JP4197589B2 - 糖質分解酵素阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糖質分解酵素阻害剤に関し、詳しくはマテの葉を抽出して得られるマテ葉抽出エキスを有効成分として含有する糖質分解酵素阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
我が国では食生活が豊かになり、現在では飽食の時代とも呼ばれ、カロリー摂取過剰、運動不足も原因となり、肥満或いは糖尿病が増加している。現在、成人男子の8人に一人、成人女性の6人に一人が肥満とされている。また、糖尿病患者は予備軍を含めると1370万人に達しており、さらに増加している。
【0003】
一方、食事より摂取した炭水化物、糖類は、まず唾液中に含まれるα−アミラーゼや膵臓から分泌されるα−アミラーゼの作用により大まかに分解が行われる。次に、非還元末端に存在するグルコシド結合を切断するマルターゼやスクラーゼ等、二糖類分解酵素のα−グルコシダーゼの作用により、最終的に単糖のグルコースまで分解され、腸間膜上の繊毛から吸収が行われている。
その後、この吸収されたグルコースにより、一時的に血糖値が上昇し、過血糖症状が起こる。通常は、速やかなインスリン分泌と正常なインスリンに対する応答により、元の血糖値へと回復する。
【0004】
しかしながら、過食や糖尿病、脂質代謝異常でインスリンに対する感受性が低下した状態では、元の状態に戻るのに時間がかかり、インスリンの多量の分泌を促進する。いわゆる耐糖能異常状態である。このような症状は、さらに肥満や糖尿病を進行させる。
【0005】
さらに、高血糖が持続すると、血管内蛋白との糖化反応等により、動脈硬化、腎障害、網膜症、その他の重篤な糖尿病合併症へとつながる。
このような合併症を予防、改善するためには、血糖コントロールを厳格に行うこと、及び食後の過血糖を抑えること、また、過剰なインスリン分泌を抑え膵臓への負担をなくすこと、が重要であると考えられている。実際、二糖類分解酵素阻害剤が薬剤として最近開発され、糖尿病等に対する有用性が認識されてきている。
言い換えると、糖尿病の発症、肥満は、このようなインスリン感受性の低下が原因とも考えられ、糖尿病発症以前もしくは早期から、このような食後過血糖、インスリン過剰分泌を抑えることが非常に重要である。
【0006】
しかしながら、現在、日々食品としても摂取可能で、安全にこれらを予防、改善するようなものはほとんどない。
すなわち、高い糖質分解酵素阻害活性を有し、しかも日々食品として摂取しても人体に安全で副作用がないものがほとんどなく、実用の段階までに至っていないのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、高い糖質分解酵素阻害活性を有し、しかも食品として摂取しても人体に安全で副作用のない糖質分解酵素阻害剤を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記糖質分解酵素阻害剤を含有し、食後過血糖を有効に抑制することにより、糖尿病、肥満、高脂血症等の疾患を予防、治療及び改善しうる食品を提供することをも目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、食用としている植物類約300種類を対象として、低極性、中極性、高極性有機溶媒可溶性画分及び水溶性画分とに分け、それぞれについて、 in vitro での系でα−グルコシダーゼ阻害作用のある成分を検索した。その結果、驚くべきことに長年お茶として利用されてきたマテ(Yerba mate、学名:Ilex paraguariensis)の葉の高極性有機溶媒可溶性画分に優れた糖質分解酵素阻害作用のあることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、請求項1に係る本発明は、マテの葉を抽出して得られるマテ葉抽出物について、分配カラムクロマトグラフィにより水可溶物とアルコール可溶物を分配し、得られるマテ葉アルコール抽出エキスを有効成分として含有する糖質分解酵素阻害剤の製造方法を提供するものである。
【0010】
請求項2に係る本発明は、前記分配カラムクロマトグラフィが、疎水性カラムを用いたものである、請求項1に記載の糖質分解酵素阻害剤の製造方法を提供するものである。
【0011】
請求項3に係る本発明は、前記アルコールが、エタノール及びブタノールのうちのいずれか一以上である、請求項1又は2に記載の糖質分解酵素阻害剤の製造方法を提供するものである。
【0012】
請求項4に係る本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法から得られる糖質分解酵素阻害剤を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の糖質分解酵素阻害剤は、マテの葉を抽出して得られるマテ葉抽出エキスを有効成分として含有することを特徴とする。
マテ(Yerba mate、学名:Ilex paraguariensis)とは、モチノキ科に属する植物の一種であり、その葉は茶として飲用に供されているものであるが、これまで糖質分解酵素阻害活性を有することは全く知られていなかった。マテの葉は、生の他、半乾燥物、乾燥物等があるが、本発明においてはこれらのいずれも使用することができる。マテの葉は、通常は、適度に粉砕又は細断して用いられる。
【0014】
ここでマテ葉抽出エキスは、水、高極性有機溶媒及び中極性有機溶媒のうちの少なくとも一以上に易溶なエキスであることが好ましい。
高極性有機溶媒としては、具体的には例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
これらの中でも高極性有機溶媒としては、請求項3に係る本発明の如く、エタノール、メタノール及びブタノールのいずれか一以上を用いることが好ましい。
【0015】
一方、中極性有機溶媒としては、具体的には例えば酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトン、クロロホルム等の有機溶媒が挙げられる。
これらの中でも中極性有機溶媒としては、特に、酢酸エチルを用いることが好ましい。
【0016】
このような、水、高極性有機溶媒及び中極性有機溶媒のうちの少なくとも一以上に易溶なマテ葉抽出エキスは、例えば以下の如き手法により得ることができる。
【0017】
まず、マテの葉は、そのままか、或いは必要に応じて粉砕又は細断して用いる。
このように、そのままか、或いは適度に粉砕又は細断されたマテの葉を、例えば、前記した水、高極性有機溶媒及び中極性有機溶媒のうちの少なくとも一以上を用いて抽出する。これらの中でも、水エキスそのものでは必ずしも充分とは言い難いため、HP20等のカラムで水溶出成分は除いた高極性有機溶媒可溶性成分、特にエタノール溶出成分を用いることが望ましい。
【0018】
具体的には例えば、マテ葉に対し、重量で5〜30倍量の水を加え、沸騰浴中で5〜120分間、好ましくは20〜40分間加熱するか、或いは常温で1日以上静置して抽出を行う。
この操作により、マテ葉抽出エキスであって水に可溶なマテ葉抽出エキス(水抽出物)を得ることができる。
【0019】
この水抽出物についてさらに、水と高極性有機溶媒(例えばブタノールなど)による分配クロマトグラフィーを行うことにより、水に可溶なマテ葉抽出エキス(水可溶物)と高極性有機溶媒に可溶なマテ葉抽出エキス(高極性有機溶媒可溶物)とを得ることができる。
【0020】
一方、続けてHP20カラムなどのカラムを用いたクロマトグラフィーにおいて水及び高極性有機溶媒で溶出することによっても、水に可溶なマテ葉抽出エキス(疎水性カラムによる水抽出物)と共に、高極性有機溶媒に可溶なマテ葉抽出エキス(疎水性カラムによる高極性有機溶媒抽出物)を得ることができる。上記したように、水エキスそのものでは必ずしも充分とは言い難いため、HP20等のカラムで水溶出成分は除いた高極性有機溶媒可溶性成分、特にエタノール溶出成分を用いることが望ましい。
【0021】
また、上記の例とは別に、高極性有機溶媒を、マテ葉に対し、重量で5〜30倍量、好ましくは7〜12倍量加え、1〜4時間、好ましくは2〜3時間還流し、必要に応じて濾過を行う。この操作は、2回以上繰り返して行うことが可能である。
この操作により、高極性有機溶媒に可溶なマテ葉抽出エキスを得ることができる。さらに、得られた濾液を合わせて乾燥し、さらに水と中極性有機溶媒による分配クロマトグラフィーを行うことにより、水に可溶なマテ葉抽出エキス(水可溶性画分)と中極性有機溶媒に可溶なマテ葉抽出エキス(中極性有機溶媒可溶性画分、中極性有機溶媒抽出物)をも得ることができる。続けて、水可溶性画分について水と高極性有機溶媒による分配クロマトグラフィーを行うことにより、高極性有機溶媒に可溶なマテ葉抽出エキス(高極性有機溶媒抽出物)と水に可溶なマテ葉抽出エキス(水抽出物)をも得ることができる。
【0022】
このようにして得られるマテ葉抽出エキスは、そのまま糖質分解酵素阻害剤として用いることができるが、さらに例えば遠心分離、濾過、圧搾その他の固液分離手段によって、残留物を除去し、これを必要に応じてそのまま、或いは減圧下に濃縮後、減圧乾燥、凍結乾燥等することにより、製剤化することもできる。
【0023】
このようにして目的とする本発明の糖質分解酵素阻害剤を得ることができる。
このようにして得られた本発明の糖質分解酵素阻害剤は、糖質分解酵素に対し優れた阻害活性を有する。
糖質分解酵素とは、糖質を分解する酵素であり、例えば、マルトースを分解するマルターゼ、スクロースを分解するスクラーゼ等のα−グルコシダーゼや、デンプンを分解するα−アミラーゼ等がある。
【0024】
糖質分解酵素阻害活性の有無、程度は、糖質分解酵素阻害試験や、糖負荷試験により確認することができる。
糖質分解酵素阻害試験は、試料にα−グルコシダーゼの基質であるマルトースやスクロース、α−アミラーゼの基質であるデンプンと共に、マテ葉抽出エキスを添加して反応後、遊離するグルコースをグルコースオキシダーゼ法により定量する試験である。
また、糖負荷試験は、ラットにマルトース、スクロース、デンプン等の基質のみ、或いは基質とマテ葉抽出エキスを投与し、投与後の血糖値を測定する試験である。
【0025】
本発明の糖質分解酵素阻害剤は、グルコースそのものへの吸収阻害作用や糖吸収阻害作用以外のその他の血糖降下作用を有するのではなく、糖質分解酵素阻害作用により糖質の分解を阻害して、血糖上昇を抑制するものと認められる。
【0026】
本発明の糖質分解酵素阻害剤は、他の任意成分と共に組み合わせることにより、種々の形態とすることができる。特に、食品の形態として利用することが好ましい
【0027】
本発明においては、例えば上記した如き水抽出物をそのまま糖質分解酵素阻害剤を含有する飲料とすることができるし、或いはエキス末としたものをそのまま製品としても良いが、効率的に効果を発揮させるため、好ましくはマテの高極性有機溶媒可溶性成分を多く含有した抽出物、例えば、水抽出エキスをHP20カラムに通して水溶出成分は除いた後、吸着成分をアルコールで溶出させた抽出物を製品として用いるのが良い。さらには、このものを錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤等の種々の形態にしても良く、また、これらの形態に適当な賦形剤(例えば、デキストラン、オリゴ糖、乳糖など)等を加えたものであっても良い。
【0028】
さらに、当該食品は、上記糖質分解酵素阻害剤を含有するものであれば、必要に応じて、生薬成分、ビタミン剤、安定剤、防腐剤、抗酸化剤、甘味剤、着色料、香料、果汁等を配合したものであっても良い。
ここで食品の形態としては特に制限はなく、飲料をはじめ、パンやビスケットなどの形態で、さらには菓子などの形態でも用いることができる。また、いわゆる健康食品として利用することもできる。さらには、ペットフードなどとして利用することも可能である。
【0029】
当該食品中における上記糖質分解酵素阻害剤の配合量は、特に限定されないが、通常上記の如き形態中に0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜1重量%程度である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
以下では、まず、in vitroでの二糖類分解酵素阻害試験(α−グルコシダーゼ阻害試験)及び動物を用いた糖吸収阻害試験(糖負荷試験)の手順を示し、次に、マテ葉抽出エキスの調製の手順を示し(製造例1〜4)、そして、調製したマテ葉抽出エキスの前記各種試験並びに酵素の性質を調べた結果(実施例1〜7)を示す。
【0031】
〔α−グルコシダーゼ阻害試験及び糖負荷試験〕
I.α−グルコシダーゼ阻害試験
α−グルコシダーゼ(マルターゼ)としては、ラット小腸アセトン粉末(シグマ社製)を0.1Mリン酸緩衝液でホモジナイズした後、遠心分離により得られた沈殿物を1%Triton−X100に溶解し、遠心分離後、上清を透析して、粗酵素として用いた。
対照区では、マルトース(14mM)を基質とし、粗酵素液を添加し、15分間反応後、遊離するグルコースをグルコースオキシダーゼ法により定量した。被検物区(本発明区)では、製造例1〜4で得られたマテからの分画物を反応液に添加した他は、対照区と同様に反応して、グルコースを定量した。阻害率は被検物無添加の場合の活性を100とし、被検物添加時の活性を100から差し引いた分を、阻害率(%)として示した。
【0032】
II.糖負荷試験
Donryu系雄性ラット(7週齢)を用い、一週間の予備飼育後、実験に供した。一夜絶食後、対照群にマルトース2.5g/kgをゾンデを用いて経口投与し、被検物群にはマルトースと同時にマテの分画物を投与した。投与後、経時的に尾静脈より採血し、血糖値を測定した。
【0033】
製造例1
マテ乾燥葉1000gに水8000mlを加え、沸騰浴中で30分間抽出し、濾過し濃縮後、凍結乾燥して、熱水抽出物230gを得た。
【0034】
製造例2
製造例1で得られた熱水抽出物50gについて、水とブタノールによる分配クロマトグラフィーを行い、水可溶物37.9gとブタノール可溶物12.1gを得た。
【0035】
製造例3
製造例1で得られた熱水抽出物について、HP20カラムクロマトグラフィーを行った。熱水抽出物50gを水に溶解し、水で平衡化したHP20カラム(商品名:ダイヤイオンHP20、製造元:三菱化学(株))にサンプリングして、カラムの5倍量の水で溶出した。その後、エタノールに換えて、同様に5倍量で溶出した。
この操作により、HP20カラムによる水溶出物33.3gとエタノール溶出物16.7gを得た。
【0036】
製造例4
マテ乾燥葉200gにメタノール2000mlを加え、3時間還流し、濾過後、その残留物に再度2000mlのメタノールを加えて3時間還流した。濾液を合わせて濃縮乾固し、メタノールエキス末41.4gを得た。
このメタノールエキス末について、さらに酢酸エチルと水の分配クロマトグラフィーを行い、酢酸エチル可溶性画分(酢酸エチル可溶物)と水可溶性画分とに分けた。水可溶性画分はブタノール/水分配クロマトグラフィーを行い、ブタノール可溶性画分(ブタノール可溶物)と水可溶性画分(水可溶物)とに分けた。
この結果、酢酸エチル可溶物、ブタノール可溶物、水可溶物を、それぞれ5.5g,5.5g及び15.2gを得た。
【0037】
実施例1
製造例1で得られたマテ葉の熱水抽出物を被検物として、前記の手法によりα−グルコシダーゼ阻害試験及び糖負荷試験を行い、α−グルコシダーゼ阻害作用と糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。
α−グルコシダーゼ阻害試験において、反応液中に占める被検物(マテ葉の熱水抽出物)の濃度は、1000μg/ml,100μg/ml濃度とした。また、糖負荷試験において各被検物の投与量は、ラット1個体あたり500mg/kg(体重)とした。糖負荷試験の結果を図1に示す。
【0038】
α−グルコシダーゼ阻害試験の結果については、反応液中1000μg/ml,100μg/ml濃度で、阻害率は各々78.6%,52.2%であった。
また、糖負荷試験の結果については、図1から明らかな通り、熱水抽出物投与30分後,60分後、対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.05)。
これらのことから、製造例1で得られたマテ葉の熱水抽出物により、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)が阻害され、糖負荷後の血糖上昇が抑制されることが明らかとなった。
【0039】
実施例2
製造例2で得られたブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)をそれぞれ被検物として、前記の手法によりα−グルコシダーゼ阻害試験及び糖負荷試験を行い、α−グルコシダーゼ阻害作用と糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。
α−グルコシダーゼ阻害試験において、反応液中に占める被検物の濃度は、実施例1と同様に1000μg/ml,100μg/ml濃度とした。一方、糖負荷試験において各被検物の投与量は、実施例1と同様にラット1個体あたり500mg/kg(体重)とした。糖負荷試験の結果を図2に示す。
【0040】
α−グルコシダーゼ阻害試験の結果については、反応液中1000μg/ml, 100μg/ml濃度で、ブタノール可溶物(BuOH画分)の阻害率が各々92.3%,74.7%であり、水可溶物(水画分)の阻害率が各々81.6%,51.4%であった。
また、糖負荷試験の結果については、図2から明らかな通り、ブタノール可溶物(BuOH画分)投与群は投与30分後,60分後のいずれも、対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.01)。
一方、水可溶物(水画分)投与群でも対照群( Control )に対し低下を示し、特に投与30分後では軽度の低下(p<0.05)が示された。
これらのことから、製造例2で得られたブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)により、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)が阻害され、糖負荷後の血糖上昇が抑制されることが明らかとなった。
【0041】
実施例3
製造例3で得られた、マテの熱水抽出物のHP20カラムによる水溶出物(HP20/H2O)とエタノール溶出物(HP20/EtOH)とをそれぞれ被検物として、前記の手法によりα−グルコシダーゼ阻害試験と糖負荷試験を行い、α−グルコシダーゼ阻害作用と糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。
α−グルコシダーゼ阻害試験において、反応液中に占める被検物の濃度は、実施例1と同様に1000μg/ml,100μg/ml濃度とした。糖負荷試験において各被検物の投与量は、実施例1と同様にラット1個体あたり500mg/kg(体重)とした。糖負荷試験の結果を図3に示す。
【0042】
α−グルコシダーゼ阻害試験の結果については、反応液中1000μg/ml, 100μg/ml濃度で、水溶出物(HP20/H2O)の阻害率が各々35.2%,4.4%であり、エタノール溶出物(HP20/EtOH)の阻害率が91.3%,69.1%であった。
また、糖負荷試験の結果については、図3から明らかな通り、エタノール溶出物(HP20/EtOH)投与群は投与30分後,60分後のいずれも、対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.01)のに対して、水可溶物(HP20/H2O)投与群は30分後のみ軽度な低下(p<0.05)が示された。
これらのことから、製造例3で得られたHP20カラムによる水溶出物(HP20/H2O)とエタノール溶出物(HP20/EtOH)とにより、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)が阻害され、糖負荷後の血糖上昇が抑制されることが明らかとなった。
【0043】
実施例4
製造例4で得られた、酢酸エチル可溶物(酢エチ画分)、ブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)をそれぞれ比検物として、前記の手法により糖負荷試験を行い、糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。各被検物の投与量は、ラット1個体あたり500mg/kg(体重)とした。結果を図4に示す。
【0044】
図4から明らかな通り、酢酸エチル可溶物溶出物(酢エチ画分)投与群、ブタノール可溶物(BuOH画分)投与群、水可溶物(水画分)投与群のいずれも、投与後30分後、60分後において、対照群( Control )に対して有意に低下した。特に、ブタノール可溶物(BuOH画分)投与群は、15分後、30分後には既に軽度の低下を示し(p<0.05)、60分後には大幅な抑制を示した(p<0.01)ことから、最も強く血糖値を低下させていることが明らかである。
これらのことから、製造例4で得られた酢酸エチル可溶物(酢エチ画分)、ブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)により、糖負荷後の血糖上昇が抑制されること、中でも特にブタノール可溶物(BuOH画分)は、強い血糖低下作用を有することが明らかとなった。
【0045】
実施例5
製造例4で得られたブタノール可溶物について、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)に対する阻害形式を検討した。
すなわち、マルトースを基質とし、ミカエリス定数Km値付近の基質濃度Sに対してブタノール可溶物の濃度は一定の条件で、それぞれの基質濃度Sに対する反応速度vを求めた。1/s(%-1)を横軸に,1/v(mg−glucose/ml・min)を縦軸にプロットした(Lineweaver−Burkプロット)。結果を図5に示す。
【0046】
図5から、ブタノール可溶物の濃度が上昇するとプロットの勾配が大きくなり、かつ、各プロットによる直線は、縦軸上で交差せず、横軸上で交わることが分かる。このことから、ブタノール可溶物のα−グルコシダーゼに対する阻害形式は、非拮抗型であることが示された。
【0047】
実施例6
製造例4で得られたブタノール可溶物について、デンプン、スクロース、マルトースに関するα−アミラーゼ阻害作用及びα−グルコシダーゼ(マルターゼ、スクラーゼ)阻害作用と、糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。
すなわち、製造例4で得られたブタノール可溶物を被検物として、前記の手法によりα−グルコシダーゼ阻害試験を行い、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害作用を検討した。また、このα−グルコシダーゼ阻害試験において、マルトースの代わりにデンプン(和光純薬工業社製)を用いたα−アミラーゼ阻害試験を行い、α−アミラーゼ阻害作用を検討した。さらに、このα−グルコシダーゼ阻害試験において、マルトースの代わりにスクロース(和光純薬工業社製)を用いたα−グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害試験を行い、α−グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害作用の検討を行った。
これらの阻害試験において、反応液中に占める被検物(マテ葉の熱水抽出物)の濃度は、1000μg/ml,100μg/ml濃度とした。
【0048】
また、製造例4で得られたブタノール可溶物を被検物として、基質としてマルトースの他に、デンプン、スクロースを用いた糖負荷試験を行い、糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。被検物であるブタノール可溶物の投与量は、ラット1個体あたり250mg/kg(体重),500mg/kg(体重)とした。基質がマルトース、デンプン、スクロースの糖負荷試験の結果を、それぞれ図6、7及び8に示す。
【0049】
α−グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害試験の結果、反応液中1000μg/ml, 100μg/ml濃度で、阻害活性は、81.1%,54.8%であった。また、α−アミラーゼ阻害試験の結果、反応液中1000μg/ml, 100μg/ml濃度で、阻害活性はそれぞれ72.3%,50.4%であった。さらに、α−グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害試験の結果、反応液中1000μg/ml, 100μg/ml濃度で、阻害活性は、57.4%,28.1%であった。
従って、製造例4で得られたブタノール可溶物は、マルターゼ、α−アミラーゼ、スクラーゼのいずれに対しても強い阻害作用を示すことが明らかとなった。
特に、デンプン、スクロースを基質とした場合と比較して、マルトースを基質とした場合に、阻害活性が高かったことから、ブタノール可溶物は、α−アミラーゼ、スクラーゼ活性阻害作用よりもややマルターゼ活性阻害作用の強いことが示された。
【0050】
また、図6〜8から明らかな通り、糖負荷試験の結果においても、マルトースを負荷した場合、デンプン、スクロースを負荷した場合、いずれにおいても糖負荷後の血糖上昇抑制作用が示された。
【0051】
すなわち、図6から明らかな通り、マルトースを負荷した場合、製造例4で得られたブタノール可溶物は、投与後30分後、60分後において、ラット1個体あたり250mg/kg(体重),500mg/kg(体重)のいずれの投与量においても、対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.01)。
【0052】
また、図7から明らかな通り、デンプンを負荷した場合、製造例4で得られたブタノール可溶物は、ラット1個体あたり250mg/kg(体重)の投与量において、投与後60分後、対照群( Control )に対して軽度の低下を示した(p<0.05)。同じくデンプンを負荷した場合、製造例4で得られたブタノール可溶物は、ラット1個体あたり500mg/kg(体重)の投与量において、投与後15分後、30分後、60分後、それぞれ対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.01)。
【0053】
さらに、図8から明らかな通り、スクロースを負荷した場合、製造例4で得られたブタノール可溶物は、ラット1個体あたり250mg/kg(体重)の投与量において、投与後30分後と120分後、対照群( Control )に対して軽度の低下を示した(p<0.05)。同じくデンプンを負荷した場合、製造例4で得られたブタノール可溶物は、ラット1個体あたり500mg/kg(体重)の投与量において、投与後15分後、30分後、60分後、それぞれ、対照群( Control )に対して有意に低下した(p<0.01)。
【0054】
実施例7
製造例4で得られたブタノール可溶物について、基質としてマルトースの代わりにグルコースを用いて糖負荷試験を行い、糖負荷後の血糖上昇抑制作用について検討した。被検物であるブタノール可溶物の投与量は、250mg/kgとした。
その結果、糖負荷後の血糖上昇に影響はなかった。
また、製造例4で得られたブタノール可溶物のみを経口投与した場合には、血糖値に影響は見られなかった。
これらのことから、マテ葉抽出エキスによる糖負荷後の血糖上昇抑制作用はグルコースそのものの吸収阻害作用や糖吸収阻害作用以外の血糖降下作用によるものではなく、糖質分解酵素阻害作用により糖質の分解が阻害されたものと考えられた。
【0055】
【発明の効果】
本発明の糖質分解酵素阻害剤は、α−アミラーゼや、マルターゼ、スクラーゼ等のα−グルコシダーゼを含む種々の糖質分解酵素に対して強い阻害作用を示す。本発明の糖質分解酵素阻害剤は、特にマルトースを分解するマルターゼに対して強い阻害作用があり、デンプンそのものの分解抑制及び最終的な吸収過程での二糖類分解酵素阻害作用を有しており、食後過血糖を抑制することにより、糖尿病の他、肥満や高脂血症などの生活習慣病に対して予防及び治療効果を示すものと考えられる。
【0056】
本発明の糖質分解酵素阻害剤を含有する食品は、優れた糖質分解酵素阻害作用を有する。そして、長年食されてきた素材であるため、安全であり、日々摂取して利用するために非常に優れている。また、熱水処理により強い活性を有しているので、様々な食品や加工食品や医薬品等に添加して利用可能である。
従って、糖尿病の他、肥満や高脂血症などの生活習慣病を予防乃至治療するための食品として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるマテ葉の熱水抽出物の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図2】 実施例2におけるマテ葉のブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図3】 実施例3におけるマテ葉のHP20カラムによる水溶出物(HP20/HO)とエタノール溶出物(HP20/EtOH)の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図4】 実施例4におけるマテ葉の酢酸エチル可溶物(酢エチ画分)、ブタノール可溶物(BuOH画分)及び水可溶物(水画分)の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図5】 実施例5におけるマテ葉のブタノール可溶物のLineweaver−Burkプロットの結果を示すグラフである。
【図6】 実施例6におけるマテ葉のブタノール可溶物について、基質がマルトースの場合の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図7】 実施例6におけるマテ葉のブタノール可溶物について基質がデンプンの場合の糖負荷試験の結果を示すグラフである。
【図8】 実施例6におけるマテ葉のブタノール可溶物について基質がスクロースの場合の糖負荷試験の結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. マテの葉を抽出して得られるマテ葉抽出物について、分配カラムクロマトグラフィにより水可溶物とアルコール可溶物を分配し、得られるマテ葉アルコール抽出エキスを有効成分として含有する糖質分解酵素阻害剤の製造方法。
  2. 前記分配カラムクロマトグラフィが、疎水性カラムを用いたものである、請求項1に記載の糖質分解酵素阻害剤の製造方法。
  3. 前記アルコールが、エタノール及びブタノールのうちのいずれか一以上である、請求項1又は2に記載の糖質分解酵素阻害剤の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法から得られる糖質分解酵素阻害剤。
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