JP4197625B2 - レフレクタ付き放電ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レフレクタ付き放電ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)や液晶プロジェクタ等の投映機器においては、光源ランプとして高圧水銀ランプが使用されることが多い。この高圧水銀ランプは、点灯時には発光管内の圧力が200気圧程度の高圧になり、ランプ寿命末期に、発光管が劣化してランプが破裂する危険性がある。このため、ランプの破裂対策として、凹面反射鏡の前面開口をガラス板で覆って凹面反射鏡内部を閉空間にし、この閉空間内にランプを配置する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、ランプの高出力化が進んでいるため、凹面反射鏡内にランプ冷却用の冷却風を通風させる必要が生じ、凹面反射鏡の開口部端部を切り落として切り欠き部を形成し通気用として使用することがある。
【0004】
図6、7は、例えば特許文献2に記載された従来の光照射ユニットの断面図と正面図である。図に示すように、光照射ユニットの光源ランプである放電ランプ101は、メタルハライドランプや高圧水銀ランプであり、発光管は石英ガラスや透光性セラミックスで成形されている。放電ランプ101の一方の封止部111にランプベース112が取り付けられている。凹面反射鏡102は、硼珪酸ガラスにて成形され、その頚部に中心孔121が形成されている。放電ランプ101のランプベース112が通気孔付の口金スリーブ113を通して凹面反射鏡102の中心孔121に挿通され、接着剤114により放電ランプ101は凹面反射鏡102に固定されている。
【0005】
凹面反射鏡102は、開口部端部が四方から切り落とされ、切欠き部122が4個形成されている。凹面反射鏡102の前面開口にガラス板104が取り付けられた前面ガラス取付部材141が固定され、凹面反射鏡102の前面開口は、前面板であるガラス板104で覆われている。また、前面ガラス取付部材141には、ランプの破片が通過不能な通気板として、4枚の網目部材105が取り付けられており、網目部材105が凹面反射鏡102の切欠き部122を覆っている。網目部材105は十分な通気性を有するが、放電ランプが万一破裂しても、放電ランプの破片は通過できないようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−7841号公報
【特許文献2】
特開平10−223023号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光照射ユニットは以上のように構成されているので、凹面反射鏡102の切欠き部122を、ランプの破片が通過不能な通気性を有する網目部材105で覆う必要があるので、部品点数が多くなり、組立も煩雑になるという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、レフレクタに直接ランプの破片が通過不能な通風孔を設けることにより、放電ランプを十分冷却できるとともに、万一ランプが破裂しても、破片がレフレクタ外部に飛散することがなく、また、部品点数が少なく、組立も容易なレフレクタ付き放電ランプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、発光管がレフレクタで囲まれ、レフレクタで反射した光がレフレクタの前面開口部に設けられた前面ガラスから放射するレフレクタ付き放電ランプにおいて、レフレクタに発光管の破片が通過不能な通風孔を直接設けたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、通風孔をレフレクタの開口部近傍の複数箇所に設けたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、通風孔を、発光管の光軸に直交する方向に対して角度を付けたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、通風孔を、発光管に向くように、又は前面ガラスに向くように形成したことを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、レフレクタの発光管近傍に、小孔を設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2は実施の形態1を示す図で、図1はレフレクタ付き放電ランプの一部を破断した側面図、図2は同正面図である。
図において、レフレクタ付き放電ランプの光源ランプである発光管1には、高圧水銀ランプが使用される。この発光管1をレフレクタ11で取り囲む。レフレクタ11は、光の反射面を有し、反射面の端に開口部が形成されている。このレフレクタ11の開口部に、前面ガラス14が接着等により固定されている。
【0015】
発光管1に使用される高圧水銀ランプは、既に述べたように、点灯時には、内部の圧力が高圧になり、ランプ寿命末期において発光管が劣化してランプが破裂する危険性を有する。そのため、前述の前面ガラス14でレフレクタ11の開口部を覆って、レフレクタ11内を閉空間にして、ランプが破裂した場合に高温の破片が散乱するのを防止しているが、近年、プロジェクタのスクリーン照度を向上させる要望が大きく、ランプの高出力化が進められており、レフレクタ11内にランプ冷却用の冷却風を通風させる必要がある。
【0016】
そのために、本発明では、レフレクタ11に直接通風孔20を設けている。図1に示すものは、その一例であるが、通風孔20は、ランプの破片が通過不能な、例えば直径が0.4〜1.6mmの大きさの多数の孔からなり、レフレクタ11の開口部近傍の周方向に例えば4箇所設けている。通風孔20は、発光管1の光軸に直交する方向に設けられている。
【0017】
但し、通風孔20は、レフレクタ11の開口部近傍周方向の4箇所に限定されない。径方向に対向して2箇所でもよい。また、それ以外の構成でもよい。
【0018】
通風孔20の各孔の形状は、円、楕円、四角等どのようなものでもよい。
また、各通風孔20は、円弧形状のものを示したが、他の形状でもよい。
【0019】
通風孔20をレフレクタ11の開口部近傍に設けたが、これは光源からの光がレフレクタ11で反射することを妨げないためである。しかし、これについても、レフレクタ11の開口部近傍に限定されない。レフレクタ11の何処に設けてもよい。
【0020】
上述の実施の形態によれば、ランプの破片が通過不能な通風孔20をレフレクタ11直接設けたので、発光管1を十分冷却できるとともに、万一ランプが破裂しても、破片がレフレクタ11外部に飛散することがなく、また、部品点数が少なく、組立も容易なレフレクタ付き放電ランプを提供することができる。
【0021】
実施の形態2.
図3、4は実施の形態2を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの通風孔の位置での断面図である。
上記実施の形態1では、通風孔20は、発光管1の光軸に直交する方向に設けられているものを示したが、通風孔20に角度を付けることにより、発光管1の冷却をより効率よく行うことができる。
【0022】
図3では、通風孔20の各孔は、発光管1に向くように形成されている。これにより、発光管1は冷却風が直接当たるため効率よく冷却される。
【0023】
図4では、通風孔20の各孔は、前面ガラス14を向くように形成されている。通風孔20を通過した冷却風は、先ず前面ガラス14に当たり、ここで向きを変え発光管1方向へ流れる。これにより、発光管1は効率よく冷却される。
【0024】
上述の実施の形態では、通風孔20に角度を付け、発光管1に向くように、又は前面ガラス14を向くように形成することにより、発光管1の冷却をより効率よく行うことができる。
【0025】
実施の形態3.
図5は実施の形態3を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの通風孔の位置での断面図である。
上記実施の形態の構成に加えて、レフレクタ11の発光管1近傍に冷却風を通す小孔30を設けている。小孔30は、例えば周方向4箇所に設ける。但し、それに限定されない。何個設けてもよい。
【0026】
レフレクタ11の開口部近傍に設けられた通風孔20には、図示しない送風装置により冷却風が流れ、一方の通風孔20からレフレクタ11内に流入し、他方の通風孔20からレフレクタ11外へ流出する空気の流れがある。この空気の流れに引かれて、小孔30から空気がレフレクタ11内に流入して発光管1を冷却する。
【0027】
上述の実施の形態によれば、レフレクタ11の発光管1近傍に冷却風を通す小孔30を設けたことにより、通風孔20間の空気の流れに引かれて、小孔30から空気がレフレクタ11内に流入して発光管1を冷却することができる。
【0028】
【発明の効果】
この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、発光管がレフレクタで囲まれ、レフレクタで反射した光がレフレクタの前面開口部に設けられた前面ガラスから放射するレフレクタ付き放電ランプにおいて、レフレクタに発光管の破片が通過不能な通風孔を直接設けたことにより、発光管を十分冷却できるとともに、万一ランプが破裂しても、破片がレフレクタ外部に飛散することがなく、また、部品点数が少なく、組立も容易なレフレクタ付き放電ランプを提供することができる。
【0029】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、通風孔に角度を付けることにより、発光管の冷却をより効率よく行うことができる。
【0030】
また、この発明に係るレフレクタ付き放電ランプは、レフレクタの発光管近傍に小孔を設けたことにより、通風孔間の空気の流れに引かれて、小孔から空気がレフレクタ内に流入して発光管を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの一部を破断した側面図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、同正面図である。
【図3】 実施の形態2を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの通風孔の位置での断面図である。
【図4】 実施の形態2を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの通風孔の位置での断面図である。
【図5】 実施の形態3を示す図で、レフレクタ付き放電ランプの通風孔の位置での断面図である。
【図6】 従来の光照射ユニットの断面図である。
【図7】 従来の光照射ユニットの正面図である。
【符号の説明】
1 発光管、11 レフレクタ、14 前面ガラス、20 通風孔、30 小孔。
Claims (3)
- 発光管がレフレクタで囲まれ、前記レフレクタで反射した光が該レフレクタの前面開口部に設けられた前面ガラスから放射するレフレクタ付き放電ランプにおいて、
前記レフレクタに発光管の破片が通過不能な通風孔を直接設け、前記通風孔を、前記発光管の光軸に直交する方向に対して角度を付け、前記通風孔を前記前面ガラスに向くように形成したことを特徴とするレフレクタ付き放電ランプ。 - 前記通風孔を前記レフレクタの開口部近傍の複数箇所に設けたことを特徴とする請求項1に記載のレフレクタ付き放電ランプ。
- 前記レフレクタの前記発光管近傍に、小孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレフレクタ付き放電ランプ。
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