
  2. 前記y値が0.37〜0.40であることを特徴とする請求項1に記載の反射型カラーフィルタ。
  3. 前記樹脂が、酸性基を有するポリマーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型カラーフィルタ。
  4. 前記酸性基を有するポリマーの酸価が、60〜130であることを特徴とする請求項に記載の反射型カラーフィルタ。
  5. 前記顔料分散組成物が分散剤を含み、前記分散剤がアゾ色素骨格を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の反射型カラーフィルタ。
  6. 前記分散剤が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の反射型カラーフィルタ。
    Figure 0004198363
    〔前記一般式(I)において、Aは、アゾ色素を形成しうる基を表す。Xは、単結合または下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。Yは、下記一般式(II)で表される基を表す。〕
    Figure 0004198363
    Figure 0004198363
    〔前記一般式(II)において、Zは、低級アルキレン基を表す。−NR2は、低級アルキルアミノ基または窒素原子を含む、5員または6員の飽和ヘテロ環を表す。aは、1または2を表す。〕
  7. 前記着色感光性組成物の膜厚が、0.7μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の反射型カラーフィルタ。
  8. 前記緑色顔料、前記C.I.ピグメントイエロー138および前記分散剤は、ソルトミング処理をされた状態で前記顔料分散組成物に含有されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の反射型カラーフィルタ。
  9. 前記C.I.ピグメントイエロー138の粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の反射型カラーフィルタ。
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