JP4197094B2 - セルフブローチ削り式の、回転押し込み式の、椎体間融合用のインプラント - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の分野）
本発明は一般に、隣り合う各椎体を固定するための、椎体間融合用の改良されたインプラント及びその拡開方法に関し、詳しくは、隣り合う各椎体の稠密な終板や軟骨下の骨領域の構造的支持を有効に保全しつつ、インプラントそれ自体を少なくとも部分的に介して椎体間融合を達成するべく、椎体の軟骨下の血管性の骨にアクセスするために終板に貫入される椎体間融合インプラント及びその拡開方法に関する。
【０００２】
（従来の技術）
椎体間融合は、外科的には、隣り合う各椎体間の骨組織を円盤状空間を横断してブリッジ処理することにより連続させ、これらの隣り合う各椎体間での相対移動を実質的に排除する方法である。ここで、“円盤状空間”とは、通常は脊椎盤の占める椎体間の空間を言う。通常は隣り合う各椎体間に位置する脊椎盤は、椎体間の空間を維持し、健康な脊椎が椎体間で通常の相対運動を可能とする。
椎体間融合を容易化するための数多くのインプラントが、Ｃｌｏｗａｒｄ，Ｂｒａｎｔｉｇａｎ，Ｍｉｃｈｉｅｌｓｏｎ他によって記述され、それらは当業者には既知のものである。椎体間融合は、Ｃｌｏｗａｒｄ博士によって教示され且つ実施されるような、椎体間に配置される骨移植片を使用しても達成されている。一般に、ねじ込み式であり得る円筒状のインプラントは、円盤状空間を跨いで隣り合う各椎体に貫入される、容易に調整された宿主骨に適合するという利点がある。そうした宿主骨はドリルを使用して創出され得るのであるが、骨を穿孔することで、終板や軟骨下の骨の一部分が除去されてしまう。
【０００３】
人間の椎体は、目の詰んだ稠密な海綿骨質（以下、皮質とも称する）の硬い外側シェルと、比較的柔らかい、海綿骨質の内側塊体とを有する。皮質直下の、円盤状空間に隣り合う部分は、今後、“軟骨下帯域”と称する骨の領域である。脊椎盤に隣り合う皮質の外側シェル（骨質の終板）と、その下側のろく軟骨下帯域とは、曖昧さを避けるために、ここでは何れも骨質の“終板領域”と称し、また本発明の目的上、そのように定義することとする。終板領域は、融合用のインプラントをその長さ全体において支持するために入手し得る最も稠密な骨を構成するが、椎体に穿孔を設けてこの終板領域を除去すると、インプラントは稠密度のずっと小さくしかも椎体内の、終板よりも位置的にずっと深い軟質の海綿骨質に載るようになる。
【０００４】
その他に、改変された円筒形状、即ち、テーパ付けした円筒形状を組み込んだ椎骨融合用のインプラントも知られている。しかしこのテーパ付けインプラントも、やはりドリルを使用して円盤状空間を横断する穿孔を創る必要があり、結局、終板の一部が除去されてしまう。こうした形式のインプラントの、上下の各椎体と接触する表面が弓形である限り、椎体の宿主床を弓形としないと、インプラントを融合させるために必要とされる程度の接触を得ることは不可能である。インプラントを受けるために椎体をそのように弓形化すると終板は除去される。
椎間板切除の後、円盤状空間内に非円筒形のインプラントを押し込む方法も斯界に知られている。こうした押し込み式インプラントは、椎体の終板の実質部分と接触することで隣り合う各椎体を支持する利益があるが、隣り合う各椎体内の穿孔にねじ込む、円筒形のねじ込み式インプラントに関連する利益、即ち、インプラントが最終的に完全に座着された位置で一層しっかりと保持されるという利益は得られない。そればかりか、終板自体の最も外側の面の深さの血管質にアクセスするために終板を少なくとも部分的に皮質除去、即ち、加工しておかなければ椎体は融合しない。
【０００５】
隣り合う各椎体間に挿通され、９０°回転して然るべく配置される、非円筒形の椎体融合用のインプラントも知られている。しかしながら、このインプラントの断面形状は、インプラントを回転させた時に椎体を所望されざる程に過剰に伸張させるか、若しくは、回転後に椎体間を伸ばす状況を招く。例えば、断面が概略四角形あるいは矩形のインプラントは、これを時計方向あるいは反時計方向に回転させると、インプラントの対角線が隣り合う各椎体の終板と直角（９０°）を成す時に円盤状空間を最大限に伸張させる。この伸張量は、インプラントの相対する側面の何れかが、隣り合う各椎体と接触する場合におけるそれよりも大きい。隣り合う各椎体間の空間が小さすぎる、あるいは予定伸張量が大きすぎると、インプラントを回転させることが不可能であるかあるいは椎体が破壊される。隣り合う各椎体間の空間が、インプラントを回転させ得るほどに十分大きい場合、インプラントはその最終位置に回転されてインプラントの相対する側面が隣り合う各椎体と接触するが、これらの相対する側面間の高さ寸法は同じ空間を通して回転する前述の対角線よりも小さいために、椎体間に生じる延びはずっと小さくなる。椎体間の延びは弾性変形範囲内のものであることが極めて望ましい。なぜなら、弾性変形はインプラントを固定させ且つ隣り合う各椎体間で相互に安定させ、しかも、これら椎体セグメントを通しての神経エレメントの通過及び排出のために最大の空間を提供するからである。
従って、隣り合う各椎体間の終板を実質的に保全しつつも、軟骨下の骨の血管質へのアクセスを実現し、円盤状空間内で９０°回転して椎体の弾性変形範囲内での最適な伸張を実現すると共に、可塑的変形及び組織の損傷を生じない、椎体融合用のインプラントに対する需要が存在する。
【０００６】
（解決しようとする課題）
本発明によれば、椎体間でインプラントを通して骨を成長させることのできる椎体間融合用のインプラントが提供される。本発明に従うインプラントは、隣り合う各椎体の終板領域が実質的に保全された円盤状空間内に押し込まれる設計形状とされる。これは、終板を初期状態のままとすべきであるということを意味するのではない。本明細書で説明する好ましい実施例において意図されるインプラントは、むしろ、構造的に有意の量で終板の軟骨下領域を残した円盤状空間内で使用するべく設計される。本発明の好ましいインプラントは、このインプラントの長手方向軸線を中心として９０°回転させると、インプラントの胴部分が隣り合う各椎体の終板領域と接触しつつ、例えばフィンあるいはブレード状突起のような突起が駆動され次いでこれら椎体の骨のもっと深い内側面分に侵入するようにして展開される。本発明が解決しようとする課題は、インプラントを介して椎体間を融合させ得る形態の椎体融合用の改良されたインプラントを提供することである。本発明のインプラントは、隣り合う各椎体間に挿入され、次いで９０°回転されることにより、各椎体を過剰に伸張させて引き離すことなく、然るべく配置され、一方、各椎体に貫入して軟骨下の骨の血管質にアクセスしてインプラントを然るべき位置に錠止し、かくして、隣り合う各椎体をインプラントに関して且つ相互に関して安定化する。ここで、“過剰に伸張させ”ないとは、各椎体を、弾性偏倚の範囲内で伸張させ、且つ、塑性変形させて組織を破壊することなく伸張させることとして定義される。“過剰に伸延させることなく”の意味の曖昧さを避けるために、当該表現及び個々の文言は、通常あるいは一般的に使用され得るものとしてではなく、本件明細書に於いてのみ定義されるものとして使用される。
【０００７】
解決しようとする他の課題は、必ずしもそうである必要はないが、円盤状空間を横断して且つ隣り合う各椎体中に穿孔する必要無く挿通され得、かくして、隣り合う各椎体の終板領域を実質的に保全しつつも尚、椎体間融合のために重要な、軟骨下の骨の血管質へのアクセスを提供する、椎体間融合用の改良されたインプラントを提供することである。
本発明の課題及び利益は、以下に部分的に説明される。これらの課題及び利益はそれらの説明から部分的に明らかであり、あるいは本発明の実施を通して認識され得る。本発明の課題及び利益は、添付される請求の範囲に特に指摘される各要素及びその組み合わせによって実現及び達成され得る。
以下の説明は例示目的のみのためのものであり、これに限定しようとするものではなく、その教示に従う、本発明の範囲に含まれる多様な改変例を予測し得るものである。
【０００８】
（課題を解決するための手段）
上述の課題を解決するために、本発明によれば、人体の隣り合う各椎体間の円盤状空間を横断して挿通するための、椎体間融合のための改良されたインプラントが提供される。１実施例においてインプラントは、挿通端部と、側壁と、上方壁及び下方壁と、を備えた胴部を有し、側壁が、直径位置で相対する２つの角部位置で、且つ、直径位置で相対する２つの弧の位置で上方壁及び下方壁と交差する断面を有している。本実施例のインプラントは、上方壁及び下方壁から外側方向に伸延する１つ以上のフィン状突起をも有し、かくして、インプラントを各椎体間の最終位置に約９０度回転すると、これらのフィン状突起が隣り合う各椎体の終板に貫入する。インプラントは、単一方向にのみ、若しくは対称方向に回転し得るような形態のものとすることができる。インプラントを、その長手方向軸線を中心とする両方向に回転自在とする、即ち対称方向回転性のものとした場合、各側壁と上方壁及び下方壁との交点は好ましくは各々弧状となる。ここで、“側壁”とは、インプラントを回転し、隣り合う各椎体間の空間に最終的に位置決めした後、各椎体間を伸延する部分を言うものとする。ここで、“上方”及び“下方”とは、円盤状空間内でインプラントを最終位置に回転させた場合に、頭部方向及び尾方向の夫々において各椎体と接触し、且つ、フィン状突起を差し込むことにより各椎体を支承する表面部分を言うものとする。
【０００９】
上述のインプラントには様々な改変例がある。例示目的のみで言えば、側壁、上方壁及び下方壁は夫々全体に相互に平行である。側壁は、インプラントを最終位置に回転するに先立つ椎体間への挿通の初期に、隣り合う各椎体と物理的に接触され得る。側壁及び又は上方壁及び下方壁は、骨がそこを通して成長できるようにするための開口を有する形態のものとすることができる。また、インプラントは、隣り合う各椎体間の融合を促進するための融合促進材を装填することのできる中空部分を有し得る。上方壁及び下方壁は、脊椎前湾に対応するために相互方向に様々に角度付けすることが可能であり、及び又は、隣り合う各椎体の各終板の自然の輪郭と合致する輪郭を有するものとすることができる。
【００１０】
インプラントは、人体の脊椎内に好適な且つ意図目的のために作用するに十分な強度の任意の適宜の材料から作製し得る。それらの材料には、これに限定するものではないが、皮質性骨、骨複合材、プラスチック、カーボンファイバーその他の複合物、セラミックス、外科等級のインプラント品質の金属、例えばチタンやチタン合金、タンタラム、クロム合金が含まれる。インプラントは更に、生物再吸収性の材料や、生物活性、即ち、融合のために重要な骨の形成を促す材料を更に含み得る。それらの材料はインプラントの材料内のものであり、インプラントの構造中に含まれ、あるいは、インプラントのコーティングあるいは処理剤であり得、これに限定するものではないが、骨形態形成タンパク質、遺伝子因子（骨を発生させるための遺伝物質コーディング）、骨芽細胞その他の、骨発生のための細胞あるいは細胞機構の形成、漸増、を刺激及び又は活性化するための変換因子が含まれる。
【００１１】
直径位置で対向する接合部は好ましくは弓形であり、詳しくは、異なる方法で形態化され得る弧状部である。例えば、各弧は複数の半径のものであり、あるいは各々同じ半径を有するものであり得る。あるいは、各弧は同じ円の弦、若しくは四分円であり得る。同様に、直径位置で対向する別の接合部は、直角を形成し得るような角部とすることができる。この別の、直径位置で対向する接合部は、インプラントを長手方向軸線を中心とする何れかの方向に回転させたい場合には、除去、面取り、あるいは丸み付けしても良い。
【００１２】
フィンは多様な形態を有し得る。フィンの別形態には、インプラントを通る中央の長手方向軸線か、あるいはフィンがそこから突出するところの、インプラント胴部の上方壁及び下方壁から測定した、インプラントの長さの一部分に沿う高さ寸法が、異なる、等しい、あるいは可変のものが含まれる。フィンあるいは突起は、可変のあるいは一定肉厚の、あるいは、フィン間の間隔が可変のあるいは一定のものであっても良い。フィンあるいは突起は、インプラントを回転させた場合に脊椎の終板領域内への切り込みを容易化するための、鋭利な前縁部及び又は後方表面を有し得、また、好ましい形態に於いては、前縁部は、ナイフ状で、傾斜され、薄く且つ鋭く、後縁部は肉厚で且つ鋭くない。ここで、上下の各表面と、これら上下の各表面から突出するフィンとを有する胴部の意味の曖昧化を避けるために、上下の各表面と、突出するフィンとが見分けにくい形態とされた場合でさえも、本件出願の範囲内のものとする。この場合でも尚、円盤状空間に隣り合う各表面位置で各椎体を支持する状態に位置付けられる領域が各フィン間に存在する。
【００１３】
本発明のインプラントは単独で使用する必要はない。本発明のインプラントはむしろ、追加の安定性及び融合促進を提供する補完用のインプラントと共に使用することができる。補完用のインプラントはそれ自体新規なものであり、本発明の別の実施例を構成するものである。例えば、先に説明した形式の第２のインプラントを第１のインプラントと同じ方向（即ち時計方向あるいは反時計方向）に回転させ得、あるいは好ましくは、第１のインプラントと反対方向に回転させ得る。インプラントの回転方向は、好ましくは複数半径の弧状部であるところの、直径位置で対向する接合部の位置次第である。単一方向回転性の形態を有する好ましい実施例のインプラントは、約４５度回転された場合に、角部ではなく、複数半径の弧をして終板と係合せしめ、かくして、この複数半径の弧の幾何学形態を使用して過剰の延びを回避させる。
【００１４】
隣り合う各椎体の中間の円盤状空間内に２つのそうしたインプラントを挿通した場合、これら２つのインプラントの間には、特殊な第３のインプラントを挿通し得るものの、この第３のインプラントを座着させるために回転させることはできない空間が生じる。従って、好ましい、補完用の新規な第３のインプラントは、その上下の各表面に、隣り合う各椎体の終板と係合して円盤状空間内での安定性を高めるラチェット機構を有し、また好ましくは、第１及び第２の各インプラントの各側壁に同様に隔設したラチェット機構と合致するラチェット機構をその各側面にも有し、かくして、隣り合う各椎体内に錠止されたこれらの各インプラントによって然るべき位置に錠止される。各インプラントは類似目的の別法では相互嵌合性のものであり得る。第３のインプラントは、第１及び第２の各インプラントを強制的に引き離してその隙間に自ら捕捉され、かくして、これら第１及び第２の各インプラントのみならず隣り合う各椎体の、これら各インプラント及び相互に関する安定性を向上させる。ラチェット機構は好ましいものではあるが、ローレット刻みその他の、インプラントを隣り合う各椎体及び隣り合う各インプラントに機械的に相互嵌着する表面も本発明の範囲内のものとする。
【００１５】
本発明によれば、少なくも１つの、椎体間融合用のインプラントを、円盤状空間を横断して人体の脊椎内の隣り合う各椎体内に展開させるための方法も提供される。本方法には、隣り合う各椎体間の、各椎体から隣り合う各椎体の終板にかけての少なくとも一部分を、インプラントの長さよりも少なくとも大きい寸法の深さで且つ好ましくはインプラントの長さ以上の寸法の深さで、且つ、インプラントの最大高さ寸法であるところの、フィン先端部から反対側のフィン先端部間で測定されるインプラントの高さ寸法よりも少なくとも同じ寸法の幅寸法で円盤を除去すること、第１のインプラントにして、挿通端部と、後端部と、側壁と、必ずしもそうである必要はないがフィン形態が好ましい突起が夫々外側方向に伸延する上方壁及び下方壁と、を有する第１のインプラントを提供すること、が含まれる。上方壁及び下方壁は、これら上方壁及び下方壁を貫き、かくして隣り合う各椎体の一方から他方へと、インプラントを貫いて骨の連続成長を許容させるための、少なくとも１つの、あるいは複数の開口を有するのが好ましい。インプラントは、各側壁が上方壁及び下方壁の接合部位置で交差する断面を含む。上方壁及び下方壁の交差位置は、直径位置で対向する２つの弧の位置であるのが好ましい。本発明の方法には、インサートを、各側壁を隣り合う各椎体の終板に向けた状態で隣り合う各椎体間を直線方向に前進させ、次いで長手方向軸線を中心として９０°回転させて、上方壁及び下方壁から突出して伸延する表面を隣り合う各椎体の骨の内部に向けて移動させ、かくして、各フィンを隣り合う各椎体の各終板に貫入させることも含まれる。インプラントが展開されると、フィンを伸延させてなる上方壁及び下方壁が、隣り合う各椎体の終板と接触し且つ支持する状態に配置される。
【００１６】
本発明の他の実施例には、上述の如く円盤材料を除去すること、インプラントを手持ち式の駆動機器に取り付けること、これに限定するものではないが、神経構造、血管構造、生体臓器を含む任意の人体組織を伸延させて創出した空間への接触のないアクセスを提供すること、インプラントに、このインプラントと係合して直線方向での前進及び回転の何れも提供し得る手持ち式の挿入機器を取り付けること、隣り合う各椎体間に創出された空間内で、側面を隣り合う各椎体の終板と隣接させた状態下に、脊椎から突出しない十分な深さに直線的に前進させることでインプラントを挿通させること、好ましくは挿通機器を使用してインプラントを回転し、かくして、好ましくは直径位置で対向する弧の部分からなる上方壁及び後方壁の接合部を隣り合う各椎体と接触させること、インプラントを引き続き回転し、インプラントが約９０度回転するまで、上方壁及び下方壁の指状突起を駆動して隣り合う各椎体の隣り合う表面に貫入させること、挿通及び又は回転工具をインプラントを逆回転させることなく脱係合させること、が含まれる。
【００１７】
本発明には、挿通端部と、後端部と、側壁と、フィンを外側に伸延させてなる上方壁及び下方壁とを有し、少なくともこの上方壁及び下方壁が、椎体から椎体への負荷を有意に支承するために構造的に有意の方法で形成した、骨の連続成長を可能とするに十分な寸法形状の開口を有する第２のインプラントを提供すること、この第２のインプラントの各側壁を、上方壁及び下方壁の接合部位置にして、直径位置で対向する弧状部であるのが好ましい接合部位置で交差させること、隣り合う各椎体間に、各側壁を隣り合う各椎体に配向した状態で第２のインプラントを挿通すること、次いで、第２のインプラントを９０°回転して展開位置とし、かくして、上方壁及び下方壁を、各椎体の終板領域と接触させ且つ支持させる一方、上方壁及び下方壁から伸延するフィンを各椎体の終板に突き通させること、段階が含まれるのが好ましい。
【００１８】
この方法の２次的段階として、第１のインプラントを第１の方向に９０°回転させて展開させ、第１及び第２の各インプラント間に空間を提供させることができる。本方法には、この空間内に第３のインプラントにして、直線方向に前進して挿通されるデザインとされるが、回転しては然るべく位置付けされないデザインとされる点で第１及び第２の各インプラントとは構造の異なる第３のインプラントを配置することが更に含まれ得る。この特殊な第３のインプラントは、この第３のインプラントを隣り合う各椎体と係合させ且つ第１及び第２のインプラントと係合させるようにするための突起（ラチェット機構）を外側壁に含むことができる。第３のインプラントは、隣り合う各椎体と接触するための上方壁及び下方壁を有するのが好ましい。上方壁及び下方壁は、隣り合う各椎体の一方から他方へと第３のインプラントを通して機械的に有意な方法で骨を連続成長させ得るようにするための少なくとも１つの開口を有するのが好ましい。更には、インプラントが皮質性骨、カーボンファイバーあるいはチタン合金よりも強度の小さい任意の材料の如き材料から作製される場合に使用するために好ましい２次段階には、回転ブローチあるいは回転タップを使用して、フィンを案内する長孔を各椎体に設けることが含まれる。
【００１９】
第１及び第２の各インプラントを相互に離間する方向で反対に回転させると、隣り合う各椎体の表面を貫いてフィンが、展開状態でのインプラントの占有するそれよりも長い通路を切削する。これによりインプラントは、チッピングオーバーやねじれを生じることなく摺動して開き、あるいは、フィンが長手方向軸線の中央から横方向へと側方に摺動するに従って前方に移動する。好ましい方法では、本発明の円盤材料には、インプラントのそうした横方向移動に抵抗して第１及び第２の各インプラントを中央に戻す傾向を有する、非常に強い環状繊維質部分が含まれる。かくして、第３のインプラントによれば、第１及び第２の各インプラントが楔作用で押し分けられることで、自身のための、また他のインプラントのために提供され且つ隣り合う各椎体に提供されるところの極めて高い安定性が入手される。
【００２０】
（発明の実施の態様）
本発明を実施例を参照して詳しく説明する。図中、２８、２８’のようなダッシュを付記した同じ参照番号は同じインプラントの同じ部分に対して参照されるものとする。
図１及び図２Ａ〜図２Ｆを参照するに、本発明の好ましい実施例に従う椎体間融合用のインプラントが全体を番号２０で示されている。インプラントは、挿通端部２４と、後端部２６と、対向する各側壁２８、２８’と、対向する上方壁及び下方壁３０、３０’とを含む胴部２２を有する。胴部２２の各側壁２８、２８’は、各接合部位置で上方壁及び下方壁３０、３０’と交差する。各接合部は、直径位置で対向する２つの角部３２、３２’と、直径位置で対向する弧状部３４、３４’とであるのが好ましい。上方壁及び下方壁３０、３０’の各一方から外側方向に指状突起、即ちフィン３６、３６’が伸延し、これらの指状突起３６、３６’が、インプラント２０を回転した場合に隣り合う各椎体の終板に貫入するようになっており、一方、上方壁及び下方壁３０、３０’は隣り合う各椎体の終板を支持する。
【００２１】
本発明のインプラント２０の構造的特徴部分の機能を強調するために、インプラントの１実施例の好ましい使用方法を簡単に説明する。
円盤状空間を破除して示す図３Ａを参照するに、インプラント２０が、円盤状空間内に完全に収納されるまで直線方向に前進され、側壁２８、２８’が隣り合う円盤状空間の各椎体の各終板と対向する状態とされている。インプラント２０の弧状部３４、３４’が、インプラント２０を長手方向軸線を中心として９０°回転させた場合に、立法形の、台形の、あるいはその他形状であるインプラントの胴部の寸法形状が、インプラント２０の胴部２２よりも高くならず、その“高さ寸法”がインプラント２０のもっと低い上方壁及び下方壁３０、３０’の間の寸法となることを保証する。この、図３Ｂに最も良く示される特徴により、上方壁及び下方壁３０、３０’は、隣り合う各椎体の円盤状空間を過剰に伸張させることなくあるいは損傷させることなく、これらの各椎体の各終板と接触し且つ支持する状態に配置されるようになる。“過剰に伸張させることなく”なる表現の意味の曖昧化を回避するために、この表面及び個々の文言は本明細書内では通常あるいは普通に使用されるようには使用されず、本件出願での定義においてのみ使用されるものとする。
【００２２】
図３Ｃの、インプラント２０の胴部２２の好ましい実施例の断面の幾何学的形態の概略図に最も良く示されるように、インプラント２０は、対向する各側壁２８、２８’と、上方壁及び下方壁３０、３０’と、高さ寸法“Ｘ”と、幅寸法“Ｙ”と、短いあるいは短縮された斜辺“ＲＨ”とを有している。短縮された斜辺ＲＨは、改変されない斜辺Ｈよりもインプラント２０の高さ寸法Ｘにずっと近い寸法となっている。高さ寸法Ｘは幅寸法Ｙよりもずっと大きいものとして示されるが、これは１例に過ぎず、限定的なものではない。高さ寸法Ｘはインプラント２０の長さあるいは任意部分に沿った幅寸法Ｙと等しくあるいは若干短くすることもできる。
【００２３】
短縮された斜辺ＲＨは、本実施例では斜辺Ｈよりもずっと短く、かくして、インプラント２０を挿通位置から展開位置へと、本プロセス中に過剰な伸延を生じさせることなく回転させることができる。短縮された斜辺ＲＨは本実施例では弓形に例示されているが、この短縮された斜辺ＲＨを形成するためのインプラント２０の胴部２２の形態は、本発明の意図する目的のために十分な寸法形状の回転された斜辺ＲＨが得られる限りに於いて、弧状部分、アール、面取り、角度付けした一連の表面その他任意の形状を含む色々な形態のものとすることができる。短縮された斜辺ＲＨは、インプラント２０の胴部２２の高さ寸法Ｘよりは著しく大きくなく、高さ寸法ＴＨと等しいあるいはそれ未満の寸法の対角線を有する。短縮された斜辺ＲＨは、フィン３６、３６’を含むインプラント２０の全高ＴＨより短く、またもっと好ましくは、インプラント２０の、フィン３６、３６’の全高ＴＨよりもずっと短い対角線をも有する。
【００２４】
斜辺（真の斜辺）は、直角三角形の直角と対向する側辺である。ここで、斜辺あるいは短縮された斜辺とは、インプラントの、真の斜辺に重なる、対角線方向に対向する各部分間における理論線の対角線方向寸法に対して参照されるものとする。側壁２８、２８’と上方壁及び下方壁３０、３０’は交差される必要はないが、実際上は、各側辺が側壁２８’及び下方壁３０’に夫々相当する状態で形成される直角三角形の真の斜辺と重なり且つもっと短い理論線を形成させるための例として、逃げ、アール、あるいは面取り構成を有し得る。図３Ｃに示されるように、斜辺Ｈは、胴部２２上で、側壁２８’と下方壁３０’とを各平面内で仮に延長させて図３ＣのＸ及びＹで表すように直角に交差させた場合に形成される直角を横断する、点３２及び３２’間の線の寸法を表す。短縮された斜辺ＲＨは、理論的な直角三角形の角部がアール付けした接合部であることから、胴部２２上の点３４、３４、間の線の寸法を表す。斜辺を、直角を横断するものとして参照したが、側壁と上方壁及び下方壁が本発明の目的上、直角以外の角度で交差する場合、９０°以外の角度によって形成される三角形の長い側辺を斜辺と称するものとする。
【００２５】
短縮された斜辺ＲＨが高さ寸法Ｘよりも若干大きい実施例により、インプラント２０を然るべき位置に錠止するオーバーセンター効果の利益が提供される。この場合、インプラント２０を回転し、短縮された斜辺ＲＨからなる対角線を通過させると、インプラントを最終の展開位置から初期の挿通位置初期に逆回転させるためには、短縮された斜辺ＲＨを高さ寸法Ｈと等しくあるいはそれ未満とした場合の実施例におけるよりもずっと大きな力が必要となる。
フィン３６、３６’の高さ寸法はインプラントの胴部の上方壁及び下方壁３０、３０’間で測った高さ寸法よりもずっと高い。フィン３６、３６’は、回転操作によって終板を貫いて駆動された後、隣り合う各椎体の内部に位置付けられる。フィン３６、３６’を椎体の海綿骨質領域内に突き刺すことにより、インプラントを終板下部の骨の血管質にアクセス可能とし、かくして、フィン３６、３６’が椎体内でアンカーとして作用する状態での、インプラント２０の著しい安定性を提供させ得るようになる。フィン３６、３６’によって、各椎体のインプラント２０と接触する表面積は平坦な表面と比較して大きく増大される。
【００２６】
インプラント２０の上方壁及び下方壁３０、３０’は、椎体の終板領域の骨を支持するような形態とされる。既に伸張され、その高さ寸法が胴部２２の高さ寸法に相当する円盤状空間にインプラント２０を挿通すると、胴部２２から突出するフィン３６、３６’が各端部プレートを通して回転し、椎体内に駆動される。フィン３６、３６’によるこの切削作用は、フィン３６、３６’の前縁部の形状を尖らせる、鋭利化する、あるいはその両方により更に増長され得る。
【００２７】
インプラント２０の構造上、上方壁及び下方壁３０、３０’を、その間部分の距離が、最適状態に伸張された円盤状空間の高さ寸法に相当するような形態とすることができる。上方壁及び下方壁３０、３０’は、隣り合う各椎体の終板と一致する表面形態を有するものとして形成し、かくして、各椎体とインプラントとを最適状態で接触及び支持させることができる。上方壁及び下方壁３０、３０’を貫く、少なくとも１つの、あるいは複数の開口を設け得る。これにより、インプラントを貫いて隣り合う各椎体の一方から他方へと骨が連続的に成長できるようになり、かくして各椎体を相互に融合させることができるようになる。インプラントの各側壁２８、２８’は、開口を１つあるいは複数有し得、あるいは有さなくとも良い。
図１及び図１Ａに示すように、各側壁２８、２８’はインプラント２０を脊椎内に挿通するに際し、隣り合う各椎体と接触するような間隔を有するのが好ましい。各側壁２８、２８’は相互に全体に平行である。
【００２８】
直径位置で対向する弧状部３４、３４’は、必ずしもそうする必要はないが、複数半径からなる複数の弧状部として形成するのが好ましい。弧状部３４、３４’は、図１及び図２Ｅに示すような同一半径のものとするのが更に好ましく、同一円の弧状部とするのが最も好ましい。各弧状部３４、３４’は同一円の四分円を含み得る。弧状部３４、３４’間の距離は、上方壁及び下方壁３０、３０’間の距離に近似し、かくして、インプラント２０をその初期の挿通位置から最終の展開位置に回転させた場合、隣り合う各椎体間の空間が何ら伸張されず、しかも各椎体が損傷されないことが好ましい。
【００２９】
フィン３６、３６’は、インプラント２０の長手方向の中心軸線Ｌから測定した高さ寸法Ｈを有する。１実施例では、この高さ寸法Ｈはインプラント２０の一部分に沿ってあるいは長さ全体に於いて実質的に一様なものであり得る。あるいは、フィン３６、３６’は、上方壁及び下方壁３０、３０’から測定した、インプラント２０の長さ方向に沿って実質的に一定の高さ寸法Ｈ’を有し得る。高さ寸法、そしてフィンの形態のその他の変形例は当業者、即ち、脊椎外科医には容易に認識し得よう。フィン３６、３６’は、インプラント２０が回転されるに際して各椎体に貫入するための鋭利な前縁部４０、４０’を有するのが好ましい。各前縁部４０、４０’は尖らせる及び又は傾斜付けしても良い。フィン３６、３６’は、その長さの任意部分に沿って鋭利化し、フィン３６、３６’が椎体を貫いての海綿質領域内への差し込みを容易化させることができる。フィン３６、３６’は、インプラント２０を然るべき位置にしっかりと錠止するために各後端位置を肉厚化することができる。例えば、フィン３６、３６’を、異なる形状及び配列のものとしても良い。例えば、例示目的上であってこれに限定するものではないが、フィン３６、３６’を、上方壁及び下方壁３０、３０’の少なくとも一部分に沿って等間隔に配置した指状突起の形状のものとすることができる。螺旋の一部或はセグメントであるフィン３６、３６’、あるいは、インプラントの長さ方向に沿った間隔が不等間隔のフィン３６、３６’も本発明の範囲内のものとする。フィン３６、３６’は、本明細書で言及するような意図目的のために好適な様々な形状の任意のものであり得る。
【００３０】
図１ではインプラント２０は単一方向に回転する形態を有している。図３Ａ及び図３Ｂに最も良く示されるようなこの例での実施例では、適宜に伸張された空間内でインプラント２０を反時計方向に回転させようとすると、角部３２、３２’間の対角線の長さが円盤状空間の高さ寸法を上回るという事実により、インプラントの回転は阻止されることが分かる。逆に、時計方向では、弧状部３４、３４’間の対角線が円盤空間の長さ未満あるいは等しいことから、インプラントを回転させることができる。
【００３１】
インプラント２０の胴部２２は中空部分４２を含んでいるのが好ましい。この中空部分４２は、これに限定するものではないが、任意の様々な形態での骨、ハイドロキシアパタイト、サンゴ、骨形態形成タンパク質、骨芽細胞あるいは骨形成のための細胞を誘導する能力を有する原因物質を含む、融合促進材料を収納するようになっている。本発明のインプラントは、意図目的上好適な且つ人体の脊椎に移植するために適宜の任意の材料から作製することができる。そうした材料には、これに限定するものではないが、骨自体、特に、人間の皮質性骨が含まれる。人間の皮質性骨は、意図目的のための十分な強度を有している限りに於いて、解剖用死体の大腿骨のような部分から入手され得る。本発明のインプラントは、例えば、ラクトン、ポリラクトン、ガラクトン等からの人工骨部品や生物再吸収性（時間と共に分解して人体に吸収される）のプラスチック、あるいは、骨片どうしを結合して、十分な強度を有し且つ脊椎融合用のインプラントを介して椎体を融合する意図目的のために十分長い期間作用する材料を形成することのできる、任意のそうしたプラスチックを含む新規な材料から作製することができる。そうした新規な材料の中では、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは長さが幅寸法よりも著しく大きい、フィブリスの形態を有するようにした、カーボンファイバ配合物によく似た皮質ストリップ状の人間の骨片が好ましい。これらのフィブリスはランダム配置され、層化されるかあるいは、シート状、あるいはパッドあるいはメッシュ状に織られ、再吸収性プラスチックと結合されてインプラントの材料を形成する。インプラントは、材料から注型され、機械加工され、あるいはそれらの組み合わせにより形成される。
【００３２】
先に言及したように、インプラント２０は少なくとも１つの、あるいは複数の、上方壁及び下方壁３０、３０’を貫く開口にして、ここではインプラントの胴部を貫いて中空部分４２と連通する開口３８、３８’を有する。これらの開口は、インプラント２０を通過する開口を提供すると共に、インプラントの上方壁及び下方壁３０、３０’を貫き、かくして、インプラントを介しての、隣り合う各椎体の一方から他方への骨の連続的な成長を可能とする。側壁２８、２８’もまた、これらの側壁を貫いて中空部分４２と連通する開口４４、４４’を含み得る。上方壁及び下方壁３０、３０’を貫く開口３８、３８’のみならず、各側壁２８、２８’の開口４４、４４’が、インプラントを通しての融合を生じさせるという意図目的のために好適な、任意の寸法形状、形態あるいは配置を有し得ることを容易に認識されよう。本実施例では、開口３８、３８’及び４４、４４’の少なくとも幾つかは肉眼で見える寸法、即ち、横断方向寸法が１．０ｍｍ以上のものである。本発明のインプラントは、顕微鏡的寸法の開口、即ち約４０ミクロン未満の開口も含み得る。顕微鏡的とは、構造の詳細を認識するために拡大操作が必要なほどに十分小さい寸法として定義され、ここでは最大寸法が１ｍｍ未満のものとして使用される。
【００３３】
インプラント２０は、インプラント２０の挿通端２４に螺合するネジ溝を有するキャップ４６を含むのが好ましい。キャップ４６は、中空部分４２に対するアクセスを提供するべく取り外し自在であり、かくして、中空部分４２に任意の天然あるいは人工の、骨伝導性の、骨誘導性の、骨生成性の、その他融合を増長する材料を充填（所望であれば加圧負荷下に）することができるようになる。そうした材料の幾つかの例には、患者若しくはその他から採取した骨、あるいはこれに限定するものではないが、例えば、ヒドロキシアパタイト、ヒドロキシアパタイトトリカルシウムホスフェート、骨形態形成タンパク質のような骨成長誘導材料、あるいは、骨形成のための遺伝子コーディングがある。
【００３４】
キャップ４６及び又はインプラント２０は、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、プラスチック、セラミック、それらの複合物のような金属を含む人体埋設のために適宜の任意の材料で作製され得、及び又は、これに限定するものではないが、ヒドロキシアパタイトあるいはヒドロキシアパタイトトリカルシウムホスフェートあるいはその他の、骨形成用の細胞及び又は細胞による骨の形成を刺激するための、骨形態形成タンパク質その他の遺伝子材料（骨製造のための遺伝子コーディング）を含む、骨伝導性の、骨誘導性の、骨生成性のあるいはその他の融合増長用の、骨の内部成長を誘起する材料で作製され、及び又は充填され、及び又はコーティングされ得る。キャップ４６とインプラント２０とは、部分的に、あるいは全体的に生物再吸収性のものであり得る。キャップ４６は、ネジ溝連結するものに限定されるものではない。インプラント２０及びキャップ４６は、意図目的のために且つ当業者に既知の任意の好適な様式下に、一方が他方に協働する状態で係合するように各々構成され得る。インプラントは端部開口が不要であり、様々の実施例においては単一の開口を含み、この開口を通して容易に負荷され得る。キャップ４６もまた、このキャップ４６をインプラント２０と係合させるための、あるいはインプラント２０を円盤状空間内及び隣接する各椎体内に挿通及び回転させるための駆動体と協動状態で係合するための形態のものであり得る。キャップ４６には、血管質へのアクセス及びそこを通しての骨の成長を提供しつつ、インプラント２０内の融合促進物質を保持するための孔を形成することもできる。
【００３５】
腰椎で使用するための好ましい実施例では、前後ろに、あるいは後ろ前に配置したインプラント２０は、２６〜２８ｍｍを好ましい長さとする状態での、約２０〜３４ｍｍの範囲の全長を有する。インプラント２２の、上方壁及び下方壁３０、３０’間の距離として定義される胴部２２は、腰椎で使用する場合は約６〜２０ｍｍの高さ寸法を有する。この高さ寸法はインプラントの長さ次第で変化させることができる。フィン３６、３６’は、胴部２２から測定して、１〜５ｍｍの範囲の高さ寸法を有するのが好ましい。側壁２８、２８’は、約６〜２０ｍｍの範囲の距離、相互に離間しているのが好ましい。フィン３６は、上方壁及び下方壁３０、３０’から伸延され、フィン３６の先端からフィン３６’の先端までの距離は、上方壁及び下方壁３０、３０’間の距離よりも大きい。頸椎用のインプラントは長さが１０〜２２ｍｍであり、胴部の高さ寸法が５〜１２ｍｍ、フィンの高さ寸法が０．５〜２．５ｍｍ、胴部の幅寸法は５〜１２ｍｍであるのが好ましい。
【００３６】
本発明の好ましい実施例には、インプラント駆動体係合手段と係合するための手段が含まれる。これに限定するものではないが、この係合手段は、インプラント２０の後端部２６に位置付けられ、インプラントを挿通させるに先立って全負荷状態とすることができることが好ましい。インプラント駆動体係合手段は、インプラント２０をインプラント駆動体に固定可能とし、かくして、駆動体を不慮に脱係合させることなく、押し引き、のみならず回転できるようにするものであることも好ましい。そうしたインプラント駆動体係合手段の一例が図２Ｄに示される。図２Ｄでは、インプラント２０はその後端部２６の位置に、挿通機器を受けるための凹型の長孔４８を有する。長孔４８は、インプラント２０を挿通するに際して使用するための機器をネジ取り付けするためのネジ溝付き開口５０を有する。その他の数多くの形式の係合手段を使用し得、それらも本発明の範囲内のものとする。
【００３７】
図４及び図５Ａ〜図５Ｅ、特に図５Ａを参照して説明する本発明の他の好ましい実施例では、インプラント１２０が、胴部１２２の挿通端部１２４から後端部１２６にかけて相互に角度的に拡開する関係で配置された上方壁及び下方壁１３０、１３０’を含んでいる。この拡開関係により、脊椎の前側から挿通した場合における、腰椎あるいは頸椎のセグメントの前湾症が保全され及び又は修復される。図４のインプラント１２０は、このインプラント１２０の長手方向の中心軸線Ｌから測定した高さ寸法Ｈが実質的に一様なフィン１３６、１３６’を有し、かくして、フィン１３６、１３６’の全高は長手方向の中心軸線Ｌと実質的に平行な寸法形状を有する。フィン１３６、１３６’の、上方壁及び下方壁１３０、１３０’から測定した高さ寸法Ｈ’は、インプラント１２０の長さ方向に沿って変化する。あるいは、フィン１３６、１３６’の、インプラント１２０の長手方向の中心軸線Ｌから測定した高さ寸法Ｈはインプラント１２０の長さ方向に於いて変化され得る。
【００３８】
図６及び図７Ａ〜図７Ｅを参照して以下に説明する本発明の更に他の好ましい実施例では、インプラント２２０は上方壁及び下方壁２３０、２３０’が、胴部２２２の挿通端部２２４から後端部２２６にかけて角度的に収縮する関係で配置されている。本実施例では、脊椎の挿通位置のセグメントでの自然の前湾症を修復するべく、インプラント２２０を脊椎の後方側から挿通した場合に、インプラント２２０の胴部２２２が挿通端部２２４に最も近い位置の高さ寸法が最も高く、後端部２２６に最も近い位置の高さ寸法が最小である。そうした修復は、インプラント２２０がその側面を下にして円盤状空間に導入されること、及び、胴部２２２の側面から側面にかけての寸法形状が好ましくは一様であるという事実により容易化される。
【００３９】
本発明の、図８及び図９Ａ〜図９Ｅを参照して以下に説明する更に他の実施例では、インプラント３２０は、融合するべき隣り合う各椎体の各終板の本来の輪郭と実質的に合致する形態に全体的に解剖学的に形状付けされた上方壁及び下方壁３３０、３３０’を含んでいる。この解剖学的形状は図８及び図９Ａに最も良く示され、上方壁及び下方壁３３０、３３０’は、挿通端部３２４から後端部３２６にかけて湾曲状態で配向されている。この、上方壁及び下方壁３３０、３３０’における全体的に解剖学的な形状は、インプラント３２０の側面から側面にかけての輪郭にも含まれ得る。
【００４０】
図１０及び図１１Ａ〜図１１Ｄに示される本発明の他の実施例では、インプラント４２０は、インプラントを時計及び反時計の何れの方向にも回転させ得るようにアール付けされた、直径位置で対向する４つの接合部を含み得る。インプラント４２０のこのアール付けされた接合部は、円の一部に限定される必要はない。あるいは、これらの接合部をテーパ付けし、若しくは、その他幾つかの様式で、先に説明したアール付けされた領域に類似する様式で作用するための逃げ領域あるいは切り欠き領域を設け、かくして、短縮された斜辺が、対角線方向に対向する他の接合部間の他の斜辺、即ち、短くされず、改変されず、あるいは、理論的な斜辺若しくは、短縮された斜辺よりも少ない程度に短縮された少なくとも１つの斜辺であるところの他の斜辺よりも実質的に短くなるようにすることができる。
【００４１】
図１２及び図１３Ｂのインプラント４２０では、上方の壁４３０を貫いてインプラントに入り、下方の壁４３０’の開口４３８’を貫く３つの大きな開口４３８が使用される。これらの開口により、インプラント４２０を通しての、隣り合う各椎体間での骨の連続的な成長が許容される。上方壁及び下方壁４３０、４３０’は、図示されるよりも少ないあるいは多い数の開口４３８、４３８’を有し得る。そうした別態様は、インプラントの主たる特徴ではない端部開口に頼ることなく、骨のような骨形成性材料を容易に装填し易い。
【００４２】
図１４及び図１５Ａ〜図１５Ｄに示す本発明の他の好ましい実施例では、インプラント５２０は多孔質材料から構成され、その表面には一般に１．０あるいはそれ未満の直径の複数の開口５３８、５３８’が設けられている。開口５３８、５３８’は、インプラント５２０全体を貫くチャンネルの各端部であり、かくして、上方壁及び下方壁５３０、５３０’間を通しての、各椎体間での骨の成長が許容される。インプラント５２０はその多孔質性によって、融合促進材料を保持し得る他に、隣り合う各椎体間に対面して接触し且つ係合する表面積が大きくなる。表面積及び接触面積が共に大きくなることで、インプラント５２０は椎体間の融合プロセスを一層促進する。この特定のインプラントでは、外側表面５５２の孔の少なくとも有効部分は直径が５０〜５００ミクロンの範囲内のものであり、中でも２５０〜５００ミクロンの直径の部分が有効である。インプラント５２０はその多孔質性故に、宿主における骨形成を誘起するための生物活性の融合促進物質、例えば、骨形態形成タンパク質あるいは遺伝子材料のコーティングもし易い。そうした遺伝子材料には、シトシン、グアニン、アデニン、チミン（ＣＧＡＴ）からなる核酸シーケンスが含まれる。図１４及び図１５〜図１５Ｄではインプラント５２０は中実のものとして示されるが、インプラント５２０を実質的に中空のあるいは部分的に中空のものとして作製することもできる。
【００４３】
図１６Ａ及び図１６Ｂには、先に第３のインプラント８２０あるいは中間インプラントとして参照した、本発明の別態様が示される。この第３のインプラントは、上述した各実施例に従う第１のインプラント６２０及び第２のインプラント７２０間で使用するためのものである。インプラント組み合わせの好ましい実施例では、第１のインプラント６２０が、例示目的のみに於いて第１の方向に回転する形態のものとされ、第２のインプラント７２０が、やはり例示目的のみに於いて、第１の方向と反対の第２の方向に回転する形態のものとされる。第１のインプラント６２０及び第２のインプラント７２０の各々は、より中心的な位置から、より横方向の位置に回転する。かくして、図１６Ｃに最も良く示されるように、本実施例では第１のインプラント６２０は時計方向に回転し、第２のインプラント７２０は半時計方向に回転する。第３のインプラント８２０は、第１及び第２の各インプラント６２０、７２０の間に配置される形態とされ、第１及び第２の各インプラント６２０、７２０の各隣り合う側壁６２８、７２８と接触するための接触表面８６０、８６０’を夫々有している。
【００４４】
図１７及び図１８Ａ〜図１８Ｄに最も良く示されるように、第３のインプラント８２０は、隣り合う各椎体を通しての骨の成長を許容するための開口８３８、８３８’と、第３のインプラント８２０と第１及び第２の各インプラント６２０、７２０との間での血管質及び骨の成長を許容するための開口８４４及び８４４’を各側壁８２８、８２８’に有している。第３のインプラント８２０は、隣り合う各椎体と接触するために上方壁及び下方壁８３０及び８３０’を既に正しく配向した脊椎に挿通することから、回転しやすいような形態のものとはされない。上方の壁８３０及び下方の壁８３０’は、隣り合う各椎体と係合するための嶺部８６４その他の表面突起を含むのが好ましい。第３のインプラント８２０の側壁８２８、８２８’は、第１のインプラント６２８及び第２のインプラント７２０の夫々の側壁６２８及び７２８’上の相補する表面突起と係合するための表面突起を含む。本実施例は、第３のインプラント８２０を第１及び第２の各インプラント６２０、７２０間で容易に摺動させ得るが、しかし挿通とは逆の方向への抜けに対しては抵抗する前面ラチェット機構が形成されるのが好ましい。図１６Ｂ及び図１８Ｅには、第３のインプラント８２０の側壁の前面ラチェット機構が第１及び第２の各インプラント６２０、７２０の側壁の逆向きのラチェット機構と協働してこれら３つのインプラントを並列結合する状況が示される。
【００４５】
図２０Ａ及び図２０Ｂに例示される本発明の好ましい他の実施例では、インプラント９２０が、初期の挿通位置から９０°未満の角度に於いて最終の展開位置に回転される形態を有している。本発明のこの実施例は、約７０度の角度回転を有するのが好ましい。９０°未満の角度で回転するための形態を有するインプラントは、９０°回転する形態の匹敵するインプラントよりも上方壁及び下方壁９３０、９３０’と接触する表面積が大きくなり得る。
【００４６】
図２１に示す本発明の更に他の好ましい実施例では、インプラント１０２０は、他のインプラント１１２と合致する形態の少なくとも１つの側壁１０２８を有している。実際上、図２１には、インプラント１１２０と協働して合致するための少なくとも１つの凹型の側壁１０２８を有し、筒状の、部分的に筒状の、テーパ付け、ネジ溝付け、あるいは押し込み式の何れかとした、椎体間で使用するための本発明の実施例の後端面図が例示される。側壁１０２８は、インプラント１１２０を収受するために凹型とし得、あるいは、インプラント１０２０及び１１２０の合計幅寸法がこれらインプラントの各最大幅寸法を合わせた値よりも小さくなるようにするための開口を、または開口でない場合には逃げ部を提供する不完全形状とすることができる。あるいは、図２２に示す更に他の実施例では、隣り合うネジ溝付けした椎体間用のインプラント１３２０からのネジ溝を協動状態で受けるようにした、少なくとも１つの側壁１２２８内の溝１２８０を有するインプラント１２２０を含んでいる。インプラント１３２０はテーパ付けした設計形状を有するが、多少とも円筒形状とし、また、表面突起をネジ溝以外のものとすることもできる。
【００４７】
本発明の幾つかの好ましい実施例を説明したが、以下に、本発明のインプラントを展開させるための方法を詳しく説明する。本発明の方法には、隣り合う各椎体間から円盤の少なくとも一部分を除去することにより、これらの隣り合う各椎体の終板の少なくとも一部を露出させること、挿通端部と、後端部と、側隙と、上方壁及び下方壁と、必ずしもそうである必要はないが、対向する上下の前記壁から外側に伸延する形態であるのが好ましい突起と、を有する第１のインプラントを提供すること、が含まれる。上方壁及び下方壁は、これらの上方壁及び下方壁を貫いて伸延する少なくとも１つの、あるいは複数の開口を有し、かくして、隣り合う各椎体の一方から他方へと、このインプラントを貫いて骨を連続的に成長させることができるのが好ましい。インプラントは、各側壁が、対向する接合部位置で上方壁及び下方壁と交差する状態での断面を含む。前記接合部の２つは、直径位置で対向する弧状部であるのが好ましい。本発明の方法には、隣り合う各椎体間で第１のインプラントを、その各側壁を各椎体の終板と対向する状態下に直線的に前進させ、次いで、この第１のインプラントを９０°回転させて展開位置とし、隣り合う各椎体の終板にフィンを貫入させるインプラント挿通段階が含まれる。インプラントは、この展開された状態では、フィンを突出させた上方壁及び下方壁が隣り合う各椎体の終板領域と接触し、また、この隣り合う各椎体の終板領域を介して、終板自体を支持する。
【００４８】
インプラント挿通段階は、インプラントを長手方向軸線を中心として９０°回転することにより、隣り合う各椎体を相互に相対角度位置に位置決めすることを含み得る。本方法には、第１のインプラントに、このインプラントを挿通する以前に、骨形成性材料を充填することが含まれ得る。また本方法には、挿通に先立ってインプラントの内部に融合促進材料を圧入することが更に含まれ得る。インサートを回転させるに際しては、インサートを、直径位置で対向し複数半径を有する２つの弧状部を、隣り合う各椎体と夫々最も接近する方向に回転を開始させる２次段階が更に含まれ得る。更に、この回転に際しては、挿通後の第１のインプラントを、隣り合う各椎体を実質的に追加的に伸張させることなく展開位置に回転させることが含まれ得る。
【００４９】
本発明の方法には、第１のインプラントに駆動体を取り付けることが更に含まれ得る。駆動体は、インプラントを時計及び反時計の両方向に回転させる間、インプラントを押し引きし得るものであるのが好ましい。本発明には、この駆動体を使用して、インプラントを、円盤貫通用の延長部付きのあるいは延長部無しの、あるいは、米国特許第５，４８４，４３７号及び同第５，７９７，９０９号に記載されるような伸延装置と組み合わせたガードを通して挿通することが更に含まれ得る。
【００５０】
本発明の方法には、挿通端部と、後端部と、側壁と、上方壁及び下方壁と、これら上方壁及び下方壁から外側方向に伸延するフィンと、を有する第２のインプラントを提供することが更に含まれ得る。上方壁及び下方壁は、これら各壁を貫く開口にして、これらの開口並びに、椎体の一方から他方への、インプラントを貫いての骨の連続成長を許容する形態の開口を有するのが好ましい。第２のインプラントは、各側壁が、上方壁及び下方壁の接合部位置で交差する断面を有する。接合部の２つは直径方向に対向する弧状部分であるのが好ましい。第２のインプラントは、その各側壁が隣り合う各椎体に隣り合う方向に向いた状態でこれら隣り合う各椎体間に挿通され、次いで展開位置へと９０°回転される。かくして、上方壁及び下方壁は隣り合う各椎体と接触してこれを支持し、一方、上方壁及び下方壁から伸延するフィンが各椎体の終板を貫通するように駆動される。インプラントが回転されるとフィンが各椎体の物質中に駆動される。
本方法の２次的段階として、第１のインプラントを第１の方向に９０°回転させ、一方、第２のインプラントを第１の方向と同じ方向若しくは反対方向の何れかに回転させて展開させ得る。
【００５１】
本発明の方法には、第１のインプラント及び第２のインプラントをラテラライズ、即ち横方向移動させ、これら各インプラント間に空間を提供させることが更に含まれ得る。本発明の方法には、この空間内に、第３のインプラントにして、直線方向に前進させることにより挿通される設計形状を有するが、回転させることにより然るべく配置するような設計形状は有さない点で第１及び第２の各インプラントとは構造の異なる、特殊な第３のインプラントを配置することが更に含まれ得る。この特殊構造の第３のインプラントは、隣り合う各椎体の各々と接触するための上方壁及び下方壁を有するのが好ましい。これらの上方壁及び下方壁は、骨が、隣り合う各椎体の一方から他方にむけて第３のインプラントを貫いて成長することができるようにするための少なくとも１つの開口を有するのが好ましい。第３のインプラントは、第１及び第２の各インプラント間で、且つ、対向する上方壁及び下方壁を隣り合う各椎体に向けた状態で、隣り合う各椎体間に挿通されるのが好ましい。第３のインプラントを挿通する段階には、第１及び第２の各インプラントを第３のインプラントの各側壁と接触させる２次的段階と、この第３のインプラントを第１及び第２の各インプラントに固定する２次的段階とが含まれ得る。第３のインプラントを第１及び第２の各インプラントに固定する２次的段階には、第１〜第３の各インプラントの各側壁に沿って、少なくとも、これらの各インプラントが相互に接触する部分に協働する係合表面を提供する２次的段階が含まれるのが好ましい。
【００５２】
各インプラントを９０°回転させる間、各インプラントは内部空間を過剰に伸張させることはなく、しかも尚、隣り合う各椎体を貫く、インプラント自体の幅寸法の１．５倍のものであり得るフィンのための通路を創出する。第１〜第３の各インプラントを円盤状空間に挿通させると、第１及び第２の各インプラントが先に説明したようにそれらの幅寸法の約５０パーセントの寸法に於いて横方向に移動し、第３のインプラントのための、第１及び第２の各インプラントと同じ幅寸法の空間を創出する。第３のインプラントは、第１及び第２の各インプラントの各々が切削した５０パーセントの追加領域を使用する。隣り合う各椎体に第１及び第２の各インプラントのフィンによって切削された軌道は、これらのインプラントを横方向に摺動可能とするための、抵抗の小さい通路として作用する。本発明の範囲を逸脱することなく、第１及び第２の各インプラントの幅寸法よりも幅寸法の大きい第３のインプラントを使用することもできる。
【００５３】
これらの各インプラントを挿通するための方法には、インプラントと類似の模様付けを施した、しかしインプラントよりも強度が高いか、若しくはもっと鋭利な材料で作製した切削工具を使用することも含まれ得る。例えば、仮にインプラントをカーボンファイバあるいは生物再吸収性のプラスチックあるいは骨から作製した場合、回転ブローチのような切削工具を使用して、インプラントのフィンが占有するがフィンの実際の切削作用は生じない通路を切削するのが望ましい。
本発明の方法には、インプラントを挿通する以前に、終板自体の最も外側の面の深さの血管質にアクセスするために、終板上で、少なくとも皮質が部分的に除去されるまでの、終板上でのスクラッピングあるいはそうでない場合には加工段階が更に含まれ得る。この加工段階には、環状繊維及び髄核を共に含む十分な量の円盤材料を隣り合う各椎体間から除去することによる、隣り合う各椎体の各終板を露出させる段階を含み得る。第１のインプラントを提供する段階には、第１のインプラントにして、この第１のインプラントの胴部の挿通端部及び後端部の少なくとも一方が開口を通して中空部分と連通され且つキャップと協動状態で係合するようになっている第１のインプラントを提供することが含まれ得る。第１のインプラントを提供する段階には、第１のインプラントを、インプラントの胴部の挿通端部及び後端部の少なくとも一方における開口を閉じるための取り外し自在のキャップとの組み合わせに於いて提供することも含まれ得る。本発明の方法には、インプラントに骨形成性材料を圧縮充填あるいは装填する段階が更に含まれ得る。
【００５４】
インプラント挿通段階には、隣り合う各椎体間でインプラントを直線的に前進させる２次的段階が含まれる。この直線的前進には、隣り合う各椎体間でインプラントを押す、あるいは衝撃を使用して各椎体間に駆動することが含まれる。本発明の方法には、隣り合う各椎体を、インプラントの挿通段階に先立って、インプラントを挿通させるために十分伸張させることが更に含まれ得る。本発明の方法には、インサート挿通段階に先立ち、各椎体の後方側の硬膜サックを後退させる段階が更に含まれ得る。インプラント挿通段階は、脊椎の前面側から実施することが可能であり、この場合、インプラント挿通段階に先だって隣り合う各椎体の前面側の多数の血管が後退される。本発明の方法には、隣り合う各椎体間に回転ブローチを挿通する段階が更に含まれ得る。回転ブローチは、隣り合う各椎体と接触し状態で摺動するための対向する側面と、回転ブローチの長手方向軸線を横断して隣り合う各椎体の各々の内部にブローチ切削するための切削用部分とを有する。ブローチ切削段階には、回転ブローチを回転させ、切削要素を回転ブローチの切削部分の長さ方向に沿って回転させし、回転ブローチの長手方向軸線を横断する方向で隣り合う各椎体の各々の内部に駆動することが含まれる。
【００５５】
（発明の効果）
椎体から椎体へとインプラントを通して骨を成長させることのできる、椎体間融合用のインプラントを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 初期の挿通位置に配向され、隣り合う各椎体間の最終の展開位置に向けて時計方向に回転する形態を有する、本発明の特徴の幾つかを組み込んだ椎体間融合用のインプラントの１実施例の斜視図である。
【図２Ａ】 インプラントを椎体間の最終の展開位置に配向した状態での図１のインプラントの側面図である。
【図２Ｂ】 インプラントを椎体間の最終の展開位置に配向した状態での図１のインプラントの下方からの平面図である。
【図２Ｃ】 インプラントを椎体間の最終の展開位置に配向した状態での図１のインプラントの上方からの平面図である。
【図２Ｄ】 インプラントを椎体間の最終の展開位置に配向した状態での図１のインプラントの後端面図である。
【図２Ｅ】 インプラントを椎体間の最終の展開位置に配向した状態での図１のインプラントの挿通端図である。
【図２Ｆ】 中空部分へのアクセスを提供するための、後端部における開口を例示する図２Ａ〜図２Ｅのインプラントを挿通端方向から見た正面図である。
【図３Ａ】 本発明のインプラントを初期の挿通位置に配向した状態での、脊椎セグメント（２つの椎体及びその間に介在する円盤状空間）の部分の斜視図である。
【図３Ｂ】 図３Ｂのインプラントを展開位置に配向し、インプラントの２つの指状突起を点線で示す、図３Ａの脊椎部分の斜視図である。
【図３Ｃ】 図１及び図２のインプラントの胴部の断面の幾何学的形態を表す概略図である。
【図４】 初期の挿通位置に配向され、円盤状空間内で時計方向に回転する形態を有し、上方壁及び下方壁が、隣り合う各椎体の角形成を誘起するために相互に傾斜された本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図５Ａ】 展開位置に配向された図４のインプラントの側面図である。
【図５Ｂ】 展開位置に配向された図４のインプラントの下方からの平面図である。
【図５Ｃ】 展開位置に配向された図４のインプラントの上方からの平面図である。
【図５Ｄ】 展開位置に配向された図４のインプラントの後端面図である。
【図５Ｅ】 展開位置に配向された図４のインプラントの挿通端面図である。
【図６】 初期の挿通位置に配向され、円盤状空間内で時計方向に回転する形態とされ、上方壁及び下方壁が、隣り合う各椎体間の角度付けを誘起するために相互に傾斜された、後方挿通用の、本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図７Ａ】 展開位置に配向された、図６のインプラントの側面図である。
【図７Ｂ】 展開位置に配向された、図６のインプラントの下方からの平面図である。
【図７Ｃ】 展開位置に配向された、図６のインプラントの上方からの平面図である。
【図７Ｄ】 展開位置に配向された、図６のインプラントの後端面図である。
【図７Ｅ】 展開位置に配向された、図６のインプラントの挿通端面図である。
【図８】 初期の挿通位置に配向され、融合するべき２つの隣り合う各椎体の各終板の自然の輪郭に全体的に良好に合致させるための形態とされた、解剖学的に形状付けされた上方壁及び下方壁を有する、本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図９Ａ】 展開位置に配向された、図８のインプラントの側面図である。
【図９Ｂ】 展開位置に配向された、図８のインプラントの上方からの平面図である。
【図９Ｃ】 展開位置に配向された、図８のインプラントの下方からの平面面図である。
【図９Ｄ】 展開位置に配向された、図８のインプラントの後端面図である。
【図９Ｅ】 展開位置に配向された、図８のインプラントの挿通端面図である。
【図１０】 初期の挿通位置に配向され、円盤状空間内で両方向に回転して最終の展開位置に向かう形態とされた、本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図１１Ａ】 展開位置に配向した状態での、図１０のインプラントの側面図である。
【図１１Ｂ】 展開位置に配向した状態での、図１０のインプラントの下方からの平面図である。
【図１１Ｃ】 展開位置に配向した状態での、図１０のインプラントの後端面図である。
【図１１Ｄ】 展開位置に配向した状態での、図１０のインプラントの挿通端面図である。
【図１２】 初期の挿通位置に配向され、円盤状空間内で両方向に回転して最終の展開位置に向かう形態とされた、本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図１３Ａ】 展開位置に配向された、図１２のインプラントの側面図である。
【図１３Ｂ】 展開位置に配向された、図１２のインプラントの下方からの平面図である。
【図１３Ｃ】 展開位置に配向された、図１２のインプラントの後端面図である。
【図１３Ｄ】 展開位置に配向された、図１２のインプラントの挿通端面図である。
【図１４】 初期の挿通位置に配向され、多孔質材料で作製された本発明のインプラントの別態様の斜視図である。
【図１５Ａ】 展開位置に配向した状態での、図１４のインプラントの側面図である。
【図１５Ｂ】 展開位置に配向した状態での、図１４のインプラントの上方からの平面図である。
【図１５Ｃ】 展開位置に配向した状態での、図１４のインプラントの後端面図である。
【図１５Ｄ】 展開位置に配向した状態での、図１４のインプラントの挿通端面図である。
【図１６Ａ】 非回転式の第３のインプラントを間部分に挿通するべく位置付け且つ相互に離間して位置決めされた、時計方向回転式のインプラント及び半時計方向回転式のインプラントの平面図である。
【図１６Ｂ】 円盤状空間内で、第３のインプラントを時計方向回転式のインプラントと半時計方向回転式のインプラントとの間に展開させた状態での図１６Ａの各インプラントの平面図である。
【図１６Ｃ】 隣り合う各椎体間で展開された、図１６Ａ及び図１６Ｂの各インプラントの後端面図である。
【図１７】 本発明の、図１６Ａ及び図１６Ｂに示す第３のインプラントの、側面を下にして配置した状態での斜視図である。
【図１８Ａ】 展開位置に配向した状態での、図１７の第３のインプラントの側面図である。
【図１８Ｂ】 展開位置に配向した状態での、図１７の第３のインプラントの上方からの平面図である。
【図１８Ｃ】 展開位置に配向した状態での、図１７の第３のインプラントの後端面図である。
【図１８Ｄ】 展開位置に配向した状態での、図１７の第３のインプラントの挿通端面図である。
【図１８Ｅ】 図１８Ｂの第３のインプラントの協動用側面の部分拡大図である。
【図１９Ａ】 図１７、図１８Ａ、図１８Ｂ及び図１８Ｅに示す第３のインプラントの協動用表面と係合するための協動用表面を有する、本発明の１実施例のインプラントの側面図である。
【図１９Ｂ】 図１７、図１８Ａ、図１８Ｂ及び図１８Ｅに示す第３のインプラントの協動用表面と係合するための協動用表面を有する、本発明の１実施例のインプラントの上方からの平面図である。
【図１９Ｃ】 図１９Ｂのインプラントの協動用表面の部分拡大図である。
【図２０Ａ】 本発明のインプラントの別態様の後端面図である。
【図２０Ｂ】 図２０Ａのインプラントの別態様の挿通端面図である。
【図２１】 隣り合うインプラントを協動状態で受ける形態とされた本発明のインプラントの別態様の後端面図である。
【図２２】 隣り合うインプラントを協動状態で受ける形態とされた本発明のインプラントの別態様の上方からの平面図である。
【符号の説明】
２０、１２０、２２０、３２０、４２０、５２０ インプラント
２２、１２２、２２２、３２２、４２２、５２２ 胴部
２４、１２４、２２４、３２４、４２４ 挿通端部
２６、１２６、２２６、３２６、４２６ 後端部
２８、２８’、１２８、１２８’２２８、２２８’、３２８、３２８’、４２８
４２８’５２８，５２８’ 側壁
３０、１３０、２３０、３３０、４３０ 上壁
３０’１３０’、２３０’、３３０’、４３０’ 下壁
３４、３４’ 弧状部
３６、１３６、３６’１３６’ フィン
４２ 中空部分
４４、４４’ 開口
４６ キャップ
４８ 長孔
５０ ネジ溝付き開口
４３８、４３８’ 開口
５５２ 外側表面
８２０ 第３のインプラント
６２０ 第１のインプラント
７２０ 第２のインプラント
８３８、８３８’、８４４、８４４’ 開口

Claims (16)

1. 人体の脊椎の隣り合う各椎体間を横断して挿通するための椎体間融合用のインプラントであって、
   挿通端部と、後端部と、上方壁と、下方壁と、対向する側壁と、を有し、該挿通端部と後端部との間には中心軸線が通る胴部にして、上方壁及び下方壁の間で測定される最大高さ寸法と、側壁間で測定される最大幅寸法とを有し、前記側壁が、上方壁及び下方壁と４つの接合部位置で交差し、対角線位置で対向する一対の第１の接合部間の距離が、前記胴部の最大高さ寸法及び最大幅寸法と実質的に同一であり、対角線位置で対向する一対の第２の接合部間の距離が、第１の接合部間の距離よりも大きい胴部と、
   対向する上方壁及び下方壁から外側方向に且つ前記中心軸線を横断する方向に伸延するフィンにして、初期の挿通位置から最終の展開位置に約９０°インプラントを回転させるに際し、隣り合う各椎体の各終板内に差し込まれ且つ伸延するようになっているフィンと、
   を含み、
   前記上方壁及び下方壁が、インプラントを通して隣り合う椎体の一方から他方への骨の成長を許容する少なくとも一つの開口を有するンプラント。
2. 側壁が相互に全体に平行である請求項１のインプラント。
3. 上方壁及び下方壁が、インプラントの胴部の挿通端部から後端部にかけて、角度的に少なくとも相互に拡開する関係下に配置される請求項１または２に記載のインプラント。
4. 上方壁及び下方壁が、インプラントの胴部の挿通端部から後端部にかけて、角度的に少なくとも相互に収縮する関係下に配置される請求項１または２に記載のインプラント。
5. 対角線位置で対向する第１の接合部が、同じ半径を有する複数の弧である請求項１〜４の何れかに記載のインプラント。
6. 半径を有する複数の弧が同一円の一部分を画定する半径を有している請求項５のインプラント。
7. 胴部の高さ寸法が胴部の幅寸法よりも大きく、各フィンが上方壁及び下方壁から伸延する請求項１〜６の何れかに記載のインプラント。
8. 対角線位置で対向する一対の第２の接合部が面取りされる請求項１〜７の何れかに記載のインプラント。
9. 各フィンが、インプラントの長手方向の中心軸線から測定した高さ寸法を有し、該高さ寸法が、インプラントの長さの一部分に沿って実質的に一様である請求項１〜８の何れかに記載のインプラント。
10. 各フィンが、インプラントの長手方向の中心軸線から測定した高さ寸法を有し、該高さ寸法がインプラントの長さに沿って可変である請求項１〜８の何れかに記載のインプラント。
11. 各フィンが、上方壁及び下方壁の各々から測定した高さ寸法を有し、該高さ寸法がインプラントの長さに沿って変化する請求項１〜８の何れかに記載のインプラント。
12. 各フィンが、上方壁及び下方壁の各々から測定した高さ寸法を有し、該高さ寸法がインプラントの長さに沿って実質的に一様である請求項１〜８の何れかに記載のインプラント。
13. 胴部が、該胴部を貫く複数の開口を有し、これら開口が、インプラントを通して隣り合う椎体の一方から他方への骨の成長を許容するようになっている請求項１〜１２の何れかに記載のインプラント。
14. 融合促進材料を含んでいる請求項１〜１３の何れかに記載のインプラント。
15. 融合促進材料が、骨形態形成タンパク質、ヒドロキシアパタイト、骨製造のための遺伝子コーディング、から選択される請求項１４のインプラント。
16. 上方壁及び下方壁の、フィンと隣り合う部分が隣り合う椎体を支持するようになっている請求項１のインプラント。

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