JP4198046B2 - 電子弦楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子弦楽器に関し、特に、弦振動のピッチとエンベロープレベルを検出し、そのピッチとエンベロープレベルに応じた新たな楽音を形成するよう制御する電子弦楽器に関する。
特開平7−110687号公報(特許文献1)には、電子弦楽器などにおける弦振動をピックアップにて検出し、DSP(Digital Signal Processor)を用いてデジタル的にピッチ検出を行なうピッチ情報検出装置が開示されている。特許文献1に記載されるピッチ情報検出装置を有するギターシンセサイザーのような電子弦楽器では、ピッチ情報検出装置により検出されたピッチ情報と弦振動のエンベロープレベルに基づいて音源が駆動され、それによって新たな楽音の発音が行なわれる。
特開平7−110687号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるピッチ情報検出装置を有する電子弦楽器においては、所定の弦をフレット上で押圧して発音しているとき、フレットから指を離すと、弦の振動が停止されるが、その瞬間に少しピッチが下がる。これは、フレットに弦を押しつけていた時は、フレットを端点として弦が振動していたが、フレットから指を離すと弦がフレットから離れた瞬間に、弦に接触している指が振動の端点になるためである。
したがって、上記のような電子弦楽器は、このピッチが下降したことを検出し、音源から発生される楽音のピッチも下げることになる。弦の振動は、フレットから指が離されると急速にエンベロープレベルが小さくなるため、弦の振動のみが楽音として発生されている場合は、多少音程が下がっても問題にならないが、検出されたピッチに応じて発音するギターシンセサイザーの場合は、楽音の停止を指示された後のエンベロープレベルの減衰が緩やかな場合があり、音高が低くなった状態でエンベロープレベルが緩やかに減衰すると所望のピッチとは異なるので違和感があった。特に、和音で演奏しているような場合に指を離すと、各弦それぞれが異なるピッチだけ下降するので、和音の調和が取れないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、フレットから指が離された場合でも違和感のない音高の楽音を形成する電子弦楽器を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の電子弦楽器は、弦振動のピッチを所定時間毎に検出するピッチ検出手段と、その弦振動のエンベロープレベルを所定時間毎に検出するレベル検出手段と、前記ピッチ検出手段が検出したピッチを記憶するピッチ記憶手段と、前記レベル検出手段が検出したエンベロープレベルを記憶するレベル記憶手段と、(1)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記弦振動に応じて音源から出力される楽音を出力停止する第1レベルを超える一方で、その第1レベルよりも大きなレベルである第2レベルよりも小さい場合、又は、(2)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記第2レベルを超えるものの、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルと前記レベル記憶手段に記憶された前回検出されたエンベロープレベルとの差が予め定められた値より大きい場合には、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない一方で、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチと異なり、前記(1)および(2)以外の場合には、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行う音高指示手段とを備えている。
請求項2記載の電子弦楽器は、請求項1記載の電子弦楽器において、前記音高指示手段は、今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない場合、その時以降の所定期間は、前記ピッチ検出手段により検出される次回以降のピッチが前記今回検出したピッチと略同一であれば、前記ピッチ検出手段により検出される次回以降のピッチに対応する音高の指示を行わないものである。
請求項3記載の電子弦楽器は、弦振動のピッチを所定時間毎に検出するピッチ検出手段と、その弦振動のエンベロープレベルを所定時間毎に検出するレベル検出手段と、前記ピッチ検出手段が検出したピッチを記憶するピッチ記憶手段と、前記レベル検出手段が検出したエンベロープレベルを記憶するレベル記憶手段と、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより所定値以上に上昇した場合においては、その時以降に検出されたピッチに応じた音高の音高指示を行い、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより前記所定値以上に上昇したことがない場合においては、(1)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記弦振動に応じて音源から出力される楽音を出力停止する第1レベルを超える一方で、その第1レベルよりも大きなレベルである第2レベルよりも小さい場合、又は、(2)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記第2レベルを超えるものの、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルと前記レベル記憶手段に記憶された前回検出されたエンベロープレベルとの差が予め定められた値より大きい場合には、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わず、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチと異なり、前記(1)および(2)以外の場合においては、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行う音高指示手段とを備えている。
請求項4記載の電子弦楽器は、請求項3記載の電子弦楽器において、前記音高指示手段は、検出したピッチに対応する音高の指示を行わない場合、その音高の指示を行わない期間が所定期間を超えたときには、前記ピッチ検出手段により検出されたピッチに対応する音高の指示を行うものである。
請求項記載の電子弦楽器によれば、ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、ピッチ記憶手段に記憶された前回検出したピッチより略半音低く、且つ、レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、弦振動に応じて音源から出力される楽音を出力停止する第1レベルを超える一方で、その第1レベルよりも大きなレベルである第2レベルよりも小さい場合には、音高指示手段は、ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない。つまり、今回検出された弦振動のピッチが略半音下降し、且つ、今回検出されたエンベロープレベルが、楽音を停止する第1レベルを超えているものの、第2レベルより小さい場合には、そのピッチの下降は、弦楽器のフレットから指が離されることにより発生したものと判定して、音高指示手段は、ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない。
また、ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、ピッチ記憶手段に記憶された前回検出したピッチより略半音低く、且つ、レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、第2レベルを超えるものの、レベル記憶手段に記憶された前回検出したエンベロープレベルとの差が予め定められた値より大きい場合には、音高指示手段は、ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない。つまり、今回検出された弦振動のピッチが略半音下降し、且つ、今回検出したエンベロープレベルが、楽音を停止する第1レベルよりも大きな第2レベルを超えるものの、前回検出したエンベロープレベルに対して予め定められた値よりも大きく減衰していれば、そのピッチの下降は、弦楽器のフレットから指が離されることにより発生したものと判定して、音高指示手段は、ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない。
上述の通り、ピッチの下降が発生しても、その下降が、弦楽器のフレットから指が離されることにより発生したものと判定した場合には、音高指示手段は、ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない。つまり、弦楽器のフレットから指が離されることによりピッチの下降が発生した場合には、発生される楽音の音高を下降させることなく、その音高を一定に保つことができる。よって、弦楽器のフレットから指を離した場合に、発生される楽音の音高が不自然に下降してしまうことを防止することができるという効果がある。
請求項記載の電子弦楽器によれば、請求項記載の電子弦楽器の奏する効果に加え、今回検出されたピッチが略半音下降した場合、その時以降の所定期間は、ピッチ検出手段により検出される次回以降のピッチが今回検出したピッチと略同一であれば、音高指示手段は、次回以降のピッチに対応する音高の指示を行わない。よって、フレットから指を離したことにより検出されたピッチが下降した場合に、所定期間は音高の下降を防止することができるという効果がある。また、所定期間を、弦の振動がほぼ停止するまでの期間に設定することにより、音源には、フレットから指を離したことによる下降した音高の指示をすることなく楽音の停止を指示できるという効果がある。
請求項記載の電子弦楽器によれば、ピッチ検出手段により今回検出されたピッチが所定値以上上昇した場合は、その時以降にピッチが下降すると、検出されたピッチに対応する音高の指示を行う。よって、ビブラート演奏やハンマリングオンなどのように、演奏者が意図してピッチを所定値以上に上昇させた場合には、ピッチの変化が忠実に楽音に反映され、ピッチの下降がフレットから指を離したことによるものと誤ってされることを防止できるという効果がある。
一方、ピッチ検出手段により今回検出されたピッチが所定値以上上昇することがない場合においては、請求項1記載の電子弦楽器と同様に、弦楽器のフレットから指を離した場合に、発生される楽音の音高が不自然に下降してしまうことを防止することができるという効果がある。
請求項記載の電子弦楽器によれば、請求項記載の電子弦楽器の奏する効果に加え、音高指示手段は、今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない場合、その音高の指示を行わない期間が所定期間を超えたときには、ピッチ検出手段によりピッチが検出されると、そのピッチに対応する音高の指示を行う。よって、フレットから指が離されたのではなく、トリルなどの演奏が行われた場合にも、所定期間を経過した以降は、演奏による音高変化に音源の音高変化を追従させることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の電子弦楽器1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ピックアップ4によって検出された弦の振動は、アンチエイリアス用のローパスフィルタ(LPF)6を介してA/D変換器(A/D)8に供給される。A/D変換器は、所定のサンプリング周期(例えば32KHz)で弦振動をデジタル化し、デジタル弦信号としてDSP10に供給する。なお、図1には、ピックアップ4と、LPF6と、A/D変換器8とを示したが、実際には、これらは電子弦楽器1の全ての弦にそれぞれ設けられ、デジタル化された各弦の信号がそれぞれDSP10に供給される。DSP10は、各弦について、ピッチおよびエンベロープレベルを検出し、これらの検出値をCPU50に供給する。
CPU50は、これらの検出値を入力し、所定の処理を行って、MIDIインタ−フェイス58を介して、ノートオン、ノートオフ、ベンドなどのMIDIメッセージを出力する。これらのMIDIメッセージは、図示しない音源に入力され、音源は、これらのメッセージに対応する楽音を発生する。
ROM52は、このCPU50が実行するプログラムや、検出されたピッチと音階との対応関係を示すテーブルや固定値などを記憶するものである。RAM54は、CPU50がプログラムを実行する際に使用するワークエリアとして使用される読み書きのできるメモリであり、後述する各種フラグが記憶されたり、リングバッファとして使用される。
操作子56は、演奏者が各種パラメータを設定するもので、音量を設定するボリュームや、音色を選択するスイッチなどが備えられ、CPU50がこれらの操作子の設定状態を読み込んで音源に送るMIDIメッセージのパラメータを制御する。
以下の説明では、一つの弦から得られるデジタル弦信号について説明するが、他の弦についてはそれぞれ独立して同じ処理が行われるものである。
図2は、DSP10の処理機能を説明するもので、図3に示すDSP10の各部の波形と対比しながら説明する。A/D変換器8から供給されたデジタル弦信号は、乗算器11、12、13、14、15と、1サンプル遅延回路16、17、18、19と、加算器20とによって構成されるローパスフィルタ21に供給される。このローパスフィルタ21は、デジタル弦信号を波形成形するために設けられている。このローパスフィルタ21の出力信号は、正のピーク検出手段22と、負のピーク検出手段24とに供給される。正のピーク検出手段22は、加算器26を有し、この加算器26の減算入力端子にローパスフィルタ21の出力信号が供給されている。この加算器26の出力信号には、乗算器28によって係数Kが乗算される。この係数(0<K<1)は、制御部30から供給される。制御部30は、加算器26の出力信号が負のとき、大きな値のK(例えば、0.99)を乗算器28に供給し、加算器26の出力信号が正のとき、小さな値のK(例えば、0.01)を乗算器28に供給する。
この乗算器28の出力信号は、加算器32の減算入力端子に供給され、この加算器32の出力信号は、1サンプル遅延回路34(遅延回路34)に供給され、この遅延回路34の出力信号は、加算器32の加算入力端子に供給されている。また、この遅延回路34の出力信号は、加算器26の加算入力端子にも供給されている。従って、これら加算器26、32と、乗算器28と、遅延回路34とは、回帰型デジタルフィルタを構成している。
ピーク検出手段22において、Kの値が0に近ければ、加算器26の出力は、入力値と今までの積分値(現サンプルまでの積分値)との差に近い値となり、Kの値が1に近ければ、加算器26の出力は、入力値とその1サンプル前の値との差に近い値になる。
ここで、仮に、図3Aに示すような正弦波信号がローパスフィルタ21から加算器26に入力された場合、当初には遅延回路34の出力は零であるので、加算器26の出力は、零から入力正弦波を減算した値となり、これは、図3Bに示すように負となる。従って、Kの値は大きく、例えば1に近い値となる。そのため、積分回路の積分作用が小さくなり、図3Cに示すように、正弦波の値が大きくなるに従って、加算器32の出力も大きくなる。この加算器32の出力を遅延回路34で1サンプル遅延させた信号から入力正弦波を減算した加算器26の出力は、入力正弦波が正のピークに到達するまでは負の値を維持する。
入力正弦波が正のピークに到達し、以後、入力正弦波の値が小さくなると、加算器26の出力信号が負から正に変化し、Kの値は0に近い値となる。これによって積分回路の積分作用が大きくなり、加算器32の出力信号は、図3Bに示すように、入力正弦波の正のピーク値までを積分した値から徐々に値が小さくなっていく。これは、Kの値が完全に1ではないからである。この間、加算器32の出力の遅延回路34による遅延出力(正の値)から、入力正弦波(正のピークから値が減少しつつある)を加算器26によって減算するので、加算器26の出力は正の値を維持している。
そして、入力正弦波が負のピークを越えて、増加に転じると、加算器26の出力も正の値であるが、減少を始め、入力正弦波が負から正に変わった頃に、加算器26の出力は負の値となる。これによって、Kの値は1に近い値となり、積分回路の積分機能は小さくなり、加算器32の出力は入力正弦波に追従して値が大きくなる。この間、加算器26の出力は負の値を維持し、入力正弦波が正のピークに到達すると、加算器26の出力は負から正に変化する。
以下、同様にして動作するので、入力正弦波の正のピークが、加算器26の出力の負から正への変化点(零クロス点)に対応する。
また、ピーク検出手段24は、ピーク検出手段22とほぼ同様に構成されている。同等部分には、同一符号の末尾にaの符号を付して、その説明を省略する。但し、ピーク検出手段22では、加算器26の減算入力端子にデジタル弦信号を、加算端子に遅延回路34の出力信号が供給されていたのに対し、ピーク検出手段24では、加算器26aの2つの加算入力端子に遅延回路34aの出力信号及びデジタル弦信号が供給されている点で異なる。これは、ローパスフィルタ21の出力信号の負のピークを検出するためである。
なお、参考のため、図3Dに加算器26aの出力を、図3Eに加算器32aの出力を示す。図3D及び図3Eからも、加算器26aの出力が負から正に変化する変化点(零クロス点)が、入力信号のピークに対応することが判る。
これらのピーク検出手段22、24の出力信号は、ピッチ測定手段36に供給される。ピッチ測定手段36は、零クロス検出手段38、40(ゼロクロス38、40)を有し、零クロス検出手段38は、ピーク検出手段22からの出力信号を受け、これが負から正に変化する零クロスのとき、出力信号を発生する。同様に、零クロス検出手段40は、ピーク検出手段24からの出力信号を受け、これが負から正に変化する零クロスのとき、出力信号を発生する。
零クロス検出手段38の出力信号は、SRフリップ・フロップ42のR入力端子に供給され、零クロス検出手段40の出力信号は、SRフリップ・フロップ42のS入力端子に供給されている。従って、このSRフリップ・フロップ42のQ出力端子は、図3Fに示すように、ローパスフィルタ21の出力信号の負のピークから正のピークへ向かうまでの間、出力信号を発生する。
このSRフリップ・フロップ42の出力信号は、カウント手段4(カウンタ4)に供給される。カウント手段4は、SRフリップ・フロップ42のQ出力端子のハイの期間およびローの期間のサンプル数をカウントする。このカウント値によって弦の振動のピッチを検出することができる。但し、サンプル数は、サンプリング周波数による分解能しか持たないため、ピッチ検出の精度が不足する場合がある。そのような場合には、上記したような零クロス検出において、サンプル間の補間をし、サンプル数の少数部分として拡張すればよい。このようにして検出されたピッチは、PITCH出力からバスを介してCPU50に供給され、SRフリップ・フロップ42の出力信号Fは、CPU50に対する割り込み信号INTとして供給される。
一方、A/D変換器8から供給されたデジタル弦信号は、エンベロープフォロア46に入力され、エンベロープレベルが検出される。このエンベロープフォロア46は、供給されたデジタル弦信号を整流し、さらに積分するものであって、検出されたエンベロープレベルは、ENV出力からバスを介してCPU50に供給される。
次に、図4を参照して、フレット付きの弦楽器における弦振動のピッチとエンベロープレベルの変化について説明する。図4は、所定の弦がフレット上で指で押さえられている状態で弦がはじかれて振動を開始し、その指がフレットから離されること(以下、指離しという)により消音されるまでの時間経過に従って、エンベロープレベル(a)とピッチ(b)が変化する様子を同じ時間軸を用いて対比して表すものである。時刻0に弦がはじかれるとエンベロープレベル(a)は、急激に大きくなり、最大レベルに達するとすぐに減衰が始まる。一方ピッチ(b)は、時刻0から時刻t1までの間、変動する。時刻t1を過ぎると、エンベロープレベルは、ゆっくり減衰を始め、ピッチは一定値を保つ。時刻t2に、所定のフレットを押さえていた指が離されると、ピッチが下がり初め、続いてエンベロープレベルが、急速に減衰し始める。時刻t3に至ると、エンベロープレベルは、ほぼ0になり、ピッチは約半音下がる。
しかしながら、上記のような典型的な指離しにより略半音ピッチが下降する場合もあるが、フレットから指を離す速さや、その時の弦の振幅の大きさや弦の太さなどにより、種々の場合がある。比較的、エンベロープレベルが大きい状態で、ピッチが略半音降下し、エンベロープレベルも減衰する場合もある。
本発明は、このような弦の振舞いに着目し、フレットから指が離される際に、エンベロープレベルとピッチの変化に基づいて、ピッチが下がっても、音源から発生される楽音は、違和感のない音高の楽音を形成するよう制御するものである。以下、CPU50が実行する処理について、フローチャートを参照して説明する。
図5は、DSP10のSRフリップ・フロップ42の出力信号により起動される割り込みルーチンを表すフローチャートである。この電子弦楽器の電源が投入されることにより起動されるメインルーチンは、図示しないが、メインルーチンでは、操作子56により設定されたパラメータを読み込んだり、ここで説明する割り込みルーチンを受け付けるように設定するなどの処理を行う。このメインルーチンは、本発明の要旨ではないので、その説明を省略する。
この割り込み処理では、まず、エンベロープフォロア46が供給するエンベロープレベルをリングバッファAに記憶する(S2)。このリングバッファAは、検出されたエンベロープレベルの値を数十個記憶するものであり、RAM54の内部に記憶領域が設定されている。
次にフラグであるGATEが1に設定されているか否かを判断する(S4)。フラグGATEが1ではない場合(S4:No)は、リングバッファAを調べ、エンベロープレベルが急激に大きくなったかを否かを判断する(S6)。エンベロープレベルが急激に大きくなったと判断した場合(S6:Yes)は、フラグGATEを1に設定し(S8)、ピッチが確定したか否かを判断する(S10)。このピッチが確定したか否かを判断する処理は、カウント手段43がカウントした値が、安定した値を供給するようになったか否かを判断するものであるが、本発明の要旨ではないので、詳細な説明は省略する。
ピッチが確定したと判断した場合(S10:Yes)は、フラグであるNoteStateを1に設定し(S12)、その確定したピッチに対応する音階(ノートナンバー)と、エンベロープレベルに対応するベロシティ値を取得し、これらのパラメータを含むノートオンメッセージをMIDIインターフェイス58から出力する(S14)。確定したピッチに対応する音階は、ROM52に記憶されているピッチと音階の関係を表すテーブルから読出すことにより取得される。また、ピッチが確定した時は、すでにエンベロープレベルが最大値をとっていることがあるので、ベロシティ値は、リングバッファAに記憶されているエンベロープレベル値のうち最大値に基づいて決定される。この処理は、図4に示されるほぼ時刻t1に行われるもので、ピッチは不安定であるが、極力早く確定するのが望ましい。
次にピッチ変化防止カウント値、指離し処理カウント値およびベンドダウン値を「0」にセットし、リングバッファBをクリアする(S15)。ピッチ変化防止カウント値、指離し処理カウント値、ベンドダウン値およびリングバッファBについては、後述する。
なお、S6の処理で、エンベロープレベルが急激に大きくなったと判断しなかった場合(S6:No)とS10の処理でピッチが確定されなかったと判断した場合(S10:No)は、このルーチンを終了する。
S4の処理で、フラグGATEが1に設定されていると判断した場合(S4:Yes)は、リングバッファAを調べ、エンベロープレベルが所定の閾値Aより小さくなったか、またはエンベロープレベルは閾値Aより大きくても減衰が急であるか否かを判断する(S16)。エンベロープレベルが閾値Aより小さくなった、またはエンベロープレベルは閾値Aより大きいが減衰が急であると判断した場合(S16:Yes)は、フラグGATEを「0」に設定する(S18)。
次に、フラグNoteStateが1に設定されているか否かを判断する(S20)。フラグNoteStateが1に設定されていないと判断した場合(S20:No)は、このルーチンを終了する。これは、一度エンベロープレベルが急激に大きくなったが、すぐに小さくなった場合であり、ノイズなどが入力されたためである。
一方、S20の処理で、フラグNoteStateが1に設定されていると判断した場合(S20:Yes)は、フラグNoteStateを0に設定し(S22)、今回検出したピッチの値とリングバッファBに記憶されたピッチの値とを比較し、ピッチが略半音下降したか否かを判断する(S24)。このリングバッファBは、RAM54の内部に記憶領域が設定されているもので、後述するS37の処理において、送信されたベンド情報として記憶されたものである。また、比較されるのは、リングバッファBに記憶された所定周期前に検出されたベンド情報の値に対応するピッチの値であり、略半音下降とは、そのピッチの値の70セント低いピッチから130セント低いピッチまでの範囲に下降することである。なお、100セントは、半音である。
この判断において、今回検出されたピッチは、略半音下降したと判断した場合(S24:Yes)は、その所定周期前に検出されたピッチに最も近い音階の音高をROM52に記憶されているピッチと音階との関係を表すテーブルから読出すことによりクオンタイズし、その音高に対応するベンド情報を送信する(S26)。次に、ノートオン情報に含まれていたノートと同じノートのノートオフ情報を送信する(S28)。この処理は、図4における時刻t2の少し後の時刻に行われる処理である。このことにより、音源は、発音していた楽音の減衰を開始すると共に、その楽音の音高は、ベンド情報により指示される音階の音高に設定されることになる。なお、ベンド情報は、ノートオン情報に含まれるノートが示す音階のピッチと実際に発音させたいピッチとの差を表す情報である。
S24の処理で、今回検出されたピッチは、略半音下降したと判断しなかった場合(S24:No)は、S28のノートオンを送信したノートと同じノートのノートオフ情報を送信する処理を行ってこの処理を終了する。
一方、S16の処理で、エンベロープレベルが閾値Aより大きく、且つ減衰が急ではないと判断した場合(S16:No)は、ピッチが確定したか否かを判断する(S30)。ピッチが確定していないと判断した場合(S30:No)は、何もせずにこの処理を終了し、ピッチが確定したと判断した場合(S30:Yes)は、フラグNoteStateが1か否かを判断する(S32)。このフラグNoteStateが1ではない場合(S32:No)は、エンベロープレベルは急激に大きくなったが、まだピッチが確定されていなかったということであるので、フラグNoteStateを1に設定し(S38)、その確定したピッチに対応する音階(ノートナンバー)と、エンベロープレベルに対応するベロシティ値を得、これらのパラメータを含むノートオンメッセージをMIDIインターフェイス58から出力する(S40)。次にピッチ変化防止カウント値、指離し処理カウント値およびベンドダウン値を「0」にセットし、リングバッファBをクリアする(S41)。ピッチ変化防止カウント値、指離し処理カウント値およびベンドダウン値については、後述する。
S32の処理でNoteStateが1であると判断した場合(S32:Yes)は、今回検出したピッチが前回検出したピッチ(リングバッファBに記憶)と比較し、変化したか否かを判断する(S33)。ピッチが変化していないと判断した場合(S33:No)は、この処理を終了し、ピッチが変化したと判断した場合(S33:Yes)は、指離しベンドダウンか否かを判断する(S34)。この判断処理については、その詳細を図6および図7に記載のフローチャートを参照して後述する。この判断処理において、指離しベンドダウンであると判断した場合(S34:Yes)は、この処理を終了し、指離しベンドダウンではないと判断した場合(S34:No)は、今回検出されたピッチに対応するベンド情報を音源へ送信し(S36)、このベンド情報をRAM54に設けられたリングバッファBに記憶し(S37)この処理を終了する。このリングバッファBは、リングバッファAと同様に送信されたベンド情報を順次記憶するもので、数十個のベンド情報を記憶する領域が確保されている。
図6に記載のフローチャートは、上記S34の処理の第1の実施例であり、図7に記載のフローチャートは上記S34の処理の第2の実施例を表すものである。これらの処理では、ピッチが変化した原因が、フレットから指が離されたためなのか、ビブラートや、トレモロアームが操作されたためなのかを種々の状態に基づいて判断し、フレットから指が離されたと判定した場合は、音高を変更しないように制御し、指が離されたのではないと判定した場合は、変化したピッチに追従して音高を制御する。
まず、図6に記載された第1の実施例について説明する。今回検出されたピッチは、ベンドダウン値に対応するピッチと略同一か否かを判断する(S50)。このベンドダウン値は、RAM54に記憶され、前述の通りノートオン情報を音源へ送信したときに初期化されたもので、後述するS68の処理で更新記憶される値である。次にピッチ変化防止カウントを初期化(0に設定)する。このピッチ変化防止カウントの値もRAM54に記憶されるものである。
S50の判断処理で、今回検出したピッチは、ベンドダウン値と略同一ではないと判断した場合(S50:No)は、ピッチ変化防止カウントを初期化し(S56)、続いてリングバッファBから前回送信されたベンド情報を読出し(S58)、今回検出されたピッチが、そのベンド情報に対応するピッチより略半音下降したか否かを判断する(S60)。略半音下降とは、ベンド情報に対応するピッチより70セント低いピッチとベンド情報に対応するピッチより130セント低いピッチの範囲に下降することである。
今回検出されたピッチがベンド情報に対応するピッチより略半音下降したものである場合(S60:Yes)は、今回検出されたエンベロープレベルが、所定の閾値Bより小さいか否かを判断する(S62)。なお、この閾値Bは、閾値Aより大きいエンベロープレベル値である。この今回検出されたエンベロープレベルが閾値Bより小さい場合(S62:Yes)、または、今回検出されたエンベロープレベルが閾値Bより大きい場合(S62:No)であって、前回検出されたエンベロープレベルとの差が所定の閾値より大きい場合(S64:Yes)は、今回検出されたピッチに対応するベンド情報をベンドダウン値として記憶する(S68)。すなわち、今回検出されたピッチが前回のピッチより下降したものであって、その差が所定の閾値より小さく、今回検出されたエンベロープレベルが、閾値Bより小さいか、今回検出されたエンベロープレベルの減衰が大きい場合は、そのピッチの値に対応するベンド値をベンドダウン値として記録し、音源には音高の指示を行わない。従って、検出されたピッチが下降しても、音源から発生される楽音のピッチは下降しないことになる。
一方、S50の判断処理で今回のピッチがベンドダウン値として記憶されたピッチと略同一であると判断した場合(S50:Yes)は、ピッチ変化防止カウントをインクリメントし(S52)、そのインクリメントした値がオーバーフローしたか否かを判断する(S54)。オーバーフローした場合(S54:Yes)は、S56へ進み、オーバーフローしていない場合(S54:No)は、指離しベンドダウンであるとしてこのルーチンを終了する。この処理では、検出されたピッチが一度下降した後、ピッチが安定していれば、その期間は、指離しにより検出されたピッチが下がったものと判断して検出されたピッチに対応する音高の指示を行わない。従って、音源から発生される楽音のピッチは下降しない。しかし、この期間がピッチ変化防止カウントでカウントされる期間を越えた場合は、再び検出されたピッチがリングバッファBに記憶された以前のピッチと比較される。ピッチが下降した原因が指離しであれば、この期間の間にエンベロープレベルが急速に減衰するので、減衰した時点で図5に示されるフローチャートのS16の判断がYesとなりノートオフの処理が行われ、音源から発生される楽音のピッチは、音階の音高に指示される。
一方、指離しではなく、トリルやビブラートなどの演奏が行われた場合は、再度検出されたピッチに追従して音源のピッチを制御するようにするものである。ここで、トリル演奏とは、押圧しているフレットの隣のフレットを指で素早く押さえたり(ハンマリングオン)離したり(プリングオフ)する奏法で、ビブラートは、押圧しているフレット上で弦を押し上げたり押し下げたりする奏法である。
S60の判断処理で、今回検出されたピッチがベンド情報に対応するピッチより略半音下降したものではない場合(S60:No)、またはS64の処理において前回検出されたエンベロープレベルとの差が所定の閾値より小さい場合(S64:No)は、RAM54に記憶されているベンドダウン値を0に初期化し(S70)、指離しベンドダウンではないと判断したので、今回検出されたピッチの値に対応するベンド情報を音源に送信し、その送信したベンド情報をリングバッファBに記憶して(S37)この割込処理を終了する。
従って、トリル演奏やビブラート演奏やトレモロアームが操作されたことなどが原因で検出されたピッチが下降した場合は、検出されたピッチに追従して音源のピッチも変更される。
上記実施例1では、今回検出したピッチが前回のピッチより所定範囲以内で下降したか否かを検出し、所定範囲以内で下降した場合は、エンベロープレベルに基づいて指離しベンドダウンか否かを判断したが、トリル演奏やビブラート演奏などの場合には、指離しの場合に近いピッチとエンベロープの振る舞いをする場合がある。特にゆるくプリングオフした場合には、指離しの場合に酷似したピッチとエンベロープレベルの振る舞いをする。そのため、トリル演奏やビブラート演奏を指離しと誤って検出する可能性がある。
そこで、次に説明する第2実施例では、今回検出したピッチが前回検出したピッチより所定範囲以上に上昇したか否かを判断し、所定範囲以上にピッチが上昇した場合は、ビブラート演奏あるいはベンド演奏が行われたものとして、それ以降はピッチが下降した場合であっても検出されたピッチに追従するようにする。
さらに、ピッチが所定範囲以上に上昇したことがない場合であって、ピッチが略半音下降し、指離しと判断された場合は、所定期間、検出されたピッチに対応する音高の指示を行わないようにし、さらに、その所定期間経過後は、指離しと判断しないようにすることで、トリル演奏などの場合に、最初ピッチが下げられた場合には、指離しと判断されて、音源から発生される楽音のピッチは下げられないが、所定期間後には、ピッチが下がる方向にも追従するようになるので、演奏上の問題は殆どない。
図7は、上記処理を表すフローチャートで、まず、指離し処理カウントがオーバーフローしているか否かを判断する(S80)。指離し処理カウントがオーバーフローしていると判断した場合(S80:Yes)は、指離しによるベンドダウンではないという判断であり、図5に示すフローチャートのS36へ進む。
S80の判断処理で、指離し処理カウントがオーバーフローしていないと判断した場合(S80:No)は、リングバッファBから前回S37の処理で送信したベンド値を読出し(S82)、今回検出したピッチが、前回送信したベンド値に対応するピッチより所定値以上上昇したか否かを判断する(S84)。この所定値は、例えば50セントである。所定値以上上昇したと判断した場合(S84:Yes)は、指離しカウントをオーバーフローさせる(S90)。ここで、オーバーフローさせるとは、カウンタが所定ビットより構成され、最上位ビットが1に設定されるとオーバーフローしたものとし、オーバーフローさせるとは、その最上位ビットを1に設定することである。
S84の処理で、今回検出したピッチが、前回送信したベンド値に対応するピッチより所定値以上上昇したのではないと判断した場合(S84:No)は、指離しされたとして図6に示すフローチャートのS50の処理へ進む(S86)。このS86の処理は、図6に記載のフローチャートを含むもので、S86の分岐のYesが、図6に記載のフローチャートの出口である「指離しベンドダウン」に該当し、S86の分岐のNoが、図6に記載のフローチャートの出口である「指離しベンドダウンではない」に該当する。
図6のフローチャートの処理により指離し処理ベンドダウンと判断された場合(S86:Yes)は、指離し処理カウントをインクリメントし、この処理を終了する。図6のフローチャートの処理で指離しベンドダウンではないと判断した場合(S86:No)は、図7のフローチャートを終了し、図5のフローチャートのS36の処理へ進む。
従って、今回検出されたピッチが所定値以上上昇した場合には、それ以降指離しとは判断されない。また、検出されたピッチが所定値以上上昇したことがない場合には、指離しであると判断されることがあるが、指離しであると判断され、所定期間を経過した後は、指離しと判断されることはない。
以上、実施例を用いて説明したように、エンベロープレベルが比較的大きい状態でピッチが略半音下降し、エンベロープレベルが所定値より低いか急激に減衰した場合は、図6に記載のフローチャートに従って、ピッチが下降しないように制御され、さらにエンベロープレベルが減衰して、図5に記載のフローチャートのS24の処理において所定時間前のピッチから略半音下降したと判断された場合は、その所定時間前のピッチに近い音階のピッチに修正されることになる。この場合には、ピッチが下降を開始する直前のピッチが維持され、最終的に音階のピッチにクオンタイズされるので、ピッチの変動が最小限に押さえられる。
一方、エンベロープレベルが比較的大きい状態で指離しをしたにもかかわらず指離しと判断されなかった場合には、ピッチが少し下げられ、エンベロープレベルが減衰した段階で、図5に記載のフローチャートのS24の処理により指離しと判断されて所定時間前のピッチに近い音階上のピッチに戻される。
なお、請求項1記載の発音開始指示手段は、図5に記載のフローチャートのS14およびS40が該当し、発音停止指示手段は、同図、S28が該当し、音高指示手段は、同図、S26およびS36が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例における図5に示すフローチャートのS26の処理では、前に検出されたピッチをそのピッチに近い音階の音高にクオンタイズし、そのクオンタイズした音高に対応するベンド情報を送信するものとしたが、クオンタイズせずに、前に検出したピッチに対応するベンド情報を送信してもよい。
また、リングバッファBには、送信したベンド情報を記憶するものとしたが、ベンド情報に対応するピッチ、または、ピッチ検出手段により検出され、確定されたピッチを記憶するようにしてもよい。
また、図6に記載のフローチャートのS58、S60の処理で、今回のピッチがリングバッファに記憶された前回送信したベンド値より略半音下降したか否かを判断するようにしたが、ここでは処理の負荷を抑えるために簡単な方法としているのであり、CPUの能力が十分に高い場合には、リングバッファに記憶されている所定時間内のベンド値と比較して判断してもよく、このようにすると指離し検出制度の一層の向上が期待できる。
本発明の電子弦楽器1の構成を示すブロック図である。 DSPの処理機能を説明する図である。 DSPにおいて処理された各部の波形を示す図である。 弦振動のピッチとエンベロープレベルの変化を表す図である。 CPUの割り込みルーチンを表すフローチャートである。 図5に示されるフローチャートの詳細であって実施例1を表すフローチャートである。 実施例2の処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1 電子弦楽器
10 DSP
44 カウンタ(ピッチ検出手段)
46 エンベロープフォロア(レベル検出手段)
50 CPU
52 ROM
54 RAM(ピッチ記憶手段、レベル記憶手段)

Claims (4)

  1. 弦振動のピッチを所定時間毎に検出するピッチ検出手段と、
    その弦振動のエンベロープレベルを所定時間毎に検出するレベル検出手段と、
    前記ピッチ検出手段が検出したピッチを記憶するピッチ記憶手段と、
    前記レベル検出手段が検出したエンベロープレベルを記憶するレベル記憶手段と、
    (1)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記弦振動に応じて音源から出力される楽音を出力停止する第1レベルを超える一方で、その第1レベルよりも大きなレベルである第2レベルよりも小さい場合、
    又は、
    (2)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記第2レベルを超えるものの、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルと前記レベル記憶手段に記憶された前回検出されたエンベロープレベルとの差が予め定められた値より大きい場合は、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない一方で、
    前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチと異なり、前記(1)および(2)以外の場合には、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行う音高指示手段とを備えていること特徴とする電子弦楽器。
  2. 前記音高指示手段は、今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わない場合、その時以降の所定期間は、前記ピッチ検出手段により検出される次回以降のピッチが前記今回検出したピッチと略同一であれば、前記ピッチ検出手段により検出される次回以降のピッチに対応する音高の指示を行わないものであることを特徴とする請求項1に記載の電子弦楽器。
  3. 弦振動のピッチを所定時間毎に検出するピッチ検出手段と、
    その弦振動のエンベロープレベルを所定時間毎に検出するレベル検出手段と、
    前記ピッチ検出手段が検出したピッチを記憶するピッチ記憶手段と、
    前記レベル検出手段が検出したエンベロープレベルを記憶するレベル記憶手段と、
    前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより所定値以上に上昇した場合においては、その時以降に検出されたピッチに応じた音高の音高指示を行い、
    前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより前記所定値以上に上昇したことがない場合においては
    (1)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記弦振動に応じて音源から出力される楽音を出力停止する第1レベルを超える一方で、その第1レベルよりも大きなレベルである第2レベルよりも小さい場合、
    又は、
    (2)前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが、前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチより略半音低く、且つ、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルが、前記第2レベルを超えるものの、前記レベル検出手段が今回検出したエンベロープレベルと前記レベル記憶手段に記憶された前回検出されたエンベロープレベルとの差が予め定められた値より大きい場合は、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行わず、
    前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチが前記ピッチ記憶手段に記憶された前回検出されたピッチと異なり、前記(1)および(2)以外の場合においては、前記ピッチ検出手段が今回検出したピッチに対応する音高の指示を行う音高指示手段とを備えていること特徴とする電子弦楽器。
  4. 前記音高指示手段は、検出したピッチに対応する音高の指示を行わない場合、その音高の指示を行わない期間が所定期間を超えたときには、前記ピッチ検出手段により検出されたピッチに対応する音高の指示を行うものであること特徴とする請求項3記載の電子弦楽器。

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