JP4197940B2 - 内燃機関用の消音器 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、二輪自動車や原動機付自転車(以下、「オートバイ」と総称する。)、普通自動車等の内燃機関の排気系に装着されて、内燃機関から排出される排ガスを消音して大気中に放出せしめる消音器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
オートバイや普通自動車等の内燃機関においては、その燃焼室内でガソリン等の燃料と空気の混合気を高圧で燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを発生させ、該燃焼ガスの膨張作用を利用してピストン等を駆動せしめることにより原動力(出力)が得られるようになっており、その際に使用した燃焼ガスは排ガスとして排気ポートから排気管と消音器を通じて外部に排出されることにより、排ガスの低温化や低音化、低圧化等が図られている。
【0003】
そこにおいて、かかる消音器の構造の一種としては、例えば、特許文献1や特許文献2等にも示されているように、外側筐体としてのハウジングに内部管体としてのインナパイプを内挿配置させると共に、該インナパイプの管壁に多数の貫通孔を形成することにより、インナパイプを通じて導かれた排ガスの圧力や温度を低下させると共に、圧力変動や空気共鳴,干渉等の作用を利用して排気音を低減せしめたものが、知られている。
【0004】
ところで、このような消音器においては、上記特許文献1,2にも記載されているように、インナパイプに設ける貫通孔の大きさや開口位置、数等の設定が重要であり、該貫通孔の大きさや開口位置、数等によって排気音だけでなく内燃機関の出力特性さえ異なってくる。それ故、インナパイプに設けた貫通孔の大きさや位置等を変更することにより、内燃機関における稼動時の排気音だけでなく、装着された内燃機関の出力特性が変化することから、インナパイプに設ける貫通孔は、ユーザの嗜好の他、装着する内燃機関の種類や大きさ、要求される特性等に応じて適宜に変更設定されることが望ましい。
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1,2を含む従来構造の消音器では、インナパイプに対して、多数の貫通孔が、予め設定された大きさや位置をもって固定的に形成されていることから、例えば、ユーザが、自身の排気音の嗜好に基づいてインナパイプにおける貫通孔の大きさや位置、全体的な数等を調節することが現実的ではなく、一度装着した消音器の排気音を変更設定することが難しいという問題があった。特に、消音器はオートバイ等に装着して初めて排気音が判るものであって、購入前に充分に排気音まで検討することが出来ないのが実情であり、これでは、ユーザの要求を満足させることが困難であるという問題を内在していた。しかも、車両本体に対する荷物やオプション品等の取付けの有無や、天候や路面状況が変化する場合、或いは内燃機関の負荷の変化の程度等に応じて、排気効率ひいては出力特性のチューニングが容易には実現され難いという問題があったのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−47910号公報
【特許文献2】
特開2002−266624号公報
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、排気音や排気効率等のチューニングを、後から簡単な工具を用いて手作業等で容易に行うことの出来る、新規な構造の内燃機関用の消音器と、かかる消音器の有利な製造方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
先ず、本発明の第一の態様は、外側筐体における密閉状の中空内部に内部管体を配設すると共に、該内部管体の管壁に多数の小孔を形成してなり、内燃機関の排ガス管路に接続されることにより該内燃機関からの排ガスが該内部管体を通って大気中に放出せしめられる内燃機関用の消音器であって、前記内部管体における前記多数の小孔の少なくとも一つを未完全に貫通形成することにより閉塞状態とし、手作業での操作により開口可能とすることによって、該小孔の開口を閉塞状態から開口状態に、復元可能に又は復元不能に変更する開口調節手段を構成した内燃機関用の消音器を、特徴とする。
【0010】
このような本態様に従う構造とされた内燃機関用の消音器においては、小孔の開口を後から変更することが出来ることから、ユーザの好みや内燃機関の特性等を考慮して、排気効率や排気音等をユーザ個人やディーラ、パーツ販売店、整備工場等が容易に調節することが可能となる。即ち、ユーザ個人等が、小孔の開口を、閉塞状態から開口状態に復元可能に又は復元不能に変更することが出来る。
【0011】
それ故、排気音等に関する使用者の各種要求に対して容易に対応することが可能となると共に、出力特性が異なる各種の内燃機関に応じて優れたチューニングが実現可能となる。
【0012】
なお、本態様において、採用される小孔の形状や大きさ等は、特に限定されるものでないが、円形が好適に採用され得、それによって、加工が容易となる。また、内燃機関としては、各種の内燃機関が採用され得て、特に、オートバイやその他各種の自動車等の内燃機関が有利に適用され得るが、これらに限定されるものではない。更に、消音器を構成する外側筐体や内部管体の形状や大きさ、構造等は、特に限定されるものでなく、それぞれ、円筒形状や楕円筒形状、多角筒形状等が採用される得る一方、例えば、外側筐体に内部管体を貫通配置せしめた構造や、或いは外側筐体の内部に仕切板や支持部材等を介して一本乃至は複数本の内部管体を収容,配設せしめた構造等が何れも採用され得る。更にまた、これら外側筐体や内部管体の材料は、何等限定されるものでないが、望ましくは、一般に、良好な耐久性を有し、加工が容易で安価なステンレス鋼等の金属材が用いられ得る。
【0013】
また、本態様においては、例えば手作業での操作手段として鏨やドライバ、必要に応じて金槌や木槌等を採用することにより、閉塞状態の小孔が容易に開口可能とされることから、開口調節手段が一層有利に実現され得る。
【0014】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る内燃機関用の消音器にあって、前記小孔の周上において完全に打ち抜かれた切断部分と未だ打ち抜かれていない未切断部分を設けることにより、該小孔を打抜予定部として未完全に貫通形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、各小孔毎に小孔の開度、換言すれば小孔における未切断部分の内部管体内に突出する角度が容易に且つ細かく調節可能とされ得ることにより、排気音や排気効率の変更設定がより効果的に実現され得る。なお、小孔の未切断部分は、小孔の開口,形成に際して切断されても良く、或いは塑性変形等してそのまま内部管体と小孔の切断部分を連結させておくことも可能である。
【0015】
また、本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る内燃機関用の消音器において、未完全に貫通形成した前記小孔の打抜予定部を、前記内部管体の内外周面と略面一として該内部管体の表面に突出しないようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、小孔の打抜予定部が内部管体の内外周面に突出することに伴い排ガスの圧力変動や干渉作用等に対する悪影響が軽減乃至は抑制されることとなり、優れたチューニング性能が発揮され得るのであり、しかも、内部管体の取り扱い性や外観性等が向上され得るといった利点もある。
【0016】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る内燃機関用の消音器において、前記内部管体における前記多数の小孔の少なくとも一つを完全に貫通した開口状態とすると共に、該開口状態とされた小孔を手作業での操作により覆蓋せしめ得る蓋手段を設けることによって前記開口調節手段を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、貫通状態の小孔が覆蓋されることとなり、それに基づいて、排ガスの圧力変動や拡張作用等が容易に調整されることから、排気効率や排気音の変更設定が有効に図られ得る。なお、本態様においては、特に限定されるものでないが、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る消音器と組み合わせて採用することも可能であり、それによって、例えば貫通形成された小孔を蓋手段によって再び未開口の形態に設定することが出来、チューニング性能の更なる向上が図られ得る。また、蓋手段としては、例えば耐熱テープ等の他、後述する本発明の第五の態様や第六の態様等が好適に採用され得る。
【0017】
また、本発明の第五の態様は、前記第四の態様に係る内燃機関用の消音器において、前記蓋手段を、前記開口状態とされた小孔に挿通固着されるリベットやビス等の封止部材によって構成したことを、特徴とする。なお、本態様におけるリベットとしては、例えば小孔に向かって差し込む側からの操作によってかしめ固定することの出来る公知のブラインドリベットが好適に採用され得る。
【0018】
また、本発明の第六の態様は、前記第四又は第五の態様に係る内燃機関用の消音器において、前記蓋手段を、前記内部管体に外挿されて周方向及び/又は軸方向にスライド変位せしめられることにより、前記開口状態とされた小孔を覆蓋せしめ得る筒状蓋部材によって構成したことを、特徴とする。
【0019】
また、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に係る内燃機関用の消音器において、前記外側筐体の中空内部で前記内部管体の外周側に形成される外周領域を、該内部管体の中心軸方向で所定長さに亘って略一定断面形状に延びるようにして、該内部管体の中心軸に直交する方向に広がって該外周領域を仕切る仕切部材を該内部管体に外挿して装着せしめると共に、該仕切部材の該内部管体に対する装着位置を該内部管体の軸方向で変更設定可能としたことを、特徴とする。このような本態様においては、排ガスが通過する外周領域が仕切部材で仕切られると共に、仕切部材の内部管体に対する装着位置が軸方向で変更設定可能とされることから、仕切部材を挟んで排ガスが通過する一方の外周領域と他方の外周領域の容積が容易に調節されることとなり、ひいては排ガスにおける圧力変動や空気共鳴、干渉作用、拡張作用等が効果的に発揮されることから、排気音の低減化等が一層有利に図られ得る。なお、本態様の内部管体にあっては、管軸方向に直線的に延び、且つ一定の外形寸法で形成されることが望ましい。
【0020】
また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係る内燃機関用の消音器において、前記内部管体に挿入されて組み付けられることにより、該内部管体の中空内部を長手方向の中間部分で仕切る内部仕切部材を設けたことを、特徴とする。
【0021】
また、本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る内燃機関用の消音器において、前記内部仕切部材に狭窄通孔を設けることにより、該内部仕切部材を通過して前記内部管体の中空内部を流通せしめられる排ガスの量を調整するようにしたことを、特徴とする。
【0022】
これら本発明の第八の態様や第九の態様においては、何れも、内部管体の中空内部を導かれる排ガスが制限されることとなり、排ガスを外側筐体の中空内部で内部管体の外周側に形成される外周領域に強制的に流通させることが出来ることから、外側筐体の中空内部における排ガスの流通経路が調整されて、排気効率や排気音等の調整の自由度が一層有利に向上され得る。
【0023】
また、本発明は、前記第三の態様に係る内燃機関用の消音器の製造方法であって、(a)金属素板を板厚方向にプレス加工することによって前記未完全に貫通した小孔を形成するに際して、該小孔の周上において完全に打ち抜かれた切断部分と未だ打ち抜かれていない未切断部分を設けることにより、該小孔を形成するための打抜予定部を該未切断部分で該金属素板に連結された状態で板厚方向に押し出して、該小孔を未完全に貫通形成する第一の成形工程と、(b)該金属素板を板厚方向にプレス加圧することにより、該金属素板から押し出されて突出せしめられた前記打抜予定部を前記小孔内に押し戻して、該打抜予定部を該金属素板の表裏両面と略面一として該金属素板の表裏から突出していない状態とする第二の成形工程と、(c)該打抜予定部が押し戻されて未完全な貫通状態とされた該小孔を有する該金属素板を曲げ加工して管体形状とすることにより前記内部管体を得る第三の成形工程とを、含む内燃機関用の消音器の製造方法を、特徴とする。
【0024】
このような本発明方法に従えば、第二の成形工程において小孔の打抜予定部が金属素板の表裏両面と略面一とされることにより、第三の成形工程において金属素板を管体形状に加工する際に、打抜予定部が金属素板の表裏両面から突出することに起因する成形工程の不具合が回避されることとなり、それによって、製作性が有利に向上され得る。
【0025】
なお、第一、第二及び第三の成形工程における成形方法や成形装置等は特に限定されるものでないが、例えば、第一の成形工程や第二の成形工程においては、直線運動式の成形型を備えたせん断加工を含むプレス加工等が採用され得ると共に、第三の成形工程においては、直線運動式の成形型を備えた曲げ加工や回転運動式の成形型を備えた曲げ加工等を含むプレス加工等が採用され得る。
【0026】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0027】
先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としてのオートバイ用のキャブトンマフラ10が示されている。このマフラ10は、外側筐体としてのハウジング12に、内部管体としての消音筒体14を収容配置せしめた構造とされており、後述するオートバイ16における内燃機関としてのエンジンの排気系に装着されて、エンジンのシリンダ等から排出される排ガスを消音させつつ、外部に放出せしめるようになっている(図8参照。)。
【0028】
より詳細には、ハウジング12は、ステンレス鋼やチタン等の金属材により形成されていると共に、外側ケース金具18と蓋金具20を含んで構成されている。外側ケース金具18は、略有底円筒形状を呈しており、底部が略半円断面状とされていると共に、底部の中央には嵌着孔22が貫設されている。また、外側ケース金具18の開口部付近の内周面には、軸方向に所定の長さで延びる雌ねじ部24が螺刻されている。更に、外側ケース金具18における雌ねじ部24付近の周上の一箇所には、螺着孔26が貫設されている。
【0029】
また、蓋金具20は、外側ケース金具18の底部と略同一の略半円断面状とされており、底部の中央には嵌着孔28が貫設されている。更に、蓋金具20の開口部分には、略円筒形状の固定筒体30が配設されている。この固定筒体30は、軸方向の略中央部分を挟んで一方が大径部分、他方が小径部分とされており、該大径部分の外径寸法が蓋金具20や外側ケース金具18の内径寸法と略同一とされていると共に、大径部分の開口端部が蓋金具20に挿入されて溶接等で固着されることにより、蓋金具20に対して固定されている。また、固定筒体30の大径部分の外周面には、雄ねじ部32が螺刻されている。また、固定筒体30の小径部分の先端部には、略円板形状のフランジ状部34が一体形成されており、該フランジ状部34の外径寸法が固定筒体30の大径部分の外径寸法や外側ケース金具18の内径寸法と略同一とされている。
【0030】
さらに、このような蓋金具20は、図3にも示されているように、固定筒体30の雄ねじ部32が外側ケース金具18の雌ねじ部24に螺挿されることにより、外側ケース金具18に対して固定されており、以て、外側ケース金具18と蓋金具20を含んでハウジング12が構成されている。また、かかる組み付け状態にあって、固定筒体30のフランジ状部34が外側ケース金具18の螺着孔26よりも軸方向内方に位置せしめられていると共に、螺着孔26には、外側ケース金具18の外周面から固定筒体30の小径部分の外周面に達する軸方向寸法の係止用ねじ36が螺着されている。これにより、ハウジング12に何等かの不具合が生じて固定筒体30の雄ねじ部32と外側ケース金具18の雌ねじ部24の螺合状態が緩む乃至は解除された場合においても、固定筒体30のフランジ状部34が係止用ねじ36に係止されることにより、蓋金具20の外側ケース金具18からの脱落が防止されるようになっていると共に、ハウジング12内の気密性が保持されるようになっている。
【0031】
更にまた、外側ケース金具18の嵌着孔22と蓋金具20の嵌着孔28には、それぞれ、保持筒金具38が内嵌固定されている。これら保持筒金具38,38は、略円筒形状を有しており、各嵌着孔22,28に圧入されて必要に応じて溶着されることにより、外側ケース金具18や蓋金具20と同心軸上に配置せしめられていると共に、ハウジング12の一部を構成している。このことからも明らかなように、ハウジング12の中空内部は、密閉状とされていると共に、保持筒金具38,38の開口端部を通じて外部と連通されている。
【0032】
また、このようなハウジング12の中空内部には、消音筒体14が収容配置されている。かかる消音筒体14は、ステンレス鋼やチタン等の金属材により形成されて、長手方向の全長に亘ってストレートな細長の略円筒形状を有しており、両端部がそれぞれ保持筒金具38に内嵌されると共に、軸方向一方(図1中、左)の端部が保持筒金具38および消音筒体14を貫通して締結される固定用ボルトナット40によって固定されることにより、ハウジング12に対して同心軸上に配設せしめられ、且つ相対変位不能に収容,保持されている。なお、保持筒金具38におけるハウジング12の中空内部に開口する開口部には、テーパが付されており、それによって、消音筒体14が保持筒金具38に嵌め込まれ易くなっている。また、消音筒体14の軸方向一方の端部付近には、全周に亘って或いは任意の径方向で絞り加工された縮径部42が設けられており、消音筒体14の断面積が一部小さくされている。
【0033】
さらに、消音筒体14には、仕切部材としての仕切金具44が組み付けられている。この仕切金具44は、略円筒形状を呈する滑動筒部46の軸方向一方(図1中、右)の端部に径方向外方に拡がる略円板形状の仕切板部48が一体的に設けられた構造とされている。滑動筒部46の内径寸法は、消音筒体14の外径寸法と略同じかそれよりも僅かに大きくされている。また、仕切板部48の外周縁部には、軸方向一方(図1中、右)の側に延びる略リング状の案内スリーブ50が一体形成されている。更に、仕切板部48の外径寸法は、外側ケース金具18の内径寸法と略同じかそれよりも僅かに小さくされている。
【0034】
このような仕切金具44は、滑動筒部46が消音筒体14に外挿されることによって消音筒体14の軸方向にスライド変位可能に配設されている一方、滑動筒部46に締め付けボルト52を備えた固定用バンド54が巻き付けられて該締め付けボルト52の締結力が及ぼされることにより、固定用バンド54と消音筒体14で挟持固定されて、消音筒体14に対して所定の位置に位置決め配置されている。また、かかる組み付け状態において、ハウジング12の中空内部で消音筒体14の外周側に形成される外周領域が仕切金具44の仕切板部48によって長手方向で仕切られており、それによって、該仕切金具44を挟んで長手方向一方(図1中、左)の側には、第一の消音室56が形成されていると共に、長手方向他方(図1中、右)の側には、第二の消音室58が形成されている。なお、上述の説明からも明らかなように、第一の消音室56の容積と第二の消音室58の容積は、仕切金具44が消音筒体14の軸方向にスライド変位されることにより相対的に増減されるようになっている。
【0035】
また、消音筒体14における軸方向中間部分の筒壁部には、小孔としての調節孔60の多数が設けられている。調節孔60は、図4にも拡大して概略的に示されているように、略円孔形状を有しており、また、その周上の一箇所には、消音筒体14と連結する未切断部分としての連結部62が設けられていると共に、連結部62を除いた周上の他の箇所は、消音筒体14の板厚方向に打ち抜かれた切断部分63とされており、この切断部分63の内周部分が略円板形状の未打ち抜き部分64とされている(図6参照。)。そして、この未打ち抜き部分64が、消音筒体14に対して未完全に貫通形成されている。
【0036】
特に本実施形態では、多数の調節孔60が、(i) 未打ち抜き部分64が消音筒体14の内外周面と略面一とされた調節孔60aと、(ii)未打ち抜き部分64に鏨やドライバ等を用いて消音筒体14の内部に向かって所定の押圧力を及ぼすことにより、連結部62が塑性変形されて、未打ち抜き部分64が消音筒体14の内部に所定の角度で突出せしめられた調節孔60bと、(iii) 未打ち抜き部分64に鏨やドライバ等を用いて消音筒体14の内部に向かって所定の押圧力を及ぼすことにより、連結部62が切断されて、未打ち抜き部分64が完全に打ち抜かれた調節孔60cとを、含んで構成されており、これら(i) 〜(iii) の調節孔60a,60b,60cが、後述するオートバイ16のエンジンの出力特性やユーザの排気音の嗜好等に応じて、消音筒体14の筒壁部における所定の位置に設けられている。なお、本実施形態では、調節孔60の開口を閉塞状態から開口状態に変更する開口調節手段が、連結部62と切断部分63で形成されて、調節孔60を閉塞する未打ち抜き部分64によって構成されている。
【0037】
以下、上述の如き構造とされたキャブトンマフラ10の製造方法について、その一具体例を説明する。
【0038】
先ず、外側ケース金具18や蓋金具20、固定筒体30、一対の保持筒金具38,38等をプレス加工や溶接等によって予め別体形成した後、外側ケース金具18の嵌着孔22に一方の保持筒金具38を内嵌固定する一方、蓋金具38の嵌着孔28に他方の保持筒金具38を内嵌固定すると共に、蓋金具20の開口部に固定筒体30を溶接等によって固着することにより、外側ケース金具18の開口部が開いている形態のハウジング12を準備する。
【0039】
また、略長手矩形平板形状の金属素板66を準備する一方、図5に示される如きプレス加工装置を用意する。
【0040】
ここにおいて、本実施形態のプレス加工装置は、例えばスライドをクランクやエキセン、トッグル、リンク、カム等の機構によって駆動する機械プレスや液圧によって駆動する液圧プレス等の公知のプレス加工装置が採用され得ることから、その詳細な説明を省略するが、一般に、クラウンとベッドが四隅に配設されたアプライトやタイロッド等を介して鉛直方向で所定距離を隔てて対向配置されていると共に、図示しないベースに支持された構造とされている。更に、クラウンとベッドの対向面間には、四隅がアプライトで摺動可能に支持せしめられたスライドが配設されている一方、クラウンには、油圧式または電動式の駆動機構が内蔵されており、この駆動機構の主ラムがクラウンからベッドに向かって突出せしめられてスライドに固定されている。これにより、駆動機構の駆動力がスライドに及ぼされて、スライドがベッドに対して接近・離隔方向に駆動されるようになっている。また、スライドのベッドと対向する面には、上型68が装着されていると共に、ベッドのスライドと対向する面には、ボルスタを介して下型70が装着されて、これら上型68と下型70が鉛直方向で所定距離を隔てて対向配置されており、上述の如くスライドがベッドに対して接近方向に駆動されることにより、上型68と下型70の対向面間でプレス加工が施されるようになっている。更に、上型68には、鉛直方向下方に向かって延びる多数の突起部72が突設されている。突起部72は、略円柱形状を有していると共に、先端部分の周上の一箇所に鉛直方向に傾斜する方向に延びるようにして切欠部分74が設けられている。また、下型70における上型68の突起部72と対向する位置には、略円形の凹所76の多数が凹設されており、該凹所76の径寸法が突起部72の外径寸法と略同一かそれよりも僅かに大きくされていると共に、凹所76の深さ寸法が金属素板66の厚さ寸法よりも大きく設定されている。
【0041】
そうして、本実施形態では、上述の如き構造とされたプレス加工装置の下型70に金属素板66を載置すると共に、スライドに駆動機構の駆動力を及ぼして上型68と下型70でプレスすることにより、上型68における突起部72の先端部分に対応した形状を有する調節孔60を金属素板66に多数形成する。即ち、突起部72の先端部分における切欠部分74を除く周縁部で金属素板66を打ち抜くことにより、略円孔形状の未打ち抜き部分64を、金属素板66の下方に突出させて下型70の凹所76に収容配置していると共に、突起部72の先端部分における切欠部分74でプレスした金属素板66の部分を、金属素板66を貫通せずにせん断変形させて、未打ち抜き部分64と金属素板66を連結する連結部62としている。なお、上述の説明からも明らかなように、上型68と下型70を装着したプレス加工装置を用いて金属素板66をプレス加工することが、本実施形態の第一の成形工程とされている。
【0042】
また、プレス加工装置における上型68と下型70を、それぞれ、平板形状を有する上型78と下型80に取り替えて装着した後、未打ち抜き部分64を調節孔60の下方に突出した上記金属素板66を下型80に載置して上型78と下型80でプレスすることにより、略平板形状の金属素板66を形成する。要するに、プレス加工によって連結部62が塑性変形することに伴い未打ち抜き部分64を、調節孔60に収容配置して金属素板66の表裏両面と略面一とする一方、該未打ち抜き部分64の周上の一箇所を連結部62を介して調節孔60、ひいては金属素板66と連結すると共に、調節孔60と連結する以外の周上の他の箇所を完全に打ち抜いた状態としている。なお、このことからも明らかなように、上型78と下型80を装着したプレス加工装置を用いて未打ち抜き部分64を下方に突出した金属素板66をプレス加工することが、本実施形態の第二の成形工程とされている。また、本実施形態では、調節孔60の打抜予定部が、未打ち抜き部分64で構成されている。そして、この未打ち抜き部分64にあっては、調節孔60が完全に閉塞された状態となっている。
【0043】
さらに、このような多数の調節孔60を備えた平板形状の金属素板66を、複数種類の上型と複数種類の下型を用いて複数段階にプレスすることにより次第に管体形状に近づけていく公知の丸め加工や、或いは複数のロールを用いた公知のローラ曲げ加工等を施すことによって管体形状とし、該金属素板66の突き合わせ面を溶接することにより、図7にも概略的に示されているように、軸方向中間部分に多数の調節孔60を備えた消音筒体14を形成する。また、消音筒体14の軸方向一方の端部付近に絞り加工を施して縮径部42を形成する。なお、上述の説明からも明らかなように、上記丸め加工やローラ曲げ加工等によって多数の調節孔60を備えた平板形状の金属素板66から管体形状の消音筒体14を形成することが、本実施形態の第三の成形工程とされている。
【0044】
また、特に本実施形態では、後述するオートバイ16のエンジンの出力特性やユーザの排気音の嗜好等に応じて、消音筒体14における所定の位置の調節孔60を、未打ち抜き部分64が消音筒体14の内外周面と略面一となる調節孔60aとする。更に、消音筒体14における所定の位置の調節孔60を、未打ち抜き部分64に鏨やドライバ等を用いて消音筒体14の内部に向かって所定の押圧力を及ぼして、連結部62を塑性変形させると共に、未打ち抜き部分64を消音筒体14の内部に所定の角度で突出せしめた調節孔60bとする。更にまた、消音筒体14における所定の位置の調節孔60を、未打ち抜き部分64に鏨やドライバ等を用いて消音筒体14の内部に向かって所定の押圧力を及ぼして、連結部62を切断し、未打ち抜き部分64を完全に打ち抜いた調節孔60cとする。
【0045】
また、予め別体形成しておいた仕切金具44を消音筒体14における所定の位置に固定用バンド54を用いて外嵌固定すると共に、消音筒体14を縮径部42を備えた側から外側ケース金具18に内挿して仕切金具44の案内スリーブ50によって軸方向に案内しつつ、消音筒体14の縮径部42に近設する側の先端部分を外側ケース金具18の底部に固着した保持筒金具38に内嵌して、保持筒金具38と消音筒体14を固定用ボルトナット40で固定する。これにより、消音筒体14を外側ケース金具18に固定的に収容配置する。また、かかる組み付け状態において、消音筒体14の縮径部42に離隔する側の先端部分は、外側ケース金具18の開口部から外方に突出している。
【0046】
而して、図3にも示されているように、保持筒金具38および固定筒体30を備えた蓋金具20を外側ケース金具18と同心軸上に位置せしめて、保持筒金具38を消音筒体14の外側ケース金具18から突出した先端部分に外嵌すると共に、蓋金具20と外側ケース金具18を相対的に回転させて固定筒体30の雄ねじ部32と外側ケース金具18の雌ねじ部24を螺着固定し、更に係止用ねじ36を外側ケース金具18の螺着孔26に螺合することにより、本実施形態のキャブトンマフラ10が実現されるようになっている。
【0047】
また、このような構造とされたマフラ10は、図8にも示されているように、オートバイ16の内燃機関の排気系に装着されている。かかるオートバイ16本体は、従来から周知のものであり、その概略構造を簡単に説明すると、車体フレーム82に対して操舵可能に装着されたフロントサスペンション84に前輪86が装着されている。また、車体フレーム82後部には、スイングアーム88が一軸回りに揺動可能に取り付けられており、このスイングアーム88の後端部分に後輪90が装着されている。更に、内燃機関としてのエンジンが、変速機を含むパワーユニット92として車体フレーム82に固定的に装着されており、このパワーユニット92の駆動力が、Vベルト等を介して後輪90に伝達されるようになっている。
【0048】
さらに、パワーユニット92には、エンジンの排ガス管路としてのエキゾーストパイプ94が固設されている。このエキゾーストパイプ94は、全体として略一定の中空円形断面をもって延びており、略ストレートな直管部分や略円弧形湾曲形状の曲管部分等を一体的に有している。また、エキゾーストパイプ94の一方の開口端部が、パワーユニット92に固着されており、エンジンの排気ポート(図示せず)に接続されている。また、エキゾーストパイプ94の他方の開口端部には、大径化された固定用筒部98が一体形成されている。
【0049】
更にまた、キャブトンマフラ10は、消音筒体14の縮径部42を嵌め込んだ側の保持筒金具38がエキゾーストパイプ94の固定用筒部98に対して、圧入や締付バンド等により着脱可能に固定されると共に、外側ケース金具18が取付ブラケット100およびステー102を介して車体フレーム82に固定されることにより、オートバイ16に対して装着されている。これにより、本実施形態のキャブトンマフラ10にあっては、オートバイ16の排気系の一部を構成しており、シリンダから排出される排ガスが、消音筒体14における多数の調節孔60や第一および第二の消音室56,58を通じて圧力変動や膨張、干渉作用等が及ぼされて消音されるようになっていると共に、消音筒体14の後端部を内嵌する保持筒金具38の開口端部から外部(大気)へ放出されるようになっている。
【0050】
上述の如き構造とされたキャブトンマフラ10においては、排ガスの排出特性に影響を与える消音筒体14の通気孔として、その開口の大きさが容易に設定変更され得る調節孔60を採用したことにより、排ガスの排出特性が良好に設定され得る。それ故、多数の仕切板や通気管体を備えた従来構造のマフラに比して、部材点数が軽減されることから、製作性やコスト性等が有利に向上され得るのである。
【0051】
また、本実施形態における大きな利点としては、消音筒体14がハウジング12に対して着脱可能に取り付けられていることにより、マフラ10をオートバイ16に取り付けた後にエンジンの出力特性に応じて消音筒体14をハウジング12から取り外して、鏨やドライバ等を用いた簡単な手作業によって、例えば調節孔60bにおける未打ち抜き部分64の消音筒体14に対する突出角度を変更して調節孔60bの開口の大きさを変更したり、或いは調節孔60aにおける連結部62や未打ち抜き部分64を押圧変形等させて調節孔60aを調節孔60bや調節孔60cに変更したりすること等により、調節孔60の開口状態が容易に変更され得ることが挙げられるのであり、以て、ユーザの嗜好や使用性等に対応した排気効率や排気音が有利に実現され得るのである。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0053】
例えば、前記実施形態では、調節孔60の開口を後調節する開口調節手段が、未打ち抜き部分64により構成されていたが、これに限定されるものでなく、図9〜10にも示されているように、略円筒形状を有しており、且つ軸方向や周方向に長孔形状に延びる開口窓104を複数備えた筒状蓋部材としての調整筒金具106を、消音筒体14に外嵌させると共に軸方向及び/又は周方向に変位させて、開口窓104を消音筒体14に開口、形成した調節孔60bや調節孔60c等に位置合わせする一方、調整筒金具106における開口窓104が形成されていない筒壁部によって調節孔60bや調節孔60c等を覆蓋せしめることにより、調節孔60を開口状態から閉塞状態に変更する開口調節手段として構成しても良い。なお、図9〜10及び以下の図11において、前記実施形態と実質的に同様な構造とされた部材および部位については、図中に前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0054】
また、前記実施形態においては、図11にも示されているように、消音筒体14に内部仕切部材としての内部仕切筒体108を収容配置せしめて、消音筒体14の中空内部を長手方向の中間部分で仕切ることにより、排ガスをハウジング12の中空内部における消音筒体14の外周側に形成される外周領域に強制的に流通させるようにしても良い。因みに、かかる内部仕切筒体108は、略有底円筒形状を有して、ステンレス鋼等の金属材や合成ゴム等の樹脂材により形成されていると共に、筒壁部の適宜の箇所に一つ乃至は複数の固定用ねじ孔110が貫設されており、消音筒体14に内挿せしめられて、消音筒体14における長手方向の適宜の位置に設けられた調節孔60cまたは新たに貫設された挿通孔(図示せず)に固定用ねじ孔110が位置合わせされると共に、固定用ビス112が調節孔60cまたは挿通孔を貫通して固定用ねじ孔110に螺着されることにより、消音筒体14の中空内部における所定の位置に対して固定されており、以て、消音筒体14の中空内部が内部仕切筒体108の底部等により長手方向で二分されている。なお、図11からも明らかなように、内部仕切筒体108の筒壁部は、消音筒体14に貫設された調節孔60c等を覆蓋せしめる蓋手段としても構成されている。
【0055】
さらに、上記図11に示される本発明の一具体例においては、内部仕切筒体108の底部等に図示しない狭窄通孔としての貫通孔を貫設することも可能であり、それによって、内部仕切筒体108を通過して消音筒体14の中空内部を流通せしめられる排ガスの量を調整しても良い。
【0056】
更にまた、前記実施形態における仕切板部48の適宜の箇所に連通孔を貫設して、排ガスの流通経路や量等を調整することも可能である。
【0057】
また、前記実施形態において、例えば開口状態とされた調節孔60cにリベットやビス等の封止部材を挿通固着することにより、調節孔60cを覆蓋せしめて非開口状態の調節孔60aと略同様な機能を発揮させることも可能である。なお、上記封止部材は、蓋手段として構成されている。
【0058】
また、前記実施形態では、調節孔60が略円孔形状とされていたが、かかる調節孔60の具体的な形状や大きさ等は、排ガスの通気抵抗や要求される消音性能、製作性等を考慮して適宜に設定されるものであり、何等限定されるものでなく、例えば、調節孔に矩形形状や多角形形状等を採用することも可能である。
【0059】
さらに、前記実施形態においては、調節孔60が消音筒体の軸方向中間部分に多数設けられていたが、例えば軸方向一方の端部等に局所的に設けることも可能である。
【0060】
また、前記実施形態では、消音筒体14の外周領域や内部等にスチールウールやロックウール等の硬質繊維からなる吸音材を充填させても良い。
【0061】
また、前記実施形態においては、略ストレートな直管状の一本の消音筒体14が採用されていたが、これに限定されるものでなく、曲管状の消音筒体や複数本の消音筒体を採用することも可能である。
【0062】
また、前記実施形態では、消音筒体14の形成に際して、調節孔60の全てに未打ち抜き部分64が設けられていたが、例えば調節孔60の少なくとも一部が予め貫通形成されていても良く、また、貫通形成された調節孔や未打ち抜き部分64を備えた調節孔60は消音筒体14の適宜の箇所に形成され得る。
【0063】
また、前記実施形態では、調節孔60が調節孔60aや調節孔60b、調節孔60cを含んで構成されていたが、これら調節孔60a,60b,60cのうち一種類の調節孔60だけ採用しても良く、或いは調節孔60aと調節孔60b、調節孔60aと調節孔60c、調節孔60bと調節孔60c等のように組み合わせて採用することも可能である。
【0064】
さらに、ハウジング12は、例示の如き中空円筒形状に限定されるものでなく、楕円筒形状や多角筒形状等が採用され得る。
【0065】
また、前記実施形態のマフラ10においては、オートバイ16への装着に際して保持筒金具38がエキゾーストパイプ94の固定用筒部98に圧入されていたが、かかる連結構造に限定されるものでなく、例えば、エキゾーストパイプ94と保持筒金具38に小径円筒形状のジョイント管を差し込み、必要に応じて差し込み部分に固定用ボルトを備えた固定用バンドを巻き付けて固定するような連結構造を採用することも可能である。
【0066】
また、前記実施形態では、オートバイ16用のキャブトンマフラ10に本発明を適用した具体例を示したが、本発明は、これに限定されるものでなく、その他各種の自動車等における内燃機関用の消音器に適用され得ることも勿論可能である。
【0067】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0068】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた内燃機関用の消音器においては、小孔の開口が、例えば後から簡単な工具等を用いて調節可能とされていることにより、ユーザの必要性や、或いは内燃機関の特性等に応じて、排気効率や排気音等が容易に変更設定され得ることから、優れたチューニング性能が発揮され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としてのキャブトンマフラを示す縦断面説明図である。
【図2】 図1におけるII−II断面図である。
【図3】 図1におけるキャブトンマフラの組み立ての一形態を示す縦断面説明図である。
【図4】 図1におけるキャブトンマフラの一部を構成する消音筒体を拡大して概略的に示す縦断面説明図である。
【図5】 図1におけるキャブトンマフラの一成形工程を示す縦断面説明図である。
【図6】 図1におけるキャブトンマフラの一成形工程を示す縦断面説明図である。
【図7】 図1におけるキャブトンマフラの一成形工程を示す説明モデル図である。
【図8】 図1におけるキャブトンマフラをオートバイに装着した状態を示す説明図である。
【図9】 本発明の別の一具体例としてのキャブトンマフラを示す縦断面説明図である。
【図10】 図9におけるX−X断面図である。
【図11】 本発明の更に別の一具体例としてのキャブトンマフラの要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 キャブトンマフラ
12 ハウジング
14 消音筒体
60 調節孔
64 未打ち抜き部分
94 エキゾーストパイプ
Claims (10)
- 外側筐体における密閉状の中空内部に内部管体を配設すると共に、該内部管体の管壁に多数の小孔を形成してなり、内燃機関の排ガス管路に接続されることにより該内燃機関からの排ガスが該内部管体を通って大気中に放出せしめられる内燃機関用の消音器であって、
前記内部管体における前記多数の小孔の少なくとも一つを未完全に貫通形成することにより閉塞状態とし、手作業での操作により開口可能とすることによって、該小孔の開口を閉塞状態から開口状態に、復元可能に又は復元不能に変更する開口調節手段を構成したことを特徴とする内燃機関用の消音器。 - 前記小孔の周上において完全に打ち抜かれた切断部分と未だ打ち抜かれていない未切断部分を設けることにより、該小孔を打抜予定部として未完全に貫通形成した請求項1に記載の内燃機関用の消音器。
- 未完全に貫通形成した前記小孔の打抜予定部を、前記内部管体の内外周面と略面一として該内部管体の表面に突出しないようにした請求項2に記載の内燃機関用の消音器。
- 前記内部管体における前記多数の小孔の少なくとも一つを完全に貫通した開口状態とすると共に、該開口状態とされた小孔を手作業での操作により覆蓋せしめ得る蓋手段を設けることによって前記開口調節手段を構成した請求項1乃至3の何れかに記載の内燃機関用の消音器。
- 前記蓋手段を、前記開口状態とされた小孔に挿通固着されるリベットやビス等の封止部材によって構成した請求項4に記載の内燃機関用の消音器。
- 前記蓋手段を、前記内部管体に外挿されて周方向及び/又は軸方向にスライド変位せしめられることにより、前記開口状態とされた小孔を覆蓋せしめ得る筒状蓋部材によって構成した請求項4又は5に記載の内燃機関用の消音器。
- 前記外側筐体の中空内部で前記内部管体の外周側に形成される外周領域を、該内部管体の中心軸方向で所定長さに亘って略一定断面形状に延びるようにして、該内部管体の中心軸に直交する方向に広がって該外周領域を仕切る仕切部材を該内部管体に外挿して装着せしめると共に、該仕切部材の該内部管体に対する装着位置を該内部管体の軸方向で変更設定可能とした請求項1乃至6の何れかに記載の内燃機関用の消音器。
- 前記内部管体に挿入されて組み付けられることにより、該内部管体の中空内部を長手方向の中間部分で仕切る内部仕切部材を設けた請求項1乃至7の何れかに記載の内燃機関用の消音器。
- 前記内部仕切部材に狭窄通孔を設けることにより、該内部仕切部材を通過して前記内部管体の中空内部を流通せしめられる排ガスの量を調整するようにした請求項8に記載の内燃機関用の消音器。
- 請求項3に記載された内燃機関用の消音器の製造方法であって、
金属素板を板厚方向にプレス加工することによって前記未完全に貫通した小孔を形成するに際して、該小孔の周上において完全に打ち抜かれた切断部分と未だ打ち抜かれていない未切断部分を設けることにより、該小孔を形成するための打抜予定部を該未切断部分で該金属素板に連結された状態で板厚方向に押し出して、該小孔を未完全に貫通形成する第一の成形工程と、
該金属素板を板厚方向にプレス加圧することにより、該金属素板から押し出されて突出せしめられた前記打抜予定部を前記小孔内に押し戻して、該打抜予定部を該金属素板の表裏両面と略面一として該金属素板の表裏から突出していない状態とする第二の成形工程と、
該打抜予定部が押し戻されて未完全な貫通状態とされた該小孔を有する該金属素板を曲げ加工して管体形状とすることにより前記内部管体を得る第三の成形工程とを、
含むことを特徴とする内燃機関用の消音器の製造方法。
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