JP4197081B2 - Power transmission device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源から回転装置の回転軸へ回転動力を伝達する動力伝達装置に関するもので、特に駆動側回転体と従動側回転体との間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた際に、駆動側回転体から従動側回転体への回転動力(トルク)の伝達を遮断するリミッタ機構を備えた動力伝達装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば0%容量まで冷媒の吐出容量を変化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機を備えた冷凍サイクルでは、エンジンから冷媒圧縮機への回転動力の伝達を断続するクラッチ機構の搭載が不要となる。しかし、クラッチ機構を廃止した場合には、冷媒圧縮機が焼き付き故障を生起する等して冷媒圧縮機の駆動軸のロックが発生すると、過負荷トルク(衝撃トルク)が生じる。これにより、冷媒圧縮機の駆動軸を駆動するためのプーリの回転が止まるので、エンジンに駆動されるベルトが滑り、ベルトに摩耗が生じ、ベルトが発熱する等してベルトが破断する可能性がある。
【0003】
そこで、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする等の過負荷トルクが生じ、プーリと冷媒圧縮機の駆動軸との間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じると、エンジンから冷媒圧縮機の駆動軸への動力伝達経路を遮断するリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置が提案されている。
【0004】
このVベルトプーリ装置としては、エンジンによりベルト駆動されるプーリ、このプーリに固定されたアウターハブ、このアウターハブとの間にゴム系の弾性体を介して連結されたフランジ部材、冷媒圧縮機の駆動軸に連結されたインナーハブ、およびフランジ部材とインナーハブとの間に設けられた多板の摩擦部材を備え、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする等の過負荷トルクが生じると、フランジ部材からインナーハブへの動力伝達経路を遮断するように構成されている。また、プーリ、アウターハブ、フランジ部材、インナーハブおよび多板の摩擦部材等のVベルトプーリ装置を構成する主要部品が鉄系の金属材料により製作されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置においては、Vベルトプーリ装置全体の中でリミッタ機構が占める割合が大きいので、製品コストが上昇するという問題が生じている。また、多板の摩擦部材を軸方向に配しているので、リミッタ機構の軸方向寸法が大型化するという問題が生じている。そして、Vベルトプーリ装置を構成する主要部品の大部分は、鉄系の金属材料により製作されており、リミッタ機構を簡素な構造にしても軽量化に至らないという問題が生じている。
【0006】
ここで、リミッタ作動トルクの設定値は、対象とする車種によって様々な値に設定する必要があり、望ましくは車種に応じた最適な値または範囲に設定してリミッタ作動を実施できるようにすることが望ましい。なお、リミッタ作動トルクの設定値を高く設定し過ぎると、多大な過負荷トルクが生じないとリミッタ作動が発生しなくなるので、ベルトが摩耗してしまうという不具合が生じる。この逆に、リミッタ作動トルクの設定値を低く設定し過ぎると、冷媒圧縮機を起動する際に慣性力に対する小さな過負荷トルクが生じた場合でも、リミッタが作動してしまい、エンジンから冷媒圧縮機の駆動軸へのトルク伝達ができなくなってしまう。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、駆動側回転体と従動側回転体との間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた際に、駆動側回転体から従動側回転体へのトルクの伝達を遮断するリミッタ機構の小型化、軽量化および低コスト化を図ることのできる動力伝達装置を提供することにある。また、簡単な構造の変更で、リミッタ作動トルクの設定値を最適化することのできる動力伝達装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、駆動側回転体と従動側回転体との間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた時には、駆動源から駆動側回転体にトルクが伝達されると、駆動側回転体の凹状嵌合部の奥側の内周から従動側回転体の凸状嵌合部の先端側の外周にトルク伝達による力を受ける。すると、従動側回転体の凸状嵌合部の先端側に多大な応力が加わり、凸状嵌合部が破損するため、駆動側回転体が従動側回転体に対してフリーで自転し、駆動側回転体から従動側回転体へのトルクの伝達が遮断される。
【0009】
そして、動力伝達装置を構成する駆動側回転体と従動側回転体とにそれぞれリミッタ機構を構成する凹状嵌合部と凸状嵌合部とを一体的に設けることで、動力伝達装置の中でリミッタ機構単独部品が占める割合が全くなく、または非常に少なく、部品点数および組付工数も非常に少なくなるので、リミッタ機構を備えた動力伝達装置の製品コストを非常に低減することができる。
【0010】
さらに、複数個の凹状嵌合部の嵌合穴と複数個の凸状嵌合部の先端部分との間に形成される複数個の回転方向ギャップのうちの少なくとも1個のギャップを、その他のギャップと比べて寸法が異なるように構成することにより、簡単な構造の変更で、全てのギャップの寸法を一定とした場合に比べてリミッタ作動トルクを変更(大きくまたは小さく)することができる。したがって、少なくとも1個のギャップの寸法を種々選択することで、リミッタ作動トルクの設定値を最適化、精密化することもできる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、複数個の凸状嵌合部のうちの少なくとも1個の凸状嵌合部を、その他の凸状嵌合部と比べて回転方向の肉厚が異なるように構成することにより、全ての凸状嵌合部の回転方向の肉厚を一定とした場合に比べてリミッタ作動トルクを変更(大きくまたは小さく)することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、複数個の凸状嵌合部のうちの少なくとも1個の凸状嵌合部の接触面を、その他の凸状嵌合部の接触面に比べて長さが異なるように構成することにより、全ての凸状嵌合部の接触面の長さを一定とした場合に比べてモーメント荷重が変化するため、リミッタ作動トルクを変更(大きくまたは小さく)することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、複数個のゴム系弾性体のうちの少なくとも1個のゴム系弾性体の接触面を、その他のゴム系弾性体の接触面に比べて長さが異なるように構成することにより、全てのゴム系弾性体の接触面の長さを一定とした場合に比べてモーメント荷重が変化するため、リミッタ作動トルクを変更(大きくまたは小さく)することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、複数個の凹状嵌合部のうちの少なくとも1個の凹状嵌合部を、その他の凹状嵌合部と比べて開口度合が異なるように構成することにより、全ての凹状嵌合部の開口度合(間口)を一定とした場合に比べてリミッタ作動トルクを変更(大きくまたは小さく)することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図7は本発明の第1実施例を示したもので、図1および図2はVベルトプーリ装置の出力ディスクを示した図で、図3はリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置の全体構成を示した図である。
【0016】
本実施例のVベルトプーリ装置は、エンジン(本発明の駆動源に相当する)を搭載する自動車等の車両のエンジンルーム内に配設されて、車両用空調装置の冷凍サイクルの一構成部品を成す冷媒圧縮機(以下コンプレッサと言う)1へエンジンの回転動力(トルク)を伝達する動力伝達装置(Vリブドプーリ装置)である。
【0017】
なお、コンプレッサ1は、本発明の回転装置に相当するもので、0%容量まで冷媒の吐出容量を変化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機で、コンプレッサハウジング3内で回転自在に支持された駆動軸(本発明の回転軸に相当する)2を回転させることにより、冷媒蒸発器(エバポレータ)より吸入した冷媒を圧縮し、冷媒凝縮器(コンデンサ)で高温、高圧の冷媒ガスを吐出する。
【0018】
ここで、Vベルトプーリ装置は、エンジンのクランク軸に取り付けられたクランクプーリ(図示せず)に掛け渡された多段式のVベルト(図示せず)に、他のエンジン補機(例えばオルタネータ、エンジン冷却装置のウォータポンプ、パワーステアリング装置の油圧ポンプ)の各Vプーリと共掛けされている。
【0019】
本実施例のVベルトプーリ装置は、エンジンによりベルト駆動されるロータ(Vベルトプーリ本体)4、このロータ4からコンプレッサ1の駆動軸2へトルクを伝達する出力ディスク(後述する)、およびロータ4の複数個の凹状部7の内周と出力ディスクの複数本のピン部8、9の外周との間に挟み込まれた複数個のゴム系弾性体(ゴム部材、以下ゴムダンパーと言う)10等から構成されている。
【0020】
また、Vベルトプーリ装置は、コンプレッサ1が焼き付き故障を生起する等してコンプレッサ1の駆動軸2のロックが発生し、過負荷トルク(衝撃トルク)が生じた際、すなわち、ロータ4と出力ディスクとの間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた際に、エンジンからコンプレッサ1の駆動軸2への動力伝達経路を遮断するリミッタ機構を備えている。
【0021】
先ず、本実施例のロータ4を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図4および図5はロータを示した図である。このロータ4は、本発明の駆動側回転体に相当するもので、例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂材料、鉄系の金属材料またはアルミニウム系の金属材料により所定の形状に一体成形されている。
【0022】
このロータ4の外周には、Vベルトの内周面に形成された複数個のV字状溝部に対応した複数個のV字状溝部11を有するVプーリ部12が形成されている。このロータ4の内周は、コンプレッサハウジング3の突出部13の外周にベアリング14を介して回転自在に支持されている。
【0023】
そして、ロータ4には、軸方向の肉厚が厚い略円筒形状の肉厚部(リブ部)15と軸方向の肉厚が薄い肉薄部16とが周方向に等間隔(例えば90°間隔)で交互に配設されている。なお、肉薄部16は、材料費軽減のため肉厚を薄くしている。
【0024】
複数個の肉厚部15内には、軸方向に貫通した複数個(本例では6個)の凹状部7がそれぞれ形成されている。複数個の凹状部7の開口側(図1において図示左端側)には、ゴムダンパー10を収容すると共に、通常作動時のトルク伝達を行う円筒形状の伝達穴17が形成されている。
【0025】
複数個の凹状部7は、本発明の凹状嵌合部に相当するものである。また、凹状部7の奥側(図1において図示右端側)には、出力ディスクのピン部8、9の先端部分が緩やかに嵌め込まれると共に、リミッタ作動時にピン部8、9にトルク伝達を行う、伝達穴17の内径よりも小さい嵌合穴18が形成されている。
【0026】
そして、凹状部7の伝達穴17と嵌合穴18との間には、ゴムダンパー10の軸方向の位置ずれを防止するためにゴムダンパー10の一端部を係止する段差(係止部)19が形成されている。なお、伝達穴17の回転方向の両内壁面には、それぞれ突起部20が形成されている。これらの突起部20は、ゴムダンパー10を凹状部7内に挿入した際に、ゴムダンパー10に圧縮力を与えると共に、ゴムダンパー10を挿入し易いようにテーパ状または球面状に形成されている。
【0027】
次に、本実施例の出力ディスクを図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図6は出力ディスクの主要構成を示した図である。この出力ディスクは、本発明の従動側回転体に相当するもので、鉄系の金属材料またはアルミニウム系の金属材料により所定の形状に一体成形されたインナーハブ5と、例えば66ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂材料またはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂材料により所定の形状に一体成形されたアウターハブ6とから構成されている。
【0028】
インナーハブ5は、コンプレッサ1の駆動軸2の先端部の外周に嵌め合わされている。なお、インナーハブ5の内周には、コンプレッサ1の駆動軸2の先端部の外周スプラインにスプライン嵌合する内周スプライン21が形成されている。また、インナーハブ5は、コンプレッサ1の駆動軸2の先端部に形成された内周ねじ部22にねじ込まれる固定用ボルト23の頭部(六角部)によって駆動軸2の先端部に締め付けられることにより、出力ディスク(インナーハブ5)と駆動軸2とが固定される。
【0029】
アウターハブ6は、インナーハブ5の外周側を被覆するようにインナーハブ5をインサート成形することで構成されている。このアウターハブ6の外周部の端面からは、複数本(本例では6本)のピン部8、9が軸方向の後方側(コンプレッサ1側)に突出している。
【0030】
複数本のピン部8、9は、本発明の凸状嵌合部に相当するもので、それぞれ四角柱形状に形成され、アウターハブ6の外周部の内側端面(ロータ4側端面)より軸方向に突出し、ロータ4の凹状部7の伝達穴17内に緩やかに嵌め合わされる根元部分81、91、凹状部7の伝達穴17内に緩やかに嵌め合わされる中間部分82、92、および凹状部7の嵌合穴18内に緩やかに嵌め合わされる先端部分83、93を有している。
【0031】
ここで、複数本のピン部8、9は、回転方向において先端部分83、93がそれぞれ根元部分81、91より肉薄に設けられており、3本のピン部8の回転方向における根元部分81と先端部分83との段差(d1)が、残りの3本のピン部9の回転方向における根元部分91と先端部分93との段差(d2)よりも小さくなるように形成されている。これにより、3個の凹状部7の嵌合穴18と3本のピン部8の先端部分83との間に形成される回転方向(出力ディスクの周方向)のギャップ(G1)が残りの3個の凹状部7の嵌合穴18と3本のピン部9の先端部分93との間に形成される回転方向(出力ディスクの周方向)のギャップ(G2)よりも狭く(小さく)なるように構成されている。
【0032】
なお、リミッタ機構を構成する複数個の凹状部7および複数本のピン部8、9は、ロータ4およびアウターハブ6の周方向(同一円周上)に等間隔(例えば60°間隔)となるように配設されている。また、凹状部7およびピン部8、9は、ロータ4の軸方向寸法、つまりVプーリ部12の軸方向寸法よりも短くされており、ロータ4のVプーリ部12の内周に収容される。さらに、ピン部8、9の根元部分81、91または中間部分82、92の外壁面にスリットを設けて、この箇所で積極的に折損するようにしても良い。
【0033】
複数個のゴムダンパー10は、本発明のゴム系弾性体に相当するもので、例えば塩素化ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等を円筒形状となるように一体成形されている。これらのゴムダンパー10は、ロータ4の複数個の凹状部7の伝達穴17の内周に嵌め合わされ、且つアウターハブ6の複数本のピン部8、9の根元部分81、91の外周に嵌め合わされて、ロータ4から出力ディスク(インナーハブ5およびアウターハブ6)へのトルク変動を吸収する。
【0034】
複数個のゴムダンパー10は、図7(a)、(b)に示したように、ロータ4の周方向の両側に設けられる伝達穴17の突起部20に当接することで圧縮変形が与えられる当接部(弾性変形部)31、これらの当接部31の径方向の両側を連結する肉厚の薄い連結部32、およびこれらの当接部31と連結部32との間に形成され、複数本のピン部8、9の先端部分83、93が挿入される略四角形状の穴部33を有している。
【0035】
〔第1実施例の作用〕
次に、本実施例のリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置の作用を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。
【0036】
Vベルトプーリ装置の通常作動時には、ゴムダンパー10を介してロータ4の複数個の凹状部7の伝達穴17とアウターハブ6の複数本のピン部8、9の根元部分81、91とが駆動連結されている。したがって、エンジンが始動することによりクランク軸が回転し、Vベルトを介してロータ4のVプーリ部12にエンジンの回転動力(トルク)が伝達されると、アウターハブ6の複数本のピン部8、9は、ゴムダンパー10を介してロータ4の複数個の凹状部7の伝達穴17からその根元部分付近、つまり根元部分81、91に近い部位でトルク伝達による力を受ける。
【0037】
このように、ゴムダンパー10を介してロータ4の複数個の凹状部7の伝達穴17から複数本のピン部8、9の根元部分81、91へトルクが伝達されると、アウターハブ6もロータ4に追従して回転するので、エンジンの回転動力がコンプレッサ1の駆動軸2に伝達される。このため、コンプレッサ1が吸引した冷媒を圧縮して高温、高圧の冷媒ガスを吐出するので、自動車等の車両の車室内の冷房が成される。
【0038】
ここで、コンプレッサ1が焼き付き故障を生起する等してコンプレッサ1の駆動軸2のロックが発生した時、インナーハブ5およびアウターハブ6により構成される出力ディスクの回転が停止したままロータ4が回転を続けようとするため、ロータ4と出力ディスクとの間に過大な過負荷トルク(衝撃トルク)が生じる。
【0039】
すなわち、ロータ4と出力ディスクとの間にリミッタ作動トルクの設定値以上のトルク差が生じると、ロータ4の複数個の凹状部7の嵌合穴18の内周から出力ディスクの複数本のピン部8、9の先端部分83、93、つまり複数本のピン部8、9の根元部分81、91から遠い部位がトルク伝達による力を受ける。
【0040】
すると、出力ディスクの複数本のピン部8、9の根元部分81、91および中間部分82、92に多大な応力が加わり、複数本のピン部8、9の根元部分81、91または中間部分82、92が破損する(折れる)ため、出力ディスクのアウターハブ6と複数本のピン部8、9とが分離され、ロータ4およびゴムダンパー10が出力ディスクに対してフリーで自転する。このように、ロータ4と出力ディスクとの間にリミッタ作動トルクの設定値以上のトルク差が生じた時には、リミッタ機構が作動することにより、ロータ4から出力ディスクへのトルクの伝達が遮断されるので、エンジンからコンプレッサ1の駆動軸2への動力伝達経路が遮断される。
【0041】
なお、破損してアウターハブ6の内側端面より離れた複数本のピン部8、9は、その根元部分81、91の周囲がゴムダンパー10に囲まれており、また、複数本のピン部8、9の先端部分83、93は複数個の凹状部7の嵌合穴18に保持されるので、破損してアウターハブ6の内側端面より離れた複数本のピン部8、9もロータ4の回転に伴ってゴムダンパー10と共に回転する。
【0042】
そして、これらのピン部8、9およびゴムダンパー10の回転は、ロータ4の回転に何ら障害を与えるものではないので、複数本のピン部8、9の根元部分81、91が破損した段階でリミッタ作動が瞬時に完了し、ロータ4から出力ディスクへの動力伝達経路は瞬時に完全に遮断されることになる。
【0043】
これにより、コンプレッサ1の駆動軸2がロックする等してロータ4と出力ディスクとの間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた際にロータ4の回転速度の低下を抑えることができるので、ロータ4とVベルトとの間で速度差が生じることはない。これにより、ロータ4とVベルトとの間で滑りが発生することはなく、Vベルトに摩耗および破断が生じることはない。
【0044】
〔第1実施例の特徴〕
以上のように、本実施例のリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置は、凹状部7の嵌合穴18とピン部8、9の先端部分83、93との間に形成される複数個の回転方向ギャップのうち3個のギャップ(G1)を、その他の3個のギャップ(G2)と比べて寸法が大きくなるように構成している。
【0045】
具体的には、段差d1を段差d2よりも小さくし、ピン部8の先端部分83の形状を、ピン部9の先端部分93の形状と比べて肉厚を厚くしている。それによって、簡単な構造の変更で、全てのギャップの寸法を一定とした場合、つまり全てのピン部8、9の先端部分83、93の肉厚を一定とした場合に比べてリミッタ作動トルクの設定値を大幅に変更することができる。
【0046】
例えば全てのギャップを広い方に設定した場合に比べて、リミッタ作動トルクの設定値を大幅に小さくすることができる。あるいは全てのギャップを狭い方に設定した場合に比べて、リミッタ作動トルクの設定値を大幅に大きくすることができる。したがって、少なくとも1個のギャップの寸法を種々選択することで、リミッタ作動トルクの設定値を最適化、精密化することもできる。
【0047】
これにより、リミッタ作動トルクの設定値を、対象とする車種によって様々な値に設定することができ、車種に応じた最適な値または範囲にリミッタ作動トルクの設定値を設定してリミッタ作動を実施することができる。
【0048】
そして、リミッタ作動トルクの設定値を高く設定し過ぎることを防止できるので、多大な過負荷トルクが生じなくてもリミッタ作動が生起するので、ベルトの摩耗を防止することができる。また、リミッタ作動トルクの設定値を低く設定し過ぎることを防止できるので、コンプレッサ1を起動する際に慣性力に対する小さな過負荷トルクが生じても、リミッタが作動することはなく、エンジンからコンプレッサ1の駆動軸2へのトルク伝達を行うことができる。
【0049】
また、段差d1を段差d2よりも小さくし、ピン部8の先端部分83の形状を、ピン部9の先端部分93の形状と比べて肉厚を厚くすることによって、複数個の回転方向ギャップのうち3個のギャップ(G1)を、その他の3個のギャップ(G2)と比べて寸法が小さくなるように構成することで、過大な過負荷トルクが加わった場合に、最初にロータ4の凹状部7の嵌合穴18の内周に当接するピン部の本数(本例では3本)をギャップを一定にした場合と比べて少なくすることができる。
【0050】
すなわち、限られた本数でトルクを受けるような設定にすることが可能なため、全てのピン部が同時に嵌合穴18の内周に当接する場合に比べて大幅にリミッタ作動トルクの設定値を小さくすることができる。また、リミッタ作動トルクの設定値は、ピン部8の先端部分83の肉厚とピン部9の先端部分93の肉厚との差を小さくして中間的なものに設定しても良いし、薄いピン部9と太いピン部8との本数を2本と4本、あるいは1本と5本、あるいは4本と2本、あるいは5本と1本にすることで、リミッタ作動トルクの設定値を本例と比較して中間的なものに設定しても良い。
【0051】
〔第2実施例〕
図8は本発明の第2実施例を示したもので、凹状部とピン部との間に挿入されるゴム部材を示した図である。
【0052】
本実施例のゴムダンパー10には、ロータ4の周方向の両側に設けられる伝達穴17および突起部20に外側面が当接する当接部31が設けられ、この当接部31の内側面(穴部33)は、ピン部8、9の根元部分81、91の外周面にも当接している。
【0053】
ここで、ピン部8、9のゴムダンパー10と接触する根元部分81、91の長さでリミッタ作動トルクの設定値を変更することも可能である。これは、モーメント荷重が変化するためである。この効果は、ゴムダンパー10の形状を変えることによっても可能である。例えば図8に示したように、ピン部8、9の根元部分81、91と当接する穴部33の当接面の形状を変更する。すなわち、穴部33の奥側に根元部分81、91との間にギャップを形成するための切欠き部34を設ける。
【0054】
〔変形例〕
本実施例では、本発明を、自動車等の車両に搭載されるエンジンによりベルト駆動されるVベルトプーリ装置に適用した例を説明したが、本発明を、工場等の定位置に置かれる内燃機関や電動モータ等の駆動源によりベルト駆動または出力軸により直接駆動される動力伝達装置に適用しても良い。また、本実施例では、多段式のロータ(Vリブドプーリ)を用いたが、1個のV溝を有するプーリを用いても良い。この場合には、ロータに対応した形状のVベルトを使用する。
【0055】
本実施例では、駆動側回転体としてエンジンによりベルト駆動されるロータ4を適用し、従動側回転体としてコンプレッサ1の駆動軸2を直接駆動する出力ディスクを適用した例を説明したが、駆動側回転体として駆動源の出力軸に装着されるハブ部材を用い、従動側回転体として回転装置の回転軸に装着されたプーリに掛け渡されるベルトにトルクを伝達するプーリを用いても良い。
例えばコンプレッサが故障したら、コンプレッサ専用ベルトの駆動を停止すれば良いので、エンジンのクランク軸に装着されたハブ部材(駆動側回転体)とコンプレッサ専用ベルトが掛けられるクランクプーリ(従動側回転体)との動力伝達経路を遮断する。
【0056】
本実施例では、本発明を、車両用空調装置の冷凍サイクルの一構成部品を成すコンプレッサ1を常時駆動するリミッタ機構を備えたVベルトプーリ装置(動力伝達装置)に適用した例を説明したが、本発明を、その他の回転装置(例えばオルタネータ、ウォータポンプ、油圧ポンプ、ブロワまたはファン)を常時駆動するリミッタ機構を備えた動力伝達装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vベルトプーリ装置の出力ディスクを示した正面図である(第1実施例)。
【図2】図1のA−A断面図である(第1実施例)。
【図3】Vベルトプーリ装置の全体構成を示した断面図である(第1実施例)。
【図4】Vベルトプーリ装置のロータを示した正面図である(第1実施例)。
【図5】図4のB−B断面図である(第1実施例)。
【図6】出力ディスクの主要構成を示した平面図である(第1実施例)。
【図7】(a)、(b)はゴム部材を示した正面図、断面図である(第1実施例)。
【図8】ゴム部材を示した断面図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 コンプレッサ(回転装置)
2 駆動軸(回転軸)
4 ロータ(駆動側回転体)
5 インナーハブ(従動側回転体)
6 アウターハブ(従動側回転体)
7 凹状部(凹状嵌合部)
8 ピン部(凸状嵌合部)
9 ピン部(凸状嵌合部)
10 ゴムダンパー(ゴム系弾性体)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a power transmission device that transmits rotational power from a driving source to a rotating shaft of a rotating device, and particularly when a torque difference greater than a limiter operating torque occurs between a driving side rotating body and a driven side rotating body. Further, the present invention relates to a power transmission device provided with a limiter mechanism that interrupts transmission of rotational power (torque) from the driving side rotating body to the driven side rotating body.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a refrigeration cycle equipped with a variable capacity refrigerant compressor capable of changing the refrigerant discharge capacity to 0% capacity, for example, a clutch mechanism for intermittently transmitting rotational power from the engine to the refrigerant compressor is installed. Is no longer necessary. However, when the clutch mechanism is abolished, an overload torque (impact torque) is generated when the drive shaft of the refrigerant compressor is locked due to a burn-in failure of the refrigerant compressor. As a result, the rotation of the pulley for driving the drive shaft of the refrigerant compressor stops, so that the belt driven by the engine slips, the belt wears, the belt generates heat, and the belt may break. is there.
[0003]
Therefore, when an overload torque such as the drive shaft of the refrigerant compressor is locked and a torque difference greater than the limiter operating torque occurs between the pulley and the drive shaft of the refrigerant compressor, the drive shaft of the refrigerant compressor is driven from the engine. There has been proposed a V-belt pulley device having a limiter mechanism that cuts off the power transmission path to the motor.
[0004]
This V-belt pulley device includes a pulley driven by an engine, an outer hub fixed to the pulley, a flange member connected to the outer hub via a rubber-based elastic body, a refrigerant compressor When an overload torque is generated such as an inner hub connected to the drive shaft, and a multi-plate friction member provided between the flange member and the inner hub, the drive shaft of the refrigerant compressor is locked. It is comprised so that the power transmission path | route from an inner hub may be interrupted | blocked. Further, main components constituting the V-belt pulley apparatus such as a pulley, an outer hub, a flange member, an inner hub, and a multi-plate friction member are manufactured from an iron-based metal material.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the V-belt pulley apparatus provided with the conventional limiter mechanism, since the ratio of the limiter mechanism is large in the entire V-belt pulley apparatus, there is a problem that the product cost increases. In addition, since the multi-plate friction members are arranged in the axial direction, there is a problem that the axial dimension of the limiter mechanism increases. Most of the main parts constituting the V-belt pulley device are made of an iron-based metal material, and there is a problem that even if the limiter mechanism has a simple structure, the weight is not reduced.
[0006]
Here, the set value of the limiter operating torque needs to be set to various values depending on the target vehicle type, and preferably, the limiter operation can be performed by setting the optimum value or range according to the vehicle type. Is desirable. If the set value of the limiter operating torque is set too high, the limiter operation will not occur unless a large overload torque is generated, resulting in a problem that the belt is worn. On the other hand, if the limiter operating torque is set too low, the limiter will operate even if a small overload torque against inertial force is generated when starting the refrigerant compressor, and the engine will be operated by the refrigerant compressor. Torque cannot be transmitted to the drive shaft.
[0007]
OBJECT OF THE INVENTION
An object of the present invention is to limit the transmission of torque from the driving side rotating body to the driven side rotating body when a torque difference greater than the limiter operating torque occurs between the driving side rotating body and the driven side rotating body. An object of the present invention is to provide a power transmission device capable of reducing the size, weight and cost of the mechanism. Another object of the present invention is to provide a power transmission device capable of optimizing the set value of the limiter operating torque with a simple structural change.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, when a torque difference equal to or greater than the limiter operating torque is generated between the driving side rotating body and the driven side rotating body, the torque is transmitted from the driving source to the driving side rotating body. The force due to torque transmission is received from the inner periphery on the back side of the concave fitting portion of the driving side rotating body to the outer periphery on the tip side of the convex fitting portion of the driven side rotating body. Then, a great amount of stress is applied to the tip end side of the convex fitting portion of the driven side rotating body, and the convex fitting portion is damaged. Therefore, the driving side rotating body rotates freely with respect to the driven side rotating body and is driven. Transmission of torque from the side rotating body to the driven side rotating body is interrupted.
[0009]
Then, the drive-side rotator and the driven-side rotator constituting the power transmission device are integrally provided with the concave fitting portion and the convex fitting portion constituting the limiter mechanism, respectively. The ratio of the limiter mechanism single component is not at all or very small, and the number of parts and the number of assembling steps are also very small. Therefore, the product cost of the power transmission device including the limiter mechanism can be greatly reduced.
[0010]
Further, at least one gap among the plurality of rotational gaps formed between the fitting holes of the plurality of concave fitting portions and the tip portions of the plurality of convex fitting portions may By configuring the size different from that of the gap, the limiter operating torque can be changed (larger or smaller) with a simple structural change than when the dimensions of all the gaps are constant. Accordingly, the setting value of the limiter operating torque can be optimized and refined by selecting various dimensions of at least one gap.
[0011]
According to the second aspect of the present invention, at least one convex fitting portion of the plurality of convex fitting portions is different in thickness in the rotational direction from other convex fitting portions. With such a configuration, the limiter operating torque can be changed (larger or smaller) than when the thickness in the rotation direction of all the convex fitting portions is constant.
[0012]
According to the invention described in
[0013]
According to the fourth aspect of the present invention, the contact surface of at least one rubber-based elastic body among the plurality of rubber-based elastic bodies is different in length compared to the contact surface of other rubber-based elastic bodies. By configuring in this way, the moment load changes compared to the case where the length of the contact surface of all rubber-based elastic bodies is constant, so that the limiter operating torque can be changed (larger or smaller).
[0014]
According to the invention described in
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments of the present invention will be described based on examples with reference to the drawings.
[Configuration of the first embodiment]
FIGS. 1 to 7 show a first embodiment of the present invention. FIGS. 1 and 2 show an output disk of a V-belt pulley apparatus, and FIG. 3 shows a V-belt pulley apparatus having a limiter mechanism. It is the figure which showed the whole structure.
[0016]
The V-belt pulley device of this embodiment is disposed in the engine room of a vehicle such as an automobile equipped with an engine (corresponding to the drive source of the present invention), and is a component of the refrigeration cycle of the vehicle air conditioner. This is a power transmission device (V-ribbed pulley device) that transmits engine rotational power (torque) to a refrigerant compressor (hereinafter referred to as a compressor) 1.
[0017]
The compressor 1 corresponds to the rotating device of the present invention, and is a variable capacity refrigerant compressor capable of changing the refrigerant discharge capacity to 0% capacity, and is rotatably supported in the
[0018]
Here, the V-belt pulley device is connected to another engine accessory (for example, an alternator, etc.) on a multi-stage V-belt (not shown) that is stretched over a crank pulley (not shown) attached to the crankshaft of the engine. It is hooked together with each V pulley of a water pump of an engine cooling device and a hydraulic pump of a power steering device.
[0019]
The V-belt pulley device of this embodiment includes a rotor (V-belt pulley body) 4 driven by an engine, an output disk (described later) for transmitting torque from the rotor 4 to the
[0020]
The V-belt pulley device is also used when the
[0021]
First, the rotor 4 of this embodiment will be briefly described with reference to FIGS. Here, FIG. 4 and FIG. 5 are views showing the rotor. The rotor 4 corresponds to the drive-side rotating body of the present invention, and is integrally formed into a predetermined shape by, for example, a thermosetting resin material such as phenol resin, an iron-based metal material, or an aluminum-based metal material. .
[0022]
[0023]
In the rotor 4, a substantially cylindrical thick portion (rib portion) 15 having a large axial thickness and a
[0024]
A plurality of (six in this example)
[0025]
The plurality of
[0026]
And between the
[0027]
Next, the output disk of this embodiment will be briefly described with reference to FIGS. Here, FIG. 6 is a diagram showing the main configuration of the output disk. This output disk corresponds to the driven-side rotating body of the present invention, and includes an
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The plurality of
[0031]
Here, the plurality of
[0032]
The plurality of
[0033]
The plurality of
[0034]
As shown in FIGS. 7A and 7B, the plurality of
[0035]
[Operation of the first embodiment]
Next, the operation of the V-belt pulley apparatus provided with the limiter mechanism of this embodiment will be briefly described with reference to FIGS.
[0036]
During normal operation of the V-belt pulley device, the transmission holes 17 of the plurality of
[0037]
As described above, when torque is transmitted from the transmission holes 17 of the plurality of
[0038]
Here, when the
[0039]
That is, when a torque difference equal to or larger than the set value of the limiter operating torque is generated between the rotor 4 and the output disk, a plurality of pins of the output disk are formed from the inner periphery of the fitting holes 18 of the plurality of
[0040]
Then, great stress is applied to the
[0041]
The plurality of
[0042]
Since the rotation of the
[0043]
As a result, when the
[0044]
[Characteristics of the first embodiment]
As described above, the V-belt pulley apparatus provided with the limiter mechanism of this embodiment has a plurality of parts formed between the
[0045]
Specifically, the step d1 is made smaller than the step d2, and the shape of the
[0046]
For example, the set value of the limiter operating torque can be significantly reduced as compared with the case where all the gaps are set wider. Alternatively, the set value of the limiter operating torque can be greatly increased as compared with the case where all the gaps are set to be narrower. Accordingly, the setting value of the limiter operating torque can be optimized and refined by selecting various dimensions of at least one gap.
[0047]
As a result, the limiter operating torque setting value can be set to various values depending on the target vehicle model, and the limiter operation is performed by setting the limiter operating torque setting value within the optimum value or range according to the vehicle model. can do.
[0048]
Further, since it is possible to prevent the limiter operation torque from being set too high, the limiter operation occurs even when a large overload torque does not occur, and therefore, belt wear can be prevented. Further, since it is possible to prevent the limiter operating torque from being set too low, even when a small overload torque with respect to the inertial force is generated when the compressor 1 is started, the limiter does not operate and the compressor 1 Torque transmission to the
[0049]
Further, by making the step d1 smaller than the step d2 and making the shape of the
[0050]
That is, since it is possible to set so as to receive torque with a limited number, the limiter operating torque setting value can be greatly increased compared to the case where all the pin portions simultaneously contact the inner periphery of the
[0051]
[Second Embodiment]
FIG. 8 shows a second embodiment of the present invention and is a view showing a rubber member inserted between the concave portion and the pin portion.
[0052]
The
[0053]
Here, it is also possible to change the set value of the limiter operating torque by the length of the
[0054]
[Modification]
In the present embodiment, an example in which the present invention is applied to a V-belt pulley device that is belt-driven by an engine mounted on a vehicle such as an automobile has been described, but the present invention is an internal combustion engine that is placed at a fixed position in a factory or the like. The present invention may also be applied to a power transmission device that is driven by a belt drive or an output shaft by a drive source such as a motor or an electric motor. In this embodiment, a multistage rotor (V-ribbed pulley) is used, but a pulley having one V-groove may be used. In this case, a V belt having a shape corresponding to the rotor is used.
[0055]
In the present embodiment, an example in which the rotor 4 driven by the belt by the engine is applied as the driving side rotating body and the output disk that directly drives the driving
For example, if the compressor breaks down, it is only necessary to stop the drive of the compressor belt, so a hub member (drive side rotor) mounted on the engine crankshaft and a crank pulley (driven side rotor) on which the compressor belt is hung Shut off the power transmission path.
[0056]
In the present embodiment, an example in which the present invention is applied to a V-belt pulley device (power transmission device) provided with a limiter mechanism that constantly drives the compressor 1 constituting one component of the refrigeration cycle of the vehicle air conditioner has been described. The present invention may be applied to a power transmission device including a limiter mechanism that always drives other rotating devices (for example, an alternator, a water pump, a hydraulic pump, a blower, or a fan).
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing an output disk of a V-belt pulley device (first embodiment).
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 1 (first embodiment).
FIG. 3 is a cross-sectional view showing the overall configuration of a V-belt pulley device (first embodiment).
FIG. 4 is a front view showing a rotor of a V-belt pulley device (first embodiment).
5 is a cross-sectional view taken along the line BB in FIG. 4 (first embodiment).
FIG. 6 is a plan view showing the main configuration of the output disk (first embodiment).
FIGS. 7A and 7B are a front view and a cross-sectional view showing a rubber member (first embodiment). FIGS.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a rubber member (second embodiment).
[Explanation of symbols]
1 Compressor (Rotating device)
2 Drive shaft (rotary shaft)
4 Rotor (Drive-side rotating body)
5 Inner hub (driven rotor)
6 Outer hub (driven rotor)
7 Concave part (concave fitting part)
8 Pin part (convex fitting part)
9 Pin part (convex fitting part)
10 Rubber damper (rubber-based elastic body)
Claims (5)
回転装置の回転軸に連結されて、前記複数個の凹状嵌合部の開口側から奥側に向けてそれぞれ隙間を持って嵌め合わされる複数個の凸状嵌合部を有する従動側回転体と、
前記複数個の凹状嵌合部と前記複数個の凸状嵌合部との間にそれぞれ挟み込まれた複数個のゴム系弾性体とを備え、
前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間にリミッタ作動トルク以上のトルク差が生じた際に、前記凸状嵌合部の先端部分が、前記凹状嵌合部の内周と当接し、トルク伝達による力を受け、前記複数個の凸状嵌合部が折損することで、前記駆動側回転体から前記従動側回転体へのトルクの伝達を遮断することが可能な動力伝達装置であって、
前記複数個の凹状嵌合部の嵌合穴と前記複数個の凸状嵌合部の先端部分との間に形成される複数個の回転方向ギャップのうちの少なくとも1個のギャップは、その他のギャップと比べて寸法が異なるように構成されたことを特徴とする動力伝達装置。A driving-side rotating body that is driven to rotate by a driving source and has a plurality of concave fitting portions formed in the axial direction from the opening side toward the back side;
A driven-side rotating body connected to a rotating shaft of the rotating device and having a plurality of convex fitting parts fitted with a gap from the opening side to the back side of the plurality of concave fitting parts; ,
A plurality of rubber-based elastic bodies sandwiched between the plurality of concave fitting portions and the plurality of convex fitting portions, respectively.
When a torque difference equal to or greater than the limiter operating torque is generated between the driving-side rotator and the driven-side rotator, the tip end portion of the convex fitting portion comes into contact with the inner periphery of the concave fitting portion. A power transmission device capable of interrupting transmission of torque from the driving-side rotating body to the driven-side rotating body by receiving a force due to torque transmission and breaking the plurality of convex fitting portions. There,
At least one gap of the plurality of rotational direction gap formed between the fitting hole and the plurality of convex fitting portions distal end portion of said plurality of recessed fitting portion, other A power transmission device configured to be different in size from a gap.
前記複数個の凸状嵌合部のうちの少なくとも1個の凸状嵌合部は、その他の凸状嵌合部と比べて回転方向の肉厚が異なるように構成されたことを特徴とする動力伝達装置。The power transmission device according to claim 1,
At least one convex fitting portion of the plurality of convex fitting portions is configured to have a different thickness in the rotation direction as compared with other convex fitting portions. Power transmission device.
前記複数個の凸状嵌合部は、前記複数個のゴム系弾性体にそれぞれ接触する接触面を有し、
前記複数個の凸状嵌合部のうちの少なくとも1個の凸状嵌合部の接触面は、その他の凸状嵌合部の接触面に比べて長さが異なるように構成されたことを特徴とする動力伝達装置。In the power transmission device according to claim 1 or 2,
The plurality of convex fitting portions have contact surfaces that respectively contact the plurality of rubber-based elastic bodies,
The contact surface of at least one convex fitting portion of the plurality of convex fitting portions is configured to have a different length compared to the contact surfaces of other convex fitting portions. A power transmission device.
前記複数個のゴム系弾性体は、前記複数個の凸状嵌合部にそれぞれ接触する接触面を有し、
前記複数個のゴム系弾性体のうちの少なくとも1個のゴム系弾性体の接触面は、その他のゴム系弾性体の接触面に比べて長さが異なるように構成されたことを特徴とする動力伝達装置。In the power transmission device according to claim 1 or 2,
The plurality of rubber-based elastic bodies have contact surfaces that respectively contact the plurality of convex fitting portions,
A contact surface of at least one rubber-based elastic body among the plurality of rubber-based elastic bodies is configured to have a different length compared to contact surfaces of other rubber-based elastic bodies. Power transmission device.
前記複数個の凹状嵌合部のうちの少なくとも1個の凹状嵌合部は、その他の凹状嵌合部と比べて開口度合が異なるように構成されたことを特徴とする動力伝達装置。The power transmission device according to any one of claims 1 to 4,
The power transmission device, wherein at least one concave fitting portion of the plurality of concave fitting portions is configured to have an opening degree different from that of the other concave fitting portions.
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