JP4198274B2 - タイミング校正方法及びこのタイミング校正方法を用いて校正動作する位相補正回路を搭載したic試験装置 - Google Patents

タイミング校正方法及びこのタイミング校正方法を用いて校正動作する位相補正回路を搭載したic試験装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は例えば半導体集積回路素子(IC)を試験するIC試験装置に関し、特に被試験ICに試験パターン信号を供給する試験パターン供給経路に設けた位相補正回路のタイミング校正方法及びこのタイミング校正方法によって校正動作する位相補正回路を搭載したIC試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4にIC試験装置の概略の構成を示す。図中TESはIC試験装置の全体を示す。IC試験装置TESは主制御器111と、パターン発生器112,タイミング発生器113,波形フォーマッタ114,論理比較器115,ドライバ116,アナログ比較器117,不良解析メモリ118,論理振幅基準電圧源121,比較基準電圧源122,ディバイス電源123等により構成される。
【0003】
主制御器111は一般にコンピュータシステムによって構成され、利用者が作成した試験プロクラムに従って主にパターン発生器112とタイミング発生器113を制御し、パターン発生器112から試験パターンデータを発生させ、この試験パターンデータを波形フォーマッタ114で実波形を持つ試験パターン信号に変換し、この試験パターン信号を論理振幅基準電圧源121で設定した振幅値を持った波形に電圧増幅するドライバ116を通じて被試験IC119に印加する。
【0004】
被試験IC119から出力される応答信号はアナログ比較器117で比較基準電圧源122から与えられる基準電圧と比較し、所定の論理レベル(H論理の電圧、L論理の電圧)を持っているか否かを判定し、所定の論理レベルを持っていると判定した信号は論理比較器115でパターン発生器112から出力される期待値と比較し、期待値と不一致が発生した場合、被試験IC119がメモリの場合はその読み出したアドレスのメモリセルに不良があるものと判定し、不良発生ごとに不良解析メモリ118に不良アドレスを記憶し、試験終了時点で例えば不良セルの救済が可能か否かを判定する。なお、被試験IC119はメモリの場合る限らずロジック回路で構成されるロジックICの場合もある。
【0005】
ここで、タイミング発生器113は被試験IC119に与える試験パターン信号の波形の立上がりのタイミング及び立下りのタイミングを規定するタイミングと、論理比較器115で論理比較のタイミングを規定するストローブパルスのタイミングを発生する。
これらの各タイミングは利用者が作成した試験プログラムに記載され、利用者が意図したタイミングで被試験IC119を動作させ、またその動作が正常か否かを試験できるように構成されている。つまり、試験中に試験パターン信号の印加タイミングを意図的にずらし、動作限界を測定する等の試験が行われる。
【0006】
このために波形フォーマッタ114には位相補正回路が設けられる。この位相補正回路に位相設定値を設定することにより、被試験IC119の各端子に供給する試験パターン信号の位相を制御できる構成とされる。
図5に従来から用いられている位相補正回路の構成を示す。図中10は位相補正回路の全体を示す。位相補正回路10は試験パターン信号に所望の遅延量を与える可変遅延回路11と、この可変遅延回路11に遅延時間を設定するための制御信号を与える設定器12とによって構成される。
【0007】
従来の可変遅延回路11は複数の遅延素子DY1〜DY4と、これら遅延素子DY1〜DY4を通過した信号と遅延素子DY1〜DY4のそれぞれを通過しない信号の何れか一方を選択して出力する複数のセレクタSE1〜SE4とによって構成される。
各セレクタSE1〜SE4は縦続接続され、入力端子Aには遅延素子DY1またはDY2,DY3,DY4を通過しない信号を入力し、入力端子Bには遅延素子DY1またはDY2,DY3,DY4を通過した信号を入力する。遅延素子DY1は例えば100Ps(ピコ秒)の遅延時間を持ち、DY2は200Ps,DY3は400Ps,DY4は800Psの遅延時間を持つものとする。
【0008】
これらの遅延時間を持つ遅延素子DY1〜DY4を選択的に縦続接続することにより可変遅延回路11には遅延時間を100Ps,200Ps,300Ps,400Ps,500Ps・・・1500Psの100Ps間隔で15種類の遅延時間を持たせることができる。
設定器12はレジスタによって構成され、入力端子D0,D1,D2,D3に主制御器111から遅延時間の設定データが入力され、この設定データが書込指令信号WTに従って書き込まれ、設定データが出力端子Q0 〜Q3 に出力されてセレクタSE1〜SE4の制御入力端子Sに入力され、制御入力端子Sに入力される制御信号の論理値によってセレクタSE1〜SE4は入力端子Aに選択する状態と、入力端子Bを選択する状態に設定される。
【0009】
位相補正回路10の出力側にドライバ116が接続され、ドライバ116から出力される信号の位相が所望の位相に設定されたか否かを信号読取回路14で読み取って判定する。つまり、図5は校正モードの接続状態を示す。信号読取回路14はストローブパルスSTBの入力のタイミングにおいて、入力されている信号が基準電圧VOHより小さいか、大きいかを比較し、その比較結果を出力する電圧比較器CPによって構成することができる。図5に示す例では位相補正回路10と信号読取手段14との間にリレーマトリクス13を接続し、リレーマトリクス13によって複数の位相補正回路10を選択的に信号読取手段14に接続し、各位相補正回路10に設定される遅延時間が所望の設定値に設定されたか否かを判定できる構成とした場合を示す。
【0010】
ドライバ116から出力される信号の振幅がL論理のとき0V,H論理のとき3Vであるものとすると、電圧比較器CPに与える比較電圧VOHは1.5V程度に設定される。ドライバ116が出力する信号はリレーマトリクス13を通じて電圧比較器CPの反転入力端子に入力される。従ってドライバ116がL論理を出力している状態で電圧比較器CPにストローブパルスSTBが与えられると、電圧比較器CPはH論理を出力し、ドライバ116がH論理を出力している状態で電圧比較器CPにストローブパルスSTBが与えられると、電圧比較器CPはL論理を出力する。
【0011】
従って、ストローブパルスSTBの位相を基準に採り、位相補正回路10の遅延時間を校正しようとした場合、信号読取手段14から出力される信号の論理値がH論理からL論理に反転する境界となる遅延時間を位相補正回路10に設定することにより、位相補正回路10の遅延時間をストローブパルスの位相に校正したこととなる。
【0012】
位相補正回路10の位相補正値を所望の位相補正値に設定する作業は次のようにして行われる。主制御器111はストローブパルスSTBを図6に示すテスト周期TS内の所望の位相位置T1 に設定すると共に、設定器12には、例えば「1,0,0,0」を設定し、位相補正回路10の遅延時間を例えば800Psに設定する。
【0013】
これによりパターン信号PTS−1はテスト周期TSの初期位相位置から800Ps遅延した位相位置でH論理に立上がる。このとき、ストローブパルスSTBはパターン信号PTS−1のL論理を打ち抜くので電圧比較器CPはH論理を出力する。主制御器111は電圧比較器CPがH論理を出力していることから、位相補正回路10の遅延時間が「過大である」と判定し、設定器12に例えば「0,0,0,1」を設定し、位相補正回路10にこの例では100Psの遅延時間を設定する。つまり、バイナリーサーチによってストローブパルスSTBの遅延時間T1 に最も近い遅延時間を探索する。バイナリーサーチによれば、この例では4ビットの制御信号でサーチする場合は4回の設定変更で最適値をサーチすることができる。図6に示す例では、1回目が800Ps,2回目が100Ps,3回目が400Psに設定した状態を示し、次の4回目で最適値が決定される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は主制御器111は図7に示すテストプログラムTSPLGで校正用プロクラムCALPLGが読み出されるごとに、校正用プログラムCALPLGを繰り返し実行し、位相補正回路10の遅延時間を校正する。
校正プログラムCALPLGは、
▲1▼ 位相補正回路10に設けた設定器12をクリアし、設定値を設定する。
【0015】
▲2▼ パターン発生器112にパターン発生命令を出力。
▲3▼ 信号読取手段14にストローブパルスを与え、信号の読み取りを実行させる。
▲4▼ 信号読取手段14の出力が反転したか否かを判定する。
一つの位相補正回路10を校正するには▲1▼〜▲4▼の動作を可変遅延回路11のビット数分繰り返し、更にその動作をリレーマトリクス13に接続した位相補正回路10の数(例えば64)だけ繰り返す。
【0016】
▲1▼〜▲4▼の各動作は主制御器111がプログラムに従って実行するために各動作ごとに、例えば1μs 程度の時間が掛かる。更にパターン発生器112がパターンを発生する時間が約0.25μs 程度、可変遅延回路11のセレクタの数が「4」,リレーマトリクス13に接続される位相補正回路10の数が64とすると、位相補正回路10を校正するに要する時間TMは、
TM=64×4×(1+(1+0.25)+1+1)=1088(μs)
となる。
【0017】
被試験IC119の端子数Nと、可変遅延回路11のセレクタの数Mとが多くなると、
TM=N×M(1+(1+0.25)+1+1)μs
となり、校正に要する時間が長くなる欠点がある。
また、特にテスト中にしばしば試験パターン信号の印加タイミングを変更するごとに、位相補正回路10の校正を実行しなければならないので、試験時間が益々増加する欠点が生じる。
【0018】
この発明の目的は、位相補正回路の遅延時間を設定する校正動作を短時間に済ませることができる構成を具備した位相補正回路を搭載したIC試験装置を提供しようとすにものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1では、被試験ICの各端子に与える試験パターン信号の位相を制御する位相補正回路の遅延時間を信号読取手段に供給するストローブパルスの印加タイミングの近傍に校正する校正方法において、
位相補正回路にカウンタを設け、このカウンタにテスト周期ごとに発生するクロックを計数させ、この計数値に従って位相補正回路の遅延時間を変更させ、位相補正回路を通過して信号読取手段に入力される試験パターン信号の位相を遅れ方向または進み方向の何れか一方に少しずつシフトさせ、信号読取手段の出力の論理が反転したことを検出して試験パターン信号の位相がストローブパルスの印加タイミングを横切ったと判定させすることを特徴とするタイミング校正方法を提案するものである。
【0020】
この発明の請求項2では、A.遅延素子を通過した信号と遅延素子を通過しない信号の何れか一方を選択して出力するセレクタが複数縦続接続されて構成された位相補正回路を具備し、この位相補正回路の遅延時間に従って被試験ICの各端子に印加される試験パターン信号の位相を所望の位相に設定するIC試験装置において、
B.位相補正回路に設けられ、IC試験装置のテスト周期ごとに出力されるクロックを計数し、その計数値を位相補正回路を構成するセレクタに設定信号として与え、位相補正回路を通過する信号の位相をテスト周期ごとに順次遅れ方向または進み方向に変化させる制御を行うカウンタと、
C.このカウンタに供給するクロックを開閉制御するゲートと、
D.位相補正回路を通過した信号の論理値を所定のタイミングで読み取る信号読取手段と、
E.この信号読取手段が読み取る論理値が一方の論理値から他方の論理値に転換したことを検出して、位相補正回路の遅延時間が信号読取回路の読み取りのタイミングに合致したものとしてゲートを閉じるゲート制御手段と、
によって構成した位相補正回路を搭載したIC試験装置を提案する。
【0021】
この発明の請求項3では請求項2記載のIC試験装置において、信号読取手段はストローブパルスの供給によって入力されている信号の論理が比較電圧より高いか低いかを判定して出力するコンパレータによって構成され、ストローブパルスの印加タイミングにおいて、信号読取手段が出力する論理値が反転したとき、請求項2記載のゲートを閉じる制御を行う構成とした位相補正回路を搭載したIC試験装置を提案する。
【0022】
この発明の請求項4では請求項2または3項記載のIC試験装置の何れかにおいて、ゲート制御手段は信号読取手段の論理値を読み取るレジスタによって構成した位相補正回路を搭載したIC試験装置を提案する。
【0023】
【作用】
この発明のタイミング校正方法及びこのタイミング校正方法によって校正動作する位相補正回路を搭載したIC試験装置によれば、主制御器はカウンタ及びレジスタを初期化した後にパターン発生器にパターン信号の発生命令を出力すれば、その状態からカウタンが1テスト周期ごとに、クロックを1個ずつ計数し、その計数値を位相補正回路に入力し、計数値に従って位相補正回路の遅延時間を遅れ方向または進み方向に徐々に変化させる。遅延時間が変化するごとに信号読取回路の出力の論理値が反転するか否かを監視し、信号読取回路の出力の論理値が反転したことによりゲートを閉じてカウンタの動作を停止させれば、そのカウンタに計数された値が位相補正回路の求める遅延時間を決める校正値である。
【0024】
従って、この発明によれば主制御器はレジスタとカウンタをクリアして初期化する動作と試験パターン発生器にパターンの発生命令を出力する動作を1回だけ実行すれば、その後は各テスト周期ごとにパターン信号が発生し、そのパターン信号がクロックの計数値に従って漸次遅れ方向または進み方向に変化し、その位相の変化に伴って信読取手段が出力する論理値が反転したことにより、カウンタに対するクロックの供給を停止させることができ、自動的に位相補正回路の遅延時間の校正を完了することができる。
【0025】
よって、この発明によれば主制御器111は
▲1▼ レジスタの初期化(1μs )
▲2▼ カウンタの初期化(1μs )
▲3▼ パターン発生器にパターン信号の発生命令を出力する(1μs )の動作を1回だけ実行し、その後16回パターン信号を発生させればよいから、一つの位相補正回路10の遅延時間を校正するに必要な時間TMは一例として
TM≒(1+1+1+0.25×16)μs =448μs
となり、従来より大幅に時間を短縮ことができる利点が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明によるIC試験装置の要部の構成を示す。図5と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明は省略するが、この発明では位相補正回路10にカウンタ15と、ゲート16と、レジスタ17を設けた構成を特徴とするものである。
【0027】
カウンタ15はこの例では4つの出力端子Q0 〜Q3 を具備したカウンタを用いた場合を示す。このカウンタ15はクロック入力端子CKにクロックが1個入力されると、出力端子Q0 にH論理が出力され、2個目のクロックが入力されると出力端子Q0 がL論理に立下がり、代わって出力端子Q1 がH論理に立上がる。3個目のクロックが入力されると、出力端子Q0 とQ1 がH論理となる、いわゆるバイナリーカウンタを用いることができる。
【0028】
出力端子Q0 の出力を例えば100Psの遅延素子DY1の遅延時間を選択するか否かを制御するセレクタSE1の制御端子Sに入力し、出力端子Q1 の出力を200Psの遅延素子DY2の遅延時間を選択するか否かを制御するセレクタSE2の制御端子Sに入力し、出力端子Q2 の出力を400Psの遅延時間を選択するか否かを制御するセレクタSE3の制御端子Sに入力し、出力端子Q3 の出力を800Psの遅延時間を選択するか否かを制御するセレクタSE4の制御端子Sに入力する。
【0029】
従って、カウンタ15にクロックが1個入力されるごとに、可変遅延回路11はこの例では+100Psずつ遅延時間が増加する方向に変化し、16個目のクロックが入力されると最長遅延時間1500Psの遅延時間に設定される。
カウンタ15のクロック入力端子CKの入力側にはゲート16が設けられ、このゲート16によりクロックCK2の供給状態が制御される。つまり、ゲート16の一方の入力端子にはレジスタ17の出力端子Qから開閉制御信号が供給される。レジスタ17は例えばD型フリップフロップによって構成することができ、そのデータ入力端子Dに信号読取手段14が読み取った論理値を入力する。
【0030】
図2を用いてこの発明の要部の動作を説明する。図2はカウンタ15及びレジスタ17がクリアされた直後からゲート16が閉じるまでの様子を示す。カウンタ15及びレジスタ17がクリアされた時点ではカウンタ15の計数値は「0」である。従って、可変遅延回路11を構成するセレクタSE1〜SE4は全て入力端子Aを選択した状態に制御され、遅延時間は最小値τ0 となる。この結果、ドライバ116から出力されるパターン信号PTS−1はテスト周期TS−1の初期位相位置からτ0 だけ遅延したタイミングでH論理に立上がる。ストローブパルスSTBは設定された遅延時間T1 で信号読取手段14に入力されるから、信号読取手段14はH論理を読み込む。これにより信号読取手段14は図2Dに示すようにL論理を出力する。
【0031】
テスト周期TS−1で1個目のクロックCK2−1がゲート16を通じてカウンタ15に入力されると、セレクタSE1の制御端子SにH論理が入力され、遅延素子DY1を通過した信号を選択して取り出す状態に切り替わる。
この結果、可変遅延回路11の遅延時間はこの例ではτ0 +100Psとなる。その後、クロックCK2がカウンタ15に入力されるごとにカウンタ15の計数値が順次「2」,「3」,「4」・・・と+1ずつ増加し、これに伴って可変遅延回路11の遅延時間も+100Psずつ増加する方向に制御され、ドライバ116から出力されるパターン信号(図2B参照)の位相は順次遅れ方向にシフトされる。
【0032】
ストローブパルスSTBの位相設定値はT1 に固定されているから、パターン信号の立上がりのタイミングはクロックCK2の供給ごとにストローブパルスSTBの立上がりのタイミングに+100Psずつ順次近づいていくことになる。図2の例では8個目のクロックCK2−8が入力され、カウンタ15の計数値が「8」になり、可変遅延回路11の遅延時間がτ0 +800Psに達した状態でパターン信号PTS−9の立上がりのタイミングがストローブパルスSTBの立上がりのタイミングT1 より遅れた位相になった状態を示す。
【0033】
信号読取手段14がL論理を読み取ると、信号読取手段14はH論理を出力する。このH論理をレジスタ17にクロックCK1−9の立上がりのエッジで取り込むことにより、レジスタ17の出力はL論理からH論理に反転し、ゲート16を閉じる。この結果、9個目のクロックCK2−9はゲート16の通過を阻止され、カウンタ15の計数値は「8」の状態に維持される。これにより、位相補正回路10の遅延時間はτ0 +800Psの状態に校正されたことになる。
【0034】
なお、カウンタ15の計数動作はテスト周期TS−9で停止するが、パターン発生器112はパターン信号を16回出力し、一つの位相補正回路10の校正を終了する。
従って、この発明によれば
▲1▼ 主制御器111がカウンタ15の内容をクリアする時間を1μs ,
▲2▼ 主制御器111がレジスタ17の内容をクリアする時間を1μs ,
▲3▼ 主制御器111がパターン発生器112にパターン発生命令を出力し、パターンが発生され始めるまでの時間を1μs ,
▲4▼ パターン発生器112がパターン信号を16回続けて出力する時間を0.25×16=41μs ,
とすると、一つの位相補正回路10の遅延時間をストローブパルスSTBの位相に合わせる校正を行う時間は、
1+1+1+0.25×16=7μs
となる。
【0035】
従って、64端子分の位相補正回路10を校正するには
約7μs ×64=448μs
となり、従来の1088μs より約半分の時間で済むことになる。
図3にテストプロクラムTSPLGと、このテストプロクラムTSPLGの実行中に呼び出されて校正動作を実行する校正用プログラムCALPLGと、この校正用プログラムCALPLGから呼び出されてパターン発生器112を動作させるパターン発生用プロクラムPGPLGの概要を示す。
【0036】
テストプロクラムTSPLGの実行中に校正用プログラムCALPLGが読み出されると、校正用プログラムCALPLGが実行される。校正用プログラムCALPLGは、
▲1▼ 主制御器111がカウンタ15をクリアする。
▲2▼ 主制御器111がレジスタ17をクリアする。
【0037】
▲3▼ 主制御器111がパターン発生器112に校正用パターン発生命令を出力し、校正用パターンを発生させる。
を実行する。
▲4▼ パターン発生器112は校正用パターンを16回出力する。
を実行し、一つの位相補正回路10の校正を終了する。
【0038】
なお、上述ではカウンタ15のクリアに1μs ,レジスタ17のクリアに1μs ,パターン発生器112にパターン発生命令を入力し、パターンを発生させるまでの時間を1μs ,16回のパターン発生時間を0.25μs としたが、これらの各時間は一例であり、必ずしもこの時間に限定されるものでないことは容易に理解できよう。
【0039】
また、上述ではカウンタ15を加算カウンタとした場合を説明したが、減算カウンタを用いることにより、位相補正回路10の遅延時間を最大遅延時間から漸次減少させる方向にシフトさせる構成も採ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば位相補正回路10にカウンタ15と、ゲート16及びレジスタ17を設けるだけの簡単な構成により、校正に要する時間を半減することができる。従って、テストプログラムTSPLGの中に校正用プログラムCALPLGが多数回にわたって呼び出しされても校正に要する時間が短くて済むため、テスト時間も短くできる利点が得られ、スループットの向上が達せられる大きな利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の要部の構成を説明するためのブロック図。
【図2】図1の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図3】この発明によるIC試験装置を動作させるためのプログラムの概要を説明する流れ図。
【図4】IC試験装置の概要を説明するためのブロック図。
【図5】図4に示したIC試験装置の波形フォーマッタに設けられる位相補正回路の構成及び動作を説明するためのブロック図。
【図6】図5に示した位相補正回路の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図7】従来のIC試験装置で用いられているテストプログラムと、校正用プログラム、パターン発生用プログラムの概要を説明するための図。
【符号の説明】
10 位相補正回路
11 可変遅延回路
SE1〜SE4 セレクタ
DY1〜DY4 遅延素子
13 リレーマトリクス
14 信号読取手段
15 カウンタ
16 ゲート
17 レジスタ

Claims (4)

  1. 被試験ICの各端子に与える試験パターン信号の位相を制御する位相補正回路の遅延時間を、順次1つの信号読取手段に供給するストローブパルスの制御手段が設定した印加タイミングの近傍に校正する校正方法において、
    それぞれの位相補正回路にカウンタを設け、このカウンタにテスト周期ごとに発生するクロックを計数させ、この計数値に従って上記位相補正回路の遅延時間を増加方向又は減少方向の何れか一方に変更させて上記位相補正回路を通過して上記信号読取手段に入力される試験パターン信号の位相を遅れ方向または進み方向の何れか一方にシフトさせ、上記信号読取手段の出力の論理が反転したことを検出して試験パターン信号の位相が上記ストローブパルスの印加タイミングを横切ったと判定させ、上記カウンタの計数動作を停止させることを特徴とするタイミング校正方法。
  2. A.遅延素子を通過した信号と遅延素子を通過しない信号の何れか一方を選択して出力するセレクタが複数縦続接続されて構成された位相補正回路を具備し、この位相補正回路の遅延時間に従って被試験ICの各端子に印加される試験パターン信号の位相を制御手段が設定した位相に設定するIC試験装置において、
    B.上記位相補正回路に設けられ、上記IC試験装置のテスト周期ごとに出力されるクロックを計数し、その計数値を上記位相補正回路を構成するセレクタに設定信号として与え、上記位相補正回路を通過する試験パターン信号の位相を上記テスト周期ごとに順次遅れ方向または進み方向に変化させる制御を行うカウンタと、
    C.このカウンタに供給するクロックを開閉制御するゲートと、
    D.上記位相補正回路を通過した試験パターン信号の論理値を順次制御手段が設定したタイミングで読み取る1つの信号読取手段と、
    E.この信号読取手段が読み取る論理値が一方の論理値から他方の論理値に転換したことを検出して、上記位相補正回路の遅延時間が上記信号読取回路の読み取りのタイミングに合致したものとして上記ゲートを閉じるゲート制御手段と、によって構成した位相補正回路を搭載したことを特徴とするIC試験装置。
  3. 請求項2記載のIC試験装置において、上記信号読取手段はストローブパルスの供給によって入力されている信号の論理が比較電圧より高いか低いかを判定して出力するコンパレータによって構成され、ストローブパルスの印加タイミングにおいて、上記信号読取手段が出力する論理値が反転したとき、上記ゲートを閉じる制御を行う構成とした位相補正回路を搭載したことを特徴とするIC試験装置。
  4. 請求項2または3項記載のIC試験装置の何れかにおいて、上記ゲート制御手段は上記信号読取手段の論理値を読み取るレジスタによって構成した位相補正回路を搭載したことを特徴とするIC試験装置。
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